高慢と偏見(上)
ジェイン・オースティン(著)
,中野康司(訳)
/ちくま文庫
作品情報
元気はつらつとした知性をもつエリザベス・ベネットは、大地主で美男子で頭脳抜群のダーシーと知り合うが、その高慢な態度に反感を抱き、やがて美貌の将校ウィッカムに惹かれ、ダーシーへの中傷を信じてしまう。ところが……。ベネット夫人やコリンズ牧師など永遠の喜劇的人物も登場して読者を大いに笑わせ、スリリングな展開で深い感動をよぶ英国恋愛小説の名作。オースティン文学の魅力を満喫できる明快な新訳でおくる。
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商品情報
- シリーズ
- 高慢と偏見
- 著者
- ジェイン・オースティン, 中野康司
- 出版社
- 筑摩書房
- 掲載誌・レーベル
- ちくま文庫
- 書籍発売日
- 2003.08.06
- Reader Store発売日
- 2014.07.31
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- シリーズ情報
- 既刊2巻
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この作品のレビュー
平均 4.4 (56件のレビュー)
-
1775年〜1817年に生きた女性作家ジェーン・オースティンの小説。古い時代の小説だから文章が硬いのかと思っていたら、冒頭「金持ちの独身男性はみんな花嫁募集中にちがいない。これは世間一般に認められた真…理である。」ハハッ、なんか女性週刊誌みたいなノリだね。
「近所に金持ちの独身男性が引っ越してきた」とすぐに張りきり、「五人娘の誰かを嫁に」と目論んで「あなた、ご挨拶に行かなきゃ」と夫をせかし、「ディナーに招待しなきゃ」「舞踏会に招待されるかも」とそれだけが生きがいのベネット夫人。
ベネット家の長女ジェインは美しく、実際に例の“金持ちのイケメン独身男性隣人”ビングリー氏を夢中にさせ、「二人の結婚は近い」と囁かれるが、身分違いの結婚はありえないと考えるビングリー氏の姉、妹や親友から有難迷惑な邪魔が入る。
舞踏会やディナーで臆面もなく娘の自慢話ばかりするベネット夫人。器量が悪い分、音楽でいい所を見せようと下手なのに歌の披露を止めない三女メアリー。素敵な軍人との出会いばかり考えている四女と五女。美しく心のきれいな姉の幸せを心から祈り、馬鹿な母と妹達の行動を恥ずかしがっている、人間観察力豊かな次女エリザベスがこの小説の主役。エリザベスの目を通した、周りの人間たちの馬鹿で下心ありありの行動が面白い。いつの時代も一緒だ。
女たちは財産のある男との結婚のことばかり考えていて、ここに出てくる男性は仕事らしい仕事は何もしていなくて(財産で暮らしていて)、「貧乏な男はお金持ちの女性と結婚しなければ」というのが一般常識で、何故か「貧乏だから頑張って働こう」という意識は全然なくて、退屈ばかりして、トランプばかりしていて、今に生きる私から見て魅力的な男性はいない。
が、五人姉妹の父、ベネット氏の言葉はいつもウィットに富んでいて面白い。例えば、全く空気の読めない馬鹿だけど、財産のあるコリンズがエリザベスにプロポーズしたのを母親が両手を挙げて喜んだが、エリザベスが断ったことを怒り、
「このプロポーズを断ったら私はあなたの顔を二度と見ません。」
と言ったことに対し
「エリザベス、困ったね。お前は両親のどちらかと縁を切らなくてはならないぞ。この縁談を断わったら、お母さんはお前の顔を二度と見ないと言ってるが、お父さんはお前があんな男と結婚したら二度とお前の顔を見たくない。」。
どうやら、ジェインとビングリー氏の結婚が駄目になったようだと分かったとき
「どうやらジェインは失恋したようだね。おめでとうと言ってあげよう。若い娘の好きなものは恋愛だが、二番めに好きなのは、時々ちょっとした失恋をすることだ。失恋はなかなかロマンチックだし、女の勲章みたいなものだ。」。
馬鹿だけど、その社会で生き延びようと強かに生きる女たちが嫌いにはなれない。愛はないけれど、オールドミスにはならず、まあまあの暮らしを得るためにコリンズと喜んで結婚したシャーロットのことも私は憎めない。ジェンダー平等という言葉も今の世にはあるが、いつの世にも男性には男性の悩みが女性には女性の悩みがあり、そんな中で、器量とか能力とか財産とか自分の強みは強みで、ちゃんと使って、弱みは弱みで上手いこと補って生きていこうと強かに考えて生きる人間の姿はある意味愛らしいな。この時代に女性にしか書けないものを書いたジェーン・オースティン氏も魅力的。
最後にグッと惹かれたのはダーシー氏。大金持ちで無愛想で高慢ちきでエリザベスはすごく嫌っていたけれど、その彼女にまさかの告白。「自分より随分身分が下の女性だから悩んだけれど、それでもどうしてもこの気持ちは抑えられない」と正直すぎて失礼の上塗りで、エリザベスを益々怒らせる告白だけど、それでも一生懸命また、正直過ぎる手紙を必死で渡す。冷たい印象の彼がこんなことするのが、読者には魅力的。それにダーシーって私に似てると思うのさ。金持ちじゃないし、性も違うけど。
続きを読む投稿日:2022.09.04
大学生の頃初めて読んだ大好きな作品。当時、読後はきゅんきゅんして、授業の一環で仕方なく購入した小説(原文も購入)がこんなに面白いとは!!と衝撃だった。
それから年月が経って、久々にダーシー氏のきゅんが…欲しい〜と今回再読。変わらずダーシー氏にはきゅんとさせられた(笑)個性的で滑稽な人物がたくさん出てきておかしいし、話はテンポが良くめちゃくちゃ面白い。200年前の小説とは思えない。見事すぎる。続きを読む投稿日:2024.01.22
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