![凍土二人行黒スープ付き[増補改訂版]](https://ebookstore.sony.jp/photo/LT00023060/LT000230607003633403_XLARGE.jpg)
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
家の心を読んで人に伝える家読みの仕事をしながら旅をするシガと、逃亡クローンのナガノが宇宙の国々を旅する短編集。 旅の中で少しずつ関係を構築していき、あるとき、「完遂する義務はなく、罰もない」契約をする。 世界じゅうの人があなたと旅をしたいに決まってる、は素敵な言葉だった。
0投稿日: 2026.10.04
powered by ブクログ一行目から心掴まれる文章で、内容も作品の雰囲気も優しくてとても自分好みだった。 建物の気持ちを読み取れて「家読み」という仕事をしているシガは、その仕事中にナガノという行き倒れたクローンを助ける。 この二人の話と、リョクとキン、サバとシールというそれぞれのふたりの話が詰まった短編集。 いずれのペアも年齢も性別もときには種別も超えて、互いが互いのことをいちばんに思いやっていて、相手のためになにかしてあげたいという気持ち、自分のことや欲よりも相手を尊重する気持ちが強くて、人が惨く死ぬ作品ばかり目にしていた自分にとっては珍しく、角砂糖と清涼剤を一息に飲んだような愛に溢れた作品に出会えて良かった。 続編も出ているようなので、是非読みたい。
8投稿日: 2026.10.03
powered by ブクログ短編連作。 SFというよりは童話の手触り。 サイエンスフィクションよりは少し不思議が近い気がするかな。 星の間をめぐる旅なのでSFなんだけども 続きが気になるのでそちらも予約した。
0投稿日: 2026.09.27
powered by ブクログ優しいけれど、現代テーマがさり気なく散りばめられた大人の童話を読んでいる気分でした。 地球ではないどこかの星の話で、パートナー同士の心の通わせ方が、自然で、無理やり過ぎず交わっていく形が心地良く読める。 家読みという面白い設定のシガとクローンのナガノの関係が、愛とか自由とはどんなことなのか、人生って考え方一つで変わるという哲学的結末も素晴らしかった。 未来のどこかの惑星とあって、オリジナル用語かたくさん出てくるのが面白く、想像力の豊かな作家さんだと感じた。 個人的に傑作!何回か読めば更に深い読書体験出来そうです。 寝る前に読むにもおすすめです。
0投稿日: 2026.08.22
powered by ブクログ「自分以外の誰か(または、なにか)と、ともに生きる」ことがテーマの短編集。 家や建物と会話ができる「家読み」という力を持つシガと、クビになって逃げ出してきたクローンのナガノの旅。 シガとナガノ以外の短篇も、同じ世界線の、おそらく別の惑星の話なんだと思うけど、どれもこれもとてもよかった。 キム・チョヨプの「わたしたちが光の速さで進めないなら」に似たタッチ。優しくあたたまるSF。(シガとナガノの話は、ややBL寄り?) SFなのに、無機質な感じがないのがよかった。
0投稿日: 2026.08.17
powered by ブクログ歌人として知り、小説は初めて読了 主軸は勿論、各話の二人組による恋愛模様にあるのだけど、そもそもSFモノとして設定が魅力的 特に『家読み』という職業が面白く、語りかけてくる建物達が皆良いキャラをしていて愛しくなる シリーズ化されているシガとナガノの二人については、後半の急展開にぎょっとしたけれど(書き下ろしで補完されているとはいえ、シガのアクセルの踏みっぷりが意外だった)人が人を愛することを丁寧に噛み砕き、柔らかな言葉にしていく様は美しかった
0投稿日: 2026.07.30
powered by ブクログみんなが待ってた文庫化。しかも続編刊行。 なので、その記念に再読いたしました。 やっぱり雪舟えま先生の恋愛描写のある小説…好きだ………。 ハードカバーとアンソロジーには未収録の書下ろしも収録ですが、そこでは先にナガノのが自覚してたんやね…しかもそんなにシガに迫ろうとしてたんやね………(頭抱) 再読してわかる、けっこう年の差あったんやな…とか、そんなに激しく惹かれ合って愛し合ってたんだな…シガとナガノ……(血まみれで転がるオタクの顔文字) やっぱりすごく、好きだ……。
0投稿日: 2026.07.20
powered by ブクログ「なんでもできる気がする。生きていれば何でもできる気がする」 設定がぶっ飛んでいて、物語に浸るのに少し時間がかかったが、内容が理解できるとすんなり入り込む事が出来た。 静けさを感じる話であった。
0投稿日: 2026.06.27
powered by ブクログ社会の外で生きる人々の短編集。家読みのシガと助手のナガノを中心にどの話も生きることが旅することであるかのようだった。登場人物が家らしい家を持たないからか。仕事場と家の往復という社会が当然に要求することのできない私には居心地の良い世界だった。またオリジナルへの奉仕を疑問に思わないクローンの在り方にも共感してしまった。私も唯一無二の人の役に立ちたいのかも知れない。
0投稿日: 2026.06.26
powered by ブクログとんでもなく素敵な作品に出会ってしまった…… どこか遠い未来を描いたような物語。 冷たい静けさに支配される惑星のなかで、 いちばん強く感じられるのは、 「誰かと一緒に生きる」ことのあたたかさだ。 あまりにも好きな世界観すぎて、 読み終えてすぐに続編の『辺境恋愛詩』を注文しました…! 『凍土二人行黒スープ付き』雪舟えま 家と会話することができる「家読み」のシガと、 日本人の青年の姿をしたクローンのナガノ。 シガはあることをきっかけに ナガノと行動をともにするようになり、 やがて二人で生きることを選んでいく。 もうね、なんだかどうでもよくなるほどの「愛」なのだ。 男×男とか、人間×クローンとか、 そういう言葉で整理するのが無粋に思えてしまうくらいの愛。 あらゆる固定観念や性差に縛られず、 自由に生きるシガとナガノの関係が なんとも心地よい。 ✧ 二人は惑星を静かに旅していく。 シガは「家読み」として、ナガノはその助手として。 SF小説なのに、 不思議とノスタルジーを感じる懐かしさがあって、 少しだけきゅっと胸が締めつけられるような切なさもある。 そんな「好き」がこの本には詰まっている。 シガとナガノの物語だけではなく、 公務員サバと、歳の離れた学生シールの出会い、 少年リョクと、不思議な生き物キンの関係も描かれる。 そう、誰に何と言われようと自由でいいのだ。 お互いを必要としている。 それだけで、もう十分なのだと思う。 ✧ 宇宙そのものの色をした切なさが私のすみずみまで浸透する。 そうだよナガノ、私はそれでも君のための人間になったんだ。 (P262) 歌人でもある雪舟えまさんの表現の、 なんと美しいことよ……
3投稿日: 2026.06.06
powered by ブクログ多分昨年末くらいに書店でジャケ買いをして、そのまま少し寝かせて、3月くらいから飲み始めたが、職場環境の変化により全然読書する時間と余力がなく、というここ最近の状況でした。4月入って多分2日間くらいしか読書できてないんだよな。いや昨年が恵まれすぎてた感はある。 それより本書の感想なんだが、一般文庫レーベルだけどサラッと同性愛要素が出てきて個人的にビックリしました。と同時に物語の中で変化していく関係性が尊くて、久々にじんわりとした余韻を味わっております。というか主人公として据えられているシガの生き方と価値観とビジュがよすぎる。 いつだったか某動画配信サイトで読了本紹介をしている方が今の俺と同様の状況になった時に「一般文庫レーベルでサラッと同性愛が出てきて、少し前だと同性愛自体が本のテーマだったり、主人公の葛藤の一部だったりして『あえて』その部分を書くっていう描かれ方だと思ったのですが。今はもう千ある個性のうちのひとつというか、別に特筆すべきことでもないし、物語的に大きく関わってくるわけでもないというのが最近の新しい感じだなと思ったし、それが今の啓発活動のゴールなんだろうなと感じた。当たり前というか、取り立てて言うことでもないっていうか」と語られていて、まさにその通りだなと感じました。
0投稿日: 2026.04.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「おたがいを永遠に愛したいという、それほどまでに強い願いが、人間の短い人生に一瞬でも存在したことの証明という意味らしい。結婚という契約は」 という文章。綺麗ごとだけではない物語だけど、この文章のもつ綺麗さと儚さに撃ち抜かれる。
1投稿日: 2026.02.08
powered by ブクログAmazonの紹介より 宇宙のどこかに居場所があるなら、君のとなりであってほしい 「誰かと一緒に生きる」という恩寵を、 無二の言語感覚で綴る6つの愛おしい物語 建物と対話をし、そこに住む人びとの知り得ぬ事柄を聞くことができる“家読み”のシガは、ある惑星で行き場を失ったクローンのナガノと出逢う。ともに旅をすることになった二人は、互いの存在を通して世界の豊かな一面を知っていく(「とても寒い星で」)。六つの物語によって形づくられた、歌人でもある著者の類い稀な言語感覚が光る超未来のハートウォーミング・ストーリーズ。 独特で不思議な世界観でした。 2人のゆったりとした雰囲気や何気ない会話が、静かな心地よさがありました。 出会いから始まり、友達そして…、まさかBLになろうとは。後半から急展開でしたが、スープが染み渡るように温かさが広がっていくようで楽しみました。
2投稿日: 2025.12.29
powered by ブクログとても好きなお話だった。 静寂感のあるSF作品なのに、ちょっとほっこりするところもあって、不思議な雰囲気だった。 シガとナガノの出会いと2人の旅がメインで、特にこの2人の話が好きだった。 性別を超えた世界観がなんだか心地よくって、アクシデント的な結婚も、なんだかほんわり暖かい感じがした。 続編が出るようなので、読みたいな。
26投稿日: 2025.12.01
powered by ブクログそこはここよりも(たぶん)ずっとずっと遠い惑星。家と対話する「家読み」の仕事をしている〈私〉は、仕事先の家侵入していた子どもっぽさの残る若者と出会う。彼は日本コロニー製のナガノ型のクローン。外せば手首の吹っ飛ぶという手枷を付けたナガノは、つらい労働環境から逃げてきたらしい――。 たとえば不思議な季節の流れがあったり、不思議な生物がいたり、聞き馴染みのない職業があったり……初めて見聞きするその世界を構築する存在たちが、どこか懐かしさを持って胸にしみてくる。言葉によって編み上げられた世界の魅力を改めて感じるような作品集でした。きっと折りに触れて、タイトルや表紙を見るたびに、こんな素敵な世界があったなぁ、と思い出して嬉しくなるんだろうな、と思わせる、とても余韻の良い一冊です。
0投稿日: 2025.10.29
