
総合評価
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powered by ブクログ私立探偵のブルーは、変装した男ホワイトにブラックという男を見張るように言われる。しかし時がいくら経とうとも、ブラックは単調な日々を繰り返すだけ。 次第にブルーは自らの内側に意識を向け、不安や焦燥、疑念と衝動、様々な思考の渦に飲まれてしまう……。(簡易なあらすじはこんなん) 大雑把すぎる感想 「アイデンティティの不安定さってあるよね〜」 「具体的な情報の羅列が、抽象的な印象を与えてくるの、面白いな〜」 まず前者について。 何も起こらない状況のもと、手持ち無沙汰のブルーは、恋人の心情や幼少期の思い出、自らの心を揺さぶる過去の出来事に思いを馳せるうち、無意識に、「自分を確認する」作業を繰り返している。 なぜ俺はあの時あんな行動をとった?なぜ俺はあの時こんな気持ちになった?なぜ俺は今こんなことを考えている?なぜ俺は……… 日々変わらない行動と環境のなか、考えれば考えるほど、ブルーのアイデンティティが崩壊していく。 人間の感情とか、自らの世界観とか、目に見えない・論理に委ねられないことを考えることは、うまくいけば確固たる信念を築くけど、下手すれば不安になって何に価値があるのかわからなくなってしまうと私は思う。 本書はわざわざブルーやブラックと名づけ、後半のトリックからしてもメッセージがあるとは思うんだけど、今作はその「アイデンティティの崩壊」を丁寧に描写してて面白いな〜、というところに留まるかなぁ。 まだ人生経験も読書経験も浅いゆえに読み取れてないのかも知れない。 後者について。 この本においては、状況はひどく具体的に記述される。 白い部屋に赤い椅子が1つある、時刻は何時、その部屋はマンションの一角で……いったように情報が端的に並べられる。 登場人物の心情、その思考の変遷も明確に書かれている。 こういうことが起こったので、混乱した。それを落ち着けようと意識的にこういう行動に出て……という感じ。 チャート的に整理された情報を飲み込んでいってるわりに、なぜか登場人物の焦燥に巻き込まれていく。 全然客観的に物語を追わせてくれない。 具体的なことしか書かれていないのに、抽象的なメッセージを感じてくる。 そこは結構おもしろいな〜と思った。 私個人的には抽象的で寓話的ななかから具体的なものを掴んでいくほうが好みなので、そこは好き好きかなぁ。 【総合】 面白くないことはないけど、人にはおすすめできない。 描写の工夫とメッセージ性はそれなりに感じたが、結末も予想範囲内。 時間が経った頃にまた読んだら違うかもしれないけど、いくつか感想レビューで見かけたようなエキサイティングな感じはあまりなかった。 好みの問題もあり、★2つ。
0投稿日: 2015.03.13
powered by ブクログいままさに何かが起ころうとしている。ひとたびそれが起きてしまえば、世界は二度と元どおりにはならない。
0投稿日: 2014.12.28
powered by ブクログ最近寝不足が続いていたせいもあって、眠気をこらえながら読んでいたら途中で小説を読んでいるのか夢を見ているのかわからなくなったり、また、ブルーの考えている事なのか私が考えている事なのかわからなくなったりする瞬間があり、まさにミイラ取りがミイラになるところだった。自分の輪郭が曖昧になってしまう恐怖。 何となく別役実っぽさを感じていたら、文庫解説にこの小説の系譜として安部公房と並んで別役実の名前もあり、おお、と思った。 「ガラスの街」を読んだらまた印象が変わるのかもしれない。
0投稿日: 2014.12.02
powered by ブクログ登場人物がホワイト、ブラック、ブルーなど全部色の名前である。読み終わった後、作者の意図がうかがえた。一人の男を調査する探偵業務だが、幾日たっても何も変わらない日々であり、ブルーは逆に精神的に追い込まれてしまう。 こういう趣向の内容は初めてで、読み進めるうちにストーリー、結末が気になりました。
0投稿日: 2014.10.15
powered by ブクログ【本の内容】 私立探偵ブルーは奇妙な依頼を受けた。 変装した男ホワイトから、ブラックを見張るように、と。 真向いの部屋から、ブルーは見張り続ける。 だが、ブラックの日常に何も変化もない。 彼は、ただ毎日何かを書き、読んでいるだけなのだ。 ブルーは空想の世界に彷徨う。 ブラックの正体やホワイトの目的を推理して。 次第に、不安と焦燥と疑惑に駆られるブルー…。 ’80年代アメリカ文学の代表的作品。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
0投稿日: 2014.08.23
powered by ブクログ探偵のブルーはホワイトという人物の依頼でブラックという男の張り込みを始める。 ブラックはたまに散歩や買い物に行く以外は部屋に篭り何かを書いているだけ。 淡々とした日常の中でブルーはどんどん自分の内側を見つめていく。 これは探偵小説のかたちをした、自己を見つめるお話。 最後がどうなるのかは読めたけど、ブルーの不安や焦燥を感じながら文字を追っていくのはとても興味深かったし、楽しめました。 前回読んだ『ガラスの街』よりはさっぱり風味ですかね。 今回はまたすぐにこの作家の世界観に浸りたくなりました。
0投稿日: 2014.08.13
powered by ブクログ登場人物の名前が全て色の名前。 一日中なにかを書き続ける男の監視を依頼された探偵。その期間にまるで終わりはない。「退屈」の先でこの状況を疑い始めたとき、「その身は何を起こすのか」という点に、ハラハラしながら読んでいった。 色に形がないように、登場人物たちにも形がなく、抽象概念、つまり「幽霊たち」を描いているという解説を読み、納得。。
0投稿日: 2014.08.07
powered by ブクログなんとも不思議な一冊でした。ブルーがだんだんと精神をむしばまれていくというか。オースター初読なのでそういう読み方はもしかしたら間違ったものなのかもしれませんが、自分はそういうところに面白さと怖さみたいなものを感じました。 作者の意図した、表現したかったものはこれなのか?もっと違うものなのか?そんなことを考えずに読んで楽しむほうがいいのか?読み終わったあとにごちゃごちゃと考えてしまいました。 そしてこれは3部作の一冊なんだとか。他の2作もそのうち読んでみたいと思います。そうしたらまた別の感想がでてくるのかも。。
0投稿日: 2014.07.29
powered by ブクログ本日読了。 ただただある男を見張ることだけを依頼された探偵と見張られた男の奇妙な関係の中に、深遠な孤独と自らの存在証明のありようを描き出した、「ニューヨーク三部作」二番目の作品。 「今、自分がここに存在している場所」と言う実感。 近い物を近いと感じ、遠い場所を遠いと認知することで、空間の中に自己の輪郭を捕らえる。 そして、他者から見られ認知され、他者として関わられることによって初めて、他者とは違う自分であると言う実感を得る。 しかし、見慣れたはずの景色が「ここではないどこか」にすりかえられ、見張ると言う役割に没頭するあまり、「見られること」を失ってしまったとしたら・・。 3部作の中では最もシンプルな構成だし、話も短い。 その分、3作に通底しているテーマが、最もはっきりと表れているように思う。 安部公房の『燃え尽きた地図』をちょっとだけ思い出した。
0投稿日: 2014.07.21
powered by ブクログニューヨーク三部作の第二作。またもや(?)主人公は探偵。ハードボイルドな雰囲気の中で、得体の知れない依頼主より張り込みを依頼される。行動が少ないターゲットの故に、何も「物語」は起きない。何も起きない中で、主人公が辿る内面の旅の末に得た境地と結末とは・・・? 相変わらず秀逸な出だしと、個性を消したカラーの命名。章立てもなく一気に「物語」を進める圧倒的な文章力。ハードボイルドな雰囲気の中で「描かれる」現実と虚構、個性と無機質な世界。そして、次第に一体化するターゲットと自分。こうした理不尽な「物語」は前作『ガラスの街』の顛末をさらに推し進めたような感じでもある。 何も起きずに、ただ主人公が内面を辿るだけではなく、そのプロットは実はミステリー的でもあり、わくわくという感じではないにせよ、意外な緊張感に包まれた不思議な短編小説であった。 訳者解説で柴田元幸は「エレガントな前衛」という名をポール・オースターに与えているが、なかなか言い得て妙である。ハードボイルドで透き通るような筆致で描き出される不条理な「物語」。まるで、大海原にひとり漂っている心地にさせられる。
23投稿日: 2014.06.29
powered by ブクログ見る/見られるの関係、現代人の孤独、何か起こりそうで...な展開。 これだけ抽象的な言葉がならぶと、難しそうで七面倒くさそうだ。ところがその逆だ。すごく面白い。 事件が起こりそうな雰囲気が常に漂っている。アクションも多彩で、張り込みに突撃取材もあったりと、探偵小説の面白さがある。 そのなかで、安部公房的な振り回され感もあり、村上春樹的な「やれやれ」感もありで、読者を飽きさせない。 これからは、以前購入した「モンキー」も参考にしつつ、オースター氏を追いかけてみたいと思う。
0投稿日: 2014.01.07
powered by ブクログ1986年発表、ポール・オースター著。ホワイトから依頼を受けた探偵ブルーがブラックを見張り続けるが、ブラックの日常は何かを書き、読むという単純なもので大した変化はない。そのうちブルーの精神が壊れていき、ブラックと接触するにいたる。 アメリカ文学らしいサラッとした文章で短くて読みやすい小説だが、内容はなかなか考えさせられた。小説を書くということへの不安、他者と自己との関係、観念と実体などのテーマが語られ、話は最後には語り手に落ちていく。何も起きない割りには見事な話の転がし方だった。あっさりした安部公房、そんな印象。
0投稿日: 2013.11.25
powered by ブクログ自分のことを見てくれる人がどれだけいるか。たとえ1人でもいれば、人は生きることに実感や希望を持つことができる。自分の存在、孤独、周囲との関わりなどについて、改めて考えてみようかと読後に思った。 すごく重くなってしまったが、単純に読んでいて面白い作品です。
0投稿日: 2013.11.07
powered by ブクログ面白かった!何も起こらないし、犯人もいないミステリー。ともすればなんじゃこれ?になりかねない設定なのにこんなに読ませるなんて…。もう何を信じたらいいかわからなくなるよ…。この時期のアメリカ文学は好みかもしれないなぁ。2011/400
0投稿日: 2013.10.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この作品は、端的に言うならば、アイデンティティ・クライシスを描いているのであり、その限りにおいて、テーマそのものは20世紀的である。そのことは、ブルーが自らを形成したブルックリンのさまざまなモニュメントを度々回想することにも現れている。主人公ブルーは図らずも、行動ではなく思索と想像することとを余儀なくされる。最初それは相手との関係性にはじまるものの、やがては自らの存在理由そのものに及ばざるを得なくなる。そうした自己撞着の網の目から紡ぎだされたものが、ここに描かれた実に特異な物語世界なのだろう。
0投稿日: 2013.09.24
powered by ブクログ高尚な文学的小説?ってかんじ。 だけど読んでて今ひとつ面白く無い。 ストーリーを追うというより、その背景を思考しつつ 物語を吟味しながら......なんつーか面倒くさい話。 短編だけど、読むのにエライ時間かかった。 三部作という話だが、当然残り二作は読まん。
0投稿日: 2013.08.14
powered by ブクログ村上春樹に似てるよ、と勧められて読んだ作品。最初こそ似た文体と流れを楽しんでいたものの、次第に引き込まれて先が気になり静かに終わる。思っていた以上に楽しめた。アメリカ小説にもこんなものがあるんだなー。
0投稿日: 2013.07.13
powered by ブクログポール・オースター著、『ニューヨーク三部作』のうちの一作品。 探偵である「ブルー」は「ホワイト」の依頼によって、「ブラック」という人物を見張ることになる。 依頼人のホワイトはどういった人物か。なぜブラックを見張り続けなければならないのか。 淡々とした日々は、「自分」を「自分」と向き合わさせる。
0投稿日: 2013.06.14
powered by ブクログある男を見張るよう依頼された私立探偵のブルー。しかし男(ブラック)はずっと部屋で書き物をしているだけ。変化のない毎日、ただひたすら一人の男を見つめ続ける日々を過ごすうちに、ブルーは次第に不安や焦燥をかきたてられるような感覚に陥る。 しびれをきらしたブルーはブラックに直接接触しようと試みるが… レビューで「何も起こらない」というフレーズをいくつか見たのだけど、何も起こらないという印象はなかったなあ。最後なんかすごいドラマチックな展開じゃないかな? でも正直ラスト時点では、どこまでがブルーの心の中のことでどこまでが現実なのかすらよくわからなくなっているのでなんとも言えない。結局謎は謎のままだし、ブラックが何者なのかもよくわからない(と書いたのだけれど考察をいくつか読んだらあっさりと謎は解きあかされていた。いたってシンプルな内容だった。そう思って読み返すといろいろクリアになる)。 個人的にはブルーとブラックのやりとりがすごく好き。 「書くというのは孤独な作業だ。それは生活をおおいつくしてしまう。ある意味で、作家には自分の人生がないとも言える。そこにいるときでも、本当はそこにいないんだ。」 「また幽霊ですね。」 「その通り。」 これがすべての鍵で、答えなんだろうなあ。 舞台とかにありそうだなあ、と思ったらそもそも戯曲を下書きにした話らしく、しかも舞台化もすでにされているよう。
0投稿日: 2013.06.02
powered by ブクログ簡明ではありますが、惹きこまれる文体で、「書く」ことをテーマにした、とても難解な物語でした。巻末の三浦雅士さんの解説「書くことの不安ーポール・オースターの世界」が良かったので、こういった視線でもう一度挑戦したい小説です。
0投稿日: 2013.04.08
powered by ブクログ小説の翻訳は苦手なのですが、はじめてストレスなく読めました。この本以来、オースターと柴田元幸さんのファンになりました。
0投稿日: 2013.03.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ブルー、ホワイトは登場人物の名前で、この色名以外に、表情や身体的特徴などの情報はほとんど明かされない。 色が登場人物と言えば、幼いころに読んだ絵本『あおくんときいろちゃん』を思い出す。 『あおくんときいろちゃん』は、登場人物が色そのもので、 青くんと黄色ちゃんが抱き合っているうちに1つの緑になってしまったり、また青と黄色に分かれたりと自由に存在そのものを変えていく。 『幽霊たち』のブルーやブラックはあくまでも名前が色なだけで人間なのだけれど、 『あおくんときいろちゃん』のように今にも他の人物と溶け合って消えてしまうような不確かな存在に感じられる。 そしてこの『幽霊たち』というタイトルや結末を見ると、私の感じた“存在の不確かさ”はそれほど見当違いでもないのかなと思う。 探偵の仕事は、事件を追いかけ真相を暴いたところで終わる。しかしブルーが監視するブラックの周りには、そもそも事件が起きていない。 だからブルーはひたすら自室で作業をしているブラックを向かいのビルから眺めるだけの日々を送り続ける。 もはや自分の人生なのかブラックの人生を送っているのかも曖昧なブルーと、人と触れ合わず世間にとってはいてもいなくても同じブラック。 やっぱりこの2人は、他人との境界が曖昧な、別の色である互いの存在がいて初めて存在を確立できる“色”で、存在の不確かな“幽霊”なのだと思える。 100pほどの短い文章なのにドラマチックで、苦みのある、エスプレッソのような小説だと思った。
1投稿日: 2013.03.18
powered by ブクログ男を見張る探偵の男の話。文章は読みやすいが後半に入り「?」が増えていった。 考察サイトを見たが、なんだか消化しきれない。でも面白い。
0投稿日: 2013.03.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分を監視させる対象を自ら作ることで、そこに自己の存在意義を見出そうとする。 なんだか、そのブラックの動機が小説家という職業の在り方ともダブるようでオモシロイ。ブルーはブラックを見張り、ブラックはブルーを見張る。そんなブルーとブラックを読者が見張る。ブルーとブラックの間には"鏡"が直立し、そんな彼らを読者も"鏡"越しに見る。各々が相手の中に自分を見つける。そしてやがては自己のアイデンティティを模索していく。そんな世界。 短編ながら、中身はグッと凝縮されていて、濃厚。何度でも読み返したくなるストーリー。読む度に、新しい発見がありそう。柴田さんの翻訳が素晴らしく、とても読みやすかった。 追記: これ、映像化しても面白そう・・。
0投稿日: 2013.02.21
powered by ブクログオチは想定できていたのに、ブルーと一緒に「疑い」と「不安」に苛まれながら読み進めました。 登場人物たちが、ブルーやブラウンやブラックや、まるで名前などただの記号でしかないと言わんばかりなのに、やっぱり意味があって… 考えれば考えるほど自身の考えに自信がなくなっていく、無限スパイラル…
0投稿日: 2013.02.05
powered by ブクログウィトゲンシュタインのことを思い出した。でもウィトゲンシュタイン難しくてわからないから語れない。けっきょくなんの話やねんみたいな腹立たしさを感じたりもする。あいかわらずすげえペダンチックだし。でもわからんけど異様なほど、そう扱われている主題の哲学性っていうか鬱陶しさみたいなものからは到底考えられないほどリーダブル、これは似たようなことを訳者も仰っているけど...いや柴田先生が名訳しただけではないんだろうかとも思ったりもする。うーん、あんま人には薦められない、でも貴重な読書だったしポール・オースターまた読みたいかもしれないけどあーーー気取ってて腹立つ!(感想カオスだけど小説がおかしいからしかたない)
0投稿日: 2013.02.01
powered by ブクログ少し前にWBSで紹介されてた本。 内容を理解しようとするほど、 混乱していった。 ただ、後書きを読んで納得。 自分が見る世界と見られる世界の 2つの存在が説得力ありました! 2012年11月29日
0投稿日: 2012.11.30
powered by ブクログ安部公房にはまっている時期に手をつけたので、 アメリカにもこんな作家がいるのかと嬉しい気持ちになったのを覚えています。 短いし、これはちょっとよくわからんなと思わせるところもあるのですが、 それでも、こいつはなにか一味違うぞと、可能性を感じさせる一冊です。
0投稿日: 2012.11.29
powered by ブクログとりたてて何もないのに先へ先へと読む手が止まらず。 コンパクトに凝縮された適度なぐるぐる感と、 嫌みのないスマートさがとても魅力的な本でした。 翻訳が抜群に良いので、自然な流れで読めるのも嬉しい!
0投稿日: 2012.11.29
powered by ブクログ何人かの登場人物が出てくる。でも鏡に映る自分をじっと見つめている一人だけしかいないような感じがした。しかもどちらが本物でどちらが鏡像なのかだんだん分からなくなってくる、そんな虚実の境目がぼやけてくる世界に迷い込むように引き込まれ方を味わった。
0投稿日: 2012.11.17
powered by ブクログ「幽霊たち」は80年代のアメリカ文学を代表する作品のひとつです。舞台は戦後間もなくのニューヨーク。「ブルー」という名の探偵が主人公ですが、事件らしい事件は起きないまま、物語はときに静かに、ときに劇的に展開します。 特に書き出しが「すごくかっこいい」という倉持さん。 続きはこちら GUEST 064/劇作家・演出家・倉持裕:スミスの本棚:ワールドビジネスサテライト:テレビ東京 http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/blog/smith/2012/09/post136309.html
0投稿日: 2012.11.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
まずはじめにブルーがいる。次にホワイトがいて、それからブラックがいて、そもそものはじまりの前にはブラウンがいる。ブラウンがブルーに仕事を教え、こつを伝授し、ブラウンが年老いたとき、ブルーがあとを継いだのだ。物語はそのようにしてはじまる。 ・・・『GHOSTS』冒頭 そう、そのようにして物語がはじまる。唐突に、淡々と。 この小説には、主人公ブルーを俯瞰で見つめる語り手がいる。明示的に書かれているわけではないが、おそらくその語り手はあの人物なのだろう。そうだとすると何が本当で、何が偽物で、何が物語で、何が小説なのか、その境界線は実に曖昧になる。だから、いかなる可能性もここにはあり得るのではないだろうか。 幽霊たちとは、彼自身であり、ブルーであり、私たちのことなのかもしれない。 誰かにとって、誰かは、居ても居なくても関係の無い幽霊のような存在でしかない。 幽霊になることを恐れる我々は、繋がりを求め、足跡を残そうとする。 いかなる存在も、常に相対的なものでしかないのだから。
0投稿日: 2012.10.26
powered by ブクログなにかあるんじゃなかろうかと期待しても何もない。期待してたから読んでるときはストレスだけど、最後まで読めば言いたいことはわかった。
0投稿日: 2012.10.21
powered by ブクログ渋い渋すぎる。冒頭からかっこ良さが半端ない。 事実としては何も起きてないんだが、物語の膨らみ方がすごい。
0投稿日: 2012.10.15
powered by ブクログ淡々と進む 恐ろしく静かに。 他者に映す自身の存在 そしてループにはまる。 終わりのないその世界に 考え過ぎるほど 分からなくなり ふとした瞬間に、納得する。
0投稿日: 2012.10.03
powered by ブクログ濃い青は黒に近い。暗い青は黒に近い。 たぶん青は黒に一番近い色。 青が私にイメージさせるのは冷静な知性だけれど、冷静な知性とは何かと問われたら、それは一寸先は闇(ブラック)の断崖絶壁でこれくらいの身体バランスであれば、とメモリを読み、これくらいの風の強さなら、とメモリを読み、ここまですれすれで立っていても大丈夫だと信じ、確実に足元のあるところを見極めて危ない境界線に立って、歩きさえすることだと思う。はたから見れば狂人のような振る舞い。綱渡り。 その意味で冷静な知性はいつも闇を求めている。知性はこういう犠牲の上に成り立っている。決して簡単にうらやんでいい才能ではない。いや少なくともこの作品を読了した方なら、作家という存在にもうすっかりうんざりしてくれているはずだ。闇は、青を魅了し、自らのその有り余る魅力を知っていて、あぐらをかき、青には殴られっぱなしの主従関係さえ要求するのだ。 光のほうに行けない青もいる。黒と白を繋ぐことができなかった青。知性は悪用できるから。 うまく階段が生まれるといい。いつもちゃんとメモリが読めるといい。 本当にそう願う。すべての作家の中に、白と黒の対立じゃなくて、その間に強い青がいてほしい。
0投稿日: 2012.09.12
powered by ブクログ大きく言えば「自分」というものについて、その不確かさとともに書かれたものだと思う。なんら大きな事件というものが起こらないからこそ、そのテーマに吸い込まれていくような気がする。個人的には、ウェイクフィールドを読むきっかけとなった本だった。時代的には逆だが。
0投稿日: 2012.08.18
powered by ブクログ「何?何?何?」ということを感じながら読み進め、読み終わっても「何?」ばかり残った不思議な読後感。 いったい主人公が何をしなければならないのか、どうなるのかが全く見えない。 登場人物の名前が、 ブルー・ブラックなど色の名前で彩られてる。と言ってもそこから登場人物に色がついて見えたということもなかった。なんとも不思議な印象。
0投稿日: 2012.08.10
powered by ブクログ登場人物は,ブラック,ホワイト,ブルーなど,全員色の名前だが,これは名前が人物に性格を与えることを極力避けるためか? 結末は曖昧で読者に回答は与えられず,欲求不満が残りまくりである.でもこれを小説に仕立て上げてしまうところがオースターの力量なんだと思う.
0投稿日: 2012.08.07
powered by ブクログ一言で言えば、気がついたら鏡と鏡を向かい合わせにして、その中に顔を突っ込んでいたみたいな感じなのかなぁ。 でも、何が書きたかったんだろう?この設定で一人の男の思い出話を読まされることにあまり興味は無いなぁ。ショートショートじゃないから最後もオチがあるわけではないし、、、。 「だから何っ?」てとこは自分で感じてくださいって言う文学です。
0投稿日: 2012.07.22
powered by ブクログ語ること、あるいは言葉そのものへの不信感。というテーマは処女作から変わっていないが、その語り方がたった1作を経ただけとは思えないほど洗練されていることに驚く。 また、(これも著者の作品に共通するテーマだが)書くことの地獄というのを率直に語っている点に著者の誠実さを感じた。 かなり前衛的な作品で、誰にでも読みやすいとは思わないが、著者に興味がある方には是非一度読むことをおすすめしたい。
1投稿日: 2012.06.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
変装したホワイト氏にブラック氏を監視せよと依頼されたブルー探偵。ブラック氏の住む部屋の向かいのアパートで彼を監視するブルー探偵。何かの書き物をし続けるブラック氏。ブラック氏の日常を調べる中で襲われる不安。ブラック氏との接触。ホワイト氏に送る報告書。ブラック氏の留守中に彼の部屋に侵入したブルー探偵が見つけた彼がホワイト氏に送った報告書の束。
0投稿日: 2012.04.22
powered by ブクログ全体的になにがどうなっているのかよく分かりませんでしたが、 映画の話など細かいところが印象に残りました。
0投稿日: 2012.03.03
powered by ブクログポールオースターのニューヨーク三部作の一つ。 この作者にはまったきっかけで、終始なにも特別なことは起こらない。 空気感とか、出来事がとても好き。
0投稿日: 2012.02.04
powered by ブクログニューヨーク三部作の一つ。 私立探偵ブルーは仕事を引き受けたものの、 事件はこれといって何も起こらない。 登場人物の名が皆、色の名前で、 予め個性を剥ぎ取られ――というか、そもそも付与されず―― 記号に過ぎないことが示されている。 存在の不確かさ、あやふやさが、不安を掻き立てる。
0投稿日: 2012.01.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
大学(英文学)のゼミで、最初に取り上げたのがこちら(英文も大変シンプルです)。 いわゆるオチはない、と言っていいと思う。最初読んだ時はとまどったが、じきに作品の虜に・・・ ポール・オースターの魅力を説明するのは難しい。 読むと止まらないし、不思議な気分になれますよ~。 監視する下りが特に好き。あの勝手な脅迫観念は、どこから来るのかな。
0投稿日: 2011.12.31
powered by ブクログ久々に読み直したけど、素晴らしいです。言葉の選び方、細かいところまで計算されている様子…前回読んだ時より新たな発見がたくさんありました!おそらくまだまだあるのでしょう。
0投稿日: 2011.12.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
安部公房好きならぜひ、と薦められて読みました。 最初の始まり方から、確かに公房作品の空気を感じます。 この作品が公房作品に似ているというわけではなく、同じジャンルなんだなという意味で。 本当の意味でこの作品を読み切れたかというと、微妙なところ。 公房作品と同じで、作者の意図が二重、三重に言葉をかえて表現されていて、とても脳をくすぐる内容。 登場人物の名前にヒントがあるようで、それはただの名前でしかなくて。全くつかめなかったり、いきなり全てがはっとわかったり。 人によっては、文学っていえばなんでも許されると思うなよと思うかもしれないし、実際そうなのかもしれない。 でも私はこの作品には深い内容を感じました。 時間をおいて、もう一度読みたい。そして今と違う感想を抱きたい。その感想がどんなものか、すごくすごく興味がある。 そんな作品です。
0投稿日: 2011.11.08
powered by ブクログ私立探偵のブルーは、ホワイトなる人物からの依頼でブラックという男を監視することになる。しかし、事件らしい事件は起きないまま‥この小説は何も起きない探偵小説である。主人公ブルーの心の遍歴とゆーか、そーゆーのが凄く面白かった。
0投稿日: 2011.11.03
powered by ブクログ小説の内容とはまた別のことなんだけど、わたしは三人称の現在形というのがあまり好きじゃないみたい。1Q84もそうだった気がする。読んでて(勝手に)違和感を覚えてしまって、内容のおもしろさが2割減くらいになってしまう気がする。 内容については、なるほどなー、ふむふむと感心はするも、あまり好みではなかった。NY三部作の中では、鍵のかかった部屋が好きかな。
0投稿日: 2011.10.19
powered by ブクログ探偵が出てくるが、いわゆるミステリーではない。 だが「なにが謎なのか?」を謎とすれば、ミステリーなのかもしれない。 とにかく、自分が普段読んでいるミステリーと同じ気持ちで読んだのではなかった。 読むこと自体が面白い作品。
0投稿日: 2011.09.03
powered by ブクログ事件の起こらない探偵小説。色の名前がついた登場人物。ホワイトとブラック。自己と他社。 そして何より柴田元幸さんの翻訳がよい。
1投稿日: 2011.08.20
powered by ブクログ白井晃演出『幽霊たち』@パルコ劇場 を観て。スタイリッシュな上演に目を取られ、確認のため購入。 20110810 読んでもスリリングだった。
0投稿日: 2011.07.28
powered by ブクログこれが「何も起こらない物語」としてカテゴライズされ、そのように楽しむものならば 私は本は開いた瞬間から「何か起こっている」としか考えられないのでしっくりこなかった。 つまりは何も起こらないとはどういうことなのかイマイチ良く分からないし、 この物語も何か起こりまくりやん!と全力で突っ込みたい。 どうしてもひっかかるのがこの「幽霊たち」というタイトルで、このお話もやはり現実世界とは思えない。 ただ、固有名詞(名前)の排除や特異な行動の欠如のみで、こんなにも幽霊っぽくなれることに驚き。 生活ってなんだろな~。 ラストの展開はドキドキするのだけど、こんがらがっていて迷走してしまった。 う~んまた読んでみたい! しかし文体も全然ちがうしオースターの多面性!
0投稿日: 2011.07.06
powered by ブクログ変装したホワイトの依頼で、ある男ブラックを監視することになった私立探偵ブルー。ブラックは読書、執筆、散歩と決まり切った孤独な生活を送るだけ。痺れを切らしたブルーはブラックとの接触するために行動に移す。 読んでいるとなんかソワソワしてしまう不思議な小説。もう一度読んだら、また違う楽しみがありそうな気がするから、☆は3.5。
1投稿日: 2011.06.19
powered by ブクログ考え始めたばっかりに、 深みに嵌ってゆく面白さを楽しめた。 自分の存在、立ち位置の不確かさ、孤独感、 信じていたものの虚構性、それに対する不安感。 シンプルな設定で、 こんなにスゴイ作品を生み出せるなんて。 本作を「秘密戦隊ゴレンジャー」の出演でパロディー化する企画は…、 あ、無しですね、そうですね。 苦悩するアオレンジャーとか、いや、もういいです。
0投稿日: 2011.06.02
powered by ブクログ面白かった!!文章が面白くて読みやすく全然退屈しなかったです。訳も良かったのかな。 明確にはよく分かってないけどいろいろ感じるものがありました。何度も読みたくなるような良い小説だと思います。ニューヨーク三部作、全部読んでみたい。
0投稿日: 2011.05.31
powered by ブクログオースターのニューヨーク三部作。探偵小説の形式をとっていますが、唯一違っているのは「何も起こらない」ことです。見る者と見られる者の逆転は、安部公房の箱男を彷彿させますね。ちょっと古いですが、是非お勧めしたい作品。
0投稿日: 2011.05.21
powered by ブクログ私立探偵ブルーは奇妙な依頼を受けた。変装した男ホワイトから、ブラックを見張るように、と。真向いの部屋から、ブルーは見張り続ける。だが、ブラックの日常に何も変化もない。彼は、ただ毎日何かを書き、読んでいるだけなのだ。ブルーは空想の世界に彷徨う。ブラックの正体やホワイトの目的を推理して。次第に、不安と焦燥と疑惑に駆られるブルー…。’80年代アメリカ文学の代表的作品。 ニューヨーク三部作の中ではもっとも「何も起きない」作品らしく、好みが分かれるかも。 事件らしいものはほとんど起きず、言葉とは何か、考えるとは、書くとはどういうことか、を書いたメタ小説。個人的には、とても日本人的だなと思った。 難解だが、解説がなぜか異常に充実しているのでかなり助かります。
0投稿日: 2011.05.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『幽霊たち』 時間があるから色々読もうと思って古本屋でまとめ買いしたうちのひとつ。ポール・オースターさんは『幻影の書』を読んだことがあって、なんとも判断のつかない感想を抱いたのを覚えていたので、リベンジというか再挑戦。 面白かったけど、今回もよくわからなかった。 主人公の私立探偵ブラックは依頼人ホワイトからブラックを見張る依頼を受けた。ブラックの部屋の前に部屋を借り、見張り続けるブルーだったが、ブラックは一日中何かを書いている以外には、一向になにかをする様子もない。依頼人には毎週報告書を書くが、特に何の反応もない。 何も起こらないまま何ヶ月も過ぎてゆき…みたいな話。 序盤の話が始まるところにわくわくさせられた。書き出しの「まずはじめにブルーがいる。次にホワイトがいて、それからブラックがいて、そもそものはじまりの前にはブラウンがいる。」っていうのを読んだときには、「素敵な書き出しや…!」って思ってにやっとしてしまった。 でも、なんというか、一言多いというか、くどいって感じてしまうことがちょこちょこあった。 「幻影の書」でも始まりではとてもわくわくさせられたのに、途中からとてもうるさく感じて、最後の方はちょっとダレながら読んだ記憶がある。 今回はちょっとくどいなあと感じながらも面白いと感じたまま最後まで読めたから良かった。自分がオースターさんの文体に慣れたのか、この本が面白かったのかはよくわからない。
0投稿日: 2011.02.25
powered by ブクログ舞台は1940年代のニューヨーク。主人公である探偵ブルーのもとに、あきらかに変装していると思われるホワイトと名のる男が訪れ、ブラックという人物を見張り、その状況を逐一報告してもらいたいと依頼します。仕事はきわめて簡単なもののように思えました。実際、引き受けた仕事は簡単でした。いえ、簡単で単純すぎました。ブルーはブラックの住まいの真向かいのアパートの一室で、朝から晩までその行動を観察しはじめるのですが、ブラックはほとんど部屋に閉じこもったまま、何か書きものをしているか、そうでなければ本を読んでいるだけなのです。ときおり外出はするものの、それも近辺を散歩する程度。来る日も来る日も、何の変化もありません。何かが起こりそうな気配は微塵も感じられないのです。期間が長引くにつれ、観察者であるはずのブルーは外の世界から孤立し、孤独感を深めていきます。孤独な男を見張る孤独を強いられた男・・・・。ふと気づくと、これまでとはまったく違う自分がそこにいました。 小説はリアルな世界を描いているにもかかわらず、しだいに色を失い、抽象化していきます。オースターの作風が〝エレガントな前衛〟といわれる所以はこのあたりにあるのでしょうか?
0投稿日: 2011.02.19
powered by ブクログまず最初の文章にやられる。探偵のもとに舞い込んだ不思議な依頼、不思議な話。自分の存在もグラグラしてる気持ちになれる。
0投稿日: 2011.02.16
powered by ブクログ長い電車の時間が短くなった魔法の一冊。 ぐいぐいひきよせられる。 言葉はシンプルで、場面も自分とは直接関係ないものばかりなのに いろんなものや出来事を 想起させる。
0投稿日: 2010.12.21
powered by ブクログ●本を読み進めることに没頭してしまって、物語が暗示していることについて考えることができなかった。 ☆きっかけは小説の読み方で取り上げられていたため。 読了日:2010/11/09
0投稿日: 2010.11.18
powered by ブクログ作家でなくとも、同じことを繰り返しながら日々を過ごしているわたしたちは、自分が何なのか、自分が本当に存在するのか、わからなくなるときがある。 もっかいちゃんと読まないとわかんない。 それとも読めば読むほどわかんないのかな。
0投稿日: 2010.11.14
powered by ブクログ何も物語が動かない孤独な話【幽霊たち – ポール・オースター】 http://on-the-road.co/?p=2637
1投稿日: 2010.11.07
powered by ブクログ探偵が主人公でありながら、新聞記事的な事件は何一つ起こらない物語。 銃は最後まで火を噴かない。 物語そのものを語る物語、と言っていいかもしれません。 決して読者を退屈させません。
0投稿日: 2010.11.01
powered by ブクログホワイトにブラックを見張るよう命じられた探偵ブルー。しかし淡々と何も起こらない日常が過ぎていき、ブルーは次第に不安を募らせる。 第三者の目線を通して現在形で語られるかちっとした透明な文体が印象的。なぜこんなことをしているのか、というブルーの問いが進むにつれ、奇妙な恐ろしさが感じられるようになってくる。見張られているような、閉じ込められているような、逃げ場のない立場に知らないあいだに迷い込んでしまったような感じ。 ただ、最後は少し消化し足りないような気がした(単に読解力不足のせいかもしれないけど)。ブラックの動機について、そしてホワイトについてもっと説明がほしかったと思う。
0投稿日: 2010.10.27
powered by ブクログ薄っぺらい冊子の中に、とても深い『何か』を感じた、そんな1冊。 幽霊たちというタイトルではあるけれど、オバケとか妖怪とかそういうことではありません。 それはいわば、幻影のような、自分自身の投影のような、儚くも脆い人の心たるもの。 登場人物の名前に色が使われているのに、読んでいる中で見えてくる世界はまるでモノクロ。 白黒加工をしたような、どこか廃墟と化した街のような、どうしようもない虚脱感を覚えます。 感性を磨きたいなら、とりあえず読んでおくべし。 今一度、自分を見つめ直そうという気持ちが芽生えるに違いない。 そして、ポール・オースターの描く世界観に浸かりたくなるに違いない。
0投稿日: 2010.10.23
powered by ブクログ十年ぶりの再読。昔読んだ方がもっと面白かった記憶が。自分が自分じゃなくなっていく恐怖と混沌。いかにもオースターらしい作品。
0投稿日: 2010.09.30
powered by ブクログ作風が奇抜で簡潔。斬新。 終盤最後の最後のシーンはオールビーの「動物園物語」に似ている。 なんだか、全体を通して実存主義的な印象を持ったのは気のせいだろうか。
0投稿日: 2010.09.21
powered by ブクログいや~、久々に「考える」小説を読んだ。 何も起こらない、延々と何も起こらないまま、ひたすらあれこれ思索を巡らせる主人公と、それに倣うように自分もひたすら「考える」。 不条理で、ある意味退屈なんだけど、中篇であるせいもあってか一気読みしてしまった。安部公房をなんとなく連想した。 もう少したったら、再読してみたくなる本。 クセになる感じかも。
0投稿日: 2010.08.19
powered by ブクログひさびさに小説らしい、小説を読みました。 全然内容理解できないけど、面白い。読書を引きつけつつ、ほったらかす。 一見矛盾するこの要素を文章の力で美しく成立させています。 わかりやすいストーリーにわかりやすい作者の主張をおりまぜる昨今のベストセラー小説も面白いし正直結構好きですが、できればひよらずにこっちの世界で生きていきたいです。
0投稿日: 2010.07.31
powered by ブクログ「書くというのは孤独な作業だ。それは生活をおおいつくしてしまう。ある意味で、作家には自分の人生がないとも言える。そこにいるときでも、本当はそこにいないんだ。」 読書クラブ課題図書でした。 なかなか難解で。。。 だからこそ、皆で話し合う価値があった感じ♪ かなり楽しかったのですし、皆深いなーなんて思ったりもした。 上記部分は物凄く心に残った部分。 また読む時々できっと心に残る部分がありそうだなぁ。 もうなん作品かオースターの作品を読んでみようっと♪ 【5/28読了・初読・個人蔵書】
0投稿日: 2010.06.13
powered by ブクログオースターのニューヨーク三部作の二作目。 先に読んだ『鍵のかかった部屋』も今回の『幽霊たち』も、主人公と呼べる人間が、物語が進行するにつれそれまで自分が思っていた自分から「誰でもない人間」と化してゆく。 今回の訳者あとがきに、とても分かりやすい文章を見つけたので抜粋しておく。 『考えるということ、それ自体が一番の問題なのだ。何もすることがなくなった主人公が、考えるという行為を否応なく強いられる状況を読みすすめるなかで、読者はいつの間にか、考えるということはどういうことなのか、という問いをまさに自己自身に問いはじめているのである。』 これはオースター文学の大きな特徴だと思う。オースターの小説において一人の「私」が語られるとき、それはつねに『私というもの』をめぐる考察を背後に含んでいる。一冊の書物についての議論には『書物というもの』をめぐる思索がおのずから伴い、登場人物が何かについて考えるとき、それは必然的に『考えるということ』の本質を読者に考えさせずにはいない。ひとつの人生は人生というものそれ自体を示唆し、物語のプロットは世界のプロットを暗示する。具体物はつねに抽象的次元を志向し、抽象性は具体例によって補強される。イデオロギーの正邪ではなく、思索の快楽を味わわせてくれることがオースター文学の大きな魅力である。 私は思索の快楽を味わわせてくれるというのには少し異なる感覚を覚えるけれど、それ以外はまさしくその通りだと思う。 それから、書くという行為においてのオースターの捉え方というものも私はとても関心がある。書くことで生まれる不確定な断定、自己でありつつ自己から離脱してゆく不安、記録という止まった時間に対して進み続ける現実、それに伴うねじれやよじれ、そういうものがすごく巧みに表現され小説という形に置き換えられているところが素晴しいと思う。書く行為から生じるであろうことを真面目に伝えようとしたら論文になってしまうのに小説として成り立たせてしまうわけだから、本当にすごい作家だと思う。
1投稿日: 2010.06.09
powered by ブクログ心霊モノかと思いきや、全然そうでもない。なんだか不思議な、ミニマムな話。 安部公房とかカフカとか、そういった類いの不思議具合。 自己と他者という切り口で存在というテーマに迫ったのであろうかこの作品、貧弱な脳みその自分には非常に難解であった。 ブルー、ブラック、ホワイト、ブラウンにヴァイオレット、ほとんどの登場人物がそれぞれ「色」を冠した名前であるだけに、その存在の危うさを際立たせている・・・のかな。うーん難しい。 でもこういうわけわからん小説は好きです。個人的に 当たりもあれば、はずれもあるさ もう俺の上にボスはいないんだ。俺のボスは俺自身だ まるで毛穴を通して夜そのものが彼の内部に押し入ってきて、とてつもない重さをたたえて彼のうえに座り込んでしまったかのように それで俺は———俺はなんのためにいたんだ?
0投稿日: 2010.05.29
powered by ブクログ事態をひたすら観測する視点で書かれるオースターの描写はとても好きです。 こういう本のレビューを饒舌に書けるようになりたい・・・
0投稿日: 2010.05.26
powered by ブクログ『ガラスの街』『幽霊たち』『鍵のかかった部屋』の三つがオースターの「ニューヨーク三部作」と呼ばれているそうだが、何も知らずに二番目の『幽霊たち』を最初に読んでしまったよ。三部作はそれぞれ独立した話だというから、順番はあまり関係ないかもしれないけれど。 これまで読んだことのないタイプの小説で衝撃的だった。どこでもない場所、誰でもないひとの、アイデンティティクライシス。
0投稿日: 2010.05.15
powered by ブクログこんな小説を読むと、「よみもの」としてフィクションが手に取れる「本」というカタチに収まっている理由がよくわかる。 手が喜ぶインターフェースを持ち、いつしかストーリーの持つ独特のリズムに揺られて、ここちよい旅が目前に広がる。途中下車したくないほど、その情景は多彩で示唆に満ちている。思索をするための時間が、ちょうど良い距離感で饗されていて、私は知らずのうちに、リアルに戻る術を忘れてしまうのだ。 「幽霊たち」の持つリズムは、淡々としてヒトを引寄せるドラマはない。長い間(その時間感覚さえもうろうとなるほど)、ある男を見張り続ける私立探偵の話。結末は夢かうつつか曖昧なまま幕を閉じる。彼の行く場所をなくした存在感が、ブラックという存在を打ち消すことで、「曖昧さ」のパズルが完成する。 このように説明すると単調なストーリーに聞こえるが、ヒトがストーリーを詳細に語っても全く魅力が伝えられないところに、この小説の魅力がある。 半世紀前ほどのニューヨーク。今のニューヨークを思い描かない。ブルックリンに高級住宅街など建つもっと前の話。灰色の冬空、くらい裏通り、淀んだ瞳、全てが燻されたような色をした街。そんなイメージ。 登場人物の明快な色が、その街に絵の具のようにカラーリングされる。 そしてそのカラーを形作るのは、はっとするほど魅力的な寓話。橋を造った親子、ロバート・ミッチャム、ブラックの話すアメリカ文化の先鋒たち。 まるでピアノと声だけで奏でられる音楽のように、シンプルで美学に満ちている。 先に書いた途中下車したくない文章に出会ったのは、久しぶり。 そういや、ナインストーリーズは真逆だな。 あの小説は旅の道中ではなく終着点かもしれない。
0投稿日: 2010.05.04
powered by ブクログこれはな違いなく良書です。しかし、何が素晴らしいかを言葉にすることが難しい。。。 わずか120ページほどの小品ですが読み応えは十分です。と言っても決して難解なわけではなく、(訳者の上手さもあるのでしょうが)文章は平易で読みやすく、散りばめられるエピソードや警句も素晴らしく、サクサク読めてしまいます。個々は具体的で良く判る。全体の流れも読める。でもどこか現実感がなく、全体として捕らえ所が無いのです。 登場人物たちの名前(=色)からして奇妙です。そして彼らはそれぞれが個性を持ちながら、どこか漠然としています。おそらく意図的に。 文字で書かれた抽象画、そんな風に思えます。
0投稿日: 2010.03.05
powered by ブクログ私はもともと読書家ではないので、本に求めるものは 共感や感動、事実に近いものや正義など、分かりやすさが一番だったりします。 哲学科を修了している夫は、読書の意義を「世界観をぐるっとまわしてくれる」ことだと言います。 そういう意味ではこの「幽霊たち」、私には超上級編だったということになります。 夫の解説でやっとこの本の良さが分かった気がします。 1人で読んだだけだったら、たぶん記憶にも残らなかったかも…。
0投稿日: 2010.02.26
powered by ブクログNY三部作第二弾。ごく普通の男が世界との繋がりを失ってどこかへ消えていくという流れ、最終的に入れ子形式の物語となっている作りは「ガラスの街」と同じ。でもこの作品の主人公には未来の妻や尊敬する先輩がおり、自己存在について考えこむタイプでもなく、望んで孤独という迷宮に踏み込んだわけではないところが前作とは大きく違う。 世界と繋がって生きていたはずの人間が、ふと一歩横滑りしただけで世界から切り離される。与えられた観察対象が彼の世界の全てになり、気づかぬ内に世界の他の全てにとって彼は非在者となって…唯一繋がっていたその世界が裏返る時、彼の存在自体も裏返る。ブルーもブラックもホワイトもなくなる、色のない世界、でも色の名が溢れる一方でリアルな人間の表情が見えない空虚さは最初から物語全体を覆っていて、読み終わってもそれこそ全てが幽霊たちの話のよう。消失の物語のようで、全体が“非在”を語る作品と言えるかも。
2投稿日: 2010.02.02
powered by ブクログ初めて読んだ時、こんなに洗練されているアメリカ文学があったのかと衝撃を受けた。 私にとって、アメリカ文学への入り口となった作品。
0投稿日: 2009.12.05
powered by ブクログ私立探偵がある男の監視を頼まれて、ずっと監視してる話。登場人物は皆、ブルーとかブラックとかの色の名前。これが、個性をへんになくす。この違和感がオースター的ってことなのか? 「偶然の音楽」がちゃんとストーリーがあったなのに対して、すごく観念的なので読みにくかったし、何が残るっていう訳じゃないんだけど、印象的。多分、しばらくしてじわじわと染み込んでくるんだろう。
0投稿日: 2009.11.09
powered by ブクログおすすめ!! これも学生の頃に読んだ。 短いのにじゅーぶんハラハラします。 もう一回読もうっと。
0投稿日: 2009.10.30
powered by ブクログ私立探偵ブルーはホワイトから奇妙な依頼を受ける。真向かいのブラックを見張る依頼。だが、ブラックの日常には何もない。毎日何かを書き、本を読み散歩をしているだけなのである。ブルーはブラックの正体やホワイトの目的を推理して空想に飛ぶ。オースターの代表的な作品であり、ニューヨーク三部作の1つ。 なんといっても書き出しがいい。‐まずはじめにブルーがいる。次にホワイトがいて、それからブラックがいて、そもそものはじまりの前にはブラウンがいる‐。こんな調子で続くので数ページ読むと著者近影も相まって、この作者、ムチャクチャ不器用なんじゃないかと思い親近感がわく。そしてこの小説には会話調の文はあるが、会話文がない。要するにカギカッコ付きの文が全くない。すべて地の文である。しかし(それゆえ?)読む人はあたかもブルーと会話しているような気分になる。ブルーはブラックを見張っているが、ブルーは読者に見張られているのだ。戦慄である。
0投稿日: 2009.10.26
powered by ブクログ2009/購入日不明(三島由紀夫の獣の戯れを買った日と同じ) 2009/ 橋の記述が好きです。物語とは関係ないのですが、ブラックがブルックリン橋を渡るシーンがあります。そのブルックリン橋を作った人はすごくロマンがあったのではないか、と思わせる記述がよかった。
0投稿日: 2009.06.13
powered by ブクログ漂白されたような文章が心地よい。世間から薄皮一枚隔てるだけで、僕らは簡単に幽霊になってしまうのかもしれない。
0投稿日: 2009.03.04
powered by ブクログポール・オースターの作品で最初に読んだのがこれでした。薄いし、安いし・・・とちょっとした時間つぶしによかろうと購入したのがこれ。 映画「スモーク」とか見て、オースターの存在は知っていたのですが、なんとなく敬遠してたのです。が、読んでみて・・・面白い! まずはじめにブルーがいる。次にホワイトがいて、それからブラックがいて、そもそものはじまりの前にはブラウンがいる。 名前が匿名で、地名とかもNYなのだけど、ちょっとぼやかしてあって、具体的にイメージしにくい。いや、NYは行ったこともないし、はっきり地名書かれてもわからないのは一緒なんだけど、あえてはっきりさせてないところが、なんだかわかりにくい。そのわかりにくさが全編を通して拭い去れないのだけど、わかりにくさもオースターの狙いなんだろうな。自己が自己であるようなないようななんなんだかわからないような感覚に陥っていく感じ。そこに存在しているものの実態について考えさせられるお話でした。これをきっかけに、しばらくオースターの作品をむさぼるようにして読んでました。オースターものではBEST3に入るかな、自分の中では。
0投稿日: 2009.02.24
powered by ブクログ素晴らしかった。この一言に尽きる。 アイデンティティというものの価値がどんどん消えうせていく感覚はすごいの一言です。
0投稿日: 2009.01.27
powered by ブクログ80年代のアメリカ小説、推理小説の形態をとっているが、不条理な設定で、描写は細かいのに主人公が誰でもない誰かになっていくアイデンティティの問題を描いていく作品。読み終わったあと、現実感を喪失するような感覚に襲われるので、犬と遊んでしまった。
0投稿日: 2008.08.16
powered by ブクログ内容(「BOOK」データベースより) 私立探偵ブルーは奇妙な依頼を受けた。変装した男ホワイトから、ブラックを見張るように、と。真向いの部屋から、ブルーは見張り続ける。だが、ブラックの日常に何も変化もない。彼は、ただ毎日何かを書き、読んでいるだけなのだ。ブルーは空想の世界に彷徨う。ブラックの正体やホワイトの目的を推理して。次第に、不安と焦燥と疑惑に駆られるブルー…。’80年代アメリカ文学の代表的作品。
0投稿日: 2008.05.23
powered by ブクログ授業用。初めてポール・オースター読んだ。展開の大筋は読めるんだけど、それでも意外な方向へ話は進んでいく。ブルーが見張っているブラックという男は何者なのか、ホワイトは何故こんな依頼をしたのか。だんだんブルーの考え方などに変化が現れる。結末が分からなくって結構のめりこんで読んだ。ブルーの思考の進み方が結構好きかも。っていうか、心理小説でこんなにスムーズに描きつつ、丁寧なのはなかなか無いと思う。…機会があったら他の作品も読んでみたい!
0投稿日: 2008.04.17
powered by ブクログ推理小説のような。 そうでないような。 不思議な感覚にとらわれながら一気に読める。 読後にきっと考えさせられる。
0投稿日: 2008.04.14
powered by ブクログこれはー、最後に震えるよ。ふふっ 人間って得体の知れない怖さがあるよね。 オースターで一番好きな作品かな。お勧め!
0投稿日: 2008.02.12
powered by ブクログアーヴィングと双璧をなす現代アメリカの人気作家オースターの出世作。 学生時代に教えてくれたNにありがとう。今君は・・・
0投稿日: 2007.11.07
powered by ブクログ社会と個人の乖離の怖さなんて、一人暮らしを始めるまでこの小説でしか知らなかった。 私は幸せ者です。
0投稿日: 2007.10.05
powered by ブクログ言葉だけでは報告書が書けない、確かに目の前にいる男の姿が見えてこない。 たまたま別役実の『ベケットといじめ』と同時並行に読んでいたら、かなり関連性があって面白かった。言葉の限界、「関係」が主体を支配するということ、自己と他者の境界の消失など。
0投稿日: 2007.09.21
powered by ブクログ秋、思わず読んでしまうのがポール・オースター。 自分と向き合う時間が多少なりとも確保出来るからでしょうか。 ささやかではあるが確固たる悪意の継続と反復がいかに暴力よりも人にダメージを与えるのに有効か。 『ムーン・パレス』、『沈黙の音楽』で描かれる世界観を予感させる。 わりと短い作品なのですぐに読めますが、やがてこの読書が終わってしまうことの安心と残念を同時に感じるはずです。
0投稿日: 2007.07.09
powered by ブクログ主人公の探偵が、依頼を受けて男を監視するも、何も事件は生じず、主人公の戸惑った内面描写が続く。不条理に苦悩し自分と向き合うようになる主人公と、物語を書くために自己を失う男。読み終わった後、わかったようなわからないような曖昧な感じを覚えた。
0投稿日: 2007.04.23
