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豊田巧の「鉄道書籍ノススメ」~第2回~

『RAIL WARS!』シリーズ、『電車で行こう!』シリーズなど、数多くの大ヒットで、年代問わず、鉄道ファン&ゆる鉄のみなさんの支持を得ている作家:豊田 巧(今夏には、『RAIL WARS!』最新15巻なども発売)による、鉄道ネタを語る特集コーナー:「鉄道書籍ノススメ」へと出発進行!

お花見に出かけた上野で出会った、歴史好きの少年・航くん。おじいちゃんがシナリオを書いたお芝居が会津若松で上演されるということで、みんなで見に行くことに。でも、ただ行くだけじゃつまらない。電車と歴史を一緒に楽しんじゃおうというスペシャルツアーを雄太と大樹がプランニング。まず乗り込んだのは浅草発の特急リバティ! 最初の目的地は日光東照宮!! 一体どんなルートで会津若松に行くの!?

豊田 巧(とよだ たくみ)

小説家 1967年生まれ。元ゲームメーカーの家庭用・業務用ゲームの広告宣伝部門責任者を経て小説家に転身。著書に『電車で行こう!』、『RAIL WARS! -日本國有鉄道公安隊-』、『鉄血の警視』、『きっぷでGO!』(すべてシリーズ)など多数。

第2回 「鉄のミステリー」 その2

前回は鉄道ミステリーの“そもそも”な話でしたが、今回は鉄道コミックの話から。

鉄道系のコミックって意外と少ないのですが、そんな中で凄いと思ったのは『月館の殺人』。

もともとは、『月刊IKKI』で連載されていた作品で、原作を綾辻行人さんが担当し、マンガを『動物のお医者さん』の佐々木倫子さんが描くという、超豪華な組み合わせです。今は退職されている江上編集長だったからこそできた企画ですよね。江上さんといえば、『鉄子の旅』シリーズもそうだし、本人も認める鉄道ファンぶりは、広く知られています (笑)

その『月館の殺人』は、内容はもちろんですが構成がもの凄くよくできている。最初から上下巻2冊になるという約束で、綾辻先生がどう始まってラストはどうなるってところまで書かれたうえでコミック化がなされて、その展開が完璧。これにはうならされました。

鉄道ファンの男の子たちが出てきて、全然鉄道のことは知らないヒロインとで事件にあたっていくのですが、女の子はしっかり男の子たちを観察して反応したりするところなど、佐々木先生の目線が感じられて、おかしいんです。

まじめに真正面から鉄道ミステリーに取り組んだ貴重なコミックとして、小説はどうも、という人にも、超おすすめです。

続いては僕の作品となりますが、鉄道ラノベから『RAIL WARS! -日本國有鉄道公安隊-』。本作を読んだ若い読者の方からは、国が鉄道会社を運営しているなんて設定をよく考えましたね、という質問をいただくことがあるんですが、JRになる前は国鉄という鉄道会社であり、独自の警察組織があったんですよ、って返すとびっくりされます。各都道府県の警察に所属していると、県をまたいでの事件が起こると何処の県警の管轄かで微妙なところがあります。国鉄時代の鉄道公安職員は国鉄に所属していて、全国区で活動できた。それを教えてくれるのが濱田研吾さんの『鉄道公安官と呼ばれた男たち』で、言ってみれば『RAIL WARS!』の原作の原作、みたいな本です。国鉄時代の鉄道公安職員って何?っていうのをちゃんと紹介してくれているめずらしい本です。

『RAIL WARS!』1巻の表紙で、チームメンバーの桜井が握っている銃があるんですけれど、多くの読者から「こんな西部劇のリボルバーみたいな銃を持ってるわけないだろう、警察っていったら銃身の短い3インチバレルの5連発銃に決まってるだろう」ってつっこまれました。

でも、『鉄道公安官と呼ばれた男たち』などでも記載があるのですけど、6連発の、6インチバレルの長銃身タイプの銃を使っていたという事実があって、それであの表紙になるわけです。

“鉄道公安官”というのは石立鉄男さんが演じてヒットした同名のTVドラマ内での呼び方で、ほんとは鉄道公安職員っていうあんまりカッコよくない名前なんです。でも、ドラマの影響で鉄道公安官という言い方が一般化しちゃった。

実は僕自身もドラマの知識くらいで、鉄道公安官のことはそれほど詳しくは知らなかったんです。

この本を読んで、銃のこともそうですし、警察官がなるのではなくて国鉄職員が、それも長いこと勤めてなおかつ優秀な職員がやっていた、という事実を知って衝撃を受けまして。この職員を高校生がやったら面白いだろうというのが、発想のはじまりなんです。

『鉄道公安官と呼ばれた男たち』には当時の組織体系とか、職務とかも、きちんと記載されていて、その辺りも参考にさせて頂いてます。

『RAIL WARS!』が好きな読者には、ぜひ読んでほしい一冊ですね。

2016年に僕が書いた『鉄血の警視 警視庁鉄道捜査班』は、(自分で言うのも何ですが、今ほんとにオススメ!!)ようやく時代が追いついてきて、これから明らかになってくる問題に警鐘を鳴らす作品です。

類書、無し! 

ネタばらしになるから具体的には言わないというお約束の上で簡単に解説しますと……。

今、問題があっても、目をつぶっていたり軽視したりしていることが、テロや犯罪に使われたらどんな大事になるんだろう? という戦慄の可能性を明らかにする、おそろしい内容になっていると思います。「ミステリーは犯罪に対する抑止力を発揮すべき」、という命題に沿った作品です。これは僕ではなくて、江戸川乱歩賞の主旨にある言葉なんですけどね。

今ここにある危機を直視してテロに立ち向かう、僕みたいなアホな作家しかやらないようなアクションミステリーです。

でも、アクションになる鉄道ものって少ないんですよ。

鉄橋の下に転がっていた死体から、順々に追いかけていくようなタイプのものは多いのですが、犯人が誰かとわかっていながら攻めてくるような、映画で言えば『スピード』とか『ダイハード』みたいな鉄道ものってあまりなくて、そこを書きたいと思ったんですよね。

そして、『鉄血』だけじゃないけど、鉄道ものを書くときにほんとに助かっている参考書が、川島令三さんの『<図解>配線で解く「鉄道の不思議」』シリーズ。

これは「路線がどうつながっているのか」を、延々と書いている本なんです。例えば山手線ってぼけっと見ていると何もわからないけど、実際はどういうふうに線路が配置されていて、ここでレールが分岐して、っていうのが事細かに延々と書かれている。どこのポイントを左に行けば貨物線に入って、そこからこうなって、っていうふうに。

この本を見てるとおもしろいですよ! 「いつも通ってるこの路線は、ここで分かれてこう進むんだ」とかね。

どんな人が買うのかなと思っていましたが、結構売れているみたいで。同好の志が案外たくさんいるのかもしれないですね。

それに、僕が小説を書く時もこの本がないと始まらない。

きちんと検証しておかないと、近所の分岐などは分っている読者も多いので、「この路線から、その路線へは入れないよ」という指摘なども来るんですよね。

『鉄血』を書いた時もこれを見ながら、「やばい、大宮で分岐しないと湘南新宿ライン、入れない! 中央線に簡単に曲がれない!」とか。このライン表がないと分からないことも多くって。その辺りは重要な要素なので、僕にはほんとに必須な本ですね。

<鉄道ミステリー>関連書籍

月館の殺人(上)

祖父――まだ見ぬ唯一の肉親に会いに行くため、夜行列車〈幻夜〉号に乗り込んだ空海(そらみ)・17歳。だが、乗り合わせていた乗客たちはあまりに奇妙、しかも初めての北海道、雪、列車と、沖縄育ちの空海を眩暈がするほどの混乱が襲い・・・・・・そんな中、事件は起こる!!

中学生アイドルの身辺警護!? 余部鉄橋で事件が起こる! 一生安泰國鉄人生を夢見る平凡な高校生の俺、高山直人。鉄道公安隊第四警戒班で絶賛OJT研修中。「なにが不満なんだよ? 桜井」「なんでっ! 大宮交通博物館で行われているunoBのライブ中継を、東京中央鉄道公安室の全員が揃って見なきゃいけないのよっ!」我らが警四に命令された今度の任務は・・・・・・餘部駅までの中学生アイドルの警護!? 國鉄山陰本線に國鉄キハ181系気動車のDML30エンジン音が響く!! 國鉄が分割民営化されなかったもうひとつの日本を舞台に、夢の鉄道パラダイス・エンタテインメント!

「鉄道公安官」とは、昭和22年から国鉄分割・民営化まで活躍した、「鉄道公安職員」の通称。現在、その役割は都道府県警による鉄道警察隊に引き継がれているが、当時はれっきとした国鉄職員であった。本書では、国鉄マンとしての誇りを持ちながら、駅や列車内でのスリ、窃盗、暴力事件などと戦い続けたその全貌を、新たな資料とインタビューにより明らかにする。鉄道という閉じた「舞台」ならではの犯罪も興味深い。

全国・全路線の鉄道配線を紹介する唯一の書籍として、ファンから熱狂的な支持を受ける『【図説】日本の鉄道』シリーズの、特集ページを再編集した「保存版」を文庫化。配線図からわかる鉄道のミステリーを、豊富なカラー写真とともに著者ならではの洞察、分析で解き明かしていきます。第1弾は「東海道ライン編」。日本の鉄道の大動脈として物流を支えてきた東海道線は知られざるミステリーの宝庫。歴史と謎の正体から鉄道の真実に迫ります。

『【図説】 日本の鉄道 中部ライン』全12巻の特集ページ、コラムを収録した文庫オリジナル版。全国・全路線の鉄道配線を紹介する唯一の書籍として、ファンから熱狂的な支持を受ける『【図説】日本の鉄道』シリーズ。配線図からわかる鉄道のミステリーを、豊富なカラー写真とともに著者ならではの洞察、分析で解き明かしていきます。

全国・全路線の鉄道配線を紹介する唯一の書籍として、ファンから熱狂的な支持を受ける『【図説】日本の鉄道』シリーズを再編集した文庫オリジナル版。配線図からわかる鉄道のミステリーを、豊富なカラー写真とともに著者ならではの洞察、分析で解き明かしていきます。第3弾は「山陽・山陰ライン編」。神戸から下関へ、山陽・山陰地区を縦横無尽に駆け抜ける路線にスポットを当て、その歴史と謎に迫ります。

2018年11月号の特集は『E233系』。首都圏を走る主力の通勤・近郊電車を、じっくり観察します。在籍両数はJRグループで最大の3000両以上。確かにどれも同じように見えはしますが、やはり違うところはいくつもあるもの。そんなE233系を詳しく知れば、朝夕の通勤・通学も、より楽しい時間になることでしょう!

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