
総合評価
(153件)| 65 | ||
| 62 | ||
| 17 | ||
| 4 | ||
| 0 |
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今年読んだ本で一番面白いと思った。 浅葉先生とチェロ仲間たちの人柄が良すぎて、この人たちを騙してるんだって思ったら苦しすぎて毎日吐き気が止まらなくなりそう。この人たちに軽蔑されたり、浅葉先生の夢の邪魔をしてしまうくらいなら自分も会社の重要なデータを消すというかなり大胆な行動に出てしまうかも。だからこそ呆気なく浅葉先生に正体がバレたシーンは本当に苦しくなった… 感情移入しすぎて一気に読んでしまった。
0投稿日: 2025.12.30
powered by ブクログ日常にありそうな、でも、確かにスパイのお話でした。この本では音楽でしたが、熱中して取り組めるものには自分を立て直す力があると思いました。
0投稿日: 2025.12.28
powered by ブクログ全日本音楽著作権連盟に勤める橘が、上司の命令でミカサ音楽教室へスパイとして侵入する。 浅葉先生のもと、かつて学んだチェロを演奏することで病んでいた心が解きほぐされていく。 また「浅葉先生を囲む会」での他の生徒さんたちとの交流で、スパイとしての立場を忘れてしまうほど自分らしさを取り戻してもいく。 フィクションの作品ではあるが、実際にこういう騒動はあり、それに翻弄された私としては、橘よりも浅葉先生の心情に胸が苦しくなった。時々橘が発する心ない暴言にも悲しくなってしまった。 「無数の信頼の重なりの上に、人間関係は構築される」 浅葉先生の心の広さと強さを受けて、橘くんも成長していって欲しい。
0投稿日: 2025.12.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
全著連に勤務している橘樹が、塩坪という上司からの命令で町の音楽教室「ミカサ」にスパイとして2年間潜入するお話。 チェロと橘との間には何があったのだろう…ときになる描写から始まる。最初は命令の為に重い体を動かしてミカサに向かうが、2年という長い期間ミカサのチェロ講師浅葉桜太郎と過ごすうちに橘の体調と心境に変化が起こり始める。 最初のうちは気が付かなかったものがだんだんとミカサのおかげで橘の人生が良い方向に向かっていることに気が付く。自分と相手を騙し続けて嘘で塗り固めていくこのスパイ行為に疑問を抱き、このままチェロを弾き続けたいという橘の気持ちが読んでいて凄く伝わってきた。自分が居続けたいと思っているミカサの仲間たち、浅葉のためにスパイ行為をしていた2年もの努力といえる証拠の数々を消したところにはハラハラした。このままいけば会社はクビになるがチェロは続けられる、と順調に思えていた読者の気持ちを裏切るかのような伏線回収。全著連のピンバッジの伏線はやっぱりそうなったか、、と。そして浅葉との関係が一瞬にして壊れてしまうシーンには実際自分がそこにいるかのような緊迫した空気が伝わってきて読んでいるこちらまで心臓がバクバクしてしまった。 自分で後悔しない選択をできるようになった橘の変化に浅葉は驚き、そしてあの事件のことはお互いの心の中に残りつつも言葉にはしない…。またミカサでチェロを弾けることになった橘と浅葉の終わり方が元の関係には戻らずとも、スパイ行為していた時期よりはなんだか良い関係に思えた。
0投稿日: 2025.12.27
powered by ブクログありのままの世界ってなんだろう? 本作で主人公の橘は、幼少期のトラウマをきっかけに、世界との間に透明な壁を作って日々暮らしている。 その透明な壁は、「世界のありのままの姿」をオートマティックにねじ曲げてしまう。 それも、だいたいの場合はネガティブな方向に。 さらにその壁は、橘が自分で重ねていく嘘の力によってどんどん分厚くなり、目に映るすべてを脅威に変換してしまう。 確かに嘘は、吐けば吐くほどその行為に慣れ、自分だけでなく他人も嘘をついていることを前提としてしまったり、 逆に、そんな自分を否定し続けることで、この世界を相対的に「自分なんかが居てはいけない場所」にしてしまったりもする。 しかしそれは、すべて自分の脳内で起きていることだ。 では、ありのままの世界というのは、脳内ではなく、「実際に行動を起こした際に変化する世界」のことではないだろうか。 「手を伸ばすべき現実はいつも、恐れの向こう側にある」 本作で一番好きな言葉だが、人が生きるのは、結局のところ自分の脳内世界ではなく、現実の、ありのままの世界だ。 橘が救われたのも、過去のトラウマや恐怖を乗り越え、現実の世界で音を奏で、少しずつ人と繋がっていった結果だ。 これは確率論でしかないが、今のところ、ありのままの世界というやつは、僕にとって結構優しい。 だって今日も、なんとか世界の一員として存在させてくれているから。 突然の病や事故で人が命を失ってしまうのは一瞬で簡単だけど、僕も含めて多くの人は、自分にそんなことが起こるはずはないと思っている。 こちらは好き勝手に、今日起きた小さな不運や未来への不安を世界のせいにしたりしているが、世界は今日もただ変わらずに在り続けてくれている。 そんな、意外と優しい世界とちゃんと触れ合うために、怖くても、そっと静かに、手を伸ばしてみようと思う。 深海にいるラブカのように。
19投稿日: 2025.12.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
音楽×スパイの異色な物語。 職場と自宅の往復を繰り返す、変わり映えのない橘の生活が、チェロによって彩られていく様が読んでいて心地よかった。 スパイ活動の中で心を取り戻していく橘の中にある「スパイ活動は仕事、だが音楽をしている時の自分や周りの人間のことは好んでいる」というなんとも言えない葛藤にリアリティを感じた。 スパイではもちろんないが、私自身も職場ではある程度「職場に適した自分」を創り出している。その中で「これは本当の自分なのか」と思う時もある。素で接したら職場の人たちはどういう接し方をするのだろうと。 物語終盤で橘の素性がバレても、囲む会/ヴィヴァーチェのみんなは橘を遠ざける事はしなかった。 本当の自分を知られても、離れていかない人達は本当に大切なんだと思った。 小説だけでも好きな世界観だったが、是非映像化して音楽を載せた「ラブカは静かに弓を持つ」を見てみたい。
0投稿日: 2025.12.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
音楽著作権侵害の証拠をつかむため、音楽教室に潜入するスパイものの作品 題名の弓で連想したのは弓矢。しかし、なんと楽器のチェロ。表紙のイラスト見ればそうなんですが、、、 私の周りでは見かけたことがない楽器です。実物を間近で見たこと無いかも。 精神的な病気を抱えている主人公 橘は普段から他人との接触をさけていたが、講師の浅葉や教室の仲間との関わりで少しずつ社会生活に馴染んでいく。その中でもちょっと暗い雰囲気が伝わってきて、チェロや音楽教室の風景なども思い浮かべられる良い作品だった。 音楽は子供の頃にピアノ教室に少し通っていたが、私も何かやってみようかな、と 普段仕事に追われて時間的に余裕はないのに、不覚にもそう思ってしまった。
2投稿日: 2025.12.20
powered by ブクログチェロ、いいですね。 私は音楽とは無縁と言っていいような人生を送ってきたので、 音楽の楽しみ方、音楽を奏でるときの感じ方、そう言ったことが綺麗に言語化されていて、 新しい世界の扉を開いたようでした。 ただ単純にチェロの話をするだけでなく、そこにスパイという誰もがワクワクしてしまうような設定が出てきます。 話の内容も実際にあった事件の内容が参考にされており、 どんどん読み進めていってしまうようでした。 スパイなんだけど、登場人物の感情に寄り添いながら、ゆったりとまるでチェロの深い音色を味わうように 文章を楽しませてもらいました。 数々の賞を受賞しているだけあり、間違いなしの1作でした。
10投稿日: 2025.12.19
powered by ブクログ音楽著作権連盟に勤める主人公が、著作権の裁判のために音楽教室に生徒として潜入しろと上司に言われるところから物語は始まります。 そんなの絶対ヤダと思いますが、彼は、それよりもチェロをまた弾かなくてはならないことの方に躊躇します。 でも、音楽教室で、できた人間関係や、チェロの音に癒されていく中で、スパイとしての苦しさを感じだし…というお話。 とても面白かったです。さすが、本屋大賞2位?
1投稿日: 2025.12.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
けっこう好きな話。 全著連から音楽教室にチェロの生徒としてスパイで入会。裏切ったのに最後にはその先生が師事。 なんかこんなハッピーエンドの話は大好き。 ほっこり出来た。
0投稿日: 2025.12.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
中弛みするところがなく、すぐに読み終えた。 仮に自分が同じ立場なら最後演奏会には行けないと思う。 悪夢が完全になくなってほしいと思うし、一度無くなった信頼も少しずつ取り戻せていけたらと思う。
0投稿日: 2025.12.08
powered by ブクログ『手を伸ばすべき現実はいつも、恐れの向こう側にある』 「やる前から上手くいかないんじゃないか?」 と勝手に頭の中で”不安”になって、 目の前の現実が見えなくなることがあるので、 臆病な私にも刺さる言葉でした “逃げ腰だった主人公”の成長も感じ取れるので、 好きな一文です!
29投稿日: 2025.12.03
powered by ブクログ音楽とスパイというあまり馴染みのないテーマが新鮮で良かった なんとなく読んでるうちに先のストーリーが見えてしまい、大きなどんでん返しも無かった気がしてしまったのは普段読んでる本の性質からだろうか とはいえ、登場人物それぞれの感情が見えやすく、現実世界そっくりだなとも思う 橘くんのような自ら壁を作り続けてしまう人は、今の時代はかなり多いのではないだろうか
0投稿日: 2025.12.01
powered by ブクログスパイ✖️音楽小説とあって、どんな感じだろうと思っていたが、心底悪い人が出てこない! 気がつけば最後まで読んでいて、橘という主人公は過去を乗り越え成長していた。うん、よかったねと思えた。 サードプレイス 好きなことをするものの集まりは心地よいと思う。小さい頃にしていた人も、挫折したけどもう一回やってみようの人も、急にやりたくなって始めた人も、好きなことをできる場所があるっていいなと思った!
1投稿日: 2025.11.30
powered by ブクログ誰もが小さな「嘘」はついたことがあると思う。 自分もその嘘がどんどん大きくなっていくという経験があり、胸が苦しくなるシーンもあった。 しかし、作品でも描かれていたように良い影響が出るような「嘘」もあったり、たとえ「嘘」をついていても、誠意を尽くせば、またやり直せるのだ。 そんな救いを与えてくれる作品であった。
17投稿日: 2025.11.30
powered by ブクログ展開とか、主人公の心のゆらぎとか、まるでジェットコースターのようで、この先どうなっていくのだろう?と、夢中で読んでしまった。 また、目に見えない音楽を、視覚、それも文字だけでイメージさせるのって、相当難しいはずだが、チェロの音色とか、曲の感じとかが頭の中に浮かんできて、描写の妙を感じた。 今年読んだ中でも間違いなく上位にランクインする作品。
8投稿日: 2025.11.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読み終わっちゃうのが寂しかった。 チェロを習いたくなる。ミカサ音楽教室の人たちがいい人達でスパイ行為辞めたくなっていくのが読んでて苦しかった。
0投稿日: 2025.11.26
powered by ブクログ凄く楽しみにしていた本書 期待感が高か過ぎて 個人的なハードルが上がってしまったかも。 すべて、ハッピーエンドではないが、 まぁ、現実的なほぼハッピーエンド。 主人公と講師の浅葉さんとの 音楽教室を通じての交流と葛藤 また、音楽教室でのチェロ仲間との 微妙な関係 どっぷりではなく、 罪悪感を持った中での仲間意識。 また、三船さんやかすみちゃんとの 何か進展がありそうでスカす感じ。 ベタじゃない物語に 共感が持てました。 弓を使う弦楽器は、 引いたことがないけど、 少し触ってみたい。 バイオリンはうるさ過ぎるので、 チェロ、いいかも。
22投稿日: 2025.11.22
powered by ブクログチェロをベースにした小説は初めてだった。音楽と再生がぴったりはまっていて私もまた楽器を始めたいなと思った。
1投稿日: 2025.11.19
powered by ブクログ読むメンタルクリニック スパイという設定上、もっとスリリングでハラハラドキドキさせられるものかと思ったら、まさに深海を泳ぐようなゆったりとした、重くやさしい物語だった。 スパイものというより、心の健康をゆっくり取り戻していく物語だったなあ チェロに救われながらも、それによってゆっくりと首を絞められていくような感覚になりながら、どうかみんなが良い方に向かいますようにと願わずにいられない。 私もアナザーコミュニティほしい
2投稿日: 2025.11.13
powered by ブクログ良かったです。心にキズを抱える主人公がチェロ教室を通じていい感じに上向いところにスパイがバレてハラハラしたけど、最後にまた戻ってこれてホッとしました。学生時代に楽器をやっていたので、またやりたいなと思ってしまった〜
0投稿日: 2025.11.11
powered by ブクログ癒されるお話でした。スパイ×音楽という設定が珍しくて良かった。ラブカって何だろうと思ってたので知れて良かったです。
0投稿日: 2025.11.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とてもおもしろかった。美しい物語だった。ぜひとも映像化してほしい!!!観たい!!! この物語を色で表すと真っ暗闇の漆黒ではなく、深海のような黒に近が深い群青色をベースにしたイメージがあった。 主人公の橘樹は一言では表すのが難しい。会社とミカサ音楽教室、過去と現在を揺蕩っているような輪郭のない、触れそうで触れられない人間という印象。 しかし、物語後半の橘は自分のために自分の意思で会社に立ち向かう。ここで初めて橘という人間の輪郭が見えた。 私は深海で必死に静かにもがきながら、光に向かって手を伸ばす橘樹という主人公が好きだ。 浅葉先生やヴィヴァーチェの仲間たち、音楽を奏でる瞬間は深海に差す一筋の光のよう。 雨の演出や深海と塔、遠くの小さな小窓など。読者に想像力を掻き起こさせる仕掛けが散りばめられており、おもしろかった。 私の印象に残ったシーンは、普段自分の話をしない橘が今も続く子どもの頃のトラウマを話した場面だ。 それは深海からの決死の救難信号。 その話に対して講師の浅葉の言葉が印象に残った。 「橘くんは、もう大人だ。(略)自分のチェロを背負っても、ちゃんと家に帰れるよ」 橘にとって必要なもの。それは安心できる自分の居場所ではないかと思った。 浅葉は大丈夫だよとは言わないが、今の君はあの頃の小さかった頃の君じゃない。″自分のチェロを背負っても、ちゃんと家に帰れるよ″と優しく語りかけた。 とても優しい言葉で私は好きだ。 ーどうか消えてしまわないで。 ーどうか壊れてしまわないで。 私はそう願いながらページを捲り続けた。 今日も橘が自分のチェロを背負っても、家に帰れますように。 エピローグ、文庫版スペシャルストーリー「音色と素性」もとても面白かった。 斉藤壮馬さんの解説は、私が思っていた物語の印象や物語を通して感じたものが似ていてなんだか嬉しかった。 次はAudible版で斉藤壮馬さんと伊東健人さんの声で物語を聴こうと思う。 何度も読み返したい本に出会えた。 本と著者にありがとうを伝えたい。 そして私もチェロをしてみたいと思った。 ちなみにチェロを聴きながらこの本を読むと物語を2倍楽しめます! この読み方はオススメです!
11投稿日: 2025.11.08
powered by ブクログ上司の指令により幼い頃に習っていたチェロを習いに行く男性の話。 主人公はとても真面目な人物なのだと思う。だからこその生きにくさが描かれていました。 チェロを習ってから出会う人たちの温かさにとても心が癒されます。 主人公が演奏した映画音楽を私も聴いてみたいと思いました。もし映画化されたら、観に行きたいです。
8投稿日: 2025.11.07
powered by ブクログ表紙とタイトルからライトノベルっぽい感じがするけど、とても素敵な面白い中身の濃い音楽小説です。音、音楽を言葉で表現するって難しいと思うけど紙面からチェロの響きが聴こえてきそうな素晴らしい文章。私もバッハ好きなので共感度も高かった。キャラクターも魅力的で会話のテンポも良く、企業スパイ業務を巡る緊張感とチェロの音色の美しさが交錯してイッキ読み。タイトルの意味も読んでいくと納得の物語で、声優さんの書いたあとがきまで読み応えがありずっと手元に置いておきたい本です。「蜜蜂と遠雷」以来の感動でした。
5投稿日: 2025.11.01
powered by ブクログこういう誰も死なないスパイ?ものってありそうでなかなかない 予想に反して面白かった スパイ?関連のところはボリュームあるけど、もうちょっと音楽の描写がほしかった。 やっぱ音楽題材にしてるものだとどうしても「蜜蜂と遠雷」を思い出してしまう。
1投稿日: 2025.11.01
powered by ブクログ今期最高。嘘がバレないかのヒヤヒヤさもあるが音楽教室を通じて人間関係を築き青春も感じられて素敵であった、
0投稿日: 2025.10.28
powered by ブクログ「おまえは自分から切り離してしまったものを、また手繰り寄せられるような人間じゃないと思ってた」 浅葉先生の言葉、沁みます。チェロ講師としての自分と企業サラリーマンとを比較している所や、自分自身もまた迷ったりしている一人であるという、とても人間らしい。 登場人物はどれも人間らしく、組織や団体、個人としての顔があること。 物語としてとても魅力的であることに加え、どこか自己啓発を読んだ後の様な読了感。 実写、見たいけど、チェロ協奏曲を聴きながら読み進めた自分の体験止まりにしておきたい気もする。 "戦慄き"初めて読みました。
3投稿日: 2025.10.26
powered by ブクログじーんと癒されていく話だった。平凡過ぎる毎日で自分の人生なんてと思ってしまった時にはこの本を読みたい。話の最後の橘くんとチェロ講師の浅葉先生のやりとりは涙腺崩壊だった。
20投稿日: 2025.10.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とてもいい作品だった!チェロの曲ってあんまり聴いたことなかったけど聴いてみたくなった。「戦慄きのラブカ」架空の曲なのか…残念…
26投稿日: 2025.10.22
powered by ブクログ音楽教室にスパイとして潜入し著作権侵害調査を行う橘とチェロ講師の浅葉の物語。この設定の時点で、いつ露見するのかが気になって加速気味に読了。チェロの音色をじっくり聴きたくなる作品。浅葉の懐の深さに脱帽です
16投稿日: 2025.10.21
powered by ブクログハードボイルド作品に与えられることの多い大藪春彦賞を受賞したスパイ小説と聞き、007ばりに国家間の諜報戦が繰り広げられるのかと思ったら全然違ってた。馳星周が審査員だったら絶対賞は獲れなかっただろうなあと想像するけど、それはそれとして非常に現代的なスパイ小説といえる良作だと思う。 なぜ現代の日本でスパイなのかという点に関しては、なかなか面白いアイデアだなと感心したし、言語化するのが難しいといわれる音楽の描写も素晴らしかった。 主人公とチェロ講師2人の青年の深層心理の描きこみは中盤まで薄味だけど、人間関係が表層的になってきている現代においては逆にリアリティを感じられる。 マイナスポイントはスパイ活動が露見してからの展開が予想通りでやや物足りなかった点ぐらい。本屋大賞2位も納得。 ところで本作、間違いなく映像向きの作品なのだが、果たしてJASRACに忖度せず映像化できるのだろうか。
0投稿日: 2025.10.18
powered by ブクログ読みやすく、わかりやすい。主人公が楽器や人との関わりを通して、人生を楽しんでいけるようになる様子が面白い。
0投稿日: 2025.10.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆ *⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⭐︎ 《心に灯ったことば》 210ページ その代わり、あの日から俺を貫いているのは、この世はまったく信用ならない場所なんだってことなんですよ。ちょっとでも気を抜いたら、暗いところに引摺り込まれる。 307ページ 「たとえ、経歴とかが嘘だったとしても」 人の本質ってもんは繕えないもんだろう、と囁かれて、橘は身を竦ませた。 318ページ 人の心を無条件に振るわせる力が、音楽にはある。 *⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆ *⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⋆*⭐︎ 《My book log》 ♦天気で例えると? 嵐→時々、雨だったり曇りだったりする静かな時間もあるが、内側で繰り広げられる葛藤が嵐のように感じた。 人生で嘘をつく瞬間、嘘をつかれる瞬間ってどのくらいあるだろう。 その嘘も大きいものから小さいものまであるし、相手を騙すものや相手を守りたい気持ちから出たものなどがあるだろう。 嘘をついた時はジワジワと自分が蝕まれた感じがし、嘘をつかれた時は信頼が崩れた気がしてどん底の気分になる。 どちらも暗闇に飲み込まれる感覚だ。 嘘をつかなくて、嘘をつかれない人生なんて存在しないと思う。 だからこそ、自分を救ってくれるものが必要なんだろうな。 無理に元気に明るく、嘘なんて忘れろというわけじゃない。 暗闇に飲まれないための対応策。 私の場合は、読書だと思う。 小説に慰められたり元気付けられたり、寄り添ってもらったり。 読書ができなくなった時は、どうなるかと思ってけど、今読書ができるようになって改めてありがたみがわかった。
2投稿日: 2025.10.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
もし映像化するならば橘くんを作間龍斗くんにするな!と思いながら読み進めていました。 今までチェロにも、クラシックにも興味は無く自ら調べて聴くことをしなかったけれどこの本に出てくる曲名を調べて聴きながら本を読み進めていました。 仕事の任務としてスパイする事になって、嘘を重ねて2年間過ごした橘くん。でも全部が嘘だった訳じゃなくて、チェロが好きという気持ちとかみんなで過ごす時間が宝物だったのは本当であって。彼の葛藤がすごく伝わった。私も同じように葛藤したと思う。私だったら、チェロから離れるためにコンサートにも行かないしアンサンブルにも行かなかっただろうなー。怖いから。橘くんは怖いと思いながらもアンサンブルに行ってさ、そんな選択をとれる彼が羨ましいなって思ったの。1度めちゃめちゃに信頼関係が崩れてさ、そしたら私は修復するの諦めちゃうもん、会社の犬になって他のところにも割り切って潜入調査しちゃいそうだもん。浅葉先生がちゃんと向き合ってれたりだとか他の登場人物が橘くんのことを思ってくれたりだとか、そういうのが橘くんをアンサンブルに引き寄せたんだろうなあって思った。いいなあそんな仲間とすごく羨ましい。
2投稿日: 2025.10.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
チェロの深い音色を思い浮かべながら読んだ。 スパイと言っても大袈裟なことはないなと思いつつ読んでたら、マジで007もどきの場面も出てきて(ちょっと大袈裟?)、ドキドキした。 人間関係がうまく築けない、壁を作ってしまうし不器用な主人公だけど、真面目なんだなとわかるし、チェロへの愛は本当に深い。 先生との関係や、チェロ仲間との関係など、一緒になって緊張したし楽しかったりいろいろあったり、距離を詰めていく様子も良かった。 チェロのアンサンブル、聴きたいなぁ…
2投稿日: 2025.10.11
powered by ブクログ啓光図書室の貸出状況が確認できます 図書館OPACへ⇒https://opac.lib.setsunan.ac.jp/iwjs0021op2/BB50403094 他校地の本の取り寄せも可能です
1投稿日: 2025.10.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
美しい...とにかく美しい。 橘の中に眠る深海というイメージを一貫させて、シックな雰囲気を崩さずに終わらせやがった! 展開もベタじゃない。大団円で終わらせずに1つ2つねじれを作って、複雑なドラマを構築させている。 キャラクターに対する造形も並大抵じゃない、最後に浅葉の焦点で終わる時にガラッと雰囲気が変わるあたり、相当登場人物に対して情報を加えて整理したんじゃないかな。 ひとつ違和感があったとしたら、全著連が必要であるという橘の考え方はどのぐらい強くて、どのようにして身についたかが分からない。 じゃないと浅葉に対して講釈を垂れる意味が分からない。 それでもこの小説は面白かったとしか言いようがないな。
2投稿日: 2025.10.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
スパイ×音楽の小説という前提知識のもと読んだが、007のような雰囲気では無く、ゆったりとまるで深海を泳ぐ魚ような雰囲気で物語が進んでいく。タイトルのラブカとは深海を泳ぐサメであるが、そのサメが人間の音域に最も近いチェロを弾くというのが面白いなと思った。ラブカはサメであり、獲物を狙うために虎視眈々と暗い海の底を泳ぐが、他のサメとは違いゆったりと泳ぐものである。その様が主人公の橘と重なった。そんな橘がチェロという楽器を通してより人間的なものを取り戻していくのがとても情緒的だった。もしかしたらラブカというのは講師の浅葉の方かも知れない。
1投稿日: 2025.10.08
powered by ブクログこの作品では法的かつ世間的には正しいことをしているからと言って人情的かつ倫理的に正しい言動とは限らないということを考えさせられた。 「みんなでなんとなく集まってご飯を食べることが楽しい。特別なことはないかもしれないけど、そう言う時間が大切」。実際、私は大人数のところが苦手だけど、行ったらなんだかんだ楽しい。疲れるのは事実。きっと本音で素で話すことができないから。ただ人を信じれない、疑っているのは自分が何かに傷つけられるのを怖がっている、すなわち自己愛が強いから話すのが苦手になっているのではと考えるきっかけが得られた。「人が信じられない、だから私は行かない」と強がるのは実はただ自己愛が強く、弱いはずの自分を対外的には強く見せるために虚勢を張っているだけなのでないかと。
1投稿日: 2025.10.06
powered by ブクログチェロが気になる最近、この本に出会えてよかったなと思います。作中に登場する作曲家や曲名を検索して、音楽に触れて、読み進める間もとても楽しかったです。
1投稿日: 2025.10.05
powered by ブクログ一度見たら忘れないほどのイケメンなのに、いつも自分に自信がない主人公に目黒蓮を当てはめて読んでいた。 よくある展開ではあるけれど、独特でとても面白かった。 エピローグもとても良かった。
1投稿日: 2025.10.04
powered by ブクログ鮮明に色をイメージさせるタイプの本がある。この本もそのひとつだった。私がこの本で思い浮かべたのは、藍色。それも黒に近いような、近づいてみたら実は色がありましたって言うような藍色だった。 この本は深く暗い。その暗さは社会への絶望を示しており、深さは絶望から逃れる事への諦念を表しているように感じた。こちらの気分も何だか塞ぎ、主人公を応援したくなる。 しかし、出だしからそうであったように、この本には何か出口を感じる。一辺倒の藍色ではなく、濃淡があり、その淡い場所には希望がある感じがする。 暗くヒリヒリした雰囲気の中だったけど、聞こえる音楽を頼りに、希望へと近づいてはくれているような感じの本でした
1投稿日: 2025.10.02
powered by ブクログめっちゃおもしろかった一気読みした、流石にクラシック聴きながら読んでしまった没頭できた、あたしも社会人になったらなんか音楽教室とか通ってみたいハープがしたいの、、、
1投稿日: 2025.10.01
powered by ブクログこれ最後どうなるんだろう、ってハラハラドキドキしながら、そして主人公の気持ちや先生の対応が丁寧に書かれていてとても良かった。
1投稿日: 2025.09.29
powered by ブクログ音楽が気持ちを変えることはよくあるが、それに付随して行動まで変わるところがすごい。 厳しい糾弾もあり、強い想いもあり、立場と気持ちのぶつかり合いに読んでいる私まで心動かされた。
2投稿日: 2025.09.29
powered by ブクログ実際にあった音楽著作権事件をモデルにしたスパイ✖️音楽小説 潜入調査で子供の頃のトラウマがあるチェロ教室に通うことになった主人公 最初は仕事と割り切っていたが、師匠や仲間たちとのつながりが得られてくると次第に気持ちに変化があらわれて 主人公の揺れる心理など読みどころ満載です♪ 戦慄きのラブカが架空の曲とは意外でしたが読んでいるとチェロの音が聞こえてきそうでした♪
7投稿日: 2025.09.28
powered by ブクログ初めて読むタイプの小説だった。 全然予備知識無しで読んだので、主人公の子供の時のトラウマがどういうものなのかが明らかにされていく話しかと思えば、スパイ物の話しに展開していってびっくり。 過去のトラウマから人との壁を作って生きてきた主人公が音楽を通じて出会った人々との交流から、変わっていく様が映画と音楽を絡めながら描かれていく。 橘と浅葉の関係性がとても素敵で恋愛でも友情ともちょっと違う二人の関係性がとてもよく描かれていた
3投稿日: 2025.09.23
powered by ブクログ桜葉先生好き〜!!小さい頃習っていた楽器をまたやりたくなったし、チェロにも挑戦してみたくなった。ところでカラオケで演奏できるのね、、
2投稿日: 2025.09.20
powered by ブクログスパイ要素はあまり感じなかったけれど、作品中の表現がとても綺麗で読んでいてとても清らかな気分になる本だった。ラブカを通して、音楽の奥深さにも気づくことが出来た。
2投稿日: 2025.09.18
powered by ブクログ2年ほど前に単行本で読みましたが、当時は私がヴァイオリンをやっていたということもありチェロの旋律の美しさのイメージが強かったです。 今回文庫版で久しぶりに読むと、音楽の美しさはもちろんのこと人と人の絆や信頼関係といった印象が強かったです。 人はどんなに孤独を望んでも人との関わりがないと生きてはいけないし、その関わりが人生に影響を与えていく。 文庫版に加えられた数ページの浅葉先生目線の物語を読めただけでもこれを買ってよかったですし、感想が変わったのもこれが理由かもしれません。
2投稿日: 2025.09.17
powered by ブクログタイトルに惹かれた 読んだら、登場人物みんな魅力的だった 映画化されたら誰がいいかなぁなんて想像をかき立てるほどに… 潜入調査がテーマなのだから、きっとツラい思いを主人公も周りの人も私もするだろうと。読み進めるのが怖かった 途中、チェロを楽しんでるところだけ読んでいたいと思った 橘の心の変化、今までの自分に抗う姿に勇気をもらった 珠玉の一品だった
2投稿日: 2025.09.16
powered by ブクログ読書友達から薦められて読んだ本。 業務の一環として音楽教室にスパイとして潜り込んだ主人公「橘樹」がチェロの講師「浅葉桜太郎」と出会い、心を動かされスパイとしての立場に苛み、葛藤するお話。 こうまとめると、よくある話しのように見えてしまうけれど、物語を彩る各エピソードがとても豊かで美しかった。 音楽著作権の話しは、「これくらいなら許されるだろう、小さいことを言うな」というありきたりな気持ちと、「その小さいことの積み重ねで生きているひともいるんだ」という当たり前を感じさせてくれたし、映画の話しと絡めた「楽曲」の部分は、本当に美しい音色を想像出来てうっとりしたし。 そして取り巻く人たちの優しさも、一緒に楽しむお料理やお酒の美味しさまで、ほっこりした。 きっと、主人公、橘樹の生い立ちや環境が決して軽いものではなく本人が自分の想像であらゆる可能性を潰してしまっていることに心を痛めながら読み進めていたからか、ラストに向けて、ほんの小さなことに気付き少しずつ前へ、壁の向こうへと歩みだす姿には心からホッとした。 ホッとしすぎて、エピローグ部分は何度も読んでしまった。 とても魅力的な人物、浅葉桜太郎先生目線の文庫版スペシャルショートストーリーも巻末にあり、もっとこの人たちの話を読みたいと思った。
58投稿日: 2025.09.15
powered by ブクログ主人公が音楽学校に潜入していく。会社員でありながら、スパイと言う立場を受け入れていく姿は少し痛ましい。 身近にあった音楽が自分自身を癒してくれるものだと言う事に改めて気づき、その大切な音楽が生き方さえも変えていく。 最後に死ぬ時に後悔のしない生き方。 かなりの葛藤がありながらも、やはり人との関わりからその大切さに気づき、師匠と思える人との巡り会いで主人公が成長していく姿は、応援していきたい気持ちになった。 人生において、何を大切に生きていくか、改めて考えさせられた小説だった。
3投稿日: 2025.09.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
全日本音楽著作権連盟で働いている主人公とスパイとしてミカサでチェロを弾いている主人公この二面で悩み苦労している主人公の描き方が良かった。 ラブカの意味を知った時とても驚いた。 信頼関係というのは時間をかけゆっくりと作られていくものであり、その関係が壊れたとしても少しずつ時間をかけて修復していくことも可能だと思った。 この本を通じて音楽は心を落ち着かせるものだなと思った。 チェロについてもっと知りたいと思った。
12投稿日: 2025.09.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公に入り込みながら読むタイプなので途中苦しくなって離脱しようか本気で迷った。文体が非常に読みやすく1時間半くらいで読み終わった。
2投稿日: 2025.09.07
powered by ブクログ音楽・著作権・チェロ 全く結びつきそうもないものを丁寧に描写しているような感じがしました。細かい描写に引き込まれる感じがしました。、
5投稿日: 2025.09.07
powered by ブクログラブカが何者なのか、そして戦慄きのラブカという映画が描く背景がこの物語の背景ととてもうまくリンクしていて好き。 橘くんと浅葉先生、橘くんとヴィバーチェに集まるチェロ教室の生徒たち…。 きっかけはさておき、そこで築いた関係に嘘はないしチェロを楽しいと思う橘くんの気持ちにも嘘はない。だから苦しいし辛いんだよね。 何より浅葉先生というキャラがとても魅力的だなと思った。 大人の音楽教室って、なんかいいな。
3投稿日: 2025.09.06
powered by ブクログ音楽描写や所作、情景・心理描写が美しかった。 チェリストの方のMV流しながら読むと魅力にどっぷり浸れました。
16投稿日: 2025.09.03
powered by ブクログ最初はスパイとして潜入して、仕事の為にやっていた橘が講師である浅葉桜太郎と徐々に打ち解けて桜太郎先生を囲む会にまで顔を出すようになったのは読んでいて微笑ましかったです。 だからこそ、本当は仕事で潜入調査していることが辛くなる橘の気持ちも想像できました。すべて打ち明けたくなってしまうだろうな、と。 人付き合いが得意ではないこと、節目節目で友人が途切れていく橘はまるで自分を見ているようでした。だからこそ、打ち解けて話せる花岡さんやかすみちゃんや梶山さんと出会えてよかったなぁなんて感情移入しながら読みました。 サブスクとかあるけど、利用者には良いけど、アーティストにお金って入るのかな?と考えたことがないわけではないので、音楽の著作権ってどこからどこまでというのはなかなか素人にはわからないものだなと思いました。 読みながら楽器弾けるのってやっぱりいいなと思ったし、クラシックにも興味がでてきました。
3投稿日: 2025.08.30
powered by ブクログ©️に関しては、音楽や本に限らず自分の時間を豊かにしてくれたモノを創り出してくれた人に感謝したい気持ちを届けるって意味では大事なシステムなのかなって思います…
13投稿日: 2025.08.28
powered by ブクログ始めのスパイの件から展開が読め、惰性で読んでしまった。 読みやすいが、それぞれのキャラに愛着が生まれず行動の動機も腑に落ちず、共感しにくい描写もしばしば。 音楽をしていたら楽しめたかもしれない。
5投稿日: 2025.08.26
powered by ブクログ読後、再生という言葉が思いつき、その印象が強く残る作品でした。そっと背中を押されていくような感覚があり、よかったです。
2投稿日: 2025.08.25
powered by ブクログチェロの無伴奏組曲が聴きたくなる。 一度完全にこわれた人間関係はごくごく稀に修復できるものだと思う。相互の想像力の豊かさが必要条件だけれど。 思いっきり壊れても、直る見込みがどんなに小さくても、修復したいと思える人間関係を目指したい。ラブカが水面を目指すように。
2投稿日: 2025.08.25
powered by ブクログ誰もが持ってる心の闇。 どこまでも続く終わりの見えない 暗く静かな深海の中から抜け出すにはどうすればいいのか、 何気ない生活の中に 案外出口はあるのかもしれないと思えました。 戦慄きのラブカ 雨の日の迷路 いつか聞いてみたいな。
3投稿日: 2025.08.25
powered by ブクログこの作者さんは「金木犀とメテオラ」に続いて2冊目。本作は2023年の本屋大賞第2位ということもあり期待値も上がる。 音楽の著作権を管理する団体の職員・橘が、音楽教室の演奏実態の調査のために一般客を装った潜入調査を命じられるところから始まる物語。 実際にあった話が下敷きになったようで、2年も潜らせる必要があるのかいなとは思ってしまうが、まあ、いいか。 裏表紙に『心に響く“スパイ×音楽”長編』とあるが、スパイ物と思って読むと、そこに期待されるサスペンス感やゲーム性は殆どなくて肩透かし。 年少の頃のトラウマを抱えた青年が音楽とそれに関わる人々によって再生する物語として読めば、スパイ行為という後ろめたさをスパイスにしてうまく展開されたお話になっており、その行為とは裏腹の、講師の浅葉とのレッスンや教室のチェロを借りての自主練、ホールでの発表会、加えて、講師を囲む会のメンバーとの交流の場面などとても気持ちよく読めた。 チェロの音色の表現、ラブカという深海魚の持つ特徴とスパイが秘密裏に活動する様子や橘の心の深層が重ね合わされた描写も巧み。 私は音楽教室からまで著作権料を取るのかあ?と思うほうなので、橘の、人を欺いていることに後ろめたさは感じはしてもミッションそのものには疑問を抱いていなさそうなところが好きになれず。 それが組織での役割だとすれば、その割には調査を無かったものにしようとする行動を取ったり、その後先考えない甘さも今ひとつ。(総務部の三船女史のほうがよほど腹が座っている) 佳い風にまとまったが、浅葉先生をはじめ皆さんのお陰でしかないな。 ★★★★にはしたが、期待値が高かったこともあって、読後感としてはやや微妙。
94投稿日: 2025.08.24
powered by ブクログチェロの音色が聴こえてきそうな一冊です。 知人から勧められた本ですが私もだれかに勧めたくなる一冊です。
5投稿日: 2025.08.24
powered by ブクログ面白かった!一気に読んでしまった 子供の頃と大人になってからの両方で楽器を習った経験があるので、より楽しめた気がする 楽器つながりの友人って、他のつながりとはちょっと違う 楽器でなくても、趣味が同じでつながった関係は似たような感じかなと思うけど 楽器友達と集まったとき、どういうメンバーでもカノンは鉄板だったので、懐かしかった タイトルを知ったとき、ラブカ…??と思ったものだけど、ラブカの使い方もとても上手かった ナツイチ2025
3投稿日: 2025.08.23
powered by ブクログ音楽や心情のイメージを伝える文章が とても美しいと感じました。 料理もとても美味しそうてす。 会社外の登場人物がみんな素敵な人ばかりで ギャップが激しすぎるのも精神的に辛いですよね… 自分の会社にもスパイいそう(笑)
12投稿日: 2025.08.17
powered by ブクログ静かに進んでいく物語の中で主人公が暗い深海から少しずつ光のある方へ昇っていく。 「音楽は人を救う」 音楽っていいなぁ〜 楽器ができるっていいなぁ〜 そして"同じ好き"がある仲間っていいなぁ〜
15投稿日: 2025.08.17
powered by ブクログ静かな物語だと思う スパイ(スパイ行為は少なめだけど)として潜り込んだ先で自分のトラウマを克服するしていく再生物語のような感じ チェロの伴奏を聴きながらずっと読んでいたい本 そして個人的に音楽著作権の話はずっと気になってる
13投稿日: 2025.08.10
powered by ブクログ軽く乗せた弦の指は、少しずつ深海に潜っていきながら、心の小窓を開ける音を奏でる。 音楽の番人とも言える全日本音楽著作権連盟(通称:全著連)に務める橘は、上司から音楽教室に潜入せよと特命を言い渡される。 戸惑いながら音楽教室の扉を開いた橘を迎えたのは、自分と性格が真逆に見える浅葉先生。第一印象は決して良くなかったものの、次第に橘は浅葉の旋律にわななく。 感想です。 サスペンスやアクションを想像していましたが、日常に潜んでいそうな出会いと別れのアンサンブルでした♪ 映画ネタを所々に挟んで、読者のイメージをアシストしてくるところが粋ですね。なんか映画を見直したくなります。 また、作品のテンポはそこまで気になりませんが、作中の時間の流れが早すぎて、飛ばされちゃった時間の深さを知りたくなります。 個人的に、凪良ゆうさんの『わたしの美しい庭』と似た時間の漂いを感じました(^o^)
56投稿日: 2025.08.10
powered by ブクログ全日本音楽著作権連盟の職員である主人公が、著作権違反をしている疑いのある音楽教室に潜入捜査をするという話。 何かしら楽器を習っていた、または今も習っている人なら、レッスン中の心境や発表会前の緊張感だったりがリアルに伝わってすごく深くのめり込めると思う。 最初はチェロを再び弾く事に後ろ向きだった主人公が、講師とのレッスンや、同じ教室に通う仲間との交流を通じて、次第に人間らしい感情を持つようになり、しかしいずれはそれを自ら壊さなければならない葛藤に苦しむ心境が丁寧に描かれていて心に響いた。
3投稿日: 2025.08.08
powered by ブクログ著作権問題の調査のため、スパイとして音楽教室に潜入する主人公の橘。ドライな関係を望んでいたはずが、出会った人々の優しさに触れるうちに、次第に心が揺らいでいく様子に引き込まれました。 法廷の場面では、「ついに正体がバレるのでは」と内心苦しくなりましたが、別の人物が出廷したことでホッとしたのも束の間、後日ついに事実が明かされてしまい、胸が締めつけられました。 楽曲「戦慄きのラブカ」からは、深海のような重厚感をたたえたチェロの音色が感じられ、ラブカのように孤独を抱える橘の心情が重なって見えました。スパイだと明かされたあとも、橘と浅葉先生の関係がどうか再びつながりますようにと、願わずにはいられませんでした。
5投稿日: 2025.08.07
powered by ブクログ人は何故音楽に心を動かされるのだろう。 音楽を聴くと、いろいろな情景が心に浮かぶ。 それは聴く人の心の中だけにあって、共有することはできない。 だけど確かにそこにあって、悲しい時や苦しい時、音楽を聴いて涙を流し、心が癒やされる瞬間を誰しも経験しているのではないかと思う。 そんな不可思議な音楽を愛する人たちが集まって紡がれる本作品はとても素晴らしかった。 この話を読み終わったあと、自分も音楽を始めたくなった。何歳になっても、音楽はきっと優しく受け入れてくれるのだろう。
2投稿日: 2025.08.06
powered by ブクログスパイ✖︎音楽小説 主人公の橘樹はスパイとして音楽教室ミカサに送り込まれる。ミカサで出会った先生や他の受講生達と仮初の関係を構築しつつ、スパイ活動を行う。しかし、彼らと音楽の魅力に徐々に引き込まれていき、橘は遂にとんでもない行動に出る。 平凡とも思える世界観にスパイというスパイスが絶妙に絡み、そこに加わる音楽というテーマが美しいハーモニーを奏でている。登場人物も魅力に溢れ、人を寄せ付けない冷めた主人公と人懐っこく情熱に燃える先生の対照性はこの本を読む者の気持ちを前へ前へと押し進める。ストーリーも素晴らしく、空前絶後、驚天動地、急転直下の展開に1秒たりとも目が離せない。 ここ一年で一番の名作に出会えた。
3投稿日: 2025.08.05
powered by ブクログスパイ&音楽小説、という売り文句でドキドキハラハラアクションを期待してしまう読者もいるだろうけど、とてもとても静かな小説。なのに登場人物みんなの感情のうねりを感じられてすごい。みんな生きてる。 否応なしに嘘を重ねて飛び込んだ世界とそこの人間関係が、トラウマすら癒してくれ、内向的な青年にとっていつしかかけがえのないものになり、それをきっかけに彼が自分が前を向いて歩く世界を見つける物語。 描写は淡々としているのに主人公の橘、作者、読んでいる自分の間でイメージが共有されて、弾いている曲の情景が深く深く沈んでいったり頭より上まで浮き上がっていったりが見えて、聴いたことのない曲なのにまるで聴いている気分になります。
17投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
音楽に詳しくなくても読みやすい作品。仕事か師匠かどちらを取るか。その悩みからバレた時まで。バレた時の主人公の痛みがひしひし伝わり、もう一度読むには勇気がいる。人間模様が多く、裁判面でいえば進展は少ないといえるかも。
2投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログ音楽教室を舞台とした物語は良かったんだけど、スパイ設定が活かされていないというか、スパイ設定ではない他の舞台装置にすることもできたのではないかと思ってしまった。無駄にスパイ設定の捻りを期待してしまったので、読了後に物足りなさを感じた。余計な期待をせず、素直に読んでいたら、もう少し高い評価になったかもしれない。
3投稿日: 2025.08.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
友人に勧められたことをきっかけに読んでみた。 自分では選ばない本だったので出会えて良かった! 主人公である橘と、音楽教室の講師である浅葉の関係性がとても好き。 橘の心情がかなり丁寧に綴られているので、感情移入しやすい。 仕事としてスパイ活動を続ける自分と、チェロの面白さに再度気づき講師や周りの仲間に情を抱く自分。その中で葛藤する様子が印象的だった。 結局スパイ活動はバレてしまうものの、罪悪感と一方的な拒絶から全ての連絡を経ってしまう。 きっかけがあり再び関係性を築き始めるところで結びとなるが、人間の縁というのはお互いが歩み寄ることで成り立つものなんだなと再認識させられる。
3投稿日: 2025.08.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
音楽×スパイというのは新たな切り口ではあるけれど、内容自体比較的シンプルだったように思う。 こう悪くは無いし、希望の持てる素敵な展開だったけれど、もっと驚かされたかったという気持ちになった。 ただ普段本を読まない人とかにはおすすめしたい
2投稿日: 2025.08.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ラブカを読んで、考えていたことを書いておく。 ネタバレ? うーん、橘が浅葉に心を救われた話を思い返しながら。 ・・・・ 小さい頃に受けた心の傷。 本当は辛いし誰かに助けを求めたい。 でも言っちゃだめ、迷惑かける、恥ずかしいからとか、その時は言い出せなくて言葉にできなくて自分の中に押し込んでしまう。 その感情は、素直な自分の気持ちだったのに。 そこが心の根っこになって 次第に自分の負の感情や行動に現れてくる。 ただ、何かのきっかけで心の蓋を開け、人に話すことができたら 案外、人は真剣に話を聞いてくれるし、笑ったりしない。むしろ、あなたの心の声が正しいんだよ。と肯定してくれる。 辛い、悲しい、ショックだ。 と思っていたことを言葉にして自分の外に出すと 「自分は辛かったんだ」と思うことができる。 それって、自分を大切にする大事な行動だと思う。 自分を大切にすることができれば、人を大切にすることができる。何があっても、自分の信じた方に進むことができる。 ・・・・・ と、読み終わって2日目。 考えたことでした。ラブカ読んで良かったー✨
4投稿日: 2025.08.01
powered by ブクログまるで映画を観ているかのような素晴らしい小説。展開は予想できても終わらないでほしいと思いながら読み進めてしまう数少ない小説の一つか。
40投稿日: 2025.07.30
powered by ブクログ音楽の著作権使用料をめぐる裁判のために、音楽教室に潜入することになった主人公。 潜入が思いがけない終わりを迎えることになった… はずだったところからの展開は、途中で止められずに一気に読んでしまった。 仲間たちが全て偽りだったと思わなかったのは、一緒に過ごした橘がとても不器用で嘘かなかったからかなと思う。 浅葉さんの「お前は自分から切り離したものを、また手繰り寄せられる人間じゃないと思っていた」という言葉。だからこそ自分たちがどう思っていようが橘は戻ってこないだろうと思っていたのに、チェロと皆と過ごす日々の中で起こした変化が、複雑でも嬉しかったのかなと想像した。 私は楽器も音楽も詳しくないけれど、小説の中の音楽は、具体的な音ではなくても想像でどこまでも広がっていく感じがいい。ビッグ・ベンの例えがよかった。 展開も人物も魅力的で、安壇美緒さんの他の本も読んでみたいと思いました。
28投稿日: 2025.07.30
powered by ブクログ主人公は訴訟のための証拠集めのために会社から 音楽教室ミカサへの潜入(スパイ行為)を命じられる。 この最初の状況からどうなるのかワクワクした。 チェロをとある事情で離れていたけど、 だんだんとチェロの世界にハマり、 でもいつか終わりが来てしまう。。。 彼の葛藤とか気持ちの変化がすごく鮮やかに描かれてて、特に深海の世界に沈み込んでいるさまとかすごく良かった。 後半どうするんだろう、どうなって行くんだろう、 と一気に読んでしまった。 最後まで飽きずに読み切った。
17投稿日: 2025.07.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公の橘が会社と上司を裏切る決断をしたあたりから一気におもしろくなった。三船がスパイなのも展開がうまい。音楽の表現が豊か。橘の陰鬱としたキャラクターに前半耐える必要があるが、タイトルのとおり深海魚モチーフなら、展開とあわさって見事な雰囲気づくり。
4投稿日: 2025.07.27
powered by ブクログ作中での深海のイメージが根強いせいか、我を忘れて物語にのめり込んでしまっていたせいか、息をするのを忘れていたような心地になりました。 読んでいない間も「ラブカ」のことが頭から離れず、後半は一気読みでした。 美しいのに不器用な主人公も、真っ直ぐで朗らかな音楽講師も、とても魅力的。特に、静かに病んでいるような主人公が憂鬱な仕事で出会った音楽講師が、舞台役者を連想する姿の、人と関わることを臆さないタイプの人物だったときは無性に嬉しかったです。 わたしは音楽には無縁の人生で、チェロの音色がどんなものかもよくわかりませんが、重厚で繊細な響きが聞こえるようでした。
5投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログままならないものというのは、誰にでも何処にでもある。その中でもがく人もいれば、足掻いてどうにかしてしまう人もいるけれど、何も出来ずただ息を潜めて日常をすごしている人がほとんど。 ラブカは静かに弓を持つの主人公もその1人。社命でスパイとして音楽教室に潜り込む日常、誘拐されかけた過去とそのトラウマ。流されるだけとは違うけれど、息を潜めて潜る深海魚ラブカのように、そこに静かに存在する人。主人公、橘はそんな印象の男で、感情の起伏もそんなになく、わりと淡々とした文書で読みやすい印象を受ける。だがそこに添えられたチェロが色をつけ、物語を優しく包む。 音楽の周辺で辛いことがあったのに、そんな彼を癒すのもまた音楽とそれに関わる人なのだと思うと、とても愛おしい作品。 人との関わり、信頼関係と、音楽を権利を絡めながら描くこの作品を読了後人に薦めたいと思った。そして今の感情を誰かと共有したいと思った。 そう思える作品だった
2投稿日: 2025.07.22
powered by ブクログ音楽著作権を管理する団体から演奏権の著作権料支払いを求める証拠固めのため音楽教室にスパイとして送り込まれた青年。 自分の孤独と向き合いながらスパイとして活動して師弟関係に苦しんでるゆく。 面白い
2投稿日: 2025.07.20
powered by ブクログスパイ×音楽とはまったく新しいジャンルだった。深海にいる醜い魚『ラブカ』は世界で最も妊娠期間が長い動物であるらしい。それゆえにこのようなタイトルなのだなと腑に落ちた。 ちなみにだが、本作品で主に出てくるチェロに限らず、あらゆる楽器において「上手い奏者」とはどういう人を指すのか?それは、自分自身のイメージを演奏に昇華させられる──。いわば具現化できるのが優れている人を指すそうだ。自身が耳が聞こえないため、ここら辺の描写がどう浮かぶか心配だったが、そこはさすが文学というなかれ。頭の中で鮮明にイメージができた。 「本番は、ちょっと遠くの小窓の向こうに音を届けるように弾いてみて」というのは本作品での演奏に限らず、学生や社会人でも共通して言えそうなことだなと感じた!
2投稿日: 2025.07.19
powered by ブクログ仕事で潜入調査を命じられた期間限定の任務だったがチェロを弾いているうちに任務を忘れてしまう位没頭できたのだろう 講師の先生や音楽教室の仲間と徐々に仲良くなり飲み会に参加するまでになる そんな仲間を裏切る事になり後ろめたさを感じ始める 仕事と音楽教室の仲間との繋がりの心の葛藤 チェロを弾く事を嫌いにならないでいてくれて良かった
2投稿日: 2025.07.19
powered by ブクログ深海の底から光を探して矢で穿とうとするが借り物の弓すらも手元から離れた醜い鮫が、光へ近づこうとすればするほど水圧の差によって自らも手に握りしめた矢すらも崩壊していき、目の前に落ちている弓を拾うも砂に変わる。 本来ならその鮫は一生を終えるが、死の寸前で海に返され陽の光さえ浴びなければ深海ではなく浅瀬でも自らが生きていけることを学べる。それを教えてくれたのは過去と未来であり、捨てようとしていた現在こそが弓だったのだ。 もちろん 海の塩水は 水圧の変化によって膨張させたり萎ませたりして生命を途絶えさせるだろうが 決して塩水のせいではなくそれは 浮かびすぎたり沈みすぎたりする自分自身で、徐々に慣らしていけば思いの外その塩水は傷に染みる事はあっても寛容なのだ。むしろ最初から寛容だった そんな話。 だから本当に上手いと思う チェロと弓。銃と弾丸と引き金と激鉄。 それに例えられた喉元過ぎない熱さと圧力の変容 作中で言及はされてないし、私の痛い妄想考察以外何ものでもないとは思うが、弓と矢とチェロと弓の深い相対構造。 潜伏先と潜伏元。 その模様は楽しく潜水して景色と生物を味わっているようでいて酸素が徐々に消失していく潜水体験に他ならず、それは潜水ではなく沈没していくようでもある。 セリフと言葉回しは癖がなく それでいて狡猾で、 心を穿ってくる。キャラクターと描写にはコクがありこの著者の他の作品にも同系統のコクがあるのかと想像すると 読まずにはいられない
2投稿日: 2025.07.18
powered by ブクログ面白かった 登場人物も良く書き込まれていて 展開も王道ながら気持ちが良い 文庫のみの加筆章も読後感にプラス おススメできます
2投稿日: 2025.07.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
作中でスパイ映画の話になり、ラストはどうなるんですか?と主人公が尋ねると「死ぬかハッピーエンドの2択じゃない?」と浅葉が答えるシーンで、この物語はそのどちらかなんだ、と思ったのだが、予想に反して最後は幸福とも絶望とも言えない、各々の人生の結末になっていた。 (社会的に見れば、会社を退職、入賞しない、って言うのは結構絶望の部類ではあると思うので) また、今まで積み上げた信頼関係は崩れ去ってるので、そこも絶望、バットエンドとは取れるのだが、また同じ場所で同じ様に同じ2人でやり直す、という過程が、この本は再生の物語なんだなと思わしてくれた。
2投稿日: 2025.07.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
よかった。どうしようもなく関係が壊れてしまうことあると思う、そこで歩み寄れるかどうかはお互いによる。自分にもそういうことがあった。 これを読み始めてからチェロをすごく聞いている。自分も弓の弦楽器扱いたいなと強く思えた本だった。
2投稿日: 2025.07.16
powered by ブクログ音楽教室で講師が演奏する楽曲に対して著作権が発生しうるかという裁判の資料とするため、著作権管理の当局から大手音楽教室へ派遣され、チェロを教わりながらスパイさながら盗聴を行う主人公。 彼は幼少期にチェロにまつわるトラウマを抱えており、それを一因として人を信じることが難しくなっていた。 スパイとして音楽教室に通ううちに、そこの講師とは信頼関係が積み重なっていき、徐々に自己開示ができるようになる。 しかし、自分が本当にやりたい音楽とスパイとして盗聴すべき音楽はジャンルが異なり、本音と建前が乖離していく。 期間限定で派遣されているため、最後は講師に別れを告げることになるが、直前になってスパイ行為が発覚してしまい、関係を築いてきた講師や生徒たちから逃げるように去っていく。 それでも、後日彼らに会わざるを得ない場面に恐る恐る登場すると、彼らとの間に築かれた信頼はまだ残っており、自分が勝手に高い壁を築いていただけと知る。 スパイ行為をしていたとはいえ、教室に通っていた間は人との信頼関係の大切さに少しずつ気付いた彼は、その後当該機関の職を辞して、音楽教室に再入会し、今度は自分の本心からとことん音楽に向き合うようになる。 最後は人を信じるということの力強さと、自らが生み出す音楽によって人生も悪くないと思える気持ちとが相まって爽やかな読後感でした。
21投稿日: 2025.07.16
powered by ブクログ幼いころに受けた大きな精神的ショックから、この世界ではどこでいきなり暗闇に引きずり込まれるかわからないという恐怖や不信を植え付けられてしまった男性が、人との出会いや、寂しく荒んだ幼少期に心の拠りどころにしていたチェロとの再会を通して、自分で自分の周囲に築いていた心理的な壁を破り、トラウマを乗り越えて、新たな人生の一歩を踏み出す様がすがすがしかった。光も届かず、ほかの生物とのかかわりもない、深海のような世界の中で、孤独に押しつぶされかけていた彼が、自分自身を見つけなおし、明るい方へ一歩を踏み出せてよかった。 チェロが聴きたくなったし、自分もまた何か楽器を習ってみたいような気持になった。
18投稿日: 2025.07.16
powered by ブクログスパイ×音楽小説と聞いて、日常とは離れた話なのだろうか、面白そうだなとか考えながらなんとなく読み始めた。だから正直、こんなにも心が揺さぶられる本だと思っていなかった。読み進めていくうちにどんどん物語に引き込まれ、ずっと胸が締め付けられるような感覚のまま一気に読んでしまった。 自分も音楽に触れていた時期があったからなのか、一般的な感覚なのかはわからないけれど、音楽が絡む話は一気に想像が広がるというか、その世界に入り込める感覚がある。 チェロと再び向き合い、それとともに生まれた出会い。変化していく主人公の感情を一緒に味わいながら、自分自身はどうありたいか、何を大切に生きていきたいのかとふと考えてしまった。 そして何より、個人的には浅羽を筆頭に、出てくる人物が人間として惹かれる人たちばかりだった。
2投稿日: 2025.07.16
powered by ブクログ大筋の展開は最初から分かることから、半分くらいのところで終わって欲しいと(良い意味で)思ったのは初めて。音楽を絵や匂いや感触で捉える感覚、幼少期から暫く音楽をやっていた自分にも当てはまり心地よい。読むきっかけとなった知財も身近なのも大きい。
4投稿日: 2025.07.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
良かった。 私も趣味で楽器演奏することがあるけれど、本作の主人公ほどに熱い想いはなかなか持てない。 サラリーマンだから、会社の指示に従っただけ…とはいえ、辛い任務だったろうなと思う。 でも、逆にチェロにもう一度向き合えるようになるキッカケにもなったんだなと思って、読んでて救われた。 著作権の問題はいろいろ難しいなと思った。
6投稿日: 2025.07.12
