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Mr.アドラー やっぱり叱ってくれないよね。(嫌われる勇気)

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今回は『嫌われる勇気』(岸見一郎 著, 古賀史健 著 ) を取り上げます。

嫌われる勇気

フロイト、ユングと並ぶ心理学三大巨匠の一人、アドラー。日本では無名に近い存在ですが、欧米での人気は抜群で、多くの自己啓発書の源流ともなっています。本書では、アドラー心理学の第一人者である岸見一郎氏がライターの古賀史健氏とタッグを組み、哲学者と青年の対話篇形式で彼の思想を解き明かしていきます。

なんども読んだ

結局、3度読んだ。わかりにくかったからではなく、また読みたくなったからである。再び読むと受け取る感覚が変わる。

人がステージごとに変わっていくのを見てきた。年齢や役職、その時々の役回りで人は変容する。
アドラーは、人の課題に介入しない、その課題を解決するはその人なのだから、としている。ほめもせず、叱りもしない、ただ勇気づけるほめる叱ることは相手を低くみていること。だから介入していくことになる、と。

ほめない。叱らない。

社会に出たころ、「自分は自分」、「人は人」と思っていた。少しアドラーっぽい。「人からなんと思われても結構、成果を出して自分を表現する」などと思っていた。ところが部下ができた頃から変わってきた。そんな時、会社の管理職研修があった。「ほめる」「叱る」が大きなポイントだった。「怒る」と「叱る」の質の違い。「叱る」時は二人だけで。「ほめる」時は皆の前で。また「ほめる」内容は具体的にかつタイミングが重要、といったものだ。この「ほめる」「叱る」を2泊3日で実践研修するわけである。なるほど、などと感心する。みようみまねで管理職らしきことをやっていた。アドラーとは真逆である


ぞっとした出来事

いつの頃からか、人に介入したくない、と思うようになった。「あの時の言葉がわすれられません」と言う人がまれに現れた。ぞっとした。自分は何を言ったか覚えていない。話を聞いてみると熱心に処世術めいたことを語っていたらしい。少なからず影響を与えたことになる。責任など取れないのに。
その頃から、部下との接し方は、簡潔な文章の書き方やわかりやすいプレゼンといった比較的テクニカルなアドバイスに変わってきた。「介入」することは避けるようなった。

アルフレッド・アドラー

本著によると、アドラー心理学はギリシャ哲学と地続きとある。20世紀初頭、心理学黎明期に、フロイトと同時代を生き、第一次世界大戦をヨーロッパで迎え、世界恐慌を経験している。その時代に、鋭い観察眼と深い洞察力で心理学の一分野を確立した。カーネギーの「人を動かす」やコーヴィーの「7つの習慣」にも近い内容があると本著では語られている

アドラーと禅問答

さて、本著は、哲人と青年の問答という形式で語られる。ここにもギリシャ哲学のセンスがあるようだ。都合、5夜にわたる問答である。一夜あたりのページ数がほどよくて読みやすい。特に青年の質問がいい。哲人がアドラー心理学の考え方を説明する。すると青年が反論する。その反論が、自分が思っていた疑問点に沿っている。このやり取りが少しずつ、押したり引いたりでアドラーの考え方を伝えてくれる。うまい、と思う。

また時間をおいて読みたいと思う。そのときはきっと違った感覚を受けると思うから。アルフレッド・アドラー。いったい何が目的だったのだろうか?(ふじ たかし)

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