- 最新巻
峠(下)
司馬遼太郎(著)
/新潮文庫
作品情報
開明論者であり、封建制度の崩壊を見通しながら、継之助が長岡藩をひきいて官軍と戦ったという矛盾した行動は、長岡藩士として生きなければならないという強烈な自己規律によって武士道に生きたからであった。西郷・大久保や勝海舟らのような大衆の英雄の蔭にあって、一般にはあまり知られていない幕末の英傑、維新史上最も壮烈な北越戦争に散った最後の武士の生涯を描く力作長編。
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商品情報
- シリーズ
- 峠
- 著者
- 司馬遼太郎
- 出版社
- 新潮社
- 掲載誌・レーベル
- 新潮文庫
- 書籍発売日
- 2003.10.25
- Reader Store発売日
- 2015.06.05
- ファイルサイズ
- 1.5MB
- シリーズ情報
- 既刊3巻
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この作品のレビュー
平均 4.1 (112件のレビュー)
-
下巻にきて、これまで上巻、中巻で圧縮されてきた河井継之助のパワーが一気に爆発した感じだ。これまでの上巻・中巻がどちらかと言えば「静」の感覚だが、下巻にきて一気に「動」へ転じる。小説としても、最後の最後…でドカンとクライマックスを迎える感じだ。
河井継之助という名前は、世にあまり知られていない。歴史の教科書には出てこなかったからだろうか?少なくとも自分には記憶がなかった。
また、大河ドラマに取り上げられたこともなく、「なぜ取り上げられないのか?」との疑問の声も多い。
圧縮されたパワーが爆発したとはいえ、この爆発の形は、河井自身が考えていた理想とは全く異なる形での爆発だった。強い意思を貫いてきた彼だが、最後は時代の流れに飲み込まれ、彼にとっては魔の力とも感じたであろう意思に反する力に引きずり込まれての、やむにやまれぬ戦いに巻き込まれてしまった。
小説の紹介文には、「西郷・大久保や勝海舟らのような大衆の英雄の陰にあって、一般にはあまり知られていない幕末の英傑、維新史上最も壮烈な北越戦争に散った最後の武士の生涯をを描く力作長編」とある。
中巻で、福澤諭吉との対話シーンがあるが、当時の時代の大きな流れに逆らうかのような印象を受けた。時代に流されず自身の信念の姿は人としての強さを感じる一方、この巨大な流れに耐えらるのかとの不安を常に感じながら読み進めた。
大政奉還後も、薩長を中心とした官軍と、旧幕府軍との戦いは続き、これを「戊辰戦争」と一言で表現されることが多い。官軍と旧幕府軍との闘いは、鳥羽・伏見の戦いや、上野戦争、函館戦争がクローズアップされることが多いが、もう一つの大きなキーとなる東北戦争に、とりわけ局地戦であった北越戦争に焦点を当てられたのが、この「峠」の下巻だ。
ここまで壮絶な戦いであったというのは、この「峠」を読んで初めて知った。河井はこのときは、藩士、家老というよりも、一人の軍総司令官であった。
河井は幕府系の長岡藩に生まれ、忠誠の心を貫くということと、倒幕・維新という時代の流れとの狭間で、それらを両立させるためには、長岡藩を中立的な存在としてそれに耐えうる力を持たねばならないと考えたのかもしれない。
しかしながら、彼の中立国の理想は、最終的に魔の働きによって捻じ曲げられ、結果として官軍と壮絶な戦いをせざるを得ない宿命の中に投げ込まれた。長岡藩の民衆を守りたいという理想とは全く真逆の結果、民衆をことごとく戦いに巻き込んでしまうという結果を導いてしまった。
彼があるいは、長岡の出身でなく、薩長に生まれていたとしたら、西郷、大久保や勝海舟らと歴史に名前を並べていたかもしれない。
同じ幕末を読むにしても、違う角度から読んでみると、なんとなく時代が立体的に見えてくるように感じるものだな・・・という感想だ。続きを読む投稿日:2018.07.15
『最後のサムライ』という映画の副題がしっくりくる良い作品。ただ、主人公に目を向けると、結局は領民の命より武士としての生き様を重視した人物だという印象。おそらく司馬さんのフォローだろうが、個人的には彼に…長岡藩が小さ過ぎたとは思えない。続きを読む
投稿日:2024.02.10
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