
総合評価
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powered by ブクログもっと水を描いても良かったように思う。それまでの物語によって描いてきたのだとは思うが、最初と最後に「水」を使った表現をする。この言葉を書きたかったんだろうなと思うが、唐突なまとめのような印象。 また地名や建物名が現地語表記なので、フリガナが無いと正直読めなくて、結局音読みしながら進めていった。これがテンポを悪くし、没入を妨げているように思う。 それにしても、である。 心情を、染み入るように描くのが上手い。 レイヤンには本当に幸せになってほしいし、主人公の若気の至りには喝!を入れたい。
1投稿日: 2026.08.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
語学学校で学んだ時の知り合いに、このお話の舞台になった返還前の香港を案内してもらったことがあった。林立する高層ビル群の中を、カイタック空港に降り立ち、物理的な制約の中で、人間がやりたいことをなんでもやろうとするとこんな社会になるんだなあと圧倒された。 しかしただの観光客という立場で、日本好きな友人に案内されながら見た香港の街が、まったく表層的なものだったんだなあということを、本書を読んで感じさせられた。 反日的な感情や、その根っこにある日本がやってきたことについての無知だけでなく、この島に渡ってくる移民たちがどんな生活をしているかといったことも想像力に欠けていた。 作者がこの時期の香港をテーマにしたいと思ったのは、とても共感できたし、出てくる登場人物の一人一人が、それぞれの社会的な位置に応じて、いかにもという感じでつくられているのも、ドラマをとてもわかりやすくしてくれていた。それぞれの立場でそれぞれに動いているのに納得させられた。それらの人物をこのように配して、複雑なストーリーをまとめきった力に感服した。 ただの留学生にすぎない男の子が解決しようとする「個人的な問題」の背景に、こうした「香港返還問題」という大きな社会をいかにからませるかという部分はとても野心的な試みで、最後の落としどころもなかなか良かった。
0投稿日: 2026.07.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なんの前情報なく読み始めたので、最初は題材が好みでないななんて思いながら。 主人公の輪郭がわからないというか、ぼやっとしていて、混乱していたが、それは見事に術中にはまっていただけだと途中から気がついて、その後からは完全にはまってしまった。 頭も心もまだまだ知らないことばかりだということに驚愕しつつ、小説としては、ものすごい伏線回収で、面白かった。
0投稿日: 2026.06.25
