不実な美女か貞淑な醜女か(新潮文庫)
米原万里(著)
/新潮文庫
作品情報
同時通訳者の頭の中って、一体どうなっているんだろう? 異文化の摩擦点である同時通訳の現場は緊張に次ぐ緊張の連続。思わぬ事態が出来する。いかにピンチを切り抜け、とっさの機転をきかせるか。日本のロシア語通訳では史上最強と謳われる米原女史が、失敗談、珍談・奇談を交えつつ同時通訳の内幕を初公開!「通訳」を徹底的に分析し、言語そのものの本質にも迫る、爆笑の大研究。
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商品情報
- シリーズ
- 不実な美女か貞淑な醜女か
- 著者
- 米原万里
- 出版社
- 新潮社
- 掲載誌・レーベル
- 新潮文庫
- 書籍発売日
- 1997.12.24
- Reader Store発売日
- 2015.12.18
- ファイルサイズ
- 1.3MB
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この作品のレビュー
平均 4.2 (125件のレビュー)
-
「いいかね、通訳者というものは、売春婦みたいなものなんだ。要る時は、どうしても要る。下手でも、顔がまずくても、とにかく欲しい、必要なんだ。どんなに金を積んでも惜しくないと思えるほど、必要とされる。とこ…ろが、用がすんだら、顔も見たくない、消えてほしい、金なんか払えるか、てな気持ちになるものなんだよ」(14p)
これが米原万里の師匠から授けられた「通訳者=売春婦」理論である。以降、米原万里は通訳料金の前払いを胸に刻み込んだという。
ずっとレビュアーの間から高い評価を勝ち得てきた米原万里さんのエッセイを初めて読んだ。通訳のあれこれだけで、1冊を書き通した。訳するということを全方位から解体しながら、面白いエピソードだけで繋いでゆくという荒技を、難なく成し遂げる真の知識人の魅力を満喫した。
本書の執筆は、1994年であるが、74pに、既にPC翻訳の進歩について言及している。
London has knocked some of corners off me.
という訳は、「機械翻訳で次のようにまでは処理できる」と、米原さんいう。
ロンドンは私から角の幾つかを叩き落とした。
しかし、それでは意味をなさない。どうしても次のように訳する必要があるという。
ロンドンに来たお陰で角が少し取れた。
これが「機械翻訳の限界」だと米原万里さんは胸を張る。それから30年、いくらなんでも機械翻訳は人間に近づいているんではないかと、iPhone所蔵のアプリで翻訳してみた。以下である。
ロンドンは私からいくつかのコーナーをノックしました。
良かった!全然進歩してない。米原万里さん、未だ大丈夫ですよ。
著者あとがきの後に、文庫本編集者の後書きが載っている。そこに彼女の「絶筆」が載っていた。エッセイでもなく、小説でもなく、本書の間違いを指摘した読者へのお礼の手紙だった。亡くなるたった15日前の誠実な文章だった。米原万里。かけがえの無い人だったのだと思う。
続きを読む投稿日:2024.02.20
面白かった。言葉というものがいかに人を形作るものかという話は本当に面白い。
昨今の言葉の軽さを悲しいと思う身にとっては思わず膝を打ってしまうようなエッセイだった。
もっと言葉を大事に扱おう。投稿日:2024.06.25
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