Reader Store
ミシンと金魚
ミシンと金魚
永井みみ/集英社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

119件)
3.9
32
49
27
4
1
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    audible⭐︎ めちゃくちゃ面白い‼︎大好きな物語に出会えた♡ カケイさんが可愛くてクスクス笑ってしまった。 お茶目なカケイさんにも壮絶な過去があり、生まれた時から孤独、暴力、苦労、が付き纏っていた。 カケイさんの兄はろくでもない人かと思っていたら…後半その半生を聴いて涙した。妹のカケイさんを影で守りぬいた優しい兄だった♡ そして、兄の恋人のひろせのばあさん‼︎凄く優しく逞しい女性だった。この2人の心根に感動し涙… なぜ介護士をみっちゃんと呼んでいるのか?も後半に書かれていた。 この小説を聴いている間、喜怒哀楽全て感じた! てんぽがとても良かった。短すぎず、長すぎもしない。ギュッと詰まった物語だった。

    15
    投稿日: 2026.01.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    認知症のおばあちゃんの話し言葉で綴られる一冊。最初は言い回しや方言?みたいなのがすごく読みづらいなと思ったけど、おばあちゃんの思考を覗いてるようで面白かった。おばあちゃんの人生史が徐々に分かってなかなか壮絶だったけれど、ちゃんとおばあちゃんのことを大切に思ってくれる人がいて良かった。おばあちゃんのように苦労はあったかもしれないけど、後悔のない人生を歩みたいなと思った。

    12
    投稿日: 2026.01.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    独特な口語調の文体に最初面食らったけど、すぐにスッと入ってくるようになった。 あちこちに脱線しながらも訥々と語られるカケイさんの人生にのめり込んだ。やるせなくて読み進めるのが辛いと感じてもやめられない。結果、やるせなさは残るものの光の感じられるラストで良かった。 カバーイラストがとても好き。

    0
    投稿日: 2026.01.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    おもしろかった 書き出しから引き込まれるし、ばあちゃんに自然と感情移入してしまう 嫁の態度は最後まで読みきれなかった(解説ではいい嫁だったと確定させていたが) 夜、あしためざめなければと祈るところから、 しあわせかと聞かれたらしあわせと答えよう と気持ちが変わる場面はとても力強かった あい のリズムの良さ じゃ行になっちゃうところとか、きょろりんとか、きゃらきゃらとか、ちょっと狙ってる感もあったが、 シベリヤが好きなところとか、うなぎが嫌いなところがよかった 最初のみっちゃんと著者が重ならなくもない 広瀬のばーさんはかっこよかった 1人の老人を失うのは一つの図書館がなくなるようなものという言葉を思い出した 図書館とまではいかなくとも、こんなふうに、人の一生は一つの大きなかたまりにはなるんだろうな 近しい祖父母の死、介護、人生の段階によって、感じ方が大きく変わると思う

    0
    投稿日: 2026.01.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    (花はきれいで、今日は、死ぬ日だ) この一言の中に、どれ程の想いが、時間が詰まっていることか。 人が生きるということ、一人の人が人生を全うし終えるということの重さ(と、それが他者からは見えないという残酷さ)をしみじみ味合わせてくれた良作。 どんな人のうちにも人生の花畑はあり、けれどそれを他者に見せることはできないんだよね。 他人は意地悪で、煩わしく、無理解で、でも時に親切で、思いもかけない角度の優しさをふと見せてくれたりする。 見えないたくさんの花に囲まれて、私たちは生きていく。泣いた。

    1
    投稿日: 2026.01.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人の人生が幸せかどうかは、他人にはわからない 生きている間はずっと、幸せには気づかずに日々が過ぎていってるのかもしれない わたしは今生きているこの人生を、死ぬ時にどう振り返るんだろうと考えながら読んだ 手のひらに、花を、見られるだろうか

    0
    投稿日: 2026.01.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    独特な方言?話し言葉、文体で描かれる ひとりの老女の人生。 刻一刻と迫ってくる死期や、認知の進行、 それに気づいてるのか気づかないようにしてるのか 老女のカケイは自らの人生を語っていく。 その人生は決して楽な道ではなく、 しんどい惨いを詰め込んだ人生のように思えた。 しかし、あることをきっかけに 実はそうではないんだということがわかる。 しんどいことが多々あったのは事実であるが、 カケイの人生は幸せだったか?と問われると、 彼女はまっすぐに「幸せでした。」と、 話すのである。その、彼女の芯の強さが 同性から見てもかっこよく人生を全うしてるなと感じた。 躓いたときや、 上手くいかないことが続いた時に読みたい1冊

    9
    投稿日: 2026.01.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読んでいてどこまでも切なくなってしまった. 日々の仕事で触れ合う認知症を持つ高齢者の方々の心の奥底に触れたような,「本音」を突きつけられたような,何とも言えない居心地の悪さと共に,「一人の人であること」の尊さを強烈に感じた.間違いなく,明日からの,いや,今日からの振る舞いに大きな導きを与えてくれたことは確かだ. 誰がどの視点から語っているのかも分からない冒頭,(解説によると千葉弁らしい)「カケイさん」の語り口は,活字にすると当初は読みづらく,意味を理解するのに0.2秒くらいのタイムラグが生じ,ちょっとした違和感がある.しかし,人物像がカメラのファインダーを覗きながら焦点を合わせるように解像度を上げてくるにつれ,それが普段診療している認知症の方々との対話の分かりづらさや違和感と絶妙にリンクし,圧倒的なリアリティを増してくる. そして語られる「カケイさん」の人生. 「人に歴史あり」などと使い古された言葉にしてしまえば陳腐になってしまうが,人の数だけ倖せも,後悔も,癒えることのない傷もあるわけで,それは普段相対している人たちもまた同じだ.分かっちゃいるのに,忙しい診療中にはすっかりそれが抜け落ちてしまう.というより,意図的にある程度封印せざるを得ないのが現実で.それどころか,仕事を離れて街場の一員になっても,「おじいちゃん」「おばあちゃん」「お年寄り」という記号に彼らを封じ込めてしまう.やがて,自分もその中に封じ込められる……誰かにとっての「特別な自分」がどんどん削られていき,いつしか自分にとってすら「特別」ではなくなっていく……「人の事なら好き勝手に語れるけど,自分のことは分からない」という「カケイさん」の言葉に象徴されるように,どんどん小さくなっていってしまう自分の世界… でも, みっちゃんと過ごした日々は,間違いなく倖せだったと,確信を持って語る「カケイさん」.そこには,誰にも奪うことのできない,燦然と輝く「個」としての「カケイさん」がいる.絶対に奪われることのない,個人としての尊さがある. ほんの何年か前まで,僕の仕事の対象者は子どもばかりだった.まだ言葉も発しない子どもたち.来る日も来る日も手術,術後管理,当直,親への対応……今は真逆に見える環境に身を置きながらも,やっていることの「根っこ」は変わらないということを改めて示し,勇気づけてくれた一冊だ. 僕らは,見える形こそ違えど,誰かの人生を「倖せ」にするために,専門知識を磨き,技術を高め,心を込めてそれを差し出すことに価値がある.対象が変わっても,「誰かのかけがえのない,誰にも奪われない大切なもの」を紡ぐための歯車の一つになる.それは,僕らの仕事だけの話じゃない.仕事とは,「生きる意味」とは,きっとそういうことなんじゃないかと思う. 日々出会うたくさんの「カケイさん」のために,今日から僕は,何ができるだろう. 一人一人の大切な人生のために,もう一度ここから始めよう.

    15
    投稿日: 2025.12.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    認知症を患うカケイさんの語りで描かれる人生の物語。慣れないAudibleで聴いてみましたが、臨場感があり感情の動きをリアルに感じられました。 カケイさんの表の声と心の声、現在と過去を行ったり来たり。ときどきクスリとなる場面も。 介護ヘルパーさんや家族とのやり取りを、カケイさんの目線を通して疑似体験してみて、実際に認知症の人もこんなふうに感じているのかなと想像してしまいます。 認知症になってから思うこと、見えてきたこと、忘れられない後悔、辛かったこと、愛しい存在と幸せな時間が確かにあったこと。 人生の終わりに何を感じ、何を思うのか。 祖母を思い出しながら読んでいて、言葉にならない気持ちになりました。 カケイさんのように認知症になっても周りのことをよく観察して理解っていることもあるし、そうとは気づかず案外気遣われているのかもしれない。 認知症の人に限らず常々思うのは、話さないのは何も考えてないわけでも感じていないわけでもないということ。 読み終えて表題の「ミシンと金魚」が切なく重く心にのしかかる。カケイさんの可愛い「みっちゃん」と呼びかける声と、 『悪いことがあっても、必ずいいこともある。 同じ分量必ずある。』 の言葉が耳に残っています。 認知症の人の語りで物語が進んでいくのがとても新鮮。一人の女性が生き抜いてきた壮絶な人生とその終わりを描き、生々しい「生」を感じる作品でした。 改めて読みなれている紙の書籍で読んでみたい。

    0
    投稿日: 2025.12.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    オーディブルで読了。  認知症のカケイおばあちゃんの人生。 昔を振り返るなかで、苦労ばかりじゃなく、知らずに色んな人から助けられていたことに気付いていく。 ユーモアがあり、内なる言葉がすごく達者。そして周りの人に感謝しながら日々誠実に生きている人柄がすごく愛らしく何度もくすりとさせられた。 認知症の人と接すると、何にもできなくなってしまった人と思いがちだけど、回路はぐちゃぐちゃでも色んなこと一生懸命考えているのだろうな。頭の中を少しのぞけた気がした。 何かがうまく行かないときに、それでも世の中捨てたもんじゃないなと思える1冊、オススメです。

    2
    投稿日: 2025.11.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    みっちゃんが死んでしまったところ、何かが起こりそうで怖かった。 だから、ヘルパーの人 みんなみっちゃんなんだな。 ミシンと金魚 タイトルにもハっとする。

    0
    投稿日: 2025.11.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最初、ちょい解らなかった(笑) Audibleで。 おばあちゃんが、色んな人に話していたり、 おばあちゃんの頭んなかで回想されてるまたは思っていることが、つらつら流れていく。 介護してくれる人は全員みっちゃんなんだ〜と途中で気がつく(あかん読み手) 嫁との、描写がまた可笑しい。 まあ、お金目当てであろうとも、ちゃんと下の世話してくれる嫁は優しい。。今時、あんまりおらんでこんな嫁(笑) カケイさんの過去は壮絶だが、ミシンのカタカタと共に流れていく。 そして、最後は手のひらに花。 ちょい近所のおばあちゃん思い出して読了 毎日毎日、三和土でしゃべり続けてたなあ(笑)

    18
    投稿日: 2025.11.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    認知症のおばあちゃんの思考回路なんて考えてみたこともみなかった、なかなか面白かった。でも、このおばあちゃんの人生って、何だったんだろうか。生きてれば辛いことも苦しいことももちろんあるけど、死ぬときに「やれるだけのことを私はやった、幸せだった」と思える生き方をしていきたいものだ。

    0
    投稿日: 2025.11.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    辛いことや頑張ってきたこと、乗り越えてきたことがたくさんあり、そんな人生の終盤で認知症を患っているおばあちゃんのカケイさん そんなカケイさん目線で語られるトンチンカンだけどちょっとおもしろい会話や過去のカケイさんの話 カケイさんがかわいくてクセになる! そしてこのお話がすごく好き!

    7
    投稿日: 2025.10.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ほっこりする話 おとなしいだけのおばあちゃんに見えて、実はすごい過去を背負っていて、我慢の人だった。 そして卑屈でずっと自分が虐げられてると思い込んでたけど、実はそこまででは無かったって話。 悲しいような、良かったような。 教訓になる話でもある。

    2
    投稿日: 2025.10.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短めだからスキマ時間にと手に取ったが。 認知症のおばあちゃんがのべつ幕無しに語る壮絶な人生 起きて立ち上がるだけの動作の描写が超リアル ヘルパーさんがみんなみっちゃんなワケ 悪いことばっかりじゃなかったね 人生の最後に何を思うのだろう

    14
    投稿日: 2025.10.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最後、ちょっと泣いた。 カケイさんという、認知症のおばあさんの話しなんだけど。おばあさんって、当然だけど最初からおばあさんなわけではなくて。それまでにあったいろいろなことを思い出しつつ、でも、あれ?今何してたっけ、みたいになったりして。 昔の時代だからか、周りからの愛情なんかも伝わりにくいよね。と思いつつ。死ぬ間際になってから、愛されていたこととか知っても…遅いよー、なんてもどかしく思ってしまったり。

    1
    投稿日: 2025.10.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最初は、平仮名が多くて読みにくいな、とか 話がよくわからないなって思っていたけれど 読み進めていくうちに、 (勉強をあまりしてこなかった)認知症のカケイさんが 語っているからそれの表現に平仮名が多いのかとか、だからなのかみっちゃんなのか!と頭の中で結ばれていくことが多くて、平凡なお話の中にある温かみが心地よかった。 きっとこれからは家族みんなで仲良く過ごせますように

    0
    投稿日: 2025.10.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    好き。 すごく好き。 もう、 人生の全部が詰まってる。 人生ってきっとこう。 時代は違うけど、人と人はこんなふうに社会で支えあったりすれ違ったり、自分の思いをうちに秘めて、生きる。

    1
    投稿日: 2025.10.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    今まであまり読んだことのないタイプのお話だった 最初はなんのことかよくわからなかったけど、読み進めるうちにわかってきた ちょっと切なくて、可愛らしくて、ラストはあったかい人々の心でほっこりするお話でした 絵がとても素敵

    10
    投稿日: 2025.10.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    おばあちゃんの語り   楽しくもあり淋しくもありました  嫁とのやり取りやヘルパーさん(みっちゃん)とのやり取りがちょっと違うのが感心しました 毎日ミシンを踏んで頑張ったこと お兄さんや広瀬のばーさん 夫や息子 そしてみっちゃん いろんなことを思い出して 幸せだったと言える人生  手に花が咲くまで 私も楽しく幸せな人生を送りたいなとおもいました

    5
    投稿日: 2025.10.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白過ぎて一気に読んでしまいました。ユーモアもあり哀しさもあり色々な感情になりました。ぜひまた読み直したいです。

    1
    投稿日: 2025.09.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    医療職者だからか、 認知症で短期記憶が覚束ない女性目線の話はものすごく勉強になった。 あれは気を遣ってくれてたのかとか そんなふうに思ってたのかとか。 覚えたいことは忘れちゃうのに 忘れたい過去ははっきり覚えてる。 その間で揺れる主人公。 斬新で読みやすいのに 心に深く沈む小説。

    1
    投稿日: 2025.09.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    あぁ… タイトルのミシンと金魚は… カケイさんの心の中にある負い目だったのか。 酷い人生のようでも、知らないところで いろんな人に愛され、守られて生きてたんだって、 最後に知ることになって、 幸せに死ねそうなのがよかった。

    3
    投稿日: 2025.09.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    文章は会話調の割には読みやすいと感じた。本人の中では理論が通っているもろもろなのだなと。最後の気づきのようなものは結構好き。

    1
    投稿日: 2025.09.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    かわいいおばあちゃんのお話。年寄扱いされているおばあちゃんの方が冷静ですべてを理解しているようで楽しい。

    1
    投稿日: 2025.09.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    久しぶりに紙の本を読んだ。 高齢おばあちゃん、カケイさんの語り口によるお話。 ページ数は、そんなにない…けど。 カケイさんの人生が、ぎゅっと詰まってる。 作家さんは、高齢なんだろうか? と、カバーの裏をみてみた。 まだ、高齢の部類には該当しない。 カケイさん、本人?または、親族?それとも、みっちゃんと呼んでるヘルパーさん達? いつかは、訪れる高齢者の気持ちや、人生を近く感じた。 ‘25.09.06読了

    1
    投稿日: 2025.09.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    介護の問題について検討する話だと思ったが、そうでもあるけれども、泣きそうな物語である。余韻が残る小説である。 物語は、一人称の「あたし」すなわちカケイさんがヘルパーのみっちゃんに滔々とまくし立てるシーンから始まる。饒舌といっていいほどの雑談と、ひらがなが長く続く文は、最初は少し読みにくかったが、その少々脈絡の乱れる独り言のなかに、カケイさんの波乱万丈の過去が少しずつ浮かび上がってくる。そして現実に戻ると、家族の過酷な接し方などを見て、その無力さが鮮明に描かれている。 では、カケイさんは、しあわせだと思うのか。 全編を通して、涙を誘うところは二つある。まず、前半を読んでいながらずっと疑問を抱くカケイさんのヘルパーに対して付ける「みっちゃん」というあだ名。一人だけではない。すべてのヘルパーは「みっちゃん」である。どうして?「面倒を見る人」だからかと思ったが、中盤のところ、カケイさんの寝る前の朦朧とした意識に、「みっちゃん」が蘇ってきた。 過去を振り返っているときのカケイさんは感情的ではない。逆に、すごく淡々と昔のことを述べている。でも、ここまできて、読者はもうすでにカケイさんの人生に入り込んでしまって、なのでそのとき、この老女が昔のその、人生で一番大事な、なのに一番後悔な話をしているとき、読者も胸が締め付けられるような気持ちになった。 ここは本当に泣きそう。 そして二つ目のポイントは、カケイさんが最後の最後に、自分の人生と和解するところである。早く終わりたいと思いつつあったこの損をしたばかりの人生。でも、実はそうではない。 「しあわせでした。」 不憫な「孤独死」ではなく、最後に見たのは掌に咲き誇る花と、迎えてくる昔の仲間たち。 とても心に沁みる物語である。

    2
    投稿日: 2025.09.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    最初は少し読みづらいな、最後まで読めるかなと些か不安を覚えたけれど。 私はまだ長い人生の中で考えれば若い方だけど、認知症を患っている同居祖母と重ねてしまう。 カケイさんの過ごした時間は側から見たら可哀想な人生かもしれないけれど、カケイさんが何を思って、最期に何を感じて、どんな人生だったと思うかはカケイさん以外には分からない。 最期をただの孤独死だと決めつけることも恐らく違うのだ。 2025.8.13 読了

    3
    投稿日: 2025.08.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    最初から最後まで上手くまとまっていて欠点のない素晴らしい小説だと思った。 カケイさんは亡くなった自分の祖母を思い出し、愛おしくてせつなかった。 おばあさんって特に認知症の高齢者はのどかで優しいだけじゃない、嫌味も言うしネガティブになるし何度も何度も同じこと言われ大好きなおばあちゃんでも疲れるなと思ってしまうけど、それでもおばあちゃんが長生きしてくれたことが嬉しかった。 この本を読めて良かった。 最後も暗い気持ちにさせず、ワンちゃん二匹がお腹に紐括られてリヤカーで登場し「お迎えの看板にいつわりあり」が好き。笑

    9
    投稿日: 2025.08.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いろんな感情が押し寄せて心がふわふわしたような読後感でした。認知症の主人公の視点から描かれるので同じ事を何度も聞いたり、確認したりするのが痛々しい。でも、同じ事を聞くからこそ、相手の心の機微が見えたりもするから面白かった。 みんな介護はいろんな思いを抱えながら生きていくものだと思います。家族だから分かること、家族でも分からないこと。デイサービスだから気づけたこと、どうしようもなかったこと。最後はお互いの和解があったから良かったけど、認知症の主人公だから本当のところはわからない。 でもそれでいいんだと思う。

    12
    投稿日: 2025.08.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なんの事前情報もなく読み始めて、読みやすくてさらさら読めてしまった。 でもなんというか、作品のリズムがちゃんとあるんですよね。 ゆっくり、まったり、思考が忙しくないのに、読んでて退屈はしないという不思議。 言ってしまえば、介護が必要になった認知症のおばあちゃんの一人語りなのですが、生きていてずっと覚えている人生の後悔だったり、死期が近づいて周りの人間も死んでいく中で初めて知る事実があったり、死に際のことだったり。 老いて死んでいくということが、必ずしもみじめだったり怖かったりするものではないのかもしれないな、と思わせてくれる作品でした。

    0
    投稿日: 2025.07.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ボケてるのかクリア過ぎて頭のいい主人公なのか笑えた。 世の介護を受けている方々はこういう気持ちでいるのかもしれない。 文字で追うのではなく、Audibleで聞いたがそれがよかった。文字で読んでいたら途中でやめてしまったかもしれない。 年上の人はやっぱり人生の先輩だと思った。

    1
    投稿日: 2025.07.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ナツイチのしおり欲しさに読んでみました。 (動機が不純…) 正直、読みやすいとは言えないかもしれません。 主人公・安田カケイさんの置かれている立場や状況が、最初はなかなかつかみにくいのです。 ただ、普通の状況ではないことは、語り口調からじわじわと伝わってきます。 「この話は、こういう状況に置かれた人の話なんだ…」とハッキリわかったのは、カケイさんの子ども・道子の話が出てきた時でした。 (気づくの遅いかも) それまでは「辛い人生を送ってきた人の話だなぁ」と思いながら読んでいたのですが、道子の話で状況を把握してから、一気に切なさがこみ上げてきて。「走馬灯」という言葉が浮かびました。 よく「死に際に走馬灯を見る」と言いますが、私はそれまで「死ぬ瞬間に一瞬でその人の印象的な記憶が蘇るもの」だと思っていました。 でも、実はそうじゃないのかもしれない。 認知症になり、“今”という時間軸で生きられなくなった時、人はゆっくり走馬灯を見ているのではないか…そんなふうに、ぼんやりと考えました。 現在と過去を行き来するような記憶。だんだんと、昔の記憶が日常を支配していく。 それが、走馬灯なのかもしれないと——。 カケイさんの思い出は、不運な出来事ばかりがよみがえってきます。 もちろん良いこともあったと思うのですが、心に深く残るほど強烈な出来事は、圧倒的に“不運”の方が多かったのだろうなと感じました。 「自分は不幸だ」と思い続けていたカケイさんの心を、広瀬のばーさんの告白がガラリと変えます。 そこで出てきたフレーズが、今を生きる私の胸にも刺さりました。 ”損した。 と、おもってたけど、なにかにつけ、自分は損した、自分だけが損した、と、おもってたけど、それは、おもいあがりだった。 広瀬のばーさんをこころん中で煙たがっていた自分に、いままでの自分に、うんと、ううんと、腹が立った。” 不運なことがあると、つい周りと比べて「なんで自分ばかり」と卑屈になってしまい、視野が狭くなります。 でも、そんな自分でも、誰かに生かされている。 だからこそ、今まで生きてこられたのかもしれません。 死ぬ間際にそのことを知ることができた——それだけでも、きっと幸運なのではないでしょうか。 おそらく、広瀬のばーさんの告白を聞くまでは、「自分は生まれてこない方がよかった人間なんじゃないか」という思いが、カケイさんの中に根付いていたのだと思います。 それが、あの告白によって逆転するのです。 ふと思ったのですが、カケイさんにとって、広瀬のばーさんの告白は『幻の光』で言うところの「精が抜ける」出来事だったのかもしれません。 「自分は生まれてきてよかった人間なんだ」 それを知るために、生きていたような気がしました。

    36
    投稿日: 2025.07.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    はじめ、あまり好みじゃないかなと思ったのですが カケイさんの人となりを知っていくにつれて引き込まれました。そんな風に生きてきたのか。 ヘルパーさんを全員「みっちゃん」と呼ぶ理由が苦しい。 しかし結局、広瀬のばーさんに全部持ってかれました。 読み終えて、辛く苦しいけど穏やかな、不思議な余韻が残るお話でした。

    0
    投稿日: 2025.07.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    50代後半でのデビュー作であり、2021年のすばる文学賞受賞作品。テンポ良く読み進められるが、内容は全然軽くない。それでもカケイさんの素直さと達観(諦念に非ず)に救われる。

    37
    投稿日: 2025.07.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    カケイさんの壮絶な過去。それを認知症の中でも過去と現在の記憶で苦しんでいたこと。でも最期には自分が幸せだったと感じられたことに安堵しました。ミシンと金魚の題名にカケイさんの人生を感じました。

    0
    投稿日: 2025.07.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    語り口調や、老人文学が自分にとって新しい小説の世界の扉を開いた。 カケイさんが、しあわせな人生だと言っているように、私もしあわせな人生だと言えるように生きたい。 2025年ナツイチでこの作品と出逢った。 出逢えて良かった1冊。

    6
    投稿日: 2025.07.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読後感がなんとも言えない 読後感がなんとも言えない、は褒め言葉です。 面白かった、の一言では片付けられないなにかがある。 特に好きなシーンは、冒頭にカケイさんが「あの女医は外国で泣いた女だ」と言い、ヘルパーのみっちゃんが女医に確認すると、おそらく当たっている。 そしてこのみっちゃんは、病院からの帰り道に自身が離婚調停中の身であり、親権を夫に取られるのではないかと危惧していることを明かす。 カケイさんはなんかかっこいいことを言おうと「「チャンスを待て」「まあまあカタチはついたと思う」と伝えると、みっちゃんは泣き出す。 きっと、切羽詰まっているみっちゃんには、カケイさんの言葉が幸せの予言のように聞こえたのではなかろうか。 カケイさんも含め、全ての人の表に出ている部分はほんの一部。 みんな、最後は幸せな気持ちであの世に旅立ってほしいと思った。

    0
    投稿日: 2025.07.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    切ないほどに狂おしく、そして真綿のように暖かく… 認知症のカケイさんの頭の中は、それでもすごく鋭いし、過去のことも手のひらのシワを読み取るが如く細かく覚えている。 人生の果ての場面においては頭の中がこういう働きさえしてくれれば良いのではないかと思わせてくれるような、面白い小説だった。

    0
    投稿日: 2025.07.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    認知症を患うカケイさんという老女の語りで物語が進んでいました。 息子を亡くしたことも、季節や日付も忘れてしまうカケイさんの語りは最初話があちこちにいくので複雑に感じましたが、カケイさんという1人の女性の人生や思いに触れ、最後は心がじんとしました。

    1
    投稿日: 2025.07.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    2025のナツイチクリアしおりが欲しくて購入。ナツイチがなかったらたぶん読むこともなかったろうなあ。とてもおもしろかったです。 認知症で施設に預けられている老女、カケイさん。 過去のことははっきり憶えているが、最近のことは日付すら分からない彼女のすがたを、主体と客体が入り交じる文体で描写する。しっかり過去を回想していたかと思えば、「あい」「しりましぇん」と気の抜けた返事をする自分をどこか他人事のように見ている箇所もあり、もしかすると認知症の人の自己認識はこういうものなのかもしれないと思った。実際のところは知らんけど。 解説にもあったが、カケイさんのように介護が必要になった高齢者は、それまで固有の長い人生を送ってきたにもかかわらず、えてして個性を失ってしまう。いや、実際には失われていないのだけど、言語や身体が不自由になっていくこともあって、他人から個性を認められにくくなってしまう。(高齢女性は、と書いてあったけど、高齢男性もある程度名を成してないと同じなんじゃないかと思う) 「ミシンと金魚」は、そんなカケイさんの人生を詳らかにし、名無しのおばあさんに名前を取り戻すような作品だ。 下世話な言い方だが、カケイさんの過去に何があったのか、どんでん返しミステリっぽい要素もあって引き込まれて読んでしまった。 望まぬ子を孕まされ、夫は逃げて、兄や子どもはみんな不幸な死を遂げ、身を粉にしてミシンで作った財産はたかだか110,000円かそこら。遺言通り「みっちゃんたち」で山分けしたら本当に微々たる額だ。 端から見ればかなり壮絶で不幸な人生に見えるのだが、それでも、カケイさんは「しあわせでした」と答えてよい。 「人間の尊厳」という言葉は見るからにいかめしく、分かったような分からんような言葉だが、要するに、自分が幸せだったかどうか、自分で決められることなのではないだろうか。

    2
    投稿日: 2025.06.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とある女性の生涯におけるミシンと金魚のお話(?)。 壮絶で儚い人生、老いと介護、過去から現在、一人称で語られる物語、最初戸惑うもハマるとさすがだなぁと思わせる語り口、最後もまたステキ、そしてタイトルも味わい深いなぁ、と思わせられる。 介護の感じがいずれ自分にも訪れるかもしれない大変さを感じさせてなんとも。 また自分もこの主人公のようになってしまう未来も考えさせられてなんとも。

    0
    投稿日: 2025.05.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    カケイさんの独特の話し言葉がちょっと読みづらい。だけど慣れてくると次第にカケイさんの話す声が脳内再生されてくるようになって不思議。 認知症で体も思うように動かなくなり介護状態。残り少ない人生を過ごすうちに、自分の人生を振り返り、幸せだったのか?考えることになるカケイさん。ずっと知らずにいた事実も見えてきて、カケイさんが見る最期の景色はなんとも。 老後・介護問題を扱いつつ、暗いトーンにならずにあっけらかんと描かれていてすごいなと思う。

    1
    投稿日: 2025.04.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    今までに読んだことのないジャンルの 小説だっただけに、衝撃だった。 ジャケットの綺麗なお花の絵と タイトルであるミシンと金魚の 意味が読み終わった後に明らかになる。 年老いて死ぬ瞬間が きっと自分自身もこうなるんだろうと 思いながら読んだ。 とくに我が子との逆縁のシーンや 飼っていた愛犬のお迎えの場面は リアルで泣いてしまう。 波瀾万丈な人生が少し私自身と重なる ところもあり胸がいっぱいになった。

    0
    投稿日: 2025.04.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    認知症のカケイさん視点、語り口調で物語も進むから若干読みにくかった。 「今までの人生をふり返って、しあわせでしたか?」の問に幸せとは思えないような回想シーンばかりでしたが、カケイさんが“しあわせだった。”と言っているからそれで良いじゃないかと自分に思い込ませました。 本のタイトルはミシンと金魚だけど、表紙のイラストは手に花なのは何故?って思ってましたが、最後まで読んで納得でした。

    0
    投稿日: 2025.04.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    けど、はずかしいなぁ。おむつあててて、ガニ股で、手を引かれて、えっちらおっちら赤ん坊歩きするまで長生きするなんて、正直おもってなかったなあ。(P16) 認知症を患っているカケイさんの一生の振り返りの物語。 母は早逝し、まま母にこきつかわれ、後妻に入れられ、亭主に捨てられ…自分にはミシンしかなかったと思っていたけれど。 数少ない全世界で平等に降りかかるかもしれない現実、50年ほど生きてきてある程度色々なことをやり過ごせてきたけどまだここには不安を掻き立てるものがあって人生ってどこまでも自分ではどうしようもできないことがあるな、と思う。 ミシンは伯母が内職で色々と作っていて最近聞いたのは夜中に働いていたこと。今ほど年金のシステムはきっちりしていなかったから専業主婦の括りに入っていたと思う。私の母も封筒に書類を入れて糊付けするという内職をしていました。今で言うDMを作っていたのかな。昔はこういう内職をしているお母さん、多かったんじゃないかな。

    2
    投稿日: 2025.03.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    全部地の文なんだけど、不思議と閉塞感がなくて読み心地が良かった。 どっかで誰かに助けてもらってて、その人はそのことを私には言わない。それをちゃんと心に留めて、損したと思うよりもしあわせだと思って生きたい。

    6
    投稿日: 2025.03.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『ミシンと金魚』を読了。 認知症のおばあさんが現在でさまざまな人と交流しながら、過去を振り返る物語です。 今作ではカギ括弧(「」)が使われておらず、他者との会話と自分の独白が区別されないうえに、時間経過も文章だけではつかみにくくなっています。それが、認知症を患う中で過去をたどるという構造と結びついていて、小説ならではの体験でした。 さらに、途中から主人公が語る過去に、読者であるボク自身が一体になっていく感覚があって、まさに一人称小説の醍醐味だなと思います。話題になったのも納得でした。 今作をより味わい語るには、ボクは少し若すぎるような気もしましたね。

    0
    投稿日: 2025.03.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    可哀想なおばあさんの話かと思ってたけど違って、読み終わった時には胸がいっぱいになった。 祖母とかそれより前の時代を生きた先祖とか身近な高齢者に思いを馳せるきっかけになった。

    0
    投稿日: 2025.03.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    認知症のカケイおばあちゃんが死ぬまでの話。ひとりひとり色んな人生の物語があって後悔も感謝もあるんだなと。最後は後悔だけじゃなく、清々しく死んでいきたいなと思った。赤ちゃんみたいな年寄りにも敬語を使おう、自分が死んだら今飼ってる犬は迎えにきてくれるかなとも。

    0
    投稿日: 2025.02.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    YouTubeやX(旧Twitter)などSNSで良書だと紹介されていて気になっていた。読み始めてしばらくはいまいち“良さ”に気づけずにいたけど、エンディングに近づくにつれてそれが解りだした。 読み終えた時の感情は“切ない”と“清々しい”だった。わたし的には。 わたしには91歳の祖母が居る。祖母は認知症ではないし、毎日自分で食事を作り自分で食べて、お風呂に入ってパンツで寝る。オムツは履かないし、夜中にトイレも一人で行く。野菜の季節になれば畑もやる。元気な91歳だと思う。それでも、若い頃は本当にすごく苦労した話は聞いている。今じゃ考えられない事もいろいろあった事も知っている。そんな祖母だけど、他人から見たらやっぱりただの「おばあさん」なのだろうなぁ…。 祖母の人生がいつか終わりを迎えたら、祖母の物語は消えちゃうのだろうか…… 酒井順子さんが書いた解説が、とても解りやすく大人の読書感想文って感じで読みやすかった。 あと、単行本の装丁より文庫本のほうが好みだな。合っていると思う。

    11
    投稿日: 2025.02.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    その人が考えている事は、他の人には決して分からない。 その人が今まで歩いてきた道、様々な人間の優しさや後悔、汚さなどあらゆる側面をそっと教えてくれる本。 読み終えた後、少し寂しくなった。

    1
    投稿日: 2025.02.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    痴呆性のカケイさんの介護生活の日々から始まるのだが、中々きつい。当たり前だけど不自由な生活に嫁にもいびられる。 会話形式の文面にも癖を感じられるが、それも段々ハマってくる。 あたしには幸せな時期がたしかにあった。 過去を回想しても不幸で惨めにしか思えないカケイさんであったが、はっきり幸せだったと言い切れるのだ。 今までの関わってきた人達が反転する。嫁も兄貴も広瀬の姉さんも。カケイさんの罰を大凡担いでくれていた。愛されていた。 50年生きてきた自分はどうだろう。はっきり言い切れないのは傲慢なんかとも思ってしまう。 終える間際には言える自分にはなっていたいものだ。

    20
    投稿日: 2025.02.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    おばあちゃんの一人語りなのに、すらすら読める。著者の文章力に脱帽。話の展開も良い。 今年、推せる一冊。

    3
    投稿日: 2025.02.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    知らないうちに、涙が…。みんななにかと戦いながら生きている。自分だけが苦しんでいるのではない。誰かが自分の知らないところで支えてくれている。どうみても不幸としか思えない人生も、幸せな時は確実にあった。今、幸せと思える瞬間を大切に生きていこう。

    0
    投稿日: 2025.02.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    表紙が綺麗で内容も手芸が出てくるって聞いたから図書館で予約したら気持ち悪い表紙デザインの方でショックだった(;;) 仕方なく読みはじめたけど… 介護されてる認知症のおばあさんの話なんだけど、 本の3分の2ぐらいまで「いったい何を読んでいるんだろ。。。?」って感じだった( ̄-  ̄ ) 言葉遣いも独特で、意味が分からない言葉もたくさん。 なっかなか読み進まなくてつらかった。 でももしかしたら、これから面白くなってくるかも知れない…!って期待して読み続けてみた。 後半ぐらいに「あ、そーゆー描き方なんだね?」って分かってきたけど、内容が悲しくてエグくて読んでて ただただ辛かった…。(т т) 気持ち悪い表紙デザインの方が内容とピッタリ。混沌って感じ。 こんなに素敵な表紙デザインと内容のイメージが違う本は初めてでショックでした‪

    0
    投稿日: 2025.02.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    言葉から想像されるものと実像が違うなんてことはよくあって、“幸せ”も見方を変えれば不幸に思えて、逆もしかり。 あるいは、物事には二面性があるみたいなことも言えるかもしれない。 本書はそんなお話。著者の想像力の豊かさに感服しました。

    1
    投稿日: 2025.01.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とても良かった。 まさか、だいちゃんが犬だとは。そして、みんなみっちゃんだとは、、、。といった面白さもあり、人間模様ありで、あっという間に読み終わりました。

    0
    投稿日: 2025.01.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ミシンと金魚 永井みみ 2025年1冊目。 これは文学だ。そう思った。 話の内容っていうより文章がすごい。こんな文章書ける永井さんってすごい。ほかの本も読んでみたくなった。 痴呆症おばあちゃんの晩年の話。 いやぶっちゃけよく分からんよ。よく分からんのに引き込まれる。 私語彙力ないなぁ。。。すごいしかいえない。 読み進めていくうちに、あーそーだったんだ。とかこの人いい人だったんだっていうのが分かってきて主人公のおばあちゃんと同じ視点で楽しめた。

    0
    投稿日: 2025.01.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    辛い内容かと思えば、まあ辛い内容だけど。 優しい雰囲気なのは主人公カケイさんの人柄なのかな。 この物語の中にはかつての自分がいるし、未来の自分もいると思わされる。 介護に携わる者にとっては辛くても突きつけられる、向き合わされる感覚がある。 この本は本当は11月11日の『介護の日』に読もうと思っていたがタイミングがずれ、年末最後に読むのはなぁ〜と先延ばしにしようとしたけど、いや、読もうと思った今が読む時だ!とページを開いた。 帯にもあるけど、『しあわせだったか?と、聞かれたら、そん時は、しあわせでした。と、こたえてやろう。』 この言葉に大きく救われる思いがした。

    12
    投稿日: 2024.12.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最初は文章の生々しさに面食らってしまったがいつのまにか文章に引き込まれる自分がいた。 等身大で物事を語る様子には思わず心を打たれた

    7
    投稿日: 2024.12.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    認知症を患う高齢女性の半生を振り返るお話。 震える手に乗せた薬は生きていて、診察室の立派な椅子に座る医者に対し病人は不安定な丸椅子、あちこちにガタがきている相手に対する元気ですか?という無神経な言葉… 高齢女性の目線でみる世界は残酷で医療従事者としてはっとなることが多かった。 「おばあちゃん」と一括りにしてしまわず1人の人として人生の背景に目を向けることが質の高い関わりに繋がるのだと改めて感じた。 家庭内暴力、強姦、娘の死…壮絶な過去を生きた女性は「今までの人生を振り返ってしあわせだったか」という問いに対し"しあわせな時期がたしかにあった"と述べる。 10の辛く悲しい過去でも1のしあわせが彼女の人生をしあわせなものでたらしめた。 そう答えることができたことが彼女が長生きをした理由なのではないだろうかと私は思う。 彼女の最期はやはり客観的にみると悲しく居た堪れないものだった。 しかし、彼女目線で語られる文章からは穏やかであたたかい光が差し込んだような印象を感じた。 自分にしか見えない手中の花をいつか見るその時まで私も私のしあわせを大事に生きていこうと思った。

    1
    投稿日: 2024.12.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    安田カケイ みっちゃん ヘルパー。 八卦見 米山のじいさん 米山丈治。元漁師。 チャンス 前に飼っていた犬。 金子 カケイの兄貴。 広瀬のばーさん 兄貴の女だった。 カケイの父 箱職人。 カケイの母 カケイをうんですぐ死んだ。 まま母 八兵衛だった。 だいちゃん 紀州犬だか秋田犬だかおおかみだかの血を引いている。 健一郎 チャンスをひろってきた。カケイのひとり息子。二年前に死んだ。 嫁 健一郎の妻。 みのる 先妻の子ども。 民子 ねえさんの妹。 亮太 健一郎と嫁の息子。 松田 宮崎 主任。 道子 みのるの子。 柴崎 隣の奥さん。

    0
    投稿日: 2024.12.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    可愛い表紙と文体からは想像もつかない凄惨でむごい内容。昔を舞台にした小説でよくありがちだけど本当にしんどかった。私がもし主人公の立場だったら絶対に耐えられないし自死を選ぶほどだと思う。それでもそんな過去があっても幸せって答えてやろうと思えるカケイさんはとても心が強い人。亭主やみのるは本当に許せないけどお兄ちゃんや広瀬さんの優しさに気づいてもちろん幸せを取り返せはしないけど少しは報われたんじゃないかと思う

    2
    投稿日: 2024.11.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    介護される側の切ないお話。 身内の問題を抱えたおばあちゃんの語りがつらい。暗い。悲しい。 私も老後、1人になった時何を思うのか。 明日に希望を持って日々を送れるのか。 幸せな人生だったと思える最期になるのか。 素敵なヘルパーさんがたくさん出てきてありがたい気持ちになったな。 仕事だからじゃなくてちゃんと人として向き合ってくれる、何より嬉しいことだ。 認知症になって大事なことは忘れるのに嫌だった記憶は残るのって、人間の脳はどうなってるんだろう。

    48
    投稿日: 2024.11.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    認知症のおばあちゃんの視点てこんな感じなのかなとか想像しながら読めた。面白かった。病人はまるい椅子なのに、医者は肘掛けつきの安定感のある立派な椅子とか、そういったものがなるほどそんな見方もあるかと思いながら。 最後のみっちゃんの手形をみつけた場面はこみあげてくるものがあった。

    14
    投稿日: 2024.10.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    デイサービスに通う認知症のカケイさん。ヘルパーさんとの会話をきっかけに始まった彼女の一人語りからその壮絶な人生が明らかになる。最後の余韻に涙がジワっと込み上げてきた。辛いけどきっと読んでよかったと思える作品。

    4
    投稿日: 2024.10.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    壮絶な人生を語っているはずなんだけどどこか遠くのことのように感じるのは認知症の感覚で語られているからなんだろうか。いろいろを忘れてしまっていたりはっきりわかっていたりするのも、実際はそういうものと聞いたことがある気がする。カケイさんの人生を体験できたのは貴重な読書体験でもあった。

    2
    投稿日: 2024.10.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    認知症の老婆の赤ちゃん言葉が生理的に受け付けずしばらくしんどいが、最後まで続くこれはカケイさんの生きてきた壮絶さをほんの少し薄めてくれるものだった。 「しあわせでしたか」って… 死ぬ時、辛かったことの全ては幸せにつながるカケラだったと、自分の不幸の影には思いもよらない助けがあったりすることや、やっぱりどんな人生でも幸せなのだと絶望するなと教えてくれたような気がする。

    1
    投稿日: 2024.10.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    重い、暗い、でもページをめくる手が止まらない。 カケイ婆ちゃんのおしゃべりは、延々と続くけどこれまでの人生の中で一番悲しく辛くしんどいことはふたをしたまま。なぜならそれは自分のせいでどうしようもなかったことだと思っているから。我慢に我慢を重ねてやっとお迎えが来た時、自分の人生は幸せだったと手のひらを眺める。 デイサービスの描写には、認知症の義母の姿と重なって、こんな気持ちでいるのかなぁと考えさせられ反省もした。 年老いていき、できることが減って来て、忘れることが多くなってしまう自分に最期まで付き合ってくれる人は周りにどれほどいるのだろう。 最期に思い出す顔、お迎えに来てくれる人は誰なんだろう。その時、この本のことを思い出せるのか? 何もかも忘れ去ってしまっているのか? 色々と考えさせられる本だが、読後感はやっぱりしんどかった。

    27
    投稿日: 2024.10.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    表紙の絵がきれいなのと認知症に興味があったので気軽に手に取ってしまいましたが、認知症のおばあさん目線の語り口と過酷な内容に読みにくさを感じて何回かやめようかとも思いました。ページ数も少ないですが、かなりズシンとくる話です。 「認知症」「おばあさん」と一括りにしても、一人一人の人生には想像もつかない出来事が数え切れないほどある。当たり前のことではありますが、分かっていなかったなと。ひいおばあちゃんを思い出します。 誰しもが老いていく人生。自分の最期に残るものって何でしょう。

    12
    投稿日: 2024.10.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    カケイさんは、それでも幸せを感じてたんだよねきっと 「おばあさん」と一括りにされた老女は、人間一人一人にある凸凹な個性が平らにならされて個性を無くしていくのだろうか

    1
    投稿日: 2024.10.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    認知症のカケイさん目線で語られる壮絶な人生、、、なんだけど、カケイさんの語り口のせいか飄々とした文章で読みやすい。 なんで自分だけって思ってたけど、最後の最後にみんなの思いや人生を知る。 あの人もこの人も、見えないだけでいろんなものを背負って、必死に生きている。 読後はなんとも言えない不思議な気持ち。 悲しいわけでもない、、、 私もこんなふうに歳をとって行くんだろうか? 最後に覚えていることはなんだろう? 私にもキレイな花は見えるのかな?

    2
    投稿日: 2024.10.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    あまりにも良かった。オモコロライターのかまどさんが勧めており、読んだ。 自分の母を愛おしく思い、先日はなした会話を反芻し、生涯大事にしようと思ったし 自分が老いて朦朧することがずっと恐ろしかったが、少し楽しみな事もあるかもしれない、とさえ思えた。 良い本だった。出会えて良かった。

    2
    投稿日: 2024.10.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人をカテゴリー化することは勿体ないことだなと思った 。一人一人違う人生の尊い物語があるのに、年寄り、外国人とかの枠組みで囲ってその人を理解した気でいることの稚拙さを改めて感じた( ᐪ ᐪ ) 私の手にも花が咲く日がくるのかなー

    2
    投稿日: 2024.10.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    インスタでおすすめされていた認知症のおばあちゃん目線での物語。 私のおばあちゃんも長い事認知症を患っていたので、どんな風に書かれているのか気になった。 おばあちゃんの壮絶な人生…だけじゃない、いろんな事が今の自分にささりすぎて涙が止まらなかった。 こんなに自分の心にどしっと入り込んできた本ははじめて。 認知症のおばあちゃん目線での語り口が不思議な感じで苦手な方もいるかもしれないけど、ぜひ読んでみてほしい。 私のように心にどしっと入って、忘れられない1冊になる人もいると思う。

    3
    投稿日: 2024.10.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    年老いてひとりデイサービスなどのお世話になりながら生活するカケイは、ある時「人生幸せだったか」を問われます。 痴呆が進んで色々なことを忘れてしまう中、過去の不幸な出来事を思い出しつつもそれでもその中に確かに幸せがあったと思い振り返る物語と思いました。 星2つです。

    0
    投稿日: 2024.10.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    カケイさんの語り口調に最初は慣れず、なかなか読み進めることができなかった。でも、後半、どんどんカケイさんの背景が見えてくると、どんどんどんどんカケイさんを知りたくなった。天井の木目と、手に咲くお花。どんな過去があっても幸せな人生だったと振り返られるおばあちゃんになりたいな。

    0
    投稿日: 2024.09.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    認知症のカケイさん目線で話が進んでいく 1人の一生を垣間見るような、不思議な体験だった 誰しも最後は1人かもしれない、でも過去を抱えて生きていたらそんなに孤独じゃないのかもとおもえた

    0
    投稿日: 2024.09.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    わたしは主人公のカケイさんより年下だから、いずれカケイさんのステージに行くつもりで、最期を先輩に教えて貰っている気持ちで読んだ。 最期に見た、手のひらの花。カケイさんをお迎えにきた、だいちゃんとチャンス。泣ける。 はたから見れば孤独に死んでいったように見えるだろうが、本人の心の中は絶対、孤独じゃなかった。

    16
    投稿日: 2024.09.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    1日で読み終わった。認知症のカケイさん目線から語られた物語。カケイさんが可愛くてどんどん読み進めていったが、カケイさんの壮絶な人生が語られていた。しかし、最期には色々な人から守られていたことを知ることが出来て、幸せを感じることが出来た。 「ミシンと金魚」読み終えるとしんみりしてしまう本の題名。 カケイさん、お兄さんと道子に会えたかな?

    16
    投稿日: 2024.09.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ボケ老人扱いを受けてるカケイさんだけどほんとは色々考えてて、デイサービスでの観察力は秀逸だった。 「おばあさん」と世間は一括りにまとめるけどそれぞれ一生懸命生きてて、カケイさんみたいに壮絶な過去を持ってる人もいる。 広瀬のばーさんから本当は色んな人に影で助けられてたのを知り、最後には一言「幸せだった」って思えたカケイさんに涙。 自分は小さい頃から「死」は怖いものという考えがあったから、カケイさんの大好きなわんちゃんが引いたリヤカーが迎えに来るシーンを見て、いつかは必ず来る死に対して少し考え方が変わった。 読み終えてからの表紙を見て、ジーンときた。 自分の亡くなったおじいちゃんおばあちゃんを何度も思い出しては会いたくなった。

    2
    投稿日: 2024.09.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ミシンと金魚 永井みみさんは初めて読んだ まず、文章がぶっ飛んでるからまずそれだけで圧倒される、大好きな川上未映子さん初期以来の凄さで嬉しい 介護制度を利用する高齢女性が語る物語 作家は、俺にすれば何故ここまでわかるのだろうという並外れた想像力のもとに書き進む、最後は悲しいはずなのに悲しくないクール(ウォームのほうがピッタリくる)な終わり方、良かった

    6
    投稿日: 2024.09.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最後の一文を読んだ後しばらく棒座り。カケイさんの人生はしあわせだったのかという序盤の問いが自分に聞かれているようで、なんともいえない気持ちになった。 ヘルパーの経験がある作者の描写はリアル。自分は今助ける側の視点しかもてないけど、いつかは親もこうなり、自分もこういう終わりを迎えるのかな、、おばあちゃんも晩年、誰かがピンポンしてくるって夜の10時くらいに毎晩起きてたな、、

    2
    投稿日: 2024.09.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    時代が明治なのか昭和なのか令和なのか注意深く読まないとならない作品。 悲しい事がたくさんあっても昔は生きていくことが精一杯で「悲しい事」をキチンと「悲しい事」と認識できなかった。 年老いて記憶が曖昧になっても、忘れられない過去に囚われて逃れられない。 とても辛い内容でした。

    0
    投稿日: 2024.08.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短い物語でしたが心にズシンとくるものがあった。 カケイさんは認知症を患った一人暮らし。 カケイさんはしあわせを奪われていたわけではなかった。周りのみんながカケイさんのことを思い続けていた。 だからこそ一人暮らしが平穏な生活だった。 しあわせだったか?と聞かれたら、しあわせでしたと答えてやろうと思う気持ち。なかなか言えることではない。

    34
    投稿日: 2024.08.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    認知症で意識もまだらになっているなかBBA目線で語られる半生はドロドロすぎて消化不良気味でした。 カケイさんが語る壮絶な人生。とわいっても幼少期から長女を出産してしばらく位までなので前半20年くらいで残りの60年くらいは語られてないのですが、多感な時期の辛い記憶のほうが残っているようです。 大ちゃんの乳を飲んで大きくなったって、よくよく話を聴けば雌犬らしい。ヤクザもんの兄貴に男をあてがわれ夫婦になったとか。ディサービスのヘルパーさんたちのことを、みっちゃんって呼んでいる。 ヘルパーがないときは鬼嫁が自宅にきて介護しているようですが虐待をうけてるように語っています。 記憶が混乱してるとこもあり被害妄想もあるようで信憑性は疑われるし、誇張してるところもあるかもしれないですが、本人がそう感じているのだから幸せにはみえないですね。 兄貴の恋人だった広瀬の婆さんも同じディサービスに通っていて真相を告げられた時、知らないところで守られていたんだと幸せそうな思いに包まれていました。 人は自分のために苦労した人がいたとか聞かされると恩義を感じてしまうのですが、守る人のために苦労することができたとゆうのもウィンウィンな関係でよかったって思うのです。 老後を迎えやがて訪れる死に対してどのように向き合うべきなのか考えさせられる作品でした。

    105
    投稿日: 2024.08.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「夜が、くる。一日の最後に、夜が、かならず、めぐってくる。夜は、ありがたい。夜は、手放しで、ありがたい。(中略)眠ってしまえば、もうあれこれかんがえずに、すむ。あああ。このまんま、あしたの朝、目が覚めなきゃいいのに」 一人きりで眠りにつく夜、こんな風に思いを巡らす時が私にもいずれ来るのだろうか。 カケイさんの老後の生き方から、自分の老後について考える。不安と孤独に苛まれそうになって怖くなった。 「カケイさんの人生は、しあわせでしたか?」 ヘルパーのみっちゃんからの質問をきっかけに、自分の来し方を手繰り寄せるカケイさんの人生は驚く程に波乱万丈。これでもかと次々に襲われる苦悩でしかない出来事に、私なら途中でギブアップしてるかも。 けれど、カケイさんの手を最期に彩る花々に、カケイさんの"しあわせ"だった頃の記憶に、リアカのお迎えに、とても幸せな気持ちになれた。私も最期でこんな気持ちになれるといいな。最後の最後で自分の人生を"しあわせ"だったと認識できたカケイさんに胸がアツくなった。 それにしても、広瀬のばーさんカッケー。

    38
    投稿日: 2024.08.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    永井みみさん「ミシンと金魚」読了しました。 最近のことはすっかり忘れてしまうけれど、昔の回想をして日々を過ごすカケイさん。周りは痴呆老人扱いだけど、カケイさんはいつも色々考えている。切なくて、少し可愛くて、悲しいけど幸せなカケイさんの一生。後悔も悲しみも幸せとして飲み込んだ一冊。(x同文)

    4
    投稿日: 2024.08.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ページを捲る手が止まらず、読みやすいのに一文一文が心にずしんと響く小説だった。 この気持ちをうまく言葉に出来ないと思いながら、読んでいて涙が出た、切ない。 カケイさんが生きた時代と今とで比べたくはないけど、どの時代もみんな精一杯生きているんだよね。 自分はポックリ死にたいなとか思ってしまった。 カケイさんの回想の語り口調は平和で穏やかな感じなのに、その内容は全く穏やかじゃないし、その時その時の切実さが滲み出ていてしんどくなった。 デイサービスの風景、冷静に観察している様子がリアルだったな。 読み終えてから表紙を見てまた泣けてくるし、なんと言っても最後の終わり方にやられました。 亡くなってだいぶ経つけど、おじいちゃんおばあちゃんに会いたくなったよ。 とにかくこんなに心揺さぶられるとは思わなくて、深い余韻を噛み締め、最後に酒井さんの解説に救われました。

    6
    投稿日: 2024.08.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    カケイさんは1人暮らし ヘルパー訪問とデイサービスを利用している ヘルパーさんをみっちゃんと呼ぶ (どのヘルパーさんも) ある日、ヘルパーさんから今までの人生を幸せだったかを聞かれる カケイさんが語るカケイさんの人生 あっけらかんと時にユーモアで語られる 壮絶なカケイさんの人生 そのなかで明らかになる真実 深い読後感

    11
    投稿日: 2024.08.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「あがりかまちの、裏っ側の  ちっこい、手あと。」 その手あとにそっと、手を重ねたカケイ婆ちゃんの気持ちで、 胸がいっぱいになった。 老いるということは、私が想像するより、もっとずっと深い。 哀しいとか寂しいとか、そんなありふれたものだけでなく、 慈しみとか、尊いとか、重ねてきた時間に比例するものが、 あふれ出るのかもしれない。

    8
    投稿日: 2024.08.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    タイトルと表紙に惹かれて手に取る。 読み始めは読みづらいかも…と思ったけれど 少し進めば慣れてカケイさんの考えや思いが ぐんぐんと入ってくる。 一瞬の幸せが一生を彩ることもある 読んでよかった作品

    1
    投稿日: 2024.08.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    なんで「おばあさん」になった途端、その人の人生が見えなくなってしまうんだろう 認知症になったおばあちゃんとまともに向き合うのってすごくエネルギーを使うしなんとなくふわふわっと流しちゃう。 最初はちょっとの罪悪感があって、だけどそのうちそれもなくなる。だんだん軽く見るようになる。 悔しいけど身に覚えがあって、だからこそ登場人物の言葉が痛いほど刺さった。 古いなあって思って聞き流した言葉たちは、その人たちからすれば本当に心からの、想いのこもった言葉で、その人たちはその古いと言われる価値観の中で長い時間懸命に生きてきたこと、ちょっと想像すればわかるはずなのに、なんでこんなにも見えなくなってしまうんだろう。 うんと、ううんと、しあわせだった。あたしには、しあわせな時間が、たしかに、あった。 なんかの折に、だれかに、しあわせだったか?と聞かれたら、そん時は、しあわせでした。と、こたえてやろう。つべこべ言わず、ひとことで、こたえてやろう。 とてもとてもかっこいいと思った。

    4
    投稿日: 2024.08.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    文体は独特なのにリアルに感じてしまう描き方が見事でした。 苦しいけどリアルで短いながらも何度も読む手が止まって考えさせられました。

    33
    投稿日: 2024.08.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読みやすいが故に感情が..... 電車の中で読んでいて涙を堪えるのに必死だった。 カケイさんの可愛らしい言葉遣いとは裏腹に壮絶な人生を認知症でぼやぼや思い出したり周りの人からの告白でそうだったのかぁ。と感動するけど残された時間感謝を伝えに行くことも何かアクションすることもできないもどかしさ。。 歳を取ったらそうなるのかな。 リアルでこれからの自分ももしかしたらこんな感情になるのかな。と考えさせられる1冊だった。

    0
    投稿日: 2024.08.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    初読み作家さん。 書評でよくお見かけして評判も良かったので購入した。ら、津田さんのダイジェスト朗読も付いていてめっちゃお得だった。 これがデビュー作とのことで驚きを禁じ得ない。文量は少ないが、読み応えが厚い。 認知症を患うカケイさんの人生を自らが語る。この喋り方、とっても馴染みがある気がするのだが、あとがきによると千葉県の喋り方だとか。親戚に千葉の人いないんだけどなぁ。 認知症故に時系列は飛び飛びで、連想も飛躍して、繋がら無いようなのに、ちゃんとカケイさんの人生が分かる。 この話は、フィクションだけど、現在のおじいさんおばあさんが実際に生きてきた人生の総体だ。何故ならば、祖母から聞く話と全く同じ世界だから。 生きるってね、生きるってほんと、こんなだよ。しんどいことはあったけど、しあわせがあった。ちゃんと、あった。

    5
    投稿日: 2024.07.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読まなかったら見えない視点だったので読んで良かった 認知症のおばあちゃんカケイさんの語りで進んでいくストーリー ケアマネジャーの総称みっちゃんが、なんの略なのか考えながら読んでたけど、そういうことだったんだ 自分の将来をカケイさんや、嫁さんに重ねつつ読んだので他人事とは思えなかったし、色々と考えさせられた

    0
    投稿日: 2024.07.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    認知症のカケイさんは2年前息子が死んだことは記憶にないが、壮絶な人生はしっかりと覚えている__内容はシビアで気持ちが落ちたけど、カケイさんの語りがユーモアなとこに救われた。最期は、不器用な愛に守られて幸せだったのだと思いたい。読了後の余韻を久しぶりに感じました。

    1
    投稿日: 2024.07.25