rossoさんのレビュー
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284
このユーザーのレビュー
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星間商事株式会社社史編纂室
三浦しをん / ちくま文庫
やられた・・・
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1行目を読んで購入を後悔。「せいかん」商事じゃなく「ほしま」商事かよ。。。orz
この作者の作品を読んだことはなかったが、時制を近未来に置いた話かと思って購入してしまった。
内容はまあ可も無く不可も…無くと言ったところ。ヲタク、腐女子の生態の書き方はリアルだし、ストーリー展開もまあまあ面白い。
でも、このタイトル、狙いすぎてないか? 続きを読む投稿日:2016.02.09
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高杉さん家のおべんとう 10
柳原望 / MFコミックス フラッパーシリーズ
メモリアルも配信して欲しい
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まあ、落ち着くところに落ち着いたなぁと言う最終巻。最後の久留里の職業選択だけはちょっとぶっ飛びましたがw
で、是非「高杉さん家のおべんとう メモリアル」も配信して欲しい。中に入っている3本の短編がまた…絶品なのだ。
さて、このあとは「理不尽のみかた」か「まるいち」の続編を是非書いて欲しいものです。 続きを読む投稿日:2015.08.22
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とりかえ風花伝 1巻
柳原望 / LaLa
「お伽もよう綾にしき」と対比すると面白い
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「高杉さんちのおべんとう」で人気の柳原望が角川移籍前に書いていた作品。
戦国初期を扱った少女漫画は珍しいのではないだろうか?
あらすじを書くと、、、
戦国初期、尾張乾山城主の娘・風花は隣の宇留摩と…の戦に出た父を助けるべく、「戦に味方したものは必ず勝つ」と言われる白鬼丸を探しに出る。噂では「耳まで裂けた口で」などと伝えられていた白鬼丸は白髪赤眼ではあったが若く美しい若者であった。白鬼丸は助けを求めた風花の申し出を断るが、もみ合う拍子に崖から転落すると風花と白鬼丸の体が入れ替わってしまい、、、
と言う話。
時代背景は「お伽もよう綾にしき」に細川政元の名前が出ていることから考えてほぼ同じと考えて良いと思う。
違いは「お伽もよう」が国も人物も戦国初期という以外ほぼ架空で、メインとなっているのも修験道・法力を中心としたファンタジー・アクションであるのに対し、「とりかえ」が史実5割フィクション5割になっている点。2つを対比して読むと面白いと思う。
好き嫌いはあるであろうが、作品の作り方にはやはり「お伽もよう」に一日の長があるように思える。大きく異なる点はおおざっぱに戦国という史実を入れているほかはほぼ自由な設定の「お伽もよう」に対し、史実に引っ張られてやや身動きが取れなくなった部分がある、やや消化し切れていない「とりかえ」という感じがする。
そのせいなのか、本作はLaLaDX連載中に打ち切り(多分)となっている。もっとも作品の出来は「お伽もよう」と比べて「若干落ちるかな、少し読みにくいかな」と思わせるものの、十分楽しめる出来なので買って損は無い。
点数は「お伽もよう」に★5をつけるとやむを得ず、で★4とした(もしあれば4.5としたい)。
本作はLaLaDXで打ち切りの後、同人誌で完結編が書かれている。完結編もReaderで配信されているのでそちらも合せて読むとよい。 続きを読む投稿日:2014.11.03
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ハンニバル戦記──ローマ人の物語[電子版]II
塩野七生 / 新潮社
シリーズ中の白眉
4
このシリーズはどれを読んでも面白いが、その中でも特に面白いのは本作と「ユリウス・カエサル」「パックス・ロマーナ」「悪名高き皇帝たち」「賢帝の世紀」じゃないかと思う。これはこの時代のローマ史自体がダイ…ナミズムに富んでいること、またこの頃の話は高校の世界史などで親しみのある時代であることによるが、なかでも本作はローマ自体もそうだがカルタゴの栄枯盛衰まで描ききっている点で、シリーズ中もっとも面白い作品となっている。
このシリーズはどの本から読み始めても面白く読めるので手始めに本作、あるいはユリウス・カエサルから読んでみても良いと思う(ユリウス・カエサルのみは2冊に分冊されているので最初の巻から読む必要があるが)。実際、私はたまたま入った本屋でその時1~3巻が売り切れていたため、ユリウス・カエサルから読み始めているが十分楽しめた。
そういえば、私が本作を読み始めたのはやや遅く2003年頃からだが、それでも当時はまだハードカバー版しかなく、出張に重たいハードカバーを3冊も抱えて行って合間に読んでいた。今はタブレット一つで15巻全てを持ち歩ける。電子書籍版の1巻目に作者が触れていたが、良い時代になったものだと思う 続きを読む投稿日:2015.06.02
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So What? 1巻
わかつきめぐみ / LaLa
どう説明してよいか分からないが、「なんか良い」
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今回の白泉社旧作大量配信でどうレビューして良いか一番困ったのがわかつきめぐみの一連の作品。
代表作である本作は比較的長いストーリー漫画ではあるので簡単にあらすじを書くと、、、
高校生の阿梨は唯一の肉…親である秋津島教授危篤の報を受け、秋津島家へ帰省する。そこにいたのはタイムマシン実験の失敗で異世界からきたライムと幽霊になってしまった秋津島教授だった。そこに秋津島の弟子の海堂、元同級生の桃太郎が同居してライムを元の世界に戻そうとするが、、、
、、、あれ?全然説明になってない。梅3匹もたけちゃんも所長も出てこないし、梅もどきも出てこない。笑いキノコも出てこなければ、巨大猫も出てこない。だいたいそもそもこんな深刻なストーリーじゃないぞ。
わかつきめぐみの作品世界はストーリーでは説明しようがないのだ。ストーリーは単なる流れであって、それに付随する「どーでもいいこと」こそがメインなのである。
だから「『SO WHAT?』ってどんな作品?」と問われても答えようが無いのである。
でも「その、どーでもいいこと」がなんか良い。ライムの料理教室も良いし、笑いキノコが「ふっふっふ」と笑うのも良い。梅3匹がばたばた走ってるのも良いし、別の作品だが家を包むぐらいに生えてくる貧乏蔓やもののけ君、ササニシキ、コシヒカリ、コシジワセ(なんてマニアックな名前の付け方)も良い。
読んでみて「なんか良い」と思える人はこの世界には入れる、そういう漫画家である。 続きを読む投稿日:2014.11.03
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まるいち的風景 1巻
柳原望 / LaLa
本領はこっち。「高杉さんのおべんとう」が好きならおすすめ
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「高杉さんちのおべんとう」で人気の柳原望がLaLaDXに連載していた漫画。
白泉社時代の柳原望は「一清と千紗姫」シリーズや「とりかえ風花伝」のような戦国時代物を多く書いていたが、その後「高杉さん家のお…べんとう」で人気を博したことから分かるように、本領は現代物では無いかと思う。また、長編より短い話を繋げていく方が得意な漫画家では無いかと思う。
あらすじは、、、
父親と義絶状態だった大学生・有里幸太は、父の死の際に現れた家電メーカーKAMATAから発売前のロボット「まるいち」のモニターを引き継ぐように頼まれる。ロボット技術者美月に惹かれた有里はモニターを引き受ける。その後起こった試作段階の「まるいち」を利用した窃盗事件をきっかけにKAMATAでアルバイトをするようになるが、、、
と言う話。
まず、「まるいち」がかわいいwww。このデザインを選んだ美月さんはセンスあるよ。
また、本作はロボットと人間の関わり、テクノストレス、ロボットを悪用した犯罪などをたびたび取り上げており、ロボットものSFとしても評価が高い。
これもLaLaDXを打ち切りになっているそうだが、本来はもっと高く評価されてよい作品だと思う。正直この作品を打ち切るセンスってどうよと思う。
「高杉さん」の雰囲気が好きな人なら是非どうぞ。 続きを読む投稿日:2014.11.03