rossoさんのレビュー
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284
このユーザーのレビュー
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ローマ五賢帝 「輝ける世紀」の虚像と実像
南川高志 / 講談社学術文庫
書籍説明が微妙だが、、、
5
Julia-Kさんのレビューから「新・ローマ帝国衰亡史」を買おうとしたら、同じ著者の本作が出ていることに気づいたので購入。やっぱ、ローマ史で(素人的に)面白いのはポエニ戦争の時期とカエサル~アウグス…トゥス(個人的にはティベリウスも)と五賢帝時代でしょ。
で、読み進めたがこれが本当に面白い。プロローグで「いきなりハドリアヌス?」とちょっと違和感があったが、それにもちゃんと理由付けがされている。
ただ、このサイトの書籍説明は微妙、、、
「養子皇帝制」は「権力闘争を生じさせていた」と書かれているが、「『養子皇帝制』とは実態があるものでは無く、あくまで現実の力関係や政治行動によって決められた「結果」に過ぎない」、と言うのが著者の主張しているところであろう。
ハドリアヌスも「同時代の人に非常に憎まれた暴君だった」と書かれているが、著者の評価自体は「暴君」では無いだろう。
いずれにせよ「ローマ人の物語」や「テルマエ・ロマエ」でローマ史に興味を持った人にはお勧め。特に五賢帝時代に関して「ローマ人の物語」とはかなり違った評価を下しているので興味深いと思う。
続きを読む投稿日:2014.12.05
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MOON―昴 ソリチュード スタンディング―(1)
曽田正人 / ビッグスピリッツ
天才が書く天才の狂気
5
曽田正人の代表作は「め組の大吾」や「CAPETA」だが、作者自身は本作および本作の前編である「昴」を挙げる。私も同意で曽田正人の真骨頂は「め組の大吾」にしても「CAPETA」にしても天才の狂気を描くと…ころにあると思う。その点で見ると本作の主人公の「昴」こそが最もその天才の狂気を現わしている。 続きを読む
投稿日:2013.09.25
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居酒屋の世界史
下田淳 / 講談社現代新書
ん~、なんか違うぞ。。。
5
Reader storeの黎明期に購入した本で、当時たまたま他の人のレビューを読んでこれは面白そうと買ったものである。
で、他人のレビューのレビューはちょっと失礼ではあるのだが、BACHさんのレビュ…ーにはあまりに酷い誤読があるので、、、
BACHさんのレビューを読んで、「あれ?全然違うじゃん」と思われる方が出てくる前に指摘させていただく。
>居酒屋の始まりは、ドイツ農民戦争や、フランス革命だそう。
これは読み方が全く真逆で、居酒屋の始まりがドイツ農民戦争やフランス革命なのではなく、ドイツ農民戦争やフランス革命の始まりが居酒屋議論だというのが作者の示していることだ。この論述は序章の部分にも出てきているが、第一章のオリエント・ギリシャ・ローマの項に旅館兼居酒屋の形態があったと示されていることや、「居酒屋に通う皇帝」と言う項目があることからも明らかである。
>居酒屋の誕生期には「ワインは薄めて飲むのがマナーだった」という話しや
これもちょっと変で、居酒屋の誕生期(黎明期)と言うより、古代ギリシャ・ローマではワインを薄めて飲まないのは相当のんべ、アル中だと思われた、と言う話である(まあこの当たりは塩野七生のローマ人の物語より「ユリウス・カエサル」や「悪名高き皇帝」も併せて読むとよく分かる)。まあ、ここは作者も「薄めて飲むのがマナー」とは書いているが、実態論としてはマナーと言うより、そういう観点があったと判読すべきかと思う。
>馬鹿騒ぎするだけの場所ではない、ヨーロッパ文明を覗き見る窓としての居酒屋。
本書はさらにヨーロッパ、オリエント文明圏だけではなく、さらに東へイスラム文化における居酒屋(カフェという形態を取っていた実質的居酒屋)、インド、中国、韓国、日本についても居酒屋の歴史について紹介している。
本書はヨーロッパの居酒屋の黎明期から、それが飲食店、宿屋、銀行、劇場、サロン、売春宿、裁判所、クリニックなどの多機能性を持つに至った経過、そして衰退期、すなわち多機能性を失って専業の飲食店へと変貌する過程を描き、その変化の過程をヨーロッパ文明圏以外の居酒屋と比較することなどでヨーロッパ文明のひとつの形を洗い出しているものだと思う。
まあ、いずれにしても面白い本であるのでお薦め。 続きを読む投稿日:2016.04.04
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ダンジョン飯 4巻
九井諒子 / HARTA COMIX
どうでも良いけど
5
手の中手骨と基節骨の解説(絵も)が逆ですw(手のひらの中にあるのが中手骨。指の一番付け根が基節骨)
なので、中手骨が一番長いのが人差し指で、基節骨が一番長いのが中指です。
今回は料理の解説が少なめでし…たな。まあ、前回と比べて食べやすそうな(?)物が多かったですが。 続きを読む投稿日:2017.02.16
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影武者徳川家康(上)
隆慶一郎 / 新潮社
代表作
5
隆慶一郎の代表作と言えば「一夢庵風流記」とこの作品で原哲夫によりコミカライズもされています。関ヶ原で徳川家康が暗殺されたという設定の元に家康とその仲間(島左近、甲斐の六郎など)と徳川秀忠一派との暗闘を…描いています。が、読み味が実にさわやかなので陰惨な感じはせず、読後感が良いのがこの作者の特徴でしょう。
隆慶一郎の作品はどれを読んでも外れがありません。 続きを読む投稿日:2013.09.24
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高杉さん家のおべんとう 10
柳原望 / MFコミックス フラッパーシリーズ
メモリアルも配信して欲しい
4
まあ、落ち着くところに落ち着いたなぁと言う最終巻。最後の久留里の職業選択だけはちょっとぶっ飛びましたがw
で、是非「高杉さん家のおべんとう メモリアル」も配信して欲しい。中に入っている3本の短編がまた…絶品なのだ。
さて、このあとは「理不尽のみかた」か「まるいち」の続編を是非書いて欲しいものです。 続きを読む投稿日:2015.08.22