完本 寺内貫太郎一家
向田邦子(著)
/新潮社
作品情報
昭和の暮らしと家族を書きつづけた向田が「貫太郎のモデルは私の父である」と語り、最も愛着の深かった一作。口下手で怒りっぽいくせに情に厚い東京谷中(やなか)の石屋の主人、寺内貫太郎が、TVドラマの肝である、娘を嫁がせるまでのゴタゴタと婚礼は小説では描かれていなかった。全集等の編集者が向田脚本で後半をノベライズ、代表作の全貌を味わえる「完本」。
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商品情報
- シリーズ
- 完本 寺内貫太郎一家
- 著者
- 向田邦子
- 出版社
- 新潮社
- 書籍発売日
- 2013.07.31
- Reader Store発売日
- 2014.06.27
- ファイルサイズ
- 0.6MB
- ページ数
- 558ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (3件のレビュー)
-
寺内貫太郎一家というドラマを、ちゃんとは覚えていない。郷里の再放送で子供の頃、朧々に見た覚えがある。ホームコメディとして人気があったはずだ。この本の前半、『寺内貫太郎一家』の新潮文庫版をお小遣いで買い…求めて読んだのは、小学校六年の折。小豆がかった茶色の背表紙を、まだはっきり覚えている。
一年近い入院の折、他にもなにか本はあったであろうに、なんでこれを買って病室でひとり読んでいたのか。とかくこの世は生き難いものなのだなと、子供心に思い、長じて親元を離れてから再読して、やっといっぱしに苦労の一つも覚えたなぁと、渋い日本茶を飲みながら思ったのが昨日のことのようだ。
思えば母が、私を連れて東京に越してきた頃、『女の人差し指』が蔵書にあった。生まれつきの病の治療に金がかかった私のため、火の車以上に苦しかった頃、沢村貞子さんの「私の台所』向田邦子さんの『女の人差し指』池波正太郎さんの『味と映画の歳時記』をハードカバーで買って「三冊もご本を買うなんて、ママが贅沢をしている、珍しい。」そう思った覚えがある。後年、母の蔵書は散逸してしまい、図書館で借りて、お三方とも私は愛読することになるが、その大人の読書への入口のひとつは、紛れなく文庫版の『寺内貫太郎一家』であった。
子供の頃の初読。おとなになってからの旧全集版での再読。完本での再再読、人生三度目に読む。で、一日で読み切ると、多少もたれる。だが、解っているけど読みやめられない。言いたいことをぐっと胸にしまって、耐えて笑うのが大人なんだなと、今はよく分かる。母もあの頃、誰も知人や味方のない東京で、本を読む間だけは、「この気持ち、わかるわ」と、何かに同調し、本から『私も解るわ。あなたの気持ち』と答えて欲しかったのかもしれない。
娘の私はと言えば、里子のような賢い女になりたいと思いながら、頑張ってもそうはなれなかった。お涼や直子、マモルの実母など、向田作品には意外と影のある女たちも登場する。ミヨ子の明るさも、影には嘘や悲しみが見え隠れする。それでも、女というものは、押したり突いたりしながら、どうにか生きているもので、男というのも、様々な想いを抱きながら、世間様並みに生きようとじたばたしている。そんなことが、ぐっと胸に来る一冊だった。
完本では、貫太郎の長女、静江が、山あり谷ありを乗り越えて、上条に嫁ぐまでが描かれ、彼女が幸福にならないと、貫太郎の気がすまないだろうな…と思っていた読者は、ほっと胸をなでおろす。あまりに収まるまでゴタゴタありすぎる気もするし、これで良いような気もするし…。ともかくようやっと、向田邦子さんと私との間の、置きっぱなしになっていた宿題のようなものが一区切りした気がする。振り返れば、本当に遠くまで来たものだ。続きを読む投稿日:2020.01.20
このドラマ、好きだったな。他にも「時間ですよ」とか。大家族をベースとした人情ドラマが一世を風靡していた時代を懐かしく思い出します。
投稿日:2013.11.08
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