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河童・或阿呆の一生(新潮文庫)
河童・或阿呆の一生(新潮文庫)
芥川龍之介/新潮社
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総合評価

130件)
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    この年になっても文学作品は苦手。 何故なのか?本書を通してゆっくり考えてみた。 問題なのは、「心が躍らない」ということ。 要するに心がまだまだガキなのだろう。 文学作品というのは、人の心情を深く深く掘り下げたり、 些細もないこと、何気ないことに深い意味を見出したりする。 また、「河童」のように現在の社会に関心を示し、悲哀の情を抱き、 苦しみ喘いでいる作者の気持ちを諷刺という形で文章にしたりしている。 面白い。 だが、心は躍らない。 畢竟、心に残るのはだから何なのだ?という気持ちだけ。 まだまだ頭が硬いなーと思いながらも、 この面白さに心が躍るようになれば、自分も成長したという標にもなるということ。 いろんな本を読みながらも、たまには文学作品も読んでみよう。 と言いながら、只今、「蟹工船」に手をつけていますが…

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    投稿日: 2010.11.10
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    芥川龍之介の後期の作品を集めた一冊。 「河童」は、冒頭から頭がおかしい人の世界だよね。河童の生活を通して描かれているのは人間の生活についての皮肉で、鋭敏な洞察と知性が感じられる。 「或阿呆の一生」はニーチェを読んでいるような神秘的な感じ。どの章をとっても、比喩に富んでいて詩的だけど、読み手に向けて開かれていない言葉。 「歯車」は、不安と緊張が心をとらえる。これは統合失調症の感性だよね。言葉に実体がなくて空虚で、別のイメージにどんどん横すべりしてしまう展開がやっぱり凄い。  作品の感じとしては「玄鶴山房」が好き。芥川独特の諧謔に満ちた世界観が、少ない人物と狭い空間によくあらわされている。 憂鬱というよりは「うつろ」を感じる作品たち。

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    投稿日: 2010.09.07
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    人間、本気で神経衰弱になるとどんなことを考えるのかがよく分かる。生々しすぎてフィクションとは思えない、辛かったんだね芥川先生。 或る阿呆の一生がもはや遺書にしか読めない。 芥川はやっぱり天才だから、書きたかったんじゃなくて書かざるを得なかったんだと思う。自分が頭の中で考えていることを明確に言語化できたからこそ、自分の脳みそがどれほど絶望で満たされているのかをまざまざと自分自身によって見せ付けられてしまうのだろう。多分それは、ガンをレントゲンを通して見ることと、皮膚を切って患部を直接見ることとの間にある差のようなものだ。 五十一 敗北  彼はペンを執(と)る手も震へ出した。のみならず涎(よだれ)さへ流れ出した。彼の頭は〇・八のヴエロナアルを用ひて覚めた後の外は一度もはつきりしたことはなかつた。しかもはつきりしてゐるのはやつと半時間か一時間だつた。彼は唯薄暗い中にその日暮らしの生活をしてゐた。言はば刃のこぼれてしまつた、細い剣を杖にしながら。

    0
    投稿日: 2010.08.04
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    初心者にも親しみやすく字が大きめ、昔の活字の小さいものが好きなので、いまから活字は無理としても文字の大きさだけでも小さくしてほしい。 マニア用と初心者用と分けてもいいと思う。 古本で昔の版で綺麗なものを探したい。

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    投稿日: 2010.07.17
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    或阿呆の一生」は、芥川龍之介のぼんやりとした不安に至までを客観的に(文体は…)綴っている。行間がとても多くて、すぐ読み終わる。私は世にも阿呆な人生をこうやって生きてきて、死んでゆくのだと、笑ってください、というのを芥川さんとは見ず知らずの私がこうして知る事になるとは、思って書いてないんだろうな。しかし、この方は小説や古典はもちろんだけど、思想家や音楽や絵画も宗教も知っていて、おそらく沢山の戯曲も読んでいるんだろうというのをこの作品を読んで知った。様々なことに思いを馳せて、先人の主義主張思想その他諸々を蓄えたけど、結局自分は自分でしかない、あれはあれだけど、これはちがう、あれもちがう、でもこれはあれだ、みたいな矛盾を抱えたりしなかったのかなと。そりゃ早死にするわね、なんて、夢も希望も無いことを感じた。一度の人生だから、なんて考える暇もなく、そういう風にしか生きていられなかったのか。きっとそうなんだろうな、180°違う選択肢を用意する暇もないくらい、忙しく思考を巡らせていたに違いない。なんつって。

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    投稿日: 2010.01.27
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    お勉強と思って読んでみたら、意外にも面白くって嫌んなっちゃう。河童のメスの強烈さに、近頃の肉食系女子が思い浮かんだ。時には慎みも大事だなぁ。

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    投稿日: 2010.01.07
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    芥川賞で名前だけはよく知っていた芥川龍之介。 まともに読んだことなかったけど、やっぱり有名なだけあって文章うまいんだなあ。「玄鶴山房」がよかった。「河童」も結構面白い。 Kさんお勧めの「歯車」はなるほど、ものすごいインパクト。レディオヘッドのKIDAを初めて聞いた時みたいな。「蜃気楼」もそうだけど、狂気の疑似体験ができる感じ。 それは、これが遺稿だからと知ってるからかもしれないけど。 「或阿呆の一生」は残念ながらよさがさっぱりわからない。ただ、あっという間に死ねる薬の存在は、確かに心の支えになりそうだなと思った。

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    投稿日: 2009.12.28
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    読んでると、自分までくらくらして芥川さんの白昼夢のなかに引きずり込まれる。その夢うつつの感覚が、ちょっと気持ち悪さもあるんだけれど、やめられない。幼い頃、ぐるぐるまわって目がまわる感覚が、気持ち悪いのに気持ちよく、なぜか繰り返し回ったものだがそういう感じ。

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    投稿日: 2009.12.26
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    「人間の世界」を批判的に描いた、「河童の世界」。 ニーチェの超人思想からもじったと思われる、超人倶楽部に集まる河童たちは、芥川自身(およびその思想)が投影されている。 河童世界は芥川の頭の中の世界といってもよいだろう。 また、「阿呆の言葉」とは芥川の「侏儒の言葉」に他ならない。 「あまり憂鬱(ゆううつ)ですから、さかさまに世の中をながめて見たのです。」 河童・ラップの言葉であるが、まさにそのような思いで本書に取り掛かったのではないか。 しかしながら河童の世界にも解放できぬ苦しみが存在していた。 芸術のための芸術、芸術至上主義。そして懐疑主義。その先に待つは発狂か自殺か。 前半は童話形式で童心に返る思いでぐっと引き込まれるが、終盤に進むにつれ哲学、宗教、芸術などの思想が苦悶の中で展開されていく。 アイロニーが随所にちりばめられ、人間世界に警笛をならす著であると同時に、その批判的エッセンスに芥川自身も苦しんでいるように思われる。

    0
    投稿日: 2009.09.14
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    『河童』大好きです。 ある精神病院に入院している患者が 『自分は河童の町で暮らしたことがある』と 先生と私に語りだすというお話しです。 河童が皆個性的で、人間社会と差して変わらなかったり、 かと思ったら全然違うかったりと魅力たっぷりな作品です。 でも内容は結構重いです。 後期に書かれた作品なので、『羅生門』や『蜘蛛の糸』などに比べると 何処か違う印象を受けました。。 この文庫に載っていたのかはちょっと分からないのですが、 『点鬼簿』という作品にも、 どこか同じ印象を受けました。

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    投稿日: 2009.09.03
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    『大道寺信輔の半生』 悩める青年・大道寺信輔の半生。未完。 『玄鶴山房』 玄鶴山房に集まった一族の物語 『蜃気楼』 『河童』 上高地で河童の世界に迷い込んだ男の回想。 『或阿呆の一生』 或阿呆の一生。自伝的な小説。 『歯車』  2009年8月26日購入  2010年7月28日読了

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    投稿日: 2009.08.26
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    鼻、杜子春など古典作品しか読んだことがなかったので、この作品で見方が大いに変わった。 貴重な一冊に感じた。

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    投稿日: 2009.03.28
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    国語の授業が嫌いだった人はきっと芥川なんてつまらない小説家だと思っているだろう。 特に得意でも不得手でもなかった人はきっと芥川の本をわざわざ買って読んだりしないだろう。 そんな人たちはこの一冊を読んで欲しい。 俺は言いたい。 「芥川舐めんな!!」と。 この一冊は新潮で出ている他の文庫よりも異質な感じになっている。 表題作の二つは勿論なのだけど、最後に載っている「歯車」が怖い。 芥川が自殺した理由が何よりも伝わってくるのだ。 これから自殺します、という感じがひしひしと伝わってくるのだ。 太宰でもそれは伝わってくるのだけど、そういう作風が多いためあまり有難味を感じなったりするのだけど、芥川の場合「歯車」一つだけで何もかもぶち壊したという感じがするのだ。 「歯車」が表題作にならなかったのは社会的な配慮があったのでは、とさえ思える。 名作ではないかもしれないが、彼を知る上では外せない作品。 個人的には最高傑作。

    1
    投稿日: 2009.03.14
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    芥川龍之介の晩年の作品を集めた、 新潮文庫の『河童・或阿呆の一生』 自殺にいたる晩年の芥川。 そのころの、「完熟して、朽ちていく」 そんな様子がひしひしと伝わってくる内容でした。 中でも、『蜃気楼』に魅了されました。 ただ、蜃気楼を見にいくという単純な話の中。 自然の静寂の中にも、人には聞き取れない高音があるように、 静かな文章中に、見えない激しい感情が投げ込まれているようです。 こすれば文字一つひとつが、パラパラと 零れ落ちてきそうな、脆さが伝わってきます。 一読をお勧めします。

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    投稿日: 2008.11.15
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    なまじ頭が良いと生命力に欠けるのですかね。私のように馬鹿だとね 来週のジャンプが読みたい という理由で生き延びちゃいますけどね。

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    投稿日: 2008.11.02
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    芥川氏の作品の中で最高傑作だと思っています。 河童は一度読んでそれからずっと愛読。 これ以上の作品になかなか出会えないことに悲しみを覚えるほど。 短編の多い中、『河童』は長編だと思える。 『これは とある 精神病院の 入院患者 の 話である』…

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    投稿日: 2008.07.20
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    「大道寺信輔の一生」「歯車」あたりは続きがあったら読みたかった。 しかしこの手の話をすべて「なんか主人公がぐだぐだ言ってる話」でまとめてしまう私は、あまり文学を読む資格がないのかもしれません。

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    投稿日: 2008.07.16
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    個人的に好きなのは「蜃気楼」と「河童」。 「蜃気楼」は何回読んでも意味が分からない。 意味が分からないのに、読んだ後に鳥肌がたつ、その不気味さがなんか凄い。 「大導寺信輔の半生」は初めて読んだ時に「え、これホントに芥川?」と思ってしまった。 私の中で芥川龍之介は、どこか上の方から人間を客観的に観察してるような、人間くささが余り感じられない作家のようなイメージがあったので、この作品で「芥川龍之介も人間なんだ」と実感できた。

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    投稿日: 2008.07.15
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    う〜ん、何というか、鬱だ。短編はどれも後期の作品で、うち『或阿呆の一生』と『歯車』は遺稿である。そしてそのどれもが暗く、芥川が「なんとなくぼんやりとした不安」の中、自ら命を絶ったことを知っていればなおさら絶望感・現実世界の不信感のようなものを読み取れるような気がする。特に最後の『歯車』に至っては???な部分が多くてちょっと病んでないかと思わせる作品であったように思える。

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    投稿日: 2008.04.29
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    2009.03.30.読了 改めて読み直したけど… カリカチュアだからと笑えへん切迫さ。 病院行けよ。 自虐であればあるほど、 笑えない冗談というのは悲しいもんです… 死を求める精神状態だから書けたなら、 傑作の為に死ぬのも是となるもんやろか。 気楽に生きすぎとんかね、うちは?

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    投稿日: 2008.03.20
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    晩年中の晩年の作品。芥川自身精神にまいっていたわけで、相当鬱で暗い話がテンコモリでございます。読んでいるとこちらもまいってしまいます。死と隣り合わせだった彼がいかに苦しかったかが解る気がします。河童、はさんざん友達からわけわかんないと言われていましたが、面白かったですね。意味不明な河童だらけな世界でありながらも……それゆえに人間世界を皮肉って描きだすわけですからね。

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    投稿日: 2007.11.15
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    上高地に行って、なぜか急に懐かしくなり購入して一気読みした。中学生時に読んだはずだが、その時はどう感じたんだろうかと自問自答。今読み直してみると、確かに不思議な世界。正常な精神では書けないだろうな。その当時の社会批判が多く、それがピンとこない部分はあるが、多様に解釈できる秀作である。

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    投稿日: 2007.07.29
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    政治風刺か社会風刺、いや人間風刺か。河童と鼬の争いなどは日清日露への批判と治安維持法制定などによる新たな戦争への警鐘かと想像するのは易いことだが、だけでなく、今のイラク戦争に対してでも使える風刺だと思う。河童の世界に迷い込んだ人間から見た河童の阿呆なところ、当時の風刺だけじゃなく現代も批評しているように感じる。 「河童」の凄きは今の時代でも充分社会批判になりえているところ。要するに何も進歩していない、ということなのか。

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    投稿日: 2007.05.24
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    確か高1の時に読んだんですが、河童の鳴き声に凄く感銘を受けた気がします。河童語すげぇ…!とか。(頭悪い)他の或阿呆の一生とか淡々としすぎてて逆に恐かった。歯車…だっけ?も、底から這い上がってくる恐さってこんな感じでしょうか?

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    投稿日: 2007.02.17
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    『河童』は、芥川が生きた時代に対して、彼が思うことをすべて河童に例えて風刺する。だがその上で、芥川自身がその時代に馴染めていない感じも垣間見れ、一種の自己否定にも読めると思った。『或阿呆の一生』では、自殺までの心理が実に伝わってくる。芥川の晩年の偏屈、苦悩ぶりがよくわかる…。

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    投稿日: 2006.11.27
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     結構深みにハマってたんじゃないだろうか。この頃の龍之介さん。この時期の彼には会いたくねーな(笑)それでも一生懸命「書く」ということに、誠実であろうとする姿勢は痛いくらいに伝わった。

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    投稿日: 2006.09.17
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    多数の河童がでてきて、思わずメモを取りながら読んでしまった(苦笑) どこか冷ややかな文章と感じたのはなぜだろう。

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    投稿日: 2006.06.18
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    きっと今もこの地下で河童が暮らしているのかもしれない。その生活を覗きたいような覗きたくないような・・・

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    投稿日: 2006.01.25
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    或阿呆の一生。芥川が鬱病で自殺したことがこの作品によって明白に解る。芥川の倫理観に根ざした幾つもの名作は、その「鬱気質」に由来されたものと私は解釈している。その意味で価値ある作品であると思われる。

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    投稿日: 2005.06.22
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    後期芥川作品の短編集。後期は病とストレスから死を意識し、自分を見つめ直した作品が多い。狂気と漆黒の芥川ワールド。

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    投稿日: 2005.06.06