
総合評価
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powered by ブクログ自分は何者か家族は何者か、隣人は何者か? 公的証明以外に証明出来るものは何もない もし、それが証明できなかったら 自分は自覚がないまま自分そっくりの 他人に入れ替わってたら 安部公房は舞台にも力を入れていたので 舞台映えのする小説である 文章も映像を観ているようであった
0投稿日: 2025.12.04
powered by ブクログ砂の女、他人の顔、箱男、友達と読んできたが、本作も安定の満足感。 安部公房のエッセンスの一つを私なりに表現するとすれば、現世ではおよそ非常識でキ◯ガイとしか形容されないような価値観やアイデアが主人公に伝染していく様を巧妙に描くことで読者の認知を激しく揺さぶり書き換える、というものになるが、本作もとにかく滅茶苦茶にされる。読み終わってみれば訪問者の荒唐無稽な話をどこか受け入れている自分が居る。 約束された、唯一無二の読書体験
0投稿日: 2025.11.08
powered by ブクログたぶん大学生以来の再読。薄い本なのに読了に時間がかかってしまった。 これってもしかして洗脳につながる話?が今回の感想。 初読の時は、読了の時間・感想はどうだったのだろう? 覚えていない…
1投稿日: 2025.11.01
powered by ブクログ火星にロケットが軟着陸しているまさにその時。 主人公は「こんにちは火星人」というラジオ番組の台本を書く作家。 そこへ「火星人のことで相談がある」と訪ねて来た客とのやり取りで話が進みます。 客とその妻との連携プレーで話を聞くハメになってしまった主人公。(これが後からジワジワ怖い) 話の要点はうやむやに、撹乱されていく主人公。この客は何?人間?人間そっくりの火星人?おかしな人間? 屁理屈みたいで頭が痺れてくるような会話が続き ラスト急にめっちゃ怖い! トポロジーは最後まで難しかったですが…面白かった!
2投稿日: 2025.09.27
powered by ブクログ自分とは?自分という存在を疑え、という挑戦状のような作品。わたしも本当は地球病にかかった火星人なのかもしれない、ほら、あなたも…。
0投稿日: 2025.09.09
powered by ブクログストーリーの9割が、一対一の会話劇。心理戦。 ラストの乱暴さも何故か安部公房らしさを感じた。個人的には、地球人と火星人の概念が混濁していくようにはあまり感じれなかった。
1投稿日: 2025.08.26
powered by ブクログあー天才だなぁ〜 最初は何言ってるん?なんの話? ってなるんやけど最後はのめり込み過ぎて 私も頭がおかしくなる。 読み終わっても結構引きずる 読むドラッグって感じです。 登場人物はほぼ2人 ずーっと喋ってるだけの話 なのになぜこんなに面白いのか。
0投稿日: 2025.06.30
powered by ブクログやっぱり凄い作家なんだな。 いま、こんな作品を発表する人はいないよね(この作風を求める読者って減ったのかな)。 ほとんど会話しかないのに独特な雰囲気があって、状況がコロコロ変わる。事実と妄想の違いが分からなくなっていく。 観念操作のマジックというよりは安部文学独特のロジック展開なんだろうな。
0投稿日: 2025.05.20
powered by ブクログSFマガジン1966年9月号から3回に分けて連載。2か月後の67年1月に「日本SFシリーズ」の1冊として刊行され、71年5月には「世界SF全集」に収録。この迅速さから、早川の編集長(福島正実)の力の入れようがわかろうというもの。 人間そっくりの火星人。見かけが人間と同じだというのに、火星人であることをどう証明するのか、あるいは人間でないことをどう証明するのか。火星人を名乗るセールスマンと放送作家の問答が、団地の1室で繰り広げられる。堂々めぐりの会話がみごと。そしてどんでん返し、そのどんでん返しもまたひっくり返される。巧いとしか言いようがない。 新潮文庫版の解説は福島正実。作品を解説せずに、安部公房がSFをどう見ていたかを述べている。福島はこれを書いて2カ月後に亡くなった。
1投稿日: 2025.05.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「こんにちは、火星人」というラジオの脚本家は、ピンチに陥っていた。 "存在するはずのない火星人をネタに日本を風刺する"番組はこれまで順調にやってきたが、火星にロケットが軟着陸することになり、火星のことが明らかになると世間の目は厳しくなると予想されるからだ。 そんな彼が部屋で鬱々としていると、突然自らを火星人だと名乗る男が訪問してくる。 その男の妻から電話もあり、30分後に迎えに行くが、気違いで暴力的なため逆らわずに話を聞くようにと言われ、家に上げてしまう。 最初は気違いの戯言と聞き流していたが、相手は意外と論理的で適当な相槌は見逃してくれず、真剣に向き合わざるを得なくなり、ああ言えばこう言うの応酬が繰り広げられる。 男は自分を火星人と言い張ったかと思いきや、気違いと思ってくれていいと譲る。しかし、やはり本当は火星人で地球に調査にきていると明かす。しかもいちいち科学的な難しい理由をつけて。 それに振り回されるうちに、「先生」は何が常識で、何が真実なのかわからなくなっていき、自分を見失ってしまう。 読みながら「先生」と同じように混乱し、結末の病院はどこの星にあって、先生はいったい何人なのかわからなかった。 部屋の中でほぼふたりきりの会話だけなのに、コロコロと状況や価値観が変わり、ミステリーとは違うけれどどんでん返しが起こるのがすごい。 人は理由をつけて説明されると納得してしまうし、納得したはずのこともまた覆されてしまうこと、また、常識だと思っていることは実は根拠も理由もなく証明するのは難しいということを、短時間で痛感させられる一冊だった。
0投稿日: 2025.03.07
powered by ブクログ【文庫本裏面あらすじより一部抜粋】 《こんにちは火星人》というラジオ番組の脚本家のところに、火星人と自称する男がやってくる。はたしてたんなるアブナイ人なのか、それとも火星人そっくりの人間か、あるいは人間そっくりの火星人なのか? 本作は数学のトポロジー理論を取り入れた傑作SF長編と紹介されている。 はじめは気狂いと思っていた訪問者が、本当は何者なのか、まともなのか、火星人なのか地球人なのか、そして自分自身の正体すらも曖昧になっていく様は読者も同じであろう。 神保町の三省堂で村田沙耶香が推した一冊だったが、彼女が推した理由がよくわかった。
1投稿日: 2025.01.02
powered by ブクログあけましておめでとうございます。 久しぶりに本を読了いたしました。 2025年一作目は、阿部公房の「人間そっくり」 箱男を映画で観たこともあって読んでみたかった阿部公房。 どのお話もまずは己を疑えと言うような、内容が多い気がする。 本作は、火星人に関するラジオをのパーソナリティをしていた男の元に、少し変わったおとこが現れ、「自分は人間そっくりの火星人だ」と話を持ちかけられる。 主人公同様、嘘なのか本当なのか。 家にきた男の周りに緻密な嘘かもしれない話。 全てを鵜呑みにして聞いていくうちに、 自分のいる世界が本当なのか嘘なのかすら 分からなくなっていく。 阿部公房、SFの中に風刺を見出せる。 言葉が上手な作家さんだなと。 ここから阿部公房祭りになりそうです
0投稿日: 2025.01.01
powered by ブクログ家に自称火星人と名乗る怪しい男が訪ねて来るというワンシチュエーションだけでよくこんなに書けるな しかも読んでいて飽きさせないからすごい
0投稿日: 2024.12.21
powered by ブクログ再読。君は火星人であるか?それとも地球人であるか?密室で繰り広げられる対話劇。ただそれだけと云えばそれだけだが、こんな面白い対話劇なんて中々ない。途中で飽きる事のない中毒性の高い作品。精神や思考が侵食されていく様が恐ろしくも面白い。
0投稿日: 2024.11.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画の箱男を観たので安部公房の本を探していて、箱男は無かったが、人間そっくりを読んでみた。 少し言葉が難しいけど、物語が短くサクッと読み終わってしまった。最後の数ページで急激にこわくなる。 結局人間そっくりな火星人なのか、火星人そっくりな人間なのか、分からないのがいちばん怖い。
1投稿日: 2024.10.09
powered by ブクログ砂の女で難しいイメージを持っていた安倍公房作品ですが、本作は非常に読みやすかったです。 確かに自分が火星人ではなく地球人だったとしても、それを証明することは不可能。 自分の存在が危ぶまれる可能性だってある。
0投稿日: 2024.08.24
powered by ブクログ自らのことを火星人だと言い張る訪問者。対話を通じていく中で、寓話と現実の境が曖昧になってゆく。物語の立て付けやパーツによる定義を超えた、物語の現実との連続性の中での寓話性によって読者の現実を揺るがす手法がSFの真髄を体現していた。
6投稿日: 2024.05.06
powered by ブクログ本での中で過ぎている時間よりも、読んでいる時間のほうが長くて不思議な感覚になった。そのせいなのかは分からないが徐々に洗脳のようにいわゆるトポロジー症候群にかかっていく様がリアルすぎた。自分もなってるような気持ちになった。本の中でリアルと寓話が混じっていく過程で、本の中と現実の中も混ざっていく気がしたから感情移入出来るのかもしれない。すごく面白かった。
0投稿日: 2023.12.27
powered by ブクログ人間そっくりの火星人と称する男の来訪に対応しているうちに、次第に混乱していく。健常者から見た狂人と狂人からみた健常者は、ともに狂人に見えるという点で同一である。真実は不確定で、何が狂人かどうかは相対的である。
0投稿日: 2023.06.08
powered by ブクログ火星人についてのラジオ番組の脚本家の家に、自称火星人の気違い男が訪ねてきて、自分は本物の火星人だと思うか、自称火星人と名乗る気違いだと思うか、気違いだと思ってるんだろ、証拠を見せろ、、うんちゃらかんちゃら、、やってるうちに、まんまと相手の話術に乗せられ、とうとう自分が火星人だと言わされてしまう。 相手の話術もすごいけど、なぜ引き返せなくなったのか、、 結局、アイツは誰だったのか、、何が目的だったのか、、、 そもそも夢だったのか? 最初はどうなるのかと、展開や会話がおもしろかったけど、読んでるこちらまで、だんだん訪問者の口車に乗せられているような気がしてきて話をすっ飛ばしたくなる笑
0投稿日: 2023.02.16
powered by ブクログSF作家に熱烈なファンが来訪してくる。来訪者の妻の電話によりグッと引き込まれ、来訪者が異常者なのかどうなのか主人公と同じ目線で判断する楽しさがあった。意味不明ながらも筋の通った論理を展開する所は安部公房らしくて読んでいて楽しかった。
0投稿日: 2022.12.17
powered by ブクログ「人間そっくり」は1966年に『S-Fマガジン』に連載された作品です。 ある日、 自分は火星人だという男が訪ねてくる。 自分は火星人だという男。 彼は、ある小説の原稿を手にしている。 タイトルは「人間そっくり」 今回の出来事を、事前に小説に仕上げてきたという。 そこから、延々150ページにわたり 何が本当で、何が嘘かがわからない押し問答が続く・・・。 まるで星新一のショートショートのような展開です。 ただ・・・長い・・・(;^_^A
0投稿日: 2022.10.30
powered by ブクログ面白かった。最初の方こそ漢字が少なく読みづらいなあと思っていた。おまけに、けむに巻かれる一方で全然物語的進行がない。しかし、しばらく読み進めてこのけむに巻かれる口八丁を楽しむ構造なんだと気がつくと、面白く読めた。主人公と同じ体験をしているかのように相手の嘘か本当かよく分からない弁術を聞く。そういうのもアリなのかと思った。表現力も流石と言ったところでメモするところもいくつか。何が正しいのかわからなくなる体験は楽しかった。
0投稿日: 2022.10.09
powered by ブクログ自分は火星人だと名乗る困ったクレーマーの対処をする話、と考えるのが普通だと思うけど、表層的な捉え方か? 屁理屈を突き詰めたような話だけど、自分あるいは他人が何者かであることを証明するのって難しい。火星人でないことを証明しきるなんてできなくて、それこそ公理か。
0投稿日: 2022.08.26
powered by ブクログただの狂人か、火星病の地球人か、地球病の火星人か、何ひとつ確かなことは分からない。読んでいて不安になってくるような、自分の存在がふわふわしてくる感じがする。
0投稿日: 2022.07.13
powered by ブクログ脚本家の男のもとに火星人を名乗る男が訪問してくる。 そこからはじまるやりとり。 果たしてこの世界は現実なのか、寓話なのか?自分は何者なのか? 読んでいるこちらまで自分の存在があやふやになってしまうような作品。
1投稿日: 2022.05.10
powered by ブクログ火星人を自称する謎の男と、訪問を受けた脚本家との会話で進んでいく。 自称火星人の扱う不思議な論理で、訪問を受けた脚本家と一緒に読者もどんどんと錯乱。 ページ数こそ少ないが、粘っこい読後感がいつまでも残る傑作。
0投稿日: 2021.12.04
powered by ブクログ今でこそこのような「現実と虚構が混乱してしまう」テーマの話しは数多く作られてきたが、当時はかなり斬新だったのかもしれない。主人公の不安の高まりが徐々に伝わってくる。 安部公房の作品はかなり久しぶりに読んだ。本作品もその独特な不条理の世界観が面白い。どの作品も、日常の裏側の、しかしかなりかけ離れた世界にいつの間にか引きずりこまれ、そこに精神的に一体化されてしまうような話が多い。トリップ感覚とも違うこんな世界をよく描けるものだと改めて感じた作品。 登場人物と場面が限定されているので、映像よりも舞台劇に向いてそうだ。目の前でこの緊張感を表現してくれる役者達を観てみたいものだ。
0投稿日: 2021.10.31
powered by ブクログ初めはいたって正常だったが、徐々にねじれていって、最後は何が正しいのかわからない。頭が混乱します。まさしく天才的でした。
0投稿日: 2021.09.29
powered by ブクログラジオ番組の脚本家である主人公の元に、火星人を名乗る人物が現れる。存在の不確かさを突きつけられる不気味な一冊。 自分が地球生まれである証明はできず、ましてや他人が同族であることも証明不可能だ。 出版年は昭和42年。戦争や政治的なムーブメントが巻き起こった時期に、他人への不信感が募っていたことの表れではなかろうか。 今や、大きな経済の変動は見込めない安定した社会になっている。しかし、だからこそ価値観が多様になり、他人を同族と見なしにくくなりつつあると思う。 筆者の測り得たことではないが、現代にも通じる側面があったと思う。
3投稿日: 2020.08.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読んでいて、段々訳が分からないものに足元を掬われる思いがしてきた。 人間そっくりだと言う、火星人を名乗る男と、放送作家の男の会話で物語は進んでいく……が。 火星人を名乗る男の目的が全く分からない。分からないのに、それを回避してひたすら喋っている。作中で本人も言っていたが、大きな嘘を隠すために小さな嘘を沢山ついている。だから、何が本当か分からない。 最後の最後まで、訳が分からない。 放送作家は、自分が段々何者か分からなくなっていったと思うが…… 以前、カンガルー・ノートを読んだ時も、何が現実で、何がそうじゃないのかが分からなくなってきたみたいな感想を書いたが、今回もそんな感じだった。 これ、二人の男の一人称がどっちも"ぼく"なんだよな。だから、ラストが余計に混乱するんだよ。どっちの"ぼく"なの?みたいな。 会話が多くて、割と読みやすいとは思うけど、本当…何が本当なのか分からなくなってくる……
4投稿日: 2020.05.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
天才。ページをめくる手が止まらなかった。会話文が多くて飽きない。 この物語を読み終えた人は全員ゾッとするはず。主人公の体験は誰にでも当てはまる話だから。宙ぶらりんになった後は、自分の存在自体について必ず考えてしまうはずだ。 トポロジーなどよく分からないこと以上によく分からないことが多過ぎる。それなのに感覚として分かってしまうこともある。それがこの小説の良さ。
2投稿日: 2020.04.30
powered by ブクログ来訪者:自称火星人の男 標的:ラジオ脚本家 クルクル裏返る男の物言いに翻弄される脚本家。人間がその人間たる足元を巧妙に削られ「人間そっくり」にされてゆく様には、滑稽と戦慄を覚える。 文豪がガチで飛び込み営業したら、何でも売っちゃいそうで怖い。
5投稿日: 2020.03.28
powered by ブクログ放送作家をしている主人公の元に、突然火星人を名乗る怪しい男がやってくる。主人公は男の話を聞いているうちに、自分が地球人か火星人か、わからなくなってしまう。本当にこの通りの話。もしかしたら私も、地球病にかかった火星人なのかも。
1投稿日: 2019.12.10
powered by ブクログ「人間そっくり」(安部公房)を読んだ。 もうかれこれ45年くらい前、たぶんまだ中学生だった頃に読んで以来だと思う。 「壁」は何回も読んでいるのに、こっちは(何が気に入らなかったのか)あれ以来一度も読み返してないんだな。 改めて読んでみると『こんなに面白かったのか』と思うんだけど。
0投稿日: 2019.09.24
powered by ブクログナショナリズムやアイデンティティの危うさが描き出されている。 後半への畳み掛けや、物語が核心に狭っていくスリルはたまらないものがある。 直接的には非日常を描きつつも、それは必ず日常の延長線にあるということを常に意識してたのではないかと思う。 だからこそ突飛な設定であっても、時代を経ようと、その本質が饐えるようなことはないのではないか。 星新一とか映画のインセプションが好きな人にもとてもおすすめ。読みやすい部類だろう。
0投稿日: 2019.05.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
相変わらずのカオス過ぎる世界観でした。 隠れた名作というべきか。 嘘も巧妙だと、何を信じて良いのか分からなくなるが、そこに見え隠れするのは、寓話か?現実か?のこの二択。 思考がショートすると…文字通りよくあることですが、主人公の運命を見届けるまでが、非常にスリリングで、SF!!という感じがなく、寧ろ少しホラーっぽい心理的怖さがあります。 SF苦手ですが、すらすら読めました。
1投稿日: 2018.11.19
powered by ブクログあなたも今日から火星人になれる、何故なら火星人でない証拠はないからだ。狂人的な妄想を、屁理屈と暴力で強引に押し通す。圧倒的に有利な主人公の正気をどの様に狂気の側へねじ伏せるのかが読みどころだった。 安部公房の作品では読みやすいSFだった。自己存在の脆弱性というか、「壁」に書かれていそうなテーマだった。「壁」は2、3回挑戦して挫折した作品だが、そろそろまた挑戦してみようかな
0投稿日: 2017.10.14
powered by ブクログ理系の頭で書かれた小説。という印象。感情よりも理論で、ほぼセリフとト書きで進む。言葉としての面白さがすごく巧みに使われてて、比喩も新しく感じる比喩ばかりで、どれが妄想でどれが事実なのかあたまがこんがらがって仕方がなかったけど、読むたび色んなことを考えられてたのしかった
0投稿日: 2017.06.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
まるでオチのない漫才を延々と繰り返される中盤までと、SFなのか精神異常をきたしているのかわからなくなる終盤と。作者の作風よろしく難解ですが、もっともらしい科学的な講釈あたりが非凡を感じる。作者の作品にしてはまだ読みやすい部類かも。 それにしても主人公の奥さんはどこへ行ってしまったんだろう。
0投稿日: 2017.02.24
powered by ブクログ火星人をテーマにしたラジオ放送作家のもとへ、火星人を名乗る狂人がたずねてきた。なんとシニカルな設定か。安部公房ならではの想像もできない展開と、すれ違いと屁理屈の応戦が巧みで面白い。『方舟さくら』のようなナンセンス漫画に似た趣がある。しかし歯車のズレがカチッとはまったとき背筋に寒気を感じる空恐ろしさがあった。筆者が位相幾何学を持ち出し「人間そっくり」の表層的外形的な識別を論じさせるあたり、安部公房の天才さを感じさせられる。
0投稿日: 2016.07.31
powered by ブクログ閉塞された世界で膨れ上がるストーリーに引き込まれた。 自分が人間であるのかも甚だ懐疑的にならざるを得ない。 人間は皆、人間そっくりの何かなのかもしれない。
0投稿日: 2016.02.14
powered by ブクログ高校生の時だったかな、初めて読んで、それから今回読むのは3~4度目かな。初めて読んだ時は主人公の男と”田中一郎”との小気味良い会話の掛け合いと、作品全体に通底するある種の気味悪さを楽しんでいたような記憶がある。後半の記憶がおぼろげなのは、多分話がややこしくなってきたからだろう。そういう意味では、細部はともかく、全体としては今回が一番話をよく飲み込めたと感じている。やはり10代後半の頃と、今(29歳)とでは、理解力というよりは、作品を相応に受け止められるだけの素養(経験)に差があるのだと思う(頭が柔らかいのは間違いなく10代の頃だけど)。 安部公房を久しぶりに読んで、比喩の卓抜さに感心したのと、特にこの作品がそうかもしれないけど、かなり論理立っているというか、理屈っぽいなという印象を受けた。読んだことないけど、SF小説は皆こんな感じなのだろうか。まあ何にせよ、この”不条理”感はやっぱり好きです。会話も相変わらず小気味良し。
0投稿日: 2015.06.30
powered by ブクログSFとはしたけれど、果たして「ぴったり」とは言いにくい。 読み進むにつれ世界が歪み、反転していく。その様は見事。 果たして見慣れているはずのこの景色は、ホントウなんだろうか。全ては「そっくり」なのかも知れない。 眩暈を覚える怪作。
0投稿日: 2015.04.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
日本のSF小説。自分を火星人と名乗る男とのやり取り、主に会話で176ページというその構成がそもそも凄い。ラストがあははうふふ。正気と常識の意味を考える。
0投稿日: 2015.02.11
powered by ブクログ今の時代に読むとナンダカナーな感じはしますが、世界観にはすっかり引き込まれます。文章もなめらかで饒舌でうっとりする。素敵な作品。
0投稿日: 2014.11.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【本の内容】 《こんにちは火星人》というラジオ番組の脚本家のところへあらわれた自称・火星人――彼はいったい何者か? 異色のSF長編小説。 [ 目次 ] [ POP ] 『砂の女』『箱男』など前衛的な作風で知られた作家、安部公房(1924~93年)が、再びじわじわと注目を集めている。 娘のねりさんの『安部公房伝』が新潮社から刊行され、文芸誌「群像」では、政治学者、苅部直さんの連載評論「安部公房を読む」が続く。 国際的にも評価の高い小説群の中で、とりわけ本作は背筋がゾワッと冷える。 ラジオ番組「こんにちは火星人」の脚本家のもとに、「ぼくは火星人なんです」と語る男が訪れた。 人間そっくりでも、本物なのだと言い張る。 最初は、単なる正気を失った男と片づけていた作家は、話に振り回されるうち、自分とは、そもそも人間とは何なのかよく分からなくなる……。 作家の大江健三郎さんが一人で選考する文学賞を今年、星野智幸『俺俺』(新潮社)に贈った際、安部公房の作品に似ていると語り、その文学の特徴を「小説的思考力」にあると述べた。 想像のつかない設定を作り、話を展開する思考力。 その才能を持つ安部さんが、「想定外」の出来事が続く震災後の日本に生きていたら、どんな物語を紡いだのかとぼんやり思う。 [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
0投稿日: 2014.10.31
powered by ブクログ昭和40年代に書かれた作品と思えば、斬新だったのかも知れないが、今読むと今ひとつだった。 読後に、得体の知れない静かな恐怖感、日常に見えてもしかしたら的な悪寒を感じなくはないけれど、たぶん、私(読者)がいまやそれに慣れきってしまっているのでしょう。 安部SF作品の中でも、イマイチだなーという感じ。 解説は、福島正実。SFマガジン解説の立役者、中心人物なので、解説から読むと、作品が生み出されるに到った背景的なことがわかります。
0投稿日: 2014.08.27
powered by ブクログ本書は解説によれば「日本SFシリーズ」の1冊として刊行されたらしい。また裏表紙にも「異色のSF長編」とある。しかし、これがはたしてSFかといえば、私の解釈からすれば答えは否である。今日的な観点からすれば(刊行は1967年)むしろ、純文学の範疇に位置づけられるべきだろう。主題は、自己と、そしてまたその周縁の他者をも含んだアイデンティティへの懐疑ということになるだろうか。それを4人の登場人物(主には2人だが)の対話の中で描いていくのであり、その意味では小説でありながらも、きわめて演劇的な指向性を持った作品だ。
2投稿日: 2014.05.03
powered by ブクログSFというよりも徹底したまでの論理性の追求と、想像力の飛躍を突き詰めた作品のように感じた。如才ない自称火星人男の雄弁ぶりにぐいぐいと引き込まれて行く。一見冗長に思われる火星人男の口上が、透徹で清廉な論理性を積み重ねている。難渋する主人公の状況や、諄々と相手を説き伏せ、帰らせようとするやりとりが非常に可笑しくもある。事実は公理。公理は証明できないからこそ公理である。ウィトゲンシュタインの言語ゲームを思い出した。
0投稿日: 2014.03.22
powered by ブクログ安部公房作品によく見られるモチーフである追うものと追われるものがいつの間にか逆転し誰が追われているのか誰を追っているのかがひどくあいまいになってくる。本作もそのモチーフが存分に生かされている。人間そっくりの火星人なのか、はたまた人間なのか…。2013/397
0投稿日: 2013.12.22
powered by ブクログ想像していたより読みやすかったので驚きました。内容はわかったようなわからないような、考えすぎると深みにはまってしまうような、読んでいるうちに自分でも何だかわからなくなっていました。 昔、思春期の自分とは何だろうと、ぐるぐる考えていたことを思い出しました。不思議な作品ですけどハマりそうです。
0投稿日: 2013.09.10
powered by ブクログ自分は火星人だと主張する男の訪問により、自分が何だか分からなくなってしまうラジオの脚本家の話。 落語の粗忽長屋を聴いて、この小説を思い出し、再読。 粗忽長屋は、行き倒れになった死体を自分のものだと思い込んでしまったそそっかしい男が、結局自分は何者なんだか分からなくなってしまうという噺。 数年前にこの小説を読んだときは、何でもない相談から、二人の掛け合いで途方もない世界へと連れて行かれる、ブラックマヨネーズの漫才を連想した。 相手は完全に狂ったようなことを話している、それを分かっていながら、知らず知らず、相手のペースに飲まれて気づけば自分も狂っている。 狂っているとは何なのか。 真実は誰が決めるのか。 脚本家と自称火星人の男、二人の密室でのやりとりの他は、 それぞれの妻が少し出てくるだけ。 狭い舞台設定の中に、これでもかと引き込まれる。 オチのブラックな加減も、結構好き。 今度は読み終わってから、映画で見た、松尾スズキの『クワイエットルームにようこそ』を思い出した。
0投稿日: 2013.08.21
powered by ブクログ火星人を題材にしたラジオドラマの脚本家の元に現れた凡庸な容姿の1人の男。自分は「人間そっくり」な火星人だと主張して憚らない。 狂人の戯れ言と思いつつも、どこか凶暴性を秘めた男に怯み、追い返せない脚本家…適当に相槌を打てば追い込まれ、論破しようとすれば堂々巡り… 不気味なオチ。夢野久作や芥川も使っていたパターンの変形というか、読者に委ねちゃうのでどうにもスッキリしない…
7投稿日: 2013.08.08
powered by ブクログ放送作家の主人公の自宅に現れる、自称「火星人」という男。 最初は単なるクレイジーなファンかと思いきや、理路整然と説明される男の話に、徐々に何が現実なのか分からなくなっていく。 日本のSF小説の走りと評される本作、今の時代でこそ新鮮味がないストーリー展開だけれども、自称火星人の気味悪さは現代にも通じるものがある。 主人公に突っ込まれる度に、のらりくらりと説明をかまし、飄々としている火星人男から投げつけられる真っ直ぐな言葉一つ一つ。 思い込みは真実に勝る、という訳でも無いけれど、どこか確信を持てずに生きている現実に、こんな奴が突然現れたならば、果たして正気を保てるか?と言われると自信は持てない。 ちなみに、オチは結構ゾッとします。
0投稿日: 2013.07.09
powered by ブクログただ人間そっくりなだけだ。朝起きたら大きな虫になっていた、らしき奇天烈な展開もない。 二人の男がひたすらに会話をする。片方の男はひたすらに理屈をごね続け、もう片方の男はひたすらに混乱していく。それだけだ。 混乱は不安を生む。人が強烈な不安に苛まれている時、信頼できる他人の判断に身を委ねてとりあえず思考停止することが、一時的とはいえ大きな安心をもたらしたりもする。信頼を与えてくれる者が人間だろうが人間そっくりだろうが、藁をも掴みたいほどに精神が衰弱しちまっている人間にとっては知ったこっちゃないのだ。本作は、なんだかんだいっても優しさを捨てきれない男が、思考停止を拒み続けた結果思考停止できなくなる、という悲惨かつ多分にシュールな内容である。 ところで、本作のように強引な押し売りが我が家にやってきたことがあった。奴はかなりしつこかったが、玄関で40分も粘ったクズ野郎に諦念を湧き上がらせたキーワードが、「貧乏」だった。下手に思考停止し、クズ野郎の口車に巻き込まれるくらいなら、自身がいかに貧乏であるか懇切丁寧に説明し、相手の信頼を得る努力をしよう。
0投稿日: 2013.06.21
powered by ブクログ「人間そっくりな火星人」なのか、「火星人そっくりな人間」なのか。 佳境に入ってから急展開するストーリーと、それに合わせて錯綜する思想が一緒くたになって、私の頭の中をかき回してくれました。ただ、そこに至るまでの過程が詭弁の回り道で、なかなかじれったかったのですが。まあ、そこはクライマックスに持っていくための必要プロセスなのでしょう。 最後には、私も主人公と同じような思考回路になり、こっちの世界に戻ってくるのにいくらか時間がかかってしまいました。 シュールで突拍子もない設定なのに読者をしらけさせることなく、その世界にぐいぐい引きこんでくれるのが、安部公房作品に一貫する魅力のひとつです。哲学問答に拠っている感じからすると、高校の教科書で読んだ「赤い繭」(新潮文庫「壁」に収録)に似ているかも。長編とはいえ文庫本で170ページ分くらいなので、頭は使うけれど手軽に楽しめました。
0投稿日: 2012.11.19
powered by ブクログ安部公房流詭弁術が光った作品。 この火星人さん、ずいぶん賢くて弁が立つ。作家先生にもプライドがあって、議論するが言い負かされてしまう。いや、それならまだしも、最後には言いくるめられて、自分が地球人なのか、火星人なのか、ただの狂人なのか、分からなくなってしまう。 火星人氏の方も、本当は何者なのか、よく分からない。やっぱり「ホンモノ」なのか...?
1投稿日: 2012.11.06
powered by ブクログ安部さんの発想はすごい。 科学的な憶測とか、どこからそんな発想が出て来たものかと驚かされる。 けれどもこれは、少し退屈なお話です。 いつオチがくるのか、少し苛々とさせられました。 短編でもよかったのではないかと思われるくらいあってないような内容。 しかし台詞まわしがとても軽快なのでいつの間にかぐいぐいと読ませれている不思議。 映像喚起に酔わされそうでした。
0投稿日: 2012.10.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
奥さんのセリフがいちいちカッコよくて好きだった。ちょっと違うけど、胡蝶の夢的な自分がどちらの存在なのかわからなくなるといった点では『クラインの壺』を思い出しました。
0投稿日: 2012.09.27
powered by ブクログ火星人(だと言い張る)男と徐々に自分を無くしていく脚本家。 どっちもぱっと見では嫌な奴などだけれど、火星人の方がしっかり「自分」を持っている。 私ももしかしたら証拠が無いだけで、気がつかないだけで、本当は火星人なのかも。 本編とはまったくかんけいなのだけれど、主人公の脚本家の顔はずっと安部公房先生のイメージでした。
0投稿日: 2012.09.03
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SFタッチでアイデンティティを問うた、ちょっと怖いお話…でしたが、 緊張感の中に交るちょっとした可笑しさみたいなものがスパイスとなり、 最後まで興味深く面白く、一気に読了してしまいました。 「自分を火星人だと思い込んでいる地球人の気違いだと思い込まれている火星人 だと思い込んでいる地球人の気違いだと思い込まれている火星人 だと思い込んでいる地球人の気違いだと思い込まれている火星人…」 の下りに思わず噴き出しつつも、みたびヒヤッと走る緊張感。 造語も面白かった。 このグルグル感、好きです。
0投稿日: 2012.08.21
powered by ブクログ火星人への恐怖感でいっぱい。読み直すのは少し怖いかも。 なんとなくだけど、浅野いにおの「おざなり君」に当てはめて読んだ。生意気な後輩が火星人。これでちょっとコミカルになる。
0投稿日: 2012.06.05
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10歳下の後輩に薦められて読んだ。 設定に時代を感じる。SFブームの頃だったんだろうな。 自分を火星人だと言うきちがい男が突然あらわれる。 だが成り行き上、どうしても話につきあわねばならない。 どんどん相手のペースでどつぼにはめられていく。 最終的には立場が逆転。 こちら側が狂気とされてしまう。 じりじり感が楽しめる。 きちがいって本当に頭がよく回るんだよね。
0投稿日: 2012.05.21
powered by ブクログ私は火星人です、と言い切る人をどうしても論破できない主人公。 読んでいるこっちも徐々に焦ってきて、目の前のこの人が、火星人じゃないとは言い切れない状況に愕然としてしまう。
0投稿日: 2012.04.14
powered by ブクログ感想*じぶんのアイデンティティの証明をあなたは出来ますか?っていうメッセージのSF。安部公房って話に展開が無くて、ひたすら理屈をコネコネしてるのを傍観させられるかんじで、着眼点は面白いけどちょっと腹たつきらいがある。笑 SFのジャンルでいえば星新一の方が展開があって簡潔だから好きかなぁ。安部公房は考えの記載が執拗。でもそのとことん拘って読者に問題定義する姿勢はスゴイ。
0投稿日: 2012.04.06
powered by ブクログ自称火星人と名乗る男が現れたところから始まる不思議ミステリ。作家と狂った読者という構図は、筒井康隆を思い起こさせるが、助けに入る謎の人物の存在、本人の何度も繰り返される手の平返し、作家の心の揺れなどもあり、最後までどちらに動くかわからない薄気味悪さ。まったく別の着想ながら「砂の女」と同様の"見事な虚しさ"が素晴らしい。
0投稿日: 2012.02.04
powered by ブクログ火星人を題材にしたラジオ番組を担当している放送作家。 彼のもとに現れたのは「自分が火星人だ」という男。 男と話すうちに、作家は自分が何者かわからなくなっていく。 「火星人が地球人そっくり」なら、「地球人も火星人そっくり」ということになる。では、自分が「火星人そっくりの地球人」なのか「地球人そっくりの火星人」なのか、誰に証明できるのだろう。 男は「自分が火星人だと思い込んでいる地球人」だと思っていた。しかし「自分が地球人だと思い込んでいる火星人」だという可能性を否定できない。 主人公が男に振り回されて、だんだんわからなくなっていく過程が面白いし怖い。1冊がほとんど男の「弁舌」で占められているのに休みなく一気に読めてしまった。ただ、読み直したいとは思わないかも。
1投稿日: 2011.12.24
powered by ブクログ《こんにちは火星人》というラジオ番組の脚本家のところに、火星人と自称する男がやってくる。はたしてたんなる気違いなのか、それとも火星人そっくりの人間か、あるいは人間そっくりの火星人なのか?火星の土地の斡旋をしたり、男をモデルに小説を書けとすすめたり、変転する男の弁舌にふりまわされ、脚本家はしだいに自分がわからなくなってゆく・・・。異色のSF長編。 おもしろい! 弁立ち過ぎ。カフカのよう。
0投稿日: 2011.12.18
powered by ブクログ「自分は何者かわからなくなる」という宙に浮いたような感覚が続き、哲学的な謎の輪の中を回っているような気持ちがする。 特に、トポロジーに関するやりとりが良かった。トポロジーを「つながり方の幾何学」と噛み砕くよりも、「一と口に申せば、『そっくり』の数学とでも言いますか・・・」という表現が非常にしっくりときた。 キャッチーな内容も然ることながら、非常にセンスに富んだ一冊。
0投稿日: 2011.11.06
powered by ブクログちゃんとした言葉もしゃべるし、見た目はどう見ても人間。だけど、自分は「人間そっくり」の宇宙人だと言い張ったとき、どうやってその人を説得するのか。 かみ合わない会話を延々と続ける自称火星人と一般人。自称火星人を説得する側がいつの間にか説得される側に逆転する。
0投稿日: 2011.09.23
powered by ブクログブラックで不思議でバッドエンドが好きな私にはメチャメチャ面白かった。 【砂の女】も面白いけど、私には本書が最高! 何度も読み返したくなる。
0投稿日: 2011.08.24
powered by ブクログ星新一の「ノックの音が」を思い出す書き出し。突然、私火星人です。と言う者?が現れる。そんなバカなと否定する主人公。どうしてそんなことが・・・・。と物語は展開する。阿部公房の入門編かな。これが肌合いに合わない人は箱男も壁(芥川賞作品)も読めない。ノーマルなサスペンス物や星新一に飽きた人にはお勧め。なお、私星新一の大ファンであります。星新一を否定する輩ではございません。
0投稿日: 2011.08.14
powered by ブクログ安部公房(1924-1993)のSF小説、1967年の作。 「私は地球人である」と主張する人間がいたとして、その者が本当に正気の地球人であると、〈地球病〉を患った火星人でないと、断定できる根拠はあるのか。「Aは正気の地球人であるか or Aは〈地球病〉を患った火星人であるか」「Aは正気の火星人であるか or Aは〈火星病〉を患った地球人であるか」「Aは地球人なのか or Aは地球人そっくりの火星人なのか or Aは地球人そっくりの火星人と思い込んでいる地球人なのか or ・・・」「Aは正気であるか or Aは狂人であるか」「Aは真であるか or Aは偽であるか」・・・etc. 「A=X or A≠X ?」 ⇒ 「A=A or A≠A ?」 「A=X」という同一性の言明が、ひいては「A=A」という自己同一性の言明が、実は論理必然的に決定不可能であるということ。全く非自明でしかない自己同一性をあたかも自明の公理であるかの如く偽装して構築されているこの世界は、実は論理的な不確定性を免れ得ないということ。そんな世界に於いて、「それが何者かである」という言明は、虚偽意識でしか在り得ないということ。 読後、それまで自明だった世界の輪郭線がぼやけて、底が抜け方向を失い宙ぶらりんになった感覚に、あの嘔吐の感覚に、襲われる。 人間も世界も、あらゆる規定をすり抜けずにはいない、不定態である。
1投稿日: 2011.08.07
powered by ブクログ内容的にも量的にも星新一を読む感覚で楽しめる小説。わかりやすいし、エロくもないから安心しておすすめできる安部公房。それでも描写はやっぱりさすがですよ。
0投稿日: 2011.05.16
powered by ブクログまま、かなっ。ハリウッドの感じです。きっと結末はどうでもよく、所どころの情景描写だけやりたかったのでしょう。お家で話すほのぼの感はよい。やらかさないと信じていたので、ガッカリはしたが、よく考えると、最初からやるか、最後でやるかの違いか。阿部っ!アーメン。
0投稿日: 2011.05.12
powered by ブクログ学生時代好んで読んでおりました。 安部公房の作品というだけで敬遠していた人にも、難解ではなく読みやすい作品だと思います。 ・失うものが「ある日突然『名前』」とちょっとリアリティにかける「壁」という作品などに比べるとコチラの方が設定に難がない。 ・「箱男」という作品のように人物が交錯して「誰が誰なのかわからない」ということもない。登場人物の役割が明確である。 分量も少ないので読みやすいのでは。 安部公房の作品で1つ紹介しろと言われたらこの作品です。
1投稿日: 2011.03.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
夢が現なのか現が夢か。現実と妄想が「そっくり」という言葉で次第に曖昧になっていく…面白かったです!さて本を閉じた後私の周りにあるのは現実か寓話か。断定は、実はできないのかも。
0投稿日: 2011.03.12
powered by ブクログ人間そっくりな姿をしている“自称”火星人が部屋に押し掛けてきて、違和感ばかり残る問答を繰り返す内に、主人公が超然とした”答え”を見失ってしまう……という物語。 その”答え”が意味するものは、僕らであっても当たり前に持つ『自分が地球人である』という自覚。主人公のように、僕らが自称火星人の彼と会話をしたとして、自分が地球人であるということを歴然と証明できるであろうか。僕がこの物語を読んだ上でいうと、きっと不可能だと思う。 突拍子の無いように思えて、聞く内に「本当は正しいのではないか」と感じてしまうから、彼の語る言葉が恐ろしい。一体何が正しくて何が間違っているのかもわからなくなってしまうような、不可解な会話を一場面でやりきってしまうところが阿部公房の凄さだと思う。 僕らを支える地盤に聳える”当たり前の事実”に対し、もしかしたらを突き付けてくる革新的な小説だ。
0投稿日: 2010.11.26
powered by ブクログ日本人作家初の長編SFだそうです。 火星人と名乗る男がラジオ作家の前に現れ、その会話で作家は何が現実なのか分からなくなっていく。 発想力と、戯曲の様なト書き文章で出来てあるからこそ色々な想像を掻き立てられる様な作品。
0投稿日: 2010.11.26
powered by ブクログ我々は地球人であることを疑ったらいけない。なぜならそれは証明できないことだからである。それは公理であり、論理というものはそもそもこの公理がなければ成り立たないわけである。我々は論理を重視するわけだがその論理も公理が認められるから成り立つに過ぎないのだ。公理が疑われるとすべての論理は力を無くす、そんな過程をすごくスリリングに描いた小説だと思った。公理を疑うのは、純粋な知的好奇心なのか、またそれともあらゆる論理を超越しようとする傲慢さからなのだろうか。その先にあるのは地獄だろうか、違うのだろうか。文章が子気味よく進み、また不気味で、最高の小説だった。阿部公房初心者にもオススメの一冊。私も作者の他の本を読みたいと思うきっかけになった一冊だ。
0投稿日: 2010.11.22
powered by ブクログ放送作家のある男のもとに、自らを火星人と称する男が訪ねてきて……。 ストーリーの九割がた、一つの部屋の中で進行していくSF長編です。 けれども、決して退屈させません。 良い意味で「裏切られた」と感じさせてくれる作品です。
0投稿日: 2010.11.09
powered by ブクログ火星人と名乗る男の来訪。彼の語る内容は荒唐無稽でとても信用に足るものではないが… 難しいです。途中何度も分からなくなりましたが最後で納得出来たかなぁと思います。
0投稿日: 2010.11.05
powered by ブクログ自分を火星人だと思い込んでいる地球人。 だと思い込まれている火星人。 だと思い込んでいる地球人。 「そっくり」を構造的に捉えると、我々が“地球人だと思い込んでいる火星人”という可能性は捨てきれない。
0投稿日: 2010.10.26
powered by ブクログどこまで行っても終わりが見えない、 レトリックのループに放り込まれた感じ。 長くて暗い渦を抜けたら、 いきなり地面にたたきつけられて、 目を白黒させている間に終了。 呆気にとられる、 というのはこういう話の流れのことなのですね。 淡々と、流れるような文章が好みでした。
0投稿日: 2010.10.13
powered by ブクログ短くて読みやすい、現実味のあるSF調の小説 安部公房の技術がすまし顔で光っているから気持ちがいい 自分が誰なのか、容易く確信を失ってしまう生き物だ、人間って。
0投稿日: 2010.10.12
powered by ブクログS君の一押し図書として読了。1-火星人についても考えてみる。生きる道具としての火星人。2-火星人と地球人の境界について考えてみる。3-境界が見えなくなる。1,2までは舌を巻きながら。3で落とされた。最後まで気持ち良く連れて行ってはもらえなかった。日本のSFの黎明期の重鎮。芥川賞受賞作他、僅かしか読んでない。
0投稿日: 2010.10.02
powered by ブクログ安部公房にしては読みやすく、コミカルな感じで書かれていた。自分が何者なのかを証明するものとは何なのか、その解くことができない証明をSFとして楽しげに書いてるのがすごく上手いと思う。
0投稿日: 2010.10.01
powered by ブクログ「こんにちは、火星人」という番組を制作している男の元にあらわれた火星人と名乗る男。男の妻から精神を病んでいるとの電話。迎えに来ない妻。火星人としての会話。「火星病」「地球病」の謎。男の住所に隠された秘密。 2010年8月29日購入 2010年8月30日読了
0投稿日: 2010.08.30
powered by ブクログ行き詰まったラジオ脚本家の男の自宅に、自分は火星人だ、と名乗る「人間そっくり」な来客が現れる。 人間そっくりな火星人なのか、火星人そっくりな人間なのか、人間そっくりな火星人にそっくりな火星人なのか… 最初から中盤までは堂々巡りをしているように感じ、どう話を落とすのだろうと勘を巡らせながら読んでいるうちに、いつの間にか谷底に突き落とされていたような感覚に陥る。 超未来的だとか非現実的なモノは現れず、書斎と少しの外界だけで完結する完璧に作り上げられた、言葉だけのSF。 安部公房の有名な作品に砂の女や壁があるが、最もこれは負けた、と思わされた作品。
0投稿日: 2010.08.16
powered by ブクログフリが長い!けど最後のへんがすごいです。 伏線あってのアレですね。 侵食されていく感覚が気付いた時ちょっと怖いです。
0投稿日: 2010.07.18
powered by ブクログ自己を規定する「名前」や「顔」といったものを取り外すことで曖昧になっていく自己、という安部公房得意のテーマによる一品。自称「火星人」と名乗る男の訪問を受け、男との会話によって翻弄される放送作家の受難を描くほぼ一幕物の構成。火星人を名乗る男の言葉責めの魅力につきる。
0投稿日: 2010.02.10
powered by ブクログ火星人を自称する男に訪問されるサスペンス 読了日:2006.07.19 分 類:中編 ページ:184P 値 段:362円 発行日:1967年1月早川書房、1976年4月発行 出版社:新潮文庫 評 定:★★★+ ●作品データ● ---------------------------- 主人公:ぼく(ラジオ番組脚本家) 語り口:1人称 ジャンル:サスペンス? 対 象:一般向け 雰囲気:SF系、心理系 結 末:合わせ鏡のような… カバー:安部 真知 解 説:福島 正実 ---------------------------- ---【100字紹介】---------------------- 《こんにちは火星人》というラジオ番組の脚本家のもとに、 火星人を自称する男がやってくる。 単なる気違いなのか、火星人そっくりの人間なのか、 それとも人間そっくりの火星人なのか…? 会話中心の異色SFサスペンス ----------------------------------------- 阿部公房、初読みです。しかしこれが氏のスタンダードがどうか分からないですね。菜の花の感覚から言いますと、異色すぎです。 全体の雰囲気が少し古い感じを受けますがそれもそのはず、本作は菜の花が生まれる10年以上も前の作品なのですね。それでも「少し古い気がする」程度で、そのまま読めてしまうのですから凄いと言わざるを得ないでしょう。 火星人を題材にしたラジオ番組を持っていた「ぼく」は、火星探索機が火星に着陸する!というニュースによって、職を失いかけるという「何だそりゃ」みたいな設定。これはがまったく理解できないのですけれど、そういう時代だったのでしょうか?それもおかしい気がするのですが、とにかくこれによって「ぼく」は切迫感を感じているということになっています。そんなところにやってきた「先生のファン」を名乗り、「自分は火星人」と自称する謎の男。物語の大半は脚本家である「ぼく」と火星人男のやりとりで進みます。途中、それなりに動きはありますが、立ち上がるとか、奥さんがお茶をもってやってくるとか、それくらいで、基本的には言葉で相手の出方をうかがうような展開。火星人男の言葉は二転三転し、僕の気持ちも振り回され、そして最後の結末へ…。一体何が本当で、何が嘘だったのか?「火星人だなんて何を馬鹿な」と思っていた読者も、気付くと何が何だか分からなくなっているかもしれません。 「振り回されてなるものか」という「ぼく」と読者をあの手この手で陥れようとしているかのような「火星男」ですが、気付くとあなたの足元がゆらいでいるかもしれません、よ? 基本的に動きが少ない「頭脳戦」なので、読書好きでないと途中で飽きてしまうかもしれません。が、それだけで読ませられるだけの技術ある作品ですので、好きな人は相当気に入られるのではないかと思う1作です。不思議のスパイラルに落ち込みたい人にお勧め。 ●菜の花の独断と偏見による評定● --------------------------------- 文章・描写 :★★★+ 展開・結末 :★★★+ キャラクタ :★★★ 独 自 性 :★★★★ 読 後 感 :★★★ ---------------------------------
0投稿日: 2010.01.25
powered by ブクログ・・・・・書きかけ・・・・・ 17年前の1993年1月22日に68歳で亡くなった小説家・劇作家。
0投稿日: 2010.01.22
powered by ブクログある放送作家のもとに、火星人と称する男がやってくる。男はあくまで自身は火星人だと主張し、巧みな弁術で作家の反論をかわしていく。次第に作家は、自分が何者であるか分からなくなっていく。 火星人がまったく「地球人そっくり」であるなら、「自分を火星人だと思い込んでいる地球人」と同様に、「地球人だと思い込んでる火星人」もありえる。そして、自分が火星人でなく地球人であると証明することはできない。
0投稿日: 2010.01.17
powered by ブクログ安倍氏らしいユーモラスと、星新一氏のような意外な結末がうまく絡み合った、面白い作品であった。 くどくどした人間味溢れる様を文字にて描く才は、相も変わらず素晴らしいものだと感服する。
0投稿日: 2009.12.10
powered by ブクログ2009年11月27日読了。 人間が人間でないかもしれない証明を理論的に行われていて、背筋に寒けが走った。 また、主人公が非常に人間くさいから、余計にその理論が際立って見える。 読み終えてから、自分が果たして本当に人間なのか悩んでしまった。
0投稿日: 2009.12.05
powered by ブクログなんともいえない読了感を与えてくれるこの作家。まあ、好きなんだけども。何がほんとで、何が嘘なのかわからない、わからなくなる。言葉のみで真実を知る難しさ。いや、真実は真実なのか。それすらもわからない。いやはや、おもしろい。
0投稿日: 2009.11.24
powered by ブクログ≪こんにちは火星人≫というラジオ番組の脚本家のところに、火星人と自称する男がやってくる。果たしてたんなる気違いなのか、それとも火星人そっくりの人間か、あるいは人間そっくりの火星人なのか?(中略)しだいに自分が何かわからなくなってゆく・・・。(裏表紙から一部引用) 最初の方は結構不愉快なストーリーです。 訪ねて来た男にハラハラしたり、イライラさせられます。 ナイフのくだりなんか、読みながら「ちょwwwやめいwww」って思いました。 単なるSFかと思っていたのですが、「トポロジー神経症」が出て きたあたりから、アレ…?ってなっていきました。 うん、いつもの安部公房だ。 確かに、自分が火星人でないという証拠もなければ、自分が地球人だという証拠もない。 みんな火星人かもしれません。 最後のシーンは読みながら、自分も不安になりました・・・。 なんて答えればいいんだろう?自分だったらなんと答えるだろう? 面白かったですが、それ以上に主人公の元へ訪ねて来た男が不快な存在だったので、今回は星を一つ減らしました。 ・・・ってもちろんそれもこの小説の良さですが。
0投稿日: 2009.06.17
powered by ブクログもう何が何だかわからなくなる。読み進めながら繰り返し自問する。「ここはどこ?私は誰?」答えは出ない。誰も正しい答えを知らない。「正しい」って何?誰が正しい?そこで、私たち人間(←この呼び方が正しいとするならば)は、「ここが地球で、私は人間だ」という前提に根拠もなく疑念もなく絶対の信頼をおいて存在しているのだということに気付かされる。ここが地球だと誰が証明しているのか?私が人間だと何が証明しているのか?満たされている条件をいくら並べても、地球としての、地球人としての、欠陥が1つでも見つかったら、その前提は一瞬にして覆されてしまうのに!私たちはそんな危機感も持たずにのうのうと生きている。恐ろしい。何を信じれば良いのかわからない。そもそも、私が私を信じられる根拠はないのだ。もう何が何だか!そんな意味での「現実逃避」が味わえる。
0投稿日: 2009.04.16
