文学
ヰタ・セクスアリス
あらすじ
哲学者・金井湛は自身の性欲の目ざめからその発展を小説にしてみようと思い立つ。恋愛と性欲は密接な関係こそあれど同一のものではない。性欲は自分からは遠いものだという金井が、自身を淡々と観察しながら性欲の自分史を書き綴った。しかし、書き終えた小説を読み返した金井は、表紙に「ヰタ・セクスアリス」=性欲的生活と記すと、誰にも読ませることなく本棚に投げ込んでしまうのだった。発表当時には卑猥な小説だとされ発禁処分になった問題作だが直接的な性行為の描写はない。むしろ鴎外の医学者らしい観察眼、緻密な心理描写のほうが冴える知的文学である。

