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極楽征夷大将軍
極楽征夷大将軍
垣根涼介/文藝春秋
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総合評価

193件)
3.9
45
91
40
8
0
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    とても面白かった。壮大で深い。 長いけど、長編だから出せる人間の深みと面白さだと思った。 古文書から人柄を読み取る著者の凄みを感じる

    0
    投稿日: 2025.11.05
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    やる気なさすぎて、所々で笑ってしまった記憶。 固定観念が崩れて、 新しい尊氏像が自分の中に出来ました。 長いですが、読んで良かった。

    63
    投稿日: 2025.11.02
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    足利尊氏の浮世の極楽風を、主に弟の直義や側近の高師直の目線から描かれた物語。尊氏は気弱く、無責任でもあるのに、うすぼんやりとした愛嬌で、ただ執着心がないという一点で、多くの武将から誤解も含みながら慕われたという稀有な人だった。でも、それは弟の直義や高師直の努力があったからである。しかし、絶えず数万の兵の合戦が日常茶飯事で、兵もあっちにころび、こっちにころびと、勢力図も変化し続ける。人の命はとてつもなく軽い。そんな時代に生まれなくてよかったと思う。

    2
    投稿日: 2025.10.20
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    足利尊氏は優柔不断で出世欲もなく、たまたま名門の一族に生まれてしまっただけの「極楽様」のような平凡な人間だった。 そんな男が鎌倉幕府崩壊の混沌とした時代でトップに上り詰めてしまった理由は、全くタイプの違う2人、足利直義と高師直に支えられていたからだ。 直義と師直の2人が活躍すれば、主人公尊氏の存在はかすみ、 2人が窮地に陥れば、尊氏は秘めた力を発揮する。そんなシーソーバランスが延々と続いたのが南北朝時代だった。 自分の足りないところを補ってくれる他人は必ずいる。そんな根拠のないことを信じ続けたことで念願の征夷大将軍の地位を手にすることができた足利尊氏。力を抜きつつ、自分のできることだけを行えば、誰かが助けてくれる。他力本願でも、それを徹底すれば、いいことが起こるかもしれない。そんな生き方があってもいい。

    3
    投稿日: 2025.10.19
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    司馬遼太郎作品の中の大村益次郎が、「足利尊氏のように、朝廷に刃向かう物が西から出てくる場合に備えて、熊本城と大阪城に火薬系兵站を充実させるべし」という主旨のことを唱える場面を何度も読んだので、足利尊氏は西郷隆盛のように、朝敵となることも厭わない豪傑・英傑なのだろう、というイメージを持っていたが、本作における足利尊氏は、ひたすらヘタレ。 弟の足利直義、家宰の高師直に只管引っ張ってもらいながらも、ここぞという時には妙に求心力を発揮する。 室町幕府が在京なのは、武士が公家化したからなのかと思っていたけれど、建武の新政前後は、京都が政治の中心地でそこを離れられないくらい政治が流動化していたから、とみるのが正しいよう。坂東対策は関東管領が所管した、という史実からは、ローマ帝国東西分轄を思い出してしまった。 とても面白かったけれど、分量も格別。549頁、2段組 21行で、普通の作品と比べると、頁当たりの情報量が倍くらいに感じた。面白いのに中々頁が進まない、という珍しい体験をした。

    36
    投稿日: 2025.10.18
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    大作で読み応えあり!! ただ、歴史を忠実にたどっているのでしょうが、終盤のつばぜり合いが、味方、敵がいったりきたりなど、少し混乱しました。。。

    1
    投稿日: 2025.09.17
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    私は日本史をあまり学ばずに世界史をやってしまったので、足利尊氏が室町幕府を作ったこと以外は知らなかった。かなり大変な道のりでようやく日の目を見た人なのかな?と感じるとともに、弟想いで欲がなく、表裏のないかわいい人だと感じた。組織を大きくすること、維持することの大変さや、崩壊してしまう過程も描かれておりそれなりに楽しんだ。垣根涼介は大好きだが、、少し物語が長くて、登場人物も敵味方に入れ替わるので把握しながら読むのは大変だった。

    0
    投稿日: 2025.08.23
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    人生でおよそ20年ぶりの歴史小説。 歴史小説は大好きだったのが今は少し遠のき、これだけブランクが開くとまぁ進まないむ進まない(笑 単純に教養の無さと読む時間が取れなかったのが理由ではありますが…。 しかし、室町幕府の成り立ちを一つ知ることができました。 果たして尊氏はどんな人間だったのか…大変興味深かったので、読んで正解。

    0
    投稿日: 2025.08.19
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    大河ドラマ、鎌倉殿の13人の続編のような運びで、ドラマにハマったのでとても楽しめました。とにかく大作なので、読み終えるのに時間がかかりました。あと、逃げ上手の若君も登場しますよ。

    0
    投稿日: 2025.08.05
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    なんだ。 やればできるではないか。 死の直前。尊氏によって幽閉と言う名の保護下にあった直義が、精力的に動き、南朝との交渉、反幕府軍との戦争、幕府の運営と、今まで決してやらなかった源氏の棟梁、征夷大将軍としての役目を立派に果たしている兄の姿をみて、ポツリ、と浮かんだ言葉が、なんとも可笑しいけれども、なにやら切ない。 やる気がない、すぐに丸投げする、丁寧に家臣を思いやることもなければ、手を尽くしてやることもない。 そんな『極楽』征夷大将軍を、必死に支えてきた足利直義と高師直。 浮かぶ瀬もないというか、できるなら、最初から自分でやってくれればよかったのにと思っただろう。 いや、足利一族いや兄の命とその一族の繁栄を第一に動いた足利直義、そして武家の世の頂点に足利高氏が立つために粉骨砕身した高師直。 この目的が絶妙にズレた二人の異才が存分に動けたのは、足利高氏が軽い木っ端な『極楽殿』だったからだろう。担ぐ神輿が軽ければ、フットワークも軽くなる。そういうことだ。 そして、尊氏が遅咲きながら征夷大将軍として源氏の棟梁として存分に働く事ができたのは、直義と高師直が整えた舞台があったからだ。 でも、『やればできるではないか』の言葉を、足利直義はもう少し早くに言いたかっただろうな。 仲が良すぎな足利兄弟が大好きな私は、どうしても直義贔屓になってしまうので、かっこいい足利直義と、弟が大好きで子犬のような尊氏が読めて、とても面白く満足した本だった。 観応の擾乱のぐだぐだっぷりは、総大将の二人ともが相手の命を取りたくない、まったく相手への憎しみも怒りもないからなのが原因なのだろうと思った。 共依存じみた兄弟愛が、足利氏の棟梁になる予定の無かった子ども時代から、尊氏に直義が捕らえられるまで、いや死の間際までずっとずっとあり続けたのではないかと、そんな希望的観測を持っている。 中先代の乱で、戦死もやむなしであった足利直義のもとへ、必死に飛ぶようにして助けに向かった足利高氏。 再会し、涙を流しながら手を取り合う二人の姿に胸を熱くした。 悪気なく、底抜けな天然さで人を振り回す兄と、呆れつつも振り回される事を受け入れている弟をずっと見ていたかった。 だから後醍醐天皇を吉野へ追いやり、幕府が動き出してからの直義と師直の軋轢は、この後の悲劇を予想させて、凄く辛くて、読みたくないなんて思ってしまった。 仲の良すぎる兄弟が作り上げた室町幕府は、穴だらけだけども、兄弟同士で争う事が珍しく無かったこの時代。最期まで互いを愛し続けた兄弟の生涯は、かなり萌えたぎった。たぎりにたぎった。 さらに、足利高氏、足利直義、そして高師直について妄想を逞しくしたくなってしまった。

    0
    投稿日: 2025.08.04
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    やっと読み終わりました。長かったです。さすが直木賞、物語としてダレることなく、時間はかかりましたが最後まで面白く読むことができました。 読んでいてようやく自分でわかったことがありました。小生、戦国時代の物語などがあまり得意ではなく、本作も直木賞作品でなければ手に取っていなかったと思いますが、要は合戦の描写がぼやっとして上手く頭に描けないから苦手なんだと思いました。味方と敵が、どちらからどちらへ動いて、どうなっているのかが混沌としてわからない。どちらが勝ったのかは分かる。いっそのこと合戦場面を読み飛ばして、勝ち負けだけ把握すればいいとも思いましたが、それだと合戦ものを読む意味がないなと。よって距離を置くことになる。 これは単なる愚痴です。 気にならない方にはとても面白い作品だと思います。

    0
    投稿日: 2025.06.27
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    大作であったが、読み始めたら止まらなくなり、2日で読み終わった。尊氏をこんな風に描いたのが新鮮だった。

    2
    投稿日: 2025.06.18
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    長い小説だったー。 3週間くらいかかったんじゃないかな。 それでも室町時代を知らなさすぎて、面白く読めました。飽きずにグイグイ読んだよ、このスピードですが。 舞台は鎌倉末期、北条宗家の御家人の中でも格上の足利家。 正妻の子ではなく、後継問題にも関わらないはずだった尊氏と直義兄弟。 この2人があれよあれよという間に御輿に乗せられ、前に出ると朝敵になってしまい、上皇を担ぎ出し、南北朝時代が始まっちゃう。 やっぱり戦国の世ですね。 鎌倉から続く血塗られた時代。 尊氏の性格は呑気で人当たりが良く魅力的で、戦上手な武将たちに好かれる。 一方仲が良い弟直義は、兄をきっちりサポートして、ずっと裏方で差配する仕事人。 途中から、この物語は主人公は弟だなと。 足利幕府を開いた後もずっと戦、戦、戦ですぐ裏切るし、鎌倉と同じじゃないか、と。 とっても面白く読めたけど、戦ばっかりに飽きてしまってホシを減らした。 あと、尊氏がどうして直冬を嫌ったのか理由がわからなかった。

    27
    投稿日: 2025.05.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    室町幕府の初代征夷大将軍、足利尊氏。 つよそうな名前の通り剛毅な将軍のイメージで読み始めたらびっくり。 このお話の尊氏は、野望なし、信念なし、やる気なし、のとにかく”ふわっふわ”した将軍として描かれている。なんだか憎めない愛嬌と人望だけはあって、現代人にもいそうな親近感すらある。 それなのに戦場にいる時だけ神がかったオーラを全開にするというおかしさ。 物語の視点は、そんなどうしようもない尊氏を支える頑固一徹で切れ者の弟・足利直義と、 兄弟を幼少から見守り支える、こちらも切れ者の重臣・師直の立場から描かれる。 戦時下においても全くやる気のない尊氏にげんなりしながら、直義と師直の二人が尊氏を励まし、慰め、なんとか担ぎ上げながら度重なる戦に立ち向かっていく。イヤイヤながらスーパーヒーローに仕立てられてしまう尊氏がおもしろくて、兄弟の絆にほろりとする。 しかし後半、幕府成立期に直義と師直の二人の政治の方針の違いから距離が生まれるのがとても切ない。お互いの最終目標は近いはずなのに、道程が違うことで、御家人たちを巻き込んで真っ向から対立してしまう。そしてそんな危機的状況にも全然気づかない尊氏の鈍感力。 ふわふわした尊氏だからこその功績であり、ふわふわだからこその内部崩壊。 室町幕府は成立とともにすでに崩壊の分子をはらんでいたのか~という感慨深さもありつつ、 このあと始まる群雄割拠の戦国武将たちの祖先がちらほら出てきて土地に根付いていくという、壮大な歴史のつながり感も感慨深いと思った。 ラスト不惑の年を超えてから、ちょっとだけがんばって勉強し始めて成長をみせる尊氏。直義の「やればできるではないか」の心の中のツッコミには共感しかない。そしてその積極性がもっと早くに出ていれば…と思わずにはいられない。 ドラマチックな成り上がりの物語でありながら、どこかおかしくて、せつない。そんな感想。

    2
    投稿日: 2025.04.14
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    図書館にて借りる、第652弾。 (京都市図書館にて借りる、第117弾。) 直木賞受賞作品。 苦手な2段組のうえに459ページという長編。 読み終わるのに1週間以上かかってしまった。 足利尊氏の物語。正確にいうなら足利尊氏と直義の兄弟と宰相師直の物語。 室町幕府ってなんか地味だし、よく知らなかった。 本作を読んで、勉強になったというか、足利尊氏に親近感が湧いた。 直木賞を受賞するだけのことはあり、つまらなくはないが、長い。 長くてもいいから2段組やめて欲しい。字が多くて目がチカチカする。 星は3つ。3.7とか。面白いけど4つはないかな。

    0
    投稿日: 2025.04.10
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    太平記の世界が好きで、足利兄弟にはものすごく興味がある。なぜあんなに仲が良かったのに戦ったのか? 読む本によってその解釈はさまざまであり、昔のことだから正解は永遠にわからないけど、知りたい。! この小説は足利尊氏が「極楽とんぼ」で全部弟と師直に丸投げ、でも自分は将軍だ。という、実際に上長にいたら最悪のキャラとなっている。 最初はふざけすぎじゃないのと思ったが、この尊氏のほうが後醍醐天皇への恋慕、弟への執着、師直との関係等、しっくりくるから不思議。 いや、面白い小説でした。

    1
    投稿日: 2025.04.04
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    怒涛の事件、荒ぶる戦さ。結果的には相対する直義と師直の両視点からの、寝返りと裏切りの連続の展開と、その中で強烈にキャラ立ちするメイン登場人物達の物語。歴史の事実を忘れて真っさらの気持ちで熱中して読み続けた

    1
    投稿日: 2025.03.17
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    550頁2段組!! 長かった〰️、知人から借りた 『極楽征夷大将軍』 もう少し、纏められなかったのかな〰 直木賞作品って、どうも相性悪いかもです、、、 ふぅ~む、兎に角、しんどかった〰ってのが、読了直後の素直な感想です。 時間が経ったら、印象が変化してくるのか!? それと、小生がこの深さを理解出来ないのか!? まぁ、好みってのも当然あるかと思いますが、、、 今まで、時代・歴史小説は無意識に敬遠してたけど、今後は、ゆっくりと対峙していく所存です。 それでは、さよなら、さよなら、さよなら(^^)/~~~

    21
    投稿日: 2025.03.15
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    初代征夷大将軍・足利尊氏の半生を描いた歴史長編。 第169回直木三十五賞受賞作。 欲なし・やる気なしの兄と、しっかり者の弟。 重臣の高師直に、赤松円心など登場人物がとても魅力的。円心とか情に厚くてまさしく理想の「武士」って感じの気持ちの良さ。 反して後醍醐天皇の欲まみれな事…。(どこまで史実に忠実なのかわからないけど)いつの世もこういう身分と人間性が比例しない人いるんだよなぁ… 一番好きなのはP249。私も泣いた。何という胸熱展開。 後半は盟友のようだった人達が袂を別つのが悲しいので余計に。 血の通った人間味が感じられる物語で、とても面白く読めました。

    1
    投稿日: 2025.02.22
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    長い、とーても長い。そしてくどい。心理描写はうまく引き込まれるところもあった、けど司馬遼的な歴史解説は要らない。戦闘描写もなく淡々と物事が進んでいき単調。直義と師直の視点が交差していてどっちかどっちかわからなくなる。武将名も無闇矢鱈に登場して混乱します。結果として、足利尊氏をか描くことには成功していない。とはいえ、垣根涼介の本を初めて読みましたが、独自の視点で描いていて、今後が期待できる作家だと思いました。

    0
    投稿日: 2025.02.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私にとって南北朝時代という混沌極まる時代は、複雑でかつて日本史の授業でも印象の薄い時代であった。 足利尊氏を軸に足利直義と高師直が、それぞれの立場から見える場面を描いている。創作物では直義と師直はお互いが憎しみあっていたように描かれていることも多いが、こちらではそれぞれの環境や臣下達によって対立に追い込まれたように思われた。 読んでいる途中からなんだかもう、直義も師直も立場にがんじらめになってすれ違っていく様が辛かった。尊氏は、本編中ぽやぽやの極楽殿なのだが、直義のピンチ時のみ突如として入るホラー演出とともに神がかり的な強さを見せる。読んでいて、なんなんだお前というツッコミが止まらない。正直、私なら上司には絶対にしたくないタイプである。 読了後は、尊氏が全ての元凶、早くやる気出せよという気持ちでいっぱいになった。 あの尊氏の直義の死後の描写がないのがとにかく不気味で、誰よりも大切に思っていた弟の死後彼はどうしたのか。側から見ると、直義や師直がいなくなってからの方が、優秀なリーダーに見えていたのでは?と、やるせない気持ちになる。 とはいえ、本編中の様子からおそらく一人の人間から世間様になってしまったんだろうなと推測できる。少なくとも尊氏本人にとっては、ただ生きてるだけの様な状態だったのではないか。 非常に長いお話ではあったが、なんだかんだ読めてしまった。様々な人物が出てくるが、個性豊かで魅力的な人も多く、南北朝時代自体に興味が湧いてきた。本編中の主要人物の呼び名が様々に変わるのと、読み方が悩むこともあったのでそこはメモを取るなりして読むとスムーズに読めるかと思います。

    0
    投稿日: 2025.01.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ある1つの歴史小説を読む時、その小説が描いている時代や主人公が、他の小説、TV、映画などによく取り上げられているものだったりする場合、私はどうしても前に読んでいたり、見ていたりしていたものとつい比較してみる。勿論、今読んでいる小説にしろ、前に見ていたTVや映画にしろ、所詮フィクションであり、その小説などの主張したいテーマによっては歴史的事実を意図的に省略したり、文献をわざと曲解したりすることもあるかもしれないと分かってはいるが。 この小説の場合、登場人物は全て実存した(であろう)人物なので、行った歴史上の行為行動が殆んど全て分かっている。そしてその人の考え方、思想はその人の行為行動からしか推測出来ない。故にこの時代のある程度の人物は、誰が描いても似たような者になってしまうのかもしれないと思う。 例えば「足利尊氏」は優柔不断で決断力がなく、政務や軍務などは実力のある弟の「足利直義」に任せっきり。但し実戦は不得意のため「高師直」が担う。と言うような設定がよくあった。この小説も若干の違いがあるかもしれないが、殆んど同じような設定だ。 しかしこの「太平記」の時代は、いろんな人が色々な小説、漫画、TV、映画などの題材として取り上げている。そして、色々な「足利尊氏」、「足利直義」、「高師直」がいる。 この小説はそう言った意味ではよくある設定で、設定としては面白みは少ないかもしれないが、構成はしっかりとしているし、人物描写も面白い。室町幕府の脆弱性もよく分かるよう説明しているし、京の幕府と鎌倉府の関係の悪さもよく分かる。つまり、結構面白い小説だと感じた。室町時代と言えば、混沌の時代と言う感じがしていたが、この小説を読んで少しは理由が分かるような気がしてきた。

    0
    投稿日: 2025.01.16
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    Amazonオーディブルで聴いた。 前に超序盤で挫折して、その後「逃げ上手の若君」を読んで少し登場人物に馴染みができたせいか??今回は最後まで聴けた。 途中かなり聞き流したけど…。 足利尊氏が不思議キャラすぎる。 兄弟が結局お互いしか見てないのがグッとくるね。

    1
    投稿日: 2025.01.13
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    これは歴史が好きな人が好む本かな。 色んな人の名前が出てきて、全てにふりがながあるわけではないので、読む時間がまぁまぁかかった。

    0
    投稿日: 2024.12.06
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    いやー長かった。549ページ2段組。 足利尊氏の印象って、室町幕府の初代の将軍でしょ、それしか無かった。正直、興味をひかれる人物でも無かった。 が、極楽征夷大将軍と言うタイトルと帯の【やる気なし使命感なし執着なし】が絶妙過ぎて興味をひかれてしまった(まあ勿論、直木賞受賞と言うことも大きな理由の1つ)。 読んでみると、幕府を立ち上げた初代将軍とはかけ離れたイメージの人物像で。なんなんだこの人は。本当にやる気ないな、掴みどころのない人だな。これは直義(弟)や師直は大変だな。 でもなぜかとても魅力的。器が大きい、と言うと少し言葉のイメージとは違うような気もするが。少なくとも、大方の人はこう言う風にはなれないからこそ、なぜか神格化されたりもするし、崇めてしまう人達の気持ちもよく分かっててしまう。 しかし反面、生真面目で曲がったことが嫌いで、自分の上司だったら近寄りがたいのかもしれないなと思う直義も、私はとても共感してしまうし、こう言う兄みたいな流されているようでなぜか人望を集めてしまう人がいつも傍にいるって結構しんどいよなあと思ってしまう。 そんな正反対の2人なのに、お互いを大切に思っていることは同じ。だからこそ2人が戦うことになった時には読んでいて辛かった。 何だかまとまりのない感想になってしまったが、とりあえず長かったし、ページをめくる手が止まらなくてすいすい読めてしまうと言う感じの作品ではなかったけど、読みごたえはその分あった。読み終わって、まるで2人と一緒に大変な時代を生きてきたような、そんな感覚になった。

    3
    投稿日: 2024.11.16
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    立板に水のように、ひっかかりも矛盾もなくさらさら読める。が、長い!読み切るのに1週間もかかってしまった。 しかし、そのぶん、内容が濃くおもしろかった。 政治のパワーバランスや人身掌握の妙味などは現代にも通用するものがあり、人物像も多面的に良き面、悪しき面またそのどちらでもない面をしっかり描いていて魅力された。尊氏の極楽ぶりには時に笑わせてもらった。血で血を洗う戦の場面は作戦の面白さもあり、手に汗にぎる臨場感があった。

    1
    投稿日: 2024.11.16
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    面白い!けど長い、、、 一人一人の人間描写が非常に上手で なかなかマイナーな時代にフォーカスしてくれてて勉強になる。良作

    0
    投稿日: 2024.11.10
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    足利尊氏側の本を初めて読んだが学びが多く非常に面白かった。 ・単なる戦記ではなく、事がそこに至った経緯やそれぞれの考えがわかりやすく書かれおり学びが多い ・人の世はいつの時代も自分の家族をどう護るかに執着している→尊氏も直義も子をなしてから自分の一存では行動できなくなっていると思う ・処罰に情が挟まっておりそれが争いが絶えなかった原因と思う ・向背が激しい

    1
    投稿日: 2024.11.02
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    直木賞受賞作。これも、時代小説なのでしょうか? 足利尊氏の物語です。 そう言えば、足利尊氏のことは、あまり知りません。小説ではもちろん読んだことがないですし、大河ドラマなどでも見ていないです。 足利尊氏は、側室子だったので、家来にもあまり相手にされず、のんびりした子ども時代を過ごす。ところが、正妻の長男が病死し、家督を継ぐことに。しかし、尊氏は、家督を継ぎたく無いと駄々をこねる。面白い人ですね。 尊氏の弟は、頭がキレる有能な人。自分に厳しい分、人にも厳しいので、なかなか上に立っても、人が付いてこないだろうと、本人も自覚している。 途中です。 小さい字で、2段に書いてあるので… 非常に長い。読み終わるのかな? 読み終わりました。 これは、足利尊氏、足利直義、高師直の3人の物語ですね。 政治とは難しいものですね。 足利尊氏・直義の兄弟も、高師直も、自分の為にではなく、周りに突き動かされて、闘い室町幕府を開き、皆が上手くいくようにと、采配したが、仲違いしてしまった。 誰々が、こっちに味方して、ここで戦って…とかは、覚えられません。でも、色々策を弄して、戦に挑んだり、政を司ったり…面白いなぁと思いました。 直義と師直の仲が悪くなっていき、尊氏が勉強し出して50才近くなった頃には、うつけ者ではなく、ちゃんと名将になってきたところが、とても興味深かったです。 歳を取っても学べば、成果はでるのかな?

    1
    投稿日: 2024.11.02
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    かなり長かった…けど面白かったです。 歴史の授業で触れたのみで、腐敗した鎌倉幕府を足利が裏切って討伐した。くらいの認識でしたが、もちろん物語としての脚色は多々あるのでしょうが、解像度を上げると様々なドラマがあるのだなと感じました。 足利一門にしても誰にしても、初めから虎視眈々と自らの栄華を狙っていたというわけではなく、みんながみんなその時々、瞬間瞬間で、自己防衛のための決断を繰り返した結果として、歴史があるのだと感じます。

    0
    投稿日: 2024.10.28
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    腹の底ではお互いに信頼しきっているのに、人はなんでこういう結末になってしまうのだろう…。 『なんだ、やればできるではないか』、すべてこの言葉に尽きる気がする。

    3
    投稿日: 2024.10.28
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    なんとも読み応えのある作品でした。  自分の歴史感の中でも、 まだ未知の世界の「南北朝時代」 終始、戦っているので、始まるまでも長いな~と言う感じで、 足利一族が、兄弟をまつりあげて幕府を作っていき、右腕となる、高一族が後世に残っていないのが、とても気になりながら読んでいました。  権力のシーソーが、あちらに流れたり、こちらに流れたりで、乗っている人も変わってしまうのですね。 直義と師直の袂が分かつ辺りから、引き込まれていきましたが、同時に読んでいてとても辛かった。

    6
    投稿日: 2024.10.10
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    面白かった。鎌倉→室町のことがよくわかるし、尊氏の弟の人となりや不仲になっていく経緯もよくわかった。 また、尊氏の晩年の努力により、様々な難題を解決していく様は考えさせられた。

    1
    投稿日: 2024.10.08
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    足利尊氏が弟と室町幕府を開くまでは戦いの連続だったけれど、なんとも言えないおかしみを尊氏に感じた。歴史の教科書で聞いた人たちも出てきて、こんなことがあったのだなぁと思いながら読めた。しかし、権力を握る立場に登り詰めて行く所で足利兄弟の確執や支えてくれていた人たちに対する冷遇など、読んでいて楽しく感じなくなってしまった。歴史好きにはお勧めの本。でも、そうでもない人には全く面白く感じないかもしれない。

    6
    投稿日: 2024.10.01
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    日本史上最大級の兄弟喧嘩。観応の擾乱。 垣根涼介が描くのは、陳腐な想像上の人物像ではなく、故人が残した詩歌や記録、手記などを基に合理的な人物像を投射している。だからこそ、登場人物が皆人間臭い。家臣の高師直は何かと汗っかきだし、坂東武士の楠木正成は皮肉屋だし、相州殿と呼ばれた足利直義はすぐ拗ねるし、極楽殿と呼ばれた足利尊氏は絵に描いたような無能。 完璧な人間などいないのは分かる。ただ、ここまで人間臭い部分を分かりやすく描いた作品が過去にあっただろうか。ドラマチックな演出に何かとこだわる余り、主人公贔屓になったり、色気を出す部分も出てきようものだが、この作品は、中年男性の厚かましい「なんかやだな」と思ってしまう、思わず見て見ぬふりをするような部分を地で行く。だがそれらは完璧な伏線で、尊氏の人間性に揺さぶられ、孫子も老子も馬耳東風。あらゆる策略や戦略は神風に巻き上げられるが如く通じない。 身内に甘く、変に信心深く、人を疑わない。かと言えば豪放磊落でも、温厚篤実でもない。自己中心的で、悲観的で、自分という器を常に疑っている。 弟の直義は言う。「兄は世間の神輿に担がれた木偶である」と。家臣の師直は言う。「極楽殿は世間そのものであり、時代と共に形を変える」と。尊氏本人は言う「わしは、わしという人間が好きではない」と。 弟が背水の陣で挑んだ死地に、忠告を無視して参じて、窮地を救った尊氏。「すまんな。体が勝手に動いてしまった」と微笑む尊氏。悲哀、混乱、慕情がこみ上げて号泣する直義。それを見て「俺は何を見せられているんだ」と呆れる師直。 物語の構成は、「直義目線」と「師直目線」、「垣根涼介目線」で描かれている。登場人物の多さ、土地の旧名、名前が途中で変わる時代ゆえのどっちらけ感はあるが、それもこの作品の一興と言える。 全国を巻き込んだ兄弟喧嘩の結末は、歴史の授業で習ったのに、この時代に散っていった武将たち全員が恋しくなる、実にスペクタクルな作品だったと、読了後の満足感はひとしおでした。 感想とは別の話だが、読んでいて垣根涼介さんは、多分、楠木正成めっちゃ好きだと思う。逆に新田義貞は大嫌いだと思う。楠木正成のことはめっちゃカッコよく書いてるのに、同じ坂東武士の新田義貞はどことなくダサい感じで書かれていた、気がする。 当然だが、もちろん、これも、伏線。

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    投稿日: 2024.09.27
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    2023年の直木賞受賞作 鎌倉時代の終わり、南北朝時代、室町時代を生きた 足利尊氏、弟足利直義、側近高師直 の目線で描いた歴史小説 軍神尊氏、幕政を取り仕切った直義、師直 彼らの数奇な楽し悲しい運命を描いた超超超長編小説 それぞれの時代を知り 極楽殿と呼ばれた尊氏を知り 後醍醐天皇を通して天皇の有り様と武士の有り様を知る 今クールのアニメ「逃げ上手の若君」では 主人公は北条時行、そのボスキャラが足利尊氏なんですが その北条時行の下りもしっかりでてきます 教科書に出てきた足利尊氏のザンバラ髪の理由も出てきます 足利尊氏って、源尊氏で源氏の名門で頼朝の系統だったことも初めて知りました なんせ膨大な活字と膨大な登場人物の名前と 2転3転どころでなく何度も繰り返すどんでん返しに翻弄されますが 飽きることなく楽しく読めました 大河ドラマ向きでは?ってお話で楽しく読み勉強にもなりました

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    投稿日: 2024.09.17
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    足利尊氏を支えた弟の足利直義と足利家執事の髙師直の物語。鎌倉から室町への騒乱の時代。こんなに大勢の兵が動員されて討たれていったのか、不思議だけど。

    0
    投稿日: 2024.09.05
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    自分にとっては謎の将軍。本当はどうかは別として、こんなに気の弱い将軍として描いたことで人間味が増して、小説としては成功(直木賞)したのでしょうね。 日本史に弱い自分だけど、後醍醐天皇との確執も面白いが、後醍醐天皇側の思いも知りたい気もした。 しかし天下を取ると内部闘争が繰り広げられるのは常套か。それを考えると徳川幕府はうまく統制したものだと思う。

    0
    投稿日: 2024.09.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いやー長かった。単行本で550P弱の上下2段組、読んでも読んでも進まない。しかも前半は華々しい展開はほとんどなく、退廃的な末期鎌倉幕府(執権北条家一派)相手に負けたり逃げたりする苦痛展開が続く(面白くないわけではないが)ので読んでて気持ちも辛い。 足利尊氏という男のダメっぷりが歯がゆかったり面白かったり、それに振り回される有能な部下2人、弟足利直義、執事高師直が振り回されててんやわんやの様も面白いやら同乗するやら…。 一般社会人としては駄目人間だが、兵を率いると有能な将となる主人公…と言えば、ヤンウェンリーだが、尊氏一派はヤンのそれと比べて、とにかく負ける展開が多いし、よーこんだけ負けて天下取れたなぁと呆れるくらい。キワキワギリギリの天下取りだったからこそ、室町時代は安定しない(前半は南北朝やもんな)し、その後の戦国時代につながっていくんだろうなぁ。 長編歴史小説として実に面白いのだが、☆を一つ減らしたのは、長い中にやるせない展開が多いので、ちょっとした絶望を感じつつ読んでしまったことによる。

    1
    投稿日: 2024.08.18
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    足利尊氏と弟 直義が室町幕府を作りあげ、その後までを描く長編歴史小説。 かなりストーリーは面白く、キャラクターの設定も長けている為、感情移入しやすく、ページをめくる手が止まらない、さすがの直木賞受賞作。 尊氏の心情の変遷が若干分かりにくいと感じたが、それを差し引いてもおすすめの作品

    0
    投稿日: 2024.08.17
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    上下二段本、こんなの読んだのは司馬遼太郎以来かな、それと堂々とした歴史時代小説、特にややこしい室町幕府の誕生、足利直義と高師直との抗争と結局天皇家には刃向かえなかった尊氏の無力さ、もう室町幕府成立と同時に戦国時代は始まっていたのかもしれない、こりゃ後の織田信長の武断政治がなければこの国はバラバラになっていただろう。ところでこれまで源頼朝像と思われていたもがどうやら直義だったらしく知的で実直らしいその姿には納得がいく、それに比べ尊氏の像は肥満した意志薄弱そうで本書に言う極楽将軍そのものだ。

    0
    投稿日: 2024.08.13
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    中盤まではとても楽しめたが、後半は少しページを繰る手が鈍った。 前提として、この時代の知識はほとんどなく、学生時代の知識もとうに薄れ、「楠木正成って味方だっけ敵だっけ?」というレベルで読み始めた。その分新鮮で、尊氏、直義兄弟の奮戦を楽しく読めた。とくに尊氏の人柄の描写はとても魅力的で、呼んでいてワクワクした。 その分、後半の幕府設立後のドロドロ劇とのギャップにギアチェンジしきれないところもあった。 大きなプロットは史実ベースなのだろうが、「えっ、なぜここで分かり合えないの?なんであっちについたりそっちについたり簡単にかえるの?尊氏のカリスマ性どこいった?」的な思いが付き纏った。 とはいえ、生来無事は戦が仕事であり、武力の必要性が著しく下がる太平を真にのぞんでないということなのか? そう思うと、各大名の戦力を削ぐことに執着した江戸幕府が特殊なだけなのかもしれない。 いずれにせよ、時代の空白スポットの話は先読めず、とても楽しめた。

    0
    投稿日: 2024.08.12
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    日本史はめちゃくちゃ苦手で、恥ずかしながら足利尊氏…聞いたことある…ぐらいの知識しかない、、 ただ、室町幕府は花の御所があった場所(同志社の向かい)に学生時代住んでたので、馴染みがあるような気はする笑 さて、そんな私が読んでもなかなか面白かったです。 『漫画日本の歴史』のイラストがそうだっただけかもですが、たしか足利尊氏ってヒゲもじゃで乱暴そうで、幕府を開くような人は抵抗勢力をバッタバッタと倒して粗雑な感じだったんだろうなと勝手に思ってたけど、どこまでが創作でどこまでが史実かはわからないものの、猛々しい武士のイメージが変わりました。 あと、楠木正成ってこの時代の人なんかと思った。出身が大阪の河内地区だからかちょいちょい名前を見聞きするんですよね。 長かったので、終盤は正直誰が誰かわからないこともありましたが、お話として面白かったです。そして、今後も歴史小説を楽しむためにも、歴史の流れだけでも勉強し直そうと思いました。

    1
    投稿日: 2024.08.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み終えるのにかなり時間がかかった。正直、途中でやめようかと思ったが、おもしろくなり、読み終えるのがもったいないと思えるほどになった。尊氏、直義、師直といった3人のキャラクターに好感をもった。特に尊氏はよかった。直義の養子、直冬の立場は切ない。人物造形やこの時代の人間関係の複雑さを見事に書けていたのではないか。見方がいつの間にか敵になっているというような。室町時代前後はよく知らなかったので、わくわくしながら読めた。師直はどうなってしまうのか、とか。いつかもう一度読みたい。

    1
    投稿日: 2024.08.07
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    第一印象はすごい長いなという感じ ただそれでも後半にかけては物語も面白くなっていきスラスラ読めた 足利兄弟と高一族の話だったが直義と師直のパートが非常に切なかった 大河ドラマにできそうな話だし近々可能性はあるのかも?

    0
    投稿日: 2024.08.06
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    足利尊氏の事は教科書程度の知識しかなかったが、この本で歴史的に何をした人物かよくわかった。弟や高家の支援や貢献度は相当なものだった。優秀な実弟、直義は実務から離れたあと廃人のようになってしまったのは悔やまれる。うまく切り替えをする事が一線を離れた時には必要だ。 ところで、師直の邸宅跡地を確認したら息子の大学時代のアパートの対面だ。全く気づかなかった。京都には歴史上の人物の痕跡がそこかしこにある。何度も行ったが、由緒ある街な事は確かだ。

    0
    投稿日: 2024.07.17
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    歴史の授業で誰もが知る足利尊氏の人物像が,この本を読むとぐるっと変わる。 鎌倉幕府はどのように滅びたのか,南北朝はその次代の武将にどのように見られていたのか,楠木正成・新田義貞という武将について,足利尊氏と直義の兄弟による観応の擾乱とはなんだったのか。これらの疑問を解決する1冊の小説として仕上げてみせたのが凄い。 表紙にあるように,うねる大波のごとく大きく変動する鎌倉末期~室町初期において,その大波に飲まれる武将が多かった中,尊氏はその流れに逆らわず,むしろ波と同化したという視点は今までなかったように思う。 難解な歴史を紐解くという意味では☆5だけど,物語としては尊氏に振り回され続けた直義・師直の苦難と,自分に正直に生きた結果2人を失った尊氏の悲哀という点の読後感で-1☆ …佐々木道誉,お前は何なんだ

    8
    投稿日: 2024.07.09
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    鎌倉幕府が最期の断末魔であった時間から始まる。 由比ガ浜で戯れる兄弟・・そしてラスト。 一切の軛が離れた尊氏が妙に悟りを開いた賢人に。 膨大な資料を研鑽し、書き上げたフィクション。 500頁2段組みは読みつつ、幾度ため息をついたか。 かつて和泉の国であったところに住んでいるからか、頻回に登場するエリア。その好奇心がどれだけ牽引しているか。 史実の上に積み上げた群像は残存する絵巻物も併せ、垣根氏一人の妄想・・虚構・・だが何と魅力にあふれた作品か。 執筆の構想から刊行、その後もしばらく、彼が泳いだ世界から逸脱できなかったのではと思ってしまった。 幾度も出てくる尊氏像~赤子の様な愛嬌ある笑顔と話し方。何も考えていないような茫洋とした表情、その実・・確固としたものは何も有さない。 作中、幾度どなく繰り返されている。 そして実弟直義、郎党の筆頭 高師直・・他南朝の後醍醐、護良親子の濃すぎるキャラ 赤松円心、新田義貞、楠木親子、上杉一族・・などなどまるで昨日会って話していたかのように生き生きと描かれる。 中世期のこの時間、幕府の祖がかような奇矯なキャラであり、後、100年も続く戦国争乱への足がかりとなって行った「史実のおもちゃ箱?」というスペクタクルを堪能させて貰えた。

    2
    投稿日: 2024.07.05
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    面白かった。 これは足利尊氏の物語では無く、弟の足利直義の物語であると感じた。兄の尊氏を支え丸投げされた政務をこなすが、最後には尊氏が成長して独り立ちし、「なんだ、やればできるじゃないか」と感じる。 室町幕府の地盤の弱さなどは丁寧に説明されて、そもそもの始まりから脆弱性がある事が分かる。そして成立時のゴタゴタは鎌倉幕府の粛清に似ている。この二つの幕府を考えると江戸幕府の磐石ぶりが際立つ。徳川家康の偉大さであろう。 読み応えはあり過ぎるのが欠典であるが楽しく読めた。

    1
    投稿日: 2024.06.29
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    室町幕府を創建した足利尊氏と直義の兄弟の物語。知らないことばかりだったので、感心した。「極楽殿」と呼ばれ能天気だが世の中の動きを見通す兄と緻密ながら融通の利かない弟が、力を合わせて鎌倉幕府を滅ぼし、さらに建武の新政を打倒して室町幕府を樹立する。しかし、その後、様々な経緯があって二人は敵対してしまう。鎌倉幕府もそうだったが、どうして人は争わずにいられないのか。ため息とともに読了した。

    2
    投稿日: 2024.06.21
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    やっとの思いで読み終えた。 帯に惹かれ 大きな盛り上りを期待したが 報われず、貧乏性故に読み終えた。 尊氏 直義 兄弟の心情描写を期待するが、淡白に思えた。

    1
    投稿日: 2024.06.18
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    最後まで読めた自分もえらいけど、これを書いた人は尋常ではないな この長さと細かさは、尊敬します、それだけで 平安時代、鎌倉時代と為政者が代わっていって絶対的正義はなく、その時々の人間の営みこそが大切 当たり前のように形勢を読みながらコロコロ、付く相手を変えるなんて、日本人てそうだったんだ。 昭和の戦争のように、天皇陛下バンザイ的な絶対主君がないところが、興味深い

    0
    投稿日: 2024.06.02
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    なんとなくちょっとふざけた感じの作品なのかなと思いながら読み始めたけど、実際途中までは尊氏のキャラにクスッとする場面もあったけど、最後は少し寂しかった。

    2
    投稿日: 2024.06.02
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    読み応えある長編大作。 後醍醐天皇や尊氏の評価は書物(書かれた時代や視点)によってだいぶ違うが、この作品では尊氏を非常に人間的魅力に満ちた人物として描いている。 登場人物の気持ちや会話を生き生きと書く一方で、現代から見た歴史解説のような記述もあり、全体としては、面白くて勉強になる。 命を賭して、知力と武力を尽くして戦う武士の生き様は、現在の我々から見ればカッコ良さよりも哀れさを感じてしまうかもしれない。血筋や家や序列が、個人の人生よりもずっと重要だった時代、どうしようもない時代の流れ、世間のうねりの中で、なんとか最善を尽くして生きようとする男たちの姿に、色々と考えさせられる。

    2
    投稿日: 2024.06.01
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    足利尊氏、足利直義、高師直 例によって手配だけしていて内容を忘れてしまい、 この本を手にしたとき、「極楽?」「徳川の本?」などと思っていた。 読み始めたら、足利尊氏、直義兄弟の話だった。太平記か。 読み進めるにつれ、また疑問が生じた。 学生時代に吉川英治の「私本太平記」を読んで、 初めて禁断と呼ばれている太平記の内容を知ったはずだが、 この「極楽征夷大将軍」に書かれている内容と、記憶が全然違う。 もっといえば、吉川英治本を原作にしたNHKの「太平記」(1990)も 一年間見ていたが、真田広之、高島政伸兄弟のあのイメージと、全然違う。 私はいったい何を読み、何を見てきたのか。 ・・・そもそも尊氏は、明治以降、後醍醐天皇に弓引く大悪人とされてきた。 天皇絶対の世には許し難い存在だったわけだ。 逆に忠臣楠木正成が持ち上げられた。 今の天皇家は北朝なのに、南朝を守った正成が称えられるのもいい加減なものだが。 私も「私本太平記」を読むまでは、そんなイメージでいた。 折角の後醍醐天皇の建武の新政を裏切った尊氏と。 吉川英治にそうではない、と教えられ、NHKもタブーに挑戦し、 尊氏の好感度は、私のみならず、世間的にも相当上がったはず。 なんたって真田広之だ。 ところがこの直木賞受賞作は、そんなイメージを打ち砕いた。 信長は若いころはわざとうつけのような行動をしていた、という伝説があるが、 尊氏は、いや、高氏は、ほんとのうつけとして描写されている。 学問もせず、鍛錬もせず、優柔不断で、だらしなく、、、、 弟の直義、いや、高国は聡明で稽古も怠らず、的確な判断をする。 足利家の庶子として生まれたこの兄弟は、家督に関係なく仲良く過ごしていた。 そこに高師直もいた。 そんな二人が、いや、師直も含め3人が、時代の波にもまれ、天下を取る。 鎌倉幕府執権北条氏への武士の不満が極限に達し、 そこに後醍醐天皇なる異端児が動き出す。 そんな中、足利本家の跡取り問題の矛先がなぜか高氏に向かい、 ついに当主となってしまう。 しかしそんな才のない高氏は、高国、師直を頼る。 二人は知恵を絞り、ついには群を動かし、楠木正成、新田義貞らとともに、 北条氏を滅ぼしてしまう。高氏は後醍醐天皇が大好きなのだ。 とはいえ二人は戦はなぜか弱い。しかしなぜか高氏は強い。彼が出ると、勝つ。 正成は高氏を尊敬する。高氏の読みは、戦でも人に対しても、当たる。 人望がある。大物なのだ。 しかし小心者でいい加減なのは変わらず。支えるのは高国と師直。 さらに後醍醐天皇の身勝手さから武士の不満がまたも爆発すると、 後醍醐天皇から一字をもらった尊氏には差配ができない。 直義と師直が動き、後醍醐天皇を追い出し、室町幕府が成立する。 厳格に、非常なまでに規則通りに動く直義と、武士の気持ちがわかる師直の間に 亀裂ができ始める。 まして、将軍の軍師であり、本来鎌倉幕府の執権の位置にいるべき高師直の位置に 尊氏の弟がいることに疑問を持ち始める。 いろいろあって二人は対立、ついに高師直一族は滅ぼされる。 さらに今度は尊氏の子義詮の動きにより直義も追いつめられる。 形としては兄弟対決。 そんな失意のもと、直義は病死。師直の死の一年後。 二人に支えられて上り詰めた尊氏は、いつの間にか独り立ちし本物の将軍になる。 というあたりがあらすじか。 私の記憶では尊氏が直義を討った、と認識していたが、それは思い違いらしい。 というくらい記憶はいい加減だ。 もう一度吉川英治版を読みたいようだが、そんな時間はないだろうな。 しかし、、頭脳明晰身体頑丈な直義が戦争下手で、ちゃらんぽらんな尊氏が軍神、 かつ人望もある、ってのは、人生だなあ。 なんとかの星のもとに、ってやつだろうか。不公平だよなあ。 でも仕方ない。できることをするしかない。 そういえば、、、 世を動かすのは常に人々の「不満」だった。 戦いに買ったのに褒美=土地がもらえんと。 師直と直義の対立はその分け方の考えの違いだった。 この仕組みは足利幕府成立時から時限爆弾として抱え込み、 ついには地方武士が将軍を暗殺し、応仁の乱に突入する。 もともとの成り立ちが弱い幕府だった。 それにつけても土地。イコール米。 米作りに適した場所を求め、人々は土地を開墾し、広げ、住み着いた。 古来、アフリカで発生した人類も、食を求めてアジアまで移動した。 人類は食料を求めて、住まいを求めたのだ。 今日本でさかんにいわれるコンパクトシティ。 人口減の中、コメも作らない中、ほかの特産物でもなければ、 その土地へのノスタルジー、はたまた「先祖代々の土地だから」と、 その場を動こうとしないのは、歴史が見たら笑うのではないか。 怒るかもしれない。なんて贅沢な、と。 みな生きるのに、食うのに必死だったのだ。 いろんなことを思い起こさせる500ページ以上の超大作だった。

    1
    投稿日: 2024.05.31
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    生まれた家柄で縛られる人生の辛さを感じました。尊と直義の兄弟愛は素晴らしいですが、巻き込まれる周りの人々の心情は…。直義が亡くなって初めて独り立ちする尊氏には、何故か微笑ましい気持ちになりました。

    0
    投稿日: 2024.05.26
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    今年一番の読み応えでした。 長編なので覚悟を持って読まないといけませんが、とても興味深かったです 足利兄弟の人生、尊氏の弟、直義や、高師直の存在は全く知りませんでしたが、若い時から一緒にいても世が世なら、こうなってしまうのかという哀愁もありました。

    0
    投稿日: 2024.05.26
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    足利尊氏、実弟の直義や側近高師直を中心に鎌倉幕府崩壊、室町幕府開府や南朝との戦いなど盛りだくさん。  2段組のボリュームで南北朝時代という馴染みはないが、朝廷や武士が暗躍活躍している時代を読みやすく書いている。明日の敵は今日の友というようにどちらにつくと得になるのか常に考えている武士達が多いこと、敵がいなくなってからが本当の腕の見せどころなのだと感じた。開府し、安定を目指しているのにすれ違う思いに切なくなる。  ぜひ大河ドラマになってほしい。

    2
    投稿日: 2024.05.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    直木賞作品。 歴史ものは好きだが、室町幕府成立前後のものは読んだことがなかったし、足利尊氏目線ではなく、足利直義、高師直目線からの話であることも面白かった。 ただその分長かった。 足利尊氏像も含め面白く、勉強になった。

    1
    投稿日: 2024.05.13
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    今まであまりわかってなかった 南北朝時代、尊氏の評価が低い 楠木正成が英雄扱いされているのが よくわかった

    1
    投稿日: 2024.04.30
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    元来,時代小説はあまり読まないけれど、読み始めたらグイグイ引き込まれました。長編なので相当読み応えある作品ですけど、飽きることはありませんでした。史実ではどうか知りませんが、足利尊氏はじめ登場人物のキャラクターがそれぞれ立っていてそれぞれが生き残りをかけて暗躍しますが,一番茫洋といている尊氏が征夷大将軍まで上り詰めてしまいます。いつの世も人の浮き沈みは分からないものです。

    10
    投稿日: 2024.04.20
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    大作。一冊で数冊分あります。尊氏と直義、そして師直を巡る室町幕府成立期のお話。この時代の歴史を良く知らなかったので、大変勉強にもなったし、小説としても傑作でした。前半は足利家vs後醍醐天皇、後半は直義vs師直、そして最後は直義の最期。戦国大名の元がこの頃にあることも良く分かります。まだ朝廷の存在が大きかった時代。戦国時代とは少し違いますね。まるでオセロの如く敵味方が入れ替わる。統一というのは難しいんですね。物語としても秀逸。いつか大河ドラマになりますねー。

    6
    投稿日: 2024.04.20
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    質、量共、読み応え充分。 率直に足利尊氏ってこんな人なの! 室町幕府に馴染みのない私には とても興味深く、そして、面白おかしく。 これは尊氏の極楽ぶりのおかげ? 反面、最後の弟、直義との対立からは 読んでいて、とてもつらかった。 垣根さんの作品は時代小説でありながら ビジネス書に通じると思う。

    49
    投稿日: 2024.04.12
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    室町幕府の初代征夷大将軍となった足利尊氏と、 彼を身近で支えていった、実弟・直義と 足利宗家執事・高師直の生涯を描く。 極楽殿と揶揄され、やる気の無い、しかしカリスマな尊氏に 振り回される二人の、運命は如何に。 第一章 庶子 第二章 波上 第三章 朝敵 最終章 敵対 ・主な登場人物 ・参考文献有り。  直木賞受賞作品で、2段組みの550ページな長編。 完読に3日かかってしまいましたが、中断できない面白さ。 たまたまではあれど「現代語訳吾妻鏡」や鎌倉幕府関連、 中先代の乱、南北朝関連、観応の擾乱の書籍、 コミックでは「逃げ上手の若君」を読んできてたので、 「吾妻鏡」の人物たちの子孫や鎌倉幕府滅亡と南北朝の 人物たちが多く登場するのが良く、楽しかったです。 また、多くの資料で裏打ちされていることも、わかります。 鎌倉幕府の劣化から、後醍醐天皇の暗躍、そして雪崩のような 鎌倉幕府の滅亡。建武の新政前後の混乱、南北朝動乱の始まり。 そんな歴史の変遷の流れに逆らわぬ高波のような足利尊氏の姿。 呑気で明るい邪気無き鵺。自負心の無さと欲求の希薄さ。 それがため、多くの者たちが高氏信者になるカリスマ性も。 そんな彼を相変わらずの腑抜けっぷりよと嘆きながらも、 付き従う、理屈っぽく怜悧な直義と家政を仕切る師直。 ある時は共闘し、ある時は対立し、理解が深まる二人。 だが、室町幕府成立と初代征夷大将軍就任以後、尊氏は 政務は丸投げ。多忙と不信から二人の蟠りは徐々に 深まっていき、尊氏をも巻き込んでの観応の擾乱が起こる。 領地のため、一門のため、一族のためという鎌倉武士の 思いを引きずった人物たち。朝廷を維持したい天皇と公家たち。 多くの欲が渦巻く中での無欲の有り様としての、尊氏が コミカルで人間味過多で、こういう描き方もあるんだなぁと、 感心しながら読み進めました。 静と動の絶妙さ、戦闘場面の詳細さの凄みあれど、 ざんばら髪の騎兵集団爆誕!には笑ってしまう可笑しさも、有り。

    16
    投稿日: 2024.04.09
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    バチクソ面白かった 歴史好きと言っても 幕末と戦国時代に知識が偏ってるので、 尊氏が新鮮だった ただな〜 長い、もう大河ドラマ 万人には進められないな 歴史好きで 読書家を自称するなら 挑戦してみては!?

    8
    投稿日: 2024.04.07
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    めちゃくちゃ面白かった。間違いなく直木賞。 観応の擾乱についても勉強になった。 所詮人と人はわかりあえない。みんな己の都合で生きているし、それぞれに譲れない正義がある。その都合や正義という波に武士たちがのまれていく様が巧みに描かれている。 由比ヶ浜で始まり由比ヶ浜で終わる直義の人生が切なくて切なくて・・・。高師直との友誼、妻あきことの愛、如意丸を授かった喜び、直冬への愛情、鎌倉府への執着、武士としての矜持、公家の身勝手さへの怒り、武士の身勝手さへの呆れ、師直への失意、無念、後悔、兄への愛情、期待、失望、尊敬。己の人生への諦念。 大河ドラマのようなボリューム。 前半は後醍醐天皇と護良親王のキャラの濃さが強烈。楠木正成や新田義貞の活躍など歴史好きならたまらないシーンも。 後半は師直と直義のすれ違うさまが丁寧に描かれている。師直としてはやはり比叡山がトラウマだったんかな。僧兵も怖いけど、捕虜をためらいなく殺す比叡山そのものが恐ろしすぎ。織田信長が後に焼いたんもわかる。これが今後の二人の考え方を分けることになったのかも。 この二人のすれ違うさまが歯がゆい。でもどうすることもできなかった。 二人の目標は同じでも、生まれも育ちも立場も違えば、彼らを担ぐ人々も違う。 師直が殺された日に直義が死んだのも、盟友としての二人の運命を感じる。

    7
    投稿日: 2024.03.24
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    征夷大将軍·源尊氏のイメージが覆る一冊。歴史はからっきしなので、どこまで史実に忠実なのかの判断は難しいが、征夷大将軍という地位に関しては大器晩成も甚だしい。幼い頃からものの見方に他とは違う尺の長さを感じさせていたが、世間が尊氏に晩年になってやっと追いついたような感もある。直義な師直がいなかったらもっと早くに開眼していたのかもしれないとも思うが、彼らがいなければこうはならなかったのだろうとも思う。戦国の世の切なさやり切れなさも堪らない。

    1
    投稿日: 2024.03.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2024.3 直木賞は私の感性には合わない物が多い。足利尊氏ってこんなにダメダメだったのか?垣根さんらしいキャラクターだったけど。ちょっとデフォルメして遊びすぎな気がします。

    1
    投稿日: 2024.03.20
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    大河ドラマを読んでいる感じ。兄弟、側近たちのやりとりにクスッと笑えるものがあり、そこが良かった。日本史を再び勉強し、時代小説をよりよく味わいたいと思えた。

    5
    投稿日: 2024.03.20
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    本書の主人公は室町幕府を樹立した足利尊氏であるが、その弟の直義と師直の視点から物語が進んでいくような形式となっている。尊氏は終始一貫して心の内面については描かれず、人ではない得体の知れない何かとして第三者視点での描写がなされる。 尊氏は容れ物であり、それが故(本人の意思とは無関係に)天下人に駆け上がっていく。本作はその過程としての鎌倉幕府の討幕から尊氏の死までの物語となる。 本作は2023年に第169回直木賞を受賞した作品であるが、それに相応しい良作と言えよう。

    2
    投稿日: 2024.03.19
  • 世間は傑物でも倒せない

    最新の歴史研究に基づく令和版の太平記。 これまで描かれてきた色情魔で悪逆非道の高師直像や、英雄あるいは策謀家としての足利尊氏像は否定される。 じゃあこれが実像で史実かと言われれば、そんなことはおそらくないだろう。 太平記はあくまで軍記物語であり、いまだ作者も特定されておらず、成立年も不確かだ。 登場する武将の子孫が「活躍が書かれていない」と言ってどんどん書き替えられていった経緯もある。 なら史実としての信頼性も低く歴史的な価値もないのかと言うとそんなわけはなく、歴史上これほど日本人の思考の枠組みを規定してきた本もないはずだ。 その意味で、太平記という本はこれまでない新しい歴史書だった。 参考文献の一番目に出てくる亀田俊和の『観応の擾乱』を先に読んでいたので、この中で示された新たな解釈をもう小説に取り込んでいて凄いと感心した。 単にエピソードを断片的に拝借してというレベルではなく、新たな尊氏像とも整合性を保つ一貫したストーリーの肉付けがなされているので、物語として違和感がないばかりか、ちょっとこれ以外の解釈を受け付けなくなりそうなほど。 直木賞の選考会では委員たちから「読むのに時間がかかった」などと不平を言わしめるほど長大だし、宮部みゆきが「お勉強本」と評すほど、小説としての面白みが薄いとの辛口の評価もある。 確かに風景など情景描写はほとんどなく、物語も年記風に淡々と綴られ、登場人物たちの会話も平凡。 とりわけ選考委員たちが口を揃えるように、尊氏に対する直義と師直の反応があまりにもワンパターンなのは確か。 ただこうした瑕疵は本書に限らず歴史小説全般にも言えることだし、新たな尊氏像(ただし伊藤潤の『野望の憑依者』など先行例はある)を提示し、自分なりに解釈した太平記を描く事を目的にしているので、その意味では大変な労作だと思うし、大満足な一冊だった。 唯一の不満は、タイトルがちょっと能天気すぎることと、もっとエキセントリックな尊氏像を期待していたので、それが少し穏当なところに収まったことぐらいか。 それにしても足利尊氏という人物は、知れば知るほど好きになってしまう。 絶頂期に隠居を宣言したり、学界でも長年頭を悩ます不思議なキャラクターだ。 躁鬱病なのではないかと思うほど感情の起伏が激しく、弓がどんどん飛んで来てもだんだん楽しくなってきて笑い出すなどちょっとヤバい。 英雄的な所がなくド天然の愛されキャラで、リーダーシップのないリーダー。 戦前は三度も裏切った逆臣・朝敵の象徴で、尊氏を擁護した政治家は失脚すると言われたほどの嫌われ者。 そもそもが足利家の次男坊で、しかも側室の庶子という日陰の存在。 長兄が若くして死ななければ家督を継ぐはずもなかったし、当初はその子が元服するまでのツナギのはずだった。 近臣の者からも力量を危ぶまれ、影で極楽殿と嗤われていた。 その評価が一変していく過程は本書に描かれる通り、最初の討伐軍の遠征における尊氏の振るまいかもしれない。 本来なら初陣で華々しい戦果を挙げて見返すというパターンが正攻法のばすだが、直義が頭を抱えるようないつもの能天気な尊氏の返答が、意外なことに大器量の持ち主と持ち上げられることになる。 そんなわけあるかよって普通は突っ込みを入れたくなるが、そうでないとその後の展開の説明がつかないのだ。 確かに遠征後、尊氏の評価は幕府内で急速に上がり、北条家からの嫁取りの話にまで進むのだから。 ツナギの存在がいつのまにか衆目の一致する頭領にまで変貌を遂げ、やがては北条家から警戒される存在にまで肥大していく。 しかし尊氏本人は、ほんとはそんな当主の責任なんか進んで背負い込みたくなんかなかったし、和歌のうまい鎌倉御家人で一生を終えればそれで良いと思っていたに違いない。

    0
    投稿日: 2024.03.13
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    信長の原理と同じ作者。ユーモアがあふれる大作で、鎌倉時代の歴史言葉など検索しながらで読むのに体力が必要だが、史実に基づいた感動巨編。直木賞。

    2
    投稿日: 2024.03.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    またまた、歴史小説の直木賞受賞作 足利直義と高師直の口から語られる、室町幕府成立までとその後 幕府成立まではとても興味深く読めたのですが、その後はちょっとしんどかったですね 北条義時の冷酷さと打って変わって、尊氏像は大河の主役に成れそうです 後醍醐天皇の灰汁の強さも強烈 後半は登場人物も多く、説明口調の権力闘争が続き、だれ気味 尊氏の話に帰結して、物語としては締まってはいますね

    5
    投稿日: 2024.03.09
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    これまでも小説や映像作品等で歴史モノはいろいろと見てきたが、このあたりの時代に触れる機会はなかった。「太平記」がベースになっており、そこに作者なりの解釈やオリジナリティを加えている作品となっている。 かなり長い(550ページ、かつ2段組構成)ので中だるみは多少あるものの、一言で言えばめちゃくちゃ面白い。主役は足利高氏、そしてその弟である直義であるわけだが、その周りを固める高師直、赤松円心、そして敵対する新田義貞、楠木正成あたりのキャラクターも丁寧に描かれていて引き込まれる内容となっている。そして何より強烈なのは後醍醐天皇。強烈な歴史上の人物といえば、織田信長をはじめとして戦国時代に多いイメージがあるが、後醍醐天皇も相当に強烈。 正直歴史上はあまりパッとしな時代かと思っていたが、ここまでいろんなことがあった時代だとは驚き。しかし本当にこの時代の人たちはこれだけの知略を巡らせ、日々裏切り裏切られの中で、自分たちの家を守るために奔走していたのかと思うと頭が下がる思いだ。 さすが直木賞作品、良い作品を見させてもらいました。

    20
    投稿日: 2024.03.03
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    太平記を読んだことがなかったので、直義が優秀だけど最後裏切って、、ということしか知らなかったけど、兄弟愛と絡めて面白く読めた。ただ応仁の乱と同様、裏切りにつぐ裏切りで、後半はしんどかった。

    2
    投稿日: 2024.02.25
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    しまった!本を開いた瞬間に思いました。 まさかのハードカバーそこそこの分厚さでかつ上下2段組! 歴史物で2段組なんて重たいに決まってる。 ということで覚悟して読み始めました。 足利尊氏のことは知っていても室町幕府の始まりってよく知らない。。。ということで興味は持って読めました。だから史実に忠実なのか、脚色が多いのかは私には分かりかねるのですが、展開的には史実に忠実な印象を持ちました。 頼りないけど懐が深く時勢の見極めに長けた兄と実直でフィジビリティの高い弟の兄弟が如何に鎌倉幕府を倒して室町幕府を築き、亡くなっていったか、というお話。 似たような展開が何度かあるのですが、人間味あふれた兄弟のおかげで最後まで読めたかな。 骨太な歴史物が好きな方には良いかと。終わり方も潔い。私には少し長すぎたけど、読み切るだけの物語はありました。 2024.2.25 33

    9
    投稿日: 2024.02.25
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    3.8 これまでの、 私の中の足利尊氏という人間像を根底から覆す…という意味ではとても楽しく読めたのだが、尊氏のダメっぷりがワンパターンで延々と続くため、「もうわかったから」…と(笑) その、 「厭世」とも「諦観」とも異なる独特な感性で天下を手に入れ、その感性故に大切な人々を失って行く皮肉

    1
    投稿日: 2024.02.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    室町幕府への道。 時代の潮目。 庶子の幼き兄弟時代から物語が始まり。 弟の高国と、足利家の家宰師直の視点で語られる。 鎌倉幕府 源氏を担ぎながらの平氏北条家の執権政治、粛正。 天皇と⁉︎源氏に取り戻した⁉︎ 極楽殿と呼ばれる高氏。 史実も淡々と語られ、大潮に乗った⁉︎ね。 面白かったぁ。 〜頭陀袋同然であるからこそ、かえって万人に受け入れられる〜    担ぎやすい そして、最終章 敵対へ 世の常なのかと。 いつも尻上がりに、加速していくのだけど…。 最終章がなんだか…ボリュームありまして。 読み進めるのに手こずりました‼︎

    2
    投稿日: 2024.02.23
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    足利尊氏や直義、高師直、そして室町幕府の立ち上げ期のことはほとんど知らなかったので新鮮でした。 思っていたより混乱した時代だったようで、人間の性というのは恐ろしいものだと感じました。 それにしてもこの本は長かった。。

    2
    投稿日: 2024.02.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    鎌倉幕府というのは頼朝以下3代の将軍以降、北条家によって支配された。北条家は次々と周囲のものを誅殺し、執権として生き残ってきた。足利家も北条に気を遣いつつ生きてきたがやがて、高師直らに支えられ、やがて征夷大将軍となる尊氏の生涯を描く。野心もやる気もなく、才があるのかないのかわからぬ凡庸と思われていた人物の「魅力」を描くと同時に、室町時代の「混沌」の理由を描いている。最後まで読み終わっても、混沌を紐解くことはできない。

    1
    投稿日: 2024.02.20
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    臨場感溢れる描写で、歴史が苦手だった自分も興味深く読むことができました。子供の頃に読んでたら歴史が好きになってたかも。

    1
    投稿日: 2024.02.20
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    読書仲間から面白いと聞いていたけど、本当に面白かった。 歴史に詳しい人はツッコミを入れたくなるのかなぁ。私は学校で苦手だったところなので、ようやく流れを理解できた気がする。 2段組で最初は怯んだが、文字間が空いているせいか、意外に読みやすい。 信長の原理も面白かったな、と思い出した。

    1
    投稿日: 2024.02.18
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    足利尊氏と足利直義の兄弟の人生を、直義と高師直の視点から描いた物語。室町幕府成立までは、兄上の憎めないキャラやら何だかんだ仲良しな兄弟関係やらにほのぼのしながら読めたのに、幕府ができた途端に内輪揉めの連続で、終盤はかなり重い展開だった。みんなが幕府を守りたいはずで、誰が悪いわけでもないのに殺し合いになってしまい、切なかった。 読み終えてから、どのくらい史実に基づいているのかをWikipediaで調べてみたら、大筋では史実に忠実なストーリーになっていると分かって驚いた。こんなに波乱万丈な時代なら、いずれまた大河ドラマでじっくり扱ってもらいたい。

    4
    投稿日: 2024.02.05
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    これは実話なのかな? 足利尊氏、室町幕府を作った男の波乱の人生。 とても面白く読ませてもらった。すごい大作だと思う。

    2
    投稿日: 2024.01.25
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    2024.01.25 足利の2人の足跡を丁寧に追った快作だと思います。 尊氏は将軍になりたくてなったわけではないというところが最大のカギとなっているが、人間の欲望からいって、そこが本当なのかなと考えながらも楽しめた。

    1
    投稿日: 2024.01.25
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    室町幕府の開祖、足利尊氏、その弟 直義の物語である。またはその家族(兄、尊氏も) の物語でもある。 日本史の中で苦手だった辺り〜 後醍醐天皇、建武の新政、高師直、 そして南北朝時代。 この本を手にして少しは理解できた…とも言えない 自分に気が付く。 歴史の波に呑まれ揺す振られザンギリ頭に惑わされそして、幾多の死を見つめる彼ら。(ザンギリ頭という表現は明治維新のモノばかりではない!) 今に続くその波は同じくして、現代人をも惑わしているのだな、と思う。 軍記物、読みにくいという先入観で始まってはみたけれど当の征夷大将軍、尊氏の魅力的な(とは言い難い?)存在がツボにはまって楽しい読書タイムを こんなに長く持てました。 そしてまた、ずっ勘違いしていたあの騎馬武者の絵は実は!とわかったのが一番の収穫でしたね。

    13
    投稿日: 2024.01.23
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    ──人は欲で惑う。それは煩悩である。 しかし、欲が人を動かす─ この壮大な物語は、欲と無欲がテーマ。 無欲が果たして、どのようにして天下人に化けるのか。 足利尊氏、後醍醐天皇、楠木正成、新田義貞など歴史上の人物以外にも、あまり馴染みのない名前が多数登場するので追っていくのも必死。 それでも読み終わった時には、もっと触れていたかったと思えた。 歴史ジャンルで無欲といえば『足軽仁義 三河雑兵心得』シリーズの植田茂兵衛が思い当たる。出自が卑しく出世欲がない点で共通する。もっと言うと、人を押し除けようという気がない。この2つの作品がもつ魅力は同じかもしれない。 無欲はガマンや清貧などとも違うようだ。それは、2人とも波を見極めるのが上手いことから分かる。波とは、人の感情や欲とも見れる。欲がないことが、冷静に欲を御する力、人を見る力を与えてくれるのかと思う。 この2人のつながりに、なんだか考えが深まったような気がした。 欲まみれの垣根作品(笑)の中から、この物語が誕生したことが意味深く面白い。

    20
    投稿日: 2024.01.23
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    「面白かったから是非読んで」と貸して下さった本。 分厚い…。 中身も上下段で文字がびっしり…。 足利尊氏なんて室町幕府の将軍でも何をした人か全然知らない…。 だから読み終えるのに半年もかかってしまった。 作中の歴史もうろ覚えだったから、何度も日本の歴史(漫画)を読む。 成人したら名前が変わるし、武蔵野守とか同じ人物でも複数の呼び方するから誰かわからなくなる・・・。 基本的に困難を乗り越える登場人物が好きなので、この尊氏は頼りなくでイライラさせられる。 合戦の場面は、マジで読み始めたら眠くなってきてページが進まない… それでも最後まで読んだ自分を褒めていいだろうか。。。

    2
    投稿日: 2024.01.20
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    分厚い本だなーと思ってたら、まさかの二段編成!老眼と戦いながら、やっとこさ読了。 室町幕府のあらすじは日本史で習った程度だったので、こんな背景があったと知ることができて良かった。 尊氏みたいな人っているんだよねー。母性本能をくすぐられると言うか。途中、作者の尊氏に対する明らかなダメ出しコメントがあって笑えた。

    3
    投稿日: 2024.01.20
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    垣根良助作品なので読む。 手に取り、開いてびっくり! 549ページで、二段ときた! 実質1,000ページ越えの分量。 尊氏、直義兄弟が庶子でぶらぶらしている時代から始まる。 長子が夭折し、尊氏が又三郎~高氏~尊氏になるまでの超長編。 何年か前に大河ドラマ「太平記」の再放送を観ていたので、ストーリーが容易に追えたが、この時代に興味のない人はさぞ難しいかも。

    1
    投稿日: 2024.01.17
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    足利尊氏を、基本的には実弟の直義と高師直の二人の視点から描く。 時には直義の視点・心理に立ち、時には師直の視点・心理に立つ。それぞれの思いに悩みながら、幕府や足利家の在り方を考え抜いていく。そこに絡んでくる尊氏の存在。彼の動きに、最後までハラハラドキドキモヤモヤさられる。

    3
    投稿日: 2024.01.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    良い。 直木賞に相応しい、娯楽時代小説。上下、あるいは複数巻に分けてもいいくらいの長編。なかなか頁が進まない。でも面白い。 足利尊氏、弟、他に助けられて室町幕府を設立した様子がよくわかる。史実は知らないが。 時代が人物を必要とし、マッチした時に動くと感じた。

    1
    投稿日: 2023.12.30
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    超大作。傑作である。 尊氏の水の如き私心のなさ、直義の剛直さ、師直の頑固さ。 歴史は何故にこうも繰り返すのか、最終章の敵対は悲しくて辛い。

    2
    投稿日: 2023.12.29
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    「やる気なし 使命感なし 執着なし」。ヒーローじゃなくフツーに普通。  でも、そんな人が周りの人をエキスパートにするのかも。  役割は誰にでもあるのだ。優秀である必要などないのかもしれない。  優秀であるより、自分自身であることのほうがよほど大事だと思う。  長いので読み終えるかどうかもわからない。 最後まで読めない本も沢山ある。積読もある。 そのままBOOKOFFに読まずに行った本もある。これでいいのだ。

    12
    投稿日: 2023.12.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久々に、二段組みの分厚い本に挑戦。 「鎌倉殿の十三人」の記憶が新しいだけに、 鎌倉幕府と北条氏の末路を感慨深く思いながら読んだ。 むかし「太平記」を読んだはずなのだが、 足利尊氏の人となりについてはまったく覚えておらず、 こういう解釈もありうる人物なのか、と興味深かった。

    3
    投稿日: 2023.12.20
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    室町幕府の初代征夷大将軍足利尊氏を描いた、直木賞受賞作。 尊氏は無責任なお人好し(何故か武士達に好かれる)で、尊氏の実弟で実務に長けた直義と足利家の重臣高師直の視点から、彼らの時代が紡がれます。 多分、日本史に詳しくなくても大丈夫のはず(名前がややこしい問題だけは回避不可)。 直義と師直が奔走するも尊氏の天然の無責任でピンチ回避、というパターンが繰り返しますが、楽しく読めます。直義と師直、そろそろ気付けよ!とは思いましたが(笑) ただ、2段組500頁超は長かった。

    6
    投稿日: 2023.12.19
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    室町幕府を開いた足利尊氏についての小説は少なく、その人となりは謎に包まれている。 本作では意思もなく、欲も執着心もない尊氏が何度も窮地を迎えながらも弟直義、執事高師直に支えられ、幕府を開く姿が描かれている。幕府成立後に起こった高師直と足利直義の内紛を通しても変わらない尊氏が両名の死後、将軍としての才能を開花させる様子はやはり立場や環境が人を作るというところに通じる。

    1
    投稿日: 2023.12.17
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    長くて途中で挫折しそうになったけど、話自体は面白かった。足利尊氏、直義の一生が描かれている。この時代の歴史小説は初めて読んだけど歴史の授業でやったことがまあまあ覚えてて勉強してて良かったなと。室町幕府成立までとその後で大きく話が変わってて、特に後半の直義と高師直の対立は読んでてもどかしくなった。お互いがそれぞれの正義を掲げて行動して結局対立してしまうのは一緒に討幕をした2人の仲を考えると悲しい。最後の方で尊氏の成長が描かれてて、直義と師直二人が支えてたせいで自立してなかっただけで才能はあったんだなと。

    7
    投稿日: 2023.12.16
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    足利尊氏はこうして室町幕府をひらくことになったのか、そして尊氏が初代征夷大将軍となってから、こんな足利家の対立があったのかと、とても長かったけどとても興味深く楽しめる作品でした! 室町時代後半の戦国時代や、江戸時代などを描いた歴史小説は読む機会も多いですが、室町時代の作品は初めてでしたので、今回この「極楽征夷大将軍」を読むことができ、また新たに時代を知ることができました。 ***ネタバレ*** 共に足利家をもり立て幕府を開くために奔走した直義と師直が、幕府を開いてから二人の対立が待っていたなんて思いもせず、ちょっと切なくもある物語でした。

    7
    投稿日: 2023.12.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    第169回 直木賞 受賞作 垣根涼介作品 実は初作家さん 直木賞作品ということで手に取ってみました。 本を開いて・・・・(うっ 二段組・・・・これは長くなりそうだ)と怯んでしまった。 初印象の通り 長かった。 足利尊氏・直義兄弟の幼少期から始まり、後醍醐天皇との南北朝の争い。 室町幕府が始まっても あちこちで起こる戦。 史実を丁寧に追っているだけに 出てくる人物が多すぎて、名前が似すぎて 直がいっぱいだけど(タタなの?ナオなの? あなたは誰の子?!)と エセ歴女の私には手を出してはいけない代物でした。 それでも 生まれた家によって、順番によって、役職によって、それぞれの人生が動き出し、その時々の世論の流れに翻弄されながら  時代を生きていく足利兄弟と高師直の人生 おもしろかったです。 この時代が好きな人、本物の歴史好きさんにおすすめの1冊です。

    2
    投稿日: 2023.12.13