死の壁
養老孟司(著)
/新潮社
作品情報
過去に死ななかった人はいない。人間の死亡率は100%なのだから――。誰もが必ず通る道でありながら、目をそむけてしまう「死」の問題に『バカの壁』の養老先生がズバリ解答! Q.自殺はダメ? A.「どうせ死ぬんだから慌てるんじゃねえ」 Q.生きがいとは何か? A.「そんな問いは暇の産物。トイレに行きたいときに考える?」 Q.なぜ人を殺してはいけないのか? A.「死は回復不能だから」……など、死にまつわるさまざまなテーマを通じて、現代人が生きていくための知恵を考える。逃げず、怖れず、考えた最終解答!
もっとみる
商品情報
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.7 (165件のレビュー)
-
人生の問題に正解はない、そもそも本に書いてあることを全部絶対正しいなんて思わないでくれ
実際に、何でも、「調べればわかる」「見ればわかる」というようなことはありません
ただし、人生でただ一つ確実なこと…があります。人生の最終解答は、「死ぬこと」だということです。
気になったことは、以下です。
なぜ人を殺してはいけないのか
⇒ 二度と作れないもの だから
⇒ 殺すのは簡単、でも後戻りできない
人間が死ぬということが知識としてはわかっていても、実際にはわかっていない
そもそも、人間とは移り変わるもの。平家物語でも、方丈記でも、中世文学に流れているものは、人とは変わっていくものであると語っています。
中世に描かれた「九相詩絵巻」。そこに描かれているのは、生きた美女が死んで、腐っていき、最後は、骸骨になるまで。人間型の骸骨だったのがバラバラになるところまでが描かれている
中世は、死がとても身近なものだったのです
逆に、現代人にとって「死」は実在ではなくなってきている。
生とは何かがわからないと、死とは何かもわからない
脳死が、部分的な脳死が、ほんとうの死なのかどうかは実はわからない
生死の境目、死の瞬間が厳格に存在しているというのは勝手な思い込みにすぎない
臓器移植が始まる前までは、死とは、 ①自発呼吸が止まる ②心拍がとまる ③瞳孔が開く であったのに、現代は、「ハテ?」となっている。
死体って、もの、それとも人。塩をきよめに使うというのは、穢れとみているから、死体とは穢れ
戒名とは、死んだから別のものになったから、死んだ奴は我々の仲間ではない
日本人は、火葬を拒否する人はあまりいません。でも、イラン人は火葬して問題になる。それは宗教で火葬を禁じているから。
靖国のルール、死者は別もの、だから、神さまとしておまつりしても問題はないという考え
7章からは、別の論点となります。
一元論に陥ったときに、人は絶対の真実があると思い込んでいます
「みんなのため」は、本当にいろんなことをしなければならない。決して、「みんなと一緒のことをする」ではない
乃木希典の覚悟、兵を死にやった重さを背負わなければならなかった。人の上に立つ人というのは、本来こういう覚悟がなくてはいけない。
みんなが嫌がることは、エリートがやっていた。エリートとはいうのは本来はある種の汚れ仕事を引き受ける立場の人だった。現在は、エリートが存在しにくくなったということになります。
エリート教育がなくなってしまっているのが根本です。多くのトップ、指導者に自分が生死を握っているという意識がなくなっているのもそのせいです。
死の恐怖は存在しない。 死んだらどうなるかというようなことで悩んでも仕方がないのです。自分の死について延々と悩んでも仕方がないことです
老醜うんぬんというのはありまでも、他人が見ての話であって、当人の問題ではありません。
周囲の死を乗り越えてきた者が生き延びる。「神に愛される者は早死にする」
目次
序章 「バカの壁」の向う側
第1章 なぜ人を殺してはいけないのか
第2章 不死の病
第3章 生死の境目
第4章 死体の人称
第5章 死体は仲間はずれ
第6章 脳死と村八分
第7章 テロ・戦争・大学紛争
第8章 安楽死とエリート
終章 死と人事異動
あとがき
ISBN:9784106100611
出版社:新潮社
判型:新書
ページ数:192ページ
定価:760円(本体)
発売日:2004年04月15日続きを読む投稿日:2023.07.10
バカの壁の続編であり、死に焦点を当てて書かれている。
生と死の区別、境目が科学的には極めて曖昧であるという点は非常に興味深かった。
またなぜ人を殺してはいけないのか、という問いに対して、「殺したら元に…は戻らないから」という、単純明快な答えを返している点も印象深い。
また死の人称という考え方も面白く、中でも一人称の死、は存在しないから考えたり悩む必要はない、というところは心に残った。一人称の死を考えるより二人称の死をどう受け止め、死を不幸としない、考え方、生き方をすることが大切。続きを読む投稿日:2024.04.02
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。