Reader Store
夜果つるところ
夜果つるところ
恩田陸/集英社
作品詳細ページへ戻る

総合評価

154件)
3.6
22
52
51
11
4
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    昭和初期の山間での遊廓で起きた事を子ども目線で進んでいく。 墜月荘で起こるいくつもの悲劇が子どもながらにどう写ったのだろう。幻・幽霊… 前半は単調であったが後半は一気に動き出す。 墜月荘が炎に包まれていく様子は目に浮かぶようであった。

    2
    投稿日: 2023.10.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    恩田陸「鈍色幻視行」の作中作家の飯合梓(めしあい あずさ)が1975年5月30日初版発行した本として、執筆された幻想譚。設定は昭和初期の山間の遊廓。この世の事柄のような、そうではないような、不思議な空気を感じながら読み終えた。なかなか面白かった。恩田陸さん仕様と飯合梓さん仕様のリバーシブルカバーになっているところなどハード的にも素敵。

    1
    投稿日: 2023.10.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    鈍色幻視行はまだ未読で、こちらから先に読んだ。読みながらなんとなく既視感があるなと思ったが、篠田真由美の『魔女の死んだ家』に雰囲気がちょっと似ている気がする。と思ったらオチまで似ていて驚いた。『魔女の死んだ家』を読んだのはだいぶ前なので、再読して確認したい。 好みとしてはまぁまぁなので⭐️3つ。

    0
    投稿日: 2023.10.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「鈍色幻視行」のメタフィクション。 ということで、「鈍色幻視行」⇒「夜果つるところ」の順で読みました。 恩田さんの幻想的で、息をするのも憚られるような一瞬にしてピンと張り詰めるような空気感があちこちに散りばめられていました。モノクロの世界の中で、庇で揺れている鉄製の鳥籠と、襖や畳に飛散る夥しい血、赤鉛筆、桜色の帯締め、陽炎の中で優雅に舞う男、そして炎に包まれた墜月荘。鮮やかに浮かび上がるそれらが、とても禍々しく、美しかったです。 「鈍色幻視行」と「夜果つるところ」の二作品を読み終え、誰も決して手の届くことのない大海原の遥かむこうに、チラチラと覗く夜の汀の果つるところが私にも視えるような気がしました。

    2
    投稿日: 2023.10.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    同作者の「鈍色幻視行」の作中作。 同書に並行して執筆された。 奥付が二重になっていて、まず同書の設定通り飯合梓作1975年発行とあり、1枚あとに黒地に白抜きで本来?の恩田陸作と書かれた、凝った趣向。 一言で言えば貴種譚だが、「幻視行」の通り本書が映画化されることを想像すると、どの場面も邦画にありそうな幻想的な構図が浮かんでくる。 終盤の焼け落ちる墜月荘の梁を力士上がりの種彦が一人で支えるシーンなどは目に見えるようだ。 「幻視行」とのつながりを知っていた方が楽しめると思うが、知らなかったとしても少し作風の変わった作品として十分楽しめる。というか、多分「幻視行」を読みたくなる。

    1
    投稿日: 2023.10.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「鈍色幻視行」は実は苦手で、最後まで読むには正直かなりの労力を要した。 だから綴込み付録のような位置付けのこの本をどうしても読みたいとまでは思っていなかったのだが、目にしたらやっぱり読んでしまった。 実際のところ、この本の方が遥かに読みやすかった。何度も映像化しようとしたという設定の通り、読みながら映像的なイメージが浮かぶ。彼岸とも此岸とも言い難く、血塗れで残虐で淫靡な世界。物語の大筋は明かされた上での展開だが、最後までしっかり読ませてくれた。 装丁は「鈍色幻視行」に書かれている通り。電話は集英社の編集部に繋がるのだろうか。結局飯合梓って誰だったんだ?

    1
    投稿日: 2023.10.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読む順番まちがえた… 恩田陸さん作「鈍色幻視行」の中に出てくる小説『夜果つるところ』を、この作品で発表しているらしい。 その著者は、飯合梓。 装丁をめくると、恩田陸の名の次のページに表れる飯合梓の中表紙。 最終頁にも発行所 集英社の前に、照隅舎が入れ込んである。 こういうギミックはファンにとってはたまらないだろう。 内容は、現実離れしたなかで暮らすビィちゃんからみた墜月壮。 なんだろうこの世界は? この世? 遊郭? 現実? ビィちゃんの出生もどうしてここにいるのかも謎。 残酷シーンが出てくるので、苦手な人は心して読まないと辛い。 ラストには驚く展開も。 これは元作品を読まないと味わえない…

    1
    投稿日: 2023.10.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    星4.5くらいの気持ち。 鈍色よりも好き。そう言う人がいるのもわかる。 鈍色でネタバレ知ってて読んだので、主人公が感じる違和感については、そう感じるよね~と頷きながら読めて楽しかった。なんもわからなかったら、それはそれで楽しめたと思うけど、わかってたのである意味安心して読めた。 B……と呼び掛けようとしたところは坊っちゃんか、なるほど。 心中シーンもこうだったのかとわかって面白かった。『ねじの回転』と『黄昏の百合の骨』を連想した。 たぶんもっと詰め込んだ話にしようと思ったけど、止めたって感じかな。エピソードが散逸的。でも面白い。 映画化というか映像化したら面白いだろうなあとは感じる。実際に映画化して欲しいな。脚色有りで監督の作家性が出ている映像が見たい。是枝監督とかかなあ。

    0
    投稿日: 2023.10.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    恩田陸先生が遊郭のお話を書くのは初めてだったので、期待感に溢れて読みました。でも、「鈍色幻視行」のようなたっぷり長編でなかったからか、私的にはちょっと満足感が足りませんでした。だけど、世界観は好きです。星3つなのは、1日で読み終わってしまったので物足りなく感じたので。もっと長編にしても良いくらい素敵な世界観なのに。

    5
    投稿日: 2023.10.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「鈍色幻視行」を読んですぐに「夜果つるところ」へ。 やっぱり、この順番で正解。 鈍色…の登場人物が惹き付けられた世界観をあれこれ想像しながら読むという、普段とは違う楽しみ方が出来たのがよかった。 装丁も内容にマッチしていて素敵!

    17
    投稿日: 2023.10.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    鈍色幻視行と対となる作品だが、こちらの方が自分には刺さった。凄惨な場面ばかりだが失われる生命と流れる血が物語を静かに彩る。これを映像作品としたら、余計な音楽は入れずに静謐な山あいで淡々と破滅に突き進む光景を表現してほしい。なおこの本は「エンドロールまでみてください」的なモノなので注意。

    0
    投稿日: 2023.10.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    鈍色幻視行の中で扱わなているいわくつきの本 鈍色幻視行を読んでから読んだためなんとなく想像できたところとかなり意外だったところがあって面白い内容ではあった。 少し古い本だったため慣れない感じはあった。

    1
    投稿日: 2023.10.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「私」には三人の母がいるーー。昭和初期の山間に建つ館「墜月荘」を舞台に描かれる、「私」を取り巻く様々な出来事。 『鈍色幻視行』の核となる小説を完全に再現した一冊。 鈍色の中で語られていたまんまの本で驚いた。これはすごい。→ 物語としては割とあっさり(分量も少なめ)なんだけど、飯合梓のデビューさくと考えればそれも当然だし、「鈍色幻視行」を読んだ側からしたら、これはもう恩田さんが書いた物語ではなく、幻の作家飯合梓が書いた物語なんだよ。こういうメタフィクション大好物なんで、本の装丁がたまらん!!→ 前半の緩やから流れから中盤、事件が起こってからの不穏さ、そして終盤の緊張感……!! 麦海っぽいー!!(笑) ラストのオチに恩田味を感じつつ、綺麗なまとまり方には“飯合梓”感が出ているなぁ、と。(恩田さんはあんな終わり方しない気がする笑) いやぁ、面白かった!!

    9
    投稿日: 2023.09.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    こっちのが先に手に入ったから、こちらを先に拝読。 恩田陸先生にしてはコンパクトな1冊ですが、入れ子構造の小説って設定だからかしらん。 何を言ってもネタバレになる気がするのだけど、恩田先生ほんとに二・二六事件好きなんだろうな…。まああの呼び方といい、完全にそれモティーフというよりは、平行世界的設定なのかもだけど…。 誰一人幸せになってないのも…悲しいね…。 いや見方によっては幸せかもだが…でも、ねえ…?? 狂女と同性愛の扱いとか、遊郭のアレとかも関係してるのかも。 ただのシックス・センスものじゃないし、見方を変えるといくらでも気になる部分が出てくるのは確かに恩田陸らしいっちゃらしいので、これをもとに『鈍色幻視行』はどんな物語になっているのか…楽しみだな~~。

    0
    投稿日: 2023.09.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『鈍色幻視行』を読んだ後、気になって仕方なかった本。 幻の作家「飯合梓」によって執筆された幻想譚といったらいいのだろうか。 リバーシブルカバー仕様になっているところにも細やかさを感じる。 昭和初期の遊廓だろうか、山のなかにある「墜月荘」にいる私には三人の母がいる。 鳥籠を眺めて、ときおり奇声を発するのが産みの母・和江であり、身の回りのことを教えてくれる育ての親は、莢子。 無表情で帳場に立つのは文子。 私が鳥籠のなかにいるように三人の母をじっと眺めている。そんな奇妙な感覚のなか始まる夜と、夜が終わるところで生きていた。 私が見たもの。 私が書いたもの。 それは、まるで空想の出来事のようであったがすべてが終わったとき、現実だと感じる。 荒唐無稽な話のようであると思わせるのが、またこの昭和初期という時代だからだろうか。 私自身が何者であるのか、性も偽ることで「墜月荘」でいられた理由や私がしたことは本当なのか…。 あの「墜月荘」を忘れることがない私は、ずっと「ビイちゃん」のままでいたかったのかもしれない。 妖しく昏い話だった。

    62
    投稿日: 2023.09.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    飯合梓の伝説的ないわくつきの小説と言われれば、そうであるような、そうでないような。 鈍色〜でネタばれしているのだが、読ませる力はさすが恩田陸。

    0
    投稿日: 2023.09.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    鈍色幻視行の作中劇ならぬ作中本。舞台設定から登場人物、起こる事件やその凋落全てが好ましく美しかった。隠れ里のような秘密に満ちた隠微な館、ひとり場違いな子どもである私視点で語られる日々、3人の母親や覗き見る久我原の舞姿、空っぽの鳥籠や立ち現れる亡者などなど素晴らしい。

    1
    投稿日: 2023.09.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「鈍色幻視行」からの「夜果つるところ」。 「墜月荘」という名前の場所にピッタリの不穏なお話。夢や妄想と現実が入り組んでるけど、意外と読みやすい。あっというまに読了。 「夜果つるところ」から読んでも楽しめるけど、 捉え方は微妙に変わるかも。 トビラと奥付は要チェック!

    1
    投稿日: 2023.09.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人里離れた山奥にぽつんと建つ妖しい遊郭・墜月荘の物語。ではあるのだが、夜な夜なここに集うカーキ色の人々や、何かから身を隠すように居る男たちや女たちには、計り知れない何かが隠されているようである。 ビィちゃんと呼ばれる子どもの私の目を通した墜月荘の日々を、大人になった私が語るという込み入った趣向なので、あらゆることがもどかしく、見たものがそのまま真実なのかどうかさえ曖昧模糊としていて、ある意味夢物語のようでもある。下界で起こった政変に関係があるのは確かなようで、それさえ子どもの目を通して見たことなので、薄紙の向こう側を見ているようでもある。 一夜の夢物語だったと言われても、納得してしまいそうな一冊でもある。

    0
    投稿日: 2023.09.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    飯合梓名義の奥付まで作ってあります。 でも、1975年、東京の市内局番はまだ3桁だったと思うなあ。

    0
    投稿日: 2023.09.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    まさに恩田陸の新境地とも言える作品、しかし装丁は地味だ。ストーリーは二・二六事件前後の話、墜月荘と呼ばれる遊廓、ここは実は二・二六事件実行犯の隠れ家となっていた。そこで三人の母親に育てられるビイちゃんと呼ばれる私、この墜月荘で起こる数々の事件、そして最後は革命の失敗、そこで私は男であり先のみかどの落し胤ということがわかり、何とロマノフ王朝から逃れたアナスタシアまでが存在していた。墜月荘は国軍に襲撃され焼け落ちていく、その後の流転は余りにもあっさりしている、知りたければ「鈍色幻視行」を読めということか。

    4
    投稿日: 2023.09.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    陸さまお得意のホラー系ミステリー。 読み進んだのは 226事件を思わせる事件が起こりそうだったから。 案の定・・・なのだけれど。 気味が悪いシーン満載、最近、年齢のせいか、この手はちょっと苦手。 なので、これに先立つ作品は図書館の予約を外した。 今の私には本書だけで十分。

    1
    投稿日: 2023.08.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    め〜っちゃ恩田陸!という感じ。 不穏で薄暗いけど闇とまではいかない雰囲気で取り留めない語り口で続いていく。 先に『鈍色幻視行』を読んだけど、一部の人間が人生を懸けてのめり込むのもわかる気がする。 個人的には結構好きだったし、また読み返したいと思う。 内容には関係ないですが、カバーが両面になっていて裏側は作者が飯合梓になってるギミック?つき。 サイン本と通常本の2冊手に入れたので、1つは恩田陸、1つは飯合梓にして並べてます。

    5
    投稿日: 2023.08.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「鈍色幻視行」の中で映画化すると人が死ぬみたいないわく付きの作品として出てくる物語。とっても気になってたらしっかり本になってたのでウキウキして読みました。おどろおどろしさは「鈍色…」で想像してた時の方が強かった。ちょっと分からない部分がある方がそそられるからなのでしょうかね。

    4
    投稿日: 2023.08.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    作中作品の小説化、だからスピンオフとは違うのだろうが、メタとも違う気がする。こういうのは本当に賭けだと思う。自分としては負けの方に一票。

    0
    投稿日: 2023.08.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    遊郭「堕月荘」で暮らすビイちゃんの話。ビイちゃん目線だからこその不透明さや怪しげな感じがゾワゾワする。この遊郭に溶け込んでしまったような閉塞感が堪らん。個人的には恩田陸さん特有のこの薄暗い空気感がね、どうしようもなく好きで読みながら嬉しくなる。

    7
    投稿日: 2023.08.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    前読み「鈍色幻視行」を読まなくても、十分に堪能できる。 昭和初期という時代背景、なにかヒリヒリした世界の中に幻想的な雰囲気が漂い、まさに古典を読んでいるようである。 前作で、中身は大体わかっていたはずだが、なるほどそうきたか・・・と改めて驚かされる展開である。

    13
    投稿日: 2023.08.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本書「夜果つるところ」と「鈍色幻視行」の二冊が出版されて直ぐに購入したものの、諸事情により今月から読むことになった。そして、この関連する二つの本のうち、どちらを最初に読むべきかまず迷った。多くの書評を見ると半々くらいの割合だったので更に迷いは深まるばかり。偶然にブラウザ右上のBingに触れてしまったら、質問してくれとか、ChatGPTより優秀だぞと宣伝してくるのでこの件を聞いてみたら、出版順に「鈍色幻視行」を先に読むべきとのこと。しかし、Bingは本の内容を加味して判断したのではなく、単にシリーズ物(関連書籍)は出版した順番に読むのが普通と考えたのだろう。さすが常識人のAIだ、そしてこれがAIの限界だ。結局私は、「夜果つるところ」で内容に関する背景・基礎知識を頭に入れてから「鈍色幻視行」読んだ方が理解が深まると考え、「夜果つるところ」を先に読むことにした。 内容はとてもシンプルなお話で、主人公の意識が徐々に深まっていく描写に引き込まれていった。思い起こせば、自分の3歳から6歳頃までの間に、様々な知識を次々と吸収する方法に良く似ていた。自分の置かれた環境を認識するのはだいぶ後になってからで、その際は知識の後付けの割合が多い事も同じで共感するところが多かった。 背景について、時代は二・二六事件の頃、皇道派の活動に関するもの。一方、「鈍色幻視行」では「夜果つるところ」の映像化の話が出ている。実は、久我原と莢子の最後のシーンについては、だいぶ前にNHKで放送された二・二六事件を題材にした舞台作品(題名は失念)に非常に良く似ていたことを思い出した。ストリーがノンフィクションである内容なのか、それとも偶然の一致なのかは今となっては判らないが、ちょっとこの本には親近感が湧いてきた。最後の強引なネタバレも御愛嬌だが、本書がこれから読む「鈍色幻視行」のなかでどれほど影響があるのか、という観点で読み進めるのも悪くないだろう。 さあ、これから「鈍色幻視行」を期待を込めて読むか。

    5
    投稿日: 2023.08.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    文章全体の雰囲気が見てはいけないような妖しげな世界観を作り出しており、証拠が裏打ちされていることがほとんど出てこない非現実的な話と合わさって不思議な読了感だった。

    1
    投稿日: 2023.08.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    初読。図書館。『鈍色幻視行』の作中作。独立した物語としても、怪しい雰囲気の舞台からどんどん隠された事実が露わになってくる展開が面白かった。でも間を開けずにもう一度『鈍色幻視行』を読んでみないと。中表紙や奥付も「恩田陸」と「飯合梓」の二重構造にデザインされていて凝っている。これ電子書籍だとどうなってるんだろ?

    0
    投稿日: 2023.08.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    鈍色幻視行の作中にでてくる「夜果つるところ」。出版された順に「鈍色」→「夜果つ」で読んでみました(東京新聞の記事で、作者インタビューに、この順で読んだらいいようなこと書いてあった…はず)。 舞台は二・二六事件位のころの、軍隊の中枢にいるようなメンバーが利用するような遊郭。そこになぜかひっそりと隠れるように住む私。ビーちゃんと呼ばれることもあり産みの母、育ての母、名義上の母がいた。しかし、基本的にずっとほったらかしで一人で客には見つからないように過ごしている。私の「人外の者」が見える目、複雑な生育環境、周りの人たちの様子など、始めはなかなか物語に入っていきにくかったが、100ページ前後あたりから引き込まれて一気に読んだ。 この話が分かった後でやっぱり鈍色読み返したくなる。あー、確かに映像化したら良いような、少しホラーめいたお話でした。

    6
    投稿日: 2023.08.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    CL 2023.8.14-2023.8.15 鈍色幻視行の作中作。この作品に惹かれた人たちを描いたのが鈍色幻視行なのだから、これを読まないわけにはいかない。 終盤の畳み掛けるように諸々が明かされていくところは読み応えあったけど、鈍色幻視行で皆がこの作品にとらわれている、そこまでの魅力は感じられなかった。

    0
    投稿日: 2023.08.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    恩田さんのことだから、どこかで面白くなるのだろうと読み続けたが、盛り上がらないまま。後付けみて「なるほど騙された」…。気が付かなかった自分が愚か。不思議な空気感漂う物語ではある。「男の人は、人殺しのことをそりゃあ手を替え品を替えいろんな言葉に言い換えるものよーそれが、今回はたまたま革命って言葉だったってこと」

    1
    投稿日: 2023.08.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    カバーと奥付など、「作中作」として本当に細部まで凝っていてよかった。『鈍色〜』の彼、瑪瑙持ってたよなーとか思いながら読んだ。鈍色の該当箇所もう一回読み直したくなりますね。

    1
    投稿日: 2023.08.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    「鈍色幻視行」を読んだので、 こちらも楽しみにしていた。 こっちの方が衝撃的で面白かった。 映画化してほしい。 不穏な予感を常に秘めている墜月荘。 夢の中のような感じで、 不思議なストーリーだった。 最後に、久我原が言った言葉が衝撃的! 「君の父君は先のミカドだ。先の天帝の血を、君は引いている。誇りを持って生きてくれ。光坊ちゃま」 えー! この本の1番の盛り上がりはそこだった。 読む順番は「鈍色幻視行」→「夜果つるところ」が、やはりいいと思う。 莢子(さやこ)の名前が久我原だったのも衝撃的すぎる。びっくりした。 奥付が2つあり、とても凝っているなぁと思った。 ニセ奥付の次に本物の奥付あり。

    14
    投稿日: 2023.08.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    作中作 物語が進行するにつれ、息を殺し、中を覗き込み、見えない何かを見たいがために引き寄せられる、大いなる引力は圧倒的 恩田陸の脳内映像化させる力は幾度もハッとさせられる 「愛好家」たちは、怨念や執着が漲るその闇部に魅入られてしまっているのだろう

    4
    投稿日: 2023.07.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    7/28 夜果つるところ ただひたすらにふわふわと舞う、蝶の如く進む小説だと思っていた。 遊郭で暮らす主人公のビイちゃんの目線から描かれているので、 どこか全体像が不透明で、それが不気味な物語となっている。 〜〜あらすじ〜〜 執筆期間15年のミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行』の核となる小説、完全単行本化。
「本格的にメタフィクションをやってみたい」という著者渾身の挑戦がここに結実…!

遊廓「墜月荘」で暮らす「私」には、三人の母がいる。日がな鳥籠を眺める産みの母・和江。身の回りのことを教えてくれる育ての母・莢子。無表情で帳場に立つ名義上の母・文子。ある時、「私」は館に出入りする男たちの宴会に迷い込む。着流しの笹野、背広を着た子爵、軍服の久我原。なぜか彼らに近しさを感じる「私」。だがそれは、夥しい血が流れる惨劇の始まりで……。

謎多き作家「飯合梓」によって執筆された、幻の一冊。
『鈍色幻視行』の登場人物たちの心を捉えて離さない、美しくも惨烈な幻想譚。 現代のエンタメ文学というよりは硬めの文章ではあるものの、ストーリーは追いやすく どんどんと飲み込まれていきます。 ・なぜこの屋敷では多くの人が死ぬのか? ・なぜ多くの人が遊郭に出入りしているのか? ・そして私は誰なのか? いくつもの謎が深まる中、物語が動き出すとあっという間。 熱中して読み込みました。 本作の前作にも当たる『鈍色幻視行』は読んでおらず、こちらから読んでいたのですが それでも十分に楽しめます。というかこの作品だけでちゃんと完結します。 このクオリティで作中作だとは・・恐るべしです。 『夜果つるところ』 恩田陸 著

    3
    投稿日: 2023.07.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「鈍色幻視行」で、幻の作家・飯合梓が書いた呪われた小説とされる作中作ということで、本扉と奥付が恩田陸バージョンと、飯合梓バージョンの二重になっている凝った作り。 中身は山間の娼館を舞台にした幻想譚といった風情で、恩田陸のこの手の作品が好きな人にはたまらないだろうけど、私はいまいちハマらなかった。 読む順番としてはやはり、こちらを読んでから「鈍色〜」に行くべきだったという印象。 本格的なメタフィクションという面白い試みではあったけど、どうにも世界観に入り込めず、読了まで時間がかかった。

    1
    投稿日: 2023.07.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    もちろん面白い。一気に読んだし、途中で嫌になるようなことも無かった。でも”鈍色~”という前提があり、同作との相乗効果を期待していた分、やや肩透かしというか。前作でハードルが上がり過ぎているから、というのもあるけど、じゃあ本作に、そこまで不穏な要素とか、万人を惹きつけてやまない麻薬性とかあるかというと、う~ん…という感じ。

    3
    投稿日: 2023.07.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    思ったよりは普通の本で、そう思って読むと全然普通じゃない。おまけの位置付けだと思っていましたが読み応えありました。

    1
    投稿日: 2023.07.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最初に読んだ印象としては、耽美・幻想という感想が一番近い。 鈍色幻視行でも誰かが言っていた気がする。 とりあえず、もう一度「鈍色幻視行」が読みたい。 そして、そこに登場した皆さんと「夜果つるところ」を読んだ感想を語り合いたい。 装丁(奥付も)が凝っていて、恩田陸と飯合梓の両方があった。 こういうのも面白い。恩田陸→飯合梓が書いた小説だと思って、その世界に入り込めた気がする。 個人的には、「夜果つるところ」→「鈍色幻視行」の順番で読んだ方が面白いのでは?と思った。

    3
    投稿日: 2023.07.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    久しぶりの恩田陸 職場の図書室から借りてきた 墜月荘に紛れ込んでしまった感じ 怖いというより ああ 私も引き寄せられてしまったのか と言った  あきらめみたいな疲れみたいな 私 生きていけるだろうか 鈍色幻視行も読みたい

    4
    投稿日: 2023.07.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    鈍色幻視紀行を読んで、どんなに怖い小説なのかと思ってた本作。 常に不穏な気配を色濃く漂わせているけど、まったく恐ろしかったり怖いことはなく、恩田陸の小説だなぁと世界観にどっぷりハマれて良かった。 ラストも、あぁそうかとなるほどという感じでとても良かった! これでまたしばらくは、恩田さんの新刊はお預けかぁ

    8
    投稿日: 2023.07.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    先月発売した鈍色幻視行の中に出てくる呪われた本。 映像化をしようとすると必ず死人が出てしまうという1冊。 それが実際の本として発売されると言う粋な計らい。 この本を読むとより鈍色の内容に深みが増すし、 この話を映像化してみたいと言う欲望も分かる。 怪しげに夜の中で佇む墜月荘はなんとも魅力的。 自分が何者かも分からず、世間から隔絶されて生きるビィちゃんと、墜月荘で暮らす訳ありな人達。 そこにいるのは人ならざる者も居る。 読んでいてそこは果たしてこの世なのか何処なのか。 夜が果てる場所へ向かうラストはなんとも妖艶で魅力的。

    5
    投稿日: 2023.07.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    架空作家に成りすました純文学風小説。 「鈍色幻視行」のキーアイテムである架空小説を現実化させる試みとしては面白いと思いました。 ただ、「鈍色幻視行」で語られているものとズレがあるところが気になりました。 特に墜月荘の最期はぼやかされていると思っていたが、かなり克明に描かれているので期待を裏切られたような気になってしまいました。 むしろ、本としてのからくり(二重の表紙や奥付など)が面白かったです。

    1
    投稿日: 2023.07.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    『鈍色幻視行』を読まずに、この作品を読んだ。 備忘録のつもりなので取捨選択してあらすじを書いているが、鈍色幻視行を読んだら要らない部分なのかもしれない。 主人公、偏頭痛をしきりに訴えているが、話を聞いている先生って誰なんだ。 そして、鈍色幻視行を読むつもりはなかったんだけど、 読んでからのほうがこの本は面白かったんだろうか。 飯合梓、という中表紙をみて一瞬焦り、そういえば、と思い出す。 後で確認したら奥付もきちんと作ってあった。 この名前は何らかのアナグラムではないのか。でも主人公の名前は違うしなあ。 遊廓「墜月荘」で暮らす「私」には三人の母がいる。日がな鳥籠を眺める産みの母・和江。身の回りのことを教えてくれる育ての母・莢子。無表情で帳場に立つ名義上の母・文子。 主人公のことをみんなは ビイちゃん、と呼ぶ。莢子の付けた呼称である。年の頃は10から12くらい、ちっちゃい癖に末恐ろしいようなべっぴん、らしい。そして、客と話してはいけないと言いつけられている。 墜月荘には、いつも黒眼鏡をかけてこたつで居眠りしている老女の志のぶさん、用心棒の種彦さんとマサさん、下働きのりんなどがいる。種彦さんは記憶喪失である。 ある時、主人公の「私」は館に出入りする男たちの宴会に迷い込む。作家の笹野、3人続けて死人が出たため、開かずの間となった茶室を好む子爵、軍服の久我原。 久我原は軍服の上から蜘蛛の巣の着物を纏い、扇子をかざして舞っていた。久我原に惹かれる主人公。 主人公は、死人と死相を見ることができた。そして寸分違わず描く画力も身につけていた。 そして笹野の顔に死相をみる。 笹野は、妻がありながら令嬢の初子を妊娠させてしまい、墜月荘に隠れていた。初子は追ってくるが、墜月荘で、なめくじという渾名の軍人に強姦されて橋から身を投げる。 墜月荘に、笹野のスキャンダルを追ってきたカメラマンが忍び込み、笹野の写真を撮るが、主人公も映り込んでしまう。カメラマンは種彦の正体を知っており、相撲取りになるはずだったこと、名士の息子と心中し、相手の死体だけが見つかったこと、心中事件のために種彦の家族が迫害されたことを話す。種彦は文子やマサさんの前でカメラマンの頭を潰した。 主人公は産みの母である和江を見に行き、初めて目が合う。和江は主人公を見て 悪魔!と叫び、取り乱した。 それ以来、和江はおとなしくならず、叫んだりするので療養所に送られることが決まった。 療養所に行く前の日に、和江の夫の弟、柴田信二が訪ねてくる。和江は柴田を愛していたが、家のしがらみで夫と結婚した。和江と柴田は結婚後も逢瀬を重ねており、夫は二人の仲を疑い、和江を折檻した。そして子どもが出来ない上司に、和江を妾として差し出した。和江は難産の末に子を産んだが、子どもは取り上げられてしまった。 和江が精神的に参ってしまったことと、子どもの母について知られないため、夫は墜月荘に和江を送った。 演習中の事故で夫が死んだが、和江は柴田の策略により夫が死んだと信じていた。そして人殺し、夫を返せ、と柴田を責めるのだった。 夫への罪悪感と、別の男の子どもを産んだという柴田への後ろめたさにより、和江は壊れたのだ。 柴田が今までのことを語ると、和江は一瞬正気に戻り、「あなた、やっと」と愛情を示す。ようやく気持ちが通じ合ったと思った柴田が勢い込んで「僕です。信二です。」と名乗ると和江は悲鳴をあげ、柴田の頬に鉛筆を突き刺したのであった。 柴田は軍刀で和江を殺し、自分も首を吊った。 笹野はずっと閉じこもっていたが、主人公が描いた死人たちの絵を挟んだ紙挟みを持ち出し、なめくじをそれで叩く。なめくじはそれを見て顔色を変え、絵の人物は10年前に死んだ、という。 笹野はその場で、飛び降りたために顔のない初子の幽霊を見る。そして墜月荘から逃げ出し、他の女と心中してしまう。 墜月荘の女たちが、別の場所に移動しようとする。どうやら、ここの客だった軍人たちがクーデターを起こし、失敗したらしい。 主人公は莢子に一緒に逃げようとするが、莢子はまだ行けないという。志のぶさんもパニックを起こして移動しないでいる。 志のぶさんの本名はアナ。寒い国のお姫様だったという。 主人公は子爵に、先のミカドの子の光であること、そして女装させられているが男子であることを指摘される。子爵はお茶会のときに光の指と肩を見てそれに気づいたのだった。 莢子が光のことを坊ちゃんと呼ぼうとして、慌ててビイちゃん、と言い換えたということもわかる。 墜月荘が燃えていく中、光は炎の中で舞う久我原と、久我原のために謡う莢子の姿をみた。 光は久我原たちの姿を見て思い出す。革命が失敗するだろうと勘付いていたこと。久我原が宴会の後に必ず莢子の部屋に行くのを見ていたこと。莢子の苗字は久我原で、ふたりはきょうだいで愛し合っていたこと。彼らへの嫉妬と憎悪。天誅を与えようと思ったこと。莢子の部屋の前にうっすら油を撒いたこと。クーデターに失敗すれば、きっと久我原は最後に莢子に会いにくる、莢子も久我原を待って墜月荘に残るだろうと思ったこと。久我原が莢子の部屋に入ったとき、火を付けたこと。 二人を焼き殺したこと。 光は墜月荘から逃げ出したあと、養子にもらわれて新たな人生を歩んだ。ひどい偏頭痛に悩まされながら。 最近、光はとてもリアルな墜月荘の夢を見る。そして昔、莢子と約束した場所、夜の終わる場所に行かなくては、と思うのだ。

    1
    投稿日: 2023.07.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本書の発刊が待ち遠しかった。「鈍色」を読み終え何故「夜」の作品の内容が?少しも示されなかったのか分かり、更に巻末には多くの謎解きにも出会い楽しく読了。流石恩田陸氏の作品は期待通りでした

    3
    投稿日: 2023.07.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    『鈍色幻視行』の核になる小説との謳い文句の本書。 幻想、妄想が入り交じった世界は魅惑的。 しかし、この小説と『鈍色幻視行』とのつながりが少ない気がする。 読み込みが不十分で理解が間違っているのかもしれないが、メタフィクションであれば両方の小説で全体として完成するという構成だと思うのだが、『鈍色幻視行』はこの『夜果つるところ』を題材にはしているものの小説としては完全に独立している。 メタフィクションにするのなら、映画の脚本としての『夜果つるところ』を題材にした方がつながり易かった気がする。

    5
    投稿日: 2023.07.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    『私には三人の母がいる』という広告文を読まなかったら、こんなに読みたいとは思わなかったでしょね。 遊郭のような場所。出入りする不思議な人々。 その影についた死人の姿をみる主人公。 私の好みのドストライクでした(^^) 続きのミステリをどうするかは考え中です。

    22
    投稿日: 2023.07.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山間の遊廓で暮らす「私」は、ある時館に出入りする 男たちの宴会に迷い込む。だがそれは、夥しい血が 流れる惨劇の始まりで…。「鈍色幻視行」の 作中作家・飯合梓によって執筆された幻想譚。

    3
    投稿日: 2023.07.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    Amazonの紹介より 執筆期間15年のミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行』の核となる小説、完全単行本化。 「本格的にメタフィクションをやってみたい」という著者渾身の挑戦がここに結実…! 遊廓「墜月荘」で暮らす「私」には、三人の母がいる。日がな鳥籠を眺める産みの母・和江。身の回りのことを教えてくれる育ての母・莢子。無表情で帳場に立つ名義上の母・文子。ある時、「私」は館に出入りする男たちの宴会に迷い込む。着流しの笹野、背広を着た子爵、軍服の久我原。なぜか彼らに近しさを感じる「私」。だがそれは、夥しい血が流れる惨劇の始まりで……。 謎多き作家「飯合梓」によって執筆された、幻の一冊。 『鈍色幻視行』の登場人物たちの心を捉えて離さない、美しくも惨烈な幻想譚。 別作品「鈍色幻視行」に出てくる小説の中身を単行本化した作品でしたが、壮絶な内容になっていて、これを映像化するとなると、そりゃ何かあるわなと思ってしまいました。 ただ、個人的に思っていたイメージとはちょっと違っていました。というのも、「鈍色幻視行」で紹介する内容としては、関係者が次々と謎の死を遂げるということで、ホラーでショッキングな内容として捉えていたのですが、別の意味でショッキングな内容だったので、ちょっと意表をつかれました。 最初の段階では、「遊郭」という表現は使わず、複数の女達と暮らしていて、時折有名な男達が訪ねてくるという一見穏やかな雰囲気な状況だったので、これが危険な作品?と思っていました。 ところが、中盤になると、男と女の歪な恋愛事情が見えてきて、明治か大正か昭和かわかりませんが、そのあたりの歴史を背景に渦巻く欲望や嫉妬に恐ろしさを感じました。 全部を見たことはないのですが、イメージとして昔の映画「吉原炎上」が頭に思い浮かびました。燃えさかる炎や男と女の情念の数々が、グイグイと深みにハマるかのようにいつの間にかどっぷりと世界観の中に引き込まれていました。 これを恩田さんが⁉︎と思うくらい、今までの作風とは違った女達の「念」が滲み出している印象があって、面白かったです。 後半では、主人公の秘密に明らかになったり、大人になった主人公が登場し、当時を振り返る形で語っていたりしています。 また、ブックカバーも凝っていて、裏返すと「本当」の小説家が書いたかのように仕上がっていて、物語の雰囲気を存分に楽しめました。 「鈍色幻視行」とこの作品、どちらを先に読むかで、もしかしたら印象が違うかもしれません。 個人的には、「鈍色幻視行」を先に読んでからだったので、 何でそんなに悲劇を招くのか? そんなに恐ろしい作品なのか? といった興味を湧いてから臨んだので、恐ろしい内容でしたが、スッキリ感もありました。 これを映像化と考えると、呪いがあってもおかしくないと思うくらい、念のこもった作品であり、益々その映像を見てみたくなりました。

    4
    投稿日: 2023.06.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     恩田陸先生の『鈍色幻視行』内で話題に上がる謎の作家、飯合梓が唯一世に出した作品。  びぃちゃんには3人の母親がいる。  産みの母親、育ての母親、名義の母親。  びぃちゃんは山奥の墜月荘という遊廓で暮らしているのですが、びぃちゃんはなぜ遊廓で育てられるのか、何者かもわかりません。  そんな墜月荘では次々と人が死んでいき、最後には…  これは昭和のある時期を舞台にしたダークファンタジー小説だなと思いました。  一見、はじめは平たんに見えるストーリーで、これは鈍色幻視行で読んで思ってたのと印象が違うなと思ったのが本音。こんな作品になんで皆踊らされてるのかと。  しかし、読み進めれば読み進めるほどに陰鬱さは増していったのですが、呪いとでも言いますか、陰鬱になればなるほど墜月荘に引き込まれていく私がそこにいました。  登場人物が死んでいく度に次は誰が死ぬのかと気になり、最後のほうは日本の歴史のここに話がつながるんかい!?となりました。  淡々とした語り手のびぃちゃんを通じて描かれる登場人物たち。本当に彼らはびぃちゃんが思うような人だったのかは謎ですし、語られる登場人物の死や墜月荘はどこか幻想的でファンタジックで、不思議な世界。  読み返す度に感想が変わりそうな作品で、読後は鈍色幻視行内で語られてたまんまの感想を抱きました。  鈍色幻視行と本作、どっちを先に読むべきかは正直私にはわかりません。どっちから読んでも、良い気がするし、先にこっちを読んで、鈍色幻視行を読んだ感想も正直聞いてみたい思いもあります。  ただ、本作を読んで思ったのは、自分自身が何者かなんて自分でもわからないのに、なんで他人の真実がわかることがあるのか?いや、わかるわけないだろうということです。  結局、自分が何者かなんて鈍色幻視行のとある登場人物が言った、虚構の中にあるんじゃないかということです。  そんなことを感じつつ、読後感は不思議な気分にさせられる作品だと思いました。 追記  本作を読もうと思った初日になぜか仕事でクレームが入り、読書の気分じゃないくらい陰鬱とさせられ、2日目の昼は本をむき出しで手にもって昼休憩に行ったらゲリラ豪雨にあい、その夜に焼き鳥屋さんでお酒飲みながら読んでたら、隣の客が粗相をして本にゲ◯がかかるという前代未聞の悲劇にあった本作のパワーは並じゃないなと思いました。ほんまにこの本、呪われてるんじゃね?と思ったのは内緒です。  

    13
    投稿日: 2023.06.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なるほど作中作 恩田陸の文章なんだけど、そこはかとなく作者の自意識がチラつくところなんか、別人として書いてる感があった 何より装丁が凝っていた 表紙リバーシブルで飯合梓バージョンにもできる サイン本のサインには飯合梓印押してあったし 奥付も二段構え 頁数や本文の書体も時代がかったものになってて どうせ読むなら紙でじゃないとな仕上り 内容自体は鈍色で概ね開示されていたので目新しいものではないが、炎上シーンは映像映えするだろうなぁと感じた もっと暗く湿った感じを想像していたので、それと比べるとあっけらかんとした空気感だった それが過去を追想する構造と相まって一層本当らしくなっているようにも思う

    4
    投稿日: 2023.06.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まず装丁が凝っていて、中身も工夫されているから愛おしさが増します。 小説の中身もこれまた凄いよ〜 本当にあったことなのか幻なのか…読んでいくにしたがって足元がなくなる感じに〜 なるほどこれを映画化したいのもわかるし観てみたいよね。 恩田陸先生の引き出しの多さに驚嘆。 大傑作を ぜひ〜

    7
    投稿日: 2023.06.26