Reader Store
水を縫う
水を縫う
寺地はるな/集英社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

284件)
4.2
95
130
42
6
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    失敗をして欲しくないという愛情が可能性を奪ってしまう__思春期の息子を通して描く家族の話。"流れる水は淀まない"という言葉が印象深くて好きです。この言葉の通り、登場人物それぞれが抱える濁りがだんだんと澄んでいくようでした。

    6
    投稿日: 2024.10.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    全員が全員、本当はお互いのことを大事に思っているはずなのに、どこか噛み合わない、もどかしさ。 もどかしいけど、でもこの家族を見ているとそれでもいいと思えた。 こうあるべき、こう見られるべき。 人から言われた言葉によって自分を無自覚に制限してしまう。こうありたい、とこうあるべきは違うけど、この線引きは難しい。 でも、それが自分を縛りつけてしまってる邪魔な思い込みだと気づくきっかけも、人からもらった言葉だったりする。 人の言葉に傷つき、制限し、苦しみ、意固地になり、でもたまたま出会った言葉や出来事で気づき、解放され、強くなる。この過程がすごく共感できてじんときた。 それぞれが自分の信じる道を歩んでいく力強さが美しい。

    0
    投稿日: 2024.10.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    私には合わない作品だった。 登場人物が、みんな好きになれないキャラで、内容もなんてことないストーリーで、3ヶ月もしたらどんな話しだったのか忘れてしまいそう。

    9
    投稿日: 2024.09.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    寺地はるなさん、課題図書や入試問題に多く取り上げられたということもあって、初めて読みました。いきなり主人公の男子高校生が「手芸部に入るかもしれません」って、「普通」じゃない自己紹介から始まります。なるほど、微妙な感情の変化や個々の信念みたいなものが上手く描かれてました。 また、別の作品も読んでみようと思います。

    41
    投稿日: 2024.09.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とても素晴らしい本でした。 手芸好き男子、清澄くん。過去のトラウマで「可愛い」を受け入れられないもうすぐ結婚する姉、水青。いい人だけど家庭人ではない、離婚した父。離婚後、働いて家庭を支え続ける母。いつも家族を見守ってくれる祖母。 みんな悪くない。でも読んでいて息が苦しくなるのは登場人物がそれぞれ『~らしさ』『~はこうあるべき』に縛られているから。 可愛いウェディングドレスは着たくないという姉のために祖母に手伝ってもらいながらドレスを作ると宣言した弟。離婚した父にも手伝ってもらいながら、ドレスを作る中、みんながしがらみから解き放たれていく姿がとても心地よかった。

    20
    投稿日: 2024.09.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ・なんて優しい家族の話。優しさがガーゼのドレスへ繋がっていくよう。 ・全の繊細さ、清澄の揺るぎなさ、水青の真面目なところ、さつ子の不器用な愛情。文枝の周りを包み込む佇まい。 黒田さんも2人目の?父親として、全の親友、家族としてとても大事な存在。

    0
    投稿日: 2024.09.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    多様性×針と糸…がテーマの物語。全体的に優しい雰囲気ですが、優しいが故かあまりにもふわっとしていて、印象に残る言葉や場面は少なかったので⭐︎2つです。多様性や手芸に触れた文章は著者の他の作品からも読み取れますし、一貫して伝えたいテーマなのかもしれません。

    0
    投稿日: 2024.09.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「自分と違うやりかたを選ぶ人を否定するような生きかたを、僕はしない。したくない。」 『夜明けのはざま』を思い出す。家族それぞれが世間一般の「らしさ」に縛られ息苦しく生活している中で、ふとしたきっかけで、すこし前向きに明日へと向かう。 「らしさ」の押しつけは愛情ゆえの場合もある。逆に押し付けられないことに愛情の欠落を感じたりもする。家族であっても、家族だからこそ、言葉にしないと伝わらないことがたくさんある。きっかけになるのは、やはり対話。 「自分に合った服は、着ている人間の背筋を伸ばす。服はただ、体を覆うための布ではない。世界と互角に立ち向かうための力だ」 「自分にあった服」は「自分らしさ」でもある。これは水青のウエディングドレス姿であり、そのドレスを作り上げた全の姿でもあったと思う。

    4
    投稿日: 2024.09.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    章ごとに主人公が変わる作品。家族愛を感じられた。自分とは考え方が違う登場人物にも妙に共感してしまうところがある。

    0
    投稿日: 2024.09.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    家庭の中の、様々な交錯する想いがリアルに息づいていた。穏やかに読み進める中で「失敗する権利」というフレーズに、その権利を人から奪わないためには、自分の不安と向き合わなければいけないと思い改めるものだった。

    0
    投稿日: 2024.09.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    刺繍をすることが好きな男子高校生、清澄(きよか)は迷った末始業式の自己紹介でもそれを話した。中学ではそれが仇となったが、高校ではちゃんと友達ができた。 別に女々しいわけでもない、ただ「刺繍」が好きなだけなのに、母は自分に男の子らしいスポーツをやらせたかったらしい。 姉の水青(みお)は高卒で塾の事務をしている。紺野さんという優しい婚約者がいて、結婚式はしないつもりだったのに、姑に「結婚式は絶対。ウエディングドレスでお披露目を」と言われているが、「かわいい」に嫌悪感を持っている。 かわいいもふわふわもキラキラもいらない。どのドレスも気に入らない。 実は、昔いつも親が迎えに来ていた夜道を一人で帰った時変質者にスカートを切られた「かわいいね」と言って。触られたりはしていないことから警察もうごいてくれず「かわいい恰好してるから」と言われた。 そこから彼女のなかの「かわいい」は嫌悪の対象でしかない。 ドレス選びに困っていると、清澄が 「ドレス、俺が作っていい?」と言い出した。 もちろん、なんの知識も技術もない清澄がドレスを作るなんて大変すぎる。 祖母は裁縫に長けていたがそこまでではない。 母は公務員で一人で一家を養っていている。手芸なんてやったことはない。 父とは離婚。養育費を父の雇い主の黒田さんが月に1回もってきてくれるのを清澄が受け取っている。 物語は、 1章が清澄、2章が水青、3章が母、4章が祖母、5章が父・・と思いきや黒田さん。そして最後の6章が清澄の目線で進む。 ここに、黒田さんが入るのがポイントだと思っている。 父、全(ぜん)はふわっとしていて、おそらく一般的な思考回路にはなさそうな人。実は全も服作りがものすごく好きすぎる人生だった。だが、彼はデザイナーになれず、アパレルの営業となり、そのころ結婚する。 なのに、頭の中は服のデザインしかない。子供をあずけていてもそれしかなくてあわや清澄が死にかけたときに、離婚を決断した。 そして黒田さんが新しい会社を作る時、そこにデザイナーとして就職した。 が実際、全の作る服で黒田さんの会社が潤うことはない。その部門をやめた方がいいともいわれている。が、黒田さんはやめない。 黒田さんは結婚していない。子どももいない。 月に1回会う清澄の成長がうれしい。本当の子どもではないし、そういった交流はないけど、全に見せるために撮る写真は黒田さんのスマホのカメラロールにたまっていて見ていると泣けてくるほど。 祖母も好きなものはあった。でも時代が好きなことをさせてもらえなかった。夫は厳格だった。 家族でプールに行って、さぁ自分も!と思ったら夫に「みっともないからお前は水着にならずプールサイドにいろ」と言われた。本当は入りたかった。 今、 お友達とプールにいくようになった。もう、好きなもの、やりたいこと全部やれるようになった。 ブックカバーの後に「家族小説」と書いてあったけど、そうじゃないと思う。 これは、 好きなものを、好きだと言おうぜ! って話だと思った。

    1
    投稿日: 2024.09.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「らしさ」に生きづらさを感じる家族小説。母目線の話は特に子供の行動に対して先回りした言葉をかけたり「ああしなさいこうしなさい」って感じでストレスがこっちにまで伝わってくるようだった。 祖母の話でもそうだけど嫌だったのにそのらしさの言葉を他人にふとかけてしまうのは他人事に感じず気をつけなきゃいけないなと思った。

    1
    投稿日: 2024.09.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    寺地さんの作品は、読んでいてなんだかなぐさめられている、そのままでいいんだという気持ちになる…。なぜ?

    1
    投稿日: 2024.08.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    寺地はるなさんの本を、初めて読んだ。 読書家さんたちのおすすめ本ブログやインスタとかで気になっていて、読んでみたいなと思う作家さんだった。 読んでみた結果、ドンズバでツボにはまった。 男子なのに刺繍が好きで、友達がなかなかできない清澄。 同じく、女子高生なのに数学が得意で趣味は石、という高杉。 女だから勉強しなくていい、いい年して水着を着て泳ぐなんて、と言われて色んな我慢をしてきたおばあちゃん。 子どもの時に変質者にスカートを切られて、「女の子らしい」可愛いものを身につけられなくなった水青。 どれもこれも、自分がどこかで経験してきた、ちょっとした「生きづらさ」の種だった。 ああ、ここにもいたんだ!と、仲間を見つけたような気になった。 なんだか、太宰治にはまる若者のような心境かも。 清澄が名前の由来を尋ねた時の、父親の手紙が良かった。 「流れる水は、決して淀まない。常に動き続けている。だから清らかで澄んでいる。一度も汚れたことがないのは『清らか』とは違う。…流れる水であってくれ。」 心にじーんと響いた。何度汚れても、流れ続けることで、清らかで澄んだ水であり続けられる。 いい言葉だな。

    14
    投稿日: 2024.08.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    2021年度 河合隼雄物語賞受賞作。「河合隼雄さんが選んだ本」としてふさわしい内容だと思った。 河合さんなら、どんな書評を書くだろうか?ちょっと想像してみた。 『寺地はるなさんは自立と依存ということをうまく表現する人で、この本は、3世代が同居する家族の中で長女の結婚という家族の節目に、家族一人ひとりの尊厳とおもいやり、母性と父性、中高年の自立などが、関西弁を使ってとてもうまく書けてますね。』 こんな感じかな。 主人公16歳高校1年、23歳姉、45歳母、祖母74歳、離婚した父の同居人、私は祖母に年齢が近いので、その視点で読んだが、高校生の人が読んだら、また私とは違う感慨を抱くのではないだろうか。しかし、74歳でスイミングか~、俺には無理。 読後感が、とてもいい。ラストのシーンの玄関の前に立っているひとは誰なんだろう?父という答えが正解なんだろうけど、それがはたして幸福を意味していることなのか、考えさせれるナー、続編が書けそう。 意味がわからず調べた言葉:P113あがり框、P134三和土、P113分明な、P110かまびすしい、P214眉根を寄せる、P249眉を下げる(眉を使う言葉が多い)

    8
    投稿日: 2024.08.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    刺繍を通して、社会問題に目をつけたストーリー。 男性だから、女性だから関係なく、誰もが生きやすい社会になればなぁ。 自分の価値観を押し付けず、肯定的に認めてあげることが必要だと感じた! 寺地さんの本とても読みやすい!

    1
    投稿日: 2024.07.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読書感想文のために読んだ。登場人物がそれぞれ現代の問題を示唆する悩みを持ってて課題図書なんに納得。清澄が葛藤の末に完成させたドレス、めっちゃ見てみたくてこれが小説なんが憎い。映像化と相性が良さそう。けど、起伏のないストーリーで私の好みの本では無いかも。

    0
    投稿日: 2024.07.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    手芸好きの高校男子・清澄。 清澄とそのまわりを取り巻く人たちの視点で描かれる6章から成るオムニバス。 ジェンダーの問題や家族の問題などを、静かに淡々と紡いでいく物語。 ダメ父の友人・黒田目線の「静かな湖畔の」の章が良かった。 全が水青のドレスを作っていくシーンが好き。

    0
    投稿日: 2024.07.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    可愛いのは嫌という姉。そのウェディングドレスを作る高校1年生の清澄。 ドレス作りを通して描く家族の物語。 こうあるべきだという思い込みがほどけていく姿が印象的。 押し付けられる普通を乗り越え、自分に素直に。やりたいことをやる。 きっとそれが一番良い。 今を迷っている人に読んで欲しい物語。

    1
    投稿日: 2024.07.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    登場人物一人一人の視点から他人との違いについて書かれていて読みやすかったです。 登場人物が葛藤しながらも、自分を貫いている姿がとても元気を貰えます。

    0
    投稿日: 2024.07.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    近年、多様性とかジェンダー問題が急速に取り上げられるようになったと思う。 本作もその類の作品だが他作品に比べると 盛り込む要素が幅広い作品だった。 『水を縫う』 全6章の連作短編集では 「女性らしさ」「男性らしさ」以外にも 「母親らしさ」や「父親らしさ」 或いは「家族ってこうあるべき」 「年齢的にこうするべき」といった より広範囲な潜在意識を扱っている。 私も日常生活の様々な場面で知らず知らずのうちに性別や年齢で物事を判断していることがある。 こういう意識は相当深い所に根付いていそうだ。 この意識は生まれた年代や家庭や社会環境の影響も大きいが、時と場合により、それを好ましく思わない人がいることは、当然のこととして誰もが知っておく必要があるんだろうと思う。 本作からは、こうあるべきという強い主張ではなく、人それぞれの個性や考え方を大切にしようというメッセージが伝わってくる。 特に、母になり水着姿を封印させられたことで、大好きな水と戯れることを自制していた文枝の話は良妻賢母の日本文化が作った女性像と重なって胸にささった。 そういえば海外のビーチでは、ご年配の方がチャーミングな水着姿で開放感たっぷりに海水浴を満喫されている。初めて見た時は、その奔放なまでの高い露出度に驚いた。 日本ではあまり見られない光景だ。 大和撫子が女性の美の表現とされている日本では、なかなかこうはいかない。だからこそ、どこか羨ましくも感じるのだろう。 けれどどの国にいようと、個人の基準や精神に基づいて誰からも束縛されることなく行動できる姿が、最も美しくて尊重されるべきなのだと思う。(もちろん公序良俗に反するものは論外ですが) 何か大きな壁を乗り越えるということでは無く、自分の中の気付きや気持ちの変化で、少しだけ前に進む勇気を与えてくれるような温かい作品だった。 寺地はるなさんは『大人は泣かないと思っていた』に続き2作目だったが、どちらも固定概念にとらわれず、自分らしさを大切にという共通のメッセージが込められている。 本作の方がやや抽象的で読み手に解釈のバトンを託しているように感じた。

    43
    投稿日: 2024.07.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    誰しも自分の立場を「こうあるべき」と考えたり押しつられたりする中で、自分のしたいことを貫く大切さに気付かさせてくれた。

    1
    投稿日: 2024.07.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    清々しい、まさにこの一言。 色々あった家族もそれぞれがそれぞれの立場で精一杯で、それでも歯車がうまく回らない時もあるけど、少しだけ緩めたり甘えたり許したりするとちゃんと回り出す。 自分が好きなんだからと押し付けがましくなく、それでもまごうことなき愛情を姉に捧げる清澄が眩しくて愛おしい ほぼ同年代の息子を持つ身としては反省だったり羨ましかったり…

    1
    投稿日: 2024.07.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    集英社ナツイチ2023の1冊。ストーリーも世界観も好きすぎて一気読み。登場人物みんな個性的で愛らしい… 固定観念に縛られず自分が好きなものを楽しむこと、自分らしくあることを大切にしたいと思えました。生きづらさを感じたらまた読みたいです。

    3
    投稿日: 2024.07.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    だいぶ昔、王様のブランチで紹介された時から気になっていた一冊。 おばあちゃんが好き!プールという習い事で新たな扉を開いて一人旅など躊躇なく挑戦してるから。 章ごとに語り手が変わるのが面白かった!家族でありながら同居していない全と血のつながらない黒田さんの視点に工夫あり! ー好きなポイントー 清澄の家族の考え方 毎日一緒にごはん食べてて、心配とかしてくれて、これからも仕事とかいろいろ、一緒にやっていくって決まってて…そういうのを家族って呼ぶんちゃうかな 名前の由来 流れる水の音のように聞こえた子供達の産声 流と言う字は縁起が悪いと言う印象を抱いたであろう妻に対する全の考え方⬇️ 流れる水は、けっして淀まない。常に動き続けている。だから清らかで澄んでいる。一度も汚れたことがないのは清らかとは違う。進み続けるものを、停滞しないものを、清らかと呼ぶんやと思う。これから生きていくあいだにたくさん泣いて傷つくんやろうし、悔しい思いをしたり、恥をかくこともあるだろうけど、それでも動き続けてほしい。流れる水であってください。 その後くるみがもってきた磨いてないのに水の力で丸く滑らかになった石の描写も良かった

    2
    投稿日: 2024.07.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    家族のそれぞれが、世の中の常識に抑圧されていることに気づき、徐々に解放され、自分らしさを取り戻してゆく。 それぞれ気持ちがほんとによくわかった。 清澄の刺繍にかける情熱は、私も心底羨ましい。 刺繍は祈りなんだね。

    12
    投稿日: 2024.07.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    寝屋川(ご近所です)に住む松岡家の面々が順に語り手となる連作短編集。 刺繍している時が一番楽しそうという「女子力高過ぎ男子」の清澄。 かわいいや女の子らしい、ではなく「まじめそう」で武装する姉の水青。 仕事が忙しく「愛情を、手間の量で測らないでほしい」と言い張りながら、実は子育てに悔いを残している母・さつ子。 「らしさ」が求められる時代の中ですべてを飲みこみ続けて生きてきた祖母・文枝。 「男なのに」「女らしく」「母親だから」…、それぞれに抱えた屈託が各章が終わる時には少し薄らいでいく展開にホッとする。 清澄にとっての宮多やくるみ、水青にとっての紺野、文枝にとってのマキちゃん、ちょっとしか出てこないが、それぞれの存在があって良かった。 だが、一番良かったのは、この家族のパートではなく、この家族にかつて父親としていた男・全を拾って雇い続ける会社社長・黒田のパート。 全の面倒を見るだけでなく、全の給料から養育費を天引きし松岡家に毎月届け、全に見せるために清澄の写真を撮り、清澄が幼い時には運動会に応援に駆け付け、まるで本当の父親のような気持ちになっていた黒田。 かわいいものが嫌いだといつも言っている水青のために、彼女の望むシンプルなウエディングドレスを作り始めて行き詰った清澄から相談され、一緒にドレスを作るように全をけしかける。 ひとたびドレスを作り出せば生地とピンだけで次々と平面の布からドレスの形を作り出す、プロの手際を見せた全も場面をさらって格好良かったが、仮縫いを終えたドレスを着てすっくと立つ水青のところに駆け寄り全と言葉を交わす清澄を見る黒田の姿がなかなか切ない。 それぞれの意味で父親になれなかった全と黒田だが、『僕の家にはお父さんはおらんけど、外にはお父さんが二人おるような感じがしてたし、なんていうか、ちょっとお得感があったな』と清澄に言ってもらえて良かったよ。 プールに通うことにしてから溌剌としてきたおばあちゃんの姿が素敵。 『今からはじめたら、八十歳の時には水泳歴六年になるんや。なにもせんかったら、ゼロ年のままやけど』って、なんだか耳が痛い。

    82
    投稿日: 2024.06.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    失敗してほしくないからこそダメダメやめときなさいと言う親の心があると知った。 しかし丁寧に伝えなければ子供からしたら窮屈だし期待されてないと感じてしまうのでコミュニケーションって難しい。 人それぞれ別種の苦悩があるんだよ~という当たり前のことを改めて考えさせられた。

    1
    投稿日: 2024.06.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    難しい…。多様性とかよく言うけどやっぱり親心ならではの思いとか、今までの考え方とかにとらわれちゃってすれ違うこととかよくあると思う。 でも私は主人公のずっと自分の「好き」を貫き通す姿勢にとても尊敬しました。

    1
    投稿日: 2024.06.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    手芸好きの高校1年生、松岡清澄をトップバッターとして、結婚を控える女の子らしい服が苦手な姉、母親らしさや普通にこだわる母、「失敗する権利」を説くが自分も新しい挑戦をしようか迷っている祖母、母と離婚した自由人な父を雇って一緒に暮らしており清澄との接触もある黒田さんと、視点人物を変え、最後にまた清澄のパートで締めくくるという6章構成のほっこりとする家族小説。 「男らしさ」、「母親らしさ」といった「らしさ」や「思い込み」からの解放というのが、通底するテーマのように感じた。家族だけれども、むしろ家族だからこその思いのすれ違いもよく描かれていた。 家族の主要人物の中で父親だけ主人公となる章がないが、その代わり(?)として取り上げられている黒田さんの章がすごくよかった。直接の血のつながりや戸籍上のつながりはなくても、「家族」といえる存在はあり得るんだなと感じた。

    4
    投稿日: 2024.06.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最後、キヨが縫った刺繍とお父さんの全が作ったドレスが見たかったな。 白黒の挿絵でもあったらよかったのに。 お姉さんとお母さんは、頑な過ぎて苦手。頑固ともいうのかな? お父さんも極端な人だよね。 ちょうどよいバランスなのは、おばあちゃんだけかな。 特になんてことのないストーリーなんだけど、登場人物の極端さにちょっと付いて行けなかった。 お姉さんの婚約者は我慢強いすごい人だと思う。私だったらイライラしてダメだー。

    3
    投稿日: 2024.06.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    自分はまだ家庭を持っておらず、清澄の母に対する感情はとても共感出来たし、それが愛情なのだというのも分かってはいるが厚かましいと思ってしまいました。 ジェンダー論や、やりたいことをやるというような考え方がひとつのテーマとなっていました。 全が清澄に対して名付けという形で祈った想いは、紛れもなく叶っていて、それを感じた全の感情はどれほどのものだろうと想像に余りありました。

    1
    投稿日: 2024.06.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    じわじわと染みる、ふと心に触れる、ちょっと立ち止まって考えさせられる、そんなフレーズがたくさん詰まった本だった。 女らしさ、男らしさ、母親らしさ、父親らしさ…性別とか立場とか、そんな属性みたいなものを超えて、自分らしく生きるってどういうことだろう、自分らしく生きようとしている他人を受け入れるってどういうことだろうって考えさせられた。 おばあちゃんの語りの章「プールサイドの犬」。ちょうど今、朝ドラ「寅に翼」にハマってるのも相まって、あぁ、こうやって辛い思いを抱えて戦ってきたたくさんの人たちのおかげで、今こうして暮らせているのだなぁと。 今の時代に私たちが苦しいとか辛いとか思っていることも、少しずつ変わっていくのだろう。 清澄と水青、二人の名前の由来とドレスの刺繍と、「水を縫う」その意味が、最後の章で分かって目が潤む。

    2
    投稿日: 2024.06.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とても面白かったです。数年ぶりの再読でしたが、なぜでしょう…前回より心に残るものが数多くありました。これが再読の醍醐味です。この本を読んで、寺地さんの作品が改めて好きだなと思いました。 ストーリーが美しい。文章も瑞々しさがありスッと心に入ってくる。 「普通とはなにか?」を考えるという意味では、村田さやかさんのコンビニ人間と似ているなと思いました。 もしも、「今まで読んだ小説のなかで好きな登場人物は誰ですか?」と聞かれたら、迷わず本作品の主人公である清澄くんをあげます。 理由は三つあります。 まず、刺繍に没頭する姿がみていてとにかく気持ちがいい。なにか一つのことに一生懸命になるのはこんな素敵なことなんだと思わせてくれるからです。 二つ目は、ちょくちょく素敵なセリフを言うところ。高校一年生の発言とは思えない大人っぽさが魅力的だと思います。 三つ目は、自分が本当は苦しくツラいのに大丈夫と言ってしまうところ。強がりというか、不器用なところがいいなと思ったからです。 これからも、寺地さんの作品をどんどん読んでいきたいです。

    3
    投稿日: 2024.06.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    それぞれの登場人物が優しく描かれていて、読み終わった後はとても穏やかで心地よい物語だった。不快な描かれ方をしている人は1人も出てこなくて、こんな風に世界を捉えらえたら、優しさで満ち溢れるのに…と思った。 おばあちゃんが言う、こどもの「失敗する権利」「雨に濡れる自由」というフレーズが印象的だった。 (最近、刺繍に興味を持ち始めたところだったが、実際に始めてみたくなってきた。)

    10
    投稿日: 2024.05.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「らしさ」を押し付けられる生きづらさを、家族のそれぞれの視点で描かられ、向き合っていく様を姉の結婚とウエディングドレスを作ることを、通して、優しく描かれている。

    11
    投稿日: 2024.05.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    言葉の紡ぎ方が温かくて優しくて•••• ジェンダーだとかって「あぁ最近よくあるテーマね」って思うし、「あれでしょ?男らしさ女らしさで決めつけないでってやつでしょ」ってあらすじだけ読んで思ってしまったのだけど、読み進めるうちに、そういう「決めつける自分」、「偏見でみる自分」に気づかされて、恥ずかしくなるくらい。 もっともっと深い。 ⁡ 決めつけること、わかろうと努力しないことが悪と言われるけど、 わかってもらえるわけがないって決めつけることは果たしてどうなのか。 ⁡ お話の中で子どもたちを母親目線で見た描写も多々あるのですが、これがまた痛いほどわかる。 ⁡ 失敗する権利。雨に濡れる自由。(p122) ⁡ 突き刺さりました。 ⁡

    3
    投稿日: 2024.05.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    大枠は姉の結婚式のために弟がウェディングドレスを縫うということ。男だから刺繍が好きなのはおかしいことなのか。普通に生きる必要があるのか。男だから、女だから。。各章それぞれの登場人物の目線から考えさせられた。自分に正直に生きていい。ごまかす必要はない。他人には理解してもらえなくても好きなことがある、貫くことってとても大切で素敵なことだと感じた。父からの清澄の名前の由来に関する手紙のシーンは何度も読み返したし、ノートに書き残した。 流れる水は、けっして淀まない。 水青のドレス想像するだけでとてもステキ。 とても良い読了間でした。

    9
    投稿日: 2024.05.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    松岡清澄 高校一年生。中学の時、女子力高すぎ男子と呼ばれていた。祖母に手芸を教わる。 裁縫や刺繍が好き。芯を持っているしっかり者。 高杉くるみ 清澄と小学校、中学校も一緒だった。 宮多雄大 清澄の後ろの席。 松岡さつ子 清澄の母。仕事を優先するタイプ。市役所に勤めている。針仕事を厭う。料理も億劫がる。みょうき潔癖なところがあって、掃除だけはまめにやる。 離婚後の松岡家を支える大黒柱。「やめとき」が口癖。 黒田 全が働いている株式会社黒田縫製の社長。毎月、全の給料の一部を松岡家に養育費として持ってくる。父が死に、自分が社長となったと同時にちょうど無職だった全をデザイナーとして雇い入れた。 松岡文枝 さつ子の母。清澄と水青の祖母。清澄に手芸の楽しさを教えた。 柔軟な思考の持ち主。 水青 清澄の姉。みょうに潔癖なところががある。秋には結婚し、家を出ていく。高校を卒業してすぐに学習塾に就職した。職場でも家庭でも影が薄い。 かわいいと言われること、女の子らしいものが苦手。 全 清澄が一歳の時に離婚した。デザイナーになって自分のブランドを立ち上げる、という目標を胸に和歌山の小さな町から大阪の服飾専門学校に進学。大阪市内のアパレルメーカーに営業職として採用される。現在は専門学校時代の同級生だった黒田の会社でデザイナーの真似事みたいな仕事をしている。 紺野 水青の結婚相手。文枝は善良が服を着て歩いているような人と評した。水青が勤めている学習塾のコピー機のメンテナンスをしている。 みゆき 学習塾で一番人気の講師。 竹下 市役所の生活支援課の中で一番若い。 颯斗 宮多の弟。小学一年生。 マキ 文枝の中学の同級生。 浜田 黒田縫製の従業員。ほとんどが六十台、七十代のなか、三十代で平均年齢を下げている。シングルマザー。 幸田 黒田縫製の従業員。 和子 黒田縫製の従業員。

    0
    投稿日: 2024.05.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読後にじんわりあたたかくなって、そっと背中を押される。 家族全員それぞれの視点で描かれながら話が進むので、全員に物語があり、その中で皆が葛藤し、歩みを止めずに生きているんだ、という当たり前なことに改めて気付かされます。

    8
    投稿日: 2024.05.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    親子でも 人の個性は親子でも異なるもの。頭では理解していても我が子に、我が親に似て欲しい部分や似てほしくない部分はあるものです。なかなか手放すことの出来ない期待は親子にとって厄介なものだと思います。 社会人の姉、高校生の弟、母、離婚した父、祖母、それに加えて知り合いからの目線はそれぞれの想いが上手く描かれているなと思いました。 そして、子ども成長は手放して嬉しいもの、想像を超えて、期待を裏切る、そんなものでいいんじゃないかと思います。共依存にならないように、距離感を大切に家族と接していきたいものです。

    0
    投稿日: 2024.05.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    スゴい。今この小説を読めたことに、とても幸福を感じている。 最初まとまっていなかったものが、まさに水が収まる所に流れ着くような幸福感。 想うほどうまくいかない家族それぞれの考えに寄り添いながら、あたたかな筆致がそれを包み込む。   話が進むごとに少しずつ自分の中に溜まっていたものが、5章の運動会辺りのクダリで崩壊してしまい(自分の子どもともリンクして)、その先ずっと文字が滲んで涙を我慢しながら読むのに大変だった。 自分がこの年でこの作品に出会えたことに、運命的なものを感じてしまう程、ほんとに素晴らしい作品だった。

    22
    投稿日: 2024.05.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ブグログのフォロワーさんの 感想を読んだことがきっかけで 初めて寺地はるなさんの本を読んだ♪ 表紙の青色と水を縫うの題名も良き♪ 昨年からずーーーっと仕事に追われている感じが続いていて、本の活字がなかなか頭に入らなかった(T ^ T)  でも休みの日にテレビも音楽も消して やっとやっと本を開いた 最初は  読みにくいかな?誰のこと? 戸惑いながら読んでいくうちに引き込まれて 1時間ちょいで読了 一人ひとりの目線で物語が進んでいく 離婚した父親に ウェディングドレスの製作を頼みに行き、 あらゆる生地を纏わせて出来上がっていく場面と 名前の由来が語られる場面は、 何度も読み返したがとても良い、好きな場面♪( ´▽`) 「普通」って何だろう?   「ジェンダー規範」 「無意識の偏見:アンコンシャスバイアス」 に捉われている日常、この社会に気づきをくれる作品だと感じた 優しくてまた読み返したくなる 次も寺地はるなさんの本を探して読んでみようかな

    46
    投稿日: 2024.04.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    寺地はるなさんの本は、『雨夜の星たち』に続いて2冊目です。 あらすじを見て、「いじめ関連の描写があったら嫌だな」と思っていたのですが、いじめに触れるシーン(「いじめられたらどうすんの」というようなセリフ)はあるものの、実際にいじめ描写があるわけではなく、ほっとしました。 主体に「ジェンダー」「家族」「役割」などを据えつつも、ストーリーはなめらか~に、ゆ~っくりと進んでいくので、昨今の小説にありがちな「重苦しくてしんどくなる展開」「めまぐるしい心理描写」のようなものはなく(とはいえ、人によってはしんどい描写はあるかも?)、個人的にはテーマの割に意外と読みやすいと感じました。 まだ二作品しか読んでいないのですが、著者は人の「言語化できないしんどさ」を的確に描写される作家さんだなと思っています。 連作短編の形をとり、頻繁に話者が変わるため、最初は混乱しますが(私はそれが苦手で短篇は敬遠しがち)、登場人物が少ないお話なので、慣れれば大丈夫でした。 登場人物それぞれが置かれた立場で悩んでいるお話で、時代背景や生育環境、触れ合った人物などに影響されて、最初は単純だったモヤモヤが次第に複雑になっていくのだろうな、と考えさせられました。 そして、この作品では、ふとしたきっかけでそのモヤモヤがほどけていく様が、朝日が昇るように自然に描かれています。 このお話では触れられていませんが、母・さつ子の立場からすれば女性で料理が苦手なことも、まあまあの生きづらさにつながることですよね……。 女性の愛=手間と愛嬌、と捉えられている風潮は、現代にも色濃く残っていると感じます。 得意なことを、得意な人がすればいい。 そんな考えの浸透する社会になったらいいなと改めて思いました。

    2
    投稿日: 2024.04.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    終始温かい。それぞれが周囲の固定観念から脱却していく。その中でも清澄の成長は目を見張るものがある。理解すること、受け入れることの大切がよくわかる。自分にとっての善は他人にとっても善とは限らないんだ。

    38
    投稿日: 2024.04.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    失敗する権利はあるってなんて素敵な言葉だろう。 もちろん、手放しにして失敗させるんじゃなく、失敗したとて寄り添いながら、本人も失敗も責めずに成長に結びつけていけるような優しさがおばあちゃんから滲み出ていて、すっごく温かい気持ちになったし、自分もこうでありたいと思った。 後悔させたくないのはどの親も一緒だけど、自分の“普通“に当てはめちゃいけない。価値観が違う相手を否定しない。いろいろと考えさせられる一冊でした。

    12
    投稿日: 2024.04.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    語り手の視点が章ごとに変わりながら物語がゆっくり進んでいく。じわりと惹きつけられるストーリーで、後味がとてもよい。 途中まさか黒田さん視点になるとは思わなかった笑 最後はキヨ君視点に戻ってよかった。 そして水青ちゃん、おめでとう!

    6
    投稿日: 2024.04.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    Amazonの紹介より いま一番届けたい 世の中の〈普通〉を踏み越えていく、新たな家族小説が誕生! 「そしたら僕、僕がドレスつくったるわ」“かわいい”が苦手な姉のため、刺繍好きの弟は、ウェディングドレスを手作りしようと決心し――。 手芸好きをからかわれ、周囲から浮いている高校一年生の清澄。一方、結婚を控えた姉の水青は、かわいいものや華やかな場が苦手だ。そんな彼女のために、清澄はウェディングドレスを手作りすると宣言するが、母・さつ子からは反対されて――。「男なのに」「女らしく」「母親/父親だから」。そんな言葉に立ち止まったことのあるすべての人へ贈る、清々しい家族小説。 第9回河合隼雄物語賞受賞作。 5人の視点から紡いでいく結婚式に向けての奮闘記に段々と優しい気持ちになっていきました。 人によって違う「普通」の基準。〇〇だからと決めつけるのではなく、色んな人がいるんだという認識を持つ大切さが必要だと感じましたし、周囲と分かち合う難しさも感じました。

    12
    投稿日: 2024.04.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「男の子だから」「女の子だから」と、がんじがらめになり、好きな事を堂々と言えない。令和でもその思想は根強く、女だから家事が出来なくては。男だから出世しなくては。とつい自分でも考えたしまう所を改めたい。

    1
    投稿日: 2024.04.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    高校生の清澄は、男の子なのに裁縫が好きで そのことが母親を悩ませる。 母親は公務員で、一般常識にとらわれており そんな息子が心配でならない。 姉は昔、スカートを切られた経験があり そのトラウマから可愛い洋服が着られない。 祖母は、夫からの「女はこうあるべき」という 決めつけからなかなか逃れられないでいる。 離婚した父親は、お金の使い方が常識から外れており 結婚生活には向かなかったが 洋服のデザイナーとしての才能と情熱がある。 (父親以外の)それぞれの立場から自分の気持ちが 語られており、それを読むことで それぞれの気持ちがよく分かる。 親になると、子どもを心配する気持ちも分かるが 清澄の干渉されるのが嫌な立場もよく分かる。 印象に残ったのは祖母の 「失敗する権利がある」という言葉。 先回りして心配してしまうけれど 子どもにも子どもの人生というものがあり 失敗する権利もあるということ。 それに何が失敗なのかは人それぞれ。 父親の設定はともかく、登場人物の心情的には 共感できる部分も多く、心に響く言葉もあった。 最後はハッピーエンドで良かった。

    0
    投稿日: 2024.04.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    よかったです じんわり沁みてくる、清々しい気持ちの残る物語でした 私にとって、地元が舞台というのもあって、文章が、全部、関西弁で、入ってきました笑

    3
    投稿日: 2024.04.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    母さつ子は、つい子供を否定してしまう。 それは、自分の母に「こうしてほしかった」の裏返し。でも、それをやられるって子供からしたらしんどいものでもある。 親からやることをすぐ否定されていた経験者からすると、「失敗する権利」を諭す祖母の言葉に救われる思いがしたし、息子が祖母に懐くのもわかる気がする。こういう大人が側にいてくれるのはありがたい。あの母しかいなかったら、もっとしんどかったんじゃないかなと思う(私はどうしてもこの母に幼さを感じて、しんどかった) 「あんな風にはならない」と思っているのに相手を傷つけてしまうものなんだなと、人の哀しさを思うし、その中で皆がそれぞれの未知を見つけていくのはよかったなと思った。

    12
    投稿日: 2024.04.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    家族は不思議だ。 間違いなく繋がっているのに、それぞれが分かり合えなさを抱えている。人の関係において、血のつながりこそが最も強いものとは思わないけれど、間違いなくDNAにしか成し得ないような、外見以外の共有部分がある。また、夫婦には血のつながりはないけれど、時折DNAを超える。もちろん形の上で、誰よりも遠い存在になってしまうこともあるけれど。 姉の結婚式のドレスを弟が縫うことを軸に展開される家族の物語。家族や、友人や、好きなことや、苦手なことや、身の回りには関係が満ちていて、関係は変化をしながら流れていく。 そして、更新されていく関係は、一方通行でもない。 日々を大切に過ごしていく中で、関係を捉えたいと思う。

    15
    投稿日: 2024.04.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読みやすくてあっという間に読み終わってしまいました。男、女、母親、父親、家族…の固定概念にふわっと優しく疑問を投げかける一冊。自分の普段の言動をちょっと振り返るきっかけになるかも。タイトルも内容もキレイ。

    3
    投稿日: 2024.04.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    んー素敵な本だった。 家族っていうのはなんなのか。 ジェンダーと立場の縛りを絡めながら、 寺地さんの言葉が優しく見せてくれる。 可愛い洋服が苦手な姉の水青。 裁縫、刺繍が好きな弟の清澄。 形容が難しいけれど、一生懸命な母のさつ子。 女は◯◯の価値観で過ごさざるを得なかった祖母の文枝。 父、父の仕事仲間の黒田さん。 一人ひとりの目線で物語が進む。 可愛いドレスが苦手な姉のために、「僕がドレスつくったる」と弟が言うことから物語が始まっていく。 みんな必死で、だからこそ思いが伝わらない。 おばあちゃんの気持ちもお母さんの気持ちも、 全部じゃないけど、ところどころわかるから、 きゅーっとなる。 タイトルの意味がようやくわかり、とてもよかった。伝えるとことの大切さ、言葉を差し出すことの大切さ。 そして、時に言葉以上に布や刺繍がこの本では思いを伝えてもいて。 寺地さん2冊目もよかったー。

    36
    投稿日: 2024.04.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    女性らしく男らしくと色々考えさせられる作品でした。登場人物がそれぞれ自分の考えを持っていて面白かった。

    0
    投稿日: 2024.03.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ジェンダーや、多様な価値観が世の中の常識になっていく中で、そこと向き合う主人公たちの葛藤が共感性高くすらすらと読み続けてしまった。 誰もきっと悪くない、その時代の常識で育っている以上、今の価値観が理解できないこともそりゃある。 でも、「誰しも失敗する権利がある。」。 響いたー。

    0
    投稿日: 2024.03.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    水を縫うってそういうことかー!!!って読み終わって一番最初に思った。 清澄の刺繍が好きだということにわたしは特に違和感を覚えなかったのだれけど、それはたくさん本を読んで色々な人の考えかたを知れたり、もしくは先人が価値観を変えようと働きかけてくれたおかげなのかなと思ったりした。 どのパートも好きなんだけれど、1番好きなのはおばあちゃんのパート。 旦那さんに知らず知らずのうちに抑圧されていたけれど、ほんとうはやりたいことがあって、それが出来た時にはハイタッチしたいぐらい、自分の事のように嬉しかった。 いちばん夢中で読んだのはお姉ちゃんのパートかな?女らしいと呼ばれるものや、かわいいとされるものが嫌いで避け続けていたのは何故なのか?が分かった時、その呪いが緩く解けた時、こちらも自分の事のように嬉しくなった

    5
    投稿日: 2024.03.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「大人は泣かないと思っていた」を読み終えた後、こちらも読んでみたが、どちらもTVドラマになりそうな、優しさや温かさを感じた。 特別な事件も恋愛も笑いも感涙も無いけど、ジワジワと湧き上がる共歓の想いに、心地よい読後感を味わえる作品。 ありがとうございます。

    2
    投稿日: 2024.03.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人が人を想うとは、こういうことなんだろうな、が詰まっていた。皆どこか不器用で、イラっとすることもありそれがまたリアル。でもなぜか憎めない。 爽やかな読後感だった。

    2
    投稿日: 2024.03.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「多様性」が叫ばれる現代だが、本当の意味で「その人らしさ」を尊重するとはどういうことなのだろうか?と考えさせられた。 縫い物が苦手、細かい作業が苦手な自分にとっては「雑巾1枚ですら縫ったことが無かった」と懺悔するかのようなさつ子の言葉、それに対する清澄のアンサーが印象的だった。

    15
    投稿日: 2024.03.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    寺地はるな先生の本、これで2冊目読本。 今まで、こんなに素敵な本を書く先生がいたなんて気づかない自分が信じられないくらい。とにかく読みやすい。 話は、ある一家の話。結婚目前に姉のウェディングドレス作りから話が展開される。 それぞれの登場人物が主人公として、短編ストーリーとなる。過去や、性別や周りの偏見にこだわり過ぎる一家。それをどう捉えるか本人次第とまとめている。 最後は、このストーリーの題名と子供たちの名前の由来が関係して納得。 また、寺地はるな先生の本読みたい!

    23
    投稿日: 2024.03.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    頭では理解してても心がついていかないことってあると思う。 その結果、言わなくていいことを言って相手を傷つけてしまうこともあるし、そうしてしまった事実で自分自身のもやもやが取れないこともあるよなあと。 それでもお互い思い合って、みんながなるべく自由に生きられるといいなと思いました。 今の自分にとっても刺さる、泣ける一冊でした。

    10
    投稿日: 2024.03.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    登場人物みんなが主人公でそれぞれの視線で綴られていくのがよいです. 読み終って水を縫うというタイトルがとてもよいです。

    1
    投稿日: 2024.03.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    家族ものって感動系に話を持っていきがちなんだけど、この本はそんなことなかった。 ちぐはぐな家族の凸凹がうまくハマっていく物語だった。 最後にタイトルの意味が回収されて、何だかスッキリした。 寺地はるな先生の本って、個人個人のちぐはぐなところがうまく絡まっていく人間関係を表現するのが本当に上手な気がする。人の心理描写に共感できる。

    3
    投稿日: 2024.03.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本を開き、見返しの遊び紙のきれいな水色がまず目を惹いた。読み終えたあと、『水を縫う』というタイトルがすごくいいと思った。 刺繍が好きな高校生の松岡清澄が、姉の水青(みお)のために、飾り気のないウェディングドレスを作ることになる。 男子が刺繍が好きだということに対する偏見、水青が飾り気のないウェディングドレスじゃないと嫌だという理由、母親が普通であることを求めること、祖母が夫に年齢によって否定されたことなどは世の中でありがちなことだ。しかしこれからは、清澄が刺繍が好きだということに対して、純粋にすごいなという、宮多くんみたいな人が増えていくのだろうと思う。性別や年齢で分けることないように意識を変えはじめたのが、今の時代だと思う。2人の名前に込められた意味、流れる水であってほしいというのが、その事を表しているように思えた。

    27
    投稿日: 2024.02.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初めて読む作家さんの小説でした。 章ごとに家族一人一人が主人公となり、語り手となり、人に言われた事、人の振りを見て感じた事、もろもろの感想が綴られていて、そんな他人の一言をずっと根に持つなんて面倒くさい人たちだなぁと(少しだけ)思った。 けど、その言葉をどのように感じるかって人それぞれであり(私はあまり気にしないタイプである)そのため、すごく感じ入ってしまう人も居ることを心得ておくことはすごく大切なのだ。 だから、この本は若い中高生あたりが読むべき本だと思う。 ただ若い連中が面白いと思うかどうかは別だが。(なんだか教科書臭く感じるかもしれない。自分が若いころだったら、たぶんそう思っただろう) という事で、初めて読む作家さんでしたが、なかなか良かったので別の本も読んでみたいなと思いました。

    4
    投稿日: 2024.02.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2020年の高校司書イチオシ本。 主人公は高校生の男の子だけど、彼を取り巻く人たち視点の章が折り重なって完成している物語。 主人公のおばあちゃんが、主人公のお母さんに言うこのセリフが、最近子供を産んで親になったばかりの私には、かなり響きました。 『明日、降水確率が五十パーセントとするで。あんたはキヨが心配やから、傘を持っていきなさいって言う。そこから先は、あの子の問題。無視して雨に濡れて、風邪ひいてもそれは、あの子の人生。今後風邪をひかないためにどうしたらいいか考えるかもしれんし、もしかしたら雨に濡れるのも、けっこう気持ちええかもよ。あんたの言うとおり傘持っていっても晴れる可能性もあるし。あの子には失敗する権利がある。雨に濡れる自由がある。』 失敗を親が先に取り除いたら、その子が本来経験するはずだったことも一緒に取り除くことになるなぁと。 おばあちゃんの言葉も、お母さんの心情も、お父さんの行動も、友達の態度も、お父さんの友人の優しさも、さまざまな視点で描かれるこの物語の誰かには共感できるはず。

    3
    投稿日: 2024.02.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ある男の子を中心に、その家族それぞれに焦点を当てながら読者に人の愛を教えてくれるようなあたたかい作品でした

    2
    投稿日: 2024.02.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    バラバラだった家族の距離が清澄を通して少しずつ縮まっていく物語だった。 それを温かく見守る黒田さん…。いい人すぎる。 みんな一歩を踏み出すための葛藤が沢山あってやきもきしたけど、価値観や人目に左右されて世界を狭くするのはもったいない。それは現実も変わらないな。 とりわけおばちゃんの話がとても感動した。 最後にタイトルの意味がわかった。本当に物語通して水を縫うお話だった。

    32
    投稿日: 2024.02.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    家族ひとりずつに焦点をあてていて、 それぞれが抱える思いや悩みを 上手に表現している。 でも話がまとまらないのかと思うけど ちゃんと最後の章ではまとまる。 すーごく心がほっとする❁⃘ 昔からある偏見や違和感、 今でもまだ残っているし悩んでいる人もいる。 頭の硬い人にも読んでもらいたいっ!!

    3
    投稿日: 2024.01.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    性別や役割にとらわれないで、と言われても、まったく自由に思うままに――とは、なかなかできないものじゃないかと思う。性別や役割によって与えられる意識が、自分を支えるものになっていることだってあるから。 だけど殊更に脱却をうたうわけではなく、ただ「これが好き」「これは嫌」という気持ちを大切に扱ってくれるところが、この物語のやわらかな心地よさを生んでいるのかなと思う。 「わからなくて、おもしろい。わからないことに触れるということ。似たもの同士で「わかるわかる」と言い合うより、そのほうが楽しい。」 「いろんなことを「かわいい」のせいにするのはやめよう。――新しく選び直そう。わたしを「元気にするもの」を。」 黒田が損得抜きに友人の全さんを養っているのは、他人には理解しがたく、また一人前になりきれない原因であるとも思われている。が、黒田は「ただ、待っているだけなのだ」という。やさしい言葉をかけてやるわけでも、浮上しない全さんの背中を押してやるわけでもない。でも、待つというのは認めているということでもあるんだな、と思う。その人の人生を。今の状態を。きっとまた歩き出すんだということを。 なんて大きな愛なんだ、黒田! そんな彼に清澄がかける言葉もしみた。 清澄の同級生、くるみちゃんの趣味、"石"が"水"とつながったシーンもとても良かった。パズルがカチッとハマったような。 「すごいやろ、水の力って」

    5
    投稿日: 2024.01.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ~らしさという考え方に焦点を当てた作品。 近年多様な価値観が肯定されることが多く、否定されにくくなった印象ですが、らしさという言葉自体が私達を型に嵌めてしまっているのではと危機感を感じました ~らしさが話題になることは良いことですが、目にして納得するだけじゃなくて自身の無意識の部分を見つめることが大事ですね 寺地さんの作品は初読でしたが暖かい表現が多く、素敵な感性をお持ちな方なんだろうと思います!! 他作品も読みたくなりなりましたね

    3
    投稿日: 2024.01.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    女の子なんだから重い荷物は男に任せなさいとか、女の子なんだからメイクくらいしなさいとか、そういう「女」であるだけで制限されることが多い世の中に凄く疑問を抱いていたからすごく刺さった。男の子にだって言い分はあって当たり前だよなと。 性別なんてただの飾りの名前であって、いち人間といて見て欲しいし、相手のことをいち人間として関わりたいなと改めて思った。 どんな形でも心配して、どう生きているかを気にしてしまうのが「家族」なんじゃないかなって思った。 自分の家族の形は俗に言う一般的とはかなりかけ離れてるけど、それでも大好きな「家族」に変わりわないなって思うとちょっとうるっとした。 寺地はるなさんの本は優しい気持ちになれるからやっぱり好き!!

    13
    投稿日: 2024.01.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    自分のしたいことをしたらいいんだって思える作品。 突き進んでいけば誰かしら理解してくれるそんな風に思えた。

    4
    投稿日: 2024.01.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    良いタイトルだな、と気になっていた本。 ○○らしく、に全くとらわれないでいることは難しいけれど、流れる水のように淀まずにいたいと思わされる、とても素敵なお話だった。

    3
    投稿日: 2024.01.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    語り手、視点が章ごとに変わる連作長編モノ。ダイナミックな展開はありませんが、関西人の飄々としたコミカルさを絡めながら、確実に心を突いてきます。「清らか」とは、汚れたことがないのではなく、流れ続けて淀まないということー。「淀んだ(と思っている)」姉のドレスを軸に、登場人物が変容していく様子に胸を打たれました。茨木のり子さんの詩、「わたしを束ねないで」を思い出しました。 私も、さつ子同様、仕事人間の口うるさいだけの母親だと思います。我が息子はキヨに似ていますが、息子ではなく、人として慮ることを疎かにしてきたように思いました。ダメダメですね。 続編も書けそうな終わり方。楽しみに待ってみます。

    3
    投稿日: 2024.01.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    どの登場人物にも感情移入できて、わかるわかる…!と読み進めました。 男らしい、女らしい、母親らしい… この世の中は『〇〇らしい』で埋め尽くされていて、たまに息苦しくなる。 でも、自分自身もその価値観にとらわれているとも感じる。 私が幼かった頃、弟が私とお人形で遊んでいると「男の子なのにお人形が好きなの?車で遊んだりしないの?」とよく言われていた。『女の子はお人形で遊び、男の子は車で遊ぶ』。そういうものなのだと思った。だから、自分の子がやたらとぬいぐるみを可愛がるのを見て、『男の子なのに』と一瞬思って、そう思ってしまった自分を嫌悪した。 私は料理が好きではなく、夫は料理が好きなので、私より夫が台所に立つことも多い。『女なのに、母なのに』と申し訳なくなることもある。 そういった、これまで自分を取り巻いてきた価値観を、次の世代には押し付けたくないなと思った。 好きなものを好きだと堂々と胸を張って言ってほしい。 流れる水のように、生きてほしい。

    5
    投稿日: 2024.01.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    はじめての寺地さんの作品。現代っぽい作品だった。男らしくとか、女らしくとか世間が勝手に作ったイメージに対して、何も不思議に思わず生きてきた。職場でもふつーに使ってる人がいる。でもそーゆー傾向あるのも事実で、コミュニケーションのいっかんで使うのは悪くないんじゃ?って思う自分もいる。なんか考えまとまらなかったけど、良い作品だったと思う。

    2
    投稿日: 2023.12.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    とても心が暖まる物語。 きっと、男でも女でも趣味の壁はなく自信を持って好きなもは好きと叫んでもいいのでしょう。 水青ちゃんの式の様子みたかったなぁ(^-^)

    1
    投稿日: 2023.12.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    寺地はるなさん2冊目。ひとつの家に暮らす家族が、それぞれ抱えるジェンダー差別に内から立ち向かっていく、心温まる物語でした。 ほんとに、ありふれていそうでいて、とてもリアルで、その分たくさん共感できる1冊でした。 特に、私は水青の私は怒っていいの一言に、とても共感。自分の生き方は自分でつかんでいくことを改めて教えて貰えました。

    28
    投稿日: 2023.12.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     最初は、男が裁縫する小説と聞いて読むことを後退りしていました。この考えこそが、本書のテーマともなっているジェンダーギャップであるとあとで気付かされました。  自分の行きたいよう生きることに理解のある社会を皆んなで築いていきたいもんです。  メジャーリーガーの大谷選手の二刀流も理解する人がいて成し遂げられたものであり、一人ひとりの個性を大切にすることの重要性を感じた本でした。

    0
    投稿日: 2023.12.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    寺地はるなさん、2冊目 自分の心は自分の宝物。 ひとの気持ちもそのひとの宝物と思えたら、自分の気持ちを抱くだけで「評価」はいらない。 そうすれば、心は縛られず、自由に。

    1
    投稿日: 2023.12.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    普通の家族の物語 読み終えた今なら、ここは敢えて「普通」の家族と言いたい 以下、公式のあらすじ ---------------------- 松岡清澄、高校一年生。一歳の頃に父と母が離婚し、祖母と、市役所勤めの母と、結婚を控えた姉の水青との四人暮らし。 学校で手芸好きをからかわれ、周囲から浮いている清澄は、かわいいものや華やかな場が苦手な姉のため、ウェディングドレスを手作りすると宣言するが――「みなも」 いつまでも父親になれない夫と離婚し、必死に生きてきたけれど、息子の清澄は扱いづらくなるばかり。そんな時、母が教えてくれた、子育てに大切な「失敗する権利」とは――「愛の泉」ほか全六章。 世の中の〈普通〉を踏み越えていく、清々しい家族小説。 ---------------------- 1章から6章まで、家族の各々の視点で描かれる 1章は高校一年生の清澄(きよすみ) 2章は結婚を控えた姉の水青(みお) 3章は母のさつ子、 4章は祖母の文枝 5章は父の全(ぜん)の友人 黒田、 6章は再び清澄 清澄が思う、家事ができるというのは、計算が得意なのと同じように、女子力ではなく生活力というべきではという疑問 そうですよねー 男で裁縫は好きでもいいと思うけどね 私が社会全体で疑問に思うのが、業界の人口比は女性の方が多いのに、トップは男性が多いという界隈 ファッション業界はそんなイメージがある 清澄は自分の好きなことを否定せずにそのまま育って欲しいですね 「かわいい」に忌避感がある水青 子供の頃の事件 直接的な相手だけではなく、その後の教師の言葉も含めてのトラウマ 原因だ何だとか言われても、本人に過失はなかろうよ さつ子さんの気持ちもわかる 男の子は男らしくという「あたりまえ」 まぁ、我が子の行く末を心配する気持ちですものねぇ 私自身は覚えてないけど、子供の頃にオレンジ色のランドセルを欲しがったと親から聞かされている まぁ、当時はその色が好きだったのでしょうねぇ 当時はランドセルと言えば黒と赤しか選択肢はなかったからよかったものの、もし子供の意見を尊重してそんな色のランドセルを買ってたら今の自分は存在しない気がする 今はは、ありがとう父さん母さんと思うよ なので、一概に子供の意志を捻じ曲げる行為が批判されなくてもいいと思う それはそうと、さつ子さんにとって唐揚げって何か特別な意味を持つのだろうか?とふと疑問に思った 文枝さん 昔は女に学問はいらないと言われたのが当たり前の時代があったわけで いくつになっても「女らしさ」や「年相応」というプレッシャーはあるのでしょうねぇ 父親 全の友人の黒田さん 清澄視点のところで養育費と写真を毎月撮りに来るというので違和感があったけど、さらにここで全を差し置いて視点人物として描かれる意外性 でも、最後の清澄の言葉で納得する 家族の定義って何なんでしょうね? 同じ家で暮らしていても家庭内別居のような家族もいれば 離れて暮らしていても近しい存在の家族とか それこそ、まったくの他人でも「家族」になれるものなのかもしれないと思えた 「大人は泣かないと思っていた」を読んだときも思ったけど、寺地はるなさんの小説は好きだな 「こうあるべき」や「らしさ」に対する物語だけど、強い意志で反抗しているわけでもなく優しい物語に感じる

    5
    投稿日: 2023.12.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     いまの時代に考える要素が隙間なく詰まっている感じがしました。子供達、親子と親子、祖母と孫、夫婦、恋人、職場の友人、影響を与えうる身近な存在のしみる一言は大きな変化をもたらし豊かな感情を醸成する。  権利と自由は決して本人以外の誰かが押し付けるべきものでは無いこと。このところ、世代間のギャップの勢力図が徐々に対等になりつつあるが気します。  終盤のドレスが仕上がる流れは、その場の緊張感を肌で感じ、みるみる仕上がる様が目の前で登場人物が慌ただしく動き回っていて、読んでいるだけなのに高揚してしまいました。  まとった新婦がクルッと回った瞬間の情景も美しいですね。タイトルに込められた幾つもがスッと整った瞬間でもありました。

    10
    投稿日: 2023.12.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    水を縫う。まさにその通りでした。 清澄も水青もお母さんもおばあちゃんも黒田さんも…みんな良かった。父も、最後は良かったかな?笑 実際こんな人と結婚したら…と考えるとちょっと嫌でしたが笑 寺地はるなさんの作品は2作目ですが、とにかく自分のままでいいと、何を好きでもいいと伝わってくる感じが好きです。 ウエディングドレス、実際に見てみたいな〜。

    2
    投稿日: 2023.12.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ・「何々だったら」なんて言い出せばきりがない。 ・「清らか」とは、一度も汚れたことがないことではなく「淀まない」ことである。

    1
    投稿日: 2023.12.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    文字だけでは私のたかがしれた想像しかできないので、水青のウエディングドレスの素晴らしさを生で見たかったというのが一番の感想。 廃人レベルから覚醒への父のかっこよさよ。 松岡一家はみんなそれぞれ男だからとか女だからなどという世間の偏見をひしひしと感じている。 そして自分の中で葛藤もしている。 それでも他人が自分を認めてくれるという嬉しさを感じ、そしてウエディングドレスを手作りするという目標を持ち、皆が納得できる結果を出すことで家族がひとつになれた。

    7
    投稿日: 2023.12.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    素敵な本だった。 学生に特に読んでほしい。 男らしくとか女らしくとか 誰かが勝手につけたイメージに従って 好きでもない、興味もないことに付き合うことはしなくていい。 学校ってめちゃくちゃせまい世界なのに 学生には最も重要な組織なことが多いから 視野が狭くなりがちだし 誰かに合わせがち。 でも無理したって自分がつまらなくなるだけ。 人には人の。自分には自分の思いがあるけれど みんな心のうちをぜんぶばーーんと打ち明けることなんて 滅多にしないから勘違いが生じる。 自分が主観になるから、言わないと伝わらないなんてことは頭にないし なんならみんな同じ考えなんだって勘違いする。 わざわざ聞かないまま ただの憶測で相手を決めつけるけど やめとけ。も いや、無理。も やめたらいいよ。にも本当は深い理由がある。 家族の本音をそれぞれの視点で見てるから もどかしい気持ちとあたたかい気持ちを得られる不思議な物語です。

    0
    投稿日: 2023.11.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    寺地はるなさんの作品はあったかい。 読み終わった後の気持ちが、温かいミルクを飲んだような気持ちになる。 進み続ける、停滞しないものを清らかという。 人生の中でどんだけ悲しいことがあっても、留まらず、進み続ける人でありたい。

    0
    投稿日: 2023.11.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「かわいい」が苦手な姉・水青のため、刺繍好きの清澄は、ウェディングドレスを手づくりしようと奔走する、六人の家族の物語。一人ひとりの考えが分かりすぎる。お互いに寄り添っていて、家族って良いものだなって思った。清澄君の刺繍したウェディングドレスを見てみたい☺

    16
    投稿日: 2023.11.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    子供の頃の性被害のせいでかわいいものに嫌悪を抱く美青。弟清澄は姉の希望に沿うようなウェディングドレスを作ろうとする。うまくいかず離れて暮らしている服飾のプロの父親に助けを求める。自分に合った服は着ている人間の背すじを伸ばす。本人が着とって落ち着かんような服はあかんとは大事なことなんだ。小学校の宿題で自分の名前の由来が出た時聞いた言葉を思い出し、清澄は水の流れのような刺繍を施す。大事なのは進み続け停滞しないことだ。父親のそばに黒川さん、姉弟にはおばあちゃんがいてくれてよかった。

    1
    投稿日: 2023.11.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    男なのに、女らしく、母親だから、という価値観に疑問を感じない育てられ方をされていると思う自分。きっと周りの人を傷つけているんだろうと思う。多様性を大事に、とは思うけれどなかなか実感が持てないし湧かない。 「自分の『普通の高校生』のイメージに当てはまる人間だけが健全なのか。」 刺さったフレーズでした。

    1
    投稿日: 2023.11.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    高校生の清澄は手芸が好き。結婚を控える姉の水青は地味で現実的。「やめとき」が口癖の母。離婚して家を出た父。多少のイレギュラーを抱える家族は今どきはめずらしくもないだろうが、家族のそれぞれが、周りのこうあるべきという視線を感じ、適合できない自分を自覚して抵抗しようとしたり、苦しんだりしているように見える。 例えば、水青が「かわいい」や「女の子らしい」を頑なに自分に許さなくなったいきさつには本当に苦しい出来事があったから。だけど、小説全体からは、型にはまらなくていい、好きに生きていいという一貫したメッセージを感じる。 さらに、若者だけじゃなく、年配の女性(祖母)や独身の男性(父の友人黒田さん)の生きづらさや心のうちまですくい取っていて温かい。祖母が自分のやりたかったことに踏み出す勇気には胸が熱くなる。つかみどころのない天才肌の父目線の代わりに父の才能を信じる黒田さん目線にしたのも成功している。 最終盤で語られる二人の命名に込めた父の願いと、完成を迎えようとする清澄の刺繍が、小説のタイトルとも相まって不覚にも泣いてしまった。何となく予測できなくもないが、それを置いても幸せな良いラストだった。

    0
    投稿日: 2023.11.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    普通とは?一般的とは? 誰が決めたのか? この作品で印象的だったのは「誰にでも失敗する権利がある」というフレーズ。 目から鱗でした。

    0
    投稿日: 2023.10.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    女性らしく、男らしく、という固定観念に反抗しつつも、それに縛られて苦しんだり、相手に同じことを押し付けてしまっている自分に気づいて嫌気が差したり、という、日常で起こり得るモヤモヤを的確に表現している。らしさ、なんて気にせずに、好きなことを好きと言える強さは私もぜひ持ちたいなと思った。

    1
    投稿日: 2023.10.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    章立て毎に語り手を変えるやり方は、物語の構造を立体化して人物像の陰影をつけやすいので「安易だな、最近多いな」とか思いながら、しっかり各章毎にポロポロ泣かされました。。。 でもこう思うのはミステリー好きならではなのかな。関係ないか。 どうしても読み進めながら自分の結婚式のことを思い返してしまいましたね。 ドレスもオーダーで作ったんですよ。。。 ふわふわと楽しかった思い出をリフレインしてたら終盤の名前のくだりで食らったな。遠くない先に生まれる我が子の名前、どうしよう。 ここにきて父のセリフが再び頭をよぎりますね。 「落ちつかない、はあかんな、水青。その感覚は大事にしたほうがええ」 果たしてしっくりくる名前を、しっかりと意図を持ってつけることができるのだろうか。 とここまで文字にして考えたところで思い直しました。あらゆるソーシャルロール(ジェンダーロールに留まらず)からの解放を、この小説は書いていたのだった。。。 親になる前から『良き親』の型枠にがっちりはまり込みそうでした。 ソーシャルロールからの解放とスペシウム光線を打つことを両立させなきゃいけないところが難しさの1つでもありますね。 伝える努力。伝える努力。

    1
    投稿日: 2023.10.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まとまりがある物語で読みやすかったです。登場人物達はそれぞれいろんな種類の優しさを持っているので、読んでいて心温まる感じでした。主人公のように、好きなことに真っ直ぐでいる人は魅力的だなと思いました。

    10
    投稿日: 2023.10.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    寺地さんの作品にはいつも心掴まれる。 読んでいる間中、あたたかく柔らかい毛布にくるまれているような、後ろから優しく抱きしめてもらっているような、そんな気持ちにさせられる。 特にこの作品には「自分らしく幸せに生きてほしい」という「祈り」がこめられている気がした。 最近テーマとして扱われることの多い「ジェンダー」がこの作品にもキーワードとして出てきて、一瞬、またかぁ…と思ってしまったけど、全く気にならない位に自然で静かで、うるさくなかった。 私もつい、女らしさとか母親らしさとか、役割を無意識に果たそうとしてしまっていたかも。 「普通」とか「周囲」と比べず、自分の気持ちや感覚を大切にしたいと思った。 そして、自分の「好き」を見つけたい!胸を張って好きなものを好きと言いたい! 「愛の泉」の章は、自分も似た所があるなぁと反省した。 子供から危ないものをなるべく遠ざけ、先回りして取り除いていた。「こうしないで」とか「こうしたほうがいいよ」と、子供が行動する前に口走っていることが多い。 『失敗する権利』『雨に濡れる自由』 心に残るフレーズにあふれた作品だったけど、この言葉が特に心に響いた。 「傷つかないように色んな痛みから守ってあげる」のではなく、「泣いたり傷ついたり悔しい思いをしても進み続ける姿をただ見ていてあげる」、そんな存在になりたいと思った。 ラストシーン、清澄が刺繍したウェディングドレスの描写がとても素敵で映像として浮かんでくるようだった。そこに込められた清澄の願い、姉の笑顔に涙が出た。

    24
    投稿日: 2023.10.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    家族それぞれの想いがあって、でも、伝わらなくて。 そんな中でも、人と関わることで新たな考え方が胸に湧いてきたりして、次へ進むきっかけができるんだな。 失敗する権利がある、雨に濡れる自由がある すてきな考え方。 自分は心配ばかりして、雨にあたらないように先回りしてしまうから…人にも、自分にも。それでは成長はないよね。 性別に囚われない、自分は、自分の生き方をというお話でしたが、私が印象に残ったのは、恐れず人と関わって、対話して、前に進もう!というエールでした。 流れる水は淀まない、も心にしみた。

    3
    投稿日: 2023.10.16