
元気をくれる絶品のファンタジー(放浪の戦士 デルフィニア戦記)
元気をくれる絶品のファンタジー
やがて『獅子王』と呼ばれる漂泊の戦士ウォル。やはり『姫将軍』と呼ばれることとなる異世界からの迷子のリィ。アベルドルン大陸を震撼させる二人の冒険譚は、ここからはじまった。
「本は心の旅」というキャッチコピーをご存知でしょうか。某書店でかけてくれる本のカバー紙の折り返しに書かれた言葉なのですが、この「デルフィニア戦記」はまさに「心を旅に連れて行ってくれる」強烈な引力を持った小説です。
主人公は、異世界から「落ちて」きた少女(少年)リィと、国を追われた国王ウォル。
国を追われ放浪するデルフィニアの国王ウォルのもとに、中身が少年である美貌の少女リィが「落ちて」きます。彼女は一騎当千の戦闘力とすべてを見通すような知恵、またその豪胆で魅力的な性格と行動力とで数々の奇跡を起こし、ウォルを国王の地位に戻し、その後デルフィニアに襲いかかる数々の国難を仲間たちとともに切り抜けていきます。
こう書くと、ありがちなファンタジー小説か、と敬遠する向きもあると思いますが、なんとか3巻(ウォルの育ての親の伯爵救出のくだり)まで読み進めてください、その後はスカっとするキャラクターの活躍と怒濤の展開に夢中になれることをお約束します。
話は変わりますが、わたしは高校2年の頃の一時期、学校に行くのがとてもつらかった時期がありました。クラスに気が合う友達がいない、クラスメイトとも何となく噛み合わない、理由はその程度のことなのですが、昼に一緒にお弁当を食べる相手もいない学校に、正直死にたいくらい行きたくなかった。だってなんにも楽しくなかったんだもん。
そんな時期に不登校にもならずにいられたのは、学校で過ごす昼休みを支えてくれた、いくつもの小説のおかげでした、その時のわたしにとって本が命綱だったんです。書店で面白い小説を見つけるのが生きる意味で(こづかいはすべて本に消えていました)、面白い小説が切れてしまったらその時点で耐えられず高校を中退していたかもしれません。
そんなころに、わたしを支えてくれた本のひとつがこの「デルフィニア戦記」でした。恥ずかしながら、心が折れそうなときいつでもこの物語に「旅立てる」ように、全18巻の新書をキルティングの巾着にいれて持ち歩いていたほどです。
ちなみに高校2年のクラスで仲のいい友人ができたのも本がきっかけでした、いつも昼休みに本を読んでいるわたしに本好きの彼女が「何読んでるの?」って話しかけてくれて、そこからオススメ本の貸し借りがはじまって、いつの間にかあのつらかった学校がまた楽しくなっていました。
その時に貸し借りした小説の中に「デルフィニア戦記」があったのは言うまでもありません。
暗い迷路に入ったようなつらい時って誰にでも起こると思います。個人的な意見ですが、そんな時に効くのは経験上、自己啓発本などより「間違いなく面白くて、元気がでるような本」です。わたしが真っ先におすすめしたい本はこの「デルフィニア戦記」、リィとウォルと仲間たちの冒険に興奮して涙してどっぷり浸かって、ファンタジーの世界に夢中になって。そのあと、現実に立ち向かう力が出てくる、そんな物語です。
※一巻目である「放浪の戦士」のレビューで入っていますが、内容はシリーズを通してのレビューです、すみません(いとま)
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