
総合評価
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powered by ブクログずいぶん前に、Twitterで「脛にカイワレ大根が生えてしまった男が病院に行ったところ、温泉療法を勧められて、自走式ベッドで地獄めぐりをする話」と紹介されていたのを見た。興味を持ち買ってから数年積読されていたのを開いたが、紹介されていた通りの話だった。本当に面白い。今度、友人と読書会で読むことにした。 とはいえ、物語の全体像を一貫したストーリーとして把握するのは、かなり難しい物語だ。とにかく、場面と場面の間に脈絡がなく、「地獄めぐり」の言葉通り、大黒屋、賽の河原、硫黄泉の露天風呂、キャベツ畑、病院……といった場所で、現実にはあり得ない光景に出会っていく。 先行研究なんかを見ていると、大筋としてこの物語を「死」をテーマにした物語であり、「かいわれ大根」は、語り手の「ぼく」を孤独にする存在として読まれているようである。ぼくはどちらかというと、これは、生きる可能性を提示している物語で、その可能性こそが、「かいわれ大根」だったのではないかという気がしている。 卵と野菜とハムのミックス・サンド。風がはためく。サンドイッチに齧りつき、すぐに吐き出した。呆れたことになかの野菜は《かいわれ大根》だったのだ。嫌がらせにしてもひどすぎるよ。吐き気が込み上げてくる。例の医者が、なぜあんなに激しく嘔吐したのか、納得できた。彼は《かいわれ大根》の納豆あえを食べた直後だったのだ。時分のフケの臭いには平気でも、他人のフケには我慢できない、あの生理だろう。(p110〜111) あいにくぼくは、さほどはしゃいだ気分にはなれなかった。運ばれてきたチャーシュー・ヘルシー定食には、たっぷり《かいわれ大根》をあしらった味噌汁がそえられていたのである。(p137) 《かいわれ大根》入りの味噌汁には、さすがに手をつけられなかった。(p140) 一つ目は、賽の河原で、観光客向けに石積みを演じる小鬼たちの引率者が、おそらく親切でくれたのであろう「かいわれ大根」入りサンドイッチに対する反応である。二つ目は、キャベツ畑で母親にベッドを奪われそうになったところを助けてくれたトンボ眼鏡の看護師と行った、ラーメン屋での描写である。 ここでは、「かいわれ大根」は、コミュニケーションの契機として現れてくる。しかし、そのきっかけに対して拒絶反応を引き起こすのは、語り手の「ぼく」の方だ。 見覚えのある植物だ。そう、もしかしたら《かいわれ大根》かもしれない。マヨネーズをかけて、三日に一度は食べている好物の野菜だ。(p14) そもそも「かいわれ大根」は、ぼくにとって好物の野菜だった。そう考えると、引率者が渡してくれたのは、「ぼく」の好物をたっぷりと入れたサンドイッチだったわけで、本来は、好意として受け取ってもいいものだった。 しかも、「他人のフケには我慢できない、あの生理だろう」と語り手は言っているが、「ぼく」にとって「かいわれ大根」は「他人のフケ」ではない。自分の身体の一部であり、一時とはいえ、命をつなぐための貴重な栄養源でさえあった食べ物である。そんな「かいわれ大根」を拒絶してしまうことで、自己疎外してしまうのである。 考えてみれば、物語を通して、「ぼく」が好意を寄せることになるトンボ眼鏡の看護師や、下り目の少女たちと出会うのも、「かいわれ大根」があったればこその出会いだった。「ぼく」は、脛に「かいわれ大根」が生えて、病院にいったからこそ看護婦らと出会うのである。 こうやってみてくると、「かいわれ大根」は、「ぼく」にとってコミュニケーションのきっかけとしてある。それは、ぱっとしないサラリーマンをしている現実世界とは、別の生き方の可能性を提示してくれる場所=治療の場として、地獄があったのではないかということを意味している。しかし、「ぼく」はそれを拒絶してしまう。そして、物語の最期、再び「ぼく」は、カンガルーと出会うことになるのである。 六つの電動ドアが一気に開いた。誰も降りてこない。いや、なにか灰色の小動物の群れが飛び出してきたような気もした。すごいスピードでジャンプしながら、ホームを横切り、闇のなかに散らばっていく。カンガルーにしては小さいので、ワラビーかもしれない。そしてふたたび、静まり返ってしまう。(p228) 元をただせば、カンガルーというのは、サラリーマンとしての「ぼく」の悩みのタネであった。「カンガルー・ノート」と呼ばれる、ただの思いつきの商品アイデアが、上司の目についてしまったがために、新しい商品を具体化されるように指示され、何のアイデアもなく「ぼく」は、悩むのだった。 地獄をめぐる足であったベッドを失い、カンガルーという現実の群れに引き戻されることによって、語り手の地獄めぐりは終わりをつげる。それこそまさに、生の終わりを意味していた。 新聞記事からの抜粋 廃駅の構内で死体が発見された。脛にカミソリを当てたらしい傷跡が多数見られ一見ためらい傷を思わせたが、死因とは認めがたいとのこと。事故と事件の両面から調査をすすめ、身元の確認を急いでいる。(p236) 脛にカミソリを当てたらしい傷跡は、脛に生えた「かいわれ大根」に対する拒否の象徴だろう。死因とは認めがたいとされつつも、脛の傷=「かいわれ大根」の拒否こそ、彼の死にとって致命的だったのではないかと思わせる。 この物語は、自分を他者と結びつけてくれる可能性を拒否することで、自滅していく一人の人間の物語なのだと思う。
0投稿日: 2025.12.11
powered by ブクログだれも人生のはじまりを憶えていない だれも人生の終わりに 気付くことは出来ない でも祭りははじまり 祭りは終わる 祭りは人生ではないし 人生は祭りではない
0投稿日: 2025.11.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ある朝突然脛にカイワレ大根が生えたという展開が(笑)なぜカイワレ大根だったんだろう。掴みとしては良かった(笑)なんと言うか物語自体が壊れてしまう寸前のようなギリギリのところを走ってる感じで結構読むのは苦労したけど引き込まれていくように読んでしまった(笑)所々に現れる歌が何となく『ドグラ・マグラ』を想像してしまった。
0投稿日: 2025.11.24
powered by ブクログ予想できない不思議な展開が疾走感ある文章で書かれていくため読みやすいのですが、現実ではない悪夢を見ている気持ちになり、面白さよりしんどさが勝りました。
4投稿日: 2025.11.23
powered by ブクログなんか、実写化するなら阿部寛だなと思った。後半、なんかしょっちゅう勃起しているので「ファニーな村上春樹みたいだな……」と思った。「ええ〜〜〜〜〜」という展開が続くし、とにかく突飛な話が続くので戸惑いもあったが、そのぶっ飛びが楽しく読めた。最近はもう時間的にぶっ通しで集中して読んだりできないので、話がぶっ飛んでると印象に残りやすくて「どこまで読んだっけ」とならずありがたい。「同意の上の性交が認められるのは何歳までだっけ?」が面白かった。安部工房展に行ってピンク・フロイドが大好きって話を見ていたので、本当にめっちゃピンク・フロイド好きだったんだなと思った。私が小説を書く時、岡村靖幸の話をするだろうか。
0投稿日: 2025.10.17
powered by ブクログ脛に「かいわれ大根」が生えた男の数奇な物語。 幻想と現実が入り混じる気味の悪い夢の中を連続して彷徨うように展開していくストーリー内の所々で安部公房お得意のブラックユーモアが光っている。 死をテーマにしているにも関わらず、重すぎずどこか良い意味での滑稽さを感じさせる作品だった。
0投稿日: 2025.09.15
powered by ブクログすべてわかったわけではないが、とにかく好きだった 一緒に夢を見ているようだった、楽しい、面白い、悲しい
0投稿日: 2025.09.02
powered by ブクログはじめは「カイワレ大根ってちょっとちょっと〜(笑)」 くらいの軽さで読み出したのですが、ベッドが走り出したあたりから私の頭のキャパを越えた展開になっていきました。 安部公房がこれを病床で、死の影を感じながら書いたとしたら…なんだかものすごく納得です。うまく説明できないのですが。
5投稿日: 2025.08.28
powered by ブクログよくわからなかった 面白いとも思わなかったが、小説家が書いた小説だなと感じた 女性には見抜かれてしまうだろうけど、さみしいんだよな かいわれ大根もカンガルーもポケットの写真も全部受け止めて欲しいんだよな
0投稿日: 2025.06.08
powered by ブクログ箱男を読んで以来、30年以上読んでなかった安部公房を久しぶりに。死をテーマにした後年の作品の様だけど、奇怪なストーリーの中に違和感というか、棘の様なものを感じました。
0投稿日: 2025.03.23
powered by ブクログ不思議な小説。何かを暗示しているのかいないのか。ただ不思議な世界を廻っているだけなのか。ラストの記事で事実は分かるが、主人公の主観的世界は分からない。
0投稿日: 2025.02.11
powered by ブクログやったことある人には分かる絶対夢日記だ!! どうやって作ったのかは分からないけど、例えばめちゃくちゃ面白い夢を見て起きた日の夜に、その夢を強く思い出しながら寝ると続きの夢を見れる、そうやって続きを書いたのかも。由希さんは自分の夢日記を見てカンガルーノートを思い出したらしいから、夢を描く時の構造や文章や表現は似てくるのかも。
0投稿日: 2025.01.15
powered by ブクログ内容は面白かった。ただ、時代が違うから仕方ないのだけれど、小さな女の子に欲情する描写がしょっちゅうあり、読むたび「気持ちわる!」となった。
0投稿日: 2024.09.23
powered by ブクログ正直なところどう捉えていいのか、文脈を拾うことはできなかった。劇的に恐ろしいわけではない、漂う不快感があって、まさに断続的な悪夢という感じだ。わからなくなってうとうと眠りかけて、眠りと覚醒の中間で気持ち悪くなった。この気持ち悪さがそのままこの本に抱く印象となった。 解説を読んで、著者が死を迎える少し前にこの本が刊行されたことを知って、少し私の中でこの本の居場所が落ち着いた。死についての本だとは読んでいてわかったが、著者が感じたこと経験したことが内容に滲んでいるのではという解説がしっくりきた。 面白かったけどわからなかった。けれど足がむず痒い不快感と安楽死について、じんわり心に残った。
0投稿日: 2024.07.03
powered by ブクログ随分前にTwitter(Xになる前)でやたらと目についたので、読んでみることに。 とはいえ、中断あり、またまた中断とようやく読了。 奇想天外な話は基本的に好きなんだけれど、SFでもファンタシーでもなく独特の世界観。 あとがき解説ドナルド・キーンを読むと、なんとなくわかった気になったもののやっぱりわからない。 けど折を見て、他の作品も読んでみようと思う。
8投稿日: 2024.06.28
powered by ブクログ安部公房の最後の前衛長編作。 死について相変わらず分かりづらい舞台を用意して、 読者に投げかける。 脛にかいわれ大根。意思を持つベット。採血に執心する下り目の看護婦。積み石をする小鬼たち。賽の河原での母親との喧嘩。意味不明なステージが続くが、数年後に再読したら何か見えてくるような気がする。
56投稿日: 2024.06.22
powered by ブクログ脛にかいわれ大根が生えた男が自走式の病院ベッドに縛りつけられて旅に出る…あらすじだけ見ても面白い。 病と死が根本的なテーマなのだと思うが、相変わらず安部公房らしい荒唐無稽で幻想と現実が癒着した(もしくは全てが幻想)"読者置いてけぼり感"が良い。不思議の国のおっさん。 箱男や砂の女よりかは、安部公房初心者でも読みやすい部類ではないかと思う。
0投稿日: 2024.06.06
powered by ブクログ相変わらずシュールだった。小鬼たちの「オタスケ オタスケ オタスケヨ オネガイダカラ オタスケヨ」が頭から離れない笑。 結局脛のかいわれは幻想だったのか…
0投稿日: 2024.05.26
powered by ブクログかいわれ大根から始まる旅。 テンポ良くて、読みやすい。 死が其処此処に配置されているけれども、暗くない。
0投稿日: 2024.04.21
powered by ブクログシュールの極みだった。世界観を楽しむ作品という気がする。あれこれ考えても全く訳がわからないけど、テンポがよくてリズム感もあって読みにくくはなかった。笑い転げるほど面白い場面もあるし、語り口調のおもしろいところもなんかかわいらしいところもあった。景色は暗いのだけども、どんよりとした気持ちになる作品ではなかった。 安部公房は初めて読んだけれど、癖になりそう。
5投稿日: 2024.03.19
powered by ブクログ『こころの声を聴く―河合隼雄対話集』の中の、河合隼雄と安部公房の対話を読んで、読みたくなった本。この2人が、この本をきっかけに、「皮膚」とか「自己と他者の国境」について語っていたのが興味深くて。 けど、挫折。 なんか、気色悪くなってきてしまって。 言い換えると、それだけの筆力?のある作家さんなんだと思う。 途中で、もう一度上記の対談を読み返したりして、なんとかこの本を最後まで読み切るモチベーションを上げてみようとしたけど、無理だった。残念。
0投稿日: 2024.03.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
夢なのか現実なのか境目の見当たらない長編。これが安部公房の遺作と言われているのですね。その前提でストーリーを思い返すと、いろんな解釈ができそうです。 あらすじはメチャクチャで、意味があるのか無いのかもよくわからない。 膝に蟻走感。膝からカイワレ大根→近所の医者に行ったら自走ベッドに乗せられて硫黄泉へ→大黒屋で烏賊釣り船から襲撃を受ける→物欲ショップで看護婦現る→キャベツ畑で親子喧嘩→どこかの病院で鯛焼きを注文しつつ入院老人の安楽死幇助→ビールを飲んでピンク・フロイドのエコーズを聴く→廃駅で死体で発見される。 ベッドから動けずにいる末期患者が、まどろんだ意識の中で健康や自由への渇望と憧れを思い描いたら、こんな物語になるのかなという話でした。 死を意識させる描写は多いけど重苦しくはなくて、フワフワゆらゆらした雰囲気。なんとなくダラダラと読めてしまった一冊でした。
3投稿日: 2024.03.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一言でいうと、よくわからない。 モチーフで見るなら、パロディとまでは言えなくても、見覚えのあるものが多用されている(というか私が連想しながら読んだだけかも)。例えば、案内役に誘われて穴の中に落ち込んでいくのは不思議の国のアリスだし、色々な世界を案内されるのは神曲だし…。哺乳類/有袋類、大根/かいわれ大根の類比をとるなら、似ているけれど劣っていると見做されるものとしてのパロディの話と言えないこともないのかも。この辺りは読み返してみないとわからないけれど。あと、最後の見ている私と見られている私が入れ子構造になっているって話はメタフィクショナルで、自己を対象化して描き切っているゆえの私性の強さを感じる(この辺りは解説でも触れられている)。
0投稿日: 2024.03.01
powered by ブクログある日突然足に「かいわれ大根」が生えた。 病院へ行くと、医師から「温泉療法」を勧められ、彼を乗せたベットは目的地に向けて走り出した。 ‥‥ 起承転結とか秩序とか辻褄なんてものはなく、なんといえばいいのか。 ところどころ死に関連してる雰囲気が出ていて、この人どうなるんだろう?っていう疑問でずっと読み進めていた。 最後の結末を見ても、「そういうことか」とはならなかった。 2024年2月23日
13投稿日: 2024.02.23
powered by ブクログ僕が大好きな俳優の松岡茉優が、高校時代に読んでいたという安部公房。 「なんじゃっこりゃ」 とか思いながら読んでいたらしい。 『カンガルー・ノート』とは。 僕としては『砂の女』に続いての安部公房の物語。 松岡茉優が安部公房を読んでいなかったら、きっと僕も読んではいなかったと思う。読書そのものだって、きっかけは彼女が本好き、読書好きと知ったから。読書は松岡茉優と繋がるための唯一の手段だと確信したからです。 想像力をフル回転させました。 「なんじゃっこりゃ」 松岡茉優でなくても、そう思います。 しかし、序盤のみでした。状況を飲み込んでからは、引き込まれていました。『砂の女』ほどの息苦しさのような感覚もなく。“かいわれ大根”のディテールさえ、やり過ごすことができれば、ですけれど。僕は、しばらく“かいわれ大根”遠慮しておきます。見たくもありません。 この物語のテーマは“死”であるといいます。しかし、僕は“生”だと思いました。“死”を意識することで“生”が際立つのではないかと思ったからです。病院を抜け出し廃駅へ向かったのも“生”への執着でした。主人公の明確な意思があったからこそ、そう思いました。もし病院を抜け出しさえしなければ、主人公は生きながらえることができたのではないか、でも、生きながらえることだけが“生”ではないと、もしかしたら、そういうこともあるのかな。
1投稿日: 2024.02.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
死がテーマということもあり、全体に暗くて纏わりついてくる湿度のようなものを感じた。 主人公が最後に恐かった。と脅えているのは著者自身の声のようにも聞こえた。 死は覚悟するよりもあっけないタイミングでやってきてしまうのか。 オタスケ オタスケ オタスケヨ オネガイダカラ タスケテヨ このフレーズが頭から離れない。
1投稿日: 2024.01.28
powered by ブクログネットで話題ということで気になっていたがなかなか出会わず忘れていた頃、たまたま立ち寄った書店で平積みになってるのを発見。小さなお店に似つかわしくないほどの大量の平積み。買い求める際もなぜか店員さんがとても喜んでいたのでこの人この本好きなんだな。と、思っていたところ本のオビを見て納得。オビの文句書いたのこの店の店員さんじゃないか!こんな偶然もあるんですね。おかげでこの本に出会えました。面白かったです。ありがとう。
0投稿日: 2023.10.31
powered by ブクログ読み終わって、どういう話なのかピンと来ず。カフカの作品のように、主人公は意味も理由も判らぬまま、理不尽な目に遭い続けるが、あれが死出の旅路なのであれば、救いがない事甚しい。 何より、安部公房は描写が生理的に無理である。『砂の女』の粘膜に砂が纏わりつく描写、『燃え尽きた地図』のゴキブリ食べる描写。そして本作の、脛から生えるカイワレダイコン。本当に暫く食べられなくなった。
0投稿日: 2023.09.17
powered by ブクログ安部公房全集29に所収のものを読んだ。読んだ、というか、訳が分からなくて飛ばし読み。 訳が分からない、は褒め言葉で、ものすごいぶっ飛んでいてついていけなかったということ。 なんだこれは。 会社の新製品開発提案箱に冗談のつもりで「カンガルーノート」という落書きメモを提出して採用されてしまった男の脛にかいわれ大根が密生する。 こわいー、脛がむずむずする。
1投稿日: 2023.06.15
powered by ブクログ最初の出だしはかいわれ大根?!となりましたが、すぐこれは死の物語なのか…と話の中身は分かり易く、時々ふっと笑ってしまうタイミングが合って、読みやすかった。澁澤龍彦の『高岡親王航海記』、安部公房版ですね。 安部公房の半生全然知りませんが、これが自身の闘病生活を綴っているのだとすると(そのようにしか見えませんでしたが)、かいわれ大根とか言いつつ…とか、やはり排泄にまつわる辛さや、変わる視点・意識など、最後はこうなるのかとひしひしと思いました。ところどころで描写や文言がささって、ふっと笑うんだけど、笑った瞬間悲しくなってました。オタスケ オタスケ オタスケヨ オネガイダカラ タスケテヨの歌が本当に悲しくて…また読めないかもしれない、弱弱しさ・痛々しさが胸を打ったので。 ピンク・フロイドの曲を聞きながら
2投稿日: 2023.06.09
powered by ブクログもうぼくのことなんか忘れてしまったみたいだ。 胸がうずいた。 そうなんだ、他人の記憶の中で生きるのだって、 けっこう骨が折れることなんだ。
1投稿日: 2023.06.03
powered by ブクログところどころ意味はわからないものの、読みにくいということはなかった。結果的には著者の遺作になったものだが、テーマが「死」っぽいのは途中からなんとなく感じていたし、最後に何かもうそろそろ終わりそうだという雰囲気を感じることができた。
2投稿日: 2023.05.01
powered by ブクログ病床に伏した安部公房が、見た夢を記録したような断片的で脈絡のない文章。しかし、一貫して死について描かれているのは、やはり自身の死期を悟ってのことでしょうか。 個体としての死に向う中で、安部の高潔な精神と研ぎ澄まされた感性を垣間見ることができる作品。
5投稿日: 2022.11.23
powered by ブクログ天才。 これは夢か現実かわからなくなることが夢の中であるが現実の中で起こしている。 かいわれ大根やカンガルー、ベッドといった周りにあるものをあり得ないものと組み合わせて登場させる。それが癌を患わした自分と重ねているのか、それが小説だと主張してるのか。 人が死ぬときはそんなもんだと言ってるのかもしれないし自分の妄想で人は死ぬというのを言いたかっただけなのかもしれない。
1投稿日: 2022.09.13
powered by ブクログきっとこの寓話の世界に比べたら、現実なんてバカくらいに単純で平凡なものなのだろう。大学の講義の合間に、あの広場のベンチで、ページをめくる指がスキップしていたのを今でも思い出す。 今ならぼくは、肘に豆苗を生やすだろう。
1投稿日: 2022.01.29
powered by ブクログ安部公房最後の長編。 脛からかいわれ大根が生えてきた男が、夢と現実、そして死と生の環状線を走り出す。 個性的な登場人物たち。ユーモアあふれる表現。 それでいて死の臭いだけは常につきまとい、要所要所であらわれる「カンガルー」のフレーズも頭から離れなくなる。 パンクすぎる設定とストーリーでぐいぐい読ませる技はさすが。それでいて、考えさせられる読後感や諦めにもにた感想がどうしても生まれてしまう。
1投稿日: 2021.09.18
powered by ブクログ高校の教科書でしか触れていなかった安部公房。はじめて意識して読む。 文房具会社に勤める男。ある時、新製品の企画を出すように言われて、深く考えずにカンガルーのようなノートを提案し、採用される。その三か月後、脛にかいわれ大根が生えてくるというところから物語は始まる。あわてて病院に直行すると、硫黄温泉行きを命ぜられ、ベッドにくくりつけられて、自動的に動くベッドによって賽の河原にまで行ってしまうとい流れ。 なんというか笑ってしまう場面が多くて意外だった。
0投稿日: 2021.01.20
powered by ブクログ療養中に書かれた安部公房の最後の作品。 シュールレアリスム的であり、人生とは何かという自問自答が伝わってくる。 夢の中の夢。
0投稿日: 2021.01.16
powered by ブクログ脛から、かいわれ大根が生えてくる。 自走するベッドに乗って死へと向かう話。 人想いに殺されず、惨めな気持ちにながら、だらだらと。 ガン特有の死の遂げ方。
2投稿日: 2020.08.30
powered by ブクログ脛にかいわれ大根が自生するようになってしまった男が、ベッドと共に地獄巡りのようなことをする話。 不条理で前衛的でブラックユーモアのきいた悪夢が連続してあらわれるよう。 テーマは死らしいけど、そのへんは一回読んだだけではなかなかすんなりとは理解できなかった。 ただ、読む前は難解そうなイメージだったけど、読むだけならそこまで難しいわけでもなく楽しんで読めた。 68ページの大黒屋に入っていくときの格好の描写が面白すぎて笑った。 その格好を想像するとなかなかシュール。
0投稿日: 2020.08.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読んでいくうちに、主人公にとっては何処までが現実で、どこからが現実ではないのか、分からなくなってきた。 でも、所々シュールな場面もあるし、色々なパワーワード的なものも出てくるので、全編を通して楽しく読むことが出来たし、何よりもユーモラスで読みやすかった。 とは言っても、安部公房作品は、砂の女とこのカンガルー・ノートしか読んだことはないが… 最後に現実世界で発見されて……と言う結末なのだが、この物語の中で起こっていることは、一体主人公にとっては何だったのだろう。どの時点からこうなっていて、どの時点で死んだのだろう。 何だかとても不思議な気持ちになった。 本当は脛からかいわれ大根なんて、生えて無かったんじゃないのか?でも、そうだとしたら最後の新聞記事は一体…何らかの理由で、廃駅の構内へ迷い込んでしまったのでは?全て(勤め先から何まで)主人公の妄想ではないのか?等々、考えてしまってこのままでは眠れなくなってしまう。笑 そもそも、かいわれ大根が脛から生えるって、とんでもなくシュールだなとか訳わからんと思うけど、読みやすさの陰には、実は「死」と言うものがテーマとしてあるらしく、そう考えると下水道以後は死後の世界?トンボ眼鏡の看護婦は何かのメタファーなのか? もう一度読みたい。 1日あれば読めると思うし、気楽に手に取って読める本なので、是非読んで不思議世界を味わって欲しいですね。
5投稿日: 2019.10.30
powered by ブクログ公房最後の長編とあり、かなり意味深でもある内容でした。 死をテーマに描写されていて、半分まではまあまあ笑って過ごせるが、後半からシャレにならない内容になり、かいわれ大根の行方は結果、主人公の生命であることが解説で分かりました。 かいわれ大根が萎びていけばいくほどに、主人公の場面の置かれている状況が、どんどん死へと近付いていく。 何故、かいわれ大根なのか若干不明ですが、たぶん生命力の強さかなと認識しました。 ラストの新聞記事で、バン!と謎が解ける、公房のトリック。 改めて嵌りました。
1投稿日: 2018.08.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ある朝突然、脛にかいわれ大根が自生していた男の話。 病院のスプリンクラーは父親の顔、ハイテク自走機能付きのアトラス社ベッドに括り付けられそのまま硫黄温泉へ。 賽の河原に子鬼が出て来たかと思いきや、児童福祉施設のパフォーマンスだという。病院の看護師が現れたと思えば目のない母と太刀回りを繰り広げ・・・夢と現実のはざま・・・と言いたいところだが地獄からどうしても出られない、悪夢から覚めそうで覚めることができない、なんだか言いようのない気持ち悪さと悲しみを感じた。
0投稿日: 2018.02.25
powered by ブクログ再読。 初めて読んだ時は星五つ間違いなしの面白さだったんだけど、しばらくして読み直すと、思っていたほどの面白さでもなかったので、ちょっと肩すかし。 もっとはちゃめちゃではじけていた印象があったんだけど、きちんと整理されまとまりすぎているなぁ、というのが再読後の正直な感想。 ほのめかす程度でいいのに、そこまで書いちゃうかなぁ、という箇所がちらほら、なんて不遜にも思ってしまう。 作者の遺作。 もちろん死を意識しての作品だろう。 最後の「恐かった」は偽らざる作者の気持ちなんだろうと思うと、読者としても違った意味で怖くなる。 最後の最後は「砂の女」と同じような手法。 ちなみにピンク・フロイドの名前が出てくるが、ピンク・フロイドの映像の中にも病院のベッドに横たわったまま移動するという内容のものがあった。 偶然なのか、必然なのか、あるいは作者がその映像を見たことがあったのか。
0投稿日: 2018.01.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
かいわれ大根が脛に自生していた朝から始まる冒険譚(?)。 訪れた病院で生命維持装置付きのベッド(水陸両用!)に乗せられ、療養のため硫黄温泉に行き、かいわれ大根を齧りながら地下坑道、賽の河原へ、現実とは到底思えない世界へ迷い込んで行く。 そんなありえないことの連続なのに、あるがままをふわっと受け入れ、妙に淡々とした口調で語る男が滑稽でたまらない。自生するかいわれ大根を食べて栄養補給すれば貸借表上赤字か、黒字か、なんて考えとる場合かよ。 本作は著者の最後の長編だったそう。死が迫ってくる中読めば、少しは理解できるのだろうか。
0投稿日: 2017.08.04
powered by ブクログ高校の時以来の再読。やっぱり訳が分からぬ。 脛に貝割れ大根が密生した男。頼りにした医院からベッドにくくりつけられ、硫黄泉への旅が始まる。 トンボメガネに下がり目の看護師、賽の河原の小鬼たち、失くした母との再会。 オタスケ オタスケ オタスケヲ ダレカ オネガイ タスケテヨ このあたり、楢山節考にも通じる作者のユーモアを感じる。 全編通して生と性、そして死の気配が混沌と。本当にカオス。。
0投稿日: 2017.01.25
powered by ブクログ安部公房氏の遺作。 相変わらず意味がわからない。脛からかいわれ大根が生えた男が自走ベッドで不条理な世界を体験していく。良くいえばダンテの『神曲』、悪くいえば狂人の絵空事。しかし物語は破綻していない。安部公房氏はその着想を夢から得ることが多いと語っているが、こんな夢を見る人はまず居ないだろう。緻密な情景描写と前触れも無く切り替わる場面、そして賽の河原で繰り広げられる高度なブラックジョーク。そもそも『カンガルー・ノート』とは何だったのか。文豪は数居れど、世界に比す真の天才は少なく、安部公房氏は紛れもない天才であろう。
0投稿日: 2016.08.29
powered by ブクログ読み進めるほど荒唐無稽さが際立ちます。これまで読んだことのある安部公房さんの作品は、混沌や錯乱の中にも秩序があった気がします。思考実験のような雰囲気のものや、ルポルタージュのような作品もありました。しかし本作は思いつきで書き散らしたかのような内容になっています。散りばめられた種々のアイコンが、どこかで回収されたり収斂していったりといったことは基本的になく、単発のできごとの連続でした。 しかし、それは批判の対象とはなりえないと思っています。 私は、この作品のひとつの美点を、上記の印象に見出しています。 基本的に、この作品はわけが分かりません。 ただ、冒頭から一貫して漂いつづける死の気配は、後半に向かうにつれて徐々に強くなっていきます。 例えば、こう考えることもできるかもしれません。 はじめに、中心に死があり、その周りに生に関する様々なオブジェクトがあります。それらは、互いにほとんど関係がないように見えますが、中心からどんなに離れた位置にあるものであっても、死の強烈な引力によって繋ぎ止められ、それぞれが死を中心として周回しているとします。そういう意味では、相互に無関係ながら、死を中心とした同一の系の中で共存しているもの同士なのです。 あるいは、こういう世界が描かれているのではないかと、私は感じました。 明示的なテーマを設定していかにも「考えさせられる」ものや、感動をいたずらに喚起したり、怒りやスリルを与えたりするものよりも、少なくとも私にとっては、なんだか悩ませられてしまう作品というのは面白みがあるように思います。
0投稿日: 2016.06.15
powered by ブクログどこからが現実で、夢で、空想なのか。入口も出口もわからない。面白いのかつまらないのかもわからない。でも安部公房好きにはたまらない世界観でした。
0投稿日: 2016.05.17
powered by ブクログラストの場面で、箱の中の自分の後ろ姿を見つめるシーンがとても印象的だった。恐らく主人公の後ろからも、もう一人の主人公が後ろ姿を見つめるような鏡合わせの構造になっていて、だからこそ主人公は「恐かった」のだろう。でも、もしそこで振り向けば、目の前にいた自分の後ろ姿からも目線がそれるのだから、背後の自分も見る事は出来ないはずだ。となると、特に害のある演出でもないわけだから、箱の登場が、ここで物語が唐突に終わる原因にはならない。Bと一緒に列車に乗り込んで何処かに連れて行かれるのが妥当な結末だろうか。 この作品を読んでいて常に気になっていたのは、現実世界を描写しているのはどの部分なのだろうかという点だ。読んでるときは、きっと物語の後半で一旦現実世界の病室に戻ってくるはずだと思っていたが、結局主人公は物語序盤で坑道の坂道を下っている途中に一回だけ病室に戻った以降は最後まで戻ってこなかった。そもそも、作品中に現実世界を想定するなら、かいわれ大根が生えた主人公が存在する時点で、現実世界と対照的な夢の世界を描写しているのではないか。とすると、この作品は最初から夢遊病者が見ていた夢で、現実世界の描写は最後の新聞記事の抜粋だけなのだろうか。 再読後 安部公房の不思議小説の中では一番好き。脛に貝割れ大根の生えた男が、アトラス社製の医療用万能ベッドに乗って、夢から夢へと疾走する話。結局貝割れ大根やカンガルーが何の比喩なのかさっぱりわからない。ドナルドキーンが解説を書いてるけど、氏もどう解釈してよいか分からず困っている感じが伝わって来てこっちまでムズムズした。でも、賽の河原に移動するシーンで、地獄が案外平凡であると解釈しているのはとてもスッキリする指摘だと思った。兎に角、僕は内容よりも、この作中に登場する背景の描写が大好きだから、多分時間をおいてまた読み直すと思う。坑道とか暗渠とか、賽の河原、病棟、廃駅と、薄暗い雰囲気が好きなんだな。
0投稿日: 2016.02.14
powered by ブクログ脛毛がカイワレ大根になるなんて面白い。賽の河原の鬼も愉快。「旅路」は『オデュッセイア』を思い起こす。著者の遺言は本書そのものであろう。
0投稿日: 2014.09.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
むかし人さらいは 子供たちを探したが すべての迷路に番号がふられ 子供の隠し場所がなくなったので いま人さらいは引退し 子供たちが人さらいを探して歩く いまは子供たちが 人さらいを探している だれも人生のはじまりを憶えていない だれも人生の終わりに 気付くことは出来ない でも祭りははじまり 祭りは終わる 祭りは人生ではないし 人生は祭りではない だから人さらいがやってくる 祭りがはじまるその日暮れ 人さらいがやってくる 北向きの小窓の下で 橋のふもとで 峠の下で その後 遅れてやってきた人さらい 会えなかった人さらい わたしが愛した人さらい 遅れてやってきた人さらい 会えなかった人さらい わたしが愛した人さらい
0投稿日: 2014.07.20
powered by ブクログテーマは死ということらしい。たしかに、作中には安楽死、尊厳死、交通事故、賽の河原と言った死に関わる事柄がよく出てくる(実際、人が死ぬ)。あとがきのドナルド・キーンが言うように、これは晩年の安部公房の体験を元にした私小説なのかもしれない。病院のベッドに乗った主人公、最後に死にゆく主人公は安部公房自身なのだろう。 実際に見た夢をつないだような小説。夢から夢へと実際に自分が見ているかのような感覚が得られる。たぶん本当に夢を元にして書いているのだろう。 看護婦のトンボ眼鏡ちゃんがかわいい。
0投稿日: 2014.07.13
powered by ブクログ足にかいわれ大根が生えます(笑) カフカの変身を思いだす衝撃。 内容は荒唐無稽なんだが、細かい描写が あぁーまぁ、確かに(笑) というような表現があってシュールです。 雌烏賊との死闘は必見。
0投稿日: 2014.05.26
powered by ブクログ経過している時間の速度がなくなったみたいだ。 綿菓子が食べてみたい。 それにしても妙だよ。 幻覚だと自覚している幻覚は本物の幻覚ではないという説もあったはずだ。 (かいわれ大根/緑面の詩人/火炎河原/ドラキュラの娘/新交通体系の提唱/風の長唄/人さらい)
0投稿日: 2014.03.12
powered by ブクログ[かいわれの刑]朝目覚めると、脛に違和感。なんぞと思って見やればなんとそこにはふさふさのかいわれ大根。あまりの不気味さに仕事どころではなく皮膚科に駆け込み治療を求めるも、ベッドにしばられた僕はそのまま地獄巡りの旅を余儀なくさせられることに。上司からコンセプトを考えるよう言われていた「カンガルー・ノート」のことも後にして......。海外からも高い評価を得ている安部公房の最後の作品となった長編小説です。 とっぴょうしのない話のように思えるかもしれませんが、安部公房が自身の死を前にして著した作品と考えると、ストンと胸に落ちてくるものがありました。死という極限的な現象すら、ブラック・ユーモアでくるんでしまうその発想力、そしてそのセンスに驚かされること間違いなしです。気味の悪さと退廃感が絶妙に絡み合った作品ということができるのではないでしょうか。 そんな中で印象的だったのが、露骨に「性」のにおいが感じられる描写が姿を見せること。安部氏にとってそれがどのような意味を持っているのかはもはや知る由もありませんが、死といわば合わせ鏡のものとして「性」をとらえていたのではないかと感じました。それにしても、安部公房の小説って一読しただけだと呆気にとられてしまってなかなか著者の意図を汲み取るところまで行き着かないんですよね。 〜そんなこと構っている場合じゃないでしょう。君の性別なんて、ナンセンスよ〜
1投稿日: 2014.02.27
powered by ブクログ安部公房の作品ってほんと意味わからない(笑) この本を読んだら、砂の女がかなりまともな内容に思えた。 脛からかいわれ大根が生えてくるとか、勝手に走るベッドとか、賽の河原で小鬼やら死んだ母親やら出てきたりだとか(笑) 安部公房の脳内どうなってんだよって思う。 テーマは「死」 もはや現実なんだか夢なんだかわからない世界を主人公が自走ベッドとともに巡るのは、もはや読んでいるこっちも訳が分からなくなる。 安部公房好きです(笑)
0投稿日: 2014.02.21
powered by ブクログ面白かった! 最期のシーンは怖い。 穴から覗くと、穴から覗いている自分が見える、その恐怖で突然終わる。 死を意識する状況にある場合、こういう夢を見るかもなぁ。 無機質なベッドが、ここでは生きている。墓場まで連れて行かねばならない使命を持って・・ 死んだ母親と出会う場面は脳裏から離れず、賽の河原、A.B.C、病院、極端なことを云えば、全てのシーンは自分が見た夢なのではないかと思ってしまうほど、奇妙でいてある意味本当のことのような・・ 死は個人的な部分と普遍的な部分があり、二人称の死、三人称の死があるというが、こういう一見わけのわからない話は、全てを網羅している気がする。 自分もいつか、死んでしまうのだな。 死んでから、自分の死を納得するまで、どんな過程があるのだろうか。
0投稿日: 2014.02.02
powered by ブクログ「奇妙」などの言葉が似合うような奇な話。ころころと移っていく場面に混乱しながら、この話はいったい何なんだとずっと思っていたが、最後の最後にようやくその疑問が解決できた気がする。終わり方が突飛だったので呆気にとられてしまったが、なるほどきっと死とはこういうものなのだろう。
0投稿日: 2013.11.24
powered by ブクログ足にカイワレ大根の生えた主人公が自走ベッドによって夢のような世界を巡る。安部公房、最後の小説。 安部公房らしいシュールな世界。明らかにテーマは「死」だろう。ただこの小説、あまり暗喩としての解釈は関係ないような気がする(ベッドや賽の河原などの分かりやすいものを除き)。夢のような雰囲気を味わうものなのだろう。かといって単なる意味不明な垂れ流しに感じないのは、あくまで主人公が状況を客観的に捉えているからだろう。 そしてブラックユーモアの底に確かに感じる「死」。こういう風に書かれると、何だかかえって悲しくなる。所詮、誰の「死」も(著者自身の「死」も)こんな程度だと著者に言われているような気分になった。
0投稿日: 2013.09.22
powered by ブクログ安部公房は多分二作品目。独特な雰囲気。怪奇で幻想でシュールでナンセンスでホラー、という感触。文体は読みやすい。なのに全体として、単純に静かな、内なる狂気を表したものなのか、何らかのメタファーが込められたものなのか、ということすら解読しきれなかった。一つだけ、ベッド=カンガルーの袋なのかなとも思ったけど、だからなんだったんだ、という感じ。その辺含めて、楽しめた。時間掛けず一気に読み通すべき作品。
0投稿日: 2013.09.03
powered by ブクログ今まで読んだ安部公房作品の中で最も読みにくく最も理解できなかった。 でも、だからこそまた読みたくなるのが安部公房の不思議。 ぶっ飛んでる世界観なのに、妙な説得力があるんだよなぁ。そこがたまらん。 結局カンガルーノートの案はどうまとまったの? 気になるけど、理解はきっとできないんだろうな。
0投稿日: 2013.08.11
powered by ブクログ安部公房最後の長編。 脛から≪かいわれ大根≫が自生し始めた男なんて、期待を裏切らない発想。 ≪かいわれ大根≫は数本生えているくらいなのかと思ったら、どんどん成長してジャングルのように密生する。 読んでいてもなかなかグロテスクで、それを見た、朝食に納豆とかいわれの和え物を食べた医者は、吐き出してしまう。サウスパークっぽいな。ブラックな笑いでいっぱい。 自分の≪かいわれ大根≫を食べて生きていこうかなどと考えた場面は、『方舟さくら丸』のユープケッチャと繋がった。これまで安部公房を読んできたので、分かりやすい。 安部公房作品の中でも読みやすいほうだと思った。 受診した病院のベッドがドラゴンボールの筋斗雲のように主人公の男になついて、そのベッドに乗って、夢のような世界を移動する。三途の川や賽の河原も出てきて、あの世までネタにするのかこの人は、と笑うしかない。後半には、安楽死についての問題も出てきて、“死”がテーマとなっている。 いちばん興味深かったのが、ピンク・フロイドの曲が何度か出てきたこと。 安部公房は彼らの大ファンだったらしい。 安部公房の小説と、ピンクフロイドの楽曲、確かに繋がる部分がある気がしていた。 ドナルド・キーンが書いた解説も自分も共感する部分や、新たに発見するところが多く、面白かった。 安部公房は壁の向こうで待っている… まだまだ深く読まなければ。
1投稿日: 2013.07.31
powered by ブクログなんなの?と言われても、正直なんなのか整理ついてないけれど、何回も読んじゃってて、ずーっと頭にある本。凄く視覚的な記憶に残る。ふとベッドでの旅を思い出したり。硫黄やかいわれ大根や汗の匂いがよぎる。
0投稿日: 2013.05.16
powered by ブクログ「死」が一貫してのテーマであることは分かっている。 遺作である事も承知している。 しかし、溢れるブラックユーモアについつい笑ってしまった。 まるで次々と表れる遊園地と併合したサーカスのようだ。 けれども、ラストには私は精神的に参ってしまった。 めまぐるしく変転する舞台装置の合間から、苦痛や悲鳴が頭に響く。 戯れたまま地獄釜に突き落とされる恐怖すら感じた。 ・・・この辺の感覚は個人によるものだろうが。 もう一度この作品を手にするときは、安部作品をもっと読み込んでからにしたい。
0投稿日: 2013.04.25
powered by ブクログ足にカイワレ大根、というあまりにも強烈な出だしから、夢とうつつを彷徨いながら、黄泉の国を旅する小説。しかも、ベッドに寝たまま(笑) 最高に変、かつ面白い。タッチは軽いが根底に流れる暗さとうすきみの悪さがの二重構造に惹きつけられる。
0投稿日: 2013.04.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ある朝起きると脛にカイワレ大根が生えていた男。病院に行くが・・・。移動式ベッドに乗って温泉治療に向かう。賽ノ河原での小鬼。ドラキュラ娘との出会い。謎の施設での治療。
0投稿日: 2013.02.02
powered by ブクログ次々に脈絡なく不条理な出来事が襲いかかってくる、夢をそのまま小説に落とし込んだような話。わたしはどうにも前衛芸術を解さない人間で(その頭の固さで損をしているなあと思うことも多いのだが、ともあれ)、この類の小説は本来、苦手な性質だ。今回も読み始めてすぐに一度は「あ、しまった」と思った……のだけれど、どうしたものか、ふと気付くと引き込まれて読んでいた。読み終わった後味も、悪くなかった。 いつもだったら「面白いは面白いけど、苦手な感じ」とかで終わっただろうに、何が違ったんだろうなあと考え込んだのだけれど、いっときしてから気付いた。理不尽なのは展開だけで、登場人物はみな優しかったんだ。優しいというか、人間味のある温かい人々だった。不条理ものによくあるような、よくわからない理由で主人公に難癖をつけてくるような怪物ではなかった。
0投稿日: 2013.01.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
作品を通り抜けて、すっかり著者本人に興味が向いてしまっています。 死を身近に感じ、精神的にも肉体的にもただごとならぬ状況であろうに、 終始冷静に、あっけらかんと、こういった形で昇華させてしまうその力量。 本当に流石だなあと。 過去作品を振り返る良いきっかけになりました。 整然と陳列されたスーパーのカイワレ大根が、憂いを帯びて目に映る刹那…。 しばらく後を引きそうです。
0投稿日: 2013.01.27
powered by ブクログ変な話だなあ、と思った。 自分の夢を書いてみたら、 こんな感じになるんだろーな。 近いうちにもっかい読み直そう。
0投稿日: 2013.01.26
powered by ブクログわたしには難しかった。読めば読むほど頭の中がパニック。 でも、なぜか続きが読みたくなる。 カイワレ大根が食べたくなくなった。
0投稿日: 2013.01.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「足からかいわれ大根が生えてくる」という前置きが読者を超現実の物語世界に誘う。飛んでくるイカや地獄の鬼たちが違和感のある滑らかさ、まるでパラパラ漫画を読んでいるかのような感覚、を伴って現れる。 カンガルー・ノートを考案した主人公が見舞われる災難は、人間存在の不安定さだけでなく、『第四間氷期』で提示された「残酷な未来」を発展させた「死としての未来」という境地さえ垣間見せる。 そこには「死ぬことが残酷なのではなく、死という未来が目の前にぶら下がることによって、それまで整然と存在していた日常の連続性が断裂されてしまうということが残酷なのだ」という安部公房自身の哲学が貫かれているように感じた。
0投稿日: 2012.12.22
powered by ブクログ有袋類のノートに始まり、膝にかいわれ大根が繁茂したり、テーマは死であったりする。考えている自分を考えている自分がいたり、それは回帰的だったり永遠性だったり、終わりのない夢のような、あるいは走馬灯なのか、終わりがあることを知っているのに、その終わりが想像できずにいる。もうすでに終わっているかも知れないし、そうだとして、だからなんだってんだい。
0投稿日: 2012.12.13
powered by ブクログ安部公房、好きだ。 この世界観、 面白い。 確かこれ、安部公房の最後の作品だったはず(多分)。 前衛小説らしく本当に意味不明な世界なんだけれども、 70近くになってのこの創造力が素晴らしい。 でも、根底に流れているのは確実に「死」だし、 病院のベッドに(本人に意識はないけれど)縛り続けられていたりと、 自らの人生の終りを意識している人間だからこその世界である。 そしてその死の捉え方が決して絶望や悲観ではなく、 あくまで笑ってしまっているところは重ねてきた年齢故だろう。 青臭い若者がさもわかったように死を語るのとは 根本的な違いがそこにはある。 そして非常に読みやすい。 と言うわけで、 安部公房は面白いですね。 次は何を読もうかな。
0投稿日: 2012.10.20
powered by ブクログ主人公にペットのようにつきまとうベッドといい、どこに行くにもピンチになったら現れる看護師といい、重い病で死ぬ間際の患者のイメージが濃厚。シュールで面白おかしい話なんだけど、どうしようもなく悲愴な雰囲気が漂っている。主人公が足に生えたかいわれ大根を食べるシーンが惨めったらしく可哀相でとてもよかった。 澁澤龍彦の「高丘親王航海記」を思い出す。
0投稿日: 2012.08.31
powered by ブクログサカナクションの人お勧めの本 脛にカイワレ大根が生えてしまって、医者にいくと ストレッチャーに乗せられ点滴をされるがそのストレッチャーが走り出し三途の川まで行くことになるという 解らない(私には)作品でした。 初めての阿部公房作品で頭がパニックです。 もっと解りやすい(私でも)作品を今度は選んで読んでみようとおもいます。
0投稿日: 2012.08.26
powered by ブクログハードなことが結構おこるけども、主人公はあまり深刻にならない、というか飄々としているのがおかしい。 ぐるぐる変化する状況がいちいちズレていて、完全に夢のなかの出来事だ。 話の流れが、整合性が、意味がどうとかいうことはナンセンスで、感覚的に読むのがしっくりきた。 自分が夜にみた夢を覚えていて、なんだったんだろうなーと読み解き振り返るような心地によく似ている。 夢は自分の思考の片割れで、有袋類だとおもう。 夢を見ることと、死を考えることは近いのかも知れない。 脛からカイワレが生えて、自分の意思で走行可能なベッドに乗って、印象的な女性が分身して現れて、安楽死に荷担したり、吐いたり吐かれたりする夢。 たい焼き~のくだりの、アホな会話も良い。そんなもんなのだ。 自分の夢を読むように読みたい。こんな小説もあるとわかって面白い。 こんなもの書ける力があるひとは、どういう生き方をしたんだろうな。
1投稿日: 2012.06.19
powered by ブクログカフカの『失踪者』を思い出す。共通して、主人公をとりまくシチュエーションがまるで悪夢のようなのだ。しかし『カンガルー・ノート』では愉快なことに、その奇怪な背景に主人公が逐一順応していく。言ってしまえば、彼そのものが非常に愉快だ。会話もテンポ良く機知に富んでいる、面白い本だ。と、軽やかに読みすすめたものの、読後胸のうちに立ち込めるのはモヤモヤとしたなにか。
0投稿日: 2012.05.24
powered by ブクログある日突然、膝からカイワレ大根が生えた男が 生命維持装置付きの可動式ベッドに乗せられて 奇奇怪怪な世界を連れまわされる物語。 完成稿としては、安部公房の遺作に当たります。 氏の作品で初めて読んだものがこれだったのですが 久しぶりに文章・色・言葉の選びがドツボな作家さんに出逢えて 悶えながらページを捲ったことを覚えています。 他人の夢のス―プの中に放り込まれて溺れているような読み心地は 夢野久作や筒井康孝なんかのそれとはまた湿度が違って どこかカラリと軽やかで、クリーンで、記号的な印象。 そこに時々、ざりり、と砂を噛むような美しい比喩が転がっているのもまた堪らない。 演劇集団ダムタイプの世界観なんかが、私の中では近いです。 本当に大好きな作家さん。
0投稿日: 2012.05.09
powered by ブクログ正直1/10も分かったと思えない。将来的に分かると思えない。非連続な崖がある感じ 表面的には愉快な(?)、ユーモアな話の連打。あるいは、途中から読んでも楽しめるかもしれない。 オタスケ、オタスケ、オタスケヨ オネガイダカラ、タスケテヨ かいわれ大根ってなんだったんだろう。カンガルー・ノートって? 垂れ目フェチなのは分かった 本当によく分からない…
1投稿日: 2012.03.22
powered by ブクログとりあえず読みながら脛がムズムズした。だって、脛にカイワレ大根が生えてくるなんて…。しかしこの設定で掴みはOK!と思った。 やたらと高性能なベッドに乗って、行く先は地獄。軽く読めるけれど、テーマが「死」だと思うと考えさせられるところもあったりして。 読む時に自分が置かれた状況によって、見え方が変わってくる話だろうと思ったので、また折を見て読み返したい。
1投稿日: 2012.03.21
powered by ブクログ安部 公房さんの作品。彼の作品を読むと引き込まれる。 足から「かいわれ大根」が生えてくる。。 それだけでもこの作品に引き込まれてしまう。 楽しく読め「死」について考えることのできるよい作品である。
0投稿日: 2012.03.08
powered by ブクログ初安部公房。縦、横、斜めにどう読んでも夢の話で、文もまともになったり揺れたりと読み進めば進むほど振幅が大きくなる実験作。月並みだが「死をテーマにした不思議の国のアリス」。程よいグロテスクさが良。
0投稿日: 2012.02.08
powered by ブクログ安部公房マニアのピエール(22)、イチオシ。かなり前から、読めと言われていて、やっと手に取った。 いつもの調子で読み出したら、いつもと違う。いつもの安部公房と違う。いつもだったらドンドン読み進められるのに、今回は拒否されてる感じで進まない。半分読んでからは少し楽になったけど。 1998年に亡くなった安部公房の最後の作品だった。 全然、読者に媚びてない。 読んでて、拒否されてキツイのに投げ出せない。 すごいな、この人。 ピエールが「これが一番すんなり読めた」と言ってたの思い出して、年齢で受け取り方がかなり違うなと思った。 ピエール、若い。てか、まだまだ甘いなと思いながら、ピエールの歳のとき安部公房読んでなかったから、なんとも言えないよな。そのときの私だったら、どう受け止めたろう。 かなり揺さぶられた。泣いていいですか。。。てか、号泣したい気分です。
0投稿日: 2012.02.08
powered by ブクログ主人公は朝起きると脛に「カイワレ大根」が生え始めているのに気づいた。 皮膚科のベッドが移動手段、脛には「カイワレ大根」を生やしたまま、男は奇妙な体験をしていく。 ユーモラスな描写の中に垣間見える、筆者の「死」に対する深い精神が印象的でした。 「死」に対して絶望も歓待も妥協もしない。 晩年、安部公房が病気と闘いながら書き上げた世界は、「人間って、なんのために生きているんだろう?」という私たちの問いに、大きなヒントを与えてくれます。
0投稿日: 2011.11.30
powered by ブクログ安部公房最後の長編作品。 カイワレ大根が足に生え、病院のベッドにくくりつけられ地下世界を迷走する男。彼の行きつく先は果たして。 読みながら、頭の中に様々な景色が広がります。 読んだ他の人の頭の中をのぞいてみたい。 きっと自分とまったく違う景色だろうから。
0投稿日: 2011.11.28
powered by ブクログこれが、これが、これが、まさしく安部公房!という感じの最強作品。 カイワレ大根が脛に生えて、意思を持ったかのように走り出すベッドに乗って、驚嘆の世界へ。 あり得ない設定に思えるけど、もし、いったん"そういうことが起こっているような感覚にとらわれてしまったら"人間なんてそんなものかもしれないと思えてくる。。。
0投稿日: 2011.11.18
powered by ブクログテーマは「死」。なのに笑ってしまうのは安部公房一流のブラックユーモアの為せる技か。存分に笑った後に、こんなにも死をおちょくってみせた作者自身もやはりもう亡くなってしまったのだと、ふと寂しさが込み上げる。
0投稿日: 2011.09.21
powered by ブクログ安部公房最後の小説。 会社にてカンガルーノートたるものを提案した翌日、脚の脛からかいわれ大根が生えてくるという、奇異なまさに安部公房の世界が展開されている。 主人公はその後病院のベッドに乗って街を滑走する。展開が想像の範疇を越え、奇想天外。 夢を見ている気分になる。夢の中ではあり得ない出来事に対して疑念を抱かない、まさしくそれだ。 しかしこの小説にはテーマがある。死だ。 安部公房は生と死をあまり隔たりないように描き、同時に生ける者が死を如何に重んじているかを巧みに描いている。 一度ではわかりえない、安部公房。 深い魅力を感じる。
1投稿日: 2011.08.13
powered by ブクログ能でも意識したのか、出過ぎた疾走感と、表紙のダサさで評価は3。発想としての内容はおもしろい。過去の積み重ねもあるだろうが、末期の作者内面が色濃く幻想的に出ている、業界では評価の高い作者遺作。カイワレは好きだったのか、嫌いだったのか。
0投稿日: 2011.05.12
powered by ブクログ夢の中のような不条理な展開が続いていく不思議な話。ところどころ、妙にポップなのがたまりません。 (kitelette)
0投稿日: 2011.04.12
powered by ブクログ起きながらに夢の世界を旅できるというなんとも素晴らしい一冊。シュールでアイロニカルなのは相変わらず、どこか漂う「死」の香り。難しいことわかりませんが、面白いから良いじゃない…って駄目?「気持ち悪いは気持ちいい」タイプの人には超オススメです。だって脛からカイワレ大根だよ…?!たまらん(笑)
0投稿日: 2011.03.14
powered by ブクログ事実上の著者の遺作。これはその予感をわかっていて書いた作品なのかもしれません。 頭が悪いので前衛的で理解できない部分も多々あります。 文房具屋に勤めている主人公が提案した商品「カンガルー・ノート」。その日から脛に生えてきたかいわれ大根。そして地獄巡り。 書いた年代から明らかに私小説であることがわかります。 文章も読みやすく、それでいて阿部工房らしい文体で、サクサクと読める作品です。
0投稿日: 2011.01.10
powered by ブクログ足からかいわれ大根を生やして、 硫黄温泉行きの自動操縦ベッドに乗って彷徨う男の話。 時間や空間の認識力を奪われる感覚。 話の突飛さもあるけれど、描写力のすさまじさもその一因。 真っ暗な空間にストロボライトが点滅するなかを、 必死に走り抜けたような読後感。 読むのにとてもエネルギーが要ります。
0投稿日: 2010.05.01
powered by ブクログ正直ついていけない。安部公房という人物が好きなので一定の評価はするけどダメだ。これを評価する人は本当に頭が良い人かスノッブかに分かれそう
0投稿日: 2010.04.28
powered by ブクログこれを読むとカイワレを食べたくなります。 情景が美しく、もの悲しい。 病院の外に響き渡るアナウンスの声が 寒々しさと切なさを醸し出している気がします。
0投稿日: 2009.12.23
powered by ブクログある日、目が覚めたらスネにかいわれ大根が生えてしまった男が病院を追放され生命維持装置を搭載した動く医療用ベットとともに地下の運河、賽の河原、などを旅するというか彷徨う、ひとことで言うとそんな話です。 何か冥府巡りのような感じで。 読み進めながら全体的に死を想起させるというか、何か死の匂いのする話だなと思っていたらどうやらこの作品が安部公房の遺作らしいです。 遺作で傑作です。 で、そんな感じで死のイメージが全体にあるものの文章は暗くないしむしろあっけらかんとしていて妙にワクワクしながら読めました。 読み終えてみたけど最後まで結局「カンガルーノート」が何なのかは解らないままでした。 好き嫌いは分かれると思うけどこの世界の描写とかちょっと不思議でちょっと怖いくらいの感じが好きな人にはツボだと思います。 寝る前に読むのがオススメです。 そしたら夢の中で変な世界に迷い込めるかもしれませんよ。 ちょっとダークな冒険モノみたいでした。
0投稿日: 2009.12.07
powered by ブクログ亡くなる前に書いたからなのか、病院に関する、死に関する内容。ただ、それを正面からではなく、他の人がみたことない視点でとらえていくのは、さすがの安部公房。安部公房ワールド全開だけど、他の小説に比べるとなんかマイルドな気がする。
0投稿日: 2009.11.21
powered by ブクログ奇想天外だった。 正直、一度読んだだけでは、まだ全ての世界を理解できずにいる。 彼は自分の持つ広大な世界観の中で、気の向くままにびゅんびゅん飛び回っている、そんな気がした。 そのスピードにしがみつくので精一杯。 いつかまた、読んでみたい。
0投稿日: 2009.11.17
powered by ブクログ安倍公房氏の逝去作です 安楽死を問うたものと評価されていますが それよりも何よりも 彼の表現の一部に 今までにない 素直な表現が 心からの一節が 非常に 非常に こころに残る作品です 安倍公房のなかでも特に好きな本のひとつ!
0投稿日: 2009.10.14
