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「タ」は夜明けの空を飛んだ
「タ」は夜明けの空を飛んだ
岩井三四二/集英社
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総合評価

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    バルチック艦隊との海戦が、臨場感溢れた。 タが空を飛ぶまでの頑張りが、この海戦の見方を変えたように思える。

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    投稿日: 2024.09.24
  • 作者の新機軸

    日露戦争に備えた無線機の開発話である。 岩井三四二の久しぶりの新作は従来の作風とは全く異なる作品であった。日露戦争を舞台とした作品で、語り口も従来作品とは異なってルポルタージュ 伝記風になっている。創作物ではない近代の実在の人物だけに人物描写がやや平板になっているのはやむを得ないかな。吉村昭の未発表の作品と言われたら信じてしまいそう。それよりも、いろいろなことを考えさせられた作品である。 「力こそ正義」と、日露戦争のときも、ロシアがウクライナに攻め込んでいる今も、国家 国民の運命を決める重要な要素の一つが「科学技術」であることは疑う余地がない。 日露戦争のときは、本書が描き出しているように新技術の開発 運用に成功したが、技術力の低下が言われている現代日本は、うまく切り抜けることができるのだろうか? 本書の中には、マルコーニは無線だから当然だが、ニコラ・テスラとかジーメンスや島津製作所などが出てきて嬉しくなった。 日露戦争はすでに現代戦の要素の萌芽を数多く持っていた。無線や火薬などの科学技術の面もそうだが、国外への報道.プロパガンダによる戦費調達、情報戦、諜報戦。そして何よりもそれらを使いこなす懸命の努力。

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    投稿日: 2022.04.18