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Serendipity ~偶発的な出会い~ Vol.48 いま旬の女優・臼田あさ美が語る朝の読書スタイル

※本記事は2012.11.1時点のものとなります。

この秋スタートのドラマ『毒〈ポイズン〉』をはじめ、小説やマンガの映像化作品にも数多く出演されている女優の臼田あさ美さん。幼い頃から大の本好きで、サブカルチャーや写真集など幅広く好奇心のアンテナをはり読書生活を楽しんでいる臼田さんに、お好きな本の話をたっぷりうかがいました。

毒 POISON

この作品は、この秋公開のドラマに出演することが決まってから、その原作の世界を知らなきゃと思って読ませていただきました。私が生まれる前の作品なんですが、これを読むと、何十年という時間が経って科学や技術が進化しても、人の根底にある心理は変わらないんだなってことがわかります。だからこそ、ずっと読まれ続ける本なんだと思いました。完全犯罪が可能な毒って、ある意味魔法みたいなものだから、ファンタジーのような感覚で読める本だと思うんですが、この小説のすごいところはその毒が使った人に返ってくるところなんですね。そこで善悪が問われるんです。そして最後には、「うわ、こう来たか!」っていう大きなオチも待っていて。そういう小説の醍醐味を裏切らないところも、赤川次郎さんのすごいところだなと思います。ドラマも見ていただきたいですが、原作もおススメしたいです。

桐島、部活やめるってよ

これは先日映画化されて話題になった本なのでご存知の方も多いかもしれません。 私は女子校出身なので、この小説を初めて知った時は「共学の青春映画なんて、どうせイケてるヤツらの色恋話だろぅ」なんて、ひねくれた見方をしてたんです(苦笑)。でも読んで見るとぜんぜん違う、すごくおもしろい小説でした。たとえばクラスで一番可愛い女の子の友だちが、自分のステイタスとしてその子とずっと一緒にいるとか、そういう学校という社会の縮図がリアルに描かれていて、すごく衝撃だったんです。高校生のときって、自分は人とどう違うのかとか、自分がやりたいことって何かとか、自分自身と向き合わないといけないじゃないですか。でもあの感覚って、10代でも、20代でも、いくつになってもあると思うんですよね。そういう永遠のテーマを、改めて突きつけられた気がした本ですね。

ボーイズ・オン・ザ・ラン 1巻

このマンガは、みうらじゅんさん原作の映画『色即ぜねれいしょん』の撮影中に現場でものすごく流行っていて、出演者みんなで回し読みしていました。 妄想ばかりしてる超等身大ダメ男が主人公のお話なんですけど、私、こういうサエない男性の主人公に、ものすごく共感するんですね(笑)この主人公の田西君も、まさにそういう男性なので、ウワーッて熱くなりましたね。なんか、ダメな男の人って、基本ムッツリじゃないですか。私は女ですけど、でもどちらかというとそういうタイプなんですよ。クールな顔して、脳内ではすごいいろんなこと妄想してる(笑)。だから、ドラマでは知的な女性の役をやらせてもらったんですが、ほんとは田西役をやりたかったくらいです。ひとりの女の子とのラブストーリーではなく、主人公がいろんな女性たちから刺激を受けて成長していくという物語も、すごくおもしろい。男性女性問わず、一度は手に取って欲しいマンガです。

鈴木先生 1巻

この作品もドラマの出演をきっかけに読んだんですが、原作のマンガもめちゃくちゃおもしろいんです。学校というすごく狭い世界で社会を作り、人生を学ぶという話なんですが、性の問題とか、たぶん自分が中学生の頃に読んでたら、吐き気がするくらい生々しく語られていて。でもこういうことを考えてる生徒はたぶんいっぱいいたし、先生にもこういう葛藤はあったと思うんですよね。これを読んで、子どもから見た大人と、大人が感じている大人って違うんだなってすごく感じて。実際、自分が子どもだったときも、大人のことをちゃんと見てたと思うし。だからこそ、対人として接しなければいけないし、問題を投げ出さずに「答えを出す」ことがすごく重要なんだなって思いましたね。『鈴木先生』は来年映画化も予定していますし、まだ読んだことが無い方は予習の意味も込めて読むことをおすすめします。

好きな本を紹介しようと考えて残るのは、やっぱり青春時代に読んだ本、特に大槻ケンヂさんとみうらじゅんさんなんですよ。こういう人生に多大な影響を受けた本って、今読み返しても、印象がぜんぜん変わらないんですよ。自分が変わってないのではなくて、一瞬でその世界に戻れるからかもしれません。 とにかく「あーもう、くだらないなぁ」と笑いつつ、キュンって気分になるんです。なかでもこの本は、私の好きな「音楽」「青春」「童貞男子」という3大要素が、これでもかっていうくらい詰まっていて。主人公のダメダメぶりも、大人になった今だからおもしろいと言えるけど、リアル世代には痛々しくて読めないかもしれない。でもだからこそ、若い人に読んでほしいなって思うんです。

臼田さん出演作品のご紹介

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Interview

憧れていた本の世界に入り込むことができる、“女優”という仕事

私は子どもの頃から本が大好きだったようです。母から聞いた話では、友だちと遊ぶ間も惜しんで、本を読んでいたとか。しかも音読が好きだったから、いつでもどこでも声に出して読んでたんですって。傍から見たらヘンな子ですよね(笑)。みんなが外で遊んでいても、私はひとり本を読んでいて、飛んできたボールが頭にボン!とぶつかっても、そのまま音読を続けていたらしいです。私は、ぜんぜん記憶にないんですけどね(笑)。


小学校3、4年生の頃は特に伝記が好きで、ヘレン・ケラーやエジソンのお話をよく読んでました。その頃はファンタジーが流行っていて、まわりでもそういう本を読んでる友達が多かったんですが、私は実在した人の話というか、リアリティのある物語に興味があったんです。それで三重苦のヘレン・ケラーってどんな感覚だったんだろうと思い、真っ暗な押し入れに入って目をつぶってみたりして。そしてそれを見つけた母に、「あんた何やってんの!?」なんて心配そうな顔して言われたりしてたんです。


今思うと、子どもながらに思うところがあって、一人前に背伸びして、自分以外の人の人生に興味があったんでしょうね。その頃はそんなことあまり意識してなかったし、大きくなったら女優みたいな仕事をしていたいと思ってたわけでもないけれど、今、女優という仕事を通して、あんなに憧れていた本の世界に入れていることは、あの頃の自分に伝えてあげたいですね。きっと喜ぶだろうなって思います。

朝、目が覚めた瞬間に写真集を開きます

一般的に本というと小説が真っ先に思い浮かぶと思うんですが、私は写真集が思い浮かぶんです。もしかしたら今は、小説より写真集のほうが、家にたくさんあるかもしれません。仕事で台本を読んでいるときは、できるだけそちらに集中したいので、文字で何かを考えるものより、写真を見て脳内でイメージできるもののほうがいいんですよね。それにもともと、自分で写真を撮るのも好きなので。写真というものに、すごく魅力を感じるんです。なんというか、写真にはその瞬間が詰まってるじゃないですか。写真を撮らなくても大事なことは忘れないんだけど、写真を撮っておけば、そのうち忘れそうな些細なこともいっぱい残せたりするし。特にフィルムで撮影した写真の荒い感じとかは、不思議と時の経過も感じられてすごく好きなんです。

なかでもヒロミックスさんの『HIROMIX 01』や長島有里枝さんの『not six』は、ずっと前に買った本ですが、何度も読み返して見ています。女流写真家の目線ってやっぱり自分に近いし、たぶん今の私と同じくらいの年齢のときに出されている本なので、リアルな感覚があるのかもしれません。『HIROMIX 01』は写真だけじゃなくて、日記やイラストも 収録された写真集なんですが、これはもう超名作ですよ!私のバイブルです。


いつもベッドサイドに積み重ねて置いてあるんですが、目が覚めた瞬間に手を伸ばすんですね。それでパッと開いたページの写真を見て、「よし!」みたいな(笑)。そんな読み方(使い方?)をしています。


私にとって本は、部屋みたいな感じなんですよね。ひとりになれる空間、というか。 だから、本を何冊も掛け持ちで読んでいるときは、それぞれの部屋の扉を開ける感覚なんです。今日はこの部屋に行こう、明日はあっちの部屋に行ってみようって。そこに入っていくことで、仕事の悩みからも離れられたりします。現実逃避というか、自己の解放と言ったほうが良いかもしれません、そうしてリラックスしているんですね。

Profile

臼田あさ美 女優

10代の頃から、『東京ストリートニュース』や『Happie』、『Popteen』などの雑誌で、モデルとして活動。ファッション誌『CanCam』『AneCan』では専属モデルを務めた。現在は女優として映画、ドラマ、CM、バラエティ番組など多彩に活躍している。10月からは読売テレビにてオンエアされている『赤川次郎原作 毒<ポイズン>』(木曜夜11時58分〜)に出演中。また、ドラマ版が好評のため、来年映画化が決定した「鈴木先生」に再び出演することが決まっている。

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