
総合評価
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powered by ブクログ窪さんの、直木賞受賞後一作目となる小説。男に振り回された1人の女性の人生を丁寧に紡いだ小説、なかなかイラッとする主人公だったなぁ
0投稿日: 2026.06.10
powered by ブクログ久しぶりに恋愛長編小説を読みたくなり、積読から選書。 ただの恋愛小説というより、明治後期から昭和を生き抜いた女性の物語だった。 実際にモデルになった方もおり、中原中也のことは詳しくなかったので、その辺もとても興味深く物語に没入できた。 地元広島にいても女学校を出たところで、嫁にいかされて終わりの女の人権など全くない時代を、東京→京都→東京と女優を目指し逞しく生きながら色んな男性にも惹かれあう。最後にはもともと文才のあった身であったため、既に亡くなっていた男のためにも、人生をかけて書き続けた。 多大な情熱を持った主人公礼子は、とても魅力的であるから、関係を持った男性は亡くなる前にはどうしても会っておきたくなるほど。三角関係もありの、ひりつくような前半と、男性から離れ1人で慎ましく暮らしながら執筆し自立した生活を送る後半。対照的ながら、1人の女性の自立を見事に書かれた物語で、読了後は長編映画を観終えた気持ちになった。 今でこそ女性の自立は当たり前になったが、これはつい最近までの出来事。 色々な人が戦い抜いてくれたから、今があるのだなとあらためて考えさせられた。 中原中也関連の文献も読んでみたい。
1投稿日: 2026.03.08
powered by ブクログ中原中也を思わせる水本との恋愛が基軸となる話ではあるが、さまざまな組み合わせの中から、窪美澄が作り出した礼子の生涯が描かれている。まさに窪美澄は「書ける人」である。礼子の前に立ち現れる人々、水本の恋敵片岡、男に負けない女の書き手となることを願う榊原、礼子の写真を掲載する田原など、それぞれが魅力的な人として描かれている。戦時中に「演じて生きる」ことを強いられた礼子と橘の姿が近未来の私たちにならないことを強く望みたい。
0投稿日: 2026.03.08
powered by ブクログ水本も片岡も礼子を痴女のごとく描いた。男から見るファム・ファタールと女から見るそれとでは描かれ方が異なるものだと思い知らされた。一見すると礼子は男をとっかいひっかいしただらしの無い女に見えなくはない。しかし全てを失ったのち文学というひとつの芸術に礼子は縋りつくことになり、それは書き手読み手両者の生きる希望となる。つまり礼子は新たな生き方を自分の力で見つけだしたと言える。礼子が愛した者達は皆いなくなってしまったが、亡き人を雲の下の者が救う手段は芸術による表現のみなのかもしれないと考えさせられた。
0投稿日: 2026.01.18
powered by ブクログモデルのある小説という事で、宣伝広告を見て手に取った。 前半、本当はどうだったのだろうなどと、つい小説と現実の差異に目を向けてしまう読み方をしてしまっていて、読了に時間がかかってしまった。そして、読者としては最低の読み方だと反省の気持ちを込めて星は4つ。 女性が一人で立つ。それが時代的に厳しい中、恋も、仕事も、夢も、老いも、生と死も、走り抜けた人生が描かれている。 自身の生き方に目を向ける機会を与えてくれる作品だった。
9投稿日: 2026.01.18
powered by ブクログ友達におすすめしてもらって読んだ。人の生涯だからやっぱり長くて、友達におすすめしてもらってなかったらもっと読むのに時間がかかっていたかもしれない。友達が、人生ってこういうもんかっていってて、それ聞いたらすごく共感した。そう思ったら確かに、礼子は若い頃に出会った水本に心惹かれてその後誰と付き合っても水本は頭から離れず、結局60代になっても水本水本と、、。ほんとにいま20代の自分がそうなりそうで怖かったけど、まあそう言う生き方もあるのかと思ったらちょっとだけ人生に希望がもてたというか、まあ良かった。
0投稿日: 2025.12.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
おまえが死んだら、僕はどうやって生きていけばいいのか! ありふれた言葉なのになぜか沁みてしまった。 橘だけでなく、水本もそう思ったんだろうと。 なのに男たちは礼子を悪く書く。愛しているのに悪く書く。 今の男たちも、自分の愛している人の悪口を友達に言うのだろうか。 女たちも自分の愛している人の悪口を言うのだけれど。 愛していることをいうと場が白ける。 馬鹿らしいなと思う。 悪口を言うとほんとうになるかもしれないのに。 あいつは毒婦だとか。 そんなことはないのに。そばにいたらわかるのに。 そう思い込みたいだけ。 愛は思い込み。 思い込んだまま、自分に暗示をかけて、愛しきって欲しい。 おじいさんになっても、おばあさんになっても。
0投稿日: 2025.09.18
powered by ブクログ購入済み 2025.08.21読了 あー、いい作品だったなー。いい時間が過ごせたなー。 詩人、中原中也の恋人だった長谷川泰子のモデル小説。 奔放でありながら、自由と自立をもとめて生涯を全うした礼子。力強く、まっすぐに、謙虚に、生きた姿がうつくしかった。
0投稿日: 2025.07.24
powered by ブクログモデル小説。窪さんの文章は本当に読みやすくて歴史の勉強にもなって、終戦記念日間近に読めた事も私の中では良かったな。 あの頃を生きた人物達に思いを馳せる事が出来ました。 装丁の写真が美しい。
47投稿日: 2025.07.09
powered by ブクログ前情報なく購入。 水本が登場してすぐに「これはもしかして中原中也では?」と思い、調べてみるとやはりモデルは中原中也。 もしかして…と思わせる窪美澄がすごい。 中原中也に詳しくない私でも気づくかくらいに、彼という人間が表現されていた。 中原中也と小林秀雄の恋人だった長谷川泰子がモデル。 波乱万丈の人生を歩んだ礼子の物語。 創造という世界で生きていくことの狂気。誰かを愛するという苦しみ。 狂おしいくらいの想いに、私の心も震わされた。
13投稿日: 2025.07.05
powered by ブクログ窪美澄さんの描く女性って、なんでいつも無様で必死で愛おしんだろうなと思うんだけど、それはきっと出てくる女性が自分の意思を持って、自分で選択したという事実を揺るがないものとしているからだろうと思う 選択したことが上手くいってもいかなくても選んだのは自分、それが何より自分の尊厳を守る。モデルは長谷川泰子で中原中也と小林秀雄との関係で知られている 長谷川泰子は二人の男を弄んだ毒婦と言われることが多いが、彼女にも晩年というものがあり、ただ二人の男のあいだにいた女というわけではない。その後の彼女の人生はどんなものだったろうというのを恋愛小説の名手である窪美澄さんが血肉の通った一人の女性として描いてくれた 彼女の懊悩も喜びも、いずれもが鮮明で読んでいておもしろかったし、ラストの場面は想像したら美しくて震えた。最後の最後にああいう場面を持ってこれることの思い切りの良さがかっこいいと思った
3投稿日: 2025.07.03
powered by ブクログ中盤まではなかなか話に入り込めずもう少しで読むのをやめてしまうところでしたが、水本の死の辺りから一気に引き込まれ、後は一気に読まされました。戦争の記述では昭和天皇への怒りが生じ、広島訪問での学校の悲劇には涙が止まりませんでした。最初の本が売れた後からのエピローグの様な最終盤は沁み沁みと心に深く届き、とても良い本だったと思います。
8投稿日: 2025.07.02
