
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
よかった。この話は家守奇譚の続編。前作もかなりの名作。前作は水墨画のような幻想的な印象だった。今作は、テイストはそんなに変わらないけど、色彩が豊かな印象。活力を感じた。 名作の条件は、余韻があるかないかだと思う。冬虫夏草、これは余韻がすごい… なんかもう泣けたわ。なんで泣けたのかわからん。50近くもなるおっさんが、涙腺が緩くなっているとはいえ、最後には涙を目に溜めながら読み終えた。最後のページの余白を少しの間読んでいた。うん。よかった。 手に負えぬ煩いは放っておけ。 このフレーズにいろんな想いが詰まっているよなぁ。グッときた。
1投稿日: 2026.08.07
powered by ブクログ2004年1月30日に発売された『家守綺譚』。その続編にあたるのが2013年10月31日販売の本書『冬虫夏草』。幻想小説の類になるのかなぁと思う。 私が『家守綺譚』を読み終わったのは2025年の12月24日のことで、いかにも冬らしい頃だった。というかクリスマスだった。 クリスマスムードの頂点で明治三十年くらいの時代に生きている主人公・学士綿貫征四郎(わたぬきせいしろう)の暮らしぶりを読むのは、全然空気感が合っていなかった。そのせいだと思う。この本は四季折々の物語が記されているようで、冬が欠落している、と気がついた。そういえば、夏の盛りの描写も無い。この物語の世界は気持ちの良い季節だけを巡っている極楽めいた場所なのだろう、と思った。 『家守綺譚』はすべて植物名の全二十八章から成り立っていて、最初の章が「サルスベリ」だ。綿貫の住む家の庭でサルスベリが二十年ぶりに満開の花を咲かせたところから物語が始まる。最後の章は「葡萄」で終わるのだが、その章でサルスベリがほころび始めているという記述があるため、物語の最初の季節に向かっていることが分かる。少し不思議な日常の小編を寄せ集めて成り立っている本だと思いながら読んでいたので、最後に季節が円環の形を成していることに気がついたときには驚いてしまった。この大きな構造のなかで綿貫とその親友の高堂が「また来るな?」「また来るよ。」と互いの再会を確認しあっているのがとても美しかった。 そして今度は真夏に読んだ続編『冬虫夏草』だ。今回もすべて植物名で章立てされていて数は全部で三十九章。 ・クスノキ ・オオアマナ ・露草 ・サナギタケ ・サギゴケ ・梔子(くちなし) ・ヤマユリ ・茶の木 ・柿 ・ショウジョウバカマ ・彼岸花 ・節黒仙翁(ふしぐろせんのう) ・紫草(ムラサキ) ・椿(つばき) ・河原撫子(かわらなでしこ) ・蒟蒻(こんにゃく) ・サカキ ・リュウノウギク ・キキョウ ・マツムシソウ ・アケビ ・茄子 ・アケボノソウ ・杉 ・タブノキ ・ヒヨドリジョウゴ ・樒(しきみ) ・寒菊 ・ムラサキシキブ ・ツタウルシ ・枇杷(びわ) ・セリ ・百日草 ・スカンポ ・カツラ ・ハウチワカエデ ・ハマゴウ ・オミナエシ ・茅(かや) 『冬虫夏草』は『家守綺譚』のような本一冊のなかで円環する季節を持たない。『冬虫夏草』で書かれる季節はほぼ秋で停滞する。 本の前半で綿貫の愛犬ゴローがいなくなってしまう。ゴローは大変秀でた犬であり、迷い犬になることはあり得ない。ときどき神の使いのようなことを引き受けている類まれなる犬なのである。帰ってこないのには、何かのっぴきならない事情があるのだろうと綿貫はゴローを探す旅に出る。章の10番目「ショウジョウバカマ」からゴローがいなくなって、探しに出る話になるのだが、この一つ前の章「柿」から季節はずっと秋である。 ゴローを見つけられるか分からないというのもあるし、清廉な山や川には「霊」のような雰囲気が漂っていて、活き活きとした人や生きものの様子が描写されているにも関わらず、ずっと「死」の気配が漂う。旅の途中、途中で発生する交流にも老いや死のエピソードが混ぜ込まれる。私が数え間違えをしていなければ、綿貫はこの旅で色々な場所に5泊ほど宿を借りている。決して長い旅とは言えないが、色々と心をかき乱される旅であったことは察せられる。 『冬虫夏草』を読んでから思い出したのだが、『家守綺譚』の巻末には本編の後に主人公・綿貫征四郎が書いたという形式の髄筆が収録されている。題名は「烏蘞苺記(やぶがらしのき) 十一」。「紅葉の季節が去らうとしてゐる。」の一文から始まって、移ろいゆく世の中を儚む内心がつらつら綴られている。『家守綺譚』を読み終わった時には「物語の余韻を増すためのおまけみたいなものなのだろうな」とさらっと読み飛ばして、特筆するような感慨は湧かなかったのだけれど、「烏蘞苺記(やぶがらしのき) 十一」は恐らく、綿貫が『冬虫夏草』の旅で得た経験を元に記したものでは無いのだろうか。綿貫が旅している途中、主線の季節は秋なのだが、旅の終盤でおもむろに「セリ」と「スカンポ」といった春を感じさせる植物が綿貫にもたらされる。彼はそれに励まされることになるのだが、綿貫は冬の気配が近づく秋に心が塞ぎがちになるタイプなのかもしれない。 髄筆を記したということは、綿貫は旅から無事に家に帰ったのだろう。夏の真っ只中、私の近所でもサルスベリが満開の庭を見かける。綿貫が家に帰った時には『家守綺譚』の冒頭のようにサルスベリが満開になって、その帰りを喜んだりしてはいないだろうかと想像する。
20投稿日: 2026.08.07
powered by ブクログ1作目と変わらない空気感、ゆるさ。 作者の情景描写の丁寧さが光る作品。 自分がその自然の中にいるような気持ちになってうとうとしつつ、でもまた戻って続きを読んだりという最高の読書体験でした。 3巻目も待ってます。
0投稿日: 2026.07.24
powered by ブクログ梨木香歩さんといえば”西の魔女が死んだ”だよねと 思っていたのせすが、家守綺譚の後日談ですか? もう綿貫の気持ちになってゴローを懸命に探しました。 山に炭鉱の村が出来ていた事や安治川の大水、本当話を織り込みつつ、、野草が出て来る度々にぐぐって、 最後が感動ですね。
0投稿日: 2026.07.13
powered by ブクログ『家守綺譚』の続編です。姉妹編として『村田エフェンディ滞土録』があります。 『家守綺譚』と『村田エフェンディ滞土録』はずいぶん前に読んだのですが、本作はずっと積読したまま置いてありました。なぜなら、読んでしまうのがもったいないと思えたからです。 自分は子供のころ、好きなおかずは最後まで取っておくタイプの、いじらしさが際立つ、まことに無邪気でキュートな少年でした。その幼気(いたいけ)な性質(たち)が、大きくなったいまも残っているせいでしょう。面白いに決まっている本は、つい後回し、先送りにしてしまいがちなのです。自慢じゃありませんがご近所では、少年のような心をもった大人として、もっぱら評判のようです。 さて、この続編では、いまは亡き友人から家を預かっている主人公が、飼い犬のゴローを探す旅に出るお話です。 ゴローは放浪癖のある犬でしたが、人に可愛がられ、また世のため、人のために尽くし、働く犬でもありました。人に尽くすだけではありません。どうやら自然界のためにも貢献し、奉仕する役目を担っているようです。 そんなゴローが姿を見せなくなって数ヶ月、それまであまり構ってこなかった主人公もさすがに心配になって、ゴロー探しの旅に出ます。 風の噂によると、ゴローは鈴鹿の山をさすらっているようです。京都市内に住んでいる主人公は、滋賀の琵琶湖沿いの村々を経由し、三重県鈴鹿の山中を目指します。 まだ、天狗や河童、竜のほかにも、オオカミや人に化身したカワウソやイワナ、アマゴなどがいた頃のお話です。 旅の道中立ち寄った村では、亡き友が姿を現わしたり、お産で命を落とした年端もゆかぬ若妻の願いを聞き届けたり、あるいは天狗や河童に出逢ったり、人の姿をしたカワウソや竜と連れ立って歩いたりしながら、貧しくとも心豊かな旅を続けます。 近代社会は、なによりも科学を重視するようになりました。自分もまたそのような教育を受け、合理的、論理的でないものは受け入れない体質に仕上がっています。それにもちろん、自分は主人公と同じ時代を生きてきたわけでもありません。 でも、ここに描かれている、村里の情景や風情には、懐かしさを覚えます。このような暮らしをしてみたいとさえ思えます。どうしてでしょう? それはたぶん、本書の一節にあるように、森羅万象、大きく見れば、そもそもはひとつのもの。条件によって現れる特質、形状が違っているだけだと思えるからでしょう。 この物語に登場する人々のように、目の前になにが現れようと、受け入れられる大きな心を持ちたいものです。 https://note.com/b_arlequin
2投稿日: 2026.06.05
powered by ブクログ家守綺譚の続編 雰囲気はそのままで、綿貫が家を飛び出してゴローを探す冒険へ 余韻のある感じがとても好き 河童とか天狗や宿を営むイワナとか不思議な生き物なのに普通にいる描写なのが不思議と落ち着く感じ
0投稿日: 2026.05.13
powered by ブクログ梨木香歩さんが書く時に回収されない余韻が好き。 この余韻が言葉で説明し尽くされすぎないから、読者の心に残るんだと思う。 『家守綺譚』『村田エフェンディ滞土録』に続く話 ゆっくり読んで噛み締めたい話。 冬虫夏草、そうか、人間もそうだ。 と読みながら噛み締めた。
0投稿日: 2026.04.19
powered by ブクログ『家守綺譚』の次作があることをだいぶ後になって知りました。 飼っている柴犬のゴローを探しに、主人公が旅に出る物語。旅先で犬の特徴を説明するシーンでは、あまりに熱く語るので読んでいて可笑しくてなってしまうのですが、いかにゴローを大切に思っているのかが伝わってきて感動します。 ごく自然に異界の住民が登場し、じわりじわりと胃に染みてくるような面白い文章がとても良いです。大好きなシリーズです。何度でも読みたいので本棚にあります。
0投稿日: 2026.02.24
powered by ブクログいざという時のために取っておいた秘蔵の一冊。鈴鹿の山々を満たす清涼な空気、沢のせせらぎ、秋草の彩り。冬の間、長らく恋しく思っていた自然が目の前に広がった。 番犬ゴローが行方不明となり、わずかな手がかりをもとに最後に目撃された山へと分け入る綿貫。前作の『家守綺譚』では妖や霊、人がひっきりなしに彼のもとを訪れたのに対して、本作では彼自身が赴く。河童、天狗、赤竜に、イワナの夫婦。坊主に神主、村の人々。様々な存在とのささやかな邂逅がささくれだった心に沁みる…。最近寺社仏閣巡りにハマっているのもあり、あちこちと寄り道をする主人公に自分を重ねながら読んだ。辛い現実からしばし目を逸らさせてくれたかと思いきや、今後の顛末を思うと少しばかり苦い思いが残る。いずれにせよ一文一文に癒されたことは確か。辛いと思った時は何度でも読み返すだろう。
0投稿日: 2026.02.06
powered by ブクログこの世界から抜けたくなくて、ずーっと読んでいたくて、でもいなくなったゴローのことも気になって…って思っているうちに読み終わってしまった。この世界がほんとうにだいすきで、読み終わっちゃったかあ、って今しょんぼりしている。人も、人ではないモノも、なんだかみんな愛しい。どちらも必ずやさしいわけではないのだろうけど、それでもこの世界ではいたわりあっている感じがして、とても心地良い。こんなにぶっ刺さるシリーズには滅多に出会えないと思うんだ…。わたしが死んだら一緒に棺桶に入れてもらうおう。
0投稿日: 2026.01.11
powered by ブクログ『家守綺譚』の続編。行方不明のゴロー(犬)を探す旅に出る征四郎。行く先々で出会う不思議な出来事。河童や天狗が当たり前のように出てくる。前作と合わせて、読書とガーデニングが趣味という人には絶対おすすめ。寝る前に一遍ずつ読んでいくと良い夢見られるかも。
0投稿日: 2026.01.01
powered by ブクログ読み終わりたくなかったけど読み終わっちまった!2025年の100冊目に相応しい作品だった!! 家守奇譚からの村田エフェンディ滞土録からの…冬虫夏草!!!最高のシリーズだった。 夏目友人帳とか好きな人本当に読んでほしい… この作品を紹介するならまず家守奇譚を読んでほしいのであえて紹介はしないんだけどとにかく最高だった、本当に心の底からずっとずっと読んでいたかった。 特に桔梗と寒菊が好きだったな、どっちも泣いたし、主人公である綿貫を私はすでにめちゃ信頼してるんだけどそれをさらに強固にさせてくれる感じ、非常に好きだわ〜。 あーー、最高だったなー。このシリーズの3冊はいつでも読めるように買う!!家にあってほしい! 今年の100冊目でした、ありがとう!!!!
8投稿日: 2025.12.31
powered by ブクログカッパや天狗が普通に出てくる、ファンタジーというか民話というか。初めは呆気にとられるが実に興味深く、ありそうな気がしてくる。
0投稿日: 2025.12.08
powered by ブクログ1話完結だったのが今回はゴロー探しの旅で、連作なので、ゴローは無事かと心配しながら先へ先へと読んでしまった。 2026/05/21 再読 Googleマップで地名を確認しながら読んでみた。高堂が言っていたのはダムに沈むっていうことだったんだね。 イワナ夫婦が作る生地鍋美味しそう。
0投稿日: 2025.11.15
powered by ブクログ「家守奇譚」の続編。 今回は、ゴローを探す旅の物語。 個人的には、 身の回りの生活に「あるかもしれない」と思える 風流が豊かに描かれた前編の方が好みだったかな。 とはいっても、 本編は、一冊の中での伏線回収が素晴らしく、 期待を裏切らず面白かった!
4投稿日: 2025.10.31
powered by ブクログ綿貫、旅に出る。ゴローを探すために鈴鹿の山中へ足を運ぶ。そこはそれ、うかつな綿貫故の不思議な出会いの数々。人なのか、人ならざるものなのか。夢か現か。そして、やっぱりうかつな綿貫が騒動の原因の一因である。ゴローが鈴鹿の山中を走り回っているのは、綿貫のせいなのか、ゴローの生まれ持った責任感か。神出鬼没の高堂のぶっきらぼうな一言が、厳しくも優しくも聞こえる。旅をすることは自分と向き合うことでもあり、知見を広めることであり、己の無知を自覚することでもある。どこへ行こうとも綿貫は綿貫なのがよい。
1投稿日: 2025.08.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
浮世のゴロー探し散歩。 ゴローよ、おまえ 忠犬だったのか。 ま〜っっっっっっっっっっっったく気づかなくて ゴメンなーーーーーー!!!! 忠犬というか、賢いとか利口な感じ。 浮世系かわいいワンコ、ラストの描写が尊いなっ、と。
0投稿日: 2025.08.17
powered by ブクログ『家守綺譚』続編。 姉妹編の『村田エフェンディ滞土録』から思いがけずはじまった梨木香歩一気読みターン、最高の夏休みでした。 今作の綿貫くんはゴローを探して旅をします。 旅の過程でもやっぱりたくさん不思議なことに出会うんだけど、それをすんなり受け入れて進んでいく綿貫、本当に良い奴で気持ちが良い。 ゴローに出会えたのかどうか、ぜひ読んで確かめてほしい。 赤竜とサラマンドラの話が知りたい方は絶対『村田〜』のほうも読むべき。あーあ、もっと読みたかったな。続き、出ないかな。
7投稿日: 2025.08.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「家守綺譚」の続編。 前作よりも現代的な文体になっていて、前作の語り口が好きだった私としてはちょっぴり寂しい気もしましたが、前作同様「あるものをあるがままに受け入れる」という梨木氏の哲学が貫かれている。 「そのときどき、生きる形状が変わっていくのは仕方がないこと。(中略)人は与えられた条件のなかで、自分の生を実現していくしかない。」 こちらも見事な一作でした。続きを読みたい気もするのですが、この作品で終わりのようですね。名残惜しいです。
1投稿日: 2025.07.22
powered by ブクログゴロー!!!!居なくなってしまうとは悲しすぎる!ゴローを探しつつ、イワナの夫婦が営む宿を目出して旅に出る主人公。出会う人々や景色など、家を飛び出しても不思議な世界観はそのまま。主人公の見えている世界は、まるで子供の頃見た無限に広がるキラキラした世界の様である。
0投稿日: 2025.06.04
powered by ブクログなんか良かったなあ。言葉にしづらい良さ。 軽快で、安心して楽しめる。 ものすごくイメージしやすい文章の中に、時折不思議な生き物(?)たちがさも当たり前のように登場して少し混乱する、そんなのも全部楽しかった。 どうやら前作があるようで、それも読んでみたいな。
0投稿日: 2025.05.24
powered by ブクログ大好きな家守綺譚の続編。相変わらず読んでいてずっとこの世界にいたい読み終わりたくないという気持ちになる。 明治時代が舞台のこの作品、ファンタジックとか幻想的という感じではなく、解説にもあったが科学的ではない出来事があくまで普通の世界として淡々と語られていくところが不思議と心地良い。これを読むと科学の常識で縛られた世界って安心するようで窮屈で居心地が悪かったんだなと思えてくる。 綿貫、高堂、南川、犬のゴロー、河童の少年、、、 綿貫と友人たちの会話がなんとも好き。みんなそれぞれいいキャラ。淡々とした中にそこはかとなく漂う綿貫の高堂へのなんとも言えない感情が良い。ゴローは相変わらず素晴らしい犬でたまにしか出てこないのに愛おしいし、河童の少年はすごい達観しててじわじわくる。生き物たちがその辺の人間よりしっかりしてるのが面白い。 マツムシソウの話も、主人公が戦国時代の武将に思いを馳せる滝の話もしみじみと良い。 これから何度読んでも楽しめる作品だと思った。 家族中に家守綺譚も含めて勧めまくっているけどまだ誰も読んでくれない。。。 私の中ではこれ読まないなんて人生損してると言っても過言ではないほど大好きな世界 ゴローみたいな犬飼いたい 他の方の感想を見ていたら、主人公が旅しいつの日か水の底に沈むことになると作中で言われたこの物語の舞台が今はダムになっていると知って、前作よりメッセージ性を強く感じたのは現実とリンクしているストーリーだったからなのだと衝撃でもあり切なくもあるし改めて尊い作品だと思った 梨木香歩さんの文章と世界観、ユーモアのセンスは本当に素晴らしくて読み進めるたびに感銘を受ける。何をとっても抜かりがない作品 アニメで例えるなら夏目友人帳よりも静かで雰囲気があり蟲師っぽくもあるけどあの作品みたいな暗さとか悲しみみたいのはない。 好きすぎて長くてまったく纏まりのない感想になった
16投稿日: 2025.03.23
powered by ブクログゆっくりと読めてよかった 世界観が非常に良い 私もこんな世界でのびのびと生活したいなぁ でも最後の方は飛ばし飛ばし読んで終わってしまったから、また再読したい
7投稿日: 2025.03.13
powered by ブクログ感動出来るお話なのに、私には少し難しかったので途中飛ばし飛ばしに読んでしまった 何年か後にゆっくりじっくり読みたいです
8投稿日: 2025.02.05
powered by ブクログ人それぞれ、見えているものや見えている景色が違うのは当然のことなんだけど、それを改めて実感する。そういう作品だと感じました。 どこか不思議な感覚になりました。
1投稿日: 2025.02.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
物書きの綿貫は非日常的な日常を過ごす中、いなくなった犬のゴローを探すため鈴鹿に向かう。 ひたすらどんどん歩いていく少し昔の旅。愛知川に沿った旅なので河童やイワナの夫婦など水辺の不思議な生き物との邂逅が多い。 高堂もくせつよ(今回出番があまりない)だけど今回はさらにくせつよつよの友人・南川が印象に残る。個人的におかみさんの出番が少なかったのがちょっと寂しい。 ゆったりした世界観を存分に味わいました。続編が出たら嬉しい。 永源寺から車で20分ぐらいのところにコストコができてGoogleマップで見ると道路が綺麗になってますね。でも田んぼも多くてこれ以上開発されるってこともなさそうな気がするし今の状態でさらに月日が流れていくのかなぁ。
3投稿日: 2025.01.31
powered by ブクログ家守綺譚の主人公が犬を探しに旅に出る。 怪異といえばそうだけどもっと優しい不思議な話。 各話タイトルの植物も知らないものが多い。 ゴローが尻尾振って駆けてくるだけで目頭が熱くなる(多分満面の笑み
10投稿日: 2024.11.19
powered by ブクログ「家守綺譚」の続編になるんかな? とりあえず、主人公は同じ。 このゆっくりと流れる空間というか…ええ感じ。 主人公の家がね。 前にも書いたけど、安倍晴明の家みたいな感じ。特に庭が自然のままな感じが。 自然との一体感が良い! まぁ、京都の疏水近辺が家なんで、ご近所といえばそうかも? ぽっかりと空いた異空間に入り込んでって感じやなく、自身が見えてなかった隣りにいる精霊たちが見えるような独特な世界観が良いね。 今回は、ワンちゃん探し(愛犬ゴロー)が目的の旅へ! 鈴鹿の辺になるんかな。 そこにも、天狗、河童、イワナが、人と共に暮らしてる。 こんな世界に老後暮らすのええかも? 色んな精霊たちと会いながら、ゴローを探す! あっ! 尻尾振って必死に走って、近づいて来る(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
95投稿日: 2024.11.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この物語の中にいつまでも浸っていたくて、毎日少しづつ時間をかけて読み進めた。 知らない植物や言葉が出てきたら都度調べながらゆっくりと。 昨日の続きから読み始めようと思って、本を開くが、昨日読んでいた物語の内容がパッと思い浮かばない。 少し戻って話を思い出してから読み進める。 面白くなくて話を忘れているのではなく、現実とそうでない世界との境界線が曖昧で物語に入るのに少し時間がかかるのだ。 最後、ゴローが此方に向かってくる時の文章が、自分の目が綿貫の目になったかのように、ありありと思いうかび思わず涙してしまった。 家守奇譚と冬虫夏草はこれから先、何度も読み返す作品だと思う。
5投稿日: 2024.09.23
powered by ブクログ家守奇譚に続いて、不思議な味わいの世界観に没頭できた。この征四郎の旅のルート、いつか自分も歩いてみたい。
4投稿日: 2024.09.08
powered by ブクログ『家守綺譚』の続編。 前作同様、何事も分け隔てなく受け入れる征四郎の有り様が気持ちいい。 最後、頭に情景が浮かんで、霧が晴れたようなすごく晴れやかな気持ちになった。 ゴローの冒険譚もなかなかだったに違いない。 征四郎とゴローの帰路はどんなだったろうか。 前作『家守綺譚』を読んで祖父母の家を思い出したが、今回、鈴鹿山脈が出てきたことで、そう遠くない地方だったんだなと改めて気がついた。 また読もう。
2投稿日: 2024.08.16
powered by ブクログ前作『家守綺譚』を読んでからというもの、すっかりこの世界観の虜になってしまった。あっという間に読み終わってしまい、さみしい気持ちで本屋の梨木香歩のコーナーをふらふらと見ていたら、この『冬虫夏草』が続編だということが判明したので、嬉々として手に入れて読んだ。やっぱり好きだなあ。ふらっと現れる高堂と主人公綿貫の、さっぱりした友情がとてもいい。題名である、冬虫夏草は、作品を通して非常に重要なものだと思う。各章タイトルが植物の名前なのもやっぱりすごくいいな。また読み返したい。
1投稿日: 2024.04.12
powered by ブクログ初読。松子さんの話がよかった。綿貫から教えられた想像力という概念が、彼女の助けになったのだろうか。綿貫とのあの一時をずっと大切に覚えていた松子さんにとってあれは救いだったんだろうね。 あと、村田がトルコに行ってたのが自分が思ってたより長い期間だってことがこの本を読んでわかった。
0投稿日: 2024.03.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
家守奇譚に次ぐ作品。西魔女と比べると、文体が慣れない。相変わらず不思議な話で、頭のイメージが追いつかない。いつの間にかゴロー探しの話になる印象。この2作品を読みながら、日常生活からの離脱を味わう。
0投稿日: 2023.12.02
powered by ブクログ『家守綺譚』を読み終えてから、だいぶ経ってしまった。 それでも、この世界観にホッとする。 何も起きないのだが…いや、起こるは起こるのだが、季節や動植物の精霊に関してはまるで起きて当たり前のような語り口。(前作も同様) たとえば狸が化けて法話を行ったり。 ムジナが毘沙門祭りに現れたり。 イワナの夫婦が宿屋を営んでいたり。 それだけでなく、神々も妖怪も姿を表す。 赤竜、天狗、河童…。 主人公である綿貫征四郎が記した随筆のような作りだが、すんなりと世界観に浸るには、まず『家守綺譚』を読んでからの方が良い。 その『家守綺譚』同様、各章が植物の名前になっている。 私なんぞは、もうこの時点でときめいている。 風情のある情景に、ちょっぴり笑いを忍ばせた、少し不思議なお話の数々。 「梔子」 昔、八重咲きの梔子を育てていた。 花付きが良い、いい子だった。 まったりと甘くて、それでいてまた嗅ぎたくなる、うっとりする香りだ。 大好きすぎて一時期ガーデニアというパフュームを愛用していたが、国内販売が期間限定だった為に纏め買いしたのを使いきってしまった。 本作では、綿貫が和尚と話をしていると、ふいに梔子の花の香りが流れてくる。 風向きの変化とかではなく、 「そうか、今、このたった今がこの匂い始めの先駆けであったのか、と少し気分が明るくなる」 との綿貫の考え方が素敵だなぁと、私の気分も少し明るくなった。 「ヤマユリ」 ヤマユリの章にモリアオガエルの文字を見つける。 またも私の思い出話だが、高校の生物の先生が変わった先生だった。 モリアオガエルの研究をされていて、いい感じの雨が降った翌日の授業は自習だった。 先生が、モリアオガエルを捕まえに行ってしまうからだ。 果物からビールを作ったこともある。 出来上がりの日、 「量が減っている子はごめんね、私が少し飲みました」 それよりも今思えば、高校生の歳で、しかも校舎内でビールなんて、良かったんだろうか。。。 もう何年も前、ある日、テレビに先生が出演されていた。 ………!! 先生は二ノ宮くん(嵐)の体に透明のチューブをグルグル巻いて、ウミホタルを放った海水を流して光らせていた 笑笑 先生、前からそんなことしてたもんなぁ 笑 さて、本編はというと。 分かるけど、ちょっぴり気味の悪い話だった。 ただ、 「それに斯くも清らかな月光を総身に浴びつつ空中を落下する、その一瞬が一生のすべて」 に、ストップモーションのような、生命の神秘を感じた。 『家守綺譚』のレビューでも書かせていただいたが、本書は植物がお好きな方であれば一層楽しめる。 たとえば、 「この辺りの生垣の、山茶花の列には、一本二本は必ずよく似た茶の木が交じっているものであって、花が咲いて初めてそれと気づくのである」。 山茶花とお茶はどちらもツバキ科の植物で、葉はよく似ている。 これは「茶の木」の章でのお話。 また、続く「柿」では、 鯖街道や秋の日の入りの早さなどに触れており趣深い。 竜田姫も、その一つ。 竜田姫は奈良県生駒郡に祀られている秋の女神。 (ちなみに春の女神は奈良市に祀られている佐保姫) 高堂が急にやってきて、 「秋が疲れているのだ。家の垣根の隅で、野菊の弱弱しく打ちしおれているのに気づいていないか。」 「龍田姫が日枝においでになったまま、なかなか動かれない。…………紅葉が終わらぬ。」 「吉野にお渡り願わねばならん。何か、里心を誘うものを献上して。」 という。 綿貫のもとには、おかみさんから頂いた鯖ずしが。 明日が食べ頃だと言われ楽しみにしていたというのに、"里心を誘うもの"として半分取られてしまう 笑 竜田姫が紅葉を織ると言われている。 そして野菊も秋の季語となっている通り、秋が見頃だ。 季節は、訪れては通りすぎてゆくもの。 そうでなければならない。 竜田姫が吉野へ渡らないと、野菊のシーズンも終わらず、紅葉も一向に終らない。 雨ばかりでは野菊も花を咲かさずに根腐れてしまう。 こういった伝説の神や物怪が当たり前に登場するところに、この物語の良さがある。 季節の移り変わりを、その時期の野草になぞらえて語られるところも。 そしてこの高堂の登場シーン。 綿貫は火鉢の向こうに誰か居るのに気付き声を上げそうになるが、 「高堂だとわかり、胸をなでおろす。」 「ーおどかすな。来たら声をかけろ。」 いやいや…。 そもそも高堂は亡くなっており、毎回掛け軸から出てくるのだから驚くならそちらと思うが 笑 今回の大きな事件といえば、綿貫の愛犬ゴローが行方知れずとなる。 綿貫はゴローを探して蛭谷を目指す。 本作は、ゴローを探す旅行記のような感じだ。 途中、「節黒仙翁」という章がある。 『家守綺譚』のレビューでも述べたが、しつこく述べたい。 お時間がある方は、知らない植物の名が登場したら、是非、画像検索していただきたい。 作品の空気を感じとることができるからだ。 私は"節黒仙翁"を見たことがなかったので検索。 節黒の由縁であるという、黒い節の画像も見ることができた。 槻の木も同様に。 「椿」の章で綿貫と中居が、"タニシ"だ"たのし"だとのやり取りがあるが、直ぐ次の章で回収される。 なんともいじらしい。 「キキョウ」は切ない話だが、続く「マツムシソウ」で救われる思いだった。 綿貫はきっと、少女時代の松子さんと出会ったのだ。 いつまでも松子さんの中に、少女の松子さんは生き続ける。 マツムシソウは私も2色育てていた。 よく目にするのはピンク色だが、赤花マツムシソウもあるのだ。 ちなみに松子さんが言う"スガレ"とはクロスズメバチのことのようだ。 伊那谷では食用とされるらしい。 私が好きな場面は「杉」の章、お爺さんお婆さんが蕎麦を打って待っていてくれたシーン。 勧められた滝を見て帰ってきた綿貫に、お爺さんが"喜色満面で手招き"、 「ーどないどした、識盧の滝。」 「先生気に入らはるやろなあ、思たんどすわ。思たとおりや。」 などと声を掛けてくれる。 そこにお婆さんもやってきて、"どないどした、いやよかったです、を繰り返し"…という場面。 お爺さんというのだから蕎麦を打つのは大変だろうに。 急にやってきた他人である綿貫を、もてなそうという温かい心。 方言も耳(目だけど)に優しくてほのぼのする。 ゴローはなかなか見つからない。 それどころか、今は神に仕える身の高堂から、これまで歩いてきた村々が、将来水底に沈むかもしれぬと聞かされる綿貫。 手打ち蕎麦を振る舞ってくれたお爺さんやお婆さんも、蒟蒻屋の母君である松子さんも…。 綿貫と共に読者である私も、言い表せぬ気持ちになった。 高堂は言う。 「しかるべき順行というものがあっても、それがそうなるようにもっていくのは骨が折れる仕事なのだ。衰えていくものは無理なく衰えていかせねばならぬ。」 そうか、作者の梨木さんが村々の魅力的な人々を何場面も重ねてきたのは、読者にこの気持ちを味合わせるためだったか。。。 さて、ゴローは見つかるのか。 ラストシーン、短く句点を打った文章に綿貫の逸る気持ちが伝わる。 季節ごとの野草、自然、近畿の神々、そこに住まう人々…本作の空気を吸い込んで、リフレッシュできた気がする。 ☆君ケ畑・・・滋賀県の君ケ畑集落。こけしなどの木工品を作る職人発祥の地。 ☆木地師・・・木工品を作る職人。 ☆杣人・・・林業従事者。きこり。 ☆「あかねさす 紫野行き標野行き…………」・・・万葉集にある額田王が詠んだとされる和歌 ☆あめのう・・・雨の魚、サケ科の淡水魚。琵琶鱒。あめのうのご飯は滋賀県の郷土料理らしい。 ☆瀟洒・・・すっきりとあかぬけている様。
27投稿日: 2023.11.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
作品的には前作のほうがよかったけれども こちらも負けず劣らずに不思議な雰囲気を 醸し出しています。 今回も不思議なものたちに出会います。 河童にも出会いますし、 死が近づいているものにも出会います。 そしてこの世の者でないものも… 綿貫はどうも優しすぎるんですよ。 死んでしまった人をついてこさせるとは まあ罪深い…
0投稿日: 2023.08.10
powered by ブクログ地図帳を開いて、綿貫の旅路を指でたどりながら読む。旅とは見知らぬ地にいる自分に出会うためにするのかもしれない。
2投稿日: 2023.02.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
続編があるとは知らず…見つけた時は小躍りした(笑)ゴローの出演回数が少なかったのが残念だが、最後は感動して涙が出そうになった。ゴロー、ちゃんと愛されてる…ダアリヤにももっと出てほしかった。
5投稿日: 2023.01.31
powered by ブクログ作家の綿貫征四郎に起こる不思議な話である。語り口が 夏目漱石の時代の作家風の語りで、少しむづかしく感じるところもある。愛犬のゴローを探しに鈴鹿の山中に旅に出る。そこで、天狗や河童などと思われるものと出会う。その雰囲気は昔の日本の風景に合っているというか、変に落ち着く。盛り上がりがあるストーリーではないが、現代の人間社会ではなく、昔むかしの天狗や河童が出てきそうな、まだ電気も来てないような村での出来事でなにか惹かれるものを感じる。
0投稿日: 2023.01.11
powered by ブクログハードカバーですでに読んでいるけど、文庫で再読。 隅々まで行き届いた丁寧で静かな描写と最後まで読ませる文章には、前作の家守綺譚と共に何度読んでもたまらない読了感がある。 人一人ひとりが見ている世界は同じようで違う。人と人ではない者、神、自然、自然を超越した何か。一昔前まで日本人が感じていた畏れを思い出させてくれる怖いだけじゃない何かが感じられるのが、特に良い。 最後の数ページには涙がぐっとくる。
1投稿日: 2022.04.26
powered by ブクログ「家守綺譚」シリーズの2作目。前作では主人公綿貫の住む「家」が中心のお話だったが、本作では旅先での出来事が描かれる。 愛犬ゴローと「イワナの宿」を探して、愛知川を上っていく歩き旅である。途中で出会う人々とその生活、自然、そして妖怪の類。前作にも増して不思議なことだらけだが、綿貫も地元の人も、さして不思議とも思っていない様子。そのおおらかさが心地よい。 雰囲気が似ているのか、脳内にジブリ映画の映像が浮かぶことも多々あった(「千と千尋の神隠し」「平成狸合戦ぽんぽこ」「崖の上のポニョ」あたり)。 本書の解説には「終わることなく読んでいたい」とあるが、同感である。前作からしてそうであったのだが、今回も、ゆっくりと味わいながら読んだ。 旅先は愛知川の永源寺あたりらしい。読み終えたら、旅先を地図で探してみるのもよいと思う。高堂の謎の言葉が何を意味しているのか、少しは想像できるかもしれない。
3投稿日: 2022.01.31
powered by ブクログ名作「家守奇譚」の続編。 「家守奇譚」が、あの世界で暮らす綿貫征四郎の日常的エッセイだったのに反し、今作の「冬虫夏草」には一貫した目的があります。 ゴローを探せ! 綿貫征四郎は姿を見せなくなった犬のゴローを探しに、鈴鹿の山中を駆け巡ります。 いや、半分は旅行気分、物見遊山といった体ですが。 途中途中で村人たちとの交流あり、もちろん人以外のものたちとの交流もあり。 キキョウとマツムシソウの話が良かったな。 ラストも良い! ああ、続きが読みたいなぁ。
34投稿日: 2021.12.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
前作の家守綺譚に続き、どこか現実で無いような、でも何処かに確かに有りそうな世界の物語。ゆったりと世界に浸って、いつまでも読んでいたくなるような感覚は、この著者の世界を見る目と、言葉の選び方から来るのだろう。 美しい日本語、というのはあまり好きでは無い言い方なのだが、この小説に出てくる言葉達は、確かに美しい。亡くなる、を、はかなくならはる、と言う。秋が長引くことを、秋が老いた、と言う。ほんの少し前まで、持っていた感覚を呼び覚ましてくれるような言葉遣いが、実に心地よい。 特に好きなエピソードは、キキョウとマツムシソウ。初めて読んだ時はよく繋がりが分からなかったが、再読して、何と美しい話だろうと思った。故郷を離れた山奥に強制的に嫁がされた孤独な老女の魂が、時を越えて主人公の優しさに救われたのだと思う。「おなつかしい」の一言には、どれ程の思いが込められていたことか。 あとは、杉のエピソード。追われた虫もかわいそうでっしゃろ、と言う言葉が、どこまでも優しく、美しい。イワナの話もそうなのだが、生まれは選べない以上、今いる場所で精一杯生きていく、周りはそれを支え、受け入れてあげれば良い、と言う姿勢は、(情けない話だが)昨今からするとひどく貴重なものに思える。このあたり、理解は出来なくても、受け入れることは出来る、と言う、「春になったら苺を摘みに」にある精神にも通じるように感じる。 ゴローが見つかるようでみつからず、このままずっと旅が続いて行くのか、と思わせられていたら、最後で急にゴローの姿を認める展開は、最初読んだときは唐突な感もあったが、何度も読むとこれで良いのだと思える。ついゴローの手がかりが徐々に見つかり、ややもすると竜の洞の冒険を経てゴローと感動の再開をするような展開を想像するが、それは結局、こちらの独りよがりと言うものかもしれない。ゴロー失踪の理由、河桁のこと、竜の洞のことが分からなくても、それはそれで良い。わからないものがある、と言う事も、たまには受け入れるべきなのかも知れない。分かるべき事なら、いつかは自然と紐解かれることもあろう。名を付け、理解しないと気が済まない、というのは、時には悪癖ともなり得る。結局、「手に負えぬ煩いは放っておけ」というのも、また大事なのではなかろうか。
4投稿日: 2021.12.12
powered by ブクログ「家守奇譚」の続編。 ページを開くと、相変わらずゆったりとした空気が流れていて、心が落ち着く。 愛犬ゴローが失踪し、友人である菌類の研究者の南川に教えられ、綿貫は鈴鹿を探索することに。 生駒、鈴鹿、若狭、敦賀など馴染みのある地名が出てきて、想像をかき立てられる。 広々とのどかな風景や、山里の人々の生活が、とても興味深く描かれていて、綿貫が旅の途中で出会う人たちも皆いい人ばかりである。 およそ百年前の人々は、ほんとうに天狗や河童と共生していたのだろうか。 イワナの夫婦がやっているという宿にたどり着けるのだろうか。 はたしてゴローには会えるのか。 まるで山の中にまで竜宮があるかのような、夢のような冒険譚。 ふと気がつけば、脚絆に、ぼろぼろの足袋、泥にまみれた草鞋という綿貫の姿に感動しながら、いつまでもこの物語を読んでいたいと思う。
29投稿日: 2021.12.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
“お前は、鈴鹿を裏山に毛が生えたところくらいに思って馬鹿にしていただろう” ドキッとしました← 和製ファンタジー、と云っていいのか…なんとなくオレがジブリの好きな部分を抽出したときにこんな感じになるかも。 思わぬ方向からとても気に入りました。やるやんけおかん文庫。 『西の魔女』のイメージしか無かったけれど、意外。前作も読んでみよう…☆4.2
0投稿日: 2021.04.21
powered by ブクログ犬のゴローを探しに行く話 途中面妖なものにあったり不思議なことが起こったりするけど、綺麗な世界観。 もっと続きが欲しくなる。
0投稿日: 2021.03.02
powered by ブクログ亡き友の家を守る物書き、綿貫征四郎。姿を消した忠犬ゴローを探すため、鈴鹿の山中へ旅に出た彼は、道道で印象深い邂逅を経験する。河童の少年。秋の花実。異郷から来た老女。天狗。お産で命を落とした若妻。荘厳な滝。赤竜の化身。宿を営むイワナの夫婦。人間と精たちとがともに暮らす清澄な山で、果たして再びゴローに会えるのか。『家守綺譚』の主人公による、ささやかで豊饒な冒険譚。
0投稿日: 2021.01.31
powered by ブクログ梨木香歩 著 「家守綺譚」の続編にあたるという、この作品、あまりに楽しみにし過ぎて… 「家守綺譚」があまりに良かったので、 期待が膨らみ過ぎて大丈夫かしら?と思ってたが、心配など無用だった! “勝るとも劣らない”この作品に、またしても心酔してしまった私であった。 本を開いて、綿貫征四郎さん(主人公)の 登場に、「綿貫さん、お久しゅうございます また…お会いできて嬉しゅうございます」 なんて、 会いたかった念願の旧友に再会出来た喜びに自然と言葉にしてしまう熱い思いが溢れてしまった。 この作品には、上手く言い表すことのできないほどの不思議な感覚を持ってしまう。 何故なら、頁を開くだけで、その本の中に、すう〜と入っていけるのだ すぐさま、そこに浸透していける時空を超えたような、その本の中にいる時点に降り立つことが出来る そこは今…自分がいる現在ではなく、正に、綿貫征四郎が歩いている旅の時点で、客観的に見ているというより 綿貫征四郎に自分自身が憑依してしまった感覚だ! これまでに、色んな小説を読んで…同じように共感したり、知識を得て感動を得たり、その見事な表現力に感嘆する自分であったが、 フィクションである小説の中に、ふと、作家の顔が見え隠れすることがある、それは、その作家さんに対する尊敬の眼差しとともに、客観的にその世界を堪能することが出来るという感覚だけど… この、本の中に入り込んだ私には、作家の顔は、まるで見えない それは、まさに、 小説の中の主人公、綿貫征四郎自身の体験している世界であり、綿貫征四郎の目を通してそこに憑依した自分がいる そこでは現在の時は止まっており、その本の中の時を生きてる感覚なのだ! 本題に触れれば、 前作の『家守綺譚』ではほとんど京都周辺を離れたことがなかった綿貫は『冬虫夏草』では失踪した愛犬ゴローを探し求めて、鈴鹿山中へと分け入っていく。このゴローが旅慣れぬ主人公を先導する水先案内人のような役割を果たしている。 綿貫の道程はまるで巡礼の旅のようだ。 行く先々で綿貫を待ち受けるのは厳しい自然の中 で暮らす人たち。 前作にはなかった、この土地の方言や習俗がいきいきと描かれている。 何とも、心和むような、その土地の方言、 「はて?この方言の言葉は何と言う意味なのか?」と首を傾げていると、綿貫の問いに方言の意味することを説明してくれるという粋な、はからいがある (作家自らこの地に幾度も取材で足を運んだという賜物であるらしい)虫送りやカワセガキと言った習俗も実際に行われていたものらしいと後で知り感慨深い思いがした。 旅する間に、知り合う人物、河童の子、長虫屋さえも前作同様、さりげなく登場する イワナの夫婦と竜神…等等(出会えたものを総て紹介しそうだ) そして、綿貫の大切な友、高堂や南川 今作では高堂の登場は少なかったものの、理科学部講師南川の登場 旧友のクールな南川のことを「此奴は昔からこういうやつなのだ」と心の声を出しながらも、友を労る気持ちも溢れていて、綿貫の人柄の良さを感じとれる。 ゾワッとするような不穏な空気にも怯まない 怖さよりも興味と好奇心の方が勝ってしまうという、可笑しさに笑えてしまう しかし、 儚き命に対する思いやりに何度も涙した。 記憶の中にだけある場所に、幾たびも触れるように、綿貫が旅したのはこの世の彼岸と此岸の狭間のようなところ それが余計に身に染み渡る。 覚えていますとも。マツムシソウ。 綿貫は心もとないやさしい幾つもの約束を果たしながらながら、私たちに勇気を与えて導いてくれる。 忘れることのできないものを抱えて、 生も死も、この世もあの世も。 あらゆる自然との共存 生きとし生けるものへの愛着と感謝 自然が織りなす景色の雄大さ美しさに心奪われながらも、小さき花や植物にも目を見張る 冬虫夏草とは、かたちを変え、変容しても、なおその先を生きている命の姿 河童の牛蔵に教えられる 「人は与えられた条件のなかで、 自分の生を実現してゆくしかない」 綿貫も思う、森羅万象、大きくみれば、そもそもはひとつのもの。 この、物語りをずっと読んでいたくて、 終わらせたくなくて…。 それほど 長い物語りではないので、ちびちびと頁をめくり、作中に登場する植物や花の名前を調べて 記憶の中の覚えていた植物の残像を追いかけて 「あ、この花のことなのか〜」と道草しながら、じっくり、ゆっくりと噛みしめながら読んだ。 でも、ラスト綿貫が愛犬ゴローを見つけた時は、 鼻の奥がツーンと痛くなって 涙を抑えることが出来なかった。 物語りの中に陶酔していた私は、 感想文の中で作家のかおが見えないような ことを綴りましたが、 あるがままを偏見なく見つめようとする綿貫のまなざしは、そのまま作家自身のものでもあるように重なっており、慎ましく作家の顔を覗かすことなく、綿貫の視点を守り通している。 そんな作家の梨木香歩さんには感服! 偉大な、偉大過ぎる作家さんだと思う。 100年前という時代設定も、その間に私たちは何を失ってきたのかを静かに問いかけてくるようだ。そして、読み手は静かに、その声に耳を澄まし、その息吹を感じる。 植物は梨木香歩が描く小説において常に大切なモチーフになっているけれど、それは、どんな命も、きっと植物と同じように生きようとしているはずだという作家の確信に満ち溢れている。 本にしか癒すことの出来ない時ってある 本でしか救われない時だってある 心の書って、こういうことなんだ 生きてるって、こういう気持ちなんだ あらためて感じさせてくれた。 この本に出会えて、本当に良かった! 生きてるうちに、読むことが出来て良かった 「間に合った!」って ありがたく愛おしむような作品。 きっと、また本の頁を開けば、その世界に降り立つことが出来るはず この本は、私の「心の書」だ。
30投稿日: 2020.12.29
powered by ブクログフォローしているレビュワーさんのレビューを読んで、「家守奇譚」「村田エフェンディ滞土録」からこの本へ。日本画のような家守、水彩画のような帯土録、この本はまるで水墨画のよう。この世の隣にある世界との境目がますます淡くなり、不思議なことが当たり前になる。こういう世界観がとても好きだ。日本の土着の宗教観に似ているのではないだろうか。
12投稿日: 2020.12.09
powered by ブクログ再読。 なにもかも、存在するものが当たり前に受け入れられる世界。 難しく考えることはない、生かされるまま。
5投稿日: 2020.11.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公である綿貫は最高学府を修めた身でありながら感じたものを感じたまま素直に受け止める人物であり、その目を通してみると傍目には事件性など何もない人々の生活がこれほど面白く物語になる。 前作の家守綺譚でも思ったが、綿貫の視点でひとつひとつの小さな出来事が積み重なりひとつの大きな世界、ひいては物語になるのがこのシリーズの好きなところ。今作で綿貫は明確に生老病死に触れており、世界はより一層広く深くなる。これが歳を重ねるということかとも思う。 短編で最も好きなのはヤマユリ。冬虫夏草という題の意味がわかったときはなるほどと思った。今生きているものにできることは、今を生きることを置いて他にない。
2投稿日: 2020.08.17
powered by ブクログシリーズ第二弾。今回は山歩きによる人々や人外の存在との交流。植物、川、滝と自然の息吹と人間の営みの調和が穏やか。 最後のゴローのくだりは少し泣きそうになった。
4投稿日: 2020.07.07
powered by ブクログ最初読むのがめちゃくちゃ時間かかって、寝落ちしまくって結局読みきるのに2ヶ月弱かかった。 ゴローを探しに山奥に行ってからは一気読み! 全てを受け入れる綿貫の真っ直ぐな優しさに胸を打たれた。優しさで泣くのって初めてかも。 大好きなシリーズになりました。
2投稿日: 2020.05.13
powered by ブクログ想像力のいる読書。読後感がとてもよい。 先の形状に未練を持たず、今の形状を誠心誠意生きることが、生きるものの本道なのやもしれぬ。 イワナ、河童、冬虫夏草…繋がった。 2020.5.1
7投稿日: 2020.05.01
powered by ブクログ「家守綺譚」の後日談にあたる本作は道行に出会う方々との交流にほのぼのしました。地図を開きつつ今いるのはこのあたりかと愉しんだという朋友に倣い、電子辞書を手に植物や語彙の意味を調べながら読んだので時間こそかかりましたがとても楽しい読書となりました。
1投稿日: 2020.04.05
powered by ブクログ他では味わえない面白さ。じわじわと染み入る趣。こういう作品はとても好きです。もっと読みたい。 会話の言葉遣いもすっと耳に入ってくる。
0投稿日: 2020.03.02
powered by ブクログ『家守奇譚』の続編です。前作では家の周りしか動いていなかった征四郎が、今度は愛犬ゴローを探しに鈴鹿の山の奥まで散策します。 途中宿泊した旅館や民間の人々との交流、河童やムジナやイワナが人間の姿でまことしやかに人の間に紛れている不思議な世界、何度も読み返してしまいたくなる。
1投稿日: 2020.01.18
powered by ブクログ「家守綺譚」を読んだのは随分前なので、遠い記憶を探り探り… 河童や天狗、イワナなんかの人間世界への溶け込み方が、あまりにも自然なので、現実にもそういう人でないものが混ざって生活しているのではないかと錯覚してしまう。
3投稿日: 2019.11.20
powered by ブクログ家守綺譚の登場人物や世界観は残しながらも、今回は紀行文のような趣き。 南方熊楠がヒントかな、と思われる人もチラリ登場。 地方の伝承や自然に囲まれた人々の暮らしぶり。 思っていたのと少し違って感じたのは、そのための説明部分の多さのせいもあるのかもしれない。 それらと関わりながら、やはりペースは綿貫征四郎。 悲哀やちょっとした不気味な予感を味わいながらも、いかにも彼らしい旅だった。
1投稿日: 2019.09.19
powered by ブクログ解説を読んで ーなるほど と思った。 前作の「家守綺譚」を読んでいる時も、本作も特にハラハラドキドキがあるわけではないのに、読み進めてしまう心地良さは何だろう?と思っていた。 綿貫さん、そしてその周りの方々、現時点の現実で生活をされていたとしたら ー自分ワールド持ち過ぎの方々だよなぁ と遠巻きにしてしまいそうだ。 でも、現実を生きながら世界の狭間?隙間?を感じて生きて行ける彼らが羨ましい私は、前作も本作も心地よくさせてもらったのだろうなぁ。 植物図鑑が欲しくなりました。
1投稿日: 2019.07.10
powered by ブクログ梨木果歩はいくつか読んだけれど、やはりこの綿貫の話が一番好き。家守奇譚を読んでからいったい何年たっているのか。家守奇譚が高堂の家を中心にした話だったのに対し、こちらは綿貫が犬のゴローを探して旅に出る編。相変わらず龍だとか河童だとかがさらりと出てきて、ちょっと古めかしい文章も合わせて極上のファンタジー。各章の題名になっている植物も、知らない植物はどんなものかと調べながら読んで、楽しい。泉鏡花や漫画の蟲師なんかに通じる世界。 瀬田の唐橋と竜王の話で小泉八雲の「鮫人のなみだ」を、千種街道の部分で杉谷善住坊の信長暗殺失敗がちらっと出てきて大河ドラマの「黄金の日々」で川谷拓三が一躍有名になった時のことなどを思い出したりした。機会があればこの綿貫の歩いたところを歩いてみたい。
4投稿日: 2019.05.26
powered by ブクログ『家守絢譚』の続編。 綿貫征四郎が、失踪した犬のゴローを探して、鈴鹿の山中に分け入る。 その道々で、人々と出会い、イワナの夫婦が営む宿屋の話やら、お産で亡くなった菊さんの話やら、不思議な話を聞いていく。 ゴローは龍神のために働いているようなことが分かっていくが、まだすべての謎が明らかではない。 ということは、まだ続編がある? 龍神と聞くと、『しゅららぼん』を思い出すけれど、人と植物、動物の境をふわりと越えていくこの小説の雰囲気は独特。 むしろ泉鏡花の『高野聖』のような雰囲気を感じる。 土地のたたずまいや暮らしも感じられる。 地名はどれくらい架空のものなのだろう? 白州正子の『かくれ里』と並べて読んでも面白いかも。
1投稿日: 2019.03.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
梨木さんの作品で一番好きなのが「家守綺譚」。次が「村田エフェンディ滞土録」です。もちろんこの作品も大好きになりました。 神やら幽霊やら妖怪までもが、すぐ隣にいる世界観。怖いわけでもなく日常に溶け込んでいます。 不思議なイワナの宿、いなくなったゴロー。気がついたら物語もだいぶ終わりに近づいていました。 とにかく感動的なゴローとの再会!ラブストーリーでもこんな感動的なシーンはないのでは?
4投稿日: 2018.11.26
powered by ブクログ生半な人間よりもよほど人望(?)厚い忠犬ゴローが姿を消した。飼い主である綿貫は、ゴローを探し鈴鹿の山中へと分け入ってゆく。 綿貫を迎えたのは、山々を豊かに彩る秋の花実。そして赤竜の化身、天狗、宿を営むイワナの夫婦、河童の親子、産褥で死んだ若い女の幽霊……。 夢と現、現世と幽世との曖昧な境界線を、綿貫は越えたのか、そうでないのか。 神や妖怪、動物の化身、自然の精霊たちが当たり前に人間たちと混じり合い、自然の恵みをともに享受しながら生きる豊穣の世界の冒険譚。 亡き友・高堂の家を守る物書き・綿貫征四郎を主人公とした『家守綺譚』の続編。 ――(前略)そのときどき、生きる形状が変わっていくのは仕方がないこと。それはこういう閉ざされた村里に住む人びとでも同じことです。人は与えられた条件のなかで、自分の生を実現していくしかない。 夏と冬では生きる形が違う冬虫夏草になぞらえた、季節や時代、そして世界がかわるごとに姿を変えて変化してゆくものたちの、永遠の営みを豊かに描く『冬虫夏草』。読めば、静かで、豊かで、もう失われた世界が眼前によみがえる。 道道で綿貫が村人たちからふるまわれる食べ物がどれもこれも、質素、素朴そのものだが、いかにも滋味あふれて美味しそう。 村の人びとの生活のたつき、習慣、価値観。ああ、かつて日本とはこういう形であったのか、としみじみと、知らないのに不思議と懐かしい気持ちがわいてくる。 ところでこの舞台となった場所は、ゆくゆくはすべて水没する運命にあると高堂は言う。それはいったいどういう意味なのか。いつの時代に起こることなのか。 この、鄙びて豊かな世界が喪われる。不吉な予言を残して物語は終わる。 綿貫も、ゴローに「手に負えぬ煩いは放っておけ」と言う。 この物語に続きはあるのか、どうか。とても気になる。終わるのが、失われるのが名残惜しい一冊。 ところでゴロー、君はそこで何をしていたの?
4投稿日: 2018.08.05
powered by ブクログ「冬虫夏草」(梨木香歩)を読んだ。 少しだけアブノーマルで仄暗い領域と緩やかに混じり合い静かな時間が緩々と流れているこの物語がたまらなく好き。 「家守綺譚」と合わせて何度でも読みたい。 「冬虫夏草」(梨木香歩)を読んだ。 旅行中のホテルの部屋でゆっくり読みました。 「家守綺譚」と合わせてこの二冊は本当に愛おしい作品です。 この先も何度でも読むだろうな。 ここのところが特に好き。 『おかみさんは、自分の柿の葉ずしが、秋を急かせたことを知らない。』(本文より引用)
3投稿日: 2018.07.06
powered by ブクログ植物の名前がつけられた章立ての短編が連なった構成で、ひとつ、ひとつ、読んでいくうちに、綿貫さんのお庭からはるか鈴鹿の山奥まで旅していて、話も不在の竜が復活するのかしないのかどんどん壮大になって、どうなるんだと、思っていたら、ストンと迎えた終わり方に、ああ良かったと安堵していました。 イワナの夫婦がどうなるのか、河童の子どもは宿をどうするのか、赤竜は、高堂は、南川は… 物語は途中で、でもそれは綿貫さんの預かり知らない話で。冒険もいいけれど、締め切りもあることだし、いつものお家に帰りましょう、綿貫さん。
3投稿日: 2018.05.04
powered by ブクログ「家守綺譚」の続編。主人公綿貫が(飼犬ゴロー探しのために)歩き回りはじめたためか、かかわるものたちが、土地がどんどん広がって行く。それでも、おおきな流れのなかで縁が生まれ、それまでの生活とも、思いもよらないかたちで続いて行くようすは変わらなくて快い。縁の糸が見えなくなることも(もしかしたら切れてしまうことも)、もちろんある。でも、それは、もちろん悲しいことではあるけれど、自然ではとうぜんにあり得ることなのだと思う。終わりはどうしようもなく訪れる、しかしそのとき、奇妙な出会いから新たな縁が生まれることもあって、結果、いのちや歴史、記憶がつながっていくこともまたあり得る。……そんなことを、綿貫の行動やその結果を楽しむとともに、救いのように感じ続けていた。 前作や、同著者長編『ピスタチオ』と併せ、現代性の孤独に溺れそうなたれかの助けになり得ると思う、多くの方々に読まれて欲しい本。 ……本作には、さらに続きもありそうな予感がする。このまま終わっても、偽りらしくなくて好きだけど。
0投稿日: 2018.03.01
powered by ブクログあらすじにはゴローを探しに行くとあった。 で、読み始めるといつも通りの生活で。 ?と思っているうちにゴローがいなくなりゴロー探しに出掛けていく。 出掛けた先でいろんな人と話すのだけれど、主人公はパラレルワールドとこちら側を行ったり来たりしているのでは?と少し思った。 そんな訳は無いのだけれど。
0投稿日: 2018.02.06
powered by ブクログじわりじわりと染み入るような面白さを持つ物語。 その物語を構成する、美しく趣のある文書。 その文書を構成する、真珠のような日本語の数々。 あの「家守綺譚」の続編。 河童が、天狗が、イワナの夫婦が、ごく自然にそこにいる。 読書の時間を「これほどに贅沢な時間」と思わせてくれる数少ない作品の一つ。 終了してほしくない世界。 今から続編を待ち望む。
5投稿日: 2018.01.04
powered by ブクログ大好きな「家守綺譚」の続編! 家守綿貫が愛犬ゴローを探しに旅に出る。 たくさんの植物とともに河童やイワナなど 不思議な存在が当たり前のように存在する。 その雰囲気がとても好きです。
0投稿日: 2017.11.08
powered by ブクログ終わってしまうのがもったいなくて、ゆっくりすこしずつ読んだ。もっとずっと読んでいたいなあと、おもった。
0投稿日: 2017.10.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『家守奇譚』の続編。 今回綿貫は家を出て外へと旅に出る。行方不明の愛犬ゴローを探しに。 なんだかわからなけど、このシリーズには本当に癒やされます。 綿貫が飄々として動じないのがいいのかもしれません。彼にとって人も物の怪も神さまも幽霊も同じ立ち位置にいるものなのでしょうね。だからあんなに優しい視線でいられるのかもしれません。 どの話も好きですが、特にラストが好き。ゴローにあんなに慕われて、綿貫は果報者(笑)。 続編出てくれると嬉しいな。
3投稿日: 2017.10.07
powered by ブクログ20170929 不思議な感性の物語。時代や場所は具体的なのに出来事がみなおとぎ話のようでした。入っていけるかは感性しだいたと思う。ただ、普通に読んでいても異空間の旅に出ている気分になれると思う。
0投稿日: 2017.09.29
powered by ブクログ前作とは違って、家ではなく外へ出て行く話。家で、同じ物/者や時の移ろいを見つめ思案するのが前作なら、今作は外から刺激を受けて自らを見つめ直すのが今作かな。外へのアプローチは違うけど、相変わらず境界が曖昧で溶かされるような読み心地。 幻想文学でいいのかな。 彼我の違いを見つけても、そこに隔てを設けなければ、あらゆる境界は溶け合う。あるいは境界の概念自体なくなる、このゆるやかな物語感たまらない。やさしい。
0投稿日: 2017.09.28
powered by ブクログ前作「家守綺譚」はまだまだ小説だった。 本作はどうにもこうにも「難しい」印象。 成長云々や、性格の悲喜劇や、といった近代小説の感覚では読めない、小説というよりは読み物に近い本。 不思議な存在が、怪異でも驚異でもなく淡々とあり、仰々しくなく描かれる。 「遠野物語」の世界を「冒険」する。ちょろっと南方熊楠っぽい人も出てきたりして。 ネットの感想を漁って、なるほど。川桁とは、ダムのことかー。 さらに驚いたのは、「村田エフェンディ」終盤で村田が持ち帰ったサラマンドラが、登場していること。 「村田エフェンディ」→「家守」→「冬虫夏草」の、いまのところ3部作なのだ。関連しているのだ。 凄まじいスケールの小説だ。
4投稿日: 2017.08.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
大好きな『家守綺譚』のその後の物語。 相変わらず心地好い世界観! 独特の摩訶不思議な懐かしい民話の世界に浸れた。 愛犬ゴローが突然姿を消したことから始まる、ゴロー探しの旅の物語。 相変わらず飄々とした綿貫が一人、ゴローの足取りを辿り山中をさ迷う。 道中で出逢う人、河童、天狗、イワナ、幽霊…。 この男の向かう先には次々に不可思議な現象が起こる。 でも全てがとてつもなく優しく温かく涙が出てくる位愛しい。 今回は綿貫のお陰で美しくも懐かしい日本の原風景を体感できた。 表題になっている「冬虫夏草」。 人も生き物も皆、その時々で生き方が変わるのは仕方のないこと。 与えられた条件で自分の生を全うしたい! 今回も梨木さんの教えが心にゆっくり染み渡る。 またこの続きを期待したい!
9投稿日: 2017.08.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一作目の『家守綺譚』と同じく、言葉のタッチや情景描写がたいへんすばらしかった。一作目に描かれたのが"あちら側"の世界(死者の世界、神の世界、妖の世界、無限の世界、見えざる世界...すなわち彼岸)であったのに対し、今作は"こちら側の世界"(生者の世界、時間世界、煩悩の世界、有限の世界、可視世界...すなわち此岸)。今作は前作に比べて此岸の人々との交流が圧倒的に多いことに気づいた。前作で、綿貫が高堂のいる湖底の世界に足を踏み入れたことで、彼が"彼岸への憧憬"にひかれていることを案じ、人々と交流しこの世の食物を口にすることで"生への執着"を意識した作者の意図なのか。 行方知れずとなった愛犬ゴローを探す旅に出かけた綿貫は、ゴローを追ううちに少しずつ彼岸の世界に足を踏み入れていく。ここでまた面白いのが、そんな綿貫を此岸へ呼び戻すのもまたゴローなわけで。ゴローとまた会えるならと彼岸の住人になることも厭わない覚悟の綿貫を此岸へ連れ戻す、つまりこの物語においてゴローは綿貫にとって彼岸と此岸の架け橋...彼岸から此岸へ主人を召還する"河桁"であるといえる。 前作で梨木ワールドにどっぷりはまった私としては、少し物寂しい気がしないでもないかなと。あと、表紙のこの絵が、物語とどう関係していたのかが興味深いです。中国故事や水墨画の題材のような絵で。 2019/05/20 表紙の絵ですが、狩野芳崖の『牧童』かな、と思いました。
1投稿日: 2017.08.16
powered by ブクログ20170730 なんでこう、梨木作品に私は心奪われるのだろう。 今回は、綿貫さん旅に出るの巻。居なくなった、聡明な犬ゴローを探す旅なのだが、不思議な(喋るし二足歩行する)生き物たちとふれあうところは規定路線(笑) Twitterにも書いたけど、 今回……というかここ最近の梨木作品は、環境が変わっていくのだという前提で、それに対して受け入れ、しなやかに生きていくことを提案している気がする。 どこに向かうか分からない世の中だからこそ、その時々でどこに向かっているのかを掴みつつ、自分の頭でどうすべきかを判断していかなければならない、ということだろう。 それだけ梨木さん自身が、この世の中に危機感を持っているということの現れなのかもしれない。(私の解釈が合ってれば、だけど……) 「僕は、そして僕たちはどう生きるか」同様、何度も読み返したい一冊。
0投稿日: 2017.07.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
山を分入っていく話なのだが、構造もまた樹々をふり仰ぎ山を分入っていくが如くである。様々な人物が立ち現れ、通り過ぎ、綿貫のゴロー探しの旅という物語の芯が、杣道のように細く続く。 私的な備忘録として書いておくと、「動物のお医者さん」を読み返した後だったので、綿貫が二階堂で再生されてコミカルさが増した。著者の他の作品でおかしみを覚えることはあまりないのだが、家守奇譚の世界観は玉石混交としておりながら軽妙であるのだな、と気づけたのは面白かった。 椿が好きです。 大きな河桁のくだりは、ダムかな、と思った。
0投稿日: 2017.07.23
powered by ブクログ「家守奇譚」を読んだのが、何年も前(ブクログを始めるより前)ですが、あの自然と共生している感じが好きでした。 遅ればせながら、続編の本作を読んだ次第。 今回は、犬のゴローを探しに鈴鹿の山々を探索する綿貫さん。 “遠野物語”を彷彿とさせるように、昔から営まれてきた自然と共存している世界が心地よいです。そしてそこには人外のものも含まれるわけで。何だか人間の方が“お邪魔”している感じがあります。 淡々とした文体ですが、読んでいて、生命の息吹を感じる一冊。
2投稿日: 2017.07.23
powered by ブクログ家守綺譚の続編。 この優しい世界をまた覗けたことが嬉しい。 オオアマナなど見たことのある植物たちも綿貫の目に映り心に触れればなんとも味わい深い世界にかわる。 ゴローを想う気持ちにほろり。
1投稿日: 2017.07.06
powered by ブクログ待ちに待った文庫化! 大好きな『家守綺譚』の続編ということで、文庫化を心待ちにしていました。 単行本の時に図書館で借りて読んでいるので、今回は再読ということになりますが、1回目よりも楽しかった^^ 途中出てくる、ダムのことかな?という記述、1回目に読んだ時はさらっと流してしまいましたが、今回は気になって調べてみたら物語に出てくる地名は現在本当にダムになっていて、廃村になってしまった村もあるのですね・・・ こんな感じで地理的なことを調べてながら読んだことも関係して、今回の方がより深く楽しめたのかなと。 また、イワナ夫婦が営む宿とか河童の中居とか泉鏡花の作品と繋がる魅力を凄く感じるなと思いながら読み進めました。 『家守綺譚』と同じく何度も読み返すことになりそうな一冊です♪
14投稿日: 2017.07.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
来い。 来い、ゴロー。 家へ、帰るぞ。 ラストの三行になんだかじーんっとしてしまった。 よい、あいかわらずよい一冊。 梨木さん、ありがとう。 あっちへふらふらー、こっちへふらふらー。 目的があるのかないのか、わからなくなるような 徒然とした旅(?)であった。 天狗やら河童やらイワナやら、龍にゆうれいまで。 時間も此岸も彼岸も人も人ならざるものも、 あらゆるものが混とんとしてあり、 けれどそれぞれがそれぞれの在り様でそこにある。 この世界観がとっても魅力的。 特に好きなのは「マツムシソウ」 ああ、この娘さんは・・・っとちょっと切なくもあり、 話の順番がまたやってくれるなあっと。 サラマンダーの話で 再び村田エフェンディを読みたくなった
1投稿日: 2017.06.26
powered by ブクログ昭和の初期は、まだ森や川に民話的な世界が残っていたのだろうか?見たことのない時代ではあるが、懐かしさを持ってこの異世界譚を楽しんだ。書き手が違えば結構ホラーにになるのだろうが主人公のひょうひょうとしたキャラクターで物語の世界がほんの何十年か前には存在していたかのように感じる。ふと、どこかの山村へ出かけてみたくもなる。「山怪」を楽しめた方ならこのような架空の物語も楽しめると思う。 恩田陸リハビリもそろそろ終了かな。
0投稿日: 2017.06.25
powered by ブクログ前作の世界観そのままに、今度は冒険譚とは! 幽玄な自然の懐にずんずんと分け入り、現実味がいよいよ希薄になっていくのが絶妙に心地いい。マイナスイオンどころじゃない何かを大量に浴びた気分。
1投稿日: 2017.06.24
powered by ブクログ妖の世界と現実が溶け合っている 綿貫征四郎の周りは そこに身を置くようにして 堪能したい。 できればこちらの世界に戻ってきたくなどないのだ。 だから内山節さんのあとがきには強く共感した。 読み終えたくない。心地よい。
3投稿日: 2017.06.24
powered by ブクログ綿貫征四郎が、姿を消した忠犬ゴローを探しに、鈴鹿の山中へ旅をする。 川と龍、河童に、宿を営むイワナ、人と精霊が一緒に暮らす山村の風俗。 精霊を呼び寄せる征四郎は、どんな人物なのか? ゴローは、何を追いかけていたのか? それに高堂は、どう関わっているのか? 謎はまだ残ったままだ。
0投稿日: 2017.06.18
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再読。自然や異界のものと触れ合いながら山中をさまよい歩く主人公とともに、奇妙な世界に足を踏み入れた気分になる。不思議が身近にあり、不思議を不思議のまま受け入れるゆるやかさが心地よい。
0投稿日: 2017.06.16
powered by ブクログこんども ふんわり~。 こちら側とあちら側の境目があいまいな感じがよかったです。 いずれにしても、天地の運行は、私など、一被造物の測り知れないものである。ただ茫然と見ているのが関の山だ。 いやそれこそ正しい被造物の在り方というものであろう。 この言葉に尽きますね。 もっと、続が読みたいです。
1投稿日: 2017.06.12
powered by ブクログ家守綺譚の続編、といっても前作を未読でも十分楽しめる内容。人と自然と物の怪の境が殆どない世界が違和感なく描かれている不思議な話。少しだけ遠野物語のような匂いもする。
0投稿日: 2017.06.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
大分忘れての読み返しなので、1巻と比べると、かなり彼岸に?いきかけていることに驚く。 そして「うみうそ」と同じ、失われてしまったものへの郷愁で、切なくなる。ダムなのでしょうか。こんな豊かで素敵な風俗がなくなってしまうなんて・・・、と知りもしないのに、思ってしまいます。 自分の中で、設定と地理がf植物園と混ざっている上、あの辺りにも詳しくないので、えーと琵琶湖のどっちだったけか、と混乱します。 ところで...山童の少年の名前…お母さんの呼んだ名前と、名乗りが違うのは、どういう意味なのでしょうか・・。何か名のある河童なの・・・? 最後には、そこまできて何かありそうで...もう不安でしょうがないのですが、大丈夫ですよね、ほんとに会えたんですよね。
0投稿日: 2017.06.06
powered by ブクログ前作「家守奇譚」を読んだのは もう何年前だろうか。 大体を忘れてしまっていたが、 今作を読み始めてすぐ ああこういう暖かな作品だったと 前作の雰囲気を思い出した。 今作は姿を消してしまった愛犬の 行方を追いつつ、イワナが営む 宿を訪ねて鈴鹿の山を 征四郎が旅する話だった。 彼が出会う人々は自然と共に 素朴な生活を営んでいる。 自然の豊かさや厳しさ、 命の尊さや儚さを 優しい筆致で描いた名作。 ずっとこの世界に浸っていたくなる、 読み終えるのが勿体無いと 感じられた。
0投稿日: 2017.06.03
powered by ブクログ待ちに待った文庫化。単行本の造本がなんともよいのでそちらの方で買い揃えたいと思いつつ、まずは文庫で手元に。
0投稿日: 2017.05.31
powered by ブクログ本は文庫で揃えると決めている。梨木香歩さんは、エッセイ以外なら全て手元に置いておきたいと思う、数少ない作家の一人です。 家守が大好きだったので、冬虫も出た時は、すぐ欲しかったですが、文庫になるまで、じっと待っていました。 待っていた甲斐があったというもの。 人生の節目に、読み返すたびに、違う発見がある物語こそ至高と思っていますが、梨木香歩さんはまさにそういう物語を紡ぐ人です。 人生どころか、ものが、人が、生きるとは。ということを、深く哲学的なまでに、考えさせられるのです。 家守は、主人公綿貫が、様々な『出会い』をごく自然のものと受け入れていく様が、痛快と言えました。少し前まで、こんな世界との関わり方が、本当にあったんだと、信じ込ませてくれる説得力のある物語でした。 今回は家守で特に、読者に愛されただろうゴローさんが、行方不明になるということで、愛犬家である私からすると、血の気が引くと行っても過言でない事件が起きます。 基本引きこもりに毛が生えた程度の綿貫も、ゴローさんの目撃情報を頼りに、鈴鹿くんだりまで、単身山登りに出かけます。 もちろん、山の中ですから、今まで以上に、それはもうたくさんの『出会い』があります。素朴な村人との交流も素敵でしたが、こちらの『出会い』は、なおのこと素晴らしいものがありました。 その中でゴローさんの足跡も、一つまた一つと増えていきますが、果たして二人は再会できるのでしょうか。 竜宮のシーンは…?と物足りない感じがしたのですが、家守の中にそれっぽいシーンはありましたね。なので、今回は書かなかったのかなと。 また、ゴローさんや高堂が、何のために走り回っていたのか、はっきりとは告げられていません。そこも少しは気になりました。 村が水に沈むのは、何十年後かのダム建設とかの話なのでしょうか。それとも、もっと近い時代のお話なのか。詳細は、次巻に持ち越されるのだと信じています。
2投稿日: 2017.05.29
