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祝・デビュー10年! 似鳥鶏が目を向ける新たなる地平

本格ミステリー作家としての歩みを着実に進めて、作家生活10周年。4社より新刊を連続発表中の似鳥鶏氏が、 作家としての思いを明かす。

似鳥 鶏(にたどり けい)


1981年千葉県生まれ。2006年『理由(わけ)あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選し、デビュー。同作から始まる「市立高校」シリーズや「楓ヶ丘動物園」シリーズなどの人気シリーズを執筆。「戦力外捜査官」シリーズはテレビドラマ化も果した。2017年にデビュー10周年を迎え、今最も注目される若手ミステリ作家。

彼女の色に届くまで

『彼女は、天才画家にして名探偵。』彼女に出会ったその日から、僕の人生は変わった。絵画で謎を解き明かしながら僕は知る、その喜びと苦しみを。僕は高校・芸大・社会人と、天才的な美術センスを持つ千坂と共に、絵画にまつわる事件に巻き込まれていくことになり……。ルネ・マグリット『光の帝国』、ジャクソン・ポロック『カット・アウト』、パウル・クレー『グラス・ファサード』など有名絵画が多数登場!絵画をヒントに、美術にまつわる事件の謎を解け。「才能」をめぐる、ほろ苦く切ない青春×アートミステリ!

デビューのきっかけは?

シミルボン、以下(ーー) デビューするきっかけは?

似鳥鶏、(以下似鳥) <公募ガイド>を読んだのがきっかけです。当時、広義のミステリの公募というのはいっぱいあったけれど、東京創元社の鮎川哲也賞の募集欄に、鮎川哲也先生か島田荘司先生のメッセージがあって、うろ覚えなのですが、「本格が少なくなっているが、どうかと思う。鮎川賞は本格の賞だ」といったようなことが書いてあったので「よし、書いてやろうじゃないか!」と火がつきました。

 

ーー おお!

 

似鳥 デビュー作は当時の選評でも「本格に対する愛情が感じられたので選びました」と書いていただいて、「はい、その通りです!」と。だから、東京創元社以外からだと、デビューしていない可能性はありますね。

 

ーー その場合、少なくとも何年か遅れていたでしょうね。

 

似鳥 そうですね。何年か、どうしていいかわからずに、うろうろしていた可能性は高いですよね。

 

ーー   目的というか目標を提示してもらえれば、それで書けるというタイプでしたか?

 

似鳥 「これが欲しいんだ」と言われれば、それで書けるタイプですが、「これを書いてください」と頼まれたことは一度もないんですよ。「いま書きたいものはなんですか?」って訊かれるんで。今、自分はこれを書きたいという我の部分もありつつ、編集者の求めにどうすりあわせていくか、ということで頑張ってきました。

デビュー作は学園ものだったんですが、それはたまたまだったので、最初は続きをどうしようかなと悩みました(笑)。でも、書いているうちに楽しくなってきて、学園ミステリ、良いなって(笑)。

 

ーー 同時期に、ほかのパターンや設定のものを書こうとは思われなかったのですか?

 

似鳥 そうですねえ。デビュー時、大学院生で、受験中だったので、一冊で精一杯でした。週一で書いていたんです。それで半年かかったかな。

 

ーー それで、イメージをつかみやすく、書きやすい、学園ミステリがデビュー作になったのですね。

 

似鳥 高校なら、取材なしで書けますし。母校がモデルなんで。

そこは逆に褒められもしました。「あまり背伸びしていない」ということで。背伸びして「これが流行だから」といって書いても、良いことないと思うので。

 

ーー そして、デビュー10年ですね。

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