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給水塔から見た虹は
給水塔から見た虹は
窪美澄/集英社
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総合評価

101件)
3.9
24
45
22
2
2
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    タイトルからは想像できない内容でした。 何気なく過ごしている 当たり前の日常。 普通に生活する事すら出来ない人達がいる事 考えさせられました。 そんなつもりはないのに どんどん泥沼に嵌りこんで抜け出せなくなって。 読んでいて どうなってしまうのか ハラハラし苦しくもなってしまいました。 おじいさんが良い人で良かった。 私に何か手助けは出来ないけれど せめて違う国の人ではなく 同じ人間として対等に接する事が出来ればと思います 給水塔…団地の象徴としてかな

    14
    投稿日: 2026.02.04
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    良い話なんですけどね、なぜか「手放しで・・・」とはなりませんでした。 最初に引っかかったのが、3世のベトナム人のヒューが日本語が苦手という設定。私の大叔父・大叔母たちはアメリカとブラジルに移民しましたが、その3世たちは母語は現地語で、日本語はほぼ喋れない。漢字は苦手というレベルならまだしも、幼稚園、小学校と日本の学校に通って、喋る事さえ苦手と言うのは・・・。元々センシティブな話題を扱うので、よほど丁寧に描かないと嘘っぽくなる。そう言う目付きで読んでいたら、母親の行動なども、どこかステレオタイプに感じられてしまう。また、母親が我が子をさておいて外国人支援に突き進み、さらにそれを父親が容認する動機も妙に弱々しく。。。 と、愚痴ばかり書きましたが、後半は面白く、一気読みでした。 厳しいエンディングですが、ヒュー、頑張れ。

    1
    投稿日: 2026.02.02
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    移民、貧困、差別、いじめ……と、いくつもの社会問題を中学生の目を通して描いた作品。 読んでいてやり切れない気持ちになりましたが、どれも身近で向き合わないといけない問題。 読んで良かったです。 学校でも家でも、孤独を感じながらも頑張り続けている桐乃。日本で生まれ、暮らしているのにいじめられているベトナム人のヒュウ。過去に囚われ、他人を助けるために奔走している母・里穂。 それぞれが見ている世界は…… 団地もクラスも一緒の桐乃とヒュウは、置かれている苦しい状況は重なる部分がある。 自分ではどうにも出来ない問題に苦しみながら気持ちに折り合いをつけたり、閉ざすことでしか心を守れなんなんて悲しすぎる。 親は選べないし、差別もいじめも無くならない。 生きるってなんて大変なんだろう……。 桐乃のお母さんが、とにかくあり得なかった。 桐乃が我慢して我慢して頑張っているから、かろうじて平穏が保たれている(ように見える)だけ。 どれほど一人で踏ん張ってきたのかと思うと心が痛む。 子どもの「逃げ出したい」「でも逃げられない」その葛藤や諦めの気持ちが重くのしかかりました。 二人の逃避行のゆくえに、日本の現実を突きつけられた気がします。問題はたくさんある。「共生」は日本の大きな課題のひとつ。 スッキリとした終わり方ではないけど、これから様々なことを経験して成長していく彼らのひとつの節目のように感じました。 ヒュウの祖父の孫への愛情のこもった言葉が沁みたなぁ。 知って、考え続けること。 自分の人生を生きること。 言葉が通じなくても、まずは相手を知ろうと歩み寄る気持ちなくしてはなかなか分かり合えないと思う。 様々な点で感情にとても訴えかけられる作品でした。

    1
    投稿日: 2026.01.29
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    母国から逃れてやってきた移民、ボートピープル。言葉は聞いたことがあるけど、その人達が日本に来てからの苦難は想像できませんでした。紛争のある母国からは逃れられたけど、日本でも外国人という枠から抜けられない不幸が続くのかなと感じました。

    0
    投稿日: 2026.01.23
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    幼い頃に外国で生まれて日本にやってきた友達を、想像力の欠如から傷つけてしまった主人公の母親。 それを償うためもあり、近所で困っている外国の住民がいれば寝る間も惜しまず手を差し伸べる。 しかし、そうしているうちに周りも見えなくなり、娘からは自分の子どもより困っている外国の人が大事なのか。そして、そんな母親は手助けをしているときだけ生き生きとしており、それは手助けしてあげている自分に陶酔している傲慢な姿勢なのではないかと投げかける。 どんな事情からであれ、困っている人に手を差し伸べるのは良いことであるのは当然だが、その時の自分がどのような考えからそうしているのかは一歩立ち止まって考えたい。

    10
    投稿日: 2026.01.23
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    今を映し出してる小説。 日本人同士でさえわかりあえないのに言葉が違う人同士がそんな簡単に分かり合えるわけない。 でも寄り添い合うことはできるかもしれない。 日本人の私も理解しようとすることは大事だしそれは外国人側も同じだと思う。 言葉がお互いわかりあう努力ができればいい。 でも里穂は分かりづらい。すごくいいことをしているのはわかるけれどそれはあなたがそこまでしなきゃいけないこと? 個人としてすることを超えてる気がする。 子供のことをないがしろにしてまで。

    0
    投稿日: 2026.01.18
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    給水塔を作品名に入れる必要あった? 作中でも無理やり給水塔ねじ込んできたけどこれじゃなきゃいけないってほどでもないし、木とか他の何かでも代用できたでしょ むしろ何かしらの木の方が倒木せず、伐採されたりもせずそこに長年佇んでるっていう方がノスタルジーな感じする。 給水塔なんて建物が壊れない限りあるんだし、長年その場所を見ていた的なことは感じられなかったかな。

    0
    投稿日: 2026.01.17
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    後半、涙が止まりませんでした。 同じ団地内に住む中学二年生の桐乃とベトナム人のヒュウ。二人とも教室にも家にも居場所がない。 桐乃の母、ヒュウの母、ヒュウがつるむようになる仲間達。皆の苦しい思いが伝わってくる。自分がこんなに辛いのは誰のせいなのか。皆がギリギリの心理状態で暮らしている。 様々な視点で語られるこの物語、悪い方へ流れていってしまうのにも理由がある、ということが伝わってきて、読んでいる側も辛い。 そして、それぞれの人の核を形作っているものは、簡単には変えられないこと。それに気付いた桐乃が最終的に、人に幸せにしてもらおうと思ってはダメだ、自分で自分を幸せにするのだ、という結論に達した心の動きには涙が出て止まりませんでしたでした。 中学二年生、大人でもなく子供でもない桐乃とヒュウ。まだまだ大人の庇護の下にあるべき二人が、確実に大人になっていく姿に何度も涙が溢れました。

    105
    投稿日: 2026.01.05
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    想像力を働かせることは大事だ。 在日や移民、技能実習生のことは何となくわかっているけど、全然僕たちは知らないし、解ってない。どこか他人事のように思っているけど、今やどこに行っても外国人だらけ。 同じ日本に住む人間として、しっかりと認識して、考えるべきだと思った。

    1
    投稿日: 2025.12.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    技能実習生や移民労働者の現状や問題について扱った作品だが、読み終わった後にそのイメージや考えが変化することはなかった。桐乃の育つ団地や小学校の環境は耐え難いと感じ、他にも反発したくなるような飲み込み難い箇所が幾つもあった。

    12
    投稿日: 2025.12.15
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    主人公の桐乃と、その同級生でベトナムにルーツを持つヒュウの物語。 2人とも境遇は違えど、親から見放された存在で読み進めるのが辛かった。 家出をして、元技能実習生と暮らしていく中で、お互いが成長していく。 ヒュウがつぶやく。僕の人生は僕だけのものだ。誰のものでもない。それがどんな人生でも僕は自分の人生を愛し、生きる。 桐乃もヒュウも幸せになってほしい。

    34
    投稿日: 2025.12.15
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    中島京子さんのやさしい猫を思い出しました。 政治的思想の話になってしまうので、細かく感想は控えますが、日本で真面目に働いて母国にいる家族に仕送りしたいとか、本気で頑張ろうとしている人には、良い環境で働いてもらいたいなと思うし、〇〇人の定義ってなんだろう。日本で産まれたら日本人じゃないの?って疑問に思ったし、でも結局日本人もそうでない人も、日本っていい国だなと思ってもらいたいなと思った。

    38
    投稿日: 2025.12.12
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    昨今、政治の世界においてよく議題となっている「移民問題」。要は『移民を受け入れなければ、その労働力を借りなければ、日本の産業はたちいかない、しかしそこには彼らの生活をどう支えていくか?、という問題がついてまわる』という事ではないかと思うのだが、自分自身が日常生活で、そういった彼ら彼女らと接点がない為、今一つ具体的な問題点が掴みづらい(漠然とした「治安の悪化」であるとかいう問題は把握できるが…)。 この書籍は、そう言った移民の親子と、面倒を見たがる日本人の親子を中心として、その周りで関わりを持つさまざまな家族、良くも悪くも友人、またそれらを取り巻く学校、職場、社会…、等身大の日常生活の物語をわかりやすい記述で書かれた長編小説である。 今や殆どの家庭が「食べていくのがやっと」という様な状況であるように思える(私の周りだけかもしれないが)ここ数年の日本社会で、さらに貧しているのが移民であったり、もとは外国籍であったりした人たちのご家族では無いかと思う。そのような状況で、時に犯罪に手を染めてしまったり、時に誰かを傷つけたりして、皆がもがきながら生きている…、漠然とは知っていても、この書籍の中で具体的に、順を追って物語として知らされると、はっと気づかされることがあった。そう、移民の彼らも決して悪事を働くために日本に来たわけでなく、その形ばかりの「受け入れ制度」に失望し、落胆し、心までもが貧しているのだという事に… 冒頭に書いたように、この国(日本)は、外国人の力(人数的な)を借りなければ、この先産業は成り立たないと言えるだろう。であれば「人数合わせの受け入れ制度」ではなく、彼ら、彼女らの人格、家族、家庭、を手厚く保障してあげる事が必要であろう。繰り返しになるがこれまでは「数合わせ」の「技能実習生受け入れ」であったこの国の制度を設立、運用してきた政治家の誰かが、捉え方によっては冗長ともいえるかもしれない本書を読了することによって、その大切さに気付き、今後、より良い制度、皆が力を合わせて再生していけるような国家になっていく未来、を創造するきっかけに成ってくれれば、と私は切に願ってやまない。 …物語としても、もちろん秀逸である。読みやすく、不快感も残らない。作者の他の作品も読んでみたいと思う。

    11
    投稿日: 2025.12.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごくリアルで心が抉られた… 窪先生はいつもきれいごとばかりじゃなくて、ちゃんとリアルを伝えてくれる。それはとても辛くて虚しくて儚くて…でも最後には少しだけど喜びがある。その喜びを自分のなかで消化し、現実世界を生きていく糧にして私は生きている。 今回窪先生が見せてくれた世界は、自分には背負いきれず消化までに時間がかかるかもしれないが、必ずこの物語の登場人物たちみたいに、自分なりの答えを見つけていきたいと思う。 主人公桐乃は団地で暮らす中学2年生。彼女の学校や団地には、外国にルーツを持つ人がたくさんおり、言語や価値観が全く通じないのが当たり前の世界。そんな彼女は日々の生活にうんざりし、団地を出ていきたいと強く願っていた。その彼女の考えを植え付けた要因が彼女の母里穂である。里穂は自身の学生時代の後悔から、外国人を異常なほどに献身的にサポートしている。家に呼んで日本語を教えたり、生活のサポートをしすぎるあまり、桐乃のことを疎かにしてしまうことも多々あった。 そんな桐乃の日々を大きく変えたのがヒュウとの出会いだった。ヒュウは日本生まれのベトナム人の母を持ち、日本語を上手く話すことができない。それが原因でクラスから浮いてしまい、桐乃が彼を助けたり一緒にバスケをすることから、2人はお互いに日々の生活の苦労を吐露し、支え合う仲に… ある日ヒュウは父かもしれないという人の写真を入手し、自分の生活を変えるため父らしき人に会いに行くことに。しかしそこにいたのは、元技能実習生のベトナム人たちであり、その父らしき人も別人で悲しみを隠せないヒュウ。挙句の果てに彼は財布を失い、それを聞いた桐乃も母を困らせたい一心で、団地を出てヒュウを迎えにいくことに…そこで桐乃が見たものは、必死に生きるベトナム人たちと、自分と真正面から向き合い労わってくれ、国も言語も必要としない人たちとの優しい時間だった。運悪く彼らが警察に捕まってしまった後も、ヒュウのおじいちゃんの家に向かうなど逃避行を続けるなかで、桐乃は自分を見つめ直し、「ルーツが異なっていても相手を知りたい」「共生」という純粋で強い想いを抱くようになる。 桐乃やヒュウの選んだ道は決して簡単なものでないが、いつも悔しく見上げていた給水塔じゃなくて、いつか虹がかかった給水塔を笑って見上げられる日が来るといいな。 私も誰かのために一生懸命になれるような、桐乃やヒュウのような強い人間になりたい。 2人に出会えてよかった

    17
    投稿日: 2025.12.07
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    「僕の人生は僕だけのものだ。誰のものでもない。それがどんな人生でも僕はじぶんの人生を愛し,生きる」最後のページで、ヒュウが言った。強い決意だ。みんなが皆、いろんな人生。お互いに助け合い、支え合い生きていけたらいいのに。人種や性別,そんなあれこれに関わらず。桐乃、これからも頑張れ。

    1
    投稿日: 2025.12.05
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    日本にいる外国人がどんどんと増えていく現代に、読んでおきたい1冊だと思った。残念ながら私が育った環境にはあまり沢山の外国人はいなかったが、知らない、より、知っていること、ってとても大事だと思った。 外国人の日本での生活の大変さは想像もつかない。外国に留学するのとはまた訳が違うな、と。 自分はあまあまで、ゆるゆるで、イージーな生活をしてきたんだな、と感じてしまった。より小さな幸せをみつめたいと思ったし、『日本人ファースト』という日本人寄りすぎな考えは危険だと改めて思った。 あと、外国人関係なく、コミュニケーションの大切さを感じた。里穂と桐乃の関係性はどこにでもありうるかな、と。コミュニケーション大事。思いを伝えるのも大事だな、と思った。

    1
    投稿日: 2025.12.03
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    楽しい物語ばかりでは 駄目なんですかね。 辛かった。 子供達の成長が 胸を打った カッコいい大人になるな

    43
    投稿日: 2025.12.01
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    多様性の時代と言われながらも、それを自分の身近に感じられていないしどこか他人事のように眺めている自分を突きつけられたような気がする。不安や孤独を抱えた人の存在を朧げに知りながらも知ろうとはしていない狡い自分がなさけない……

    2
    投稿日: 2025.11.28
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    「ベランダでとりをさばかないこと!」 ベトナム人の技能実習生たちの寮に貼られていたであろう注意書きを見たことがある。 そんなバカな、と思っていたけどこの小説をよんで、そのまさかだった!と点と点がつながった気がした。 ベトナム人、技能実習生のイメージは残念ながら悪い。でもそれは彼らだけのせいではないのかもしれない。 文化の違いはもちろん、日本側にも正していかなければいけないことは多いのかもしれない。 ベトナム人日本人に関わらず良い人も悪い人もいるし、誰かにとって良い人でも別の人にとってはそうじゃないこともたくさんある。当たり前のことだけど。 窪美澄さんの作品は人間の多面性を表現することがひとつのテーマになっている(事が多い)と思っているので、今回はまさにそのど直球だったなと。 ベトナム戦争、ボートピープル、技能実習生、ベトナム人は、歴史の中で苦しんできた人が多いのかもしれない。

    2
    投稿日: 2025.11.25
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    窪美澄さん 初めての作品 読みやすかった 外国籍の児童を教えたことがある ベトナムの女の子は無口無表情で 教えても虚しかった その子を 強烈に思い出した ベトナム戦争についても 調べたくなった

    2
    投稿日: 2025.11.24
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    団地に住む桐乃がクラスメイトのヒュウと団地を出ていく話 始まりは桐乃とヒュウのクラスでイジメられたり無視されたりする、どうにもならない状況が続き胸が苦しくなる 2人が家出をしてからは職場が酷すぎて逃げ出した技能実習生の話が出てくる。 ボートピープルとして日本に来たおじいさんの話や桐乃の母とタオの話など、どの話も重い。考えさせられて軽く読み流すことはできなかった。 2人ともこの家出で少し成長したことが救いだった

    147
    投稿日: 2025.11.19
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    他の読者の評価が、思ったより良かったことに驚いた。 自分は、作品の中のような環境で育ったわけではないので、余計に感情移入出来ないのかもしれないが、登場人物がゴミ。 特に桐乃の母親。 子供よりも他者を優先する背景が弱い。 自分としては、子供より優先する事などあり得ない。 人はそれぞれ違うのだろうが、全く共感出来なかった。

    4
    投稿日: 2025.11.17
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    母親がボランティアに精力的すぎて子どもが疲弊するというのは、時々聞く話。私が小学校の頃も外国にルーツのある子はいたけれど、今の時代はまたフェースが違うのかな、という質感。

    1
    投稿日: 2025.11.15
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    私自身は、こういった環境で育たなかったことを、正直に言うと、まだまだ「幸い」と思ってしまう。それでも、日本の現状には悲嘆するし、なにかできることはあるだろうかと思うけれど、実際は何もできていない。選挙があるたびに落胆する。犯罪の報道があるたびに落胆する。でも、あきらめないために、こういった作品は必要。 2025/10/8読了

    3
    投稿日: 2025.11.15
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    外国人問題と言っても在日だったりポートピープルだったり元技能実習生だったりといろいろなケースがあり、それに問題を投げかけた小説。 団地を舞台に貧しい日本人と外国人の息苦しさが伝わってくる。そして外国人を助けて娘がなおざりになってしまう母子関係のあり方にも問題提起。私はこちらの主題の方が気になって一気読み。

    1
    投稿日: 2025.11.11
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    排外的な人を見ると、どうしようもなく嫌な気持ちになる。 舞台は外国人が多く住む団地で、所謂移民問題を窪美澄さんが住民目線で描いている。 移民2世や3世や技能実習生や不法滞在者の苦しみであったり、国籍やルーツによるイジメや偏見、さらには親子関係や友達関係も描かれている。 読んでいて胸が痛くなった。 大切にしなくてはならない当たり前の感覚。 価値観の違いでは済まされない人間としての倫理や道徳心の話。 個人的に何の為に読書を続けるかという理由の1つに、想像力を広げてやさしい人間になりたいというのがあるのだけれど、自分が考えてこなかったことや知らなかった世界を知る事や考えるキッカケを作ってくれた。 窪美澄さんの本を読むのは2冊目だったのだけれど、人の内面的な揺らぎとか矛盾をとても丁寧に掬い取ってるなぁというのと、瑞々しい感情の描写や言語化が上手だなぁという印象です。 窪美澄さんのインタビューにこうありました。 「社会の中で見えにくい人を可視化するというのは、小説の大きな役割の一つではないでしょうか。その人たちと、現実で深く通い合うということにならなくても全然いいと思うんですよ。ただ、この社会にいる彼らを透明にしない目の力が、私にも今の日本にいる人たちにも求められているのかなと思うんです。」 また意識して窪美澄さんの本を読んでみたいと思いました。

    3
    投稿日: 2025.11.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み進めるのが苦しかった。 桐乃もヒュウも、その境遇の中で生きていこうとする姿が痛々しくて…。 でも中学生だから自分の人生を受け入れて生きていくしかない。 ヒュウがだんだん悪い方へ引きずられていってしまうのとか、もうどうしようもないなと側から見てて感じた。 何かしてあげられたか?と言われると、もうそうなるしかなかったのかな、なんて。 私自身はまだ外国人が身近じゃない世代、場所で育って、周りは日本人だらけが当たり前だった。 桐乃みたいに、当たり前に周りに外国人がいて、言葉も通じない中一緒に学校生活を送って…ってこれから増えていくのかな。 環境を選べない子供達が、辛い思いをすることがないといいな…。 桐乃とヒュウが家出をして自分達なりに色々と考えることができたのは良かったと思う。 でも、それを美化しちゃいけない。 私はやっぱり桐乃の母が許せなかった。 同じ母として、なぜ母でいられないの?って。 子供に依存しすぎだし、自分勝手だし、桐乃の方が許してくれたのではなく、あれは母という存在を諦め見放したんだと思う。 家出までされて、それでもこの人は変わらないのかと思うと…父親もいまいち頼りないし母への苛立ちは募るしで、イヤーな読後感だった。

    2
    投稿日: 2025.11.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公の桐乃と、同級生のベトナムルーツ日本生まれで日本語が苦手な少年ヒュウと、桐乃の母親の里穂の3人の主観から紡がれてゆく物語。 在日外国人の問題はもちろんですが、個人的には母子の問題として読みました。 里穂、ヒュウの母親、どちらも子供からしたらきついです。 夫に捨てられたシングルマザーのヒュウの母親が、日本で朝から晩まで働いて子供に目を向ける余裕がないのは、現状から見たらやむを得ない部分はあるのかなと思いました。でもあと数歩で完全なネグレクト。 対して桐乃の母の里穂は自分から、視界の中央に困っている外国ルーツの人達を置いて、やりすぎるお世話・お節介をするイネイブラーに見えます。 グエンさんの言う通り、お節介は最小限にしないと本人たちの経験値があがりません。 そして、大切なはずの娘、桐乃は視界の隅、時には見切れてしまっている。そんな母親。 自らの拘り、生き方の選択によって、子供がまきこまれています。 過去に何があっても、家庭をもったなら、家族や子供が中心でないというのは、子供側にとってはとても切ない事だと思います。 いわゆる毒親との違いは恐らく里穂の考え方。 桐乃の反抗に対して、子供を悪者にするのではなく、自覚して反省する所。 でも子供からしてみたら愛情や承認欲求を満たしてもらえない点では同じだし、 親側が子供にいつか分かって欲しいと承認を求めるあたりは親子逆転していると感じました。 精神的に未成熟な子供が親からの愛情を求めるのは当然のことで、 桐乃が寂しい気持ちで育ってきて、愛情が満たされずに反発してしまうのは当然だと思うし、 反抗してグレたりもせず成績優秀で己の将来のビジョンに向けて勉強をするものすごく良い子で、そこに感謝することもないほど娘を見ていない里穂という母親にイラっとしました。 全般に、ベトナムスーパーのグエンさんの言葉が的確で、作者の見解なのかなと思いました。 ヒュウと桐乃が家出をしたことは、親子関係を打開する意味ではこの時期に必要な事だったのかなと思いました。 きっとそれくらいしないと親側は分からなかったと思うから。 ただ、何をしても分からない親は子供の性質のせいにするから、その面では悪人はいない所が救いだと感じました。

    2
    投稿日: 2025.11.03
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    外国から日本に来て、在留期限が切れて不法滞在の対象になる。 難民申請を出しても受理されず強制送還の対象になりつつ仮放免の状態。 ただその子供は教育を受けるために学校へは通学できる。 そんな状態のスリランカの母子を支えるボランティア(といってもスリランカのランチを食べて話を聞くだけだけど、、)に参加している。 その子供がつい最近大学に合格。 奨学金も受け取れることになった。 ただ経済的にはかなり厳しい。 少しでも役に立てれれば。 人にはいろいろな事情がある。 でも人にはそれが簡単には理解できない。 特に子供は残酷。 自分には理解ができないけれど、それを認める。 それはとても大切なことだと思うけれど、そう思えるようになったのはつい最近のこと。 本を読むようになって、それを理解できるようになったと思う。 この本には多くの問題提起があった。 つらい部分もあったけれど、ただの小説だと思わずに受け入れたいと思った。 小説だけではなく、芸術作品でもタイトルがすべてを語っているように思う。 では、この小説の「給水塔から見た虹は」の虹とは? なかなか答えはわからないけれど、やっぱりそこが鍵? この本は地球っこさん、松子さん、aoi-soraさんとの読書会「みん読」で、私が選書したもの。 最初読んでいて、つらい場面が多く、これを選んでよかったのか?すごく不安だった。 でも、読み終えてみると、これもありかな?と思えるようになりました。 今回もとても楽しい読書になりました。 また、次回を楽しみにしています。 ありがとうございました。

    115
    投稿日: 2025.11.02
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    強烈な孤独に抗うのは難しい。移民の子どもの孤独だけでなく、それに寄り添う日本人の孤独も描き、最底辺から上を見上げる子どもたちの物語が胸を痛くする。とても胸が痛い。

    1
    投稿日: 2025.11.01
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    ルーツの違いからいじめや差別がなくならずまともに働いても生活が苦しいから悪い道へと進む…悪循環が繰り返されないためにはどうしたらいいのか…読んでいて何度も胸が苦しくなった。

    1
    投稿日: 2025.10.31
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    見てみぬふりをしてきた題材。日本にはいろんな事情を抱えて住んでいる人がいるんだよなぁ。善人ぶることはできないけど、いるという事実は受け止めたい。

    1
    投稿日: 2025.10.29
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    読み終わったあと考えさせられました。 最近のニュースでよく見る日本における移民、難民問題。 読む前は外国人の方との生活風景のみだと思っていました。外国人が多く住むところに住んでいる中学生桐乃と、 同じく住んでいる同級生のヒュウ。 桐乃の母親は困っている外国人に手を差し伸べることができる人。 本作品を読了して、言葉の壁だったり、日本に来るまでの心境、自分の生活にとって何を優先にしたら良いのか。 今の日本のニュースでは見れない、外国人側だったり、桐乃側だったり、親の立場だったり、心境の部分に触れられました。 移民を受け入れるとしても、行政がどこまでサポートするのか、しない場合は誰が助けるのか。受け入れて終わりじゃないなと思えました。

    24
    投稿日: 2025.10.23
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    古い団地に暮らす中学2年生の桐乃。 桐乃のクラスメイトで同じ団地に住むベトナム人のヒュウ。 桐乃の母親で、外国人のために活動する里穂。 この3人で話は進む。 最近なにかと話題の外国人問題。文化の違いや技能実習生や不法滞在の問題など、それぞれの視点から見ると、それぞれいろんな事情があるよねって。 ワタシ的には、外国人問題の話・・・というよりも母娘の関係についての方に意識が行ってしまう。ワタシも中学生の娘がいるのでね。 娘さん辛いよね、可愛そうすぎる。 最後は、なんだか母娘が分かりあった感じではあるけれど、でも娘が母親を理解して母親側に寄って行った感じで。母親自身は変わってないなって。 母親がこうなった理由もイマイチ、それだけって感じ。もっとトラウマ級のものすごい出来事があったのかと思ったよ。 とにかく、ワタシは娘ファーストで暮らしていく!と決意新たにした本でした。

    13
    投稿日: 2025.10.21
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    『小説すばる』2024.3〜2025.1に大幅に加筆・修正 とても丁寧に紡がれた物語。各々の登場人物の内面が、丁寧に描かれていると感じた。 昨今、在留外国人が大きな問題になっており、政治の世界でもそれが大きな影響力を持っている。外国人が起こす犯罪は怖いと思う反面、この小説のような外国人たちの実態を知ると、彼らだけの責任でもない事例もあるのかなと思ってしまう。 この小説は、在留ベトナム人の少年ヒュウと、母親が外国人ばかりに寄り添っている桐乃の物語。ヒュウやヒュウの母親のように、二世、三世であっても、読み書きがままならず、それが原因でいじめられる人もいることを知った。 ただ、最後が、どう進むのか知りたい気持ちがあった。

    31
    投稿日: 2025.10.21
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    秋の夜長にじっくりと読むのにぴったりの一冊。 物語の世界に引き込まれ、日本で暮らす外国の人々の現実にも深く考えさせられた。 親子のすれ違い、学校や家庭での孤独、ベトナム難民としての家族の歴史、2世・3世の苦悩、技能実習生たちの葛藤。 社会のさまざまな問題が描かれているのに、物語は美事に調和していた。 主人公は、ベトナム難民の三世で団地に暮らす中学2年生のヒュウ。 同じ団地に住む同級生の桐乃、そして困っている外国人を放っておけない桐乃の母・里穂。 3人の視点で物語は進み、それぞれの心の揺れやすれ違いが描かれる。 里穂の行動はもどかしかったし、ヒュウと桐乃の友情には胸が熱くなった。 多くのことを感じたけれど、特に印象に残ったのは、 同じベトナムにルーツを持つ人々でも、難民として来日した家族と、技能実習制度で来た人々とでは、目的も経緯も立場もまったく違うということ。 “ボートピープル”という言葉をあまり知らなかったので読後に調べ、 ベトナム戦争後、命がけで逃げてきたベトナム、ラオス、カンボジアの人々を、 日本が1978年から約25年間で約1万1千人受け入れていたことを知った。 また、難民として来た家族とその2世、3世が、それぞれ違った悩みや葛藤を抱えていることにも気づかされた。 いま日本で働き暮らす外国の人は増えているけれど、本書を通してその背景や思いの違いを知り、多様な人々と共に生きる日本の社会を考えさせられる作品でした。 この本は「みん読・秋の部」で、いるかさんが選んでくれました。 いっちゃん、ありがとうございます! 仕事に追われる毎日だけれど、この本を読んで、久しぶりに感動して、考えて、調べてって充実した時間を過ごしました。 もし読まなければ、自分の身近な環境のことを深く考えることもなかったと思う。 読み応えありましたっ! 本当に、貴重な読書の時間をありがとう(^^)

    37
    投稿日: 2025.10.19
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    日本の今とこれからについて、家族や親子について考えさせられた。 難民、移民問題は避けられないだろうし、現実日本で生まれ育った外国をルーツに持つ人もひと昔前と比べてグンと増えている。文化などの違いはあれど、互いに思いあって暮らせたらいいのに…というのは理想論なんだろうか。 家族、親子についても血のつながりに甘えて空回りすることとか、普通にあると思うのだ。 読んでいて苦しくなる物語だった。みんな幸せになりたいだけなのに…

    4
    投稿日: 2025.10.19
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    昭和に建てられた巨大な団地群の一室に両親と住む桐乃・中学2年生 同じ団地に母と二人で住む同級生のベトナム人・ヒュウ 困っている外国人を放っておけず支援に奔走する桐乃の母・里穂 三人の視点で描かれる ひと夏の成長物語 この団地にはベトナムの他、中国、カンボジア、フィリピン、ブラジル… 様々な国出身の人々が暮らしている。 この団地ほどではないが、私の周りも急激に外国人が増えたなと感じる。 難民三世のヒュウは学校でも家でも居場所がなく、自分の存在意義を見失っている。 ──多少は色がついた存在だった自分が、今ではまるでいないかのように透明だ。── ──日本人でない自分が、なぜ日本という国にいるのかわからない。── 〝自分は透明〟 以前読んだ窪美澄さんの「ぼくは青くて透明で」を思い出した。 窪さんは少年少女のヒリヒリする心情を描くのが抜群に上手いと思う。 夏休み、ヒュウは父親を探すために家を出る。 孤独と閉塞感に苦しむ桐乃もヒュウを追いかける。 ──桐乃は駅まで続く道を駆け出した。振り返ると、団地が段々小さくなる。ふわっと心が軽くなる。そんな開放感を桐乃は今まで一度も味わったことがなかった。── 真夏の冒険! ではあるが、逃避行なのでワクワクした展開にはならない。 その中で二人は、日本で暮らすベトナム人たちの苦しい実情を知る… 桐乃の母は仕事以外の時間を外国人のサポートに費やし、頭の中もその事で一杯だ。 いつでも娘より外国人を優先している。 桐乃が寂しい思いをしていることに気付かない。 学校にも家にも居場所のない桐乃… どうして自分の娘をちゃんと見ないの? 正直この母の行動は私には理解出来ない。 どんな理由があろうと、子供が最優先でしょ? そんなモヤモヤを感じながらも、桐乃とヒュウから目が離せなくて… 夢中で読み進めた一冊。 この国で暮らす外国人たちの言語の壁、教育体制の不備、貧困、技能実習制度の闇など様々な問題に触れている本書を読んで、私自身全く理解が追いついてないなと感じた。 性急に外国人を受け入れているこの国に対してあれこれ言う前に、もっと知らなければと思った。 この本は いるかさん・地球っこさん・松子さんとの 秋の〝みんどく〟 今回の選書はいるかさんです 今、読むべき一冊でしたね 素敵な本と出会えました ありがとうございます(•ᵕᴗᵕ•)⁾⁾

    43
    投稿日: 2025.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大人から見たら何とでもなるような事が子供の世界ではとても困難なことに思えたり、未熟な子供ながらにたくさんのことを考えていたり。 大人同士でも分かり合えないことだらけで上手くいかないこともたくさんあるけど、相手を理解しようと考えたり、他の選択肢を選んだり出来る。 小さな世界観で生きてる人は大人でもとても窮屈で退屈。 他者を変えることはできないから、自分が納得できる範囲で自分を変えたり選択していかなくちゃいけない。ってわかっててもちょっかい出してくる人はどこにでもいて面倒。 私が日本で接するコンビニの店員の外国の人たちは皆んな笑顔で優しくて本に出てくるような苦労は微塵も感じないけれど、たくさん嫌な思いをしているのかな、なんて考えた。 どこにでも嫌な人はいるし、人を見下すことでしか自分のアイデンティティを保つ事ができない人も多いと同じ日本人でも感じることは多いから、キツイだろうな。 この小説の最後は良いようにも悪いようにも取れるけど、私はこの先に明るくて前向きな未来があるって思いたい。

    1
    投稿日: 2025.10.18
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    ぜひティーンズに読んでほしい本。 日本にも多様なルーツをもつ人が住んでいて、それぞれの暮らしがあり、様々な思いを抱えながら生きている。桐乃のように、そんな環境のなかで生きづらさを感じながら過ごしている日本人もいる。 桐乃とヒュウの行動は、親目線でみると胸がヒリヒリと痛むことばかり。それでもきっとこれから2人が生きていくうえで、必要なことだったんだと思う。 自分の人生は、自分だけのもの。2人の未来が明るくありますようにと願わずにはいられなかった。

    7
    投稿日: 2025.10.15
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    日本で暮らす外国人の生活を助けるボランティアにのめりこむ母と暮らす中学生の桐乃と、日本で生まれたけど馴染めないベトナム人の中学生ヒュウがいじめ、犯罪、不法滞在などがうごめく社会の隙間に落ちそうになりながら過ごした夏を描いた作品。ヒュウの祖父が戦争がない場所で過ごせているだけで幸せだろうとか、桐乃の母親が苦労している外国人と比較して自分の子供は幸せな方だ、と考えることはわかる。ただ、そうであっても苦しいと訴える二人も理解できる。手を差し伸べる桐乃の母親のような人がいるからこそまわっていく社会なのかなと思った。

    1
    投稿日: 2025.10.15
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    中学生の桐乃とヒュウが愛おしくてたまらない。 古い団地に住むふたり。 桐乃のお母さんはスーパーでパートしながら夜は自宅で外国人(主にベトナム人、ブラジル人、フィリピン人)に日本語を教えたり困ってることの相談を受けたり病院に付き添ったり(もちろん無償で)ほんとに素晴らしい人格者だと思う。 でも、どうしても家庭にことはおざなりになり桐乃にいつも留守番させてひとりでレンチンしたご飯を食べさせ寂しい思いをさせてる。 優しいお父さんは桐乃にとって救いの存在だけど仕事であまり家にいない。 桐乃は頭も良くてバスケも得意で正義感もある。 けど意地悪なケヴィンと喧嘩したことがきっかけでクラスでも浮いた存在に。学校でもひとり、家でもひとり。 ヒュウはもっと悲惨、小さい時に両親は離婚し母親は(ヒュウより日本語が話せない)仕事を掛け持ちし朝から晩までいない。 家は埃っぽく散らかり放題、いつもお腹を空かせてる。 給食代も払ってないからお昼は教室から出ていって食べないようにしている。 そこらへんが変に生真面目なんだよ、給食が唯一の食事なんだからお腹いっぱい食べなよと思うけど。 ベトナム人ってことで(コミュニケーションがとれないってこともあるんだろうけど)皆にバカにされ、臭い、ベトナムに帰れと言われ友だちはいない。 こんなふたりが棟は違うけど同じ団地に住んで少しづつ話すようになって、父親だと勘違いした男性の住む高い煙突のある町にありったけの貯めたお金を持って行く。 王様はいなかったけど、優しい元技能実習生たちともふれ合いがここにきて良かったと思わせる、あとから桐乃も合流して束の間の楽しい夏休みが訪れる。 その後のヒュウのおじいさんの家まで行って二人で海を見たことも一生、忘れなれない夏の体験になったと思う。 ヒュウが抱えていた悩み、寂しさから団地の公園に集まって騒いでいたティエンをリーダーとするグループに初めて自分の居場所を見つけて仲間になり悪事に手を染めてしまったことを誰が責められようか。 桐乃にすべてを話してから警察に話しにいこうと覚悟を決める。 ナイフでティエンの腕を傷つけてしまったそのティエンが現れて殴ら続けられながら見た給水塔にかかる虹。 それらすべてをなんなら桐乃の母親の里穂がベトナム人の友だちタオの気持ちを考えてあげられなかったことの後悔をも その時代を含めてずっとそこにある給水塔。 桐乃とヒュウの未来に希望あれと祈らずにいられない。 この小説はただのフィクションではなく、外国にルーツを持つ子どもたちの置かれた過酷な状況や日本にくれば稼げると思ってやってきた技能実習生たちのひどい環境の中で低賃金で働かされる現状に言及していて、なんとなく知ってはいたけど、より切実に胸に迫ってきた。

    2
    投稿日: 2025.10.14
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    自分が住んでいる地方でも、外国(主にアジア圏・ブラジル等)にルーツを持つ日本在住の人は増えている。ただし自分が子供の時に通った学校にはそうした子供は皆無で、教室には日本に生まれ育ち日本語を話す日本人しかいなかった。今もほとんどいないと思う。 その感覚で話をしてはいけないのかもしれない。と思いつつもその上で。里穂はなぜ自分の行動の意味を娘に伝えていなかったのだろうか。間違ってはいないし、困っている人の役に立っているにしても、何の説明もなく娘に理解されていると思うのは、さすがに娘に甘え過ぎだし、都合良く過信し過ぎ。そしてその里穂を頼る外国人も、里穂をあてにしすぎ。ただ、日本に暮らす外国人が生きるのは難しいのも事実なのだろうと思う。 桐乃は家出し、元技能実習生やボートピープルだった祖父に出会うことで、それまで目を背けていた外国人の存在について向き合って考えるようになる。桐乃が理解するのが悪いわけではもちろんないが、里穂と同じ道を歩む、がここでの正しい答えなのか?少しもやっとする。 これからの団地の行先も、これまで通り給水塔が見守ってゆくのだろう。

    4
    投稿日: 2025.10.13
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    中学2年の春から夏、期間にすればほんの数ヶ月。 外国の人も多く暮らす団地に住む、同じクラスの桐乃とヒュウを軸に物語は進む。 私が子供の頃よりは、外国にルーツをもつ人を町で見かける事も増えたけど、自分の生活にがっつり関わっているかといえば、地域差が大きいように思う。 そこに住んでいない、当事者ではない私が、ヒュウや桐乃の気持ちを分かったつもりになるのは失礼かもな、って思いを持ちながら読み進めた。 桐乃の母は手助けがライフワークになっていて、桐乃はそこに納得できないし、ヒュウの母は毎日の生活に必死でヒュウに向き合う時間も寄り添う気持ちも作り出せない。 ヒュウや桐乃の気持ちも分かるけど、母親の気持ちも分かってしまう。 2組の親子は子供達の夏休みの出来事があって強制的に向き合えたけど、実際は思春期の子供と向き合い、しかも理解しあうのは難しい。 ひとつ屋根の下に暮らしていても、物理的な距離が近くても、心の距離は近くなったり遠くなったり。 それでも分かろうとする事をやめちゃいけないんだろう。 それは血の繋がりだけじゃなくて、家族以外の人との繋がりにも言える。 ルーツの違い、しょうがいの有無、経済格差、男女の性差。 自分が所属する小さな集団が世の中の全てだと勘違いしないように。 技能実習生の話も他人事じゃない。 不当に安くされている労働力は回り回って自分の生活に関わっているのだから。 私も読む前と読んだ後では、少し変われたのかな。

    2
    投稿日: 2025.10.11
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    日本に住む外国の方達の価値観が大きく変わる必要な小説 日本でもあちらこちに外国の方を見受けられます。 少し怖い部分も感じていましたが、相手側の都合もこちらの都合のいいように解釈していました。 学ぶ場でも外国人の方がいる。いろいろな文化で噛み合わない部分もあるし、 私たちはもっと外国人の方の立場を考えて接する必要があるのではとも感じました。 価値観が大きく変わる今の時代には必要な小説だと感じました。

    37
    投稿日: 2025.10.09
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    静岡市女性会館図書コーナーの書誌詳細はこちら↓ https://lib-finder.net/aicel21/book_detail_auth?authcode=oPWiia02ZCV%2BPpHtM5%2FrwQ%3D%3D

    0
    投稿日: 2025.10.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    わたし自身、“ガイジン”の立場を経験したことがあるので、共感できる部分はたくさんあった。言葉がわからないと目の前で悪口言われてても理解できないし、むしろニコニコとかしちゃって、後から意味を知って落ち込むってことがあったなぁ……。 それはさておき、桐乃ちゃんのお母さん酷すぎるよ。あんなに何度も何度も裏切られてちゃ、そりゃ子どもも心を閉ざすよな……。すったもんだあって最後は母子の関係が丸く収まった風に見えて、結局桐乃ちゃんが諦めた感じだったのも切なかった。

    1
    投稿日: 2025.10.05
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    桐乃とヒュウ 同じ団地で暮らす2人は 「この団地から出て、遠くに行きたい」 という共通の思いで繋がっていく。 中学2年生という親の保護下にあるはずの2人が、 居場所をなくし、自分の存在感価値を見つけられず、 現実から逃避していくことでしか生きていけない。 こんな環境下に成長期の多感な子供達が身を置かれていることに、何度も胸が押し潰されそうになった。 日本人と外国人。 訳あって同じ学校で同じクラスメイトになろうとも、 その意義を説き、人を尊ぶことの大切さを教え導いていく大人が必ず必要だと思う。 学級担任の横川先生も、外国人のサポートに力を注ぐ桐乃の母親 里穂も、それがあまりにも足りず、読んでいてストレスが溜まった。 大人でも居場所を見つけられず、自分の存在価値を失ってしまうことがあるのだから、子供なら尚のことそうだろうと思う。 ちょっとしたすれ違いや、言葉のかけ違いが、時に人の心を大きく左右する。その危うさを垣間見る一方、誰かのひと言で、生きる強さを与えることも出来る。 日本は多くの外国人が当たり前のように暮らす社会になった。ただ、其々の国事情、日本に居住し、働く理由をどこまで理解出来ているだろうか。 巨大な団地とそこから見える大きな給水塔。 本作では何かの象徴のように何度も登場する二者の関係が、まるで、我々の生きる社会とそれを俯瞰する神の目のように感じる。 窪美澄さんが本作を通じて問題提起されている内容に思いを巡らし、読後も物思いにふける作品だった。

    33
    投稿日: 2025.10.03
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    日本中にきっとある「団地」の問題。 団地でなくても、日本人がマイノリティになっているアパートで騒音やゴミの問題があるのを見ると、正直住みたくない、と思うけれど、確かに外国人だから悪いとか、そういうわけではない。 「つらいことがあるなら闘え。それができないのなら耐えろ。終わりのない嵐なんてないんだ。いつか必ず去る。いつか必ず晴れる」 ヒュウ(おそらくカタカナで書くならヒエウだと思いますが)のおじいさんの言葉、苦しんでいる人に伝えたい。 ちなみに技能実習制度がとても悪いように書かれていますが、ベトナムでは確かに日本語学習に高額な費用を払わなければならない事実はありますが、日本語学校の留学生の1年間の授業料が同程度、それを2〜6年に渡って払い、週28時間のアルバイトしかできないのに生活費も負担しなければならない、それでも日本で就職できる保証もない状況を考えると、技能実習生はむしろ恵まれていると思います。 また、ヒュウが自分のフルネームを「トラン ヴァン ヒュウ」と名乗る場面がありましたが、ベトナム人の名字に多いTRAN、TRANGはカタカナにするならチャンなので、違和感を感じました。

    7
    投稿日: 2025.10.03
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    自分の置かれた状況に納得できず、本当の居場所を求めるヒュウと桐乃、それぞれが抱える悩みや苦しみがいつしか友情を育む。知らなかったお互いのことを知り、助け合うことで成長していく2人にどうか優しく穏やかな未来が待っていますようにと願いながら読み切った。厳しさや苦しさの中に時折り優しい光が射してくる物語。

    4
    投稿日: 2025.10.03
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    実際に起きているで外国人排斥や外国人犯罪を捉えた作品で、重い。こういう小説を読んだ人が増えればいいなとは思うが、正直面白い話ではなく、私は苦手だな

    2
    投稿日: 2025.10.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    不法難民の実情を、家族の愛と友情を織り交ぜて描いた作品 非常に心を打たれた 主人公は中学生の日本女子とベトナム男子 女子の母親は日本で暮らす外国人のサポートに走り回る日々 男子は父親が女を作って出ていき、母親は日々の生活を守るために仕事漬けの毎日 2人はそんな現状に寂しさを募らせていき、いつしか友情が芽生える 東南アジアの方達にとって、決して日本は住みたい国ではなくなっている 私の近所にも東南アジアの方達をよく見かけるが、日本人として良い国だと思ってもらえるような行動を心がけたいと思った

    1
    投稿日: 2025.10.01
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    日本で暮らす外国にルーツを持つ人たち。自分の周りにも増えているが、自分たちのコミュニティを作り暮らしているように見える。しかし外に出れば、学校や職場、地域で苦労したり嫌な思いをしたりすることもたくさんあるのだろう。そんな人たちと自分は接点がないし、仲良くなりたいも思っていなかった。中学2年生の二人、ベトナム人のヒュウと、そんな人たちを支援する母を理解できない桐乃。二人の日常からの逃亡で知ったこと考えたことを読み、今まで自分が見ないようにしてきたことや考えないようにしてきたことが恥ずかしくなった。けっして美しい話で終わらない結末だが、それゆえに深く考えさせられた。中学生の読書感想文にもおすすめしたい。

    2
    投稿日: 2025.09.30
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    窪美澄さんの新作小説を読んだ。 いま、このときに、こういう小説を書いてくれる作家の存在が本当にうれしい。 この物語は、白か黒か、善か悪か、という単純な線引きを拒む。 そもそも世界には、ひとりの人間の中にも、どちらの要素も共存している。 環境や経済状況、心身の健康によって、その人が見せる顔はいかようにも変わっていく。 「知ること」は恐ろしい。知ってしまえば、知らなかったころには戻れないからだ。 けれど、知らないままでは生きていけない世界に、私たちはもう立っている。 物語の中で、差別的な視座を無意識に抱え込んでしまっていた主人公は、自分がかつて感じた心細さを思い起こし、体調を崩したベトナムルーツのクラスメイトに手を差し伸べる。 その瞬間、人と人との間にある硬い殻を破るには、想像力や共感、そして「もし自分だったら」と考えることが欠かせないのだと気づかされる。 主人公も、彼女を取り巻く人々も、少しずつ変わっていく。もちろん現実の厳しさが一気に好転するわけではない。 それでも勇気をもって手を差し出すこと、差し伸べられた手を受け取ること。 その誠実さに満ちた物語だった。

    3
    投稿日: 2025.09.24
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    大変さや辛さに優劣をつけて、自分はたいしたことないんだ、とかじゃなくて、 自分は今辛いんだと認めて、 『自分の人生は自分のもので、それがどんな人生でも自分の人生を愛し、生きるんだ』 そう唱えていくことは、生きる力になると思った。 人と比べるのでもなく、人がしてくれないことを嘆くのでもなく、自分の足でしっかり生きていくという決意を固めることができるから。

    4
    投稿日: 2025.09.23
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    古びた団地に住む中学2年の桐乃の母親の里穂は、団地に住む海外にルーツを持つ人たちのためにボランティアで日本語を教えたり、生活に困ったことがあれば親身に相談に乗ったりしている。そのことに力を注ぎすぎて、桐乃のことはあまり構ってはいない。桐乃はそのことに不満があるが、里穂には直接言えないでいる。 桐乃のクラスにも海外にルーツを持つ子どもたちがいて、クラスでいざこざが絶えない。そんな中、クラスでいじめの標的になっているベトナム人のヒュウを庇ったことで、桐乃もクラスから孤立していく。そして夏休み、ヒュウはある行動に出て、桐乃もその後を追い…。 窪さんは、デビュー時の頃は大人の恋愛をメインに書いていたけど、最近は10代の少年少女のストーリーが多い気がする。 今作はそれに加えて、最近より社会問題化している外国人移民問題を取り上げている。元技能実習生の不法滞在、どう解決すればいいのか、強制帰国だけでいいのか、移民申請されてもその後の生活を事細かくみてくれるのか、難しい問題だ。 海外ルーツの子供たちも増えている。日本語がわからないのにいきなり日本人の学校に入れられたら、そりゃあ勉強についていけないし、友だちだってできない。地元では日本語が苦手な子に日本語指導が入るけど、それだけでは、ぜんぜん馴染めてないよ。本腰を入れて日本全体というか、世界的にも移民問題は考えていかなければならないのかなと思う。 最後、あの終わり方でヒュウには明るい未来はあるのだろうか、あって欲しい。そう願っている。

    66
    投稿日: 2025.09.22
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    多国籍の子供たちが住んでいる地域での子供たちの格差。言葉の違いや文化の違いなどで子供たちなりに苦しみ悩んでいる姿に心が痛みました。大人や社会が子供たちをもっと安心で安全な生活をサポートする事が必要なんだろうな、と思ってしまいました。

    2
    投稿日: 2025.09.18
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    子どものクラスも、自分の時代とは比べものにならないほど多国籍な感じになってきている。 ルーツが違うからといって、こんなあからさまな嫌がらせや揉め事は聞いたことがないので、ちょっとびっくりしてしまった。 結局、ルーツ云々というより、経済状況や教育環境が問題なのかも。 読んでいる間は、中2の娘桐乃の気持ちになっていた。団地に住む外国人を助ける母の里穂、どう考えても度が過ぎるでしょと。 そうなってしまった理由というのも、イマイチ腑に落ちなくて… 桐乃が反発するのもよくわかる。 でも、ベトナム人同級生ヒュウと過ごした夏で、一気に大人になった桐乃を見ていると、もがき苦しんでいる時間も大切なんだなと思った。 読み終えてもなんとなく心は晴れない… 幸せになって欲しいなぁと思う。

    51
    投稿日: 2025.09.17
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    日本に住む外国にルーツがある人とその人たちを支援する人、支援に批判的な家族の心情を知ることができる。 日本人ファーストの声は、こういった人たちを知ることで弱まる気がする。 主人公が中学生なので、未来は明るいと期待が持てる。

    2
    投稿日: 2025.09.16
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    移民の多い団地に住んでいて、母親に悪気なく目を向けてもらえず孤独を感じている桐乃が、ベトナム人のヒュウと友達になり、ヒュウを始めヒュウの周りの移民と交流することで、幸せそうに見える他者にも想像を超える「事情」があることに気付き、「自分は自分が幸せにする」という覚悟を持つ話。 自分の「事情」も他者の「事情」も大切にできる人になりたい。 ヒュウのお爺さんは悪気なく自分の「事情」の物差しで、人の事情を測っているようにみえた。 桐乃の母親は他者の「事情」を優先しすぎて、自分の現在の「事情」を蔑ろにしているように見えた。 両方認識したうえで、 最終的に自分の事情を優先できると良いんだろうなと思う。 それって簡単なことではないし、ヒュウのお爺さんみたいな人ってたくさんいる。 少しづつ他者や自分の「事情」を話題に出して、種まきしていきたい。

    2
    投稿日: 2025.09.15
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    やっと桐乃とヒュウが分かり合えたというのに…心に痛みが奔る。個々の気持ちに共感できる丁寧な人物造形、精確な比喩や言葉の選択、至妙な心理描写に酔い痴れる。旬の題材で、思いやりや優しさについて、深く考えさせる物語でした。今作も期待感が膨らむ団地が舞台。

    4
    投稿日: 2025.09.15
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    読んでいるのが辛くなった。古い団地には様々な国の人が住んでいる。当然のように差別がある。中二の桐乃とベトナム人、ヒュウとの関係。国籍問わず助ける母との関係。多感な少女が何を思っているか。このような差別は今もあるのだと思う。ただ分からないだけで。色々な人々に幸せが訪れますようにと思う。

    2
    投稿日: 2025.09.13
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    人権問題、人種差別について考えさせられる内容だった。非常にリアルで本当にこのようや差別が行われているのではないかと心配になった。 実際にどの程度の問題があるかはわからないが、みんなで平等に過ごせる世界になればと思った。

    6
    投稿日: 2025.09.12
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    古い団地に住む中2の桐乃は、小さい頃はいろんな国の人が混じって暮らす団地に違和感もなく、言葉がわからなくても、ひとつのことに集中して遊んでいたが、中学になると言葉がわからないことで仲間外れや虐めがあることに気づく。 注意すると自分が周りからうるさがれ、除け者にされ次第に孤立して勉強するしかなかった。 そんな桐乃に気づくこともない母は、パートの他にボランティアで外国の子どもたちに日本語を教える放課後教室の先生をし、家でも日本語が不自由な人を呼んでサポートをしている。 自分よりも他人を優先する母とのすれ違いの毎日の中、クラスのベトナム人・ヒュウと話をするようになり、ヒュウが夏休みに父親に会うと出て行ったあと桐乃も団地から出たいとう思いで、後を追う…。 夏休みに彼らが体験したことは…。 母が何故、忙しい時間を割いてまで言葉のわからない人たちのボランティアをしていたのか。 身近に外国から来た人と接することがないし、技能実習生の過重労働なども知らずにいたが、実際にどれだけのことができるのだろうか、と考えてしまう。 言葉の壁がやはり大きいことかもしれない。 言わなければ伝わらないことが、伝えられないという苦しさ、口惜しさが無くなればと…。 読んでいて悔しさや悲しさまで伝わってきた。

    66
    投稿日: 2025.09.10
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    フィクションだけど、考えさせられる一冊だった。 主人公の中学生、桐乃は団地に住んでいる。その団地には外国人も多く、町で何か揉め事が起こると『また団地の子が…』と言われることも多い。桐乃の母はそんな外国人たちの日本語教室や困った時の相談をボランティアで請け負っている。桐乃は自分や家族を蔑ろにされているようでそんな母のことを疎ましく思っている。 そんな桐乃のクラスにはヒュウというベトナム人の男の子がいる。そのヒュウも桐乃と同じ団地に暮らしている。ヒュウは母親との二人暮らし、母は遅くまで働いておりヒュウとはすれ違いばかりでヒュウの暮らしは孤独だった。 そんな桐乃とヒュウが仲良くなり、2人で家出をする。いつかこの団地をでていきたい。そんな強い思いを持って、2人は成長していく。 技能実習生、不法滞在などニュースでも見かけることもある外国人関係のニュース。自分には関係ないと思っていたけど、私の周りにいないだけで実はすでにもう身近なのかもしれない。(コンビニの店員さんは外国出身の方が多い)一括りに外国人だから、というのではなく、きちんと一人ひとりをみていく必要があると感じた。これは外国人に限らず日本人でもそう。そして誰に限らず困っている人には手を差し伸べて助け合える世の中であるといいなと思った。

    18
    投稿日: 2025.09.09
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    途中ハラハラしたけど、凄惨なことは起こらないから中高生が読んでも大丈夫。 主人公と同年代の子が読んだら、どんな感想を持つのだろうと思った。

    2
    投稿日: 2025.09.07
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    窪美澄さんの作品は、やっぱり長編が好き。 クラスにいるベトナム人の子、外国人のボランティアにやたら熱心な母親、いろんな立場の人たちにもまれながら成長していく主人公。 もはや日本人だけでは成り立たなくなった日本の社会、これから共存していくのは必須だ。まずは私たちの根本的な意識改革が必要かも。

    14
    投稿日: 2025.09.07
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    うすうすは感じているが、深く感じることを自然と避けている外国人労働者問題。その切なさと問題の根深さを感じる作品。常に叫ばれる働き方改革。ここには、その考えが及ぶことはないのか。

    21
    投稿日: 2025.09.05
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    外国人排他の空気が漂う今、届けられたささやかな声のような物語。 貧困、差別、社会福祉が届かない場所で生きる人たちがいる。 想像力を働かせなければならない。どういう風に生きているのか、生きてきたのか。 できることなら手を取り合って生きていきたい。 とかく生きにくい世の中だから。

    3
    投稿日: 2025.09.03
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    大勢の外国人が住んでいる古い団地。ボートピープルで日本へ必死に逃れてきたベトナムからの難民。その子供、孫は日本で生まれて、日本の教育を受けることができ、日本に住む権利があるけれど、疎外感を感じ幸せでない人もたくさんいる。自分の人生は自分のもの、自分の人生を愛し、生きる。

    16
    投稿日: 2025.09.02
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    私にはこの本の内容はすごく響いた。 自分の胸にグサグサと突き刺さった。 私は今まで何不自由なく暮らしてきた。 世界には生まれた時から、厳しい環境で暮らしているひともいる。 そんな人と比べると自分はなんて幸せなんだろうと思う。 私は今まで本当に幸せに暮らしてきた。 だからこの本を読んで、苦しんでいる人の役にたつことで、自分の今までの幸せを分けてあげられないかと 考えている。 もちろん生きていれば辛い事もある。 それを含めて人生だ。 明日からまた頑張ろう。

    9
    投稿日: 2025.08.30
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    ポートピープル。 ベトナム戦争後、社会主義国となり貧困に苦しんだ。 そんな人々が、自由を求めて国外脱出する。それも海路で小船に 乗って。 この本に登場する、日本で生まれ育ったヒュウの祖父が、海の上を 綱渡りするようにして、沖縄に 漂着したと言う。「ベトナム戦争」 1960~1975、別名、第二次インドシナ戦争。 私が子供の頃に、TVで放送していたのをぼんやりと覚えている。 桐乃は中2。クラスメイトに外国人が数人いた。桐乃の住む団地は外国人が多かった。ベトナム、フィリピン、タイetc. ヒュウはいつもイジメの対象になっていた。桐乃はある日、耐えかねてヒュウを庇う!その日から、 桐乃は仲間外れになってしまう。 桐乃の母親は、外国人に寄り添う人だった。パート後に家にまで 生徒を上げて、日本語を教えた。 桐乃は、自分より外国人を優先する母親が嫌だった! 夏休みになっても、ひとりきり。 そんな時、ヒュウは離婚した父親に、会いに行くと言い出かける。 ・・・・ヒュウの行った所は・・・・! 技能実習生、ベトナムからやって 来て働き技術を学ぶ。 でも、受け入れ先の会社が悪循環だとしたら、綺麗ごとでは澄まされない!職場を逃げだす人がいる 我慢ならない何かがあった! そして・・・・警察に捕まり、不法滞在者として入管へ収容、強制送還となる。 何の為に日本へ来たんだ! 桐乃の生活。ヒュウの生活。 団地にある給水塔は、太陽の光を浴びながら、まるで監視塔のようにいつもこちらを見ている。 ――ふたりのクラスが、仲良くなるように――外国から来た人が、過ごし易い日本であるように―― 最初は、話が重い気がして読み進めることが苦しかった。でも、 半分近くまで読むと、先が気になり話が良い方へ進むように思い ながら、読んでいる私がいた! 窪 美澄さん、本の最後に主要参考文献がズラッと書かれている。 そして、お世話になった方々への 謝辞も書き添えてある。苦労の 末に書き上げたのではないかと 思っている。 この本はとても勉強になった。 2025、8、29 読了

    66
    投稿日: 2025.08.29
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    日本に住むベトナムなどの海外ルーツの人々の困りごとに寄り添うあまり、家庭を顧みない母に反発や寂しさを感じる桐乃。同じクラスのベトナム人のヒュウと関わるようになり…。 かつてボートピープルとしてやってきた人々やその子孫、技能実習生としてやって来た人も日本で生きることが困難で、苦しんでいる人の存在について考えさせられました。昨今排外的な発言が声高になっていて、ヒュウたちのこの先が気掛かりです。

    19
    投稿日: 2025.08.28
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    私が18歳の頃、技能実習生と呼ばれる人達と沢山遊んだり彼らの寮に行ったり、言葉は分からないけど一緒に過ごした日々を思い出した。 あの頃、強制送還されてしまった彼らを私はずっと忘れない。そんな私の思い出とリンクした作品でした。 彼らとの文化の違いや言葉の壁、感覚など違うけど、それは日本人も同じ。寄り添って理解しないと平和な世界は生まれない。

    49
    投稿日: 2025.08.28
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    外国人に対する偏見や差別。 外国人が犯罪に手を染めてしまう孤独感、環境。 重苦しい話で、読むのがしんどかったが、これが今現在の日本が抱えている問題なのだろう。 そこから目を逸らしたらいけないのかなと思った。 色々と考えさせられる物語でした。

    37
    投稿日: 2025.08.27
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    これからも外国人に対する差別が無くなる事は無いんだろうな。子どもたちにとっては特に辛いと思う。 給水塔から見た虹の先に、希望があって欲しいと心から思った。

    10
    投稿日: 2025.08.23
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     涙無くしては読めない、そんな物語です。  私の知らない世界、遠巻きでしか見たことがない世界に、否応なしに浸らされ考えさせられる小説です。  今想うこと、幸せな子供たちでいっぱいの世の中になりますように‼︎  わたしの過去を振り返っても、本当に子育ては難しい。 でも、でも、親が地域が、子供たち(我が子)を慈しみ育てあげていくという、その基本が大切だと感じます。 それが、皆の幸せに繋がるとも想います。  今後は、子供たちを慈しみ大切に育てられる豊かな世界になりますように‼︎  物語の登場人物もそんな幸せな世界で生きられますように‼︎

    3
    投稿日: 2025.08.20
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    ●読前#給水塔から見た虹は 直木賞受賞作家ということで気にはしつつも、受賞作と『夜空に浮かぶ欠けた月たち』しか読んでいない。内容はほぼ覚えていないのだが、楽しめたことは記録として残っている。本作のあらすじを読むに、楽しめそうな感じがするので読んでみたい https://amzn.to/3TVTOdH ●読後#給水塔から見た虹は 昔ならこんな終わり方だと「え〜、これで終わり〜?」と不完全燃焼のはず。しかし今は「へぇ〜、そっかぁ、こうゆう終わり方かぁ」と楽しめる。「ハッピーエンドではない結末」というレビューがあったが、僕は「ハッピーエンドな終わり方」と感じた https://amzn.to/4fPOR0f

    10
    投稿日: 2025.08.17
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    老朽化した団地に両親と共に暮らす中学2年生の桐乃を主人公にした長篇小説。この団地には多くの外国人が住んでいて、彼らとの共存が本作のテーマだ。 桐乃の母はボランティアで彼らの面倒を見ていて桐乃のことは後回しにされる。クラスにも何人か外国人の生徒がおり、その1人ヒュウと桐乃は親しくなる。 少子高齢化社会の日本では働き手として彼らは欠かせないはずなのに、様々な差別や偏見がある。技能実習と言いながら安い労働力としか見ていない。思春期特有の親や社会への反抗、いじめ問題も絡めながら、そんな現実に真っ向から取り組んだ良作だ。

    7
    投稿日: 2025.08.15
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     団地住まいの中学2年生の桐乃、同じく団地住まいの桐乃の同級生、べドナム人のヒュウ、そして、桐乃の母でベトナム人含め多くの国の日本人住まいの人々を語学などで支援する里穂。  3人の視点による、生き辛さを描いた物語。  本作品ですが、主に描かれるのはベトナム人のことが書かれています。  ボートピープルというベトナム戦争から逃げてきたベトナム人からその2世、3世、現在の技能実習生まで、様々なベトナム人事情が出てきます。  この日本のベトナム人事情に関わるのが、ベトナム人含めその他の国の人に関わりたくない中学生の桐乃とある事情から過剰に日本に住む外国人(本作品的にこの単語はタブー)に過剰に関わろうとする桐乃の母である里穂であるという感じです。  この3人の成長物語でもあるのですが、本作品は、その成長のためにこの3人に課題というか試練を与えます。  その試練は乗り越えられたのかというと、おそらく乗り越える過程にあるのではないかと思うのですが、乗り越えようとするところにこそ3人の成長が見える物語なのかな?と思います。  そして、ただ、成長だけではなく、登場人物の2人にとっては真夏の大冒険ともいえる冒険までさせる本作品。窪先生、なかなか厳しいけども優しい人なのかな?と作者の性格まで見たような気がしました。  今、技能実習生という形でベトナム人が結構入ってきてますが、ベトナム戦争の時は命からがら逃げてきたベトナム人も日本にたくさんいます。  最近ではクルド人がどうこうと話題になっていて、外国人は追い出すべきだということに同調する日本人もいます。  ただ、本作品のスーパーマーケットの店主のグエンさんの言う通り、日本で生活を始めた先駆者である彼らが築きあげてきた日本に溶け込んだベトナム人もいれば、同じく他国の人も築きあげたそれぞれの日本での地位もあるし、幸いにして戦後、戦闘行為という意味では戦争とは無縁の日本で生まれた2世たちもいる。  ただ平穏に暮らしたいという日本人以外の人々とどのように共に過ごしていくのか。  そんなことを考えてしまう作品でした。

    8
    投稿日: 2025.08.14
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    郊外にある古びた団地で暮らすベトナム人のヒュウと同級生の桐乃、桐乃の母・里穂。 現代社会における様々な分断を三人の視点から描いた長編小説。 私の住む町でも外国人技能実習生を頻繁に見掛けるようになった。 仕事終わりに数名で笑い合っている姿に微笑ましいものを感じながらも、親元から離れ日本で生活する彼等の背景を想像すると切なさが込み上げる。 本書ではベトナム戦争後のボートピープルの悲劇も描かれ胸が詰まった。 ヒュウと桐乃の成長物語であると同時に、外国人差別にメスを入れた社会派小説の趣もある。 私達は知る事から始めなければ。

    20
    投稿日: 2025.08.13
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    すごく胸に沁みる本でした。 今 私のいる新潟市でも ベトナムの人 フィリピンの人 たぶん他の国から来た人たちも 増えています。 知ってる人たちは ボートピープルでもないけど 実習技能生できた人は いるでしょうね。 その人たちの子供が 日本で暮らすのに こんな思いをしているんだ! と思うとつらい話しです。 日本で生まれ日本の学校に行っていても こんなことがあるんですね。 そういう人を助けようとする人 でもその家族は 母親を取られたようで迷惑 生活していく 家族を守っていく あなたが大事と伝えていく 当たり前だけど なかなか素直には言えません。 最後に ボコボコにされながら ティエンは 給水塔にかかる虹を見る この虹のことは一生忘れないと思う。 今期 一番心に沁みる本でした。

    12
    投稿日: 2025.08.12
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    親が悪いよね。でも親も人間なんだもんね。難しいよな、自分も全然いい大人じゃないのに親になつてるけど、子どもをいかに環境のいい場所で…って考えられるのはお金があるからであり、その道がないと逃げる手立てがないんだよね。結構救いのない物語で読んでて苦しくなった。でも解決策があればこういう問題は起きてないわけで…難しいね

    12
    投稿日: 2025.08.11
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    排外主義が跋扈する今日だからこそ多くの人に読んでもらいたい。窪美澄だけに、決してきれいごとでは描かれない外国人との共生。

    3
    投稿日: 2025.08.10
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    中学の頃、同じクラスに中国の子がいたけれど、その子は勉強もスポーツもできて可愛かったので、皆から慕われていた。以降、私の中で「日本以外の国のルーツを持つ人は、日本人より優秀」という定義付けがされたため、慕われこそすれ苛められることなんてないに決まっていると何となく思っていた。実際は、そうじゃないのかもな。日本語がよく分からない子は異質とみなされて、仲間外れになってしまうのかも。 そもそも、皆と違う子は仲間外れにされやすい。日本人であろうが外国人であろうが、それは関係ないと思う。 中学生の桐乃は、決して外国人を差別してはいない。けれど、桐乃の母親が自分を顧みず、困っている外国人の手助けばかりしているから、外国人に対して良い印象は持っていない。 ベトナム人のヒュウは、母親が仕事で忙しく、風邪をひいても看病もしてもらえないような暮らしをしていて、おまけに悪い友達に目をつけられてしまう。 この2人が主人公なので、読書中はずっと苦しい。桐乃のもっと自分を見てほしいという思いと、桐乃の母親の困っている人を助けたいという思いのすれ違いだとか、本当は誰かに助けを求めたいのにどうにもならず、悪事に手を染めていってしまうヒュウのやるせなさだとか… 唯一、桐乃とヒュウがバスケをする場面は読んでいてほっとする。 手助けをする側とされる側には、大きな隔たりがあると思う。桐乃の母親みたいにちょっとした言葉が、相手を傷つけてしまう場合もある。 それでも、じゃあ最初から関わらなければいい!とは私は思えない。人間関係っていつも上手くいくものとは限らないし、たとえ自分から離れていってしまったとしても、その人と過ごした日々は、自分のアイデンティティにも繋がると思うから。

    9
    投稿日: 2025.08.10
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    中学生の桐乃とベトナム人のヒュウ、そして桐乃の母親里穂。 過去の苦い体験から、里穂は外国人に対する支援を身を削るように行ない、娘の桐乃は母親が自分に向き合う時間が少なく不満を持ち、クラスでも孤立していた。 ベトナム人であるために孤立するヒュウ。 過去の出来事で執拗に外国人に関わる母親の姿は少々異質に見えてしまう。 この部分が気になり物語を素直に読めなかった。母親の行為はある意味では褒められるかもしれないが、過去の行為の代償としてのやり過ぎた自己満足に見えてしまう。 日本人ファーストやヘイトスピーチには絶対に反対の立場からは、国籍ではなく外国人個人と日本人個人の理解を描く本作は好感を持ち考えさせられた小説だった。

    4
    投稿日: 2025.08.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2025/06/06予約8 団地で暮らす中学生、桐乃とヒュウ。自身の家族より周りの外国人の手助けばかりを熱心にする桐乃の母、里穂。夫が外に女性を作り家を出て以来、日本社会に馴染めず育児放棄をしているヒュウの母。桐乃とヒュウはまだまだ子どもで、求めても与えられない愛情を渇望していた。桐乃の母に共感も理解もできないが、里穂が走り回らなくても外国人がスムーズに生活できたなら、ヒュウの母も子どもの様子を気にする生活の余裕があれば2人ともこうならなかった。個人レベルで解決できるものではない。 なのに家に戻った桐乃が母に対して、理解を示し自分も知らなかった事を学び出す急変ぶりは、どうなのかと思った。この先、里穂と同じ道を歩みそう。私が結果を消化しきれないだけで本当にいい作品だと思う。 日本は何から始めるのがいいのか、私にもわからない。けれど考えるきっかけになった。

    4
    投稿日: 2025.08.10
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    移民の子供、技能実習生、不法滞在者など 在日外国人の問題を絡めながら 孤独な女子中学生と ベトナム人の男子中学生が心を寄せ合い お互いのことを知ろうとするひと夏を描く。 重いテーマに対して心を 揺さぶられるような力強さは感じなかったけれど それぞれの違いを恐れるのではなく 認め、受け入れるやわらかさについて思った。 ただ思うだけでは足りなくて 言葉にして相手に伝えることも大事。

    6
    投稿日: 2025.08.10
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    まず本屋でなにげなく表紙にひかれて買ってみた。 わたしの職場にも外国人がいるし、色んな理由で日本で生活しているんだど思うけど、全然しらない世界だったな~。 毎日何事もなく生活できているとがほんとに幸せなことなんだと思った。 桐野のように、外国人のこと、格差社会、差別…「もっと知らないといけない」「もっと知りたい」と思った。 ヒュウやフア…ベトナムの方の気持ちも痛いほど切なくて、もっと幸せに暮らしてほしいと思わずにはいられなかった。 終わりがパッピーエンドではなかったけど、みんなの幸せを祈ってしまうそんな一冊でした。

    14
    投稿日: 2025.08.09
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    私たちはなにもわかっていないのではないか。理解していないのではないか。 外国人が日本で働くということ。まるで、良い条件で出稼ぎに来ているように思うが、その実態とは。治安の悪化にもあげられがちな問題も、そもそも原因はなんだろう。 もちろん、白か黒かで決めつけることはできないだろう。例えば、財布のくだりは、その暗喩のようにも思う。ただし、背景理解した上で、考える問題ではないかと思う。 まるで、誰かに対する説教のような感想になってしまったが、本作は主人公と、ベトナム籍の男の子のひと夏の成長物語。ソフトに小説化して、問題提起する窪さんの手腕はさすが。 ★4.0

    133
    投稿日: 2025.08.08
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    毎日暑いですね〜 夏休みの生活にも慣れてきたところです 今年は小学生の娘を学童に入れることができましたが、来年からは入れる学童がないので仕事の間留守番することになります 1人で過ごしてもらう時間が増え、親としては心配もあり、申し訳なさもあります。 やっぱり子どもは寂しいですよね、、、 いろんなことがひとりでできるようになっても ちゃんと自分の方を向いて欲しいと思っているんだよな、、、と改めて思った作品 窪美澄さんの新作です。 桐乃の母親は国籍問わず、いろんな人たちの手助けをしていて日々とても忙しくしています。家にはしょっちゅう知らない外国人が相談にやってきたり、電話も頻繁に鳴ります。 桐乃はもう少し自分のことも見て欲しいと寂しさを感じ、それが徐々に母親と外国人への嫌悪感に変わっていきます。 窪美澄さんはそういった想いを描くのが本当にうまい。こちらまで苦しくなって、申し訳なくなりました。 母親の里穂、ベトナム人のヒュウの視点でも物語は進むのでそれぞれの想いがわかる分余計にもどかしく、辛くなります。 親に蔑ろにされていると感じる桐乃の想いや、 どう足掻いても抜け出せない負のループにハマるヒュウの心境、子供にわかって欲しい、 子どもを大事にしたい、なのに困った人を放って置けない里穂の想いなど どれもズキズキ痛むほど感じられました。 ひと夏を超えて2人がどのように成長したのか見て欲しいです。 『やさしい猫』を少し前に読んだところだったので、自分の中でリンクする部分がたくさんありました(*´-`)

    85
    投稿日: 2025.08.04
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    中学2年生の繊細な時期の出来事としてはかなり衝撃的だけど、外国人が日本の学校で学ぶ難しさ、格差社会や差別がすごく細かく書かれていて、とても深く心に残った。 地域によってはこんなこともあるのかな? 私はベトナムが好きなので何度も訪れているけど、日本に暮らすベトナム人の苦労を正直あまり分かってなかったな、と反省した。

    20
    投稿日: 2025.08.02
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    何も言うことないなあ。著者は兎に角文章が上手くて、不安定なティーンの心情が切々と描かれており、ほぼワンアンドオンリーの領域に達した感がある。世の中は白黒ハッキリなんて殆どない世界。それが体感できない年代がグレーゾーンをどっぷり経験し、大人になっていく様が手に取るように体感できます。傑作です。

    8
    投稿日: 2025.07.31
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    次から次に生まれるシャボン玉、そしてひとつのシャボン玉に焦点をあてたきれいな装丁の本です。 小説は古い団地群に住む二人の中学生、桐乃とベトナム人のヒュウ、そして桐乃の母親の里穂が、それぞれの立場から物語を進めていました。 外国人に対してはルーツが違うことで差別し、日本人同士でも自分と違うことに寛容になれないなかで、孤独と戦っている二人の中学生の悲しさが綴られていました。 お互いの孤独に気づき、この団地を出ていきたいと願う気持ちが同じだった桐乃とヒュウが夏休みに経験したことは、優しさと現実でした。 ルーツが違う人達のなかで幸せを感じると同時に、初めて言葉がわからない集団の中で生きていく大変さを経験した桐乃。現実の自分の問題になって、初めて本当に理解できるのだと思いました。 夏が終わったあとの桐乃とヒュウが、自分の人生をきちんと生きていこうとする姿には、希望を感じました。最後に、祈るような気持ちとともに、タイトルの意味を理解しました。 登場人物の気持ちや状況が変わっていくなかで、団地の給水塔をふと見上げて思いを馳せる場面が何度かありました。すべてをみてきた給水塔には、多くの思いが貯まっているように思えました。 小説を読むと、その都度様々な感情と出会えます。この本では、読者の私が日頃知ろうとしていなかったことに対して、思いを馳せることができました。生きることの大変さは誰もが味わっていることですが、そこに少しの寛容さと優しさを持つことが必要だと改めて思いました。知ることの大切さを教え、違いを認め合うことの難しさに向き合える環境を作っていくのが、大人の仕事のひとつではないかとも思いました。 〈目次〉 第一章 一学期 第二章 夏休み エピローグ

    61
    投稿日: 2025.07.29
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    Amazonの紹介より 中学2年生の桐乃は、団地での暮らしに憂いていた。 郊外にある古い団地群には、様々な国にルーツを持つ人が生活している。そのせいか桐乃のクラスは衝突が絶えず、ベトナム人のクラスメイト・ヒュウがいじめの標的になっていたのだ。家に帰っても、母の里穂は団地に住む人々を国籍問わず日夜助けており、「娘の私より、他人を優先するんだ」という思いがどうしても消えない。この場所で生活することに対する桐乃の嫌悪感は、日々強まっていく。そんな中、中学校で起きたとある出来事をきっかけに、桐乃はヒュウと話すようになる。ヒュウは、理由は違えども、桐乃と全く同じことを望んでいた。 「この団地から出て、遠くに行きたい」と。 はじめてできた友達、母とのすれ違い――。 桐乃・ヒュウ・里穂のそれぞれの視点から、社会に蔓延る様々な分断に翻弄される2人の“こども”が少しずつ“おとな”になるひと夏を描いた、ほろ苦くも大きな感動を呼ぶ、ある青春の逃避行。 人種の違いやヒエラルキー、格差など差別に関する場面に心苦しいだけでなく、相手を理解することの難しさを痛感させられました。 近年、学校には多くの外国人を見かけるようになりましたが、自分が子供だったころは、全然いませんでした。 昔とは違い、色んな交流があることで、様々な問題も浮き彫りになっていくのですが、この作品では3人にスポットを当てて、それぞれが感じる苦悩が描かれています。 中学生の桐乃、母の里穂、桐乃の同級生・ベトナム人のヒュウを中心に同時進行で物語は進みます。 視点が変わることによって、新たな解釈や知らなかった一面を垣間見ることになるのですが、どれも読みごたえがありました。 特に、娘から見た母の印象と母から見た娘の印象とでは、大きなズレがあることに胸を打たれました。 母親は、様々な外国人にボランティアとして手助けしているものの、娘にはほったらかしとまではいきませんが、大丈夫だと思って、あまり愛情を注いでいませんでした。 娘目線としては、母親の愛情が欲しいのに、その愛情は外国人に注いでしまう光景に、胸が痛かったです。 困っている外国人を助けたい気持ちはわかるが、もっと娘に愛情を注いでいれば・・と思うと、やるせない気持ちになります。 独りよがりだと分かった時の瞬間は絶望かもしれませんが、これを機に誠実に向き合い、もっと理解しなければいけないなと思いました。 ヒュウはヒュウで、外国人として、日本で暮らすことの弊害や苦悩など中学生なのに、様々な「壁」があることに考えさせられました。 桐乃とヒュウ、立場は違いますが、ここから脱出したいという思いは持っていて、いざ逃避行を始めます。 それを経験することによって生じる、居場所があることの大切さや愛情の再発見など中学生にとって大きな経験を積んでいきます。 といっても、時期としては約4か月間の物語だけなので、今後どうなっていくのか含みを持たせつつ、終わるのですが、悔いなく学校生活を送ってくれればなと思いました。 こちらとしても、3人の心情を知ることで、色んな人がいることを改めてしみじみと感じました。色んな人に虹がかかってほしいです。

    7
    投稿日: 2025.07.23
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    自分自身がいま何にこだわり何を大切に日々生きているのかを再確認させてくれた。とてつもない大きな出来事よりも日常の中で素通りしてしまいそうなことの方が人の人生の転換点になり、がんばろうとか、これは許せないとか、自分の芯を作っていると感じる。 理解しあったように見せてきれいに終わる話じゃなくて良かった。全部は許せないし分かりたいとも思わないが、人の生き方を、そうか、そういうことなんだな、と認められることは、自分も、周りも、前に進むために必要なんだな。

    5
    投稿日: 2025.07.14
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    買ったその日に一気に読んだ。 終わり方はハッピーエンドではないけれど、そこがすごく良かったと思う。 窪さんの作品は現実をヒリヒリするくらい感じられるし、読むと「それでも人生は続いていく」ことを意識できるので好きです。

    12
    投稿日: 2025.07.14
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    選挙の争点のひとつになっている外国人の受け入れについて、マクロの視点ではなくミクロで語っている。 まさに、小説は小さな説を語る。だなあと思う。 違う誰かと一緒にくらしていくことには覚悟と準備がいる。相互に助け合って生きていきたい。

    6
    投稿日: 2025.07.13
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     小説すばるの連載で読了。  ベトナム人の少年と、日本人少女との交流と、一夏の冒険。日本で暮らす外国人たちの生きづらさ。  外国人差別がはびこる今だからこそ、多くの人に読んでいただきたい。

    0
    投稿日: 2025.07.06
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    外国人問題、格差社会、差別… 知らないことは怖い。 でも、知ろうとすることはできる。 いつからだって遅くない。 「もっと知らないといけない」 主人公の言葉に強く共感した。

    25
    投稿日: 2025.07.06