この作品のレビュー
平均 3.7 (16件のレビュー)
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司馬遼太郎さんの連作短編集。数十年ぶり?の再読。
題名通り「豊臣家の人々」。
〇秀吉の甥~豊臣秀次
〇秀吉の妻の甥~小早川秀秋
〇秀吉の養子~宇喜田秀家
〇秀吉の妻~北政所
〇秀吉の弟~豊臣秀長
〇…秀吉の妹~旭姫
〇秀吉の養子(家康の実子)~結城秀康
〇秀吉の養子(天皇の弟)~八条宮
〇秀吉の側室&息子~淀殿・その子
という構成になっています。
司馬遼太郎さんは、とても読み易く面白い歴史小説を書く人ですが、わけても秀吉はお気に入りです。
「新史太閤記」を読むと、天下統一寸前くらいまでの秀吉が活き活きと描かれています。
その上で「功名が辻」とか、秀吉の死までの流れは良く判ります。
更に、「関ヶ原」「城塞」「覇王の家」を読むと、死語の豊臣家滅亡、徳川幕府が軌道に乗るまでが判ります。
正直、それらを経たうえで、「豊臣家の人々」を読むと、なかなかしみじみと味わい深いものです。
(それらを全く読まずにいきなり「豊臣家の人々」を読んで、どんな味わいなのか、ちょっとわかんないです...)
「豊臣家の人々」。
まあ要するに、ほぼ全員が、「無能」「凡庸」「不幸」「平凡」のどれかに当てはまります。
それなりに人物と能力として光るものがあったのは、北の政所さんと、秀長さん、結城秀康さんくらいですね。(無論、司馬さんのこの本に於いては、ということですが)。
ただ、そういう人々はみんな、「女性であり、子が産めなかった」「早世した」「全く活躍の場を与えられなかった」という理由で、サッパリ光ることなく生涯を終えてしまう。
(まあ、北の政所はそうでもないかもですが...)
その三人以外。(まあその三人もなんですが)
「秀吉の身内だった」「秀吉と絡んだ」という理由だけで、それなりの大きなステージを与えられたり、歴史の中でささやかな役割を与えられたりしてしまう。
それは時にはギリシャ悲劇のように悲壮だし、ときにはベタベタのコントのように喜劇だったりします。
そういったことを含めて、「豊臣時代」「豊臣政権」「秀吉の時代」という歴史の、稀有なまでのドラマ性なんだなあ、と感じました。
醜悪だったり無茶苦茶だったりを含めて、その花火のような儚さと、あぶくのようなもろさ。そして絢爛さ。
そんな味わいが、司馬遼太郎さんは好きなんだなあ。言ってみれば「秀吉のあしおと」が遠くに遠ざかっていく。そのかすかな足音に耳をそばだててみたいんだなあ、という一冊。
ご縁で今、ちょうどその時代のことを良く考えているので、ふっと衝動的に再読。
前に読んでいたのが「罪と罰」だったせいか、さらさらっと読みやすく、イッキに読んじゃいました(笑)。
戦国時代が好きな方、司馬さんの「新史太閤記」あたりを読んでいる方は、よかったら。続きを読む投稿日:2016.03.28
大河ドラマ「真田丸」も終わりに近づいた
先夜の回は視聴率が落ちたそうだ
まあそうだろうな、とは思うけどわたしは見た
不謹慎かもしれないが、絵巻物を見るようにである
それは結構おもしろい
司馬遼…太郎氏の作品
『新史太閤記』『功名が辻』『播磨灘物語』『『関ヶ原』『覇王の家』
そしてこの『豊臣家の人々』を読了してみれば
あの戦国時代が終わりを遂げる時期の人間模様を
司馬さんの目を通して彷彿とさせる
自分も詳しくなったような気がする
そのおもしろさが映像となるので心地よいのだろう
それだからこそ、繰り返しこの手のドラマが出てくるのだろう
司馬さんは上記に挙げた著書以外にも戦国時代・終焉関係小説が多々あるそうだが
そんなこと言っては何だけれども
ひとつこと詳しくお調べになると、多方面から本が書ける
作家って(もちろん才能ありでだが)おいしいねえ
という感じでこの本を面白く読んだ続きを読む投稿日:2020.02.13
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