江戸の紀行文 泰平の世の旅人たち
板坂耀子(著)
/中公新書
作品情報
徳川の世は泰平。人びとはどこへでも旅ができる喜びを実感する。旅といえば辛く悲しいという中世以来の意識は劇的に変化し、「楽しい」「面白い」が紀行文の一つの型となり、さらに「いかに実用的か」が求められるようになる。辺境への関心も芽生え、情報量も豊富になっていく。好奇心いっぱいの殿様の旅、国学者のお花見、巡検使同行の蝦夷見聞などを通して、本書は江戸の紀行文の全体像を浮かび上がらせるものである。
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商品情報
- シリーズ
- 江戸の紀行文 泰平の世の旅人たち
- 著者
- 板坂耀子
- 出版社
- 中央公論新社
- 掲載誌・レーベル
- 中公新書
- 書籍発売日
- 2011.01.25
- Reader Store発売日
- 2014.12.21
- ファイルサイズ
- 6.4MB
- ページ数
- 307ページ
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この作品のレビュー
平均 3.6 (13件のレビュー)
-
力作である。しかも学術的なレベルもたいへんに高い。
江戸時代の紀行文と言えば、まずは芭蕉の『おくのほそ道』であり、十返舎一九の『東海道中膝栗毛』が思い浮かぶのであるが、筆者はもっと他にすばらしい紀行文…があるのだと主張する。例えば、貝原益軒であり、本居宣長であり、橘南谿であり、小津久足である。
紀行文の性格をどのようにとらえるか(文学となり得るかどうか)ということに関しても、実際に江戸時代に書かれた紀行文を渉猟することで、日の目を見ないままに埋もれている多くの作品の、紀行文としての価値を再評価する必要性を説く。
そんな江戸時代からの紀行文の流れは、そのまま現代のブログなどで紹介されている多くの旅行記などにまっすぐつながっているのである。続きを読む投稿日:2020.06.10
本居宣長の菅笠日記の解説を読みたくて手に取ったが、和泉日記の巻も大変面白かった。
はじめに、著者からのメッセージ
①江戸時代の紀行は面白い
②面白さの理解には、豊富な情報、前向きな旅人像、正確で明快…な表現という新しい評価基準で紀行を見直す。
③江戸時代の紀行文の代表作は
貝原益軒の「木曽路記」橘南谿「東西遊記」、小津久足「陸奥日記」だと。
P111
江戸時代の紀行文は擬古文が多く、分かりにくくまわりくどくて読みにくい。
まさに和泉日記がそれにあたる。
ただ、面白いから許せると著者は話す。
中には内容までも伝統的な古い紀行を意識し、自分自身の旅の悲しみなどを綿々と綴ろうとするものが多く、退屈なものになってしまう。
しかし本居宣長の文体にはそれらの冗長さや難解さが少ない。
P114
菅笠日記は、のどかで温かいにも関わらず、作者と共感しようとすると柔らかく拒絶される。
P128
人の心は今も昔も同じだが、その時々や所々によって異なることもある。だから物語を読む時にはその時代の常識や登場人物の立場を十分に考えて、それらの人物の心境になって読まないと理解できない点がある。
↑これは現代小説にもつうずる考察だ。
まさに、源氏物語については
P143
最初から終わりまで、普通の穏やかな日常が繰り返されていくだけなのに、退屈もせずひたすら次が読みたくなる。
P230 東西の祭りの比較についての論説もとても面白かった。
江戸は五六年で様式が様変わりするのに、上方はそのまま保存されている。それはすなわち発展せず活発でないから。続きを読む投稿日:2024.03.02
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