ここで死神から残念なお知らせです。(新潮文庫nex)
榎田ユウリ(著)
/新潮文庫nex
作品情報
梶真琴(かじまこと)が、喫茶店で耳にした不可解な会話。それは、保険外交員風の男が老婦人に契約書のサインを求めている光景だった。男は、死んだことに気づかぬ人間を説得する「死神」だと宣(のたま)う。漫画家志望で引きこもりの梶は、なかば強引に死神業を手伝わされることに。最期を迎えた人々を問答無用であの世へ送る、空前絶後、死神お仕事小説! ――あなたは、死んでいないと言い切れますか?
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商品情報
- シリーズ
- 死神シリーズ
- 著者
- 榎田ユウリ
- 出版社
- 新潮社
- 掲載誌・レーベル
- 新潮文庫nex
- 書籍発売日
- 2015.01.01
- Reader Store発売日
- 2015.06.26
- ファイルサイズ
- 2.9MB
- シリーズ情報
- 既刊4巻
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.4 (79件のレビュー)
-
毒舌!死神登場
タイトルと表紙絵が目につき購入。
死神と死神のアシスタントになったニートの梶君が死んだ事を自覚していない人に死を受け入れさせるまでのお話です。
重い内容かと思いきや、各話ともにおだやかな終わりのた…め読みやすく良いです。
死神の性格の悪さや毒舌が、また面白いです。
結末は予想できませんでした。
続きを読む投稿日:2015.08.04
-
死 ― 誰にでも訪れるが、誰もがその訪れを自覚して迎えるとは限らない。そして自分が死んだことに気づかないでいる者は、肉体が崩れ去るまでルーティンどおりの行動をとるという。
そんな「生ける屍」…状態の者を放置しておくと社会に支障を来たすことになる。そこで登場するのが死神だ。
死んだことを説明して納得させ、死を受け入れる契約書にサインさせる。そんな奇妙な営業活動を明るくこなす死神を描くオカルトファンタジー。
◇
うたた寝から目覚めた俺はノロノロと起き上がった。そのまま洗面所に行き顔を洗う。今朝はなぜか水の冷たさをさほど感じない。まだ2月とは言え、どうやら今日はあまり寒くないようだ。
鏡を見る。陰気そうな顔が映っている。重そうなひと重瞼にボサボサの眉。笑顔とは無縁の暗い表情。人を不快にするだけのその顔は、30歳になった今でも「死神」という中学時代の渾名そのものだ。
時計を見る。午前7時35分。昼夜逆転生活をする引きこもりの俺にとり、朝は1日の終わりを意味する。
今日も何もしなかった。クリエイターになりたいと思ってはいるが、そのための努力をしていない。浪費した時間だけがどんどん過ぎていくばかりだ。
父親も愛想が尽きたのか、先月から仕送り額を減らしてきた。ため息をつき、俺は出かける用意をした。
目指すは喫茶ニルヴァーナ。ワンコインでモーニングが食べられるし、何よりマスターが無口なのがいい。
店に入るといつものように奥のテーブルにつきアメリカンモーニングを注文する。
ぼんやり座って待っていると、うしろのテーブルから若い男の声が聞こえた。
「苦しまずに、楽に死ねればいいのに、と思うでしょう? ねっ、斎藤さん」
立て板に水のごとく話し続ける男の明るい口調とは裏腹に、その内容はあまりに物騒だった。
気になった俺はそっと振り返り、観葉植物に隠れて様子を窺うことにした。そうすると……。
( 第1話 ) 全5話とエピローグからなる。
* * * * *
軽いながら、人生の指針となる内容を盛り込んだファンタジーらしい作品でした。つい読んでしまうのは、設定や構成のうまさがあるからでしょう。
まず死神。なかなか新鮮でした。
大鎌を手に人の生命を奪いに来るような禍々しいイメージの死神ではなく、自分の死を自覚していない人の前に現れて死を認め受け入れるよう説得し、書類にサインをもらうという営業マンのような死神です。
明るくポジティブな性格や、マンガ家志望の梶真琴の蔵書を速読して楽しむところなども親しみが湧きます。
次に主人公の梶真琴。
死神とは対照的な暗くてネガティブな性格。そして、どんなことでも、先にできない言い訳を探して動かない自分を正当化するという、脳みそにカビでも生えているのかと思うほど鬱陶しい男です。
物語は、喫茶ニルヴァーナで知り合った死神と梶が行動を共にすることで進んでいきます。
死神の仕事を梶が手伝うことになるのですが、すでに死んでいることを告げられた人たちの反応や死に様を目の当たりにするうちに、梶が成長していくといった構成になっています。
終盤に死神が淡々と梶に告げるセリフ。
「人間ってのはね、いつか自分が死ぬことを知っている唯一の生物だよ。」のくだりは十分な重みがあり、思わず人生に対する自分のスタンスを見直してしまいました。
また、本編最後にちょっとした仕掛けがあり、ラノベながら印象深い作品に仕上がっています。
そして、エピローグは第2部と言ってもいいような内容で、死神の存在感を際立たせるエンディングでした。
感動巨編ではありませんが、重い作品のあとの箸休めに適しているのではないでしょうか。続きを読む投稿日:2024.05.18
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