奇兵隊燃ゆ――志士の海峡
童門冬二(著)
/祥伝社文庫
作品情報
高杉晋作の跡を継いで長州奇兵隊総管(隊長)に赤根武人が就任した。貧しい階級の出の彼には、密かな野望があった。身分にとらわれない、隊の実力主義を押し進め、誰もが同じ地位に横に並ぶ組織を実現しようとしたのだ。しかし武人の理想とはうらはらに、高杉との溝は深まっていく。ついに二人の仲は、四カ国連合艦隊下関砲撃の日に決定的な対立を迎えた。忘れられた存在だった赤根武人に光を当てることで、維新のもう一つの側面であった「身分制の解放」を掘り起こし、奇兵隊の知られざる一面を鋭く抉った、傑作歴史小説。
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商品情報
- シリーズ
- 奇兵隊燃ゆ――志士の海峡
- 著者
- 童門冬二
- 出版社
- 祥伝社
- 掲載誌・レーベル
- 祥伝社文庫
- 書籍発売日
- 1992.12.20
- Reader Store発売日
- 2012.01.20
- ファイルサイズ
- 4.9MB
- ページ数
- 291ページ
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この作品のレビュー
平均 2.5 (2件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
赤禰さんを扱った小説はあまりないので、読んでみた。
レビューの続きを読む
奇兵隊とタイトルにあるほど奇兵隊の同行を追うわけでもなく
淡々と赤禰さんの行動を作者が述べている、というような
時代小説の基本形で、あまり燃えるような展開や感情描写は
なかったように思う。
資料が多いとは言えない人物なだけに
丁寧に調べて書かれているのだろうし
だからこそ想像の余地があるのも良いところだと思うが
童門氏の見解が地文や赤禰の言葉に多分に入っており
けして中立な立場から描かれた物語ではない。
また、新選組との関わりがあったと聞けば
作家としてそこを膨らませたくなるだろうとは思うが
個人的には、だからと言って屯所に預かってしまい
短期間に局長、副長、沖田の3人セットでぽんと会ってしまうのが
ありえないしちょっとミーハー展開に感じてしまった。投稿日:2013.02.10
文久3年(1863年)10月、奇兵隊総官(隊長)に長州藩士・赤根武人が就任した。
彼には密かな野望があった。
百姓や町人すら兵にする奇兵隊の実力中心主義を押し進め、「だれもが同じ地位に横に並ぶ組織」を…実現しようというのである。
しかし、理想に向けて武人が邁進するにつれ、隊の創設者・高杉晋作との溝が深まり、連合艦隊砲撃の日、決定的な対立を迎えた……。
(カヴァーより)
赤根武人は、同時代の人から理解されなかったという意味では、坂本竜馬とも通じる部分がある。
だが、決定的に違うのは、時を引き寄せる運、周旋の才能、人的魅力等の条件において、恵まれなかったという点ではないだろうか。
赤根が目指したものは、何よりも身分差別からの解放であった。
それは、まさに勤皇一色の長州藩の人間でありながら敢えて新撰組に接近したからも明らかである。
彼自身は、日本における身分の扱われ方の実態を、様々な方面で確認し、長州における"地位の横並び"に役立てようとしたのだろう。
だが、やはり、時期というものがある。
高杉晋作の次の総督とはいえ、元々、長州藩内における赤根の評判は、必ずしも良くない、というよりは、悪い。
奇兵隊の上層部は、高杉以下、多くが吉田松陰門下生である。
一方、赤根は、一時期は、松陰門下であったとはいえ、吉田松陰が最も嫌った梅田雲浜の弟子なのである。
しかも、商会を作り、交易をした梅田(や、弟子の赤根)は、「武士ではなく、商人か?」と非難されていたわけだから。
坂本も海援隊を作ったが、彼の場合、倒幕のための原動力だと明確に示しており、支持者にも、その重要性がよく伝わっていた。
また、長州藩自体の情勢も、四国艦隊砲撃や長州征伐によって、転換していた。
逆に、赤根は、時期を考えずに、とにかく、地位を横並びにして欲しいという要求を押し通した。
それは、理解者の少ない、孤独な戦いだったのだ。
やはり、天の時というものがあるのだと思う。
少なくとも、あの高杉晋作(彼は、終生、武士であることに固執した)と対立しては、成功することも失敗してしまう。
裏切り者の汚名を着せられ、処刑され、今となっては、世間からも忘れ去られようとしている赤根武人。
彼もまた、早すぎた人物だった。続きを読む投稿日:2008.12.20
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