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幽霊たち(新潮文庫)
幽霊たち(新潮文庫)
ポール・オースター、柴田元幸/新潮社
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総合評価

207件)
3.9
45
69
62
5
0
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    2025/12/19読了 まず書き出しから面食らう。文章が現在形で、会話文の所も「」で括られない。主にアメリカのサスペンス系で、物語のリアルタイム感を出すためか、地の文を現在形にした小説を10年くらい前から見るようになって、アチラでの流行りの形式なのかと思っていた(念のために書き添えると、作家、作品数ともサンプルは多くない。ただの個人の印象、というより思い込みレベルである)が、1986年の段階でP・オースターが本作でやっていた。まぁ、オースターがこの形式の先駆者という訳でもないのだろうけど。 登場する人物名は、実在の人物を除けば回想中の人物含めて、色彩に関連する名前ばかりで極彩色なのに、何か起こりそうで何も起こらない物語というべきか、脳内再生される場面はモノクロが似合っている。そう思うと、調査対象者がブラックで依頼人がホワイト、調査する主人公の探偵がブルー(憂鬱)というのも示唆的ではある。みんな、物語を語るためだけに存在し、語り終われば跡形もなく消えてしまう幽霊だったのか……。

    25
    投稿日: 2025.12.21
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    ポール・オースターの『幽霊たち』を読了。 探偵小説の形式を借りながら、主人公ブルーの内側がゆっくり崩れ、 “他人を観察することが自分を見失うことにつながる” という不思議な物語に変わっていく。 ブラックを尾行する日々は、事件の追跡ではなく、 むしろブルーが自分の影に侵食されていく過程に見える。 氷の中で若いままの父と再会するスキー屋の逸話など、 “ありそうで存在しない映画のような話” が挿入され、現実と虚構の境界が揺らぐのが印象的。 エグベルト・ジスモンチの『輝く水』をBGMに読んだことで、 物語の静けさと不安定な空気がより鮮明に感じられた。 結末は明確な答えを示さないまま、ブルーが旅立っていく。 その曖昧さが逆に深い余韻を残す、静かで美しい小説だった。

    0
    投稿日: 2025.11.11
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    主人公の内面的な葛藤や思考の変遷が描かれ続けますが、飽きさせないで読ませる文章はさすがポールオースター。短いのですぐ読めます。

    8
    投稿日: 2025.09.21
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    私立探偵のブルーはブラックという人物を見張るよう依頼され、あてがわれた部屋で暮らし始める。 登場人物の名がすべて色の名前であることで、たちどころに虚構の世界に引き込まれ、名付けの威力を思い知る。いくつかの逸話が紹介されるが、それはどれも「長い不在」、もしくは「欠落」の要素を持っているように思う。ブルー自身、ブラックを見張るあいだは今まで自分がいた世界を不在にしているのだ。不在がすぎて、恋人に去られてしまうほどに。 「不在」とは、誰かがその欠落を強く感じて初めて起こること。恋人に去られ、もとの世界ではもはや不在ですらなくなったブルーには、今やブラックをめぐる世界しかない。彼はブラックとの接触を考えるようになっていく。 世界から隔絶されたかのようなブルーとブラックは、存在を認識し合うことでお互いを支えているのだ。「不在」が誰かの意識によって支えられているのなら、「存在」するにも誰かの意識が必要なのか。誰にも認識されなければ、それは幽霊と変わらないのか。それがタイトルがしめすもの? ブルーは最終的にブラックをぶちのめしてその部屋を去るが、そのあとのことは語られない。彼はふたたびもといた世界に戻るのだろうか。それとも、認識してくれる存在をなくしたことで、自分の存在を決定的に失ってしまうのだろうか。後者であれば、そんな自分の存在をなんとか支えようともがくだろう。そのために、私立探偵に自分を見張らせようと考えるかも‥ 。そんな依頼人からは一目散に逃げだしたい。

    1
    投稿日: 2025.09.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ブルーはホワイトの依頼でブラックを見張っている。何も起こらない。いい加減何かがおかしいと気づき始めるブルー。もしかすると、と想像していた通りの結末になった途端、ブルーが消えた。ブルー自体が消えたのである。そして私も迷子になった。 まるで合わせ鏡をしているような世界。その世界に迷い込んだら、他人を観察していたつもりが自分を観察していた。 ブラックって本当にいたのかな?

    3
    投稿日: 2025.09.08
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    探偵ブルーはホワイトから、ブラックを見張ってほしいという依頼を受ける。 ブルーはブラックの真向かいの部屋に住み観察を始めるが、彼の行動はといえば、何か書きものをしているか、散歩しているかのどちらか。 事件らしい事件も起こらず、ただブラックを見張り続けるほか何もすることのない日々に、ブルーはじりじりと焦燥感を募らせる。 無機質なニューヨークの街の中で、物語は色彩を失っていく――。 『書くというのは孤独な作業だ。それは生活をおおいつくしてしまう。ある意味で、作家には自分の人生がないとも言える。そこにいるときでも、本当はそこにいないんだ。』 『また幽霊ですね。』 『その通り。』 『何だか神秘的だ。』(引用) 書くということとアイデンティティをテーマに据えた、煙に巻かれるようなお話。 柴田元幸氏の訳が大変素晴らしく、何度も読み返したい。

    2
    投稿日: 2025.08.16
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    面白い?と読んでる時に聞かれて「どこを読めばいいか分からない」と答えた。その感覚で正解というか、上手に読ませない、道筋を描かない。そういう小説だったように思う。不安と抽象的な雰囲気を感じ取らせ、霧散させられた感じ。ぞわぞわと這い寄ってくる恐怖とも絶望とも言えないモノが気持ち悪くて面白い。ラストにかけては、息を吹きかけられるのが分かっていて、その息を吸い込んでいる音を聞いている感覚。三部作だったらしいのを解説で知って悲しい。他のも読む。あと、タイトルがかなり好きで、回収も美しいなと思う。訳者もいい仕事してる。

    2
    投稿日: 2025.07.03
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    ちょっと一回読んだだけでは咀嚼が難しい。 途中までは理解してたはずが、どこからか置いてかれてしまったような感覚。

    1
    投稿日: 2025.06.25
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    ブルーがだんだんわけがわからなくなっていったように、自分も「何を読んでいるんだ…?」と上手く頭が働かなくなってしまうような読書体験だった。『ガラスの街』でもそうだったけど、ニューヨーク三部作ってこんな「なんだかわけわからねえ靄に包まれた気分だぜ」っていうのが続くんですかね?『鍵のかかった部屋』を読むのが楽しみではあります。最後のブルーが旅立つところが好き。どこか分からないけど、とりあえずそういうことにしておこうかっていう姿勢が。

    18
    投稿日: 2025.06.11
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    鈴木保奈美さんが大好きなオースターを初めて読んでみた。これは探偵小説なのか、それとも心理小説、哲学?なかなか難しい本のように感じる。少し村上春樹の作風に似てるように感じるのは私だけかな。一度読んだだけでは、私には理解、謎はまだまだ解けない。探偵ブルーのその後が気になる。

    3
    投稿日: 2025.06.08
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    最後の最後で爆発する「ブルー」の怒りが凄まじい。 きっちり落とし前をつけて新しい世界へ去っていく。なかなか爽快です。 それにしても、行動範囲が限れた主要人物たった3人による駆け引き、よくこんな設定を考えたものだと感心した。

    1
    投稿日: 2025.05.14
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    初めてポール・オースターの作品を読む。題名が 読み終えるまで意味がわからなかった。幽霊がいつ出てくるのだろうと。現実だが抽象の世界。相手の行動を自己に投影する。そんな話。2025.3.29

    0
    投稿日: 2025.03.29
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    友人から勧められて読んでみたが、超絶読みにくい。文体が合わない。主人公のブルーという探偵が、ホワイトという依頼人によりブラックという人物を観察、報告するするというストーリー。 映画なら、面白そうなので作品自体に魅力はあると思う。ただ、自分には向いていなかった。 それだけ。 今、思い出すと友人もアメリカ文学の代表作らしいという言い方をしていて、決してオススメとは言ってなかった気がしてきた。 いや、面白くないんじゃないんだけどね。

    23
    投稿日: 2025.03.24
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    シンプルに読みやすい。 相手を見張るだけ、という単調な設定だからこそ、自己との対話を通して疑心暗鬼に陥っていく展開がとても良い ミステリーの展開がワクワクするので読み終わりのスッキリ感がありつつも、他者を通して自己の存在を確認するというテーマが最後に残されて、行為と行為による影響が人間を人間たらしめていると改めて考えさせられた あと海外小説、映画あるあるで名前覚えにくくて発生するノイズがなかったのが地味に助かった

    1
    投稿日: 2025.03.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ポストモダニズムがどうとか、巻末にあった文章のようなことは難しくてわからない。作家たちの歴史を学ぶ必要がある。 ただ単純に、読んで、構造的な面白さが印象深かった。前衛アートのように構造を楽しむものなのかな、と思った。 主人公たる探偵ブルーは、ホワイトに「ブラックという男を監視してほしい」と依頼される。しかしブラックは日がな一日机に向かっていて、外出は散歩程度のものだ。依頼の意図も知らないブルーは焦れて、飽き、やがてホワイトとブラックについて物語を妄想したり、自己について深く考え込んだりする。ついにブラックと接触したブルーは、ブラックもまた誰かを監視するよう依頼された探偵だと知る。 監視する者と監視される者という立場があって、そして監視される者は監視する者でもある。この多層構造が面白い。読みながらここで「読者である私もまた、ブルーを監視している」と気づいた。そして私もまたブルーの小さな考えや変化について想像したり自分を顧みたりするのだ。 この本は章立てがなく、初めから終わりまでずっと続いていく。その作りも面白かった。それに登場人物の名前に個性がないから、私の頭の中の彼らはほとんど同じ顔だ。そういう奇妙さが楽しかった。 あとがき等を読むに、現在形で書くなど、原語では文章の作りも工夫してあるようだ。そのあたりは英語が苦手な自分としてはわからないので勿体無い。それにこれはニューヨーク三部作の2冊目らしく、他を読むと受け取り方が少し変わるらしい。機会があれば読んでみたい。

    2
    投稿日: 2025.02.01
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    鍵はウォールデンである。 ある男を監視する主人公は、男の買ったソローの森の生活を読もうとして挫折する。 ゆっくりと読む、それが主人公の陥った袋小路を打開する唯一の手段。 しかし、その機会を失った事で、停滞していた監視は、主人公を傍観者の立ち位置から巻き込む形で、監視される男へと、一種、予定調和の様に集約していく。 ゆっくり読むべきは、我々読者だったのか? この転換は、小説の丁度ど真ん中でピッタリと折り返す様に起き、計算された構成を味わえます。

    5
    投稿日: 2025.01.22
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    ブルーに課せられたのは、ただ机に向かって書き物をするだけのブラックを見張ること。 そのうち、自我が融解してブラックと融合したかのような奇妙な感覚に陥る。 ブラックはブルーの合わせ鏡でもある。 ブルーの視点を通して、わたしたちもブラックを知り、ブルーを知る。 ブラックにとってもブルーの存在は同じようなもので、だからこそブラックはブルーを殺せなかったのだろうし、そこで怒りに任せてブラックを殺してしまうブルーには狂気すら感じる。 その後、ブルーが正常に戻れることはあるのだろうか。ブラックを失って。

    1
    投稿日: 2025.01.06
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    2024年に亡くなったアメリカの作家、 ポール・オースターが描く、私立探偵の物語。 登場人物は、(実在の人物等を除いて)全てが色の名前で、奇妙な展開や駆け引きに夢中になりました。 ページ数も130ページ程度と非常に短いので、1日で一気読みでき、2024年の年納め小説とさせていただきました。 実は、ニューヨーク3部作の第2作目とのことで、 話は繋がってないらしいものの、1作目のガラスの街から読むのもアリだったかもと思いました。

    15
    投稿日: 2025.01.06
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    奇妙な依頼を受ける私立探偵 ただ、見張り続けるだけ 何かおこるわけでもなく 次第におかしな思考になり おかしな行動をとる いったいなんなの! と、読む側もおかしくなる が、なんだか気になって気になって 一気に読まずにはいられない 読みおわっても 気になって仕方がない

    53
    投稿日: 2024.12.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    (2024/11/06 1.5h) 1989年発行の単行本版で読了。 バーコードのないものだったので、こちらで記録。年月を置いて文庫版も読みたい。 あとがきにて柴田元幸が書いてる通り、「エレガントな前衛」という趣き。フランス映画っぽいというか。 ミステリー、推理モノの皮を被った深層小説なので、純文学が好きという人にハマるかなと。わたしは大好きな作風だった。

    4
    投稿日: 2024.11.07
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    物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。 東大OPACには登録されていません。 貸出:物性研図書室にある借用証へ記入してください 返却:物性研図書室へ返却してください

    0
    投稿日: 2024.10.22
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     薄い文庫なので、槍ヶ岳に行くときの装備として持って行った。  同じ著者の『ガラスの街』と似た内容で、ニューヨークの街中で私立探偵がある男の監視を依頼されるところから物語が始まる。部屋から出ることもなくワンパターンの生活を送る被監視者と、それに付き合う監視者が単調な生活に耐えられなくなりアクションを起こす内容だ。そのたび、両者の立場が揺らぎ、不条理が表出してゆく。  限られた空間設定、登場人物の少なさ、場面展開のたび変化する状況と、より戯曲的な小説だが、ワクワクするようなストーリー展開があるわけではなく、小説としては退屈だ。

    1
    投稿日: 2024.09.24
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    ニューヨーク3部作~「ガラスの街」「鍵のかかった部屋」「幽霊たち) 1985年~1986年に執筆されたこの傑作揃いは、全く、互いに関連するものはない。 なのに、読書中、読後感が同じ匂い、感触に包まれる。 どれも読んだのは20年余前、仕事の合間に読んだ事もあり、あんまり記憶に残らなかった。 年齢もあるのか・・と今回、まずこの本を再読してみて感じた。 共通するモチーフは「孤独」そして無色ではないとしても没個性的「存在の」人物・・ブルー・ブラック、ホワイト、レッド、ヴァイオレット・・・ ブルーがブラックの指示に従い、歩き走り行動して‥現実と虚構のはざまが薄れ消えていく感覚がこちらにも伝わってくる。 オースター作品は「誰も死なない、何も起こらない」のが特徴と言われるとはいえ、ブルーは探偵・・まさに「サスペンス的カフカ調」展開作品だ。

    0
    投稿日: 2024.09.17
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    探偵業を営むブルーのところにホワイトという人物がやってきて、ブラックという男を監視するよう依頼してくる。 ブルーはブラックを毎日監査している内に、ブラックに興味を持つようになり、とうとうブラックに話しかけて、会話をするようになる、、、。 現代アメリカ文学の代表的作家ポール・オースターの「ニューヨーク三部作」と呼ばれる初期の代表作の中の一作。 ブルーやブラックという登場人物の名前も、探偵という職業も、この作品はいわゆる「物語」を語ろうとするよりも、「物語」という枠組みを使って、オースターが作品を書くという仕事を楽しんでいるように思える。 丁度大学生だった時にオースターの作品の翻訳が出始めて、自分も当時読んだ気がするのだが、印象的な作品というだけで、忘れてしまっていた。 今回、自分の参加する横浜読書会という場でこの本が課題本として取り上げられたので35年ぶりくらいで読んだのだが、感想としては、複雑。 この作品は一度読んでもわからない。再読が必要で、しかも一人で読んで考えるのではなく、読んだ後に読んだ人たちとあーだこーだと作品について話さないと、楽しめない気がした。

    9
    投稿日: 2024.09.15
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    とにかくアメリカ小説の短篇をという時期に、たまたま古本屋で手に取って読んでみた。 あとがきで翻訳の柴田元幸氏が丁寧に解説しておられらたが、正直それがなければちょっと理解が進まなかった部分も多かった一冊。

    6
    投稿日: 2024.09.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    結末はあっけなく、とても不明瞭なものだった。 なのになぜこんなに満ち足りた読後感なのだろうか。 結末に至るまでの空想にふける時間がとても濃密で、思考するブルーを観測することを楽しんでいたからだ。 そしてブルーと同じくブラックとホワイトについて推理をする。文章から得られる情報を整理し余白に想い馳せることを繰り返す状態はブルーと同じ感覚だったし、ブルーが様々な変装でブラックに近づく場面でブラックが発した「幽霊たち」の状態そのものだろう。 ブルーと意識が近くなるにつれて、ブラックに少しでも動きがあると嬉しくなったりしていた。 ホワイト(ブラック)が書いた物語がブルーのことだとすれば、その正体はオースターだと仮定することもできる。そしてブルーは誰にもわからない場所へと向かう。ブルーもまた、我々自身と仮定することができるだろう。行き先は、誰にもわからない。

    1
    投稿日: 2024.08.26
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    このままもう一周しようと思った本 苦労して1時間もかけて歩いてきた道を 目的地の直前に ぜんぶ引き返してしまいたい衝動に 駆られたことはあるだろうか 山頂からの帰路で すっかり降りてしまう直前に もう一度登りたくなる衝動に 駆られたことはあるだろうか その衝動に素直に従ってしまいたい本だった

    2
    投稿日: 2024.08.20
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    何か起こりそうでなかなか起こらないし、読んでいるうちに主人公と自分がひとつになって一体この主人公は今何をしてて本来は何を成し遂げなければならないのか、主人公が誰かを見ているのか、逆に誰かが主人公を見ているのか、そもそも主人公は誰なのか分からなくなってくる。 最終的にはハッピーエンドとはいかずともトゥルーエンドくらいにはなったんじゃないかと個人的には思う。失ったものは大きいけど。物語からの脱出成功。 オースター自身の書くことへの不安感が表現されていると思う。三部作の二作目から読んでしまったので残りの作品も近々読んでみたい。

    1
    投稿日: 2024.07.21
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    誰が誰を見張っていて、見張り続けていると、見張られているのは自分なのかもしれないと思い出して、そうすると、見張っている男の正体が知りたくなって、後をつけていくとそこにいたのは、ジョン・マルコビッチだった。という話。じゃない。

    0
    投稿日: 2024.07.06
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    ポール・オースターの作品に触れるのは初めてだったが、この白黒な感じはかなり好きだ。巻末にはなるほどと思うような素晴らしいあとがきと解説があり、文学的に重要な作品なのだろう。私にはそれほど高尚なことは分からないのだが、ブルーの観察眼とか客観的な自省とか優しさとか、聞かれてもないことを考え込んでしまうところとか、気づけばそういうのにすごく惹かれている自分がいた。 ポール・オースターの他の作品も読んでみようと思う。彼のことを少しでも知れたら嬉しいな。

    1
    投稿日: 2024.05.09
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    なんだか久々に文学的な作品を読んだなっていう読了感。 最初は普通のミステリーかと思って読み進めたんだけど、普通のミステリーではない笑

    0
    投稿日: 2024.02.17
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    240216〜 26 彼にとって言葉は透明である。 47 俺のボスは俺自身だ。誰からの指図も受けない。俺自身の指図しか。 52 スクリーン上の映像というのが、目を閉じると頭の中に浮かぶイメージとどこか似ていて、それが気に入っているのである。 57 書物はそれが書かれた時と同じ慎重さと冷静さとを持って読まれなければならない。 240219読了

    0
    投稿日: 2024.02.16
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    そろそろ事件が動く頃だろうと期待するたび肩透かしを食らいながら読み進めていって、最後数ページでようやく自分がこれまで読んできた物語の正体がわかった。アハ体験かよ。

    0
    投稿日: 2024.01.07
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    読了したのは文庫ではなく1985年の単行本。 三十数年ぶりの再読は、前著『シティ・オブ・グラス』を読了後に間髪入れずに続けてという読み方。 『シティ~』よりも『幽霊たち』のほうがほんのわずかだが覚えていた。 最初はたしか『幽霊~』を先に読んで、しばらくたってから『シティ~』を読んだ気がするが、『幽霊~』の印象をもっていたので「なんだ、『幽霊~』の下絵じゃんかさ」と思って、いいから加減に読んだせいで記憶に残らなかったのだろう。 自分にとって『幽霊~』のほうが印象深く考えさせられるエピソードが多いからだ。 たしかに独特の小説で魅力的だし、入れ子構造というかメタ構造は好なのだが、2作続けて読むとそのワンパターンさにちょっと辟易させられる。「またいきなり『私』が顔を出すのかよ」ってなもんである。 同じ対象をいくつも描く素描と似ていて、これはもしかしたら大きな1つの絵を描くための練習なのかもしれないと思われてくる。 というわけで次に『鍵のかかった部屋』にとりかかるとしよう。

    0
    投稿日: 2023.05.31
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    最初から最後まで現在形でのみ書かれており、主人公であるブルーの心理状態を想像しやすかった。そして内容にのめりこめた。

    0
    投稿日: 2023.05.14
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    衝撃。 あらすじとしては単調なのに面白く読み進められる。奇妙な世界観。 自己、考えること、書くこと、見ること、幽霊たち、たくさん考えさせられる。

    0
    投稿日: 2023.04.05
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    いったい彼らが誰なのか?そもそもこの物語は何を描こうとしているのかすら分からないまま読み進める。 ブルー、ブラック、ホワイト。 登場人物たちのイメージはなんとも劇画チックで、アメコミのキャラクターを想像しながら読んでいました。 とても難解なことを平易な言葉で端正に語っている印象があり、どこか孤独な閉塞感が終始支配している。

    5
    投稿日: 2022.11.23
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    事件らしい事件は最後まで全く起こらない。主観と客観がグチャグチャしててブルーとブラックがだんだん一体化していくような不思議な感覚になった。

    0
    投稿日: 2022.08.04
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    作者の意図は、小説を書くことを見ること。その人間離れした奇妙さを言語化すること。しかし、見ることは、書くことと独立はしていない。クールに見ることは出来ないのだ。見るものは読んでしまう、そこに自分自身を。関与しすぎるものに、自己を見失わせる。 これはメタ小説だ。

    0
    投稿日: 2022.06.16
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    シンプルながらテーマ(アイデンティティとは?みたいな)がしっかりしていた。 けど、面白みは薄い。文章は読み易いし、読み心地はいいけど、これは翻訳者の力か? 原書を今度読んでみたい。

    0
    投稿日: 2022.03.27
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    正月に読もうと思って古本屋で買っててやっと読んだ。 ものすごく薄い本だからいつでも読めると思ってたのに大間違い。 私立探偵ブルーが変装した男ホワイトからブラックを見張るように依頼されるが、彼の日常には何の変化も起こらない。 ブルーは次第に不安と焦燥に駆られる… 読み始めたらなんだかどんどんはまっていく、不思議な話。 自分なりにいろいろ考えながら読むけど とにかくブルーの不安感がものすごく伝染する。 なんだか落ち着かない、イライラしてくる。 ちょっとしたブラックの動きがブルーだけでなく読んでいるあたしまでうれしくなる。 読後はまた、少し考えてしまう。 この話って、「ニューヨーク3部作」の2作目らしく まだ1作目の「シティ・オブ・グラス」も読んでないので、これらを読んだらまた感じが変わるかな。 それはそれで楽しみ。

    0
    投稿日: 2022.02.03
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    軽易な物語ではない。 張り込みをする探偵が相手を知る度に自分とその居場所に迷い込む。 語りの主観と客観が行き来する進行に読者も迷い込む。 私とは誰なのか。彼は私なのか。 個の存在に社会が付き纏う... その旨を暗に示唆する解釈を孕んでいるのか。

    0
    投稿日: 2021.10.28
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    2021年9月 こんな小説が存在したんだということに衝撃を受けた。日常ありえそうな風景でありながらなんとも不思議な世界観で、なのにストーリーとして面白く読めてしまったことにまた衝撃を受けた。 訳者のあとがきで「エレガントな前衛」と書いてあって、なるほどと思った。

    1
    投稿日: 2021.10.26
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    昔新潮社から1989年に発行された単行本を古本100円で購入。初読の際はうかつにもハードボイルド小説の積もりで読んで途中で放り出していたが、『読売新聞』が取り上げていたので、改めて読んでみると、滅法面白くて(ただしどこがどう面白かったのかは説明できない)、ほぼ一気読み。はたしてこの登場人物たちは人物だったのだろうか・ それとも単に言葉の運動? ほんとうに『幽霊たち』だわ。

    0
    投稿日: 2021.10.20
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    私立探偵のブルーが、ある男の見張りを依頼される話。登場人物がブルー、ブラック、ホワイトなど、色の名前で表されている。大きな変化はなく見張りをするだけという単調な物語たが、依頼者の意図は何か、相手は何者なのか、自分は何をしているのかと、すべてが懐疑的になる主人公の心の動きが非常に読みどころである。

    18
    投稿日: 2021.08.30
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    アメリカ文学に馴染みがなく、ポストモダンと言われても全くピンと来ない私。それ故に、難解なイメージが付き纏う「ムーン・パレス」以前の初期作品を敬遠していたが、<ニューヨーク三部作>の二作目にあたる本書は素直に楽しめた。終盤へ向かうに従い、不条理さを増す作風ではあるものの、読者を惹き付けるストーリーテリングの手法がこの頃から健在だったことが伺える。他者との関係性を以て、人は自身の実存性を認識するという件は後の「偶然の音楽」でもテーマになっていたが、個人のアイデンティティとは己が思う以上に脆弱で儚いものなのか。

    0
    投稿日: 2021.06.11
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    ムーンパレスを読んだときとはまるっきり違う感じ。新潮文庫の「ピース・又吉が愛してやまない20冊」にも選ばれていたとは。 登場人物がみんな色の名前で、ただそれだけのことなんだけど匿名性?がとても高められていたように思う。人物の描写がなくても自ずとイメージが浮かんでくるんだけれど、色以上の余分な情報はシャットアウトされていて、そのバランス感覚はこれまで味わったことない種類のものな気がした。 私立探偵ブルーが、ホワイトという人物から奇妙な依頼を受けて、ブラックを見張る。単調にすすむ日々のなかでブルーが異常を来していく様子はまさに狂気。我々のまわりは幽霊たちであふれている。

    4
    投稿日: 2021.05.31
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     知らない作家の本を読む機会を本屋さんでひょいと見つけることがある。手に取って「これ好きかも」と本の方から呼びかけられたのがこれ。他の欲しい本と一緒に購入。  案の定、ワクワクするような展開で秘密めいた人物が「どこでもない場所」へ行って「誰でもなく」なるなんて物語、本読みの醍醐味ですよ。想像力を搔き立てられ現実と遊離しているようでいて、しっかりと現実に即していて、ニューヨークの地形やアメリカの作家たちの挿話も面白く、やはり好みだったのだと。  読み終わってネットで検索したら、読者も多いことがわかったが、惹かれる本というのは当たりになるんだな。 ​​

    2
    投稿日: 2021.04.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【自分探しの旅に出たっきりの君に】 ブラックの調査を依頼された探偵ブルー。何事もなくミステリーが進んでいく中で、ブルーは想像を広げていく。ブラックの思考と一体化していくとともに、自分を見失っていく。自分とはいったい何?幽霊?

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    投稿日: 2021.03.04
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    翻訳ものってほんとにこれまでの人生で片手で足りるほどしか読んだことないんですけどその中でもなんやこの美しい訳は!?と衝撃を受けた柴田さん……(ネバーホーム) この本を手に取ったのは別の理由なのだけど柴田さんだから安心感が読む前からすごかった、開いてもやっぱり言葉が美しくてめちゃめちゃよかった。 ほんでこれ、この本、探偵ものでありながら事件はなく謎を解くミステリーでもない不思議な本。 人は他者を介して世界を見るみたいな……概念みたいな感じの内容……かな…… わたしは大体のことを額面通り受け取ってしまうので(頭がかたい)ラストでエッ!?大丈夫!?て心配になってしまったからそのまま終わっちゃってビックリした…笑 ブクログみたいに色んな方の感想読むと解像度が上がるからいいですね

    1
    投稿日: 2021.02.04
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    私立探偵ブルーがホワイトから依頼された仕事はブラックという男を見張ること…しかし何も起こらない。次第にブルーは妄想し始めブラックやホワイトの目的を考え不安に駆られていく。このわかりにくい話は不安をテーマとしている。ホワイトは実はブラックで、実は見張られているのは自分なのではないか?ブルーの不安、ホワイトやブラックの不安。第三者にはどうでもいい本人だけの問題だが、そしてラスト。堂々巡りの最後に読者の心の中にも不安の種が植え付けられる。

    0
    投稿日: 2020.12.10
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    15歳の頃に読んだポール・オースターとのはじめての出会いの本。記憶が曖昧だが、とにかくクールでミステリアス。物語の面白さに引き込まれた、魅惑的な作品。時間があれば再読したい。大人になって読むと、また違った新たな発見があるのかもしれない。

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    投稿日: 2020.09.15
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    はじめてのポール・オースター。登場人物の名前がみんな色だった。主人公の私立探偵ブルーは、ホワイトから依頼を受け、ブラックを見張るように指示される。しかしブラックは日々物を書いているだけで、何も変化が起こらない。ブルーにとって、はじめて何も起こらない仕事内容であり、ブラックやホワイトについても気にかかり不安になっていく、という内容。 読み進めているうちになんとなく自分の人生を振り返ってしまうような小説だった。

    0
    投稿日: 2020.07.21
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    「物語を書く」ということをテーマにした物語。生きているときふだんは物語の中にいることに気づかない。ふつうは気づかずに生きている。でも、それを「書く」とき、私たちは別の場所に行ってしまう。孤独な部屋の中にいくことになる。だけどなぜか、書くことの中に引きずりこまれるときがある。本当だったら、そんな暗闇のことなど気にせずにいた方がいい。どこか偽りの場所で笑って生きる。それも可能で、どちらを選ぶべきか。

    7
    投稿日: 2020.05.16
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    という訳で、『本の雑誌』薄い文庫特集から。オースターは3作目だけど、よく書評されているような、”どうしても読みたい”って気分になれず、なかなか手が伸びない。本作も、いつか読もうと思って、とりあえず買って置いてあったもの。案の定というか、自分にとってはやはり、どちらでも良いもの、の域を出ませんでした。何も起こらない小説が嫌いな訳じゃないし、とりたててつまらない訳でもないんだけど、何だろ、この残らなさ。当面は結構です、って感じ。

    0
    投稿日: 2020.04.16
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    探偵ブルーが、ホワイトの依頼でブラックを1年以上見張り続ける小説。冒頭「まずはじめに青がいる。次に白がいて、それから黒がいて、そもそものはじまりの前には茶がいる」登場人物の名前にさえ実体がない。読む内に読者の注視対象は黒→青に代わる。黒の位置に青がいる。最後には自分が一体誰を見ていたのかさえ判然としない。足場が揺らぐよう。「むらさきのスカートの女」と似た読後感だ。なんとも奇妙で不思議で、掴みどころがなく少し空恐ろしい。私が今立っている場所、見える物は、私のものか?浮遊感・取替可能そうな不安感が湧いてくる。 あとがきの考察がまたいい。 オースターは、“「どこでもない場所」に迷い込んだ人物が、次第に「誰でもない人間」と化してゆく状況を好んで描く。” “事件の起こらない探偵小説であり、犯人のいない推理小説である。”

    0
    投稿日: 2020.04.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでる最中は、なかなか面白い。 これは、ラストで評価が1にも5にもなりうるな~と期待しながら読んだ。結果3。笑 ブラックは、自分を見てくれる人がいないと自分ではいられないことを 中盤で、白状している。 ということは、、、ラスト自分が殺されてしまうことは 望んでいたのではないの? 主人公か、乗りに乗せられてく様が、アホに見えて 嫌になったのかもしれない。 アホ…じゃない?なぜそこまで乗せられたのか。 もう一度読めば評価は変わるのかな…。 主人公は、時間をもて余し、 考えに考えてしまう。 その間に思考だけが右往左往するが、現実に戻れば何一つ変わってない。 感情だけが揺さぶられ続ける。 その様を深く書かれてあるのは、好き。 そこは、好き。

    0
    投稿日: 2020.01.13
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    オースターの著作を発見したのは「孤独の発明」だった、それからは底に流れるテーマを読み続けてきたが、著作順でなく、この「幽霊たち」を自分なりに初期作品の区切りとして最後に持ってきたことを、自分で誉めたい気分になった。これはどの作品にも流れている「孤独」というテーマの究極の姿を著したものだと感じたからで。 解説で伊井直行さんは、 三部作はそれぞれ単独で読んでもなんら支障のない作品群なのだが、他の二編をあわせて読むと、一作だけ読んだときとは随分印象が違ってくる「幽霊たち」は特にそうだろう。だから却って、真っ先のこれを読んで、奇妙な小説世界を堪能してみる手がある ---といっては強引に過ぎるだろうか。 全く、私と同じ読後感をもつ人ではないかと、僭越ながらひそかに喜んだ、先に読んで、スタイルのヒントにするのは勿論いい、そして「幽霊たち」を最後に読んで、初期からの作品と三部作はこうしたテーマで繋がっている、と感じることも、オースターの作品を読む楽しみ方のひとつであってもいいのではないだろうか。 「幽霊たち」は奇妙な話で、世界がごく狭い。色の名前のついた人物たちが登場する。まず探偵のブルー、その師匠のブラウン。仕事として見張るように言われた対象のブラック、最初は謎の人物として現れるホワイト。脇役のレッドとゴールドもちょっとした彩を添えている。 ブルーはブラックを見張り続けている。定期的に報告書を送ればいい楽な仕事で、真向かいのマンションの部屋から見ていると、ブラックは一日机の前で何か書いている、作家らしい。 ブラックの生活パターンは見張る必要もない単調なもので、ブルーは変化のない時間に倦んで疲れて、次第に見張っている自分について考えるようになる。そしてついにたまりかねてブラックに接触を試みる。 彼と四方山話をするが、なかでも彼の作家の緒孤独についての話に心を引かれる。 会うことが重なってくると、ブルーはブラックの窓越しに感じる孤独が自分のものと同化してくるのを感じる。 お互いに身分が同化しお互いが裏返しのように分かちがたくなったと感じ始めた朝、彼はブラックの部屋に入っていく。 長く見張るだけの生活はブルーの精神を現実生活から遠ざけ、存在の曖昧な時間を作り出していた。 こうして、奇妙な二人の人間が出会って別れる。ブルーはブラックを打ち倒し、現実であって非現実な感じのまま生活の中に戻ったが、いつか彼はブラックの世界に入ってしまっている。 色の名前のついた人たちは、ある意味人間の最大公約数であって裏返せば最小公倍数でもある。数字というものの意味を生物に置き替えれば、目にする複雑な色は突き詰めれば単純ないくつかの混色であり、違ったように見えても非現実的な世界でそれを見たり感じるとすれば、共通する感情や数字に変換されたものが絡み合っていることに過ぎず、いつか全ての根はゼロが虚数になるかも知れない、などと思いながらこの三部作を締める自分なりの感想にした。

    0
    投稿日: 2020.01.05
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    お勧めされて手に取った本。 平易な言葉で綴られるシンプルなお話なのに、ここまで「ひと」の内面に潜っていって「個」から「孤」、そして「誰でもない」状態を描けるものかと驚いた。 書くこと、書かれること、内外に存在する視点について考えてしまう。

    0
    投稿日: 2020.01.05
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    変装したホワイトと名乗る男からブラックという男の見張りを頼まれた私立探偵ブルーの物語。ブラックの監視をするだけの話で、本当にそれだけというのがこの物語のミソである。何も語られず、物語は起こらない。起こらない物語をあれこれと想像し、理由を探し、必死に名付けようとして次第にドツボにはまっていく様はまさに狂気の一語である。そこに浮かび上がるのは人と人との人間関係で、相互認識がなければ人は幽霊と同じである。関わるからこそ交流が生まれ、そこに物語は生まれるのだ。見られていることを意識することによって存在できるというのはまさに真理で、監視対象と自身との境が曖昧になっていく感じは面白かった。現実世界との接点を失った瞬間に現実は消失し、物語の虚構の世界へと閉じ込められる。それをある程度自覚して、脱出しようとする能動性が前衛かつ異色たる所以なのだろう。途中までは主人公と同じように理由を探し結末をあれこれ想像していたが、その行為そのものがこの作品の術中にハマったことの証左である。

    2
    投稿日: 2019.05.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私立探偵のブルーはブラックという男性の調査を頼まれる。ブラックを見張るが毎日何も起こらない。暇と不安を持て余したブルーは自分の内面と対峙し始める。精神のバランスを失ったブルーはブラックと直接対面し、ブラックに暴行を働く。そしてブルーはいずこかへ消える。 登場人物の名前が色になっているので、真っ白なキャンバスに突然「色」が点として現れ、薄くなったり濃くなったりするような感じ。サスペンスか不条理か、少しだけ星新一の小説を読んでいるような気持になる。

    0
    投稿日: 2019.05.16
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    (好きなところ抜粋) これまでブルーには、何もせずじっとしている機会がほとんどなかった。だからこの手持ち無沙汰の新事態に、いささか戸惑わずにはいられない。生まれてはじめて、彼は自分自身に依って立つことを余儀なくされたのだ。つかまるものもなく、ある瞬間と次の瞬間とを区別する手だてもなく。これまで彼は、自分の内側にある世界のことなど、ろくに考えてみたこともなかった。そこにあることはわかっていても、それはつねに未知の領域として、探索されることもなく、彼自身にとってさえ暗黒の存在でありつづけてきた。/そして彼は、あるがままの世界に、何らかの楽しみをつねに見出してきた。事物がそこにあるということ以上のものを世界に求めたりはしなかった。/人生のスピードが急激に遅くなったせいで、ブルーはいまや、それまで気がつきもしなかったさまざまな事物を見ることができる。たとえば、毎日部屋の中を通過してゆく光の軌跡。ある一定の時間に、太陽が天井の片隅に雪を映し出すさま。心臓の鼓動、呼吸の音、まばたき——ブルーはこれらの小さな現象をはっきり意識するようになる。 日はもう暮れかけている。まだ夕方とは言えないが、もはや昼間ではない。何もかもがゆっくりと変容してゆく黄昏どき、煉瓦が照り映え影が広がる時間である。 ある日生きていたかと思うと、次の日には死んでいる。いずれ誰もがそうなるわけですからな。

    0
    投稿日: 2019.04.18
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    先日読んだ『ガラスの街』に続く「ニューヨーク三部作」の第二弾。 私立探偵ブルーは、変装した男ホワイトからブラックという男を見張ることを依頼される。しかし、ブラックの周囲では何も起こらず、退屈な時間を過ごすブルーは徐々に妄想を始め、その妄想にしたがって行動を起こす。このプロセスの描写は、徐々に深くなっていく霧の中へ自ら足を踏み入れているかのようだ。そして、あらゆる色が薄くなって登場人物たちは「幽霊たち」と化す。登場人物の名前がすべて色になっている意味は、そう解釈すればいいのか。読む者に想像力を求める秀逸な中編。オースター熱はしばらく続きそうだ。

    0
    投稿日: 2018.11.18
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    昔、ゴドーを待ちながらを読んだ時もそうだったけれど、多分相性が悪いのだろう、なかなか進まない。とても薄い本で、恐らく普段なら1時間も掛からず読んでしまいそうなのに、会社の行き帰りで3日も掛かった。 感情移入が出来ずに右往左往。でも、言葉が紡ぎ出す世界観に惹かれ、時に入り込み、それでも深く潜れない。 まだ夢や希望があった80年代の少し贅沢な虚無感や喪失感に憧れた世代ではあるけれど、それにのめり込めなかった私の資質が浮き彫りに。 散りばめられた映画や作家や文化の香りに酔いつつ、大好きだった映画『スモーク』(オースター原作)を懐かしく思い出す。 ただもしかしたら、この先、ふとした時に、思い出す言葉があるかもしれない。その時にもう一度読んでみたい。そう思わせられた。

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    投稿日: 2018.11.14
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    ニューヨーク三部作の中の一作。ニューヨークに行くからね、ということで機内のお供に買っていった。たしかにニューヨークが舞台であるらしいが、別にニューヨークでなくともという感じ。 解説で安部公房なんかとの比較を言われているが、それは同感。日常から非日常の世界へ、やばいやばいと思いながらズルズル入り込んでしまって、閉鎖的な舞台で心理劇が展開する。 窮屈でも緻密な小説がお好みならば楽しめるのだろう。

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    投稿日: 2018.11.05
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    オースター二本目。 お金と運と人の縁、この三つがうまく組み合わさって、起きているんだけれども何も起こらず年月が経つのを、日常がすぎて変化の乏しい報告書が積み上がるのを、不思議な感覚で読んだ。ブルー氏、ブラック氏、ホワイト氏、シンプルなネーミングがまた独特の世界を表している気がする。 ムーンパレスの方が、盛り上がりがあっていくつかに分かれていて少し複雑な世界で好きだった。

    0
    投稿日: 2018.07.07
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    何も起きない物語。 何かが起こることを恐れながらも待ち続け、 何者でもなくなる主人公。 どの視点が主観で、どの視点が客観なのかも わからなくなってくる。 読んでいる自分自身の物語のようにも思えてくる。 物語に吸い込まれるような感覚のする 独特な魅力のある小説です。

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    投稿日: 2018.02.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

     ずいぶん前に『ムーンパレス』を読んで面白かったので、他のも読みたいと思っていて、この本を読んでみた。熱のない文章が延々続くような、どうでもいいような内容であんまり面白くなかった。あえてそうしているのだろうけど、いかにも頭の中で全部考えたような話だった。解説が3つも収録されていて、これが傑作なのだと強弁されているような気分になった。

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    投稿日: 2018.01.12
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    2009年1月27日~28日。  かなり前の話になるが、村上春樹氏がどこかの雑誌でポール・オースターを紹介していた。  その時に気になって初めて読んだのがこれ。  数年ぶりの再読となる。  印象は変わらず。  探偵小説ではない。  一人称で語っている訳でもない。  なんて説明すればいいんだろう。 「何も起こらないことが起こっている」って感じか。 「孤独」の擬人化か。 「自己」の脆弱を語っているのか。  なにはともあれ面白い!

    0
    投稿日: 2018.01.06
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    モダンな小説だとある程度、踏まえて読めば親切に書いていると思えるし面白かった。最初、その体裁は探偵小説のそれなんだけれど上手にその興味の範疇が主人公の内面のことにスライドしていく。それを裏切りと思わなければ楽しく読めると思う。うまいなと思うし面白いなとも思える。

    0
    投稿日: 2017.12.18
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    モンドリアンの絵画を想起した。 一見単純な色彩と面構成によるあれだ。 矩形の一つ一つに人格があるようで、黒い線は街のようで。 「私は何者か」というテーマは『ガラスの街』と一貫しているようだが、同じテーマを裏側から書いたようなとでもいえばいいだろうか。 自分を観察するものがいて初めて自分を認識する。 そのような感覚はSNSなどによって慰めを得ようとする今の私たちにこそ思い当たる感覚ではないだろうか。

    2
    投稿日: 2017.12.03
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    (01) 色彩たちの物語でもある。ホワイトとブラックに挟まれたブルーはなぜ青色なのか。朝夕の色である黄色や青色は幽霊たち(*02)の時間帯でもある。日本では黄昏とも呼ばれる彼我のあわいが意識される時刻と色でもある。 ホワイトやブラックは、ブルーの過去でもあり未来でもあり、父でもあり(*03)、祖父や遠い抽象化した霊魂でもあるのかもしれない。 (02) 映画、記事、文学(*04)、スタジアムなどのアトラクションがテーマを引き立てている。監視にともなう拘束とそこにある自由という奇妙で現代的な主体性とともに、視覚や聴覚から入る情報やその物語化に、人間あるいは幽霊を見ている。 (03) 変装は3回ほど行われ、老若が装われることの滑稽もある。その変装はブラックにバレているかもしれないが、だからと言ってどうなのだろう。ブルーに現れるブラックにしてもやや独り芝居めいてもいて、ブルーが捉えた表象の全てはブラック(だからブルー)のほの暗い幻影なのかもしれない。 (04) なかでもソローのウォールデンがバイブルめいて語らられている。森の生活の馬鹿馬鹿しさと神々しさは孤独から生まれたものでもある。文学者たちの孤独が破られ、ブルーやブラックの孤独が接近するとき、微温や体温、生温かいような温度が感じられる。それを不気味とするか、救いとするかはとらえ方次第でもある。

    0
    投稿日: 2017.08.09
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    訳者が柴田元幸さんということで、以前から気になっていた作者。 短文を積み重ねるような文章のリズムが心地よく、気がついたら読了。 全体を貫くテーマは、存在の不確かさとそれに寄り添う孤独だったように思える。 しかしむしろ強烈に感じたのは、孤独な者どうしが一時だけ繋がった、その瞬間の何とも言えない温かみだった。 次の作品も本当に楽しみ。 さっそくニューヨーク三部作と呼ばれる、他の二作品を注文した。

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    投稿日: 2017.08.03
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    語り口は軽やかで、 自然で、 むしろプレイフルであるのに、 だからこそなのか、 急激に陥れられる入れ子のような世界に、 最後まで引きづられ続ける。 変化が少ない対象があるが故、 否応もなく内界、あるいは自己の存在という普遍的問題に、 向き合わざるを得ず、 問いたださざるを得ない状況下が、 まるで精神分析という体験の文学的具現化のようで、 強烈に面白かった。 リアリティを並べるほど、 虚像が形成され、 投影された世界はその真偽を見失うので、 自我機能とアイデンティティが求められるのだと、 こんなにもわかりやすく、 かつ興味深く提示されてしまえば、 なれるものなら心理療法家より文人になりたかったと、 思ってしまうところにまた、 オースター的な落とし穴を見る。

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    投稿日: 2017.06.29
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    前作「ガラスの街」以上に現実と虚構が混沌としている。というより、虚構の世界に投げ込まれた主人公、という感じだ。それなのに、非常にリアリティを感じるところが著者の上手いところなのだろうと思う。比べるのはよくないけれど、このリアリティの部分はピンチョンとか村上春樹とかと決定的に違うところのように思える。

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    投稿日: 2017.06.22
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    『むしろわたしはまともすぎるんだ。まともすぎるから考えすぎる。考えすぎて自分を使い果たす。』 ブラックのクライマックスの科白がこの小説のエッセンスであると思う。 自分もそうだけど、言葉にしたり文章にしたりすることで核心がするりと抜けてしまったりかすっただけになったりする。自分の存在を他者に表現してもらう。それによる安心。 言葉や文章って受けとる人次第のもの。大多数の人の解釈は似ているかもしれないけど完全一致ってあるのかな。 いろんな解釈があるけどその中からなんか感じられればいいんじゃないか。物事は。所詮全く同じ理解をするなんて不可能なんだから。なんて事を考えた。 安部公房が好きだと言った私に、文学おじさまが15年ほど前に進めてくれた本。

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    投稿日: 2017.06.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

     私立探偵ブルーが、ホワイトからブラックを監視するよう依頼を受けるところから物語は始まる。ブルーは最初こそ真面目にブラックを監視し続けるが、何も起こらないことがわかると次第に彼が何を行うか予想できるほどになる。すると、不思議な調和が生まれ、後を尾ける必要もないことに気付き、自由を得る。こうして1年以上の月日を経た頃、ブルーはブラックへの接触を試み、最終的には、ブラック=ホワイトである事実に思い当たる。  ブラック(ホワイト)の目的はーー。ブルーを通して、自分の生を感じるため?死の物語を紡ぐため?たくさんの謎を残したまま、突如幕切れが訪れる。  奇怪な物語であることは間違いない。レッド、グリーン、ブラウン、ヴァイオレット。登場人物の名前も記号のようで不思議だ。 「伝えようとしている事物を言葉が見えにくくしてしまうことも時にはあり得る」という文言にハッとした。指し示す事物のまわりにすっぽりと収まる言葉を持ちたくて、だから私は本を読んでいるのかもしれない。

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    投稿日: 2017.03.23
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    探偵ブルーは、ホワイトからブラックを見張る依頼を受ける。何事も起こらない退屈な時間の中で、様々な記憶が蘇ったり、変な妄想にまでとらわれる。 この本の何がこんなにも面白いのか。 「どこでもない場所」に迷い込んで、「誰でもない人間」と化して行く、ブルーの焦り。 最後で三浦雅士氏が述べている、自分を見失ってしまいそうな「書くことの不安」。

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    投稿日: 2017.02.11
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    こなれた訳で文章は平易。 設定もそんなに難しくない。 でも難解。 それでいて面白いという珍しい作品。 安部公房や星新一とも ちょっと重なるところがあるかな。 時間をおいて再読したら また発見があるかも。

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    投稿日: 2017.02.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    80年代に発表された、ポール・オースターのニューヨーク三部作第二作です。 舞台は1947年から始まる数年間。 私立探偵ブルーの元を訪れる依頼人ホワイトは、一見して変装しているとわかる。 依頼の内容はブラックの見張りで、ブラックのアパートの真向かいのアパートに、 ブルーのための部屋を借りてあるという。 かくして、ブルーのブラックを見張る日々が始まるのだが……。 前半のすんなりとした運びから中盤の狂気をへて、 後半の難解さへと続いていき、終わっていきます。 130ページくらいの長い短編のような物語でした。 ネタバレになりますが、 物語を書くことに人生を賭ける、生涯をついやす作家という存在は、 もはや自分の人生を生きていない、幽霊なのであると著者はイメージづけています。 そして、解説を読まないと気づきませんでしたが、 ブルーもブラックも、もはや幽霊のような存在になり下がっていました。 特段、この小説を教訓としなさい、と強い調子で語られていはしないですし、 まあ、小説まるごとを楽しみながら、自分と他人、自分とは何なのか、 などなどの思索をしながら読み進めるようなところがあります。 後半部に読解のむずかしさがありますが、 なんとか結末には着地できるひとは多いでしょう。 80年代くらいにポスト・モダンと呼ばれた 考え方や題材をうまく素材としてシンプルな言葉で表現しているようです。 そういうところはよくわかりませんが、 独創的な小説だな、と楽しめるものではありました。 『ガラスの街』もそうだったけれど、読者が混乱するようなところがあります。 でも、おもしろいですが。

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    投稿日: 2016.12.29
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    そんなつもりで読み始めてないのに、謎を追うことになる。答えが知りたくて知りたくて読み続ける。ポールオースターのこのいつもの感じがたまらないね。

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    投稿日: 2016.10.21
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    文章が平易で中編で短く、読み易いので入っていきやすい。と言いつつよく分からなかった。考えようと思うといくらでも考え込める気もする。今年四十になる僕が、感動したとか言うと逆に気持ち悪い。

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    投稿日: 2016.07.18
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    「ニューヨーク3部作」の2作目。 序盤は推理小説のような雰囲気を漂わせるけど、読み進めるうちに自分という存在、他者との関係性などを考えさせらるような内容。それでいてエンタメ作品として楽しめるのもすごい。解説にも書かれていたと思うけど。 もやもや考えながら読み進めるのは楽しい。読むたびにいろいろ発見することができそう。

    1
    投稿日: 2016.07.13
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    一人の探偵に一件の依頼が舞い込んだことから始まる深層の物語。ポストモダン小説らしく、「空白」によってあらゆる関係が生み出され、ヒエラルキーや既存の関係が転倒していく。息の短い文で書かれていながら、出来事が起こる度、そこで達しうる最奥まで瞬間的に連れていかれる。

    0
    投稿日: 2016.06.12
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    ムーンパレスはいまいちだったような気がしているんですけれども、これは面白かった! いや、解説にある通り、何の事件も起こってはいないのですけれども…なんというか、一人の人間の孤独とか…葛藤であったり欺瞞であったりをうまーく浮き彫りにしているような…そんな印象を受けましたね! ヽ(・ω・)/ズコー ニューヨークという舞台に乗っけてね…当作品の他に二つ、「ニューヨーク三部作」を構成する作品があるみたいなんですけれども、自分は未読ですので当作品だけを評価したいと思います…。 ムーンパレスを読んだ時も思いましたけれども、この作者の文章は…どこか詩的な趣がありますねぇ…人間の寂しさ、どうしようもなさをうまく表現しているかと存じます! さようなら…。 ヽ(・ω・)/ズコー

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    投稿日: 2016.04.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2016.3.25 面白かった。色で表す登場人物名。タイトルの『幽霊』が話しに結び付いてて、この物語はすべて幽霊たちの世界の話であって、ブルーは、自分が幽霊になったことを理解できていない、もしくはブラックが幽霊ではないかと、色々想像してみるも、読み進めていくと、物語は現実であるようだし、わからない。読みながら、自分自身も物語にのめり込んで、先が読めなく不安となり、ブルーがパニックになる描写が同じ気持ちで、面白くのめり込んでいった。結末は??だったけど、すごく読みごたえがある。いつかまた読んで、謎解きしたい。

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    投稿日: 2016.04.13
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    ポール・オースターも、柴田元幸も好きで文庫本で購入した。前半は少し退屈したが、後半に一気に盛り上がり、そしてすとんと終わり、よかった。 主人公が思いだすことに関しての考察がいい。映画や本や景色など。 買ってよかった。

    1
    投稿日: 2016.04.07
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    謎が謎のまま終わります(動機や目的、女性の行動)。普段はそれを解決して欲しいとも思いますが、この作品はそのままの方がいいと感じました。 作中で引用された映画、小説の紹介の仕方が魅力的でそちらも読んでみたい。

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    投稿日: 2016.03.23
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    やはりオースターはニューヨーク三部作がしっくりくるみたい。ひたすら怖い。私立探偵である主人公ブルーの元に依頼人ホワイトがやってくる。「ブラックという男を監視してほしい」。目的がわからないまま、不毛な仕事が一週間一か月一年と続き、追い詰められていくブルー。一瞬どちら側に自分がいるのかわからなくなるような小説。

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    投稿日: 2015.12.10
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    手に取った時、この短さでどうやってまとめるのかと思いつつ、読み進め、一向に先が見えずに行き止まりで終わった感じでした。 でも読んでいるとブルーがブラックで、え?ブラックがホワイト⁇でもブルーでもあって… わけわかめでしたがこういうぐるぐるするのは結構面白いです。 我思うゆえに我あり…とは有名な言葉ですがこの本では思考すればするほど自分という存在が無になる感じ、書けば書くほど存在の証明が難しくなるというパラドクス。 解説で名前が色を吸収し、生活から色を奪っているというのはよく当てはまるなぁと思います。 NY三部作ということなので他の本も読んだらもう少し理解が深まるかしらん。

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    投稿日: 2015.11.05
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    大体、大抵の人が思うことは、解説で既に述べられており、本書を読んだとき、何も起こらない現象を、どうやってずっと描写するのか、ということにだけ注目していたが、ブラックへ向けるブルーの視点というのは、その分の時間が、全てブラックの情報になる。このことを恐ろしく感じた。本来の読み方ではこういう風に思わないだろう、ある人に関心があるなしで、きっと、ブルーも日々の経過というのは、違っていたんじゃないだろうか。確かに初めは、ブラックの細かい部分を知るために彼の読んでいる本を手に取ってみたりするわけだ。でも、それは、探偵という仕事の誇りからきたもので、結局ブルーもアイデンティティは探偵というものに依存し、ブラックは人から見られることによって確率してもらおうとしたんじゃないだろうか、存在しているという証を他力によって生じさせるために。ブルーはそんなことを気にしてはいなかったが、何となく、こんなまとまりのないことを読みながら思った。

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    投稿日: 2015.10.20
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    ポール・オースターの代表作、『ニューヨーク三部作』のうちの1冊。再読。 訳者あとがきに『エレガントな前衛』という表現があるが、オースターの作品にはこの言葉がぴったり合う。 本作は不条理な世界を描き出した中編小説。ブルー、ブラック、ホワイトといった記号的に表現された登場人物、延々と堂々巡りを繰り返すストーリーは安部公房とカフカを思わせるが、何度か読んでいると、カズオ・イシグロの『充たされざる者』的な部分もあると感じる。 初めて読んだ時も思ったが、やっぱりヨーロッパ的な香りが強い気がするなぁ。

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    投稿日: 2015.08.20
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    主人公は探偵のブルーで、ブラックを尾行するよう依頼を受ける。しかしその理由は告げられない。何日経ってもブラックに異変はない。しかしそれでも報酬は支払われる。ブルーはブラックの正体を推測し始める。 何かが起きるのをひたすら待ち続けるブルーの心理。 ブルーの脳内で展開する物語がおもしろい。 ポール・オースターの『ガラスの街』『幽霊たち』『鍵のかかった部屋』はまとめて「ニューヨーク三部作」と呼ばれ、著者の代表作だそうだ。 --- memo 63 書物はそれが書かれたときと同じ慎重さと冷静さをもって読まなければならない。 139 (解説) オースターの小説において一人の「私」が語られるとき、それはつねに私というものをめぐる考察を背後に含んでいる。

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    投稿日: 2015.08.15
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    観察する者、される者の人生が奇妙に重なり合う何も起こらない探偵小説であり、ミステリー小説。 無彩色の世界であやふやに生きる、他者を持ってしか自分のあるべき「形」を認識出来ない儚い幽霊たちのお話。 不可思議な文体ととりとめもない世界にするする迷い込むような、小説という形でしかなし得ない体験を読み手にもたらす本。 すごく刺激的で読み進める手が止まらなくなるのですが、自分の言葉で説明するのがとても難しい。 物語の枠の外へと旅立った「ブルー」は果たして幽霊では無くなったのか、彼らの織りなす物語を見つめていた語り手もまた実体を持たない「幽霊」だったのか、はたまた、読み手である私たちこそが「幽霊」なのか。

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    投稿日: 2015.05.24
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    だいたい何も起きないし何やってるのか分からんのだけど、そういう意味わからんの好きだから、とりあえず結構好きだ。

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    投稿日: 2015.05.16
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    読了感としては、村上春樹の文体のようだったということが、最初に来る。何も起こらない探偵小説をここまで面白くしているのは、もはや、マジック。原文を訳す本から興味を持ってよんだが、確かに名訳だとおもう。

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    投稿日: 2015.04.07
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    ホワイト、ブルー、ブラック。無彩色の登場人物、何も起こらないが、最後に爆発する事件。都会の喧騒に紛れて、人知れず起きる、緊張感のあるミステリー?なのか。

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    投稿日: 2015.04.05
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    初めて読んだオースター作品。心構えができてなかったせいか正直よくわからなかった。ミステリー感覚で読んではいけなかったんだと、読み終わってから気づく。そのうち再チャレンジする。

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    投稿日: 2015.03.13
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    私立探偵のブルーは、変装した男ホワイトにブラックという男を見張るように言われる。しかし時がいくら経とうとも、ブラックは単調な日々を繰り返すだけ。 次第にブルーは自らの内側に意識を向け、不安や焦燥、疑念と衝動、様々な思考の渦に飲まれてしまう……。(簡易なあらすじはこんなん) 大雑把すぎる感想 「アイデンティティの不安定さってあるよね〜」 「具体的な情報の羅列が、抽象的な印象を与えてくるの、面白いな〜」 まず前者について。 何も起こらない状況のもと、手持ち無沙汰のブルーは、恋人の心情や幼少期の思い出、自らの心を揺さぶる過去の出来事に思いを馳せるうち、無意識に、「自分を確認する」作業を繰り返している。 なぜ俺はあの時あんな行動をとった?なぜ俺はあの時こんな気持ちになった?なぜ俺は今こんなことを考えている?なぜ俺は……… 日々変わらない行動と環境のなか、考えれば考えるほど、ブルーのアイデンティティが崩壊していく。 人間の感情とか、自らの世界観とか、目に見えない・論理に委ねられないことを考えることは、うまくいけば確固たる信念を築くけど、下手すれば不安になって何に価値があるのかわからなくなってしまうと私は思う。 本書はわざわざブルーやブラックと名づけ、後半のトリックからしてもメッセージがあるとは思うんだけど、今作はその「アイデンティティの崩壊」を丁寧に描写してて面白いな〜、というところに留まるかなぁ。 まだ人生経験も読書経験も浅いゆえに読み取れてないのかも知れない。 後者について。 この本においては、状況はひどく具体的に記述される。 白い部屋に赤い椅子が1つある、時刻は何時、その部屋はマンションの一角で……いったように情報が端的に並べられる。 登場人物の心情、その思考の変遷も明確に書かれている。 こういうことが起こったので、混乱した。それを落ち着けようと意識的にこういう行動に出て……という感じ。 チャート的に整理された情報を飲み込んでいってるわりに、なぜか登場人物の焦燥に巻き込まれていく。 全然客観的に物語を追わせてくれない。 具体的なことしか書かれていないのに、抽象的なメッセージを感じてくる。 そこは結構おもしろいな〜と思った。 私個人的には抽象的で寓話的ななかから具体的なものを掴んでいくほうが好みなので、そこは好き好きかなぁ。 【総合】 面白くないことはないけど、人にはおすすめできない。 描写の工夫とメッセージ性はそれなりに感じたが、結末も予想範囲内。 時間が経った頃にまた読んだら違うかもしれないけど、いくつか感想レビューで見かけたようなエキサイティングな感じはあまりなかった。 好みの問題もあり、★2つ。

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    投稿日: 2015.03.13
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    いままさに何かが起ころうとしている。ひとたびそれが起きてしまえば、世界は二度と元どおりにはならない。

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    投稿日: 2014.12.28