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わたしたちに翼はいらない
わたしたちに翼はいらない
寺地はるな/新潮社
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総合評価

157件)
3.7
18
63
61
3
0
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    星3.5 大藪春彦賞候補 途中までかなり読むのがつらかった。特に大樹と美南にはいらいらさせられた。莉子にも。 最後には心が晴れた。

    2
    投稿日: 2023.11.28
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    帯にサスペンスとあったがそこまでサスペンスな話ではなかった 学生の時のカースト まだ引きずってるのバカみたい でもこういう人いるよね〜と思いながら読みすすめた 朱音に一番共感した こんな人になりたい

    2
    投稿日: 2023.11.28
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    地元に住んでいると良しも悪しもコミュニティが同じだと学生の頃の知り合いに出会い繋がってしまうことがある。過去に傷ついた心は、いつまでも残るものだ。 友達ではなくても相手の事を思い行動し大切にする事が出来たら、幸せを願う事ができたなら、きっといつか自分に返ってくるだろう。

    2
    投稿日: 2023.11.27
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    人を評価したくなったり、人の評価や言葉が気になるのは、自己肯定感が低かったからかな。自分を相対化しないで認められるようになる、そんな社会をつくっていけるかな鈴音ちゃんたちは。 全ての母親たちが自己肯定感を高められるような社会になるためには、男性を取り巻く環境も変わらなきゃ。

    1
    投稿日: 2023.11.23
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    朱音が自分の言葉で発言し行動できる大人になっているのに対し、「あの頃」を捨てられない莉子。かつて根拠もなく自分が見下していた相手を、社会人になってまで同じようにしか見られない大樹と、その怒りを自分ではどうにもできないまま大人になってしまった園田。 被害を被った側が自分で乗り切らなくてはならないのは、間違いなく理不尽だ。浜田先生の言葉は、朱音を救っている。翼はないし、いらないけれども。 わたしたちに翼はいらない。いるのは翼じゃない。 朱音と園田が安易に仲良くなったりしなくて良かった。最後の朱音と莉子の関係が良い。 優しさを敢えて持ち出さないところに誠意を感じた。今まで読んだ寺地はるなさんの作品のなかでは今作がいちばんだった。

    2
    投稿日: 2023.11.19
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    本当にその辺にあって、よく耳にしそうな内容の話で怖い 小学生までそんなに気をつかわないとダメなのか…

    2
    投稿日: 2023.11.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    グサグサと刺さってくるものがたくさんあって、しんどい読書でした(褒めています)。私は10代の頃が一番輝いていたなんて全く思わないけど、そう思える人の幸福は羨ましく思う。園田に一番感情移入してたかなあと思う。

    2
    投稿日: 2023.11.13
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    人気の本だったので、読んでみた。 どこかの地方都市の閉鎖的な社会が舞台。子供を育てる親同志になっても、いまだに中学校時代のスクールカーストのようなものが続いていて、生きづらい状況を描いている。 全体的に重い、暗い話。時が中学校時代で止まってしまったような人たちで話が進んでいく。最後もちょっとだけ状況が変わったけど、希望を持てるような終わり方でもなく、暗かった。

    2
    投稿日: 2023.11.11
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    不幸な子供時代をおくった園田と朱音,加害者側のグループにいた莉子,彼らがマンションのある育った町で出会い交差することで今までの人生を生き直すことになる. 自殺や殺人や復讐など過激な言葉がチラチラし,どうなることかと思っていたら,案外穏便な形でまとまって良かった.ただ登場人物がみんな嫌な感じで,どの人ともお付き合いしたくないと思った.

    1
    投稿日: 2023.11.08
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    自分には普通でも周りから見たらそれは多分に歪みであることがある。周りと比べて自分の正義や優位を心の中でつくる。そうしていないと生きづらいから。生きていくための赦しは誰から与えられるのか...決して人から与えられるものではないのだと思う。ただ認めてほしいと思って生きている心の苦しさが悲鳴を上げそうな作品。

    3
    投稿日: 2023.11.05
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    過去に傷を負った3人のお話。 人間関係でふと感じる人間の嫌な部分が上手く描かれていて、心がギュッとなった。

    3
    投稿日: 2023.10.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    個人的にはちょっと重めな話だった。 中学時代、いじめで死にたいと思っていた園田。 学生時代から中心人物だった大樹の妻、莉子。 莉子の娘と同じ幼稚園に通う娘を持つシングルマザーの朱音。 この3人が繋がっていくのが面白い。同じ街に住んでいながら、何かのきっかけがないと人と知り合うのは難しいし、まして友人になるのはもっと難しい。 最初は朱音が真っ直ぐでいいなぁと思っていたけど、莉子は莉子で、人ってこういう面も絶対あるよな…カースト上位のグループにいる自分が好き、とか自分の感情をコントロールしてしまうとか。本当の感情を押し殺しすぎて、本当の自分がわからなくなるとか、そう言われるとそこまでではないにしろ、自分を偽ることって正直あるよね…。 最初に出てきた子が最後でこう繋がるのかーとスッキリもした。結構重めな話なのに、最後がスッキリと終われるのが良かった。 誰もが迷う。間違う。嘘をついてしまうこともあるけど、それは相手のことを思っての優しさからの嘘もある。自分にとって厳しい世界であっても、ちゃんと地に足をつけて歩いて行かなきゃと思える本でした。

    5
    投稿日: 2023.10.22
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    登場人物それぞれの抱える鬱屈した思いや痛み、どす黒い感情に気持ちがザワついて落ち着かず、自分の中にもある心の痛みを刺激されるような読書だった。他者に惑わされる事なく、ブレない自分の考えを持つ朱音の強さと、人との距離の取り方に惹かれた。最終的な朱音と莉子の関係も清々しくて好感が持てる。

    8
    投稿日: 2023.10.19
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    人口二十万の明日見市、中学で最強カーストにいた莉子。その時から付き合っているやはりカースト上位者の大樹と結婚し、芽愛という娘いる。高校からの友人、美南は今も友人。対して高校に馴染めなかったタイプの朱音(別のエリアに住んでいた)は離婚したてで、娘の鈴音は芽愛と同じ保育園。そこに、やはりカースト下位で大樹のグループからいじられていた園田が、この街に異動で戻ってきて、莉子・朱音・園田の思いや生活がリンクしていく。 途中、共感できたり憧れたりできる登場人物が少なすぎて読むのが辛かった…。面白くないわけじゃないけど、心は読後まで晴れません。読後感は結構良いです。 そうそう、どんな人生を歩んで来ても、多分、出産・育児が人を変えます。数年間、生活全般が自分の思い通りにならなくて、生む前から体力奪われ、睡眠も細切れ。あ、拷問か。子どもが可愛いと思えるDNAが命綱。 性交叙述あり。中学校からかな。

    6
    投稿日: 2023.10.17
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    サクサク読めた。 心に秘めてる思いを言葉にしてくれるそんなお話。 「自分は強くなどない。昔もいまも、強くありたいと願い、それを叶えようとはし続けている」 「外見がどうだとか勝手な基準をこっちに当てはめて評価する権利があくまでも自分のほうにあると思っている。いつでも自分が他人を『認めてやる』側にいると思っている」 莉子を取り巻く人間関係がクズばっかり。類は友を呼ぶ。 学生時のカースト上位タイプの人って、やたら高校時代に戻りたいとか、あの頃は若くて最強だったって話をするよなあ、しみじみ。

    3
    投稿日: 2023.10.16
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    名称にしがたいような不思議な関係性を築き上げていく過程が丁寧で予想の斜め上をいく展開が多くて面白かった。

    4
    投稿日: 2023.10.16
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    登場人物の輪郭が今ひとつ見えなくて読みにくかった。 マウントとか他人との距離感とか色々ぶっ込んでるんだけど、どれも中途半端に感じてしまった。

    2
    投稿日: 2023.10.12
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    ここ近年、作品毎に良くも悪くも作風やテーマが変化してて、期待しながらページを捲りつつ「?」「どんな話??」とそこまでで得た情報を基に先を想像しながら読み進めるのがお馴染みとなりました。 今作は、スクールカーストの上位グループ、下位グループにいながら大人になっても各々の呪縛から逃れられない心の叫びが物語の全体を「イヤーな空気感」に 纏いながら始まります。 過去の寺地作品からは感じた事がない「誰か死ぬかも感」も物語に瀞みのある味付けしています。 肝試しをするかの如くも作者を信じて読み進めると、いつの間にか三人の語手に感情移入しいて物語に引き込まれていました。過去の幾つかのカーストたるエピソードにもヒリヒリするという事は、40年以上昔ながらも多かれ少なかれスクールカースト(当時はその様な言語はありませんでした。)を経験してるのかもしれません。

    45
    投稿日: 2023.10.11
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    全体的に不穏な雰囲気が漂っていて、登場人物それぞれがしんどい感じ。 莉子にイライラしながら、朱音に共感しながら読んだ。

    5
    投稿日: 2023.10.09
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    マンションの管理会社に勤める園田律。 殺したいほど憎い「あいつ」を殺してから死のう。 シングルマザーの朱音、専業主婦の莉子と それぞれの人生に少しずつ関わりながら ストーリーは進んでいく。 印象的だったのは朱音。 冷静でしっかりと人と自分を見ている。 彼女の存在が、この物語に重みを与えている気がした。 園田のゆらゆらと揺れ動く気持ちに共感できず 最後までよくわからない存在だった。 彼の心情を深掘りしたら必要以上に暗い物語になってしまう。 寺地さん、それを避けたかったのだろうか。

    3
    投稿日: 2023.10.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    誰かのレビューで、読了後に前向きになれるというようなことが書かれていたので、そのような期待を抱いて読んでいたものの、実際はそうでもなかったというのが正直なところ。 でもそれで期待外れだったというわけではなく、ずっと自分の中にあったモヤモヤを代弁してくれる表現だったり描写があったことで、前向きにまでは至らないもののちょっとすっきりした気持ちになれた。 恨みがある相手に対して「そんなやつ気にしないで前へを進もう」ではなく「その人は罪を償うべきだ」と断言してくれたことが個人的な救いになった。そして作中での「恨みがある相手」は最終的にそれなりに裁かれていたので、ああ、いいなと。自分が恨む人も、どこかで裁かれていてほしい。無理に忘れよう、前へ進もうと思うのではなく、ただこのまま、小さく恨みを抱きながら裁きを願いながら生きていくのもありだと思えた。

    9
    投稿日: 2023.10.09
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     寺地はるなさんの作品ってスゴいですよね!本当に読んでいて心が痛くなる(いい意味で)…今回もそんな作品でした。  過去から現在にいいたるまで、生きにくさを感じている3人の視点から描かれるストーリー。その3人とは、4歳の娘鈴音を育てるシングルマザーの朱音、モラハラ夫と同じく4歳の娘芽愛と生活する専業主婦莉子、そしてマンション管理会社勤務で独身、中学時代に凄惨ないじめを受けていた園田…。娘達の保育園で朱音と莉子は接点をもっており、また園田はいじめの加害者で莉子の夫大樹と再会してしまう…。  いろんな事が短い期間でおきますが、ラストはちょっと救いのあるものでよかったなって思いました。でも、一番心に残ったのは、園田と莉子の娘の芽愛が会話を交わす場面…芽愛の好きなプリンセスの話から「…こういうドレスをいっぱい着たい」と芽愛、それを受けて園田が「いいね」と、さらに芽愛が「お医者さんにもなりたい」「どっちがいいかな?」と園田に尋ねると「かわいいドレスを着たお医者さんになったらいいよ」と、そして、なにかになるためにべつのなにかをあきらめる必要はないよ、とつけたした。ストーリーとは直接は関係ないかも知れないけれど、でもスゴく好きな場面です!!

    63
    投稿日: 2023.10.09
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    いつもの作風とは違っている気がした。優しくてふわっとした人が多く出てきて、読後感も爽やか。そんな印象を持っていたが、今作はもっと深長な感じ。美しければチヤホヤされると信じている莉子はもちろん、病身の父の面倒をみているシングルマザーの朱音にも全く共感が持てなかった。男性陣にいたってはどいつもこいつも困った甘ったれ。ただ、こういう人いるなーと思わせる文章力はさすがだ。 オススメは他のタイトルにするかなあ。

    2
    投稿日: 2023.10.09
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    寺地さん2冊目だったが、作者の思いが少々強いなぁと感じた。◇前半読むのが結構しんどかった。朱音がブレずにいてくれるので、その点は安心感があった。友だちはじゃなくても相手のために行動したり、大切に思うことはできるっていう言葉にホッとする

    5
    投稿日: 2023.10.07
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    とある地方都市を舞台に、3つの思惑が交差する。 中学時代、自分をいじめていた主犯格と再会してしまった園田。 その主犯格と結婚したものの、今ではモラハラに苦しめられている莉子。 莉子の子供と同じ保育園に娘を通わせるシングルマザーの朱音。 それぞれがそれぞれの怨嗟を抱えつつ、交じり合い影響し合っていく様子はサスペンス調で、彼らはどこに向かうのだろうという緊迫感があった。 外見からはその人の本質や悩みは決して分からないものなのだ。ラストでは各々の進むべき道が見えたようでよかった。

    8
    投稿日: 2023.10.07
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    主人公のひとりの男が なぜ急に自殺を思い立ったのか それがなぜそのときだったのか 彼の苦悩が伝わってこなかった。 いじめられていた中学の頃と変わらず 同じ小さな町に住みつづけ ずっと憎んでたと言いながら その同級生を「死んでもいい人間」と 今さら気づくなんて…それまでの10年 どう生きてきたのだろう? 他の主人公のふたりの女たちも 生きることに特別に大きく 破綻などしているようには思えず この物語をどのように読めばいいのか 戸惑ってしまった。

    1
    投稿日: 2023.10.07
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    寺地はるなさんの作品を読むのは本作が初めてだった。 主に三人の視点が入れ替わりながら進行する。 特に莉子の勘違い具合に読んでいてすごくイライラした。しかしそれも幼少期からの環境が原因であり、他の二人にも言えることだが、幼少期の体験はすごく我々の人格に影響しているんだろうなと思った。

    1
    投稿日: 2023.10.05
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    園田、朱音、莉子たちの心の叫びが聴こえてくるような描写に感服。朱音の徹底した距離感も他人への優しさなのだと気づく。悩みを抱えながら生きる登場人物たちに共感しつつ読了。

    1
    投稿日: 2023.10.02
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    なかなかヘビーなお話でした。 そして、どうしても好きになれない登場人物にイライラしながら読んでしまいました。 大人になってから後悔したことは数しれない。 私自身もあの時ああしていればと思ったり、あの時は良かったなんて思うこともあります。 目線が『今』から外れて、過去だったり、他の誰かだったりしていて自分の人生は生きられない。 自らの過ちや、誰かを受け入れられない部分を今に昇華させて、自分の幸せと向き合いたいなと感じました。

    11
    投稿日: 2023.09.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「女の子はかわいければ良い」と言って勉強よりも美容を勧める時代錯誤な母親が出てきたけど、いつの時代の話なんだろう?と思った。 私も30代だけど、そんなこと言う親は私の周りでは聞いたことなかったから、もっと上の世代の話なのか、それとも地方都市だとそういう教育も当たり前なのか? 旦那の方も亭主関白すぎる。もっと上の世代の話みたいだった。これも地方都市だと今の30代でもあり得るのか? あと登場人物たちが、あまりにも都合よく繋がるなと思ってしまった。 そして都合よく、殺したい相手はマンションから落ちるし(死なないけど)

    1
    投稿日: 2023.09.27
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    ここ最近読んだ小説で 圧倒的一位。 圧倒的哀しさ。 圧倒的寂しさ。 圧倒的苦しさ。 全てが分かるようで、分かんないようで、苦しくて共感するようでやっぱり苦しい。 相手を憎んだり一方で哀れんだりそんな自分を蔑んだり。人ってこうゆうものだよな、ていうことをすごく描いている気がする。 この著者を読むのは初めてだけど、ハマりそう。

    1
    投稿日: 2023.09.25
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    この物語の登場人物はきっと現実世界にも存在する。 大人になっても自分達を無敵で最強だったと言い切るカースト上位組。 自分達の行為が、同級生の心に一生残る傷を植え付けた事を忘れ、その傷ついた心を慮る事もなく。 彼等の自己肯定感の高さも優越感も傍から見れば滑稽でしかない。 中学時代のマウントに拘り、いつまでも王様、お姫様気分で想像力の欠如を自覚すらしていない。 狭い地方都市でそれぞれの人生が交錯した瞬間に殺意は生まれる。 許せない自分を責めたり無理に赦す必要はない。 終始不穏な空気が流れる中、作者のメッセージが心に刺さる。

    4
    投稿日: 2023.09.24
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    同じ地方都市に生まれ育ち現在もそこに暮らしている3人の物語。 4歳の娘を育てるシングルマザーの朱音のぶれない強さのなかにも感じる寂しさ。 朱音と同じ保育園に娘を預ける専業主婦の莉子は、モラハラ夫に苦しみ、ママ友の目も気になる。 マンション管理会社勤務の独身、園田は昔のいじめから抜けられない。その思いは殺したいほどに。 それぞれに抱える心の傷にもがきながらも生きるしかない。 さまざまな葛藤がみえ、揺れ動く心の奥から誰かを欲している。 そして、その誰かはきっと近くにいる。 誰もが孤独のようでいて、孤独ではないと思わせてくれた。

    57
    投稿日: 2023.09.24
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    さてさてさんのレビューを読んで図書館予約 でも当分借りることができそうもないので 買ってしまいました(笑) 『黒テラチ』ですね、本当に 読むのをやめることができませんでした (家事なんてフンだ!)なんて…… 十代  それぞれの人物を抉り取って読者を痛めますよね 悩んで悩んで底まで沈んで、自分を殺し、  またつくっていきます それができない人物も描かれてはいます (あほちゃうか) 同じ町に暮らした三人の主人公 やわらかな光が見えますね ほっとページを閉じました ≪ 痛み抱き この地で暮らす 翼なくても ≫

    29
    投稿日: 2023.09.24
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    昔自分をいじめていた男と再会した男、気の合わない夫と別れた女、マウント取りたがる男と結婚した女。彼らの人生の交錯を描く。 結婚生活のウエットな部分をネガティブな方面から描く。楽しくはないが、楽しめた。

    1
    投稿日: 2023.09.22
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    寺地さんの新作ということで手に取りました あっという間に読めました。寝不足!! 寺地さんはいろんな立場の人の 心情を描くのがうまいですよね やり取りも、その時の気持ちも 表現がうまくて感情移入してしまいます。 私だったらどうするか 娘だったら私はどう声をかけるか いろいろ想像しながら読んでいました 中でも印象に残ったのは いじめられた側が強くあるのは誰のためかというところ。 世の中に沢山ある、 被害者が立ち直り人生をやり直す物語。 それは本当に被害者のためなのか? 被害者の未来を照らし、 希望を与えるためものなのか? いや、本当はいじめた側や、 傍観者側をまもるために 用意された物語なのではないか だって被害者が自分で悟って 勝手に努力して幸せになってくれたら 誰一人責任をとらずにすむから。 私自身も、こういう作品はよく読んでいて 希望を与えられたことも多々あるけど そういう捉え方もあるのかと 頭を打たれた気がしました。 作中にもあった いじめられた側が強く生きていくという ポリシーを持つことはちっとも間違ってない それはそれとして彼らはちゃんと 罪を償うべきだった 私があの出来事を乗り越えた、だからもういい なんてそんなわけない というのがまさにその通りだと思いました。 いろいろ考えさせられます。 子どもたちはどう頑張っても 傷つかずに大人になるのは難しい。 でもできるだけ、その傷を小さくしたい。 人にも傷を与えないでほしい。 強くあってほしい。 そのためにはどうしたらいいんだろう。 こういう本を読むと いつもこういうことを考えてしまいます。 それにしても作中に出てくる 大樹も、美南も、 朱音の義母も、 腹立たしいーーーー!!!!! どうにかしてくれー!!!! いろいろモヤモヤしましたが 前向きになれるラストで 読了感はよかったです(^^)

    61
    投稿日: 2023.09.21
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    ママ友にマウントをとられているシングルマザーの朱音、モラハラ夫を持つ専業主婦の莉子、中学時代いじめにあっていた独身会社員の園田。 三人を軸にして物語が展開していく。 自殺するとか人を殺すとか…不穏なところも多々あるのだけど、物語全体に静かな雰囲気があるのは、朱音の落ち着いた性格に因るところが大きい気がした。 はっきりNOと言えて、群れないところや芯がぶれないところがすごくいいと思った。 寺地さんの本に登場する「自分をしっかり持っている人」がやっぱり好きだなぁ。

    31
    投稿日: 2023.09.17
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    キツい。読みながら息苦しくなる。 誰しも学校生活では、この物語と同じような状況を経験してきたのではなかろうか? その時、自分は教室で加害者だったか、被害者だったか、あるいは傍観者だったか、、、考えさせられる。いや、本当はとうにわかっている、ただその経験に今のモラルを鑑みて蓋をしようとしているだけ。 過去は、変えられない。 登場人物たちの未来を過去に上書きしようとする姿がもどかしい。 ハッピーエンドて安堵が欲しい読者と、現実をとことん突きつめて欲しい読者を納得させてくれる物語だった。

    28
    投稿日: 2023.09.16
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    自立ってこういうことなんだろうなと思った。 『私たち友だちだよね』 じゃなくて 『私たちは友だちじゃない』 『友だちじゃなくても、相手のために行動したり、大切に思うことはできる』 こっちの方が自由でいいなと思った。 関係性を言葉に当てはめて、世間が思うその言葉の意味で自分を縛り付けるのは不自由だから。 自分で自分をがんじがらめにして、とても苦しい思いをしていた登場人物たちが、そのことに気づいて軽くなっていく様子が、希望につながっている感じがしてよかった。

    5
    投稿日: 2023.09.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    殺したいと思うほどの強い思い。 そうなったらいいなという、願いを持つ莉子と園田が知り合い、恐ろしいことが起きるのかドキドキしたけれど、そうならなくてよかった。 先生に、飛び降りるのではなく飛びなさい。と言われたこと。 「犀の角のようにただ独り歩め」ブッダの言葉。 雲に届くように高く飛べ。君には翼がある。 でも、朱音は、そう自分に言ってきた先生を憎らしく思う。 朱音は考えることができる人で、頼もしい。 いじめられていた過去をずっと引きずっていて、 「自分は頭がおかしい」と園田は言う。 おかしくてもいいんじゃない?他人に『それだけのこと?』と言われるようなことでも、園田にとっては重要なことだった。 他の人に寄りかかるのではなく、1人でしっかり立てるようになりたい。 それが大人になるということなのかもね。 じんわり深い話だった。大人の話。

    11
    投稿日: 2023.09.13
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    寺地はるなさんの新刊、期待して読んだ。 面白く、どんどん読ませるが暗く苦しい、、、でも。 暗い、気弱、意地悪な3人の主要人物が、本質は、、、、、。

    3
    投稿日: 2023.09.12
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    園田、莉子、朱音というメインの3人を中心に人間関係が絡み合って話が進んでいく。 それぞれ表から見えない心の傷を抱えているのだけど、自分は3人の誰とも似ていないと思うのに3人ともに感情移入できてしまうし、要所要所で「その気持ちわかる…」と苦しくなるような不思議な作品でした。 過去の経験って「なんでこんなことをいつまでも気にしているんだろう」と自分でも思う程度のことであっても、ずっと引っかかり続けて消えない傷になってたりするんだよなぁ… 最近タイムリーにそう思うことがあったので余計に刺さってしまいました。 ・園田 マンション管理会社に勤めるサラリーマン。自社のPR誌制作を担当している。 そのPR誌の"自社のマンションに関わる人へのインタビュー記事"の取材相手がかつての同級生の中原大樹だった。 当時の園田は中原にいじめられており、それが消えない傷の一つになっている。 ・莉子 学生時代から自分の置かれた状況を"読み"、相手の欲しい言葉をかけ、スクールカーストの上位にいることに注力してきた。カーストの"王様"だった大樹と結婚し一人娘の芽愛(めあ)が生まれる。 専業主婦でありながら父の会社から虚偽の就労証明書をもらい娘を保育園に通わせている。 ・朱音 ワーママ。娘の鈴音は芽愛と同じ保育園にかよっている。 自分の在り方は他人を傷つける。誰かと仲良くなっても依存はしないこと、群から離れても堂々としていること、という信念を持って他人との深い関わりを避けている。

    3
    投稿日: 2023.09.09
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    過去に傷をもった3人の視点から物語が語られており、それぞれが救いを求める様子は正直読んでいて心苦しいところがありました。 自分も決して誇れるような思春期を過ごした訳ではなくどちらかと言うと薄ら暗いものだったので、読んでて登場人物の切迫した感情に一部共感できる思いもあり、どちらかと言うと読んでて辛い作品でした。 本作を通して思ったこととして、思春期や成長期の心の傷って、後の人格形成にとても影響を与えるものであると同時に、どこか自立を妨げる要因となってしまうものなのかなと。 本作では、その自立の歪みみたいなものが、殺人衝動や他者への過度な依存といった他者を介しての救済を求める行動に繋がっているのかなと思いました。

    43
    投稿日: 2023.09.07
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    ブレない自分を持った性格の朱音は、寺地はるな先生の作品にはよく登場するタイプのように感じる。 対する莉子は、世界は自分中心に回っているという性格で、相反する二人の関係が、物語が進むにつれて交わり良い方向へ進んでいく。さらに、園田との三角関係のようでそうじゃない、恋愛感情があるのかないのか、単純ではない3人の関係が複雑なのにスっと入ってきて、スラスラと一気読みできた。 一見すると莉子がすごく嫌な人間に見えるが、母親や夫との関係など同情できる要素もあり、それは生まれ育った環境が大きく影響していて、子どもの頃に聞かされた言葉や出来事は、大人になってもまとわり続ける怖さを知った。 それでも新たに出会う人達によって変わることができる、というのが伝わる物語だ。

    4
    投稿日: 2023.09.04
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    読み始めてからずっと心苦しい感じがした。自分は登場人物の誰にも似てないのに、それぞれの感情には共感できる、もしかしたら自分も経験したことがあるんじゃないかという気がして。 寺地はるなさんの小説の、一見何気ない文章に、いつも強く惹きつけられてしまうことが多い。寺地はるなさんの書く言葉や表現がやっぱり好きだなあとまた思った。

    9
    投稿日: 2023.09.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    寺地はるなさんのご本はいつも面白すぎて一日で読み終わってしまう! それぞれの話がきちんと書き分けされてて読みやすかった。 わたしが好きなのは莉子ちゃん視点。 序盤は全く共感できなくて!この人めっちゃ自信過剰じゃん、わたしの苦手なタイプ…って読み進めていたんだけど、終盤で自分を客観視できるようになってて、むしろ低めに見るように自分に言い聞かせていて、成長が感じられてよかった。 終盤の莉子ちゃんに対する 鈴音ちゃんママに似てきたね は褒め言葉だよね。あの場面ではわたし莉子ちゃんの立場に立って、言われて嬉しくなっちゃったもん。 朱音さん視点は、この人すごく落ち着いた考えをする人だなーと思いながら読んでた。 この人みたいになりたい、と憧れる人。 よくわからなかったのは園田くん視点かなー?でも最初のしぬぐらいならころそう、はちょっとわかった。 あと朱音さんに依存しそうなところもわかるかなー!朱音さん、頼りたくなるよね。 朱音さん>(越えられない壁)>園田くん>莉子ちゃん ってイメージ。1番芯を持ってて揺るがなさそうなのが朱音さん。莉子ちゃんは序盤のゆるふわなイメージがあって。 朱音さんは芯の強そうなイメージが強いけれど、序盤のお靴で自分を奮い立たせてる場面があるので、実は弱いのかもしれないねと思ったりもした。 終わり方が好き。 みんながそれぞれ自立しているところが見れてよかった。それぞれが幸せでありますように。

    7
    投稿日: 2023.09.01
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    同じ地方都市に生まれ育ち、現在もそこに暮らしている3人: ◆4歳の娘・鈴音を育てるシングルマザー・朱音 ◆鈴音と同じ保育園に娘を預け、モラハラ夫をもつ専業主婦・莉子 ◆いじめられた経験をもつ独身男性・園田 それぞれ心の傷を抱えた3人が、偶然の重なりからつながり、あるいは離れていくまでの物語。 地方都市ならではの人と人との距離感(かつてのクラスメイトと偶然再会するとか、中学生の時からずっと付き合っていたふたりが結婚するとか)がすごくリアルに描かれていると思う。ラストも自然だった。 反面、「こんな物語、はじめて読んだ!」というような興奮はあまりなかった。サスペンスという売り出し方にも違和感(サスペンスというほどのハラハラ感はなく、ただただリアルな人間ドラマという印象)。

    0
    投稿日: 2023.08.28
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    Amazonの紹介より 他人を殺す。自分を殺す。どちらにしても、その一歩を踏み出すのは、意外とたやすい。 それでも「生きる」ために必要な、救済と再生をもたらす、最旬の注目度No.1作家・寺地はるなのサスペンス 同じ地方都市に生まれ育ち現在もそこに暮らしている三人。 4歳の娘を育てるシングルマザー――朱音。 朱音と同じ保育園に娘を預ける専業主婦――莉子。 マンション管理会社勤務の独身――園田。 いじめ、モラハラ夫、母親の支配。心の傷は、恨みとなり、やがて……。 個人的に勘違いしてしまったのですが、この作品はサスペンスであって、ミステリーではありません。事件のような雰囲気も登場するのですが、全体的に心の不安感や怒り、哀しみなど、昔のイジメを通じて、心の再生・救済をしていく物語になっています。 冒頭では、幽霊や転落といったミステリアスな雰囲気を漂っています。その真相はラストで明らかになるのですが、どんな物語になるだろうとワクワク感がありました。 話は変わって、同じ都市に住む主役3人が登場し、それぞれの視点で展開していきます。 なかなか最初は、登場人物が多く、朱音と莉子の雰囲気がなんとなく似ている印象もあってか、なかなかパート分けの整理がつかず、ちょっと読みづらい印象がありました。 ただ、段々とバラバラだった関係性が、一つの繋がりへと変化していきます。相関図を自分で作成した方が、より世界観がわかりやすかもしれませんので、ぜひお試しを。 寺地さんの作品は、心理描写を丁寧に描いている印象があって、今回の作品では、特に「陰」となる怒りや嫉妬、恨みといったものを爆発的に表現しているのではなく、心の中で沸々とゆっくり時間をかけて形成していく印象があって、丁寧で繊細な心理描写だなと思いました。 昔のいじめやママ友の交流、モラハラやマリハラなど心を抉るような描写が多く登場し、現代においての生きづらさを感じてしまうのですが、登場人物がどう乗り越えていくのかが読みどころであり、いつの間にか世界観に浸っていました。 子供から大人へ。大人になっても、昔の強い記憶はいつまでも残ります。もし、恨んでいた人がひょんなことから再会したとしたら? 主役3人を含め、登場人物が複雑に絡んでいく描写は読んでいて、あまり良い気持ちにはならない部分もありましたが、どんな展開になっていくのか、どう解決していくのかが気になるばかりでした。 そして、後半では、ある騒動が起きます。最初はミステリーな展開⁉︎と思いましたが、それをきっかけに何かが吹っ切れるかのように流れが変わっていきます。 どう再生していくのか。自分なりの答えが垣間見えて、良い方向に向かって欲しいなと思いました。特に子供たちが・・と思ってしまいました。 どちらかというと、全体的に陰湿な雰囲気だったので、気持ちとしては暗めでしたが、色んな人に読んでほしいなと思った作品でした。

    11
    投稿日: 2023.08.26
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    読んでいる間中、水の中でもがき苦しんでいるような感覚でした。最後にもがいていた水中から顔を出し、スピンと同じような淡い水色の空を目にした気がした。 学生時代でも、大人になっても、人は何かに束縛されてもがき苦しんでいる。でも誰も、隣りにいる人物が束縛されていることにも気づかずに、むしろ自分の計りで相手を判断してしまう。 そして、自分自身がもがき苦しんでいることを人に言えずにいる。 束縛にもがき苦しんでいること、周りの人の立場を自分のものさしで勝手に測ることの理不尽さ。 そのことに気づき一歩を踏み出せた大人たちに救われた。 自分の考えや生き方を持つこと、それを相手に押し付けない大切さ。過去に縛られすぎない大切さ。 自分を大切にすること 自分に必要な物語。

    17
    投稿日: 2023.08.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    うーーーん………。最後はそれぞれの落としどころがついたけど、各人物の内面描写をもっと掘り下げてほしかったなぁ……という印象……。

    8
    投稿日: 2023.08.24
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    過去の傷を抱えた三人の主人公たち。 それぞれの視点で語るその感情に誰しもが共感を覚えるはず。 忘れたくても忘れられない辛い過去。 許せない人の存在… 著者からのメッセージを受け取ることで心が軽くなり、自分の考えや信念を持つ大切さ、進むべき道を見つけるための指針となる作品です。

    15
    投稿日: 2023.08.24
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    行き詰まった人たちが「友達じゃないけど大切な人」を得て少しずつ前へ進んでいくお話。 寺地さんの本はずっと薄暗いイメージがある。 自分が本当に思っていることをちゃんと自覚できてる人って案外少ないのかも。みんな白黒つけずグレーなままなんとか生きてるのかもなぁ。

    8
    投稿日: 2023.08.24
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    全体的に暗い、じめっとした雰囲気だけど自然と引き込まれる。憎悪と自己嫌悪のるつぼから抜け出し、友だちじゃない大切な人を見つけるおはなし。

    19
    投稿日: 2023.08.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    人は空にあこがれるのだという。誰もが大空を飛びたい、この背中に翼があれば、と思うのだという。 そして、人は言う。思い切って飛び立て、君には未来と可能性の翼があるのだから、と。 それはある意味美しく素晴らしい世界だ。でも、飛ぶことを強いるのは一つの暴力だ。 この小説を読んで、初めてそのことに気付いた。 人は空を飛ぶ必要はない、その背に翼なんてないんだから。 いじめやモラハラ、他者からの同調圧力を低反発枕のように受け止め続ける人たちの、その痛みがあふれていた。 そしてそれらから自分を守るために、自分なりのやり方で戦う強さもここにあった。 無理に周りと同化しない、無駄に他者と溶け合わない、自分の輪郭を守る鎧は自分で見つけるしかない。 寺地はるなは裏切らない。 今回も裏切られなかった代わりに、ザクザクと刺されまくった。自分の中にある自分が目をそらしたい弱さや醜さや黒々しさをこれでもかこれでもかと見せつけられた。血まみれになりながら心が痛みにのたうち回る。 そして翼を持たない自分のことを、心から愛したいと思わずにはいられなかった。 寺地はるなはやはり裏切らない。

    13
    投稿日: 2023.08.20
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    心の中で渦巻くドス黒い部分が、 闇に打ち上がって、一瞬明るみに晒される。 後からくる轟きに打たれ、 ジリジリと跡を残す花火のような残像に、 息を飲みました。 人は時に、取り返しのつかないことを容易に願い、 それが一体どういうことなのか想像もつかない。 重みをリアルに感じることもなく、 二度と戻れないほうへ踏み込んでしまう。 人と人との繋がりから、 糸がささくれるように生まれる悩み。 不安や悲しみが絡まり、痛みになる。 バランスは簡単に失われる。 わたしたちは、本当に生きづらい場所で生きているんだと痛感しながら、 やっとの思いで生きている。 そんな中で『わたしたちに翼はいらない』というタイトルに救われる。 空に羽ばたくのではなく、地に足をつける。 心の拠り所と共に、独りで立ち、 そこに道を切り拓いていく。 そんな道標となる作品です。 翼を求めるわたしたちに、 祈りを込めて、曇天に虹を架けるような強さで、 この作品を生み出してくれたことに感謝します。 読む人の心の中で、 きっとずっと生きていく物語です。

    16
    投稿日: 2023.08.20
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    誰もが、自分が正しい、いや、自分はおかしい、そう答えを出さないまま生きている。明らかな悪に逆らう術を知らず、それが人を死にたいほど追い詰めるイジメやイジりだと思わない者、やられた事を引きづる者。感想が難しいが、寺地さんの物語は、いつも心にとてもとても残る。読んで良かったといつも思わせてくれる。

    10
    投稿日: 2023.08.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    感想 飛躍は必要ない。孤独に、恨みに浴することで殺意は澱となり溜まっていく。特別なきっかけは何もない。どこにも断絶が見つからない危険。

    4
    投稿日: 2023.08.09