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異世界ファンタジーを舞台にした不条理コメディ(この素晴らしい世界に祝福を!)

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今回は『この素晴らしい世界に祝福を!』(暁 なつめ 著,渡 真仁 作画)を取り上げます。

※ネタバレあり

異世界ファンタジーを舞台にした不条理コメディ

交通事故(?)によりあっけなく人生の幕を閉じたはずのゲームを愛する引きこもりの少年・佐藤和真は死後の世界で、女神と名乗る美少女に「ねえ、ちょっと異世界に行かない?」と声を掛けられ――!? 〈電子特別版〉として、キャラクターラフイラスト集も収録した電子書籍だけの特別版です!

「この素晴らしい世界に祝福を!」は、つい最近アニメ第2期も始まった大人気ファンタジーコメディです。
ゲームばかりしている引きこもり少年、佐藤和真は交通事故をキッカケに異世界に飛ばされます。そこで出会った個性的なキャラクターと共に、異世界でドタバタ騒ぎを起こしていくといった内容です。異世界ファンタジーという題材ですが、全編通して気持ちいいほどコメディに特化した内容になっていて、ギャグのノリや言葉選びも秀逸。文章もテンポ良くサクサク読めるので、ライトノベルだけでなく活字すら苦手、という人にもオススメの作品です。

可愛らしいキャラクターデザインながら、コメディのノリはまるで学生時代に見ていたクドカン作品を見ているような泥臭さがあります。頑張っているけど報われない、けど笑える。異世界への旅はどんな作品でも理想的な描かれ方をする中、この作品の異世界は苦しい肉体労働やシビアな金銭問題ばかりで夢も希望もありません。妙に生々しいというか見るに堪えない場面も多いです。そんな中で一生懸命に頑張る個性的なキャラクターの突飛な行動やシュールな展開がテンポ良く書かれているので、一冊読み終わった後に奇妙な満足感すら感じさせてくれます。
僕が社会に出た時に感じた、不公平や不平等だなと思う感覚をこの小説のキャラクターが巧みにコメディに変えてくれました。改めて考えてみると、登場人物たちが置かれている状況や選択する行動はある種コメディーのセオリーに近く、異世界ファンタジーという「笑い」の舞台に選ばれにくい設定が功を奏したのでしょう。

現実と違った経験がしたいという異世界ライトノベルファンからしたら、「この素晴らしい世界に祝福を!」は決して近年のユーザー傾向に合わせた作品ではありません。しかしコメディ作品としてしっかりとした内容を読みやすい文章で描いていて、非常に良質なエンターテイメント作品だと思っています。特に言葉選びや文章の構成が素晴らしく、小難しいことを抜きにして面白いライトノベルと言えるでしょう。
のめり込んで読み進められる内容になっていますがとてもライトに楽しめるので、移動中のちょっとした時間に読むのもいいかもしれません。(庵オールさん)

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