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クローゼット(新潮文庫)
クローゼット(新潮文庫)
千早茜/新潮社
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総合評価

139件)
3.9
23
65
33
3
0
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    洋服と、心の痛みに寄り添う物語。 幼い頃の事件で男性恐怖症を抱えている纏子。男だけど女性服が好きというだけで傷ついた過去のある芳。 2人の視点で物語は進みます。 服を通して、身に纏っていた人の人生を思い、修復していく纏子。自身の負った傷と向き合い、解放されていく姿がとても良かったです。その傷と向き合うには、周りに支えてくれる人たちがいたからこそ。 自分も誰かの支えになりたいと思う気持ちが、自身を強くさせていくことを改めて感じました。

    22
    投稿日: 2026.01.14
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    ブクログの#ファッションで気になって購入したものの、積読のままになっていた本を年明けに読了。 幼い頃の事件から男性恐怖症になってしまった洋服修復士の纏子。彼女のそばで纏子を守ろうとする晶。綺麗な服が好きな芳は男性。服飾美術館は18世紀のコルセットから現代のブランド服まで収蔵し、洋服を修復している。そこにいるのは勿論洋服が好きで関わっている人たち。 とても繊細で美しく、細かい模様の施されたレースを纏ったような小説。細やかでありながら、一本一本の糸がくっきり見えるような鮮やかさも併せ持つ。イメージは雪のような白。そんな美しい物語だった。

    16
    投稿日: 2026.01.04
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    十七世紀から現代までの西洋の服を 一万点以上収集している服飾美術館が舞台。 洋服補修師という職業があることを この本で初めて知った。 クローゼットのような空間に保管されている 傷んだ服たちを、補修士と呼ばれる人達が 当時の姿に戻すために働いている。 千早さんの洋服たちの表現がとても美しく、 服飾の専門学校に少しの間通った事がある 自分としては、出てくる服たちが魅力的すぎて 読んでいるだけでワクワクしてしまった。 好きを極めた、プロフェッショナルな人達が 羨ましい。 服飾美術館で補修師として働いている 男性恐怖症のトラウマを抱えている纏子(まきこ)、 女性服が好きというだけで好奇な目で見られ、傷ついてきた男性の芳(かおる)、美人だが人あたりの きつい晶。それぞれが生きづらさを抱えている。 古くても美しい洋服たちに囲まれ、纏子は 少しづつ自分の殻を破り始める。性別に関係なく 素敵な服を好きと言える環境で、認められ始める芳。纏子をいつも支えてきた晶、彼らはこの場所で 一歩を踏み出し始める。 162本の鯨のひげが埋め込まれている一八世紀から 二十世紀のコルセット。きつく締めすぎて気絶したり、肋骨が下すぼりになって内臓を圧迫したり、 理想の体型美を作るために女性たちは涙ぐましい 努力を続けてきたという話に驚く。美への追求は 昔も今も変わらない。 男性がレースやフリルのついた服を着ていた 時代がかつてあり、もしかしたら将来、男性が レースやフリルのついた服やスカートを普通に着られるようなそんな時代が来るのかもしれない。 服に対する固定概念を改めたい、そんな風に思える小説だった。

    33
    投稿日: 2025.12.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    日常の何気ない瞬間や物の表現があたたかく、感触や視覚としてふわっと感じるのが凄く良かったです。展開はあまりにも出来すぎているように感じましたが、纏子の前の向き方がとても彼女らしく力強かったのが心に残りました。最後の千早先生と筒井さんの対談も素晴らしく、時間との向き合い方についてのお話が好きです。

    0
    投稿日: 2025.12.16
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    面白かった。読むのが楽しくて本を捲る手が止まらなかった。私も時間がかかってもいいから進めるといいな。

    7
    投稿日: 2025.12.15
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    千早先生の言葉選びが好きだ。 すっと胸の中に入ってくる感じ。些細な表現も丁寧に描写されていて、情景が頭に浮かんでくるよう。 このお話は題名である「クローゼット」の言葉通り、服に関する話が広がっていって1つの物語になっている。 服から話を展開して性別が持つ固定観念にも触れられていて、色々と考えさせられた。 個人的に、女性は作られるものなんだというセリフが読了後も心に残った。 ただ難点を挙げるならば、最後が駆け足で終わってしまった感が拭えないところだ。もちろん、このラストも1つのお話の終着点として素敵だと思ったが、途中までの描写が丁寧なぶん、どうしても無理くり終わらせました感が出てしまう…

    0
    投稿日: 2025.12.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    そこで終わるのか!ってなるけどそこで終わるのが正解な感じ。とにかく言葉が綺麗だし、専門用語が出ると知識を得た気になる。ブルーピリオドのなんでも持ってるやつが美術に来るなよみたいな高木が良かった。読んでる途中で芳はなんでも似合うだろうからいいなあと思ったので……図星というか……

    0
    投稿日: 2025.11.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    好きなものと真摯に向き合い、好きを極めている人達が描かれた作品だった。表現がとても美しく、好きなことにのめり込んでいる登場人物達がどこか羨ましいと感じた。 男性の体を持ちながら女性の服を身につけたい芳と男性が怖くて息苦しさを感じる纏子。どちらも性別という違いに囚われ、悩み、苦しみながら自分と向き合っていた。 私がのめり込める好きなもの何か?私が今悩んでいる自分の性のあり方はどこにあるのか?自分と向き合う時間をくれた。

    0
    投稿日: 2025.09.27
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    千早さんの表現は五勘が鋭い、 本当にその通りだなと思った。 千早さんの小説からは匂いがする。 その香りと共にお話を楽しめるなんて とっても贅沢。 それから主人公が弱くても芯は強い。 ただ力のない人ではなく、 懸命に生きようとする過程で 足元に何かが引っかかっている その強さがとっても素敵だと思いました。 このお話には私の好きなそんな千早さんが たくさん詰まっていました。

    0
    投稿日: 2025.09.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    服飾美術館に勤める補修士の纏子と、そこにアルバイト(ボランティア)に来るようになった芳の話。二人に接点はないように見えたが、幼いころに芳は纏子に助けてもらったことがあり……という内容。 纏子の男性恐怖症のトラウマが芳とのやりとりで少しずつほぐれていくのはよかったなと思う。そこに服が絡まってくるのもよかった。ただ、最後に倉庫に閉じ込められるのと、そこから自分を加害した男が判明するところの流れが性急なようにも感じた。 既読している千早茜の二作の方が面白かったかな。

    1
    投稿日: 2025.09.15
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    プロットも秀逸だけど、構成もスゴい。ハイブランドやアンティークドレスに興味がなくても、全く問題なくのめり込んで感動できます。

    32
    投稿日: 2025.09.04
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    作中の衣装たちが丁寧に描写されていて映像で見たいと思ってしまった。好きなものを好きと言える自分でありたいと思える作品

    0
    投稿日: 2025.08.22
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    クローゼットをきっかけに繋がるお話。 透明感があって、静けさを感じた。 繊細に綴られてゆく物語の中で、華やかで煌びやかな服がとても美しかった。 服にはそれぞれ過去があって、物語がある。着ていた人の人生が服に染み付いていることが心に残った。 自分の好きな服を追求すると、自信がつくのだと感じた。

    1
    投稿日: 2025.08.19
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    服が好きという共通点で繋がった人たちのお話。服は鎧。見せたい自分を作ってるし、守ってくれる。見せたい自分を見せることも、そこから一歩踏み出すことも、人生を輝かせる要素になる。服のディテールを表す文章が美しくて、それも好きポイント。物語そのものも面白いけど、この本を読んでいると服やファッションについての世界観をついつい想像してしまうのが、引き込まれてしまう一因なのかも。

    1
    投稿日: 2025.07.28
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    男性ながら女性服が好きで、そのせいで幼少期に暴力を受けた経験のある芳と、同じく幼少期の経験のせいで男性恐怖症を抱いている服飾美術館の補修士の纏子の話。芳は纏子の働く美術館でボランティアとして働くようになり、その中で服に対する固定観念から自由になっていく。二人の心の傷みに寄り添う話であるとともに、洋服の描写が素敵な小説だった。

    0
    投稿日: 2025.07.23
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    胸踊る小説。ディディールまでこだわり抜かれたお洋服とても好きなので、服を愛する人達が服への愛をこれでもかとぶつけていて素敵でした

    11
    投稿日: 2025.07.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ブクログで#ファッションをテーマにした本 っていうブックリスト募集してたときに、ほかの方がこの本を紹介していたのを目にして、興味を惹かれたので読みました。不思議な世界観で興味深かったです。でも創作ではなく、本当にこの小説に出てくるような、ファッションを研究している財団が京都にあるらしいことも、本の最後の謝辞の部分で知りました。世の中にはいろんな研究があるものだ…。 確かに、時代によってファッションは変わるし、それを研究することでその時代の男性・女性がどうあるべきとされていたのかが分かったりする。 映画「ピアノレッスン」では、ドレスの下にスカートを膨らませるための骨組みのような不思議な下着(?)が出てくるけど、中世ヨーロッパの貴族の女性は、そのような窮屈なモノを身に付けて、体のラインを作り出さなければならなかった。 男性も色とりどりの刺繍を施して、着飾った時代もあるし、意外と性差のない時代もある。 この小説は、幼いころに性被害にあって、極度に密室や男性を恐れている女性と、幼いころから美しい女性のファッションに特別な関心をもつ男性が、それぞれ生きづらさを抱えながらも自分の世界を大切に生き、徐々に距離を縮めていく物語だ。 「好きなもの」は誰にもおかされてはならない、自分の心の支えとして、大切に守るべきだと痛感する。男性は、ゲイとか、女装趣味があるとかではなく、ただ単に美しいファッションが好きなだけなのだが、周囲の人は「どういう趣味なの?」と型にはめようとする。そういうことって、世の中にあるよね。 目の前にいる人を、あるがままに受け入れるのって、意外に難しい。だけど、難しいと思うからいけないのであって、心の壁や固定概念を取り払って、ただ単に目の前にあるものや人を受け入れればよいのかも。 男性恐怖症の纏子も、相手が男性だと思うから怖いのであって、目の前の、自分を心配してくれる人物の瞳をしっかりと見つめれば、恐怖心が薄らいでいく。 「瞳」は「男」も「女」もない。 ↑ちょっと言い方が違ったかもしれないけど、そういうセリフが出てきて、けっこう深い!と思った。

    9
    投稿日: 2025.06.25
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    大切なものをしまい込んで閉じていたクローゼットの扉を、そっと開いて光ある世界を覗いていく。 その光があたたかくて、ほっこりした気持ちになる。そんな読後感。

    0
    投稿日: 2025.05.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    洋服補修士の仕事内容が、ただ直すだけではなく当時の姿を再現することにあるというのが興味深かった。服の歴史や美術品としての説明がところどころに出てきて、千早茜さんらしい五感に訴えてくるような表現力のおかげでこの美術館が本当にあって行けたらいいのに、と思った。 晶さんの台詞の多くに納得感があって、特に「あなたの身体に触れていいのはあなたが選んだものだけ」という台詞がとても好き。

    1
    投稿日: 2025.05.25
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    十八世紀のコルセットやレース バレンシアガのコートにディオールのドレスまで、約一万点が眠る服飾美術館。 ここの洋服補修士の纏子(まきこ)は、幼い頃の事件で男性恐怖症を抱えている。 一方、デパート店員の芳も、男だけど女性服が好きというだけで傷ついた過去があった。 デパートでの展示を機に会った纏子と芳。 でも2人を繋ぐ糸は遠い記憶の中にあって…….。 洋服と、心の痛みに寄り添う物語。 ☆☆裏表紙より☆☆ 千早茜の世界。 幻想的でちょっとだけ秘密の閉じられた場所。 そんな魅惑的な世界に、どっぷり浸れる小説。 「透明な夜の香り」の世界観も魅力的だった。 千早茜ファンには、たまらない一冊。

    28
    投稿日: 2025.05.17
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    読書体験が素晴らしいのは、こんな世界と直に触れた気持ちになれるからだな、と思った本。 千早茜さんの本はこれで三冊目。 調香師・小川朔の登場する二冊(『透明な夜の香り』『赤い月の香り』)は本当に素晴らしい世界観で、他の作品を読んでみたいとこちらを手に取りました。 ブクログや他のサイトを当たってあらすじを読み、まずは気になったクローゼットをチョイス。 今作は洋服が中心テーマになっています。 主人公は幼い頃のトラウマによって男性恐怖を抱えた女性。 一方で、もう一人の主要人物はワンピースなどの可愛い洋服が好きであることから苦い過去を持つ男性。 お互い、性に対する複雑な想いを抱えた者同士が出会い、“化学反応”が起きていく物語です。 ちりばめられた洋服にまつわる用語、歴史のエッセンス、主人公が手直しする行程を間近に見ているような錯覚が起きるのは、表現力が圧倒的だからなのでしょう。 私も狭い空間が好きでクローゼットによく入っていましたが、それは洋服に興味があったからではありませんでした(笑) この本を読んで「洋服が大好きな人たちはこんな世界を見ているんだ!」と純粋に驚き、自分の知らない用語(?)をひとつひとつ調べたりして楽しく読み進めました。 主人公と性質や種類は違いますが、私にもトラウマ体験があり、過去のトラウマって掘り返されると辛いよね……と自分の体験と重ね合わせて同調したり。意外と親切にしてくれる周囲の人々に心苦しく思ったり、「どうしてこんなことが?」と思うようなことがあるのもとても共感しました。 小川朔の出てくるシリーズもそうでしたが、今回の作品にもメインストーリーとして「トラウマ」が添加されています。今作では性的暴力(過激な描写はありません)が含まれていますので、苦手な方はご注意ください。 人並み外れた才能を持つ人々の、繊細な精神性や世間との関わり、過去の苦しい出来事などを表現したら、著者以上に完成度の高い作家さんはほぼいないのではないでしょうか。 それくらい感性された緻密な世界を見せて頂いた気持ちです。

    5
    投稿日: 2025.05.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    まるで読む美術館。洋服を通して、その時代と、生きた人々の価値観を知るのが面白い。好きな服を着ればいい、と言っても服と他人の視線は切り離せないものだと思う。 「気に入った服を長く着続けたかったらどうする?人との関係だって同じさ」印象的な言葉だった。 ガラスの靴は物理的に不可能だという話が興味深かったけれど、冒頭に戻ってみれば「クローゼットから一歩でると、現実の自分がいて、ガラスの靴は粉々になった」とあって、繋がりに気付いた。童話のなかのお姫様に憧れても、理想と現実は違う。けれど、理想に近付くために人は努力する。綺麗なドレスを着るために、身体の形を変える。そうやってお洒落をする人は、童話のなかのお姫様よりも気高く美しいと思う。服に染みついた人の姿が、愛おしいと思った。

    0
    投稿日: 2025.04.21
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    洋服と人間関係が同時に楽しめる一冊 お気に入りの服を丁寧に扱うのと大事にしたいと思う人への接し方は同じなんだということが分かりとても素敵だった

    0
    投稿日: 2025.04.16
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    華やかで繊細なドレスやコルセットなどの表現は、実物が目の前にあるかのように感じました。 でも物語の内容としては、個人的に不完全燃焼でした。

    0
    投稿日: 2025.04.11
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    読み始めたら止まらなくて一気に読み進めてしまったんだけど、終わり方が唐突でちょっと拍子抜けしちゃった…… 纏子、芳、晶、それぞれの人生をもっと読みたいなと思った。

    0
    投稿日: 2025.04.07
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    服飾美術館を舞台に補修士の纏子と、服が大好きな芳の二視点で構成。様々な洋服の歴史やエピソードが面白かった。それぞれが生きづらさを抱えているけど、繊細さや真っ直ぐさが武器になる場所があってよかったと思いました。

    7
    投稿日: 2025.04.06
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    最後に一気に話が驚きの急展開。そこからあっという間に終わってびっくりした笑 補修士という仕事を初めて知ったし、仕事の内容や研究施設なんかも実在のモデルがあるみたいで面白い設定だったけど、もっと晶の過去とか掘り下げて欲しかったかも。

    0
    投稿日: 2025.03.31
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    装丁も可愛くて読む前から好みな予感はしてたけど予想的中!どんどん引き込まれて何も突っかかってくるものがなかった。もちろん知らないファッション用語が出てきて調べたりはしたけれど、ストーリーも登場人物たちの心理描写もすんなり入ってきた。 そして舞台のモデルとなったという京都服飾文化研究財団への興味が沸々と。当該財団の筒井さんと千早さんの対談の中での筒井さんの印象的だったセリフ“美しい創作物が人の正気を保つ”。先般六本木の森美術館で行われたルイーズ・ブルジョワ展の中でも“芸術は正気を保証する”というフレーズが出てきたのが重なった。

    2
    投稿日: 2025.03.16
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    夢のような感じがした。私もクローゼットの中で小さい頃遊んでいた記憶があって、服も好きで刺繍とかレースとか美しくてすき。 そんな話は置いといて、お話としては幼い頃に受けた事によって男性が苦手な纏子、男性ではあるが女性服を着ることを好む芳。 お互い辛い過去を持ちつつ、芳はデパートのカフェ店員、纏子は補修士という全く違う職業の関わりのなかった2人がデパートの展示、美術館を通して関わりを持つ。そしてお互いに1歩踏み出せるようになっていく。本当になんか最後の展開が結構急だったけどなんとかなってよかった。 ちょこちょこあんまり服の専門用語に得意ではなくて調べたりもしたから少し読みずらかったけど、私は結構すき。想像するだけで楽しくなる。長い歴史を経て補修してまた美しく見せるのもすごい。服に対する関心欲は深まった。 千早茜さんの世界観は魔法にかけられた感じの感覚がする。

    10
    投稿日: 2025.03.14
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    学芸員・補修士・服に魅了されているカフェ店員を中心に進む、人の内面に焦点が当たった物語。専門職の目を通じて見つめる服の世界も味わえる。

    0
    投稿日: 2025.03.04
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    夢みたいな美術館ですね~ 1日中眺めていられそう。買えなくてもここにいるだけでテンション上がるだろうな。行ってみたい!

    0
    投稿日: 2025.02.23
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    やっぱり千早茜ワールド好きだなぁ。 そしてこの人は絶対に長編がいい。 というか好き。 ときどき間に短編集を挟むと わたし この人の何がそんなにいいと思ったんだろ?とわからなくなる作品にもたびたび当たるけど 長編はほぼどれも好きだなぁ。 短編の方がフォトジェニックというか 幻想的というか 上手くいえないけど 何か更なるフィルターが強くかかるような。そこがたぶんわたしはなかなか馴染めないのだろうなぁ。 千早茜を初めて読んだ時 わたしが今までずーっと心で感じながら 上手く言語化できなかったモノが 言語化されてる〜 同じようなこと感じてた人がいたんだ〜 と感激したことを この人の本を読むたびに思い出す。

    8
    投稿日: 2025.02.22
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    18世紀のコルセットや美しいレース、1955年のバレンシアガのコートから1958年のディオールにいた頃のイヴ・サンローランのワンピースまで、1万点以上が眠る服飾美術館 この美術館で洋服補修士として働く纏子(まきこ)は辛い過去の経験から男性恐怖症を抱えている。 デパートでフリーターとして働く芳(かおる)は長身でイケメン、幼い頃から洋服が好きできれいな女性の服も着こなす そんな洋服を愛する二人は、デパートの展示会で出会い、傷んだ洋服を丁寧に少しずつ補修していくように心を埋めあっていく… この美術館のモデルとなった服飾の研究財団を著者がかなり取材されたらしく、とにかく洋服の世界を存分に堪能できる作品 美しい洋服の世界と登場人物たちの辛い過去が交差する内容もとても良かった! ただ少しラストは強引な気が…笑っ 「あなたの身体に触れていいのは、あなたが選んだものだけ…」 この言葉がこの作品の全てだと思う 美しい装丁にも魅了された

    4
    投稿日: 2025.02.19
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    文庫本の最後に対談が載っていて、「京都服飾文化財団(KCI)」と言うものが日本に存在する事を知った。著者の千早さんは最初にイギリスの美術館へ行ったのがきっかけで日本のKCIを知ったそうですが。 この物語で私が好きなのは芳が洋服を丁寧に扱っているシーン。脱いだコートにブラシがけをしたり、かわいい格好をしたデパートの女の子の靴が手入れされていない事を残念に思ったり… 好きなモノに情熱をかけられるって、仕事としている纏子や晶だけではなく、そういった日常の中でも出来るんだなと思った。 男性が当たり前の様にスカートを履ける時代が、そのうち来るのかもしれないな。

    1
    投稿日: 2025.02.16
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    服って自分に合うか自分が着れるものかでしか考えたことなかったけど 自分が着たいものを自由に着るって素敵なことなのかもしれない いつの時代も性から逸脱すると忌み嫌われる それは根強く残る負の連鎖なのかもしれない それらを解放させるものの一つの手段として服があるとしたら 服には無限の可能性があるんだなと思った

    3
    投稿日: 2025.02.08
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    十七世紀から現代までの、一万点以上もの大量の服たちが眠っている服飾美術館で、洋服補修士として働く纏子は、一般の人たちが見ることはできない閉じられた場所で、繊細な衣服と日々向かい合っている。 纏子は幼い頃の事件によって、男性恐怖症を抱えている。 デパートでの展示をきっかけに店員の芳と知り合うのだが、男性だけど女性服が好きな芳も幼い頃他人に傷つけられた過去がある。 館長の青柳さんにもらった名刺がきっかけで、真四角の白い建物『青柳服飾美術館』を訪れた芳はそこでボランティアとして働き始め、纏子や学芸員の晶たちと関わりを持つうちに、纏子と芳が繋がっていたであろう遠い昔の記憶がだんだんと明らかになっていく。 洋服と同じように、傷ついた心も修復するような優しい物語だった。 ファッションは二十年以上経つと『時代』になるそうです。 コルセットのような補正下着で身体を変化させて洋服を身につけていたり、昔は靴の左右がなかったなんてはじめて知りました。 男性がレースやフリルのついた服を着ていた時代もあって、服に対する固定観念は無くすべきなのだなと思います。 ファッションの歴史に触れ、その時代を垣間見ることができて、とても楽しかったです。

    44
    投稿日: 2025.02.03
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    最初の文章を見た時これは女の子の話なんだと思った自分はまだまだ固定概念に縛られているんだと少しショックだった。 読んでいくうちに作品に入り込んでしまうように登場人物に感情移入をしてしまう。 そして、自分もハッとさせられる言葉の数々。

    2
    投稿日: 2025.02.02
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    題名通り洋服の話でした。洋服という言葉だけでは表せないくらいたくさんの服達が出てきて、知らないものが多かったので調べて、「こんな服なのか」、「見たことあるけど、こんな名前がついていたのか」と思いながら読みました。当たり前かもしれませんが、レースや刺繍などの装飾にも一つ一つちゃんと名前と歴史があるのだなと知ることができ、その世界に浸れて面白かったです。登場人物の心の内側にもきちんと触れて関係性を成り立たせているので、登場人物達のストーリーと、読み手の服への興味を上手く掻き立てることがバランスよく両立させられていると感じました。Googleで調べただけでは登場してきた服の魅力が僅かしか感じられなかったので、映像化してもらって服達を見てみたいですね。 千早茜さん3作目。 文章がするする入ってきて、登場人物や建物、シーンが思い描くことができるので、その世界に入り込めます。

    2
    投稿日: 2025.02.01
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    最初は表紙に惹かれて手に取った。 読んでみると登場人物やその細かな作業の描写、心理描写の全てが繊細だった。 歴史の海の中でなんとかもがき続け、次の時代に引き継ごうとする補修士と学芸員の姿が美しかった。 服は人類にとって最も身近なものであり、今ではなくてはならないものなので、もう少し興味を持ってみようと思った。 ファッション雑誌や昔の衣服について調べてみよう。

    0
    投稿日: 2025.01.30
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    友人に貸してもらった短編集の描写が美しくて無二の世界観を書く人なんだなと思い、2冊目の千早茜さん やはり描写が美しい 服だけでなく、空間の描写も美しくてシンとした空気を肌に感じる 目に性差はないでしょ、という言葉が好き

    0
    投稿日: 2025.01.17
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    やっぱり千早さんの作品はキャラクターが生きてて良いなあ、、。読んでて、情景が浮かびやすい。今回も魅力的なキャラクターが沢山でてきた。芳は最初、いけすかないイケメンやろ〜って思ってたけど、自分が本当に好きな物を見つけてキラキラしていく姿がすごく良かった。芳が幼少期に助けてもらったまきこにここで出会うとは、そしてまきこのトラウマと対面するとは、キャラクターの成長と共に驚きの展開が続くから読んでいて飽きなかった。あの、完璧なクローゼットに出てくる服たちの表現が素敵すぎてとりあえずガブリエルシャネルと、KCIと、コルセットについて画像検索しちゃった。気になるのはまだまだあったけど。晶もすごくいいキャラしてた。大好き。かっこいい。まきこは晶と出会えて本当に良かったね。二人の関係性は、お互いがかけがえのない存在で支え合っている姿がすごく素敵だった。色んな服を直していくまきこの姿、芳がどう成長していくか、晶とエディの今後の関係を見てみたいからシリーズ化して欲しい〜!

    1
    投稿日: 2025.01.07
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    読みやすくておもしろくてあっという間に終わってしまった、、、お洋服が大好きで真剣に向き合ってるこの登場人物たちのその後が見たい。私がもってるお洋服をもっと大事にしようと思った。 いちばん最後のシーン感動した!!

    0
    投稿日: 2024.12.18
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    もーーー大好きです。まず服の描写が全部とっても綺麗で博物館に行きたくなる。だってmiumi○の鞄がほとんどあって18世紀の男性服もある博物館とか夢しかないじゃん。そんな乙女の夢みたいな場所を舞台に始まる物語。過去の傷を抱えた服飾修復士の纏子と、男なのに女の人の服が好きな芳。纏子の友達で纏子を守ろうと奮闘する晶。3人とも譲りたくないものがあって,少しどこかで間違えていて、傷を負っている。そんな彼らの傷や隙間を、服が繋いで、紡いでいくそんなお話。どうしようもないくらいあったかくて優しい。ものすごく泣けるとか、どんでん返しがあるとかじゃなくて、読み終わった後に世界がちょっと明るくなるような。あったまる。 「あなたの体に触れていいのは,あなたが選んだものだけ。」って言葉は初めて読んだ時からずっとお守りにしています。てか多分おばあちゃんになるまで大事にする。全人類読むべき本。 てかもう服の描写にいちいちときめいている。個人的に晶が作中で着てる服がおしゃれで好き。博物館の服たちも綺麗でワクワクする。実際に京都まで見に行きたくなった。レースの描写とかめっちゃときめいた。アイ◯ツカード集めてた系女子としてはやっぱり気分上がるよねレース。作中のドレスたちがどんな姿をしてるか知りたくて服飾史の本借りて調べながらもっかい読んだ。 服が好きな人はまじ読むべきだしそうじゃなくても絶対読むべき。てか読んでください。

    0
    投稿日: 2024.12.07
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    母から絶対に好きだと思う!とおすすめされて読んだ本。 バレエを習っていた頃のことを思い出した。発表会前の衣装合わせでサテンやスパンコール、チュールなどのキラキラしてツヤツヤしていた素材に触れたときの高揚感に近いものをこの小説から感じて、懐かしくなったな〜 服飾美術館で働く補修士や学芸員がテーマの話ということもあり、登場人物たちの服装の描写が美しくて、それを想像するだけでも楽しかった。その先が気になる終わり方だけど、トラウマはすぐに乗り越えられるものではないし、変わることが全てではない。何かを好きでいる、そんな自分を好きでいられるようになるだけで十分だと感じた。 千早茜さんの作品は初めて読んだけど、静かで繊細な世界観にとても引き込まれた。別の作品も読んでみたい。

    1
    投稿日: 2024.11.30
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    自分は服を大事にしてあげていないなあって、すごく思った。わたしのクローゼットは可哀想かも。晶ちゃんの強さにはちょっとたじろいでしまったけれど、晶ちゃんも含めてみんなの服に対する愛情が本から伝わってくるようだった。駆け足気味で終わっちゃったように感じたのがすこし残念。でも芳くん、めちゃめちゃいい子だったな。纏子ちゃんも、ゆっくり前に進んで行けたらいいね。

    0
    投稿日: 2024.11.17
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    破れた洋服は人の手によって修復される__しかし、心の傷はそうもいかない。まるでクローゼットに閉じこもるように心を閉した縫子。洋服修復士という熱中できる仕事が自分自身と向き合うきっかけをくれた。千早さんの洋服愛が伝わる知識量と繊細な描写も素敵でした。

    7
    投稿日: 2024.10.22
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    千早茜さんの作品は、わたしにとって、最初は読み進めづらいけど途中からぐいぐい引き込まれる作品(神様の暇つぶし、透明な夜の香り、赤い月の香り)と、最初から読みやすくて寸暇の間を惜しんで読みたくなる作品(さんかく、ガーデン)があって今回は後者だった。 メインの登場人物3人がそれぞれ魅力的だった。何より、のめり込むほどの「好きなもの」があるのが羨ましくて格好よくて惹かれずにはいられない。  やっと心の距離が縮まるような出来事があってさぁここから!というところでページが残りわずかとなり愕然とした…。 もっともっと彼らのこれからを見たかった!! そして晶さんの過去から現在や、晶さんと纏子さんの出会いや現在の絆につながるエピソードももっともっとありそう。 (連載の関係とかあるのかしら?) 登場人物たちのこれからと過去が「もっともっと」知りたくなる、それだけ魅力に溢れたキャラクターたちが共通して愛する服を通して心を近づけていくそんなストーリーにひきこまれました。

    3
    投稿日: 2024.09.30
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    服の美術館というものがあることを知らなかった。自分はファストファッションを次々着ているけど、思い入れのある人にはたまらない場所だろうな。トラウマのある主人公だったけど、好きな仕事や好きな人が周りにいて最後は救いがあってよかった。

    0
    投稿日: 2024.09.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    千早茜さんらしい静かな澄んだ空気感の作品。繊細な感性や才能を求められる職業の方にフォーカスをあて、その内面の繊細さの所以を紐解く。人との関わりからその心の傷と向き合い、その傷と共に前に進んでいく物語。テーマは他作品と似ているが、それぞれ抱える傷や大切にしていること、人との関わり方が違うので興味深く読み進めた。服の傷みを直しきらず歴史を残すように、傷やトラウマはかならず克服して戦わなければいけないものではなく、自分を形作る一つの歴史として受容することも前に進むためには必要なのかもしれない。

    1
    投稿日: 2024.08.29
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    人の心の痛みと洋服の傷みに寄り添う物語 何よりも服飾美術館で出てくるお洋服たちと装飾品、技法の数々を想像しながら読むのが楽しかった。 服装史も楽しめる本

    1
    投稿日: 2024.08.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    独特な静かな感じのする千早茜さんの本。 主人公は二人。芳と纏子。読む前は纏子がまきこ、と読めず、まといこ、と読んでいた。そんなわけはないのに。 芳は男性だが女性の服、綺麗な服、というものに惹かれる。デパートのカフェのバイトで生活している。綺麗な顔をしていて、女性に好かれる外見。幼い頃に女子用の服を身につけ、それを見た男の子に怪我を負わされる。それを助けた少女と遊ぶようになる。少女の家のクローゼットには美しい服が沢山あり、それに埋もれるように遊んでいた。芳が服飾に興味を持つ原点となる。ある身なりの良い紳士と出会い、名刺をもらい、服の美術館に行くことになる。 纏子は服の美術館で補修士をしている。幼い頃に母の恋人の男性に乱暴されたことがあり、男性恐怖症。ずっと一緒にいる美術館の学芸員、晶に守られながら生活している。乱暴されたことで、母とは引き離され、父の親権になったが、父ともうまく関係を築けていない。仕事時は過集中になりがち。 芳は美術館にボランティアとして通い、雑用をこなす。纏子はいろいろな服を補修しながら、過去の傷や自仕事仕事と向き合っていく。 芳と纏子の関係は読者はだいたい分かるようになっていくのだが、最後のデザイナーが衝撃。高木さんも腹立つ。 好きなことを好きだと言えることは、とても大事だ。 そして自分の選択で何かをする、という意識も大切なものだと感じる。 因果応報感はまるでないけれど、ホッとするような感覚を味わえる作品だった。

    1
    投稿日: 2024.06.30
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    「職人」に対する敬意に溢れていて好感を持った。 ファッションが「表現」だけでなく、「コミュニケーション」でもあるという指摘に共感。

    0
    投稿日: 2024.06.30
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    興味深い世界でおもしろかった。 なんとなーく登場人物が好きになれなかったな。 世間狭ッ…!ってなる展開が多い。

    1
    投稿日: 2024.06.26
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    千早さんらしい作品だった。 17世紀から現代まで、1万点以上の服を保管している服飾美術館が舞台の小説。ダブル主人公の芳と纏子の視点から交互に物語は語られる。 幼い頃から女性の服が好きで、それが理由で周囲からの拒絶を経験した芳と、男性恐怖症の纏子はそれぞれ心に傷がある。服が好きな芳、学芸員の晶、洋服補修士の纏子は、服を通じてどんどんお互いの過去や傷を克服していく。 洋服補修士の作業の描写がとても詳細に記されていて、その仕事の緻密さや困難さを垣間見ることができた。初めは心を閉ざした登場人物の多さが少し嫌だったけど、纏子がどんどん変わっていく様子はとても応援したくなったし、変わることができて良かったなと思う。個人的には、芳と纏子が2人の過去の接点を知ったあとの展開がもう少し読みたかった。纏子とお父さんのシーンは良いのだけど、もう少し後日談のようなものがあったらもっと満足度上がったかも。

    1
    投稿日: 2024.06.20
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    ‣ クローゼットの中は自由だった。そこではなりたい自分になれた。ひとつの閉じた完全な世界があった ‣ 美だけを追求して作られた繊細な衣服と、時間を超えて向かい合っている奇跡に胸が震える。素手で触れられるのはわたしたち補修士だけだ ‣ どうして、よく知りもしない人に、服の趣味がいいというだけで好感を抱いてしまうのだろう。服の力は偉大だ。どうしたって人の目を奪う。そして、心を動かす ‣ レースを見つめていると、一面に霜柱がたった寒い冬の朝を思い出す。庭に咲きほこる花々が時を止め、世界の欠片が凍りついたよう。こんな美しく完璧な世界を自分の手で作れたらどんなに幸福だろう ‣ あなただって、自分らしく生きることが幸せだとアピールしたいから、女性ものの服を着ているんじゃないんですか? ‣ 私たちは知らないうちに、性別で価値観を縛っている。男性服からインスピレーションを得て生まれた女性服は無数にあるし、現代では女性しかしない装飾を男性がしていた時代もある ‣ 人を査定することで、自分の凡庸さから目を逸らしていた。でも、本当に好きなものを追いかけたら、そんな暇なんてなくなった ‣ きっとね、お姫さまにはわたしはなれないの。でも、なれなくても良かったって今は思う。大切な人の大切なものを守れるから ‣ わたしはまだ生きます。大好きな仕事もあります。でも、まわりに気を遣われているうちは人生に勝っていない。過去にとらわれている。わたし、ちゃんと勝ちたいです。もう憐れまれたくなんてない ‣ まだ、ここにある。服が遺っている。この服の中には、まだ生き続けている身体がある。  直せるのではなく、見つけよう。彼女の生きようとした姿かたちを。  それが、わたしのすべきことだ ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ 人の心の繊細さがとても丁寧に描かれた物語。 人にはそれぞれ、守りたいものがある。 好きなもので溢れた場所に閉じこもってしまうのもいいかもしれない。 傷つきたくないし、怖い… でも、そこから出ることで見えてくる新たな世界が、 きっと自分を成長させてくれる。 確かな自信をくれる。 焦らず、ゆっくり、進んでいけばいい。 そう思わせてくれる一冊です✨ 主人公の纏子(まきこ)と芳(かおる)のように、 心の傷と共に、好きなものと共に、優しく生きる強さを育んでいきたいです☺️

    1
    投稿日: 2024.06.10
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    過去と今が繋がった瞬間とても美しかった。 1日でも早く性を越えてどんなファッションも認められる日が来て欲しい。 纏子が成長していく姿とても強くて泣いてしまうほど美しかった。 人間としては晶に憧れるけど。

    0
    投稿日: 2024.05.23
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    百貨店での服飾展覧会をきっかけに出会った、服を愛する三人のお話。 服を、ただ博物学的に修復して保存して記録して、で終わるのではなく、その一着から当時の人々の暮らし、ひいてはその服の持ち主の人生まで蘇らせる工程がとても美しい。

    3
    投稿日: 2024.05.18
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    あなたは、何のために『ダイエット』をするのでしょうか? コロナ禍で外出機会も減った2022年。体重計で有名なタニタが『ダイエット』に関する意識調査を行っています。それによると、”ダイエットの必要性を感じる機会が増えた”と答えた方が全体の31.6%、10代と30代の女性では4割を超えたという結果が報告されています。外出自体が減り、在宅勤務が進んだコロナ禍。仕方ないこととは言え、当然ながら、私もそのことによる運動不足はとても気になりました。 そんな『ダイエット』の目的は人それぞれだと思います。スポーツ選手の場合、試合に出るための基準があるでしょうし、漠然と痩せなきゃ…という思いのままに突き進む場合もあるでしょう。そして、こんな理由もあるかもしれません。  『美しく服を着るため』 さてここに、『理想の体型美を作るため』の『コルセット』に光を当てる物語があります。『苦しい下着を女性たちはこぞって身につけて、少しでも美しく見せようとした』という西洋の女性たちの思いを今に残された『コルセット』に見るこの作品。傷んだ『コルセット』を『当時の姿に戻すこと』に情熱を注ぐ補修士の”お仕事”を見るこの作品。そして、それは「クローゼット」という書名が暗示する、ある出来事に端を発する物語です。  『変わった子ね、あなたは』と言われながらデパートの『婦人服売り場』を『母親について』歩くのは主人公の下赤塚芳(しもあかつか かおる)。『婦人服売り場から靴売り場…』と『どこもキラキラしていた』という光景が好きという芳は、『あんな服が欲しい、と指』をさすものの『あれはね、女の子の服だから』と言われてしまいます。『でも、きれい。欲しい』と縋るも『芳は男の子でしょう』と言われてしまいます。しかし、『高い天井を見上げて大声で泣』く芳に母親は『お父さんに内緒よ』と、『リボンが可愛』い『水色のワンピース』を買ってくれました。『人前で着ては駄目と言われ』たものの、我慢出来なくなって外出した芳に『砂糖菓子に群がる蟻のように寄ってきた』『団地の女の子』。一方で『気持ちわりい…男女』と『下の階のタカシ君』にものを投げつけられ尻餅をついた芳は、『服が汚れてしまう』と思います。そんなところに『大丈夫、お洋服は洗えば落ちるから』と『大人びた喋り方』の女の子が現れ助けてくれました。そんな過去を思い出す今の芳はデパートで働いています。そんなある日、『イベントホールで何かを設営しているの』を目にした芳は『「ラグジュアリーな下着」の文字』を目にします。『特別展示で下着の歴史展みたいのもするらしいよ』という『内巻きの女性』の声を聞いた芳が近寄っていくと『人手が足りてないんだ。手伝ってあげて』と男性社員に声をかけられます。そんな時、一人の『女の人が顔をあげ』、『凄い美人だ』と思う芳は、『なんか手伝いましょうか』と訊くも『誰でも触っていいものじゃない』、『破損された場合、そちらで修理できる保証はありますか?』と言われます。『十八世紀から二十世紀のコルセットたちのレプリカよ』、『地味に見えても超高級品よ』と続ける女性。それに『触れないんですよね。服って着れなかったら意味なくないですか…昔の人が着ていた、もう死んだ服ばっかりなんでしょう』と言う芳。そんな言葉に女性は目をむき、『勢いよく立ち上が』ります。『ぱっと手があげられ』『叩かれる、と思った瞬間、「晶!」と後ろから細い声がし』女性の動きが止まりました。『青柳さん、ごめんなさい、遅れてしまって』と言う言葉に会話を始めた二人。結局、『あなたには無理。手伝いなんて要らない』と言うと二人は作業に入りました。 場面は変わり、次の朝、『イベントホール』へと赴き、展示台の『女性の細い腰からひろがっていくスカートのライン』を見ていると『クリノリンといってね、スカートを膨らませるためのものだ』と言いつつ『杖をついた老人』が現れます。『綺麗な鳥が羽をひろげたみたいだ』と言う芳に『面白いことを言う』と返す老人は、展示の説明を続ける中、ふと『君の着ているブラウスは女性もの?』と問います。それに『あ…まあ、そうです。肩を落としたデザインのものだったし着れるかなと思って…』と理由を説明する芳。そんな芳に『興味があったら見にいらっしゃい』と老人は名刺を差し出します。そして、場を後にした老人。そんな名刺に記された『青柳服飾美術館』という文字を見て『美しい服が見たい。もっと、もっと見てみたい』と思う芳が一歩を踏み出す先に運命の出会いが描かれていきます。 “服飾美術館を舞台に、洋服の傷みと心の傷みにそっと寄り添う、新たなお仕事小説”と内容紹介にうたわれるこの作品。表紙に描かれた独特な雰囲気を漂わせる造形物に一瞬疑問符が頭の中に浮かんだ私ですが、これはこの作品の中で色濃く描かれていく『コルセット』が描かれたものです。「クローゼット」という書名を冠したこの作品はどの家庭にもあるであろう文字通りの「クローゼット」が象徴的に語られる一方で、『十八世紀から二十世紀のコルセット』の世界が魅力たっぷりに描かれていきます。 では、まずはそんな『コルセット』の世界を見てみましょう。私はこの作品を読むまで『コルセット』に関する知識はほぼゼロでしたが、あなたはどこまで知っているでしょうか?  ● 『コルセット』について   ・『矯正下着』   ・『西洋の服はね、まず身体なの。この下着たちは理想の体型美を作るためのものよ』   ・『西洋の女性がコルセットをしなくなったのは一九二〇年代』、『それまで五百年以上、コルセットは当たり前のものとして着られていた』   ・『化粧でいったらファンデーションみたいなもの。ここに色をのせていくの』   ・『きつく締めすぎて気絶したり、肋骨が下すぼまりになって内臓を圧迫したり、健康には悪かったでしょうね』   ・『女性たちはこぞって身に着けて、少しでも美しく見せようとしたの』   ・『可憐な拷問器具』 この説明と表紙のイラストによって一気にイメージが自分の中に出来上がってきましたが、『可憐な拷問器具』とは上手く言ったものです。『美しい服を着るために』は、現代の世の中であっても『ダイエットをしたり、脚を長く見せようとヒールを履いたり』します。『美の基準も時代によって変わる』という中にかつて『西洋の服の基礎』を形作ってきた『コルセット』。そして、まさか!と予想外な記述も登場します。  『あのコルセットがあった時代はね、刺繡はむしろ男性のためにあったんだよ』  『レースも男女共に使っていた。男性服の刺繡はね、それは見事だよ』 物語には、上記した主人公の芳が老人からもらった名刺に記されていた『青柳服飾美術館』へと訪れ、そんな場で働く人々に深く関わりをもっていく姿が描かれていきます。そして、舞台が『青柳服飾美術館』だからこそ、そこにはさまざまな『服飾』の世界が描かれていきます。そこに『刺繍が男性のためにあった』というまさかの知識が語られます。中でも私が特に印象に残ったのは『アンティークレース』です。  ・『手作業で作られた当時のレースは貴族や聖職者しか身に着けられない高級品だった』  ・『特に十七世紀から十八世紀のフランスの宮廷では、男女ともに豪華なレースが服を飾っていた』 そんな風に紹介される『アンティークレース』。千早さんは絶妙な文字の表現で読者にイメージを伝えていきます。『ベルギーのアンティークレースが好きだ』と言う白峰纏子(しらみね まとこ)は、その魅力をこんな風に説明します。  『小さな小さなバラの花がミモザのように寄り集まっているロザリンレースは何時間でも眺めていられる。ビーズをちりばめたような、名の知らない花々も可愛い』 『拡大鏡を使わなくてもよく見えないものもあるくらい細かい』というレースに魅せられていく纏子は、そこに『息を呑むほどに密やかな世界がひろがっている』と考えます。  『こんなに美しく完璧な世界を自分の手で作れたらどんなに幸福だろう』 そんな風に願う纏子。物語では、この纏子がもう一人の主人公として謎めいた存在感を見せていきますが、そこに纏子が魅せられていく服飾の世界の魅力も存分に感じられる仕上がりとなっています。千早茜さんというと、言葉を発しない”植物”の不気味な静けさを描き出す「ガーデン」、文字の上から”香り”が漂ってくる「透明な夜の香り」など何かしらに徹底的にこだわった描写が独特の魅力を放つ作家さんです。千早さんはこの作品では『服飾』に徹底的なこだわりを見せられていきます。この作品を執筆するにあたって京都服飾文化研究財団(KCI)を訪問されたという千早さん。これから読まれる方には千早さんがこの作品で魅せられる『服飾』にまつわる描写の数々に是非ご期待いただきたいと思います。 さて、そんなこの作品には面白い工夫がなされています。その一つが構成です。この作品は明示的に章だてはされていませんが、ハンガーとトルソーのアイコンが章区切りのように描かれています。そうです。この作品はこの二つのアイコンに先導されるように二人の主人公に交互に視点を切り替えながら展開していきます。  ・下赤塚芳(ハンガーアイコン): デパート内にある『婦人服売り場のカフェ・ベルベーヌ』のアルバイト    - 『昔から、男の集団の中にいるよりは女性といる方が楽だった』    - 『女性になりたいわけじゃなくて、自由が欲しいんです。着られる服の選択肢がもっとあったらいいなって』  ・白峰纏子(トルソーアイコン): 『服飾美術館で補修士として働く』    - 幼少期のある出来事をきっかけに『男性恐怖症』となる    - 『わたしの仕事は眠り続ける洋服たちの時間を止めること。傷んでしまった洋服たちを当時の姿に戻すこと』に情熱を捧げる 物語はデパートが催した『ラグジュアリーな下着』の展示会の準備の現場で芳と纏子が出会い、その先に、纏子が働く『青柳服飾美術館』に芳が出入りするようになった先の物語が展開していきます。  『美しい服が見たい。もっと、もっと見てみたい。そう思った』。 そんな心のままに『青柳服飾美術館』に収蔵された数多くの『服』を目にし、その奥深さにどんどん魅せられていく芳。そんな場で『服』の『補修士』として働く纏子。二人は次第にそれぞれを強く意識しあってもいきます。  『わたしは、どうやらひとつのことしかできないようだ。それも、ひどく顕著に』。 自らをそんな風に認識する中に、『男性』を恐れビクビクしながら生きてきた纏子。そんな纏子にやがて変化が訪れていきます。そして、そんな二人の関係の中に書名の「クローゼット」という言葉に光が当たります。『むかし、むかしの話。クローゼットの中は秘密の隠れ家だった』という過去の記憶の先にそんな場所が特別な場所に位置付けられていく二人。  『クローゼットの中は自由だった。そこではなりたい自分になれた。ひとつの閉じた完全な世界があった。けれど、クローゼットから一歩でると、現実の自分がいて、ガラスの靴は粉々になった』。 物語は幼き日の記憶をベースにその先に続く今に光が当たっていきます。『服』に囲まれる「クローゼット」という場所。『青柳服飾美術館』という『完璧かクローゼット』の中で物語はこの二人にその関係を取り持つかのように関係していく学芸員の青柳晶の三人が物語を引っ張っていきます。そして、独特な雰囲気感に包まれた物語は過去の「クローゼット」の記憶の先の今を生きる主人公たちが見る世界を鮮やかに写しとってもいきます。そこには、『服』にこだわる千早さんの『服』への深い想いを見る印象深い物語が描かれていました。  『わたしの働くこの白い建物の中には、大量の服が眠っている。その数、一万点以上。十七世紀から現代までの、主に西洋の服たち』。 そんな『服たち』を収蔵する『青柳服飾美術館』を舞台に展開するこの作品。そこには、『服』の世界が秘める奥深い物語が描かれていました。これでもかと記される『服』の歴史やマメ知識に、『服』の世界に魅せられるこの作品。『服』の『補修士』という職業の”お仕事小説”でもあるこの作品。 極めて千早さんらしい雰囲気感漂う物語の中に、「クローゼット」に眠る『服たち』のことを思う、そんな作品でした。

    251
    投稿日: 2024.05.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    洋服補修士として服飾美術館で働くまきこ。 男性だけど女物の服が好きなデパート店員かおる。 ふたりはそれぞれに秘められた、重く苦しい過去を背負っている。 デパート展示を通してそんなふたりが出会い、かおるが服飾美術館にボランティアスタッフとして足繁く通うようになることで、ふたりの物語が進み出す。 . . . ーわたしの仕事は眠り続ける洋服たちの時間をとめることー . . まきこは補修士の仕事をそう表現する。 . . 「できる範囲でいい。迷いながら針を刺すくらいならそのままでいいんだから」 「直すのではなく、見つけよう。彼女の生きようとした姿かたちを。それが、わたしのすべきことだ」 . . . 目の前の一着に真摯に向き合う補修士たちの、仕事への誇りと信念、洋服への愛情、そして洗練された技術… . . それはまさに「職人」 . . 美術館の要であり、裏方に徹している彼女たちの描写にとても惹かれました。 美術館の片隅にある一室の、荘厳な静けさがありありと伝わってきます。 静かなところで繰り広げられる、洋服への情熱煮えたぎる人たちの熱き職場を描くお仕事小説。 おすすめです!

    0
    投稿日: 2024.04.23
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    千早茜さんの作品は『しろがねの葉』『西洋菓子店プティ・フール』、あとアンソロジーの一編を読んで以来、それだけで好きな作家さんになっていたが、これを読んでより好きになった。 変に恋愛描写を挟まず、トラウマの記憶にフォーカスしすぎず、ただ服と人とを描いているのが心地よい。文体も繊細かつやや静謐で写実的なのが私好みだ。 文句なしの☆5、千早茜さんの積読はまだあるので読むのが楽しみだ。再読が今から楽しみな1冊。 ※単行本の方に間違えて記録つけていたのでコピペ

    0
    投稿日: 2024.04.21
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    資料館の真っ白で四角い建物の閉鎖的な空間の描写と、ドレスやレースなどの繊細に扱う必要のあるモノ達の描写は、まきこそのものをあらわしているようでした。 時々西洋絵画の世界観を覗き見することができたようでうっとりと得した気分になりました。 洋服のブランドや、デザインの名称などはわからない言葉が多かったのでスマホで画像検索しながら読み、さらにうっとりとできました。そんな読み方なので通勤中ではなくお家でゆっくり読める時にスマホ片手に少しずつ読んでいました。 私はキャラだけで言うと晶かまきこかなら圧倒的にまきこなので、感情移入もできました。 読み進めるほどにまきこと芳の成長が見えて読「すすめるほどに気持ちよくなってきました。 亀との再会、芳との過去がリンクしたところは鳥肌モノでした!

    4
    投稿日: 2024.03.31
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    服に対する固定観念 男は女はこれっていうのは時代とともに変遷していく 克服よりも、痛みを持ち続けながら前に進んでいく 洋服に興味がなくても、読みやすいし、面白いが、洋服が好きな人はもっとワクワク楽しく読めるのかも。

    0
    投稿日: 2024.03.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後は予想していたよりあっさりしていた。 けれど、人間が変わり始める瞬間は案外そんなものなのかもしれないと、感じました。 みんな幸せになって欲しいなぁ

    3
    投稿日: 2024.02.15
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    千早茜さんらしい一冊でした。西洋菓子プティフールではパティシエ、透明な夜の香りでは調香師など、「繊細さや芸術性を待ち合わせ、感性の良さを必要とする職人系のお仕事」を題材にするのが好きな作家さんなんだなあ。今回は古今東西のファッションを保存したり修繕したりする服飾系の博物館を舞台にした作品でした。一文一文の表現や言葉のチョイスがものすごく良く考えられている。ファッションのものすごく細かい知識や歴史も、ト書きや登場人物たちのセリフに盛り込まれていて、綿密な取材のもと書かれたことが伝わってきたけど、小説そのものの手触り感としては、ちょっと弱かったかなあ。ファッションの歴史解説がトゥーマッチな感じがしてしまい、読んでて中弛みした。あとは、主人公のカタルシスが弱い。そもそも主人公ぽくフィーチャーされているのが2人いるのだけど、その2人をどちらも追いかけようとして、ややどっちつかず気味になっているのが勿体なかった。その他のキャラがほぼ全員、主役2人のためにだけ都合よく配置されているように思ってしまい、イマイチ感情移入も出来ず…。個人的にはあまり合わなかったです。

    1
    投稿日: 2024.02.11
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    服が好きな人に是非ということで読んでみたが、ダメだ。私は洋服の薄っぺらい表面部分だけを見て「かわいい〜」などと口走っていたのだな、と恥ずかしい気持ちでいっぱいになった。 美術館の良さが分からないと思っていたのだが、そりゃ分からなくて当然だと痛感。もっともっと着眼点を根底に、そして多様にしよう。 この本を、心の底から素晴らしいと思えるように。

    2
    投稿日: 2024.02.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    5感にあてる言葉の鋭さに、わずかの誤差もない。ここは、魅惑的で贅沢だ。いくら取材したとはいえ、服飾品の研究施設という慣れない場所をテーマに、1から虚構をつくれるだろうか。完璧な世界に、取りこぼしのない心情描写。白雪姫が小人と住む家のような、アリスにでてくる迷路のような、信じてみたい空間がそこにはある。 ・童話の中のお姫さまに憧れていた。でも、それは王子さまに迎えてきて欲しかったからじゃない。もっともっと綺麗な、ふんわり裾のひろがった、輝くドレスが着たかったから。 ・あんた、服が好きなんだろう。見ていたらわかるよ。気に入った服を長く着続けたかったらどうする?乱暴に扱うかい。靴だって服だって、自分の身体に馴染むまで手入れをしながら大切に使うだろう。人との関係だって同じさ、丁寧に扱えば長持ちする関係を築ける。まずは相手をよく見ることだよ。 京都服飾文化研究財団(KCI)キュレーター、筒井直子さん ・ジェンダーの問題は時代が進むとなくなるというよりは、時代によって強弱があるかもしれませんね。男らしさ、女らしさも時代によって違います。

    0
    投稿日: 2024.01.24
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    まきこは服飾美術館の洋服補修士 才能も技能もある 幼い頃のトラウマがあり 男性恐怖症を抱えている そんな彼女を支えている晶は学芸員 一方、デパートのカフェアルバイトの芳は 何となく日々を過ごす 彼も傷ついた過去をもつ デパートの展示をきっかけにまきこと芳は出会う 補修して歴史ある服と向き合う登場人物達は キラキラしていて美しい 好きを仕事にする輝き 消せない過去の傷み 好きな仕事、人との出会いが少しずつ人を強くする 一見チャラい芳がお気に入りのコートを 大切にブラッシングする描写が印象に残った 私も自分に寄り添う身体に馴染む服を探そうと思った

    12
    投稿日: 2024.01.11
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    クローゼットの中で幼い頃過ごしていた、まきこは男性恐怖症を抱えていたが、天職とも言える洋服補修士の仕事を通じて、芳出会う。私はまきこを必死で守ろうとする晶が痛々しく感じた。

    0
    投稿日: 2023.12.08
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    100年以上前の洋服たちが1万点以上保存されている服飾美術館。 その場所に魅了された人達の、心の傷み。 芳、纏子、晶の3人が、少しずつ寄り添いながら前に進む姿に心を打たれました。 ファッションには疎いけど、こんな美術館があったら行ってみたいなぁ。

    7
    投稿日: 2023.12.07
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    服装にもこんなに歴史があって、昔ながらの流行とその理由を知っていくのはとてもおもしろい。 そんな洋服に魅了された人たちのお話

    14
    投稿日: 2023.12.06
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    服が好きっていう先入観は当然あるけど、その中でも個人的に焦点が当たらない世界を描き出してくれて、世界が広がりました。 服好きは必読だと思いました。他作もですが、時間、の描写が多いように思えます。服の歴史、人の感覚、時の経過、成長、などが詰め込まれていて素晴らしい作品でした。

    2
    投稿日: 2023.11.27
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    作品のなかで扱われるような豪奢な被服が結構好きなので、コルセットやバッスル、ドレスの描写がワクワクしました。 服に対しての考え方を始め、社会の変化や歴史まで繋がって色々と考えさせられる事もあるけれどこの小説は全く説教ぽくなく、素直に考えられました。自分や、今の社会の当たり前もやがて歴史となっていくのだと思うと、流行も楽しめた方が良いなと思ったり。 纏子の過去についてが、無理やり程では無いけれど少し妥当に感じなかった。せめて終盤に再会したときにもう少し救いがあったら良かったような気がした。

    7
    投稿日: 2023.11.24
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    日本に服飾の美術館があることを初めて知ったし、そこを舞台に描かれる人々の生き様、仕事ぶりは興味深かった。 千早さんの五感を捉える繊細で的確な描写が想像力を掻き立て、静かに美しい世界観が脳裏に広がるのが楽しかった。 ジェンダーフリーが叫ばれる昨今、まだまだ性による差別、偏見が深く根付いている社会にそっと新しい風を吹き込んでくれるような一冊。 古い常識、固定観念に囚われない自由な価値観でファッションを楽しみたいと思わせてくれる。

    1
    投稿日: 2023.11.12
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    初読みの作家さん。ずっと気になっていたけれどやっと手を出すことだ出来てよかった~!タイトルの通り洋服に関わる人々が服だけでなく心の傷みとも向き合っていくお話だった。読みやすく、かといってつまらなくない。言葉選びも繊細で五感で読んでいるかのような感覚だった。レースの手触り、金木犀の香りやドレスの鮮やかな色彩もすべて目の前で再現されるかのような具体性で表現されていて世界観にどっとのめりこんでしまっていた。 この小説で初めて補修士という職業を知ったが、傷んでしまった服をその当時のように直すという作業は判断が難しい仕事なのだろうと思った。当時の人々がどのように着こなしていたのか、それを想像するためにはその時代背景だけでなくその人の生い立ちや暮らしていた環境を総合的に理解しなければ本当の意味で直すことができないのだろうな…と感じた。この小説を読んでいた日はちょうど美術館に通っていたが、これを機にいつか服飾の展示にも足を運んでみたいな~と思わせてくれる一冊だった。 今作ではデパートのバイトであるおしゃれ好きな芳と、服飾美術館の補修士で過去のとある事件によって男性恐怖症を抱える纏子の視点によって交互に物語が進んでいく。美術館でのシーンでは歴史的な服飾に関する知識や補修の技術についての説明も登場するが、初心者である芳への説明を通して、読者である私たちに向けても易しく解説してくれているようで勉強になることも多かった。コルセットの形や役割、服装の性差等、当たり前と思っていたことが数百年前や数十年前までは全く違っていたことを知ることができて、服装の歴史は人間の歴史でもあるのだと読み進めていく中で感じた。 ただ、そういった知識の面だけでなく、人の心に寄り添ってくれるのも本作のいいところだと思った。男性恐怖症を抱える纏子に対して、親友の晶が「あなたの身体に触れていいのは、あなたが選んだものだけ」と言った台詞が、読み終えた後も特に強く記憶に残っている。晶は纏子に対して、触れていいのは彼女が選んだ人だけ、という文脈で伝えているが、一方でその台詞は洋服にも当てはまると思い、二重の意味になっているように感じた。社会には制服というものもあるが、それ以外に関しては基本的に人は自分が選んだものを自由に着ることができる。女性がズボンを履いてもいいし、男性がスカートを履いてはいけないというルールもない。誰しもが自分が着たいと思う服を選ぶ権利があり、その権利を奪うことは許されるべきではない。晶の言葉からは勝手ながらそういったメッセージも受け取って勇気をもらった。

    2
    投稿日: 2023.10.28
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    久しぶりに、心にじわっと沁みる本を読んだ。 千早茜さんの作品、他のものも読んでみたい。 晶がどうしても、高畑充希ちゃんで想像してしまう。 以下、好きな箇所。 「わたしはまだ生きます。大好きな仕事もあります。でも、まわりに気を遣われているうちは人生に勝っていない。過去にとらわれている。わたし、ちゃんと勝ちたいです。もう憐れまれたくなんてない。あの人よりずっとずっと長く生きて、仕事をして、あんなことなかったことにして笑っていたいです」

    4
    投稿日: 2023.10.04
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    心に傷を抱えた二人をめぐる物語。 時代を経て傷んだ服を補修しよみがえらせる洋服補修士の仕事と、その服を保存管理する服飾美術館についての描写がとても興味深い。 服の歴史について初めて知ることがたくさん。 ただ、個人的にはストーリーを楽しむというよりも、“お仕事小説”として楽しみました。 期待値が高かったのと、作品に漂うどこか陰鬱な雰囲気がどうも私にはあわずモヤモヤしたままの読了。

    8
    投稿日: 2023.08.24
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     「レースを見つめていると、一面に霜柱がたった寒い冬の朝を思いだす。庭に咲きほこる花々が時を止め、世界の欠片が白く凍りついたよう。」  「透明な夜の香り」の一香が一人称の文章を読んだときも感じたけれど、欲望という言葉が不似合いで、繊細でささやかな主人公を通して見る世界は、どうしてこんなに美しいのかと思う。  過去のトラウマから、男性に触れられることに強い恐怖心をもつ纏子が、芳の唇や拳が震える様子をみて、「手を握りたいなと思った。人はこんな気持ちで人に触れたいと思うのだと知」る場面が涙がでるほど印象的。身体とか、男女とか、美しさとかについて、考えるきっかけになりそうな一冊。

    18
    投稿日: 2023.08.18
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    服飾美術館の存在や服の補修士という職業があることを知った。 男だから、女だから。。その言葉にいつの間にか囚われていることに気付く。 傷を乗り越えようとするラストが印象的。

    6
    投稿日: 2023.08.05
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    決して軽やかに読み進められる内容ではないのに、読了後の余韻が本当に心地よい。 読んだだけで、ちょっとファッションに詳しい人になれた気になってしまうマジック。

    1
    投稿日: 2023.07.25
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    クローゼットの中で遊ぶ子供 真っ先にナルニア国物語を思い浮かべた でも、この物語はファンタジーではない。 希望と再生はあるけれど、どこか秘密めいて影の部分も見え隠れする。 千早茜の描くそういう物語に強く惹かれる。

    4
    投稿日: 2023.07.02
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    【2023年76冊目】 服に興味のない私でも、服を軸にしたこの物語には最初から最後まで引き込まれるように読み進めることができました。 主人公は芳とまき子(漢字が出ない)の痛みを抱えた二人で、それぞれの視点に移り変わりながら物語が進んでいきます。日常を歩みながら少しずつ変化する二人、最後の方で絶望に落とされつつも、負けることなく前を向いて進み始める姿の眩しさ。 良き話でした。

    2
    投稿日: 2023.06.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「靴だって服だって、自分の身体に馴染むまで手入れをしながら大切に使うだろう。人との関係だって同じさ、丁寧に扱えば長持ちする関係を築ける。まずは相手をよく見ることだよ。」

    3
    投稿日: 2023.05.07
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    晶とまきこはそれまで二人だけの閉じた世界で生きていたが、芳と出会い沢山の刺激を受け、広く周りを受け入れられるように変化する様子が瑞々しい。芳も幼少の頃の体験で深く傷つき、周囲に溶け込みはするがどこか他人には壁をつくる所があるからこそ、晶やまきこと波長があったのだろう。 芳のように自分の気に入った良質な服をきちんと手入れして大切に着るということを自分は全くできていないなーと反省。もう一度自分のクローゼットを見直して大切に扱っていこうと気持ちを改めた。

    4
    投稿日: 2023.04.27
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    シンプルで緻密なストーリー構成が、登場人物の心情を際立たせており、素敵な作品だった。ストーリーも良かったが、服飾の専門的な内容と表現が上手だなと思った。

    3
    投稿日: 2023.03.13
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    千早茜さんの作品。 子供の頃から綺麗なものが好きで、クローゼットのドレスを見て目をキラキラさせていた男の子、そして、一緒にクローゼットで遊んでいた女の子。 心に傷を負ってしまった彼らだけれど、服やそれを修復することを通して再度関わるようになる。 芳との関係で男性と再び話せるようになる纏子。 それぞれの成長や関わりが愛おしく感じた。

    2
    投稿日: 2023.02.07
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    他人からつけられた傷と思い出したくもない記憶を、乗り越えるヒントと勇気をくれるのもまた他人。ひととかかわることで風穴があいて、やっと本当に自分を見つめ直せるのかもしれない。 そして俗な感想だけど、めちゃくちゃ映像化(連ドラ)しやすそうな物語だなと。NHKの深夜ドラマとかでやってほしい。

    2
    投稿日: 2023.01.29
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    看板も何もない、真四角の白い建物。 それが、何百年も前のコルセットや宝石より高価なレース、ディオールのドレスまで、約一万点が収納されている、服飾美術館。 その美術館で、補修士として働く、白峰纏子は、幼い頃に受けた傷が元で、男性が苦手であった。 デパートのカフェでアルバイトをしている、下赤塚芳も、女性の服が好きというだけで、幼い頃に傷付いた過去があった。 美術館所蔵の品々に魅せられ、芳は、ボランティアで、服飾美術館に通うようになり、そこで二人は、出会った。 二人は、幼い頃に、共通の思い出を持っていた。 纏子の章には、トルソーのイラスト。 芳の章には、ハンガーのイラストが書かれている。 そのイラストがとても、可愛い。 千早茜さんの作品を読んでいると、不思議と時間がゆっくり流れるようで、とても静謐で心穏やかになる。 もっと、他の作品も読んでみたい。

    35
    投稿日: 2023.01.21
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    実際にある京都服飾文化研究財団というのに取材に行ったそうです。クローズドな美術館。補修と貸し出しをして数百年前の衣装を保存してる。 男らしい、女らしい服は時代によって変遷し、そういう括りがなかったこともある。心の傷はゆっくり補修すればいい。 衣装の描写にうっとりしつつ、優しい物語を楽しみました。

    6
    投稿日: 2022.12.04
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     芳と纏子の物語。洋服の世界が2人の中に混じり合う。お洋服が大好きだから読んだけど、勉強にもなったしお洋服のことについてより深く知りたいと思った。

    2
    投稿日: 2022.11.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私は2人くらいの主人公が交互に語り手になる本が好きだなぁと思った。お互いがどう捉えてるのかも見れたり、そういうのが分かるのが好き。 偶然デパートの展示会に片付けとしてきた、まきこ そこでまきこのピンチを救うデパートのカフェで働く芳。 芳は男性だが、女性の綺麗な服が幼少期から好きでまきこが働く服の美術館にボランティアとして来て再び再会する。(デパートで服の美術館の館長と出会い来てごらんと言ってもらうことから) お互い過去の出来事でなんとなく既視感を覚えてる。 その間にはたくさん服の歴史や描写があって美しい。美しく着るために昔の人は命がけだった。 それに元は男性や女性の服という区切りがなかったり、面白い。 最後はお互いが過去に出会ってるあの時の子だったと確認しあって、また一歩前進していく。 まきこの親友茜がかっこよくて素敵だったな。

    3
    投稿日: 2022.11.20
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    「クロウズド」元々「閉める」とか「閉ざされた」という意味から、「収納」を「クローゼット」という 生き辛さを抱えている纒子と、親友の晶子、美しい服が好きな芳。 服飾の細かい描写が細部にされていて著者さんは服がとても好きなことがわかる 補修士という職人さんがデリケートな年代ものをいかに努力して保存しているか少しわかった

    0
    投稿日: 2022.10.14
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    服の美しさに魅せられた青年。服の修繕の仕事に出会った女性。生きづらさを抱えた主人公たち。優しさに触れるなかで少しずつ強さを取り戻していく物語。補修士という仕事。服飾美術館で働く人たちの輝く姿に、自分の好きなことに出会えるのは本当に幸せなことだと思った。 その時代や環境により変化する価値観や固定観念。歴史を知ることで、もっと自由になっていくといいよね。著者の込められた願いを感じた。

    26
    投稿日: 2022.09.12
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    服飾美術館を舞台に下赤塚芳(かおる)と白峰纏子(まきこ)が登場する物語だが、デパート店員の芳がボランティアで当該美術館で働くようになって話が展開する.服飾に興味のあった芳は幼少期から特異な行動が目立っており、美術館の存在を知り、ある程度強引に潜り込んだ.白峰も服飾が好きで、母の持ち物で遊んでいるとき、男に襲われた過去を持っており、男に対して未だに恐怖感がある.美術館で芳と合った白峰は次第に打ち解けていく.芳がコルセットなどを着せられる場面と、クリスマスイブに芳、白峰、青柳晶が閉じ込められる場面が印象的だった.実際に古い衣装を保管し、修復している場所があることを知り、驚いた.

    0
    投稿日: 2022.09.06
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    やさしい気持ちになる作品。服飾資料館で働く人たちの空気感がなごやかで互いがちょうどいい距離感をとりあっている。登場人物の幸せを願いたくなる。 対人関係が苦手な補修士の主人公と彼女の才能をなによりも大事に扱う友人。 うまく話せたりテキパキこなせることが評価されやすい社会生活のなかで、主人公の彼女は補修士として認められ、尊重されている。その環境も素敵だと思った。

    0
    投稿日: 2022.07.16
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    ある出来事をきっかけに男性が苦手になった洋服修復士の纏子と、男だけどジェンダーを超えた服を着るフリーターの芳 洋服を愛してる2人の再生の話 バレンシアガ、シャネル、さまざまなブランドと年代の洋服を収集している美術館を舞台に纏子が自立していくーー 私はファストファッションがメインですが、何点かこだわりの洋服を少しずつ揃えたいと感じました! こだわりを持ちながら大切にされた洋服って素敵ですよね! 私のクローゼットも素敵な服でいっぱいにしたい!!

    0
    投稿日: 2022.07.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    まぁまぁ面白かった。 ただもう少し晶と主人公が仲良くなったきっかけとか、主人公の過去は解ったけど、その後の家族はどうなったのかとか、もう少し詳しいエピソードがあっても良かったかも。父親は、義父かと思って読んでいたけど、本当の父親で良かったのかな。

    2
    投稿日: 2022.06.12
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    服の修復に絡めた心の修復 千早茜さんには脱帽です。本当に素晴らしい作家さんだ! 幼少時にとあることがきっかけで心に傷を負い、閉じたままの纏子。 そして、彼女が心に傷を負った事件に関与していたけれどもそれを知らず纏子と知り合う芳。 二人の関係性と、纏子が少しずつ開いていく様子の描写、そしてアンティークな服の補修士としての仕事振りが見事に関連し合います。 新品のように直すわけではない。 服にはその人が記録されている。 その服が今、ベストであるように、どこにも無理がないように直せるところにだけ手を入れて行く…最新の注意を払いながら。 人の心の修復もそれでいい。 無理にポジティブに、とか、乗り越えて、なんかなくていい。 寄り添い、待つことの大切さと、弱さの中にある強さが、しかしさりげなく描かれているので心の奥にずしん、と心地良く響きました。

    0
    投稿日: 2022.05.28
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    服には人が染みついている。 とっても素敵な言葉だと思った。 衣服ではなく、ファッションってこうゆうことなのだと思う。

    1
    投稿日: 2022.04.20
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    シャネルとかイブサンローランとか聞いただけで顔をしかめていたのごめんなさい。ちゃんと勉強してみます。 「目は一緒でしょ、男も女もさ」というセリフが良かった。

    1
    投稿日: 2022.04.05
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    思ったよりも、ちょっと重ための話でした。 ・許可もなく人に触ろうとすることは間違っている。 ・あなたの身体に触れていいのは、あなたが選んだものだけ。 当たり前のことかもしれないけど、ハッとさせられた言葉でした。

    1
    投稿日: 2022.03.13