幾の感動大陸さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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ノンタイトル まだタイトルマッチじゃない
岡康道 / 玄光社
タイトでマッチョなココロのオジサンって素敵♥
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電通を独立後も、サントリー、NTT、大和ハウスなど話題のCMを手がけてきたクリエーティブディレクター・CMプランナーの初のエッセイ集。穏やかな反骨精神と謙虚であるが粘り強い精神力が見え隠れて面白い。「…いつだって僕たちは途上にいる」で触れらていた悲惨な境遇の謎が判明。失踪中の父との再会と死など、ほろ苦い話も多く、CM秘話以外にも興味深い話題で大いに愉しめた。 続きを読む
投稿日:2014.01.04
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食卓の情景
池波正太郎 / 新潮社
古き良き時代の極私的ミシュラン
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気が向いた時に、つまみ喰い程度に一篇ずつ大切に、じっくり、ゆっくり咀嚼して味わい、やっと、完食。食品偽装なんてない職人気質が受け継がれていた頃の昭和の東京、京都、大阪、旅先の極私的ミシュラン。未体験ゾ…ーンの生つば出る程、美味しそうな話と昭和中期や古き良き戦前、戦後の下町の風情が蘇る数々の愉しく可笑しな逸話。是非、わんぱくでグルメな「正ちゃん」主人公の朝ドラが観たい。かく喰らい飲み、懸命に仕事に取り組んだ時代劇作家の食道楽の軌跡。映画通らしくビリー・ワイルダーという監督も気になるところだ。
続きを読む投稿日:2014.01.04
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グラスホッパー
伊坂幸太郎 / 角川文庫
バッタ、バッタと殺されてゆく殺し屋たちへのレクイエム
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語り口がいつも通り面白く今回も一気に。視点を切り替えて物語が展開する「殺し屋業界」の狂想曲。作中に「グラスホッパー」の文字が見当たらず、うん?と思ったら英語で「バッタ」の事だった。「黒バッタ」の話は重…要な箇所だったので納得。インタビュー読むと執筆に2年掛かっており、殺しの方法を考え、三人称に絞り込むまでも大変だったとか。それを数日で読み飛ばす贅沢な気分。最後の数行でニャリとさせられる。それが小説の醍醐味。だから、ただ筋追うだけのつまらないバッタモンのライトノベルは読む気がしないのだ。 続きを読む
投稿日:2014.01.04
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チルドレン
伊坂幸太郎 / 講談社文庫
優しく素敵過ぎて、もっと物語が続くと良いのにと思った。甘いなぁ・・・。
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5つの物語が、一つになって奇跡が降り注ぐって、それはないなぁ、ただの連作短編だもの(^O^;)銀行強盗に巻き込まれる話で引き込まれるが、全体は地味な家裁の少年担当官の話とかが続き、いつもの作品みたいな…最後に上手く謎が解明とか大きな繋がりの派手な展開はなくファニーなオチという感じ。けれど、憎めない破天荒な陣内というキャラが、とても素敵過ぎ、また、盲人の永瀬と、その彼女ら仲間も良い感じで、優しい気分に浸れて、もっと物語が続くと良いのにと思った。甘いなぁ・・・。ちなみに表紙イラストは左から陳内、盲導犬ベス、永瀬であろう。
続きを読む投稿日:2014.01.04
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日本のセックス
樋口毅宏 / 双葉社
最狭の毒々しいラブ・ストーリーいいね!
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脳内映像化は俺の才能だと確信。
けれど、エログロが、てんこ盛り過ぎて
容量オーバーで全くサムアップせず・・・?
まぁ、勢いで釣られて読み終えて、愛の物語に、ほろりとさせられた。
「男の恋はファ…ンタジー、女の愛はリアリズム」
故に、女は強し。
旨い作家で突き抜けていて爽快。いいね! 続きを読む投稿日:2014.01.04
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ZOO 1
乙一 / 集英社文庫
読んでからレンタルで観るか、レンタルで観てから読むか
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「陽だまりの詩(シ)」だけアニメの気鋭の若手監督による競作のホラー映画「ZOO」の原作短編集「ZOO 1」。巻末にアニメ作者との対談があるが、映画も原作通り素敵な仕上がりで泣ける物語だったので是非、観…て欲しい。さすが、自主映画出身の作家らしく映画っぽく、イメージ溢れたものばかりで残酷ホラーもあったが小気味良い文章で面白く夢中で読めた。
・・・てなわけで、
収録短編 面白度ランギング
カザリとヨーコ ☆☆☆☆
SEVEN ROOMS ☆☆☆☆.5
SO-far そ・ふぁー ☆☆☆
陽だまりの詩 ☆☆☆☆☆
ZOO ☆☆
・・・表題作の「ZOO」だけ映画では大幅に脚色されていた。忠実に映像化すると爆笑コントになるからか。
続きを読む投稿日:2014.01.04