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総合評価

137件)
3.8
31
51
41
6
0
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    「約束は守ったよ、褒めて」 逆境のなか幼い二人の命を奪った死刑囚は、執行の直前にこう漏らした。 遺骨引受人となった遠縁の主人公はこの言葉に違和感を覚え、事件の舞台となった青森の小さな町を訪れる。 物語は、かなり社会性の強いテーマで進む。 人の出入りの少ない田舎、閉鎖的な環境の中の小さな学校で起きる“イジメ”……多くはその親の感情が子どもたちを動かしている。また、大人たちも目に見えない束縛から逃れられない。 世間は自分では判断できない事象に当たると、わかりやすい解釈に飛びつく。 それは報道であり、報道もまたわかりやすい解釈に飛びつく。 いまはそれがネット 誰もストップをかけられないその世界は人の醜い姿で満ちていて、それをまた利用しようとする者の罠に満ちてもいる。 言葉は重い。 言った本人より言われた者に重くのしかかる。 はたして教誨士が教え諭す相手は、罪を犯した人か、罪を作ってしまった人たちか。

    2
    投稿日: 2025.11.17
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    悲しい。本当に悲しい。なぜこんなことが起きてしまったのか、子育ての難しさを感じる。響子の父、ひどい。母も守ってやらない、それもひどい。しかし、生きて行くのにしがみつくしかなかったのか。

    0
    投稿日: 2025.11.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    死刑の執行前に残した「約束は守ったよ、褒めて」という言葉が気になり、読んでみた。 自分の娘と、もう一人の女の子を殺した死刑囚の死刑執行後、解明されなかった犯行の動機に迫っていく。 父親からの虐待、いじめ、狭いコミュニティや親戚関係での悪習。 そうした環境によって人格が歪められ、精神を病み、誰にも頼れなかった そんな残酷な人生の果てに彼女は罪を犯した。 二人の女児を殺害したという許されない罪を負った響子の人生を追うことで見えてきたのは、“二番目の殺人者たち”ともいえる人々。 手にかけたのは響子だが、虐待やいじめ、閉ざされた社会の中で彼女を追い詰めた人々もまた、無関係ではない。 殺人を許すことはできないが、「殺さなければいい」という単純な問題ではないことは確かだと感じた。 一方で、母親の過干渉がいじめの原因になった、汚れた服や風呂に入らないことが理由でいじめられた、という描写には違和感があった。 確かにそうした背景はあるかもしれないが、どんな理由があっても「いじめ」をする人間が絶対的に悪い。 そこだけはどうしても納得できなかったし、腹が立った。 「いじめ」や「虐待」を受けたからといって殺人が許されるわけではない。 けれど、「いじめ」や「虐待」が人の心を深く傷つけ、人格をねじ曲げてしまうことは誰もが知っている。 それなのに、なぜいつも“やられた側”の原因ばかりが語られるのか。 「いじめ」や「虐待」をする側の罪を正しく罪として認める社会になれば、少なくともこの本のような悲劇は減るのではないかと思った。

    0
    投稿日: 2025.11.10
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    冒頭からかなり重い気持ちになりましたが、本の中に吸い込まれる感じで、一気読みしました。 生きて行く中で環境は大事と改めて思わさせる一冊でした。 柚木裕子さんの作品は一気読みしてしまいます。

    2
    投稿日: 2025.11.07
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    人は環境によって作られる。その環境を作るのも人である。愛にあふれた環境の中で育った人は心豊かな人となるだろう。しかし、劣悪な環境の中で育てられれば…。響子が生きているうちに主人公と関わっていたらと思うと切ない。

    0
    投稿日: 2025.11.05
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    おすすめポイント ・犯罪者にも事情があると思う人 ・閉鎖的な田舎のニチャッとした雰囲気を感じたい人 ・「いやいやいや、犯人は酌量の余地があるでしょ、むしろ、アイツが裁かれないのはおかしいっしょ」というモヤモヤ経験をしたことがある人 残念ポイント ・妙に説明的な割に肝心なところがわかりにくく、ストーリーもありきたり

    3
    投稿日: 2025.11.01
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    虐待とムラ社会。本家、嫁ぐ、小作人、地主。少し縁がない言葉ながら、誰にでも形の違う苦しい立場や関係は誰にもある。

    44
    投稿日: 2025.10.25
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    2人の少女(うち1人は我が子)を殺めた女性死刑囚が、執行前に遺した「守った約束」という言葉の真意を求める遠縁の女性が主人公のミステリー。 響子(死刑囚)が辿った人生はあまりに苦しく、それが故に起こった哀しい結末。そしてその「約束」も、儚い一本の希望の糸を手繰るようなものだった。 スナックのママが言っていた「どうしても幸せになれない人がいる」という言葉が人生の真理のような気がして、小説の世界の話として終わらせてはいけない気がした。 読んでいて気は重いけれど、めくる手は止められないような、哀しい物語だった。

    7
    投稿日: 2025.10.10
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    田舎の風景や情景、気温まで思い浮かべやすく、それが心地よかった。 決して許されることではない。擁護もできない。 しかし、死刑囚(犯罪者)それぞれの人生を、理由を、想いを知りたいと思う人がいるかもしれないこと。 私は今後、そういった人がいるのではないかと頭に浮かぶのだろう。 正直、このように事件に関するニュースは悲しく辛くなってしまうため得意ではないが…。 耳に入った時には、この本を思い出すと思う。

    1
    投稿日: 2025.10.06
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    読みやすかった。 ても切ない。 死刑囚が守った約束…最後に分かるけど切ない。 自分の言葉が誰に影響を与えるのか、誰の言葉で自分はどんな影響を受けるのか、育った環境って…人間形成にどれほど影響受けるのか。

    7
    投稿日: 2025.10.04
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    一度読み始めたものの、作品にのれず積読してた作品。ホラー作品3作読み終えて、気分転換兼ねて読んだら止まらず一気読み。なんでこんないい本を読まずに寝かせておいたのか後悔するくらいの作品。 作品自体も良かったし、解説もよかった。 「子供のときから心を支配されて、自分をなくしちゃったんだ」っていうママの言葉に「そうだよね」と思う部分もあるし、「そもそも自分があったことがないんだよ」と思ったりもした。 小さなムラの生きづらさとか、その中で軽視される尊厳とか、愛された経験がない故の判断の誤りとか… 響子と愛理があの世で出会えて、安らかに眠れますよう願わずにはいられない。

    0
    投稿日: 2025.10.04
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    すごく苦しくて 途中でやめたくなる本でした  過疎地 古い慣習 イジメ… でも結果を…約束をみつけないと辛すぎるので読めました 読んでよかったです 

    8
    投稿日: 2025.10.02
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    読み進めるうちに、胸が苦しくなるんだけど、それでもどんどん読み進めていってしまった。 田舎の小さな世界は経験もないけど、これが今もある世界なら、そんな世界は滅びればいい。

    8
    投稿日: 2025.09.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    幼い二人の子供の命を奪った響子は、世間からすると“毒親”で最低な奴だと思われても仕方ないと思う。だけどこの物語でも描かれていたように“誰もが目に見えるものだけで決めつけて、その裏にある事情なんて考えもしない。目に見えないものにこそ、大事なことが詰まっている”という考え方はこれから大事にしていきたいと思った。 響子は、父親からの暴力・父親を機嫌を伺う母親・周りからのイジメなど幼い頃から育った環境が恵まれていない上に、逃げる道がなかったから壮絶な人生を歩まざるを得なかった。そんな人生を愛する我が子の愛理ちゃんに歩んで欲しくないと思い、最終的な逃げ道として「死」を選んだと思うと本当に環境は大事だし、環境が人生を左右させると言っても過言ではないと思った。

    1
    投稿日: 2025.09.24
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    香純は響子の身柄引受人に遺骨を拒否する本家への交渉と理由を探るために様々な人から話を聞くと 村社会が故の迫害や虐めにあい続ける響子を知る。 最後の一言の 「約束は守ったよ、褒めて」がどうしても引っかかる 悲しい一言を告げられる響子。 真相を知ると悲しい切なく 話が飲み込めない! そして香純の行動に その場所遠くを見つめているような読み終わり 読後は放心状態に

    1
    投稿日: 2025.09.23
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    教誨 久しぶりに心の底から悲しい気持ちになった。 終盤からは響子の人生があまりにも不憫で、本を読み進める事さえ辛くなる。 主人公の香澄の行動や考え方に共感出来ない部分があり、大人達とのやりとりにおいては人間の本質的な醜さを知らない青臭さ、まだまだ”子供な”一面を見せる。一方で対比となる響子の人生は、彼女の両親、一族から不幸であり、学校でも家庭でも、そして社会でも居場所がないそんな人生だった。彼女の死刑執行の際に残した言葉、「約束を守ったよ、ほめて」の理由がわかってからは年甲斐もなく泣きじゃくりながらページを捲った。 今回、響子を取り巻く環境は異質に見えるが、田舎の閉鎖感を見事に表現している。私も田舎育ち、村で成長してきたが、すれ違う人は必ず誰かの知り合いだし学校でほとんど関わりの無かった同級生が結婚した、出て行った、など当たり前の様に知っている。 自身はある程度恵まれた環境にいたので(私自身が極端なポジティブの影響もあるだろうが)村を出るまでは気が付かないが、たとえば亡くなった祖父母はこの村だけが全てで、何十年も生活し(祖母に至っては自転車も乗れなかった)生涯を生きる人々にとっては今回の様な周りの人達の行動にも納得が出来てしまう。 香澄は響子の生き様について、間違えれば自分がそうなっていたのでは?と母親とのやりとり後に疑問を持ったが、同じように私自身にあまりにも境遇が刺さり、随分と動揺させられてしまった。 生涯で二度と読みたく無い傑作は数少ないが、僕にとっては結末は決して忘れる事は出来ないし、暴力や性描写など極端な表現を描かなくても一人の(いや、一人では無いな)女性の悲劇的な一生を描いた傑作である事には間違いない。 筆者の作品は好きなのだが、重たすぎるので中々捗らない。また心が強くなったら筆者の作品を読む事にしよう。

    18
    投稿日: 2025.09.23
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    我が子と、同じ年頃の子供との二人を手にかけた母(またある時は娘)の、犯行から死刑執行当日までの視点を、本人と従妹の二つの視点から追い、その考えを辿っていく物語。視点が行き来するものの、整理されているせいか読みにくさや混乱はなくすっきりとしている。世間の所謂「子殺し」の事件に多いように、本書でも「夫=父親」の存在は透明化され続けていたが、これが意図的なものかそうでないかはわからない。個人的な感触として恐らく前者であろうとは思われる。 当然ながら殺人を犯したことはないため想像でしかないのだが、本人に殺人に至る強い動機がなく、また犯行時の記憶がないことが逆にリアルに思われ、それらの記憶を手繰って最後の日にそれらに行き着くさまが、読後に言い知れぬ深い余韻を残した。

    6
    投稿日: 2025.09.17
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    どこかで聞いたことある事件がモチーフになってると思われる。 我が子と近所の子を殺めて死刑囚となった女性の最期の言葉から、事の真相を追う女性の物語。 事件の主人公である死刑囚も、彼女の家族もこの世に存在しない中、どうやって真相が?と気になって読み進む。 確かに親ガチャとか、育った環境とか、周囲の無理解とか、色々同情の余地はあるにせよダメなことはダメなのよ。 真相を追った彼女のモヤモヤはアレで晴れたのかなぁ?

    3
    投稿日: 2025.09.16
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    何も起こらない話。 主人公と周りの人が冒頭置かれていた状態から良くもならないし悪くもならない。 起きてしまったことは変えられないけどそれでもみんな一生懸命生きている。 そういう物語が好き。

    2
    投稿日: 2025.09.15
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    響子の地元ほどではないにしろ、そこそこの田舎育ちのアラフィフです。 響子の、千枝子の、寿子の、他人の、下手すれば家族までの顔色を伺いながら生きざるを得ない不自由さを、既視感をもって読み進めました。 「可哀そう」。うん。ウン。ウン…。

    1
    投稿日: 2025.09.14
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    子供が亡くなってしまったことに色々な理由があるのはわかる。環境が悪かったのも。 でも、どうも気持ちが入らない。 自分が母なだけにか?悲しい結果になんとかならなかったのかな?と思う。親戚だというだけでそこまでするのだろうか?理解が色々難しい。

    1
    投稿日: 2025.09.14
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    思っていた通りの重たい話だった。最後も決して救われたと言える終わり方ではない。 「物事には、原因と結果がある」 負の連鎖を断ち切れるのは何なのだろう?

    1
    投稿日: 2025.09.14
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    最初は淡々としていて、ん?と感じたけれど、気づいたらはまっていた。 罪を犯した理由も、そこに至る経緯も、あまりにも地味で、でもその時その場にいた本人たちにはどうしようもないことだったんだろうな、と。 ラストシーンは色んな意味でゾワっとしたし、怖かった。 2回目読み直し決定!

    1
    投稿日: 2025.09.14
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    やるせない気持ちになるものの、入り込んでスイスイ読むことができた。父親からの人格否定、父親から守ってくれないけれど過干渉な母親、長年に渡るいじめ、閉鎖的な故郷の町。幸せになりたいがなにもかも上手くいかない。読み進めるにつれ、故郷の人達や報道で語られる響子の人物像が違ったものに変化すると同時に、響子の境遇を不憫に思う。コスモスのママの言葉、『目に見えるものだけで決めつけて、その裏にある事情なんて考えもしない。目に見えないものにこそ、大事な事が詰まっている。』私も肝に銘じます。

    2
    投稿日: 2025.09.12
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    情景描写が圧巻。脳内が勝手にうら寒い曇天の北国特有の冷たい空気をつくりあげ、それを読んでいる間ずっと感じ、余計にこの物語を重く苦しく哀しくしているように思いました。 決して明るく、すっきり終わった話ではありません。 救いのない、どうしようもない感が強く残ります。田舎特有の排他感、意地の悪さも分かるだけに遣る瀬ない。生まれ落ちる環境を人は選べない、それは本当に可哀そうなこと。 毒親、ってネグレクトや暴力など目で見て分かることだけでカテゴライズされるものじゃないんでしょうね。それとなく自分の意に沿うよう洗脳し続け支配下に置く、言葉ひとつで子どもの命を握る、そんないやらしい親になっていないか、自省しました。

    2
    投稿日: 2025.09.11
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    我が子も含む女児二人を殺め、死刑となった響子。 響子の遺骨を青森県相野町にいる親戚や当時の関係者の元へ訪れる香純。 響子が最期に遺した言葉の真意を探るが、小さな町の周囲の目、どうしようもないやり場の無い怒りや葛藤と共に明かされる本当の姿。 「何が悪いわけでもないのに、上手くいかない人っているのよ。」 「皆どこまで信じるか分かったもんじゃない。誰もが目に見えるものだけで決めつけて、その裏にある事情なんて考えもしない。目に見えないものにこそ、大事な事が詰まっているのに」 「人格形成と育った環境は無関係ではない。 親や傍に居る大人の関わり方が、子の成長に大きく関係すると思う。だからと言って、子の過ちが親の責任であるとは思わない。」 「響子が犯人である事は事実だ。だが、事実と真実は違う。」 (一部抜粋・省略) それらの場面でとても印象的な言葉でした。 人を殺してしまった事には変わり無いが、誰一人でも頼れる人や愛せる人が居たら…と胸が痛くなりました。そして、色々と考えさせられました。 響子はただ幸せになりたいと願っていただけに、とてもとても辛くなる物語でした。

    12
    投稿日: 2025.09.10
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    親戚の死刑囚の遺骨などの受取人に指定された主人公がその死刑囚がどんな人だったかを調べながら進む小説。事件の全容やその時の心情まで描かれていて親と子というものの強い繋がりを悪い意味でも感じてしまうものだった。

    2
    投稿日: 2025.09.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    8歳の娘を殺して、更に近所の子供まで殺してしまった女性のお話。 本人は決して悪い行いはしていないけれど全てがうまくいかないのは、理不尽で不憫な環境が人格や人生に深く悪影響を与えその沼から出られず苦しんだ結果の出来事なんだなと思いました。 誰か1人でも彼女の苦しみを知ろうとしてくれる人がいたのか?という問いの切なさが辛いけれど、生前に1人でも手を差し伸べてくれる人がいたなら未来は全然違っただろうなぁ。

    11
    投稿日: 2025.09.06
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    響子は死刑になるその時まで約束を守ったかもしれない。 ただ、約束が何か明かされたところで、響子を擁護する気になれない。 終始、幸せな気持ちになれなかった。

    2
    投稿日: 2025.09.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    子殺しの死刑囚の最期の言葉「約束は守ったよ、褒めて」の謎を身柄引受人となった女性が追う小説。当然ながら暗い話で切ない。 文庫解説の堀川恵子は、永山裁判の著作もあるノンフィクション作家で〇。 文章は読みやすいがミステリとしては、最期の言葉の意味を理解している人が最後に現れる点と、死刑囚が最期まで“解放”されなかった点が、いまひとつと感じた。

    1
    投稿日: 2025.09.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    事件に関係する響子、千枝子、愛理ちゃん、みんなが可哀想でいたたまれない気持ちになった。 自身の子である愛理ちゃんを自分の手で殺めてしまった響子の気持ちは ほんの少しだけ理解できたように思う。 自分の娘がかつての響子のように学校のクラスメイトからいじめを受けていると知り、 それが自分(響子)のせいだと気づいたとき、自分ではどうしようもできない現状で、唯一この辛い現実から開放させてあげられる方法が「死」だと思ってしまうのも響子の境遇にあれば、無理はないと思った。 響子の最後の言葉「約束は守ったよ、褒めて」の一文は 最終章でようやく意味がわかったとき、とても悲しい気持ちになった。 親に対する子の思いはやはりいつまで経っても変わらないのだと感じた。 響子は家庭環境に恵まれず、町から孤立した存在でありながら、 最後はやはり故郷に戻りたいという思いがあったのだなと思うと、 なんとも言えない感情になった。

    2
    投稿日: 2025.08.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    文庫本で再読です。 お母さん、、、 そのコミニティにいる必要あったのかな お母さんのSOSを 見つけてくれる人がいなくて 3代同じ辛い思いをしてしまったんだと。 どうすれば救われるのでしょうか。

    7
    投稿日: 2025.08.27
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    読み切った。子供を思う親としてや、小学校の時の田舎で育って記憶など、色々思いながら読み切った、なかなかつらかったが。青森が舞台というのが、意味があったのか読み切れがなかった、田舎の狭いコミニティーはどの地方でも当てはまるような。青森のあの町が舞台だから起こりえたのか、ずっと気になりながら読んでました。

    2
    投稿日: 2025.08.26
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    幼いこどもを持つ同じ母親として、なんで、どんな理由があって、と自分自身が許されたいかのように読む手を止められなかった。 でも最後まで苦しい。私はもっと納得のいく言い訳を求めてたのかも。

    4
    投稿日: 2025.08.20
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    柚月先生は本当にいろんな作品を書くなあと思います。いつもの引き込まれてあっという間に読める作品です。登場人物も多くはなく小さな世界で紐解かれていく感じ。 最後まで暗く、根底に悲しみが敷き詰められています。いつもながら季節感や情景描写が美しく、悲しいながらも色彩豊かで、美しいです。

    2
    投稿日: 2025.08.19
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    最後まで重く暗い。田舎ではあるけどそこまで閉鎖的でない地域に暮らすわたしには、実感として理解出来ない部分もあったし、クズの男ばかりとつきあうのも、なんで?男見る目無さすぎと思ってしまった。でもまぁきっとそれがうまくできない人もいるんだよね…。悲しい物語てした。

    2
    投稿日: 2025.08.18
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    何故かすべてうまくいかない人っていますよね。 不器用で真面目で優しい人に多いような気がします。 響子さんは2人の子供を殺害してしまいました。読みながら気持ちが辛くなりましたが、柴原住職とコスモスのママに助けられました。 殺人は悪い事→罪を犯したら悪い人と単純に言い切れないですね。でも被害者は許さなくても良いとは思います。 永山則夫のことを調べてみたくなりました。

    13
    投稿日: 2025.08.16
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     死人の過去や秘密を暴こうとする主人公を見て、身勝手な自己満足ではないかという印象を受けた。無理矢理にでも自分を暴いて救い出してほしい人もいるかもしれないけれど。  この作品は、実際に人を手にかけた当事者だけではなく、それに至るような環境を作り上げた周りの人間にも罪はあると伝えたかったのかな。罪の範囲ってどこまでだろう。法で裁かれる罪と裁かれない罪。裁かれているのは人か罪か。裁いているのは法か人か。

    1
    投稿日: 2025.08.15
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    最近の作品である「逃亡者は北へ向かう」もそうだが、設定に無理を感じる。無理やり切ないストーリーに仕立てているような、、、佐方貞人シリーズのような爽快感のある作品を期待したい。

    11
    投稿日: 2025.08.10
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    辛い…何故、どうしてこんな悲劇の連鎖が… 現代の格差社会もこんな仕組みなのかもしれない。 いつか自分の身の回りにも、いや現在も起きているのかもしれない。それを忘れてはいけないと思いました。 約束とは、故郷とは、子どもへの想いとは、 今だからこそ、それらを考えさせられる作品でした。

    1
    投稿日: 2025.08.04
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    今まで自分は、死ぬのは怖くない、今日死んでもいいように生きていると宣っていた。そのように生きない人を区別し、同じ土俵にいないと考えていた。それは、浅はかな子供の考えであったと本書を読んで思う。死刑をありありと描く箇所は悍ましいほどの恐怖を感じた。今まで読んだ死刑の描写で1番怖かった。 死が、真後ろにある感覚 自分は都内出身者だが、幼少期から考えを狭められるという感覚は分かる。今もそれと戦っている。だが、戦えない環境に身を置かれた人は、どうすればよかったのか。

    1
    投稿日: 2025.07.28
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    虐待やいじめの連鎖による人格形成。 追い詰められたときの人間の行動。 閉鎖的な逃げ場のないムラ社会。 愛されることを知らない人間。 恐怖から愛する人を守ることのできない人間。 自分が一番かわいいと思ってしまう人間たち。 罪を犯す人たちが極悪人というわけではない。 誰もが2面性、善と悪を持っていて、その一面が明るみになってしまっただけ。

    14
    投稿日: 2025.07.27
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    帯に惹かれて手に取った一冊 主人公が情に訴えることで真相が明るみに出ていく、といった印象をもってしまった。犯罪に至った背景も、ありきたりに感じてしまった… ミステリを読みたい!というときの一冊としてはいまいちかな…

    6
    投稿日: 2025.07.26
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    ある意味人生が変わった1冊。最初から最後までずっと辛い文が続いていく。ただ辛いという言葉で逃げることができないのが「家族」や「生まれ育った地域」で、それらが人生のほとんどを決定しているのだと感じた。響子の存在を通して、殺人という罪名だけを見ても、その人がどういうひとかを判断することが出来ないと学んだ。私は最後の場面で泣いてしまったけど、それがなんの涙かも分からない、不思議な気持ちになった。 この本は特に、温かい家庭で育った人に読んでもらいたい。

    11
    投稿日: 2025.07.24
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    田舎で生まれ育った自分にとって、響子の姿はまったく他人事じゃなかった。読み進めるうちに、もし何かが違っていたら自分もああなっていたかもしれない…と胸がざわついて仕方なかった。 家族や地元の人たち、そこに住む親戚との関係って、時に優しさと紙一重で“刷り込み”みたいにもなる。田舎で暮らすことの息苦しさと、それでも離れられない何か。 「約束」を破ることの重みが、死んでからも語り継がれる世界の厳しさ。 静かで怖くて、しみる一冊。

    2
    投稿日: 2025.07.23
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    秋田県で起きた連続児童殺害事件を思い出しました。女性死刑囚の悲しい一生です。犯罪を起こす前に誰も彼女を助ける事はできなかったのか。

    31
    投稿日: 2025.07.20
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    読み進めて2006年の秋田県で起きた児童連続殺害事件を思い出した。 田舎ならではの閉鎖的で家長制度が生き続ける中での孤独感と疎外感をとても強く受け、読んでいてとても重く切なくなりました。

    1
    投稿日: 2025.07.19
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    「すべての者の鎮魂を願う」 死刑囚の響子が最後まで守った約束や事件の真実を読み進めるごとに知っていくと、最後に書かれているこの言葉がすごく胸に重く響きます。 何か1つでも違ったなら起こらなかったかもしれなかったのかな。 犯罪を犯した本人や響子に関わった側の人達の心情が丁寧に書かれている物語だけど、自分の人への接し方を改めて考えさせられるそんな作品でもあった。

    1
    投稿日: 2025.07.17
  • 流石、柚月作品。感動しました

    展開の見事さ、ストーリーの面白さ、そして感動の締め、素晴らしい作品といえる。 久々に、これぞ柚月作品と感じる一冊。 「あしたの君へ」以来の感動を味わうことが出来た作品。

    0
    投稿日: 2025.07.17
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    そこまでして守らなければならなかった約束なのか?という思いは閉鎖的な部落で生きている人にしか分からないんだろうけど、切ないな。 「教誨」 教えさとすこと。

    12
    投稿日: 2025.07.13
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    帯に著者の言葉として「どうすれば事件は防げたのか」と書かれていましたが、閉鎖的で古い地域性、終わらないいじめ、ろくでなしのパートナーなどこれでもかこれでもかと劣悪な環境が続いて、どこから手をつけていいのかわからない状態で、どうやっても事件は防げなかったのではないかという絶望的な気持ちになりました。

    3
    投稿日: 2025.07.09
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    吉沢香純は遠縁の死刑囚 三原響子から身柄引受人に指名され 刑の執行後響子の遺骨と遺品を受け取った。 極悪な犯人像の響子と香純の記憶にある彼女との間に相違を感じた香純は響子の故郷で彼女の人生の足跡を辿る。 閉塞的な土地で身内の暴力や恐怖によって自分の意思や価値観を支配された母娘の不幸の連鎖… 読んでいて辛かった。 正直に言うと物語の鍵になる〝約束〟にはイマイチ納得できなかった。 何よりも納得できたのはスナック コスモスのママの話しだった。響子に必要だったのはママみたいな人間だったと思う。 人としての尊厳を奪われたような所なのにそこに帰ることでしか安寧を覚えることができないなんて哀しい。 それともそれが故郷というものなのだろうか…

    17
    投稿日: 2025.07.09
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    自分には程遠い世界線の人たちの話に思えて 善と悪の狭間の、誰にでも起こりうる悲劇のように感じた。 どよんとした気持ちにはなったけど、人生というものは最初から最後まで決まっていて、そのルートを辿っているのか、側また運命は自分で切り開くものなのか 未来は誰にもわからないし、それでいて面白いのかもしれないし、それが誰かにとっては耐え難い苦痛なのかもしれないね 読んでいて、苦しかった

    10
    投稿日: 2025.07.08
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    2025年7月読了。  人から勧められて読んだ一冊。柚月さんの作品はこれが二冊目だ。死刑囚の響子が刑に処せられ、その遺骨と遺品を従姉妹の香澄が受け取ることになったところから物語は始まる。響子が最期に残した言葉「約束は守ったよ。ほめて」とは、いったいどんな約束なのか、無性に引き込まれる幕開けだ。読み進めると、犯罪を犯した人とその家族の世間からの風当たりの強さに胃がキリキリとする。実家からも引き取られない遺骨を抱えながら、香澄は殺人犯の響子の人生に寄り添おい、せめてもの理解者になろうとする。  この作品には苦痛に耐える弱者たちの声が聞こえてくるようだった。世間の日の当たらないところでは、多くの弱い立場の人々が虐げられていて、声をあげられずに我慢を強いられている。その声に耳を傾けようとする作者の姿勢に胸が打たれた。

    1
    投稿日: 2025.07.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    救いが無さすぎて読むのがしんどかった。 あの村だから。あの環境だから。あの両親だから。なにかひとつでも違っていたらこうはならなかったのかもしれない。母親との約束を守ることを最期まで心の支えにしていた響子だが、真実が明かされても響子の気持ちは理解できなかった。響子の生き辛さの一因でもある母親。自分の命を捨ててまで守ることだったのか?幼い頃からの環境や人間関係は正常な判断ができなくなるほど人を追い詰める、ということを響子の姿から感じた。 愛理や栞ちゃんはもちろん被害者だが、響子も被害者なのではないか。犯した罪は決して許されない。どんな理由があろうとも人を殺めてはならない。しかし、両親が、村が、環境が、響子を追い詰めたように思う。 解説も読み応えがあった。堀川惠子の「教誨師」も読んでみようと思う。

    1
    投稿日: 2025.07.06
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    読み始めてから時間がたってしまっていまとなってはなぜ読もうと思ったのか忘れてしまったこの本も読了した。遠縁の死刑囚の「約束は守ったよ、褒めて」とは何のことなのかを求めた主人公。田舎の閉鎖性、いじめ・蔑みの連鎖、ほんのちょっとした〇〇でなかったら・・・。主人公の母親の(この遠縁の死刑囚のようになるのが)「あなたじゃなくてよかった」はわかる。

    1
    投稿日: 2025.07.06
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    配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01438753

    1
    投稿日: 2025.07.02
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    なかなか重い 自分と家族がこういった環境でなかったこと感謝です。 永山則夫も参考になっているようで、やはり重いね

    1
    投稿日: 2025.07.02
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    我が子を含む女児2人を殺害した死刑囚が残した最後の言葉の意味と殺害の理由を追う物語。 重くて、苦しくて、読後なかなか立ち上がれない。 どうしたら、この世から、悲しい事件がなくなるんだろう。 「些細な行き違いが、悲劇を生むことがある。 ほんの少しだけ時間がずれていたら、その日の天気が違っていたら、あのときあの記事を目にしなかったら——そんなわずかな偶然で物事は起きる。」 だとしたら、救うことはできないのか。

    4
    投稿日: 2025.06.27
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    皆さんのレビューの通り、この本はとても暗くて重い物語。 明るい場面とかは無いし、共感出来る訳では無いけど、興味深い作品でした。 精神疾患があっても、責任能力があると判断され、死刑判決。 何故殺したのかも分からない状態だけど…。 閉鎖的な地元で、これでもかという程の悲惨な人生。 読んでいてとても辛くなりました。 こんな事許されるのか? 人間の闇恐ろしいです。

    38
    投稿日: 2025.06.24
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    暗い、辛い、悲しい。誰も救われない。 ほとんどどこにも笑ったり心が休まったりする場面がないので結構苦しいです。スナックのママとの会話シーンと青木圭子さんとの会話の部分は少しだけ軽めなのかな?それでも明かされる内容は辛いし悲しくて、ずっと胸が痛みます。 「どうしたら防げたのか?」と作者は書いてはいるけど、防ぐことを目的に読むものではなかったと思う。答えも救いもなくて、ただ真実が明かされただけでした。希望や解決策は用意されていないのでそれを目的に読むと辛すぎると思います。 私は田舎に住んだことはないしここまでの閉塞感も家父長制も経験したことがないから登場人物たちの痛みや恐怖が正直ちょっと遠く感じました。ネタバレなので詳しくは書けませんがこの「約束」を守った先の"救い"の部分にイマイチ共感できず。「故郷」や「地元」を大切にしている人にはもっと響くんでしょうか。。 主人公が自分でも言ってるけど、そこまで響子に肩入れして理解したいと思うようになる理由が弱いというかほぼなくて、もちろんこの主人公がいないと物語は成り立たないので仕方ないけど、終始置いてけぼり覚があったのは否めないかな。 読んで救われるような心が洗われるような話では全くないですが、読んで損はないと思います。重く考えさせられます。

    1
    投稿日: 2025.06.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    誰かと助け合って生きていくというのは一見いいことのように思う。 人は1人では生きていけないし、全てを上手くこなすことなどできないから必要なことなのだろう。 それが行き過ぎた結果なだけで。

    1
    投稿日: 2025.06.21
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    一人の女性が起こした事件の裏に隠された、切実で救いのない真実の物語。 自身の娘と近所の子どもを殺害した響子。その罪は揺るがないが、事件の本質は「なぜ、そんなことをしたのか」にある。 死刑執行前、響子は「約束は守ったよ、褒めて」と呟いた。その“約束”を知るため、遠縁の香純は青森へ向かう。香純の、自分の行動が供養なのか、ただの自己満足なのかと自問する姿が胸に迫った。 ほんの少し歯車が違っていれば、事件は起きなかったのかもしれない。 閉鎖的な地域社会、利己的な家族、いじめ、病気。いくつもの問題が絡みつき、響子を追い詰めた。 愛着障害が人の心や人生を歪め、それが次の世代へと繋がっていく恐ろしさを痛感する。 誰の身にも起こり得ることだからこそ、悲しい連鎖を断ち切る社会であってほしいと願わずにいられなかった。

    24
    投稿日: 2025.06.20
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    どうなんだろうな。共感はできないけど、子供の頃からずっとずっと心を傷められ続けて生きていたら、確かに当たり前ではいれなくなるのだろう。 普通の精神状態で考えると、でも結局、自分でしょう?子供が可愛かった、愛しかった、なのに何故?って言ってみてもやはり自分を助けたかったのでしょ?って思ってしまう。 ただ、それは普通の精神状態だったら、ということ。愛情深く、綺麗な心を持っているはずの人間が歪められて追い詰められて、普通ではない精神状態になるとありうるのかもしれない。 精神病者と正常な精神の人。どちらかひとつではなくて、正常な部分と異常な部分、両方が1人の人間に存在して、罪を犯してしまう瞬間があるのかもしれない。その状態は側からは正常な精神状態に見えて、本当は心が病気にかかってる状態と言えるのかもしれない。 結果、あまりよくわからない。でも世の中で起こっている殺人事件、こんなこともあるのかもしれないと思った。

    21
    投稿日: 2025.06.15
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    読み終わってから時間がたってしまったので、記憶があいまいなところもあるが、響子がなぜ2人の子供を殺してしまったのかがよくわからなかった。また、響子に1度しか会ったことのない香純が、なぜ響子の人生にそこまでこだわるのかについても、あまり共感できなかった。

    1
    投稿日: 2025.06.14
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    約束は守ったよ、褒めて」 死刑囚・響子が最後に遺したこの言葉が、何を意味していたのか。 物語は、その謎を少しずつ解き明かしていく。 犯した罪は決して許されるものではないけれど、彼女の生い立ちや環境を知るうちに、もしほんの少しでも違う人生があったなら——と考えずにはいられなかった。 その一言に辿り着くまでの道のりと、罪を犯した彼女の心の軌跡が丁寧にリンクしていて、最後まで一気に読ませてくれた。

    2
    投稿日: 2025.06.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人間の弱さと脆さ、はかなさがつらい 育った環境とか、特に親との関係性とか 自分の存在を否定されるような 愛情不足の中で傷ついた結果、 愛が分からなくなってしまったわけで ただただ寂しい人生やなぁと 生きる上でなによりも悲しいことは 愛を感じれなかったり、不足を感じることなんかも

    1
    投稿日: 2025.06.13
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    とても切ない小説でしたが、最後まで一気に読んでしまいました。人の罪とは何か、愛情とは何かを考えさせられました。

    0
    投稿日: 2025.06.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2人の女児の殺害で死刑となった響子 動機が見えない彼女になにがあったのか、遺骨を引き取ることになった遠縁の主人公が迫っていく物語 響子の母親の一言で愛する我が子を殺してしまう部分を理解できないというコメントも見たが、 殺人を犯す人の心理が合理的な訳もなく、何をしても嫌われ、報われず、裏切られ、抑圧され、ギリギリの精神状態の時には刃のように心にくるものがあったと想像できた 可哀想にという一言で、生きている価値がない、生きていても幸せになれない、娘にも同じ思いをしてしまうと、確信してしまったんだろと。 この殺人は村のみんなが引き起こしたものというスナックのママの言葉が核心に迫っていたと思った。殺人は肯定されるべきではないが、村の皆が全員無実なのかというと、それは違う。 自分のしてきた事や、振る舞いを、振り返らずにひたすらに攻撃、糾弾する、醜さに響子が潰されてしまったと感じた 報道やSNSで誰かを糾弾している私達、同じじゃないか? 村というのは例えであって、自分のいるコミュニティでの体面や言説を信じて、何かを抑圧している。 心当たりがない人は居ないし、大した罪悪感もない。そういう扱いをされても仕方ないから。 でも、何かを確実に奪っているんだと身につまされる。

    1
    投稿日: 2025.06.08
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    我が子を含む二人の女児を殺害したとして死刑を執行された三原響子。彼女の最後の言葉、『約束は守ったよ、褒めて』。この言葉の意味を知るために、響子の遠縁にあたる吉沢香純が行動する。早見和真氏の『イノセント・デイズ』を思い出した。哀しい。

    30
    投稿日: 2025.06.08
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    主人公が 幼少の頃1度だけあった親戚のお姉ちゃんが殺人を犯したからって、 なぜここまで真相を知りたがるのか… 母親が『あなたじゃなくてよかった』って言葉も、なにか的外れな気がするし… 主人公の野次馬根性みたいな感じに共感はできないけれど でも 田舎のよそ者を受け付けない閉鎖的で、そして隣人を監視するような興味津々に詮索する感じ…。 無言の圧に、変化を嫌がり、排他的思考。 わかるわー。 生き辛さMAX。 誰か味方がいれば、心通わせれる人がいれば 違ったのかも知れない…。 親に愛されたい、親に褒められたい、親が悲しんだり、親に哀れまれたりされたくない。 やっぱり 行き着くとこは家族愛。 親子愛。

    0
    投稿日: 2025.06.06
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    千枝子の一言が決定的な引き金となったのが納得できない 千枝子、響子共に故郷への執着がかなりあったようだが、その想いについてももう少し説明がほしかった 田舎生まれ田舎育ちで一生を閉鎖空間で終える人皆がこのような思いを抱えるのだろうか 主人公の動きも理解できない まず主人公が罪人をはなから悪人と決め込んでいたのが最初から違和感あるし、動機や背景を知ることで自分との違いを自覚して私はこうはならなかったと思いたいという保身的な姿勢、行動に理由があると信じて疑わない態度にいらいら。 ふとしたきっかけで人は法的に悪と分類されるものに手を染めうる、ただそれだけでは 死んだあとになって可哀想って言われてどうなる 5歳の女の子殺したのも、響子を死刑設定にしたいから無理やりって感じで状況描写があまりに少なく、取ってつけた感が残念

    2
    投稿日: 2025.06.05
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    2人の幼児殺害で死刑になった響子。響子の遺品と遺骨の引き取り手に指定された遠縁の香純。 香純は響子の残した言葉が気になる。また遠い昔に1度だけ出会った響子の人となりと、残忍な犯罪が結びつかず、犯罪が行なわれた響子の故郷に行った。 地方の閉鎖的な町、昔ながらの家柄などによる差別、家父長制の害を煮詰めたような環境で、響子は育ったことがわかる。 犯罪って何だろう?と思ってしまった。響子は確かに人を殺したが、あの環境でなければ、そんなことはしなかったのではないか?などと思った。 香純が響子を追体験するのと同時に、私も響子の人生を知ってとても悲しくなった。

    34
    投稿日: 2025.06.04
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    2025.6/3 あや?期待しすぎた? ごめんなさい、誰にも共感できなかった。 都会で生まれ育ったからかな… 田舎の、閉鎖された空気感を感じたことがないからか、全く共感できず。。 いじめ、虐待などで性格がひん曲がって凶悪殺人犯になる人は実際ごろごろいるわけだけど というか、凶悪殺人犯のほとんどが、そうなわけで(生まれつきのサイコパスは除く 今更つらつらと言われたところで、で?となる。 その先がない。じゃあどうすればよかったのか。 この事件が起きないためにはどうすればいいのか。 新しい発見のない内容だった。 ちと残念。 フェミニズムに言及するわけでもなく、 田舎の、嫁いだ嫁は大変ね、で終わらせてしまっては何も解決しないよなぁ。 問題定義はいいが、その先に、主人公がどう行動して行くか。 それが見たかった。

    1
    投稿日: 2025.06.04
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    吉沢香純と母の静江は、遠縁の死刑囚三原響子から身柄引受人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取った。響子は我が子も含む女児二人を殺めたとされた。事件当時、「毒親」と散々に報じられた響子と、香純の記憶は、重なり合わない。香純は、響子の教誨師だった下間将人住職の力添えを受け、遺骨を三原家の墓におさめてもらうために、菩提寺がある青森県相野町を単身訪れる。香純は、響子が最期に遺した言葉「約束は守ったよ、褒めて」が気になっていた―。女性死刑囚の心の裡に迫る、長編犯罪小説!(e-hon)

    1
    投稿日: 2025.06.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    めちゃくちゃ重たい話です。 読み終わりにどっと暗い気持ちになりました。 ネガティブな気持ちの時よむものではありませんね。 娘と5歳の女の子を殺してしまった死刑囚の女の話。 彼女が何故このような犯罪を起こしてしまったか?遺骨の引き受け先に選ばれた遠縁の香純は彼女の納骨の為に青森の菩提寺を訪ねるが、拒否されてしまう。 娘時代に一度だけ会ったことのある響子の印象と 子ども二人も殺してしまった女とはどうしても重ならない。 日記に残された最期の言葉「約束を守ったよ。褒めて。」がどうしても引っかかり、その謎をつきとめるために香純はツテを求めて青森、秋田と動きまわる。 そして真相にたどり着いた時、あまりにも悲しい響子、その母親千枝子、そして殺してしまった愛理の過去に触れてしまう。 田舎町の因習や連帯感、よそ者を疎外する風土、青森の厳しい環境と相まってなんともやるせない。 陰湿なイジメ、田舎の閉鎖性、家父長制度が複雑に絡み合い女が我慢するしかない前時代的な土地で生きてきた女。 せめて誰か覚えておいてあげたいと思うのは、必然なのかもしれない。

    1
    投稿日: 2025.05.23
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    「約束は守ったよ、褒めて」という言葉で救われるのかと思いきや...。最後まで「可哀そう」な真実。 柚月裕子さんのスピード感が自分に合っていて、いつも一気読み。香純というキャラクターを掘り過ぎない所も程よき。ただ親戚関係がなかなか頭に入らなくて何度も確認してしまった。

    0
    投稿日: 2025.05.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    我が子と、幼い女児を殺害した死刑囚。彼女が最期に残した言葉の意味は何なのか。それを知るために、香澄は小さな町の関係者に拒絶されながらも懸命に響子の人生を追っていく。 「生前に何があっても、死んだら誰もが仏様」 わかってはいても、そう簡単には割り切れない。せめて死後くらいはと思う香澄の気持ちも、決して同じ墓地では弔いたくない檀家の気持ちもわかる。 香澄の視点で見ると、なぜ響子は死してなおここまで虐げられなければならないのかと憤りを感じるが、ふと冷静に考えると響子は自分の子どもだけでなく見ず知らずの他人の子どもまで殺害しているという決して赦されることのない重たい事実がある。実際にこのような事件があったとしたら、間違いなく自分は響子を徹底的に糾弾し、迫害する側だろうということに気が付く。 このような作品を読むたびに自分の中の価値観が揺さぶられる。そういった意味でも素晴らしい作品。 死刑執行の息詰まる場面も秀逸。この世界で、自分に捧げられた線香の匂いを嗅ぐのは死刑囚しかいないのではないだろうか。

    1
    投稿日: 2025.05.18
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    読み終えて、何だろう、哀しいのだろうか。 人とは、親とは、何だ? 目頭が熱くなった。 何だろうか、この感情は。

    8
    投稿日: 2025.05.18
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    『約束は守ったよ、褒めて』 謎の言葉を残して、刑が執行された。 遠縁の死刑囚 三原響子の遺骨を胸に、吉沢香純は響子の故郷 青森県相野町を単身訪れる。 果たして、なぜ響子は幼い女児2人を手にかけたのか? 女性死刑囚の心の謎に、香純が迫る。 そこには、悲しい過去の悲劇があった、、、

    17
    投稿日: 2025.05.17
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    重い本。主人公のモチベーションがいまいちわかりにくかった。昔の田舎には、こういう事もあるし、こうした不幸もあっただろう。とにかく重い。

    0
    投稿日: 2025.05.11
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    面白かった! 子供2人を殺した死刑囚の心のうちを描き出す傑作。 彼女の、なにが、そうさせたのか。 誰も、助けられなかったのか。 あまりにも悲しくて切ない。

    0
    投稿日: 2025.05.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    死刑を執行された殺人事件の犯人のお話。 彼女は自身の娘と近所にいた少女を殺した。 なぜか?これを遠縁の香純が調べていくのが本作の物語。 ひどい話の連続で何度も手が止まった。人が死んでいるのに捜査に協力せず自己保身に走る老人のなんと悍ましいことか。 響子はこれからも続くであろう負の連鎖のうちの1つを終わらせたのだろう。たった1つだけで他にいくつも負の連鎖は起こっているし、彼女のした事は許されない。 村社会なのは田舎だけでなく日本人全ての特徴だと思います。

    1
    投稿日: 2025.05.06
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    負の連鎖が、世代を追う毎に増幅されて、最後に悲しい結末となってしまったという感じ。 令和という世の中でも、地方ではまだまだ古いしきたりのある集落が多いだろうから、現代でもあり得そうな話でした。

    0
    投稿日: 2025.05.05
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    やりきれなさが残る読後感。 東京生まれで田舎がなく、子どももいない私には、響子や千枝子に感情移入するのが難しかった。 約束が何だったのか分かったのはいいんだけど、うーん。

    0
    投稿日: 2025.05.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読了後、とても切ない気持ちでいっぱいになりました。 このやるせない気持ち…ただ、ただ、死刑囚である三原響子が無事に千枝子や愛理ちゃん、栞ちゃんと会えてることを願うばかりです。 作中にあったスナックのママの言葉が印象的でした。 「誰もが目に見えるものだけで決めつけて、その事情なんて考えもしない 目に見えないものこそ、大事なことが詰まってるのにさ」 まさにこの通りだと思います。 報道が全てではない。 歪んだ報道に惑わされてしまい、真実が知られずに終わってしまった響子の人生。 親戚や一族から肩身の狭い思いをしてきた千枝子。 二人はただただ幸せになりたかっただけなのに…。 作品を読んだあと、改めて帯にあった作者からの問いかけに心が揺さぶられました。 心に残る一冊です。 最後の解説まで読みましたが、同じような事件が実際に起きていたことも改めて知りました。 実際、事件となった永山死刑囚の「木橋」も読んでみたい。

    16
    投稿日: 2025.05.03
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    死刑囚三原響子が残した言葉「約束は守ったよ、褒めて」の意味を巡り、遺骨を託された遠縁の吉沢香純が関係者を訪ね歩くミステリー。 響子は我が子を含め二人の女児を殺した罪で死刑となるが、果たして本当に毒婦だったのか、香純とともに読者も真相の森の中へ招き入れられる。 響子が犯人であることは事実であるが、事実と真実は違う。 香純が訪ね当てた一人の人物が語る言葉に、この事件の真相を見る。 「言っても、みんながどこまで信じるかわかったもんじゃない。誰もが目に見えるものだけで決めつけて、その裏にある事情なんて考えもしない。目に見えないものにこそ、大事なことが詰まっているのさ」

    14
    投稿日: 2025.04.29
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    自分で言うのも何ですが要領が良い方だと思います。なので、学生時代から今までイジメられた事がありませんし、どちらかと言うと本当の自分より周りからの評価が高いこともあります。逆に、私なんかより真面目で仕事も一生懸命なのに評価されない人も沢山いて、そんな不器用な人に憧れる事もあります。取り止めのない話になり自分でも何が言いたいか分からなくなりましだか、久しぶりに色々考えさせられる作品に出会えて良かったです。

    1
    投稿日: 2025.04.24
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    死刑囚となった響子の過去を読みながら、親鸞の「無明長夜」と言う言葉が浮かんだ。明日に一条の光明さえ見えず果てることのない無明の闇の中を彷徨う毎日、娘の手を離してさえも闇から逃れ救いを求める心。手を離され命の灯を消された娘は尚不憫過ぎる。犯罪者の家族に対する村社会の監視と排斥の物語も痛ましい。人は皆無垢で生まれるが、その未来は育つ境遇で明暗に分岐する。 「もしかしたら、自分が彼女になっていたんじゃないかって」という香純の言葉に自分では変えられない宿命を考えさせられる。死刑制度や村社会についても色々と考えさせられる一冊でした。

    19
    投稿日: 2025.04.23
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    実話とそうでない部分の区別がつかないけどそんな事まったく気にならないストーリーの展開で全てが実話であった様な不思議な読後感でした

    0
    投稿日: 2025.04.21
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    夢中になって読んだ。なんか悲しい話。 響子の人生ってなんだったんだろう。父親の虐待、母親の異常な過保護、元旦那も付き合った人たちも誰も味方いないっていうか、母親ももっと響子を守ってほしかった。 それと死刑執行のリアルさが怖かった。 今でも小島町みたいな田舎の町はあるのだろうか。

    18
    投稿日: 2025.04.20
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    ノンフィクション作家!と帯に書かれていたからノンフィクションだと思って読み始めてしまった。 田舎の生きづらさや家庭環境や、様々な要因が重なって最悪の結果になっていると思った。 誰も報われずに進むのがリアルで、結婚して子供がいれば幸せでは無いということがまざまざと感じられる。 主人公も知りたいというだけで首を突っ込み、自己満足だと言われていてその通りだと思った。 誰にも感情移入出来ずに淡々と読み終わってしまった。

    1
    投稿日: 2025.04.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2025.4.19 「約束は守ったよ」のこの約束が何か知りたい一心でページを捲った。 個人的には、んーーこんな結末かあ、と少し拍子抜け。田舎ならではの生きづらさも、きっと本当にこんな環境なのだろうなと思いつつ、千枝子も響子も、生きてきた境遇がまずつらすぎるもので、 そこから人生好転することなく、結果殺人に手を染める。 唯一自分が産んだ娘が幸せの象徴だったはずなのに自ら手をかけてしまうのは、そこまで、追い詰められた精神、身体的苦痛からのものだとは思うがなんだか納得がいかず…。救いようのない真実に心が苦しくなる。もう少しこうなる前にどうにかできたのではないか?と思わずにはいられない。 結果母が一緒の墓に入りたいから、黙ってなさいってことだったっていう理由もいまいち納得いかない。 生前あんなに犯罪者として世に知れ渡って、より2人を生きづらくさせてるだけなのに。 それまでの響子の境遇ももっと周りの人に知られてたら、刑も軽くなったかもしれないのに。 自分たちで自分たちの首を絞めていたのでは?とも思ってしまう。 たった一度しか会ったことのない親戚への謎の探究心で真実を追う香純もなんだか好きになれず…。 ただの自己満足でしかないと言われていたがまさにその通り。 登場人物誰にも感情移入できずに終わった。

    0
    投稿日: 2025.04.19
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    犯人を追うわけではなく、ただ知りたいという気持ちだけで引き込ませるのはさすがだなと思う。 それにしても悲しい話だった。

    2
    投稿日: 2025.04.17
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    田舎町の閉塞感と虐待・イジメの連鎖が苦しくて哀しい。 どうすれば事件を防ぐことが出来たのか。どこまで遡れば響子(もしくは母親の千恵子?)の人生は変えられたのか。 香純が身元引受け人なった経緯や、次々と関係者が現れてくる展開は少しご都合主義感もあるけれど、そんなことよりも私も(香純の母親と同じように)私自身や身近な家族、友人が響子ではなくて良かったと心から思った。 また、解説にあった"生きることを頑張るためのエンジンを動かすガソリンは愛情だ"という言葉が心に響いた。 私も人から与えられた愛情を感じるからこそ、人にも惜しみなく愛情を与えられる人になろう。 それが少しでも誰かのガソリンになるなら。 1点だけ。 自分も作者の出身や本の舞台となった東北の生まれだからこそ田舎の事情も理解するが、これが全てだとは思って欲しくない。 心の温かい人たちや助け合いながら生きているコミュニティもたくさんあることも知って欲しい。 同じく解説で出てくる実在の類似事件と死刑囚が書いた小説もすごく気になるので調べてみる。

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    投稿日: 2025.04.17
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    「約束は守ったよ、褒めて」 この帯の言葉…死刑執行後の遺骨引き取りの連絡を受けた遠縁の香純は何故わたし?子供の頃一度しか会ったことないのに? 遺骨の引き取りはおろか、同じ寺に入れる事も拒否する響子の本家に困り果てた香純だったが… 何故響子は子供二人を殺めたのか 頑なに新潟に行くのを反対する母親 一度しか会ったことはないが香純の中の響子と世間が言う極悪人とは結びつかない… 香純は自分の気持ちに答えを出すために響子の故郷に行く事を決意する 悲しく辛い小説だった 田舎、本家の力、結束、村八分… 家長が全て、虐げられても我慢する母親 苦しい(-_-;) 柚木さんの文章が読みやすいから手が止まる事なく一気に読んだけど…胸が詰まる ちょっと一発ずつ殴ってやりたい そして解説の堀川さんにまたまた胸が…(;´д`) 知ってはいたけど「木橋」を読む勇気はまだないなぁ

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    投稿日: 2025.04.16
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    響子が想ったこと 響子の周りの人たちが思ったこと そして 香純が考えたこと それぞれの辛さで心が しん としてくる 所々で 映像が浮かぶ うん? このイメージはなに? 何かのドラマか映画の一部かな? 不思議……

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    投稿日: 2025.04.16
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    面白かった。柚月裕子は安定に。 私の好きな慈雨みたいな人生系。 めっちゃ時間かけて読んじゃった。 結局みんな自分が好きなんだな 田舎の狭いコミュニティって色んな意味で怖いな

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    投稿日: 2025.04.15
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    人は誰もが帰る場所を探しているのだろう。その場所は人それぞれで、ある人は故郷であったり、ある人は愛しい者がいる場所かもしれない。響子さんが一番帰りたかった所に帰る事ができ良かったと思う

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    投稿日: 2025.04.15
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    1ページめくったら読みやすくていつの間にか読み終わった。文字から風景が見えてきます。 後半になるにつれ切なく、主人公の気持ちになると涙が止まらなかった。もう一度読みます。

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    投稿日: 2025.04.14