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南雲吉則さん『今、絶好調に働いていますか?』

※本記事は2012.9.14時点のものとなります。

引き締まった肉体、ハリのある肌、ツヤのある声。初めて彼に出会った人は皆、驚きのあまり「とてもそんな年齢に見えない!」と声をあげる。医学博士・南雲吉則、57歳。驚異の“20歳若返り”を実現した彼の大ベストセラー書『50歳を超えても30代に見える生き方』の第2弾、『50歳を超えても30代に見える食べ方』が待望の電子書籍化! それを記念して、南雲先生に特別インタビュー。南雲流アンチエイジング術の根底に流れる、生き方哲学をじっくりと伺いました。

医者の不養生を地で行く、メタボな時代

今でこそ皆さんに「若い!」と言っていただけますが、20年前の僕は暴飲暴食、夜更かし続きの不摂生、ときには隠れて煙草を吸ったりなど、いわゆる“医者の不養生”を地でいく日々を送っていました。3代続く医者の家に生まれ、跡取りとして医者になるのが当たり前というプレッシャーの中、必死で勉強して医者になり、無我夢中で働いているうち、体重はどんどん増え、毎日不整脈が出るようになって、生命の危機を感じたんです。それが38歳のとき。気がつけば、身長173センチで体重77キロ。お腹のまわりには脂肪がたっぷりつき、腰痛に悩み、慢性の便秘状態…。当時の写真(上)を見ていただけるとわかると思います。


祖父は52歳、父は62歳のとき心筋梗塞で倒れたこともあって、「このままではいけない!」とそれまでの生活習慣を見直し、まずは自分の体質を改善しようと一念発起しました。ところが、いろいろなダイエットにチャレンジするも、カロリー計算で心が折れて…。毎食食べるたびにカロリーを数式化するなんて、食べる喜びを奪われるうえ、忙しい身にはとても無理。そこで、日本古来の一汁一菜法に注目!つまりごはんとみそ汁、おかず1品という食事を一日三食必ず食べるようにしました。何を食べてもいいけれど、間食やおかわりはナシ、一汁一菜用の器も子供用のものを使うという自分なりのルールを決めて。こうすることで腹6分目が可能になり、1年で約10キロ、体重を落とすことができました。

無理して食べない。当たり前のことに気がついた

この食事スタイルは、確かに効果はあったものの、一日三食必ず食べるということが、だんだんとつらくなってきたんです。朝起きて、食欲がなくても無理して食べると一日中調子が悪い。お昼になって、特にお腹がすいているわけでもないのに惰性で食べると睡魔がおそってきて午後は仕事にならない。だったらいっそのこと、無理をして食べるのはやめよう、食べたいときに食べよう。そう決めて周囲に宣言したんです。そこから一日一食生活が始まりました。

この一日一食法、実践してみるといいことづくしでした。眠くならずにバリバリ仕事ができるうえ、体調もどんどんよくなる。何より、「本当にお腹がすいているかどうか」しっかりと自分の体と対話するため、脳の幻想である“空腹感”に惑わされることなく、体脂肪が燃焼し尽くされて血糖値が下がり始めた状態の、正しい“空腹”を体験できる。それは、お腹がグーッとなったときなんですが、実はこの“空腹”時こそ、若返りホルモンや若返り遺伝子が活躍するとき。肌や粘膜、遺伝子、血管、すべてが若返っているんです。おまけに、一日の終わり、お腹がグーッとなって体中が食べものを欲しているときにいただく食事は最高です。細胞レベルで「おいしい!」と食べものを吸収するわけですから、ジャンクフードよりも、体にいい、体が喜ぶものを自然と選ぶようになりました。

一日一食生活で見えてきた、本当に大切なこと

今僕は、血管年齢26歳、骨年齢28歳、脳年齢は38歳です。体重も60キロまで落ちました。でも、若く見えることや痩せることはあくまでも副産物なんです。約10年にわたって一日一食法を実践しながら、脂肪や不摂生な暮らし等、余計なものをどんどんそぎ落とした先に見えてきた、僕の人生の目標は“絶好調に働く”ことでした。臨床医ですから、ひとりでも多くの患者さんを救っていきたいし、本や論文の依頼があれば可能な限りやりたい。そんなふうに人生の夢や希望、目標がきっちり定まれば、一日一日を無駄にせず、真剣に生きていきたいと思うはずです。そのためには若々しい気力や体力が必要ですし、「今日も一日絶好調で働けた」と思うと健康であること、働けるということのありがたさを実感できる。限りある命、どうせなら、死ぬまで絶好調に働いて「僕の人生、本当によかった」と最期にひと言って死にたいじゃないですか。


お腹がグーッとなったら食べる、夜が明ける前に起きて朝日を浴びる、しっかり歩く。人生に目標をもつ、毎日を真剣に生きる、感謝する。こうやって書き出すと、僕のやっていることはものすごく当たり前のことばかりです。僕の著書が多くの人に読んでいただいているのは、「わかっちゃいるけどやめられない」ことを指摘し、それを医学的にわかりやすく解説することで肯定してもらいたんだと思います。体調がすぐれなかったり、やせられなかったり、何かがうまくいかなかったり、皆さんそれぞれ、何がいけないのか、頭ではわかっているんですよ。でも、染み付いてしまった自分の習慣をなかなか変えられない。僕の本はあくまできっかけにすぎません。心身ともに健康でハリのある生活を送りたいと思っているなら、あとは実践、行動あるのみなんです。

20歳若返った僕の、これからの夢

「本を読んで1週間がんばってみたけれど、やっぱりお酒を飲んでしまった、甘いものに手を出してしまった」という人は、厳しい言い方かもしれませんが、どこかに甘えがあるのかもしれません。人生に目標をもって毎日をエンジョイしている人は、自分の体調や心の状態にきちんと気を配り、他の誰よりも自分自身を大切にしています。つまり、自分を愛することができる人なんです。まずは、朝起きたら鏡の中の自分にひと言声をかけてやってください。自分自身ときちんと対峙して、むくんでいたり、顔色が悪かったり、お腹が出ていたりすれば、「どうしたんだ、大丈夫か? 昨夜は食べ過ぎたな」と行動や習慣を省みて、もっと自分を思いやれるはずです。

講演会やイベントなどで、読者の方からはよく「一日一食を実践しています」「3キロ痩せました」「肌や髪にツヤが出ました」と言われます。これももちろんうれしいのですが、「生活習慣を変えたことで、生き方まで変わりました」「新たな目標を設定しました」などと言われると最高にうれしいんです。しかも僕が思いもつかなかった生き方、人生の目標などを伺ったりすると、こちらも刺激を受けて「なるほど、素晴らしい目標ですね。それは気づかなかった、ありがとう」と思わずお礼を言ったりすることも(笑)。

本の執筆が一段落した今、今後の僕の夢のひとつが、そんなふうに、気楽に語り合える“若返り居酒屋”もしくは“若返りバー”をつくること。本当に体にいい食事と少量の質のいいお酒を手に、「調子はどう?」「痩せたね、何やったの?」「一日一食は無理だからまずは二食から実践してるんだ」「肌がキレイになったね」「煙草、やめたのよ」という健康談議から始まって、「僕の人生の目標は○○なんだ」「へえ、それはすごい」「そう思うと人生にハリが出てきてさぁ」「わかるわかる!」なんて語り合い、お互いに高め合う気さくな飲み屋(笑)。ね、素敵だと思いませんか?


最後にひとつ、皆さんに質問です。「あなたは今、絶好調に働いていますか?」


Text / Miho Tanaka(staffon)

大ベストセラーとなった『50歳を超えても30代に見える生き方』の第2弾となる本書は、南雲式アンチエイジングを実践するためのノウハウがぎっしり。一日三食・一汁一菜の食事術をより具体的に解説するほか、そのメカニズムも医学的にレクチャー。簡単なレシピも紹介されたきわめて実用的な一冊。

テレビで大ブレイク、20歳若く見える秘密とは――。55歳で血管年齢→26歳、骨年齢→28歳、脳年齢→38歳。30代では超メタボ体型だった著者が、25キロ体重を減らし、心身共に若返った秘密を公開! 食事の内容と生活習慣を変えるだけ。お金や時間をかけず、日常生活の延長上でできる奇跡のアンチエイジング法とは!

Profile

南雲吉則(なぐも・よしのり) 医学博士

1955年、東京都生まれ。ナグモクリニック院長。1981年、東京慈恵会医科大学卒業。同年、東京女子医科大学形成外科入局。癌研究会付属病院外科医、東京慈恵会医科大学第一外科乳腺外来医長を歴任。東京慈恵会医科大学外科学第一講座非常勤講師、近畿大学医学部形成外科非常勤講師、韓国東亜医科大学客員教授、中国大連医科大学客員教授も務める。

また、わかりやすい解説が好評となり、テレビ番組をはじめ多数のメディアや講演などで活躍中。

著書に、50万部のベストセラーとなった『50歳を超えても30代に見える生き方』(講談社)、『長生きしたい人は「鏡」を見なさい 』(朝日新聞出版)など多数。 南雲先生のブログ/なぐちゃん倶楽部。

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