ラピスラズリさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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ホームタウン
小路幸也 / 幻冬舎文庫
人間ドラマとして読めば傑作
1
舞台は北海道の3つの街。妹の木実の失踪、それを追ううちにフィアンセまでもが失踪していることを知る、主人公の柾人。兄妹にのしかかっている黒い過去、そしてそれを置いてきた旭川で、柾人を過去・現在を支えて…きた脇役たちとの捜索劇が展開される。
この小説はミステリーとして読むと物足りないかもしれませんが、小路幸也一流の人間ドラマとして読めば、感じるものが多いです。
最後に柾人が住み込んでいる家のおばあちゃんとの会話のシーンにすべてが救われる思いがします。 続きを読む投稿日:2013.10.04
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半落ち
横山秀夫 / 講談社文庫
結末は賛否両論ありそうですね
6
現職警察官の妻殺し、その犯人は自首している。しかし事件の経過に存在する空白の時間。真相には口を割らない容疑者。大揺れに揺れる警察組織。事件を追う者たちの人間模様。まさに横山ワールド全開の作品ですが、最…後の結末に感動を覚えるか、肩透かし、ととらえるかは読者次第という感じですね。 続きを読む
投稿日:2013.09.29
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モーニング Mourning
小路幸也 / 実業之日本社文庫
自分の部屋でゆっくり読みたい本
2
親友の真吾の死、その葬儀のために福岡に集まった大学時代の親友・ルームメイト達が、色々な事情が複雑に絡み合って封印されてきた過去を、一つ一つほぐしていくような東京へのロング・ドライブの車内が舞台。
…素敵な思い出に彩られた学生時代の甘酸っぱい過去は読者の心を懐かしい気持ちにさせますが、ある大切な人との暗い過去の思い出は胸が締め付けられる思いがします。
通勤電車や仕事の合間ではなく、家の中で一人っきりでゆっくりと読みたくなる本でした。 続きを読む投稿日:2013.09.29
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脱グローバル論 日本の未来のつくりかた
内田樹, 中島岳志, 平松邦夫, イケダハヤト, 小田嶋隆, 高木新平, 平川克美 / 講談社
若手二人の論客がスパイスを利かせる
0
このメンバーが集まれば、流れとしては反自由主義、反グローバル化、反橋下的政治に行きつきます。しかし、イケダハヤト・高木新平という二人の若手論客の存在がいい触媒となって、その後のオジサンたちの対談も熱を…帯びていきます。最後の凱風館(内田先生の私塾)での対談ではTPPの本質へグイグイ迫る議論に、自分自身も色々と考えさせられました。 続きを読む
投稿日:2013.09.27
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清須会議
三谷幸喜 / 幻冬舎
歌舞伎の演目にしたら面白そうですね
0
小説・・・というよりも脚本です(笑)歴史的な事実に即した、舞台劇。それを文章で読んでいる感じがします。歌舞伎の演目として作り込んだら面白そうです。
投稿日:2013.09.24
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真夜中のマーチ
奥田英朗 / 集英社文庫
ホワイトな奥田ワールド全開
2
奥田さんらしいテンポよくスカットさせてくれる物語。夜更かしして一気に読みました。
10億円を巡るドタバタ劇なのにカネの腐臭がしない。ミタゾウ、ヨコケンのキャラが秀逸。クロチェは本心ではお金より家族…が大事。10億円を奪うというミッションは三人が繋がるための方便みたいなもの。読んだ後に爽快さすら感じる。 続きを読む投稿日:2013.09.24