
担当編集者推薦!石持浅海 美しく冷たい名探偵「碓氷優佳シリーズ」
2002年『アイルランドの薔薇』でデビューして以来、様々な技巧を凝らしたミステリーの傑作を次々と生み出している石持浅海さん。そんな石持さんの代表作の一つ、「碓氷優佳シリーズ」は2005年に刊行された『扉は閉ざされたまま』から始まりました。本作は「このミステリーがすごい!」(2006年版)第二位にランクインし話題となり、続いて08年には『君の望む死に方』、2011年『彼女が追ってくる』、そして13年『わたしたちが少女と呼ばれていた頃』が刊行され、累計部数39万部を突破する人気シリーズとなりました。
本シリーズの魅力はなんといってもクールビューティーな名探偵こと、ヒロインの碓氷優佳にあります。黒髪で色白、理系の楚々とした和風美人の彼女は、大人しそうな外見とは裏腹に情けも容赦もなく理詰めで犯人たちを追い詰めていきます。鋭い洞察力で周囲を観察して犯人の矛盾をつき、徹底的に論破するさまには、「あの女さえいなければ」という犯人の恨みごとに不覚にも共感してしまうほど。その姿はまるで冷酷なモンスターかのようにも見えてきて……。碓氷優佳というヒロインから人間味を薄めることによって、探偵と犯人のロジカルな頭脳戦を存分に堪能させてくれるのです。
気になるのは、いつどのように、何が碓氷優佳をモンスターにしたのかということ。シリーズ開始時、大学院で火山学の研究をしていた碓氷優佳は火山学者となり、後半でとある男性と婚約をします。優佳の高校時代を描いた連作短編集『わたしたち~』の中では、見事な洞察力で教室の謎を解き明かしていく彼女はまだあどけなさの残る無垢な少女でした。しかし、一瞬、モンスターの片鱗にゾッとさせられるシーンがあったりと、キラキラした女子高生たちの成長を描いた青春小説でありながら、『扉は~』以降へ続く見事な伏線が張られているのです。『わたしたち~』のラストシーン、優佳の高校卒業から『扉は~』までの空白の七年間になにがあったのでしょうか……。
横浜にある女子高に通うわたし、上杉小春には碓氷優佳という自慢の親友がいる。美しく聡明な彼女はいつも、日常の謎に隠された真実を見つけ出し、そっと教えてくれた。赤信号のジンクス、危険な初恋、委員長の飲酒癖、跡継ぎ娘の禁じられた夢、受験直前の怪我、秘密の失恋相手・・・・・・。教室では毎日、少女たちの秘密が生まれては消えてゆく。名探偵誕生の瞬間を描く青春ミステリーの傑作!
そんな想像も膨らませながら、シリーズ4作揃って電子化されたこの機会に是非、碓氷優佳ワールドに触れてみてください。シリーズのどこから読み始めても問題ないのですが、刊行順にお読みいただけると優佳の進化の過程も楽しめます。優佳の人生の選択にきっと「あ!」と驚き、彼女の怖さを実感していただけるはず。碓氷優佳が今後どんな変化を遂げるのか、シリーズ続編にもご注目いただければ幸いです。
また、碓氷優佳シリーズと同時に電子書籍化されました『Rのつく月には気をつけよう』は、恋愛話と美味しいお酒とつまみを肴に日常の謎を解く、連作短編集です。技巧的な推理はもちろんですが、石持作品の隠れた魅力、食欲をそそるグルメ描写(ウィスキーに生ガキ、ビールとお湯なしチキンラーメン、泡盛と豚の角煮、……and etc.なんともおいしそう!)も是非堪能してみてください。
(祥伝社文芸出版部文芸編集 中村)
湯浅夏美と長江高明、熊井渚の三人は、大学時代からの飲み仲間。毎回うまい酒においしい肴は当たり前。そこに誰かが連れてくるゲストは、定番の飲み会にアクセントをつける格好のネタ元だ。今晩もほら、気持ちよく酔いもまわり口が軽くなった頃、盛り上がるのはなんといっても恋愛話で・・・・・・。ミステリーファン注目の著者が贈る傑作グルメ・ミステリー!

































