絵がエドワード・ゴーリーみたいで素敵。 ストーリーも悪役令嬢のテンプレみたいな感じだけど、雰囲気があって違う風に見える。

乙女ゲーム世界がベースの悪役令嬢が主人公の作品ではあるが、「主人公がヒロインに転生した元日本人に貶められて悪役令嬢にされてしまう」というタイプ。 トーン控えめの版画のような画風、巧みな台詞回しと言葉選び、暗くも温かな物語、「和風の洋風」という表現がぴったりな雰囲気、「本が好き」と「字が読めない」という凹凸の関係性、光と黒のコントラスト、何から何まで従来の悪役令嬢物とはまるで異なる作品。 悪役令嬢というジャンルを暗いお伽噺として描く発想も凄いし、それをきっちり漫画にする表現力・演出力も見事。ストーリーの緩急・メリハリ付けも非常に上手い。他の悪役令嬢物とは全く異なる魅力を持つ作品なので、このジャンルが好きなら超オススメ。