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言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか
言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか
塙宣之、中村計/集英社
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総合評価

182件)
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69
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    売れてる芸人は程度の差こそあれ皆天才ってことが改めて分かる。 もちろん物凄い努力もしてるんだろうけど、凡人では考えつかないような発想力やボキャブラリーがなければM1優勝やテレビで売れることはできないと感じた。 数多いる芸人もプロが見ると様々なジャンル分けができるんだなと感心した。 それぞれの芸人への分析も納得感あった。 関東芸人と関西芸人の違いがM-1をベースに具体的に語られてて面白かった。 それぞれのコンビの魅力が語られてて、色んな芸人のネタを見てみたくなった。

    0
    投稿日: 2020.03.06
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    M1 をベースにした漫才の考察、テレビでみてる芸人さんが俎上に乗せられているのでとっつき安い。サンドイッチマン、オードリーが斬新なのは素人目にもわかっていたが、南海キャンディーズやハライチも新しい切り口の漫才だったとは、野球に例えているのが分かりやすい。

    0
    投稿日: 2020.03.02
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    先日、テレビで塙がM-1について話しているのを見て面白かったんで購入。内容はナイツの塙がM-1や漫才についての考えを語るというもので、現役の実演者が自分のことではなく俯瞰的・批評的、技術論的に漫才について語るというのは、それほど多くはないと思うので、なかなか興味深い。ラジオになる前、マキタスポーツらが東京ポッド許可局でM1論みたいなことを語ってたけどあれに近い感じ。

    0
    投稿日: 2020.02.24
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    『笑い』(M-1芸人)をナイツ塙が語る。 お笑いも好きだし、塙さんも好き。 レビューもいいし、読んでみたい!で挑戦。 この『挑戦』はこのジャンルの本が苦手なので…(汗) サラッと読めたんだが… M-1自体、最近のを見ていないのもあり 途中飽きてしまったぁ〜。 やっぱりこのジャンルは苦手なんやな〜(泣) あ、でも面白く読ませていただきました。

    0
    投稿日: 2020.02.18
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    ・塙さんが好きな芸人さんであること、 ・お笑い、漫才、M1グランプリが好きであること 二点の理由で本書を購入しました。 塙さんのお笑い観、特に漫才観が伝わってきました。 個人的には「関東芸人はなぜM1で勝てないのか」という本書のテーマの答えを知ることができたことよりも 「現役バリバリの実力派漫才師が歴代M1ファイナリストの漫才の技術・戦略を言語化したもの」を読めたという点が満足点です。 本書を読んだことによって、今後様々な芸人さんの漫才を見る際、今までとは違った目線でも楽しめることができそうです。 漫才が好きな人はぜひ買っていたいだきたい一書です。 漫才の奥深さがわかるはずです。

    0
    投稿日: 2020.02.16
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    毎年何気なく見ていたM-1やネタ番組。 それをこんなにもカテゴライズ、分析、が出来るんだと驚いた。 「言い訳」というタイトルではあるが、ナイツ塙さんのの笑いに対する誇り・自負のようなものも感じる。 その年にその芸人が優勝した理由、強み、など事細かに分析されている。 歴代のM-1を見返してみたくなった。

    0
    投稿日: 2020.02.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    M-1について書かれた本。著者はお笑い芸人であり、且つ一お笑いファンなのだと思った。(というより漫才ファンか。) とても面白い!というわけではないけれど、様々なコンビの漫才の特色について知る事ができる本。

    0
    投稿日: 2020.02.13
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    お笑いって分析できるんだな、というのが率直な感想。 プロは論理的に考えているのに、それを感じさせないのがすごい。 入念な準備(頭の中で)の後はシュミレーションはほとんどせずに本番を楽しんだ方が面白いものができあがるのかな? 気づき ・自分の笑いに自信を持て。自信がないと自分で笑ってしまったり、ソワソワしたりしてしまう。 ・好きなものを異様に熱く語るだけで、それはボケになる。 ToDo ・お客さん自らに「この人、おかしいな」と思ってもらわなければならない。自分から言うな! ・ボケる時は方言で(標準語はコント向き) ・自分以外の誰かが話しで面白い話を考えよう

    0
    投稿日: 2020.02.09
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    M-1をここまでロジカルに語った本はない。 なんとなくそうだろうなという感覚を言葉にしてくれた本。 M-1の是非について語られることは多いが 大会主催者の吉本興業の意向が反映されるのは当然のことという件に納得した。 その上でぶち壊しにいく様な若手の台頭を塙さんは望んでいる。

    0
    投稿日: 2020.02.02
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    「どんなにおいしいプリンを作る知識と技術を持っていても、それを作って、食べてもらわないことには、誰も気づかない」 プリン職人ならプリンを作る、漫才師ならネタを書く、コンサルなら、、、クライアントやチームメンバの為にできることは何でもやる(目に見える形で貢献する)?

    1
    投稿日: 2020.02.01
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    ここまで漫才に対する情熱、冷静な分析力を持っているとは思わなかった。 M-1のDVDを見直そうかな。

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    投稿日: 2020.02.01
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    その時代に合った芸人達がグンランプリ入賞出来た理由など塙さんの観点から面白く解説。 審査員達の心内や現場の裏側が垣間見れる。 サラッと読める本

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    投稿日: 2020.01.30
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    読み手の世界が広がる。漫才のつくり、どういうふうにお笑いというのが出来ているかに触れることで、一層お笑い、漫才に興味を持った。新しい視点を与えてもらったと言ってもいい。この本をきっかけに、いちだんと、お笑いを楽しめるのではないか、という気もする。 お笑い、漫才について私は普段流し見てあー面白かったねくらいのスタンスでいるのだが、をナイツ塙が評論、自分や他の芸人たちの漫才についても自己分析している。あのおちゃらけさんがここまで考えているとは、と失礼な感想も抱く。 漫才の大会ってそういう仕組みなんやなあとか、漫才の構造的なこととか、興味深い内容が書かれていて、読み手の視点を広げる。

    1
    投稿日: 2020.01.28
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    漫才・コントのバイブルとして、なかなか面白い。 一気に読んでしまった。塙さんが、こんなに漫才を研究してたんですね。さすが、漫才協会副会長。

    0
    投稿日: 2020.01.22
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    M-1の審査員を務めたナイツ塙さんの芸人論。 副題の「関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」の彼なりの持論が展開され、お笑い好きにはたまらない面白さ。 様々な芸人の強みや弱みを分析し、ネタの作り方、M-1の戦い方も書かれているので、後輩芸人にとっては教科書になると思います。 心に残ったのは、芸人になりたかったわけじゃない、というところ。変な奴として、変なことしかできないから、芸人にしかなれなかった、と。 そんな自分をとことん分析し、試し、失敗し、いっぱいスベッた末に今の地位にたどり着いた。 自分を、そして自分の好きなことを、自分の強みや弱みを知る大切さも学べてしまう良書でした。 もちろん昨年M-1にチャレンジし、一回戦敗退した息子にもおすすめしました^_^ 217ページの一言に、彼は何を思うだろう。

    1
    投稿日: 2020.01.19
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    20200118 漫才に付いても理論が成り立つという事を不思議に感じたがこの分析は現場にいて常に考えていないとできない事。漫然と聴いていて楽しければ良いという時代に息苦しいのではないかと思うが性格なのだから見守るしかない。ハナワに付いて一切触れない点でも本の作成意図がしっかりしている証明かと思った。

    0
    投稿日: 2020.01.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ナイツ塙によるM-1論。 2019年M-1決勝の1週間前に読了し、当日を迎えられて非常に良かった。 読み進めるごとに、 プロの視点から語られる漫才や笑いの要素(ボケとツッコミと客席の三角形、とか)になるほどと膝を打ち、毎回強い思い入れを持って番組を楽しみに迎えてきた自分自身を振り返ることになって、一気に読み切ってしまった。 マイク1本と己自身を商売道具に舞台に上がり続ける漫才師たちへの憧憬。改めて感じました。

    0
    投稿日: 2020.01.18
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    漫才師や、M-1における分析が流石に鋭い。 お笑いを見る側は、本来何も考えず、面白いと思ったものをただ見て笑えれば幸せなのかもしれない。 けど、見る側も年を重ねていく毎に、演者側の事情や、生活や、悩みや、信念みたいなものに触れてしまう。 そこを加味した上で見るお笑いと、何も考えずに見るお笑い。どちらがいいかはわからない。 色んなフィルターがかかって、もしかしたら、もう純粋にお笑いを見れなくなってしまってるんじゃないか? こういった本を読んでしまうと、たまに思う時がある。 でも色んなフィルターがあるからこそ見えてくるものもある。 フィルターがあるからこそ、演者の純粋な部分が見えてる事もあるのだと。 実際、ナイツの漫才はあまり好きな部類ではないが、塙さんのお笑いをみる目線は純粋で愛に満ちていると思う。 お笑いが好きで好きでたまらない。 が、故に苦しみ、もがき、震える。 それが伝わってくる。良い本でした。

    0
    投稿日: 2020.01.17
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    どうしようもなく気持ちが落ち込んでても、ナイツの「テレビだからピー入れますけどね」には絶対笑ってしまう。挑戦者としては一度もウケなかったというM-1で審査員を務める著者のお笑い論。システム開発しても気持ちが乗ってなければ客を笑わせられないって、色々なことに通ずる気がする。

    1
    投稿日: 2020.01.16
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    "分析"と言うには一手足りないが、"感想"と言うほどには属人的でない、プロからの漫才評。 なんとなく視ているだけでも楽しめる"直観"の世界において、なぜ面白いのか、なにが面白いのかについて、改めて納得できる"論理"が示されることで、新しい視点をもって漫才を楽しめるようになれるだろう。 ちゃんと構成すれば優れた分析・解説本になっていただろうに、雑な編集のせいで『面白い本』止まりになってしまっているのだけが残念。

    2
    投稿日: 2020.01.14
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    お笑い好きとしては読了後の納得感がどっしりくる一冊。お笑いを徹底的に分析しており、賞レースの特徴や、関東・関西の違い、近代お笑いの歴史が詰まっている。 塙のお笑いへの真摯さ、が伝わってきた。面白かった。 【感想・気付きメモ】 ・寄席 関東は落語がとり。くつした。 ・関西は高座作る。雪駄はき。漫才がとり。 ・ダウンタウン あ研究家、誘拐 ・トレンディエンジェル 非関西系初のしゃべくり漫才 ・かっちりした台本を作らないようにする。、余白。落語は口伝が基本。セリフになる。 ・11月に冷やし中華始めました的な、時期ずれてる ・四千頭身 名前変えて 廊下立ってろ ・山ちゃん 天才は諦めた ・オードリー 噛んでんじゃねーよ ・麒麟 頑張れ俺たち ・ナイツ 塙 内海桂子がおりてくる。2018年審査員にて。

    0
    投稿日: 2020.01.14
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    半分くらいはお笑い好きの大阪人が日常的に話しているような内容であとの半分くらいはプロならではの超分析と演者ならではの視点の話で面白かった。こっちは100%客目線でしかお笑いを解釈できないので興味深く読めた。

    0
    投稿日: 2020.01.13
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    たいていのお笑いの本は 「分析しているその人自身の実績はどうなの?」 という視点でどうしても見てしまうが この本はそういう風にみられることも含め 「いいわけ」というタイトルの通りその視点を当然とした 上ですっと内容に入っていける。 また、歴代のM-1の各コンビに対する プロならではの視点と分析がとても面白い。 これを読んだ後、アマゾンプライムでM-1を見直したくなり より深く楽しむことができた。 ・・・引用・・・ 漫才をあまり練習しないということについて →新鮮さがなくなる →ダルビッシュは変化球を本番で試すらしい →→それが1番練習になるから 漫才はドラクエに似ている 続ければ続けるほど経験値が上がる →経験値が低くても戦う方法がある →強い武器を持つこと →→ハライチのノリボケなど 下ネタも毒も、漫才における薬味 関西しゃべくり漫才はロック オードリーはジャズ →表面上は穏やかで予定調和を嫌っている

    0
    投稿日: 2020.01.13
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    ここ何年か熱心にM-1を見るようになり、NONSTYLE石田さんの考察とかも面白く聞いていてたりしていたので、審査員もしているナイツの塙さんの話を読んでみたくて読み進めたが、期待以上の作品だった。 M-1が、 ・なぜ吉本芸人の優勝者が多いのか ・なぜ初登場で高得点のコンビが2回目以降伸び悩むのか ・関西の「しゃべくり漫才」が有利って本当なのか?? ・なぜM-1に向き不向きのコンビがいるのか など、みんなの数々の疑問について、突っ込んで書いてある。コンビ名を実名で挙げて、ネタも取り上げてしっかり分析し解説している。 でも、ここまで書かれても嫌な感じがせずふむふむと思ってしまうのは、 本当にM-1のことが好きで、M-1のことを沢山沢山考えているから、 そのスローなキャラながら熱量が凄まじく伝わってくるからだと思う。 本当に芸人さんを応援したくなる1冊でした。

    1
    投稿日: 2020.01.12
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    M-1を中心に、鋭く漫才が分析されている。 漫才の母語が関西弁であるというのは、興味深かった。 塙はM-1が吉本の物であることを明言する。 漫才は上方で生まれ、上方で育ったものである。また吉本は約6000人の芸人を擁するがゆえ、たかだか数十人の芸人を抱えるほどの東京の事務所が束になっても勝てない、というのは「言い訳」ではあるが、当を得ている。 もともとM-1は吉本がお金を出し、そこに関東の芸人が出させてもらっているだけ吉本は懐が深いとも塙は言う。M-1というものがそもそも日本で一番面白い漫才師を決める大会ではなく、吉本の芸人を売り出すための大会であると見たほうがいい。

    0
    投稿日: 2020.01.12
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    ぐはー。お笑いの解説って何でこんなに面白いんだ?どう面白いか、どうして面白いかをほぐして見せてくれるからかな、無我夢中で読んだ。

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    投稿日: 2020.01.09
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    終盤になってくるにつれ、ああ、もうすぐ塙の話が終わっちゃう・・とさみしくなるくらいおもしろかった。深く共感することもあったし、発見もあった。塙の、お笑いに対する、そして芸人に対する深い愛と強い憧れと優しい目線。大好きな世界があって、そこに自分もいて、仲間もいて、たくさんの言葉でその世界への愛を表現することができる人間の、なんと魅力的なことよ。そして、「うんこ」という言葉の最強さ(いや、そういう本じゃないけど)、お笑い、漫才の奥深さを知れた。2019年のM-1の解説もしてほしい!

    0
    投稿日: 2020.01.08
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    「言い訳」との題名ですが、中身は漫才のことを冷静に分析しています。特にネタの重要性については漫才がなぜ生まれたか、そのコンビの特徴と言った点からと再三述べられています。漫才会の人間関係なども書かれており、テレビの画面だけでは分からないことも記載されており、大変興味深く読ませていただきました。

    0
    投稿日: 2020.01.07
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    2001年から開催されているM-1について、決勝出場者であり現在は審査員となった「ナイツ」塙が、色々な角度から芸人たちへの温かく、適格なアドバイスもありながらM-1で勝てる芸人を自分なりに分析していく内容。 本書を通じ、平たく見ていたお笑いが深堀りされていき、読み終えた後にもう一度映像を見返しながら、単純な面白さと違う角度でお笑いを楽しむことができました。 特に「M-1は陸上競技の100m走」という例えの通り、寄席は15分~20分程度で構成する中距離走に対して、M-1は4分弱という短さ。芸人それぞれに得意分野はあるにも関わらず、100m走で闘わなければいけない。 五輪では勝てばヒーロー。ウサイン・ボルトの名を知らない人はいないはずだが、1,500m走の世界記録保持者を聞かれるとそこまで正答率は高くないのでは? ただし、M-1と100m走の大きな違いは、1位になれなくても世間が認めれば1位以上の成果が期待されること。どんなに遅くても独特のセンスや新しさで視線を集めることで有名になった芸人も数多く、奥が深い番組だと感じました。 本書では2018年までの内容でしたが、2019年はどのように感じたのか?次回作を期待しています。

    0
    投稿日: 2020.01.06
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    平易な文章で、読書リハビリにちょうど良い。 論理的に、M-1更には漫才について解説している。 関西人としては非常に趣深い内容で、評論家ぶるつもりがなくても、過去のM-1を見返してネタを書き起こしたくなってしまう。 お笑い脳に毒されていないまでも、面白さがついて回る日常生活に活かしたくなるないよう。

    0
    投稿日: 2020.01.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    関東を代表する塙の漫才論。 ボケの数の話 誰がやっても面白い話がネタ 笑いに救われたエピソード 口調 など、様々な観点でお笑いを語っている M1審査の際に、どのような視点から評価しているか 理屈が分かりやすくていい本だと思う

    0
    投稿日: 2020.01.04
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    サンドイッチマンや南海キャンディーズなどいち参加者の視点からM1を語る書籍はあったけど、M1全体を語るのはこれまで無かった。正直、ヤホー漫才は好みでないのであまり期待してなかったけど、とても分かりやすい内容で納得した。

    1
    投稿日: 2020.01.02
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    M-1決勝に3年連続で進出し、現在はM-1決勝の審査員にも選ばれている塙氏のM-1分析本。 M-1優勝を目指し、M-1ではどのような漫才がウケてきたのか。その始まりと変化を鋭い観察眼と頭脳で分析している。 タイトルにもある通り、なぜ関東芸人はM-1で勝てないのか。そこには漫才における「関西」の絶対的優位があるという。そこに対抗するために関東芸人(正確には関西以外芸人)達はどのように対抗してきたのか。まさに関西芸人による漫才に対抗し、打開策を見つけ出そうと藻掻き、「ヤホー漫才」やそれに続く漫才の形を創り出してきた塙氏だからこそ書ける内容である。 読めば、過去のM-1を必ず見返したくなる1冊。 お笑い好きと思う人は読めば必ず楽しめる。

    0
    投稿日: 2020.01.02
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    M-1を軸にしたお笑い論。論理的かつ明確で、M-1ファイナリストと審査員の両方を経験した著者による分析と主張は説得力がある。この本には芸人としてのナイツ塙宣之のミニ自叙伝的要素も含まれており、特にヤホー漫才の誕生する過程は興味深い。また、著者のみならず世の中の芸人たちがどれほど真剣に新しい笑いを探究しているのかが、ひしひしと伝わってくる。単なるお笑い論を超えて、充実した読後感を与えてくれた。

    0
    投稿日: 2019.12.29
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    笑いが大好きで ずっとそれだけを考え続けてきた筆者が語る M-1という大会。 めちゃめちゃ勉強になるし 各大会の出場者のネタをもう一度見たくなる。 そこにすべてをかけた人たちの真剣勝負。 みんな、すげーかっこいい。

    0
    投稿日: 2019.12.28
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    お笑いについて相当深く考察しているんだな、というのが正直な感想です。 関東芸人がM1で勝てない理由を述べ、その中で勝ち進んだ関東芸人たちがなぜ勝てたかを考察しています。 結構納得できる部分が多く、M1の見方が変わる一冊でした。

    0
    投稿日: 2019.12.25
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    第三者のライターがお笑いの分析記事を書いたりすることはありましたが、当事者がここまで厚く書いているのは初めてでは。貴重です。 キレイに言語化されているので、この本を読んでから2019年M1を見ましたが、見通しがよくより楽しめました。 関西系のしゃべくり漫才はやっぱり強いし面白い。爆発力という意味では、非関西系は勝ちにくい。 M1はもともとは新しい人を発掘する大会なんだなぁと改めて認識しました。ずっと出ている常連組は新鮮さが失われて厳しい。参加資格結成から15年に伸びたといえども。 松本さんのニューヨークに向けたツッコミが怒りを持っていた方が好きはこの本にも書かれてましたね。腹落ちしました。 M1はフォーマットが決まっているからこそコンテストたりえている。R1などはフォーマットが決まってないから異種格闘技戦。点数がつけにくい議論には確かに。 あとは練習し過ぎると生々しさが失われてウケないはなるほど。プレゼンと同じで、熱量が人を震わせるので納得。うまさよりも、生々しさが笑いを生む気がします。 色々考えてみると、本当に漫才は関西の日常会話の延長なんですね。作り込まれたものよりも、その時の日常会話でツボにハマった時はめっちゃ面白いもんなぁ。漫才の時の面白さをある種、冷凍保存してそれを再現するものなんですね。そこに技術がいるという気がします。 そういえば、今年のM1かまいたちは相方と客との三角形作りにいってたなぁ。

    1
    投稿日: 2019.12.23
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    関西芸人が何故勝てないのか、 M-1の歴史と勝ち方が書かれた一冊。 M-1好きの方は読んで後悔しません。 お笑いの世界の奥深さが分かります。 ・相方-自分-観客の三角形を作る ・漫才は練習しすぎてはいけない

    1
    投稿日: 2019.12.18
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    ナイツ塙の半分愚痴、半分諦め芸。 ネタ書いてる芸人の話は、やっぱ面白いなぁと感じた。 言語化能力と、世間を斬る目がある。 漫才を見る視点が得られた!

    0
    投稿日: 2019.12.16
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    m-1の歴史を振り返り、それぞれ活躍した芸人の漫才、m-1とは何かを考察していく。 お笑い好きにはたまらない1冊。今後の漫才の見方が変わる。そして、やはり芸人はストイックでカッコいい。

    4
    投稿日: 2019.12.15
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    漫才にもいろんな形があり、こんなに奥深いものなんだと思いました。 塙さんは、的確にみているなぁ。 M-1をはじも、これからもっと漫才を楽しめそうです。

    1
    投稿日: 2019.12.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    M-1という切り口から「漫才とは」を塙が分析しており、今まで見たことがない角度から「お笑い」を覗かせて頂いた感じがした。 同じネタでも、場所(外か中)、観客の人数、ネタをやる順番、制限時間、観客層、地域、時代、その芸人を知ってるか知らないか、ネタのスタイルを知ってるか知らないかなどが少し違うだけで変わってくる。 あらゆることを考えて、M-1のためにネタを作っていて、審査員もあらゆる角度から審査している。 芸人って本当に直感と論理をすごい研ぎ澄ましているんだなと。観てる人にそう思わせないところも凄い。 テレビで見てる自分が思う面白いと思った芸人と、その場にいる観客や審査員が面白いと思う芸人が変わってくるのは、そういった色々な理由があるんだと改めて思った。 「ネタ合わせをしない方が本番でウケる理由」の1つに、 「漫才はお客さんがいないところで練習しても得られるものはない。漫才はお客さんとつくるもの」ということは、色々なことに言えると感じた。 全てのことが、人との関わり合いだから、関わってみないとわからないし、人は想像通りには動かないから、やってみて微修正していくしかない。 一人で練習ばかりしても上達しない。

    2
    投稿日: 2019.12.09
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    関東と関西のお笑いの違いをここまで解りやすく語った書籍は無かったのでは。ナイツ・塙氏の見識に脱帽。年末のこの時期に出すなんて。

    1
    投稿日: 2019.12.08
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    そろそろ今年のM-1が話題になっているので、ナイツ塙の言い訳を読了。 M-1の審査員になった塙がM-1を短距離走に例えながら、お笑い、M-1の歴史を振り返る。 見ていなかった時期もあるけれど、なるほどと思わされる。今年の賞レースも違った目線でも見れそうだ。 それにしても、チュートリアルがもう見れないのが残念。アンタッチャブルは復活するけれど。

    1
    投稿日: 2019.12.08
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    M-1が大好きなので全て書いてあることが理解できた。最後は感動すらしました!鳥肌ものでした。視聴者として漫才が大好きです、でも作る方の気持ちはわかりません。そんな綿密な作業をし、言葉を選んでいるとは思わず、ますます漫才師の皆さんを尊敬しました!今年も変わらずM-1楽しみにしています!!

    2
    投稿日: 2019.12.02
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    M-1の話を中心に、ナイツ塙が解説してくれる、M-1ファンには有難い1冊。素人にもわかりやすい例えが嬉しい(大阪はサッカーでいうブラジル。小さい頃からボール(ネタ)に馴染んでいる、等)。具体的に芸人コンビの長所短所を挙げてくれ、評論してくれるのにはなるほどーと納得。『M-1』はどんなコンテストよりスペシャル、戦場であるとのこと。今まで塙さんは淡々としたイメージだったけど、この本を読んで笑いに対する熱い血潮を感じられた。これは面白かった。

    1
    投稿日: 2019.12.02
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    面白かった。現代の漫才の解説書としてパーフェクトな内容だと思う。競争が発生した世界ではポジショニングが大事だなとこの本からも感じた。

    1
    投稿日: 2019.12.01
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    ナイツ塙氏が自らの経験と深い洞察力によって、現代のお笑い界における漫才師にスポットを当てて詳細に分析した一冊。特にM-1グランプリの主要な出場者に関する漫才スタイルやネタの分析は、お笑い好きを自認する人なら一見の価値あり。4分間という短時間勝負のM-1は100m走のようなものであり、出場者には短距離競技向けのスキルや適性が必要、という競馬を引用した説明にとても納得。また、漫才における関西弁の優位性、ボケとツッコミの進化の歴史、革新を起こした漫才スタイルの解説など、全編を通して興味深い話が満載!面白かった。

    2
    投稿日: 2019.11.29
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    ナイツの塙さんが書いたM-1本。 どうすればM-1に勝てるのか、何故、自分たちがM-1で勝てなかったのか、を様々な質問に答えつつ、多角的に答えていく、という形式の内容で、過去のM-1勝者が何故強いのか、M-1に負けた人は何故負けたのか、がよく分かる内容で面白かった。 また、芸人が芸人を表するというのは、ある意味諸刃の剣の部分があると思うんだけど、思い切って評価している様(言い換えれば覚悟)は凄いな、と感じた。こういう人がM-1の審査員に居るというのは本当に良いことだな、と感じました。 最近は、M-1を見なくなって久しいですが、久しぶりにM-1を見ようかなと思わせてくれる1冊でした。

    1
    投稿日: 2019.11.28
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    なぜ関西芸人がM1で優勝するのか。自分の中で言葉にできず、もやもやとしていたなんか面白い。なんかしっくりくるといった感覚を「方言は感情を伝えるのに適しているそれに対して関東の言葉は意味だけを伝達する道具」として言葉にして表されており、すぐに読了した。 「自分の才能を信じてこの世界に入ったのだから、努力をすることなく口を開けて待っていれば、誰かがおいしいものを運んできてくれるに違いない」こういった思い違いは、お笑いだけでなくどこの世界でも通じることであり、自分の好きな好きなことに夢中になる、そしてそれを語ることができる人間になりたいと思えた。

    1
    投稿日: 2019.11.23
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    「M-1はしゃべくり漫才を競う大会である」 「しゃべくり漫才は関西弁のような強い言葉じゃないと難しい」 「松本人志は”新しさ”を評価するから、点数が1年先行していることが多い」 なるほどーと思うことばかり。 お笑いのことを考え続けたことがよくわかる、すばらしい本。 最後はちょっと泣けた。

    1
    投稿日: 2019.11.20
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    おもしろい! FunnyというよりはInterestingのおもしろさです。 自分はお笑いが好きなので、お笑いのプロの塙さんが 細かく語っているのが興味深かったです。 見解が非常に鋭く、さすがプロだなと思いました。 芸人が笑いを語るのはださい、という風潮が、 芸人のなかにあるのでしょうか? 私は芸人にどんどんお笑いを熱く語ってほしいです。

    1
    投稿日: 2019.11.17
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    ナイツ塙さんの視点からMー1を振り返っている。 そこに紹介される漫才をもう一度見返したくなる。 塙さんの漫才に対する愛情を感じる一冊。

    1
    投稿日: 2019.11.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    島田紳助の自己プロデュース力に並んで、M1に出場する全漫才師の鉄板教科書とも呼べる渾身の1作。しかも漫才師でもない素人の私にも実際にM1をリアルタイムで見てるので非常にピンとくる場面が多く最初から最後まで面白く2時間で読破してしまった。目次の切り口も素晴らしい、確かにオードリーはM1準優勝1回でTVでの漫才から完全に足を洗う見事な引き際でいまなお2人そろってタレントとして仕事が来まくっているすごさ。M1で優勝した非吉本の3組はいずれもしゃべくり漫才師でなくてコント設定だからこそ優勝できたことも、M1の勝負の仕方にはまったといえよう。そして和牛の優勝は今や不可能ではないが非常に難しくなったことまで理由つきで言及してしまった。三四郎やハライチがキャラは売れてても漫才が売れない理由まで。M1にでていない爆笑問題やくりいむしちゅーにも言及している。2019年末のM1の前にこれを読むか読まないかは堪能ぶりが大違い、ぜひ読め。

    0
    投稿日: 2019.11.15
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    「ヤホーで調べたんですけど」「ヤフーだろ!」 うんこをもらしたことでいじめられていた少年時代。 それを逆手にとって笑いを取った時、彼は「最強の鎧」を身につけた。 松本人志に感動し、本気で芸人を志した。 「どうしたらウケる事が出来るか」 大学の後輩土屋伸之とコンビを結成。 M-1で決勝まで進出するも、頂点を極めることは出来なかった。 「大阪は漫才界のブラジル。M-1は100メートル走」 独自の視点から、M-1を、漫才を語り尽くしていく。 2018年12月、著者はM-1審査員の席に。 そこで生まれた「初ゴール」。 優勝した霜降り明星に1票を投じた理由とは。 笑いを真剣に、縦横無尽に語り尽くす。 ページを止められない。 堪らない高揚感が続く。 「人類が芸術を生み出したのは、言葉で伝えきれない思いを作品で表現しようとしたからです。芸術家が感動したとき、それが『感動』という言葉で足りていたなら、絵画も音楽も創造し得なかったと思うのです。  漫才師も同じです。人間の『おかしさ』をおかしいと言うだけでは伝えきれないから、ネタを思いついたのです。漫才という話芸が誕生したのです。  深いところからお客さんの感情を揺さぶり続けるために漫才師ができること。それは優れたネタを考え続けることしかないと思います」 「浅草の星」が漫才を語り尽くす。 昭和には、立川談志の「現代落語論」。 平成には、松本人志の「遺書」。 令和の「現代漫才論」ここにあり。

    8
    投稿日: 2019.11.01
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    わかりやすくて、面白い。 M-1は好きで、2001年の第1回から見ている。敗者復活も大井競馬場に見に行った。 客としても、「このコンビが歯医者復活として選ばれるんだろうな」と思った思い出もある。 このコンビ、なんで勝てないんだろう、と思ったこともいっぱいある。 その思ったことが、文章として答えてもらったような本。 ちょうど南海キャンディーズ山ちゃんの本「天才はあきらめた」を読んだ後、それに触れられているのもよかった。 この本を読んで、佐久間Pはゴッドタンでお笑いを語る回をやったというのも、うなづける。 M-1をまた違った視点で見れた。

    2
    投稿日: 2019.10.29
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    「THE W 観ていてしんどくなりました。」 ここまでハッキリ言ってくれると気持ちいいなあ。 終盤でもR-1をボロクソに。 分析ひとつひとつに頷きながら読ませていただきました。「うねり」に激しく同意。

    0
    投稿日: 2019.10.28
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    今、私が漫才に音楽よりも熱くなっているのは、M-1という大会の存在が大きいのだと思う。 音楽もお笑いも、数値化できない価値のあるものだけど、それを無理矢理、優劣付けたときに起こるこのうねりが面白い。漫才は、生き方そのものが現れるものだと思うと一本一本のネタに人生を感じて愛おしくなる。 大阪で生まれ育つと、笑いという文化はとても身近で、吉本新喜劇を見て育ち、大阪の言葉が好きで、漫才も大好きで、って私の立場からすると、上方漫才は誇りでしかない。東京の漫才師も頑張っていると思うけど、私もやっぱり しゃべくり漫才で一番笑うDNAなんだよなあ お笑いが好きじゃない人も、言葉選びが巧みで絶対面白く読めると思うし、言葉の演芸が漫才だから、本が好きな人は漫才が好きだと思った。

    0
    投稿日: 2019.10.26
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    面白い。一気に読み終わった。 笑いの構造に対する冷静な観察眼。 自分が感じていたぼんやりした思いをここまで言語化されると、感動を覚えます。 この感じは20代のころに初めてドラッカーを読んで以来でしょうか。 ただ冷静なだけでなく、お笑い、M-1グランプリに対する恋心にも似た熱い思いが随所に表れています。 とても良い本を読ませていただいたなと。

    0
    投稿日: 2019.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    まず、ナイツの塙さんがここまでM1に強い思いを持っていることに驚かされた。 多くの芸人さんにとっても、塙さん同様にM1は特別な場所なのだろうと推測され、今後ますます視聴者として楽しめると思う。 本書は、関西弁が漫才にとってなぜ有利か、関西以外の芸人がなぜ関西勢を抑えてM1を取ることができたかに付いて詳しく分析されている。 個人的には、漫才はネタを見せるものであり、見た目をいじったり自身の話をするようなフリートークをするものではないという考えに、塙さんの漫才に対する熱意を感じた。 掴みから中盤の流れ、そして落ちに向かうまでの組み立て、ボケとツッコミと客の関係の構築方法に至るまで、あらゆる漫才についての技術が網羅されており、読んだ後に過去の優勝者の漫才が見たくなる作品だと思う。

    2
    投稿日: 2019.10.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2018年、M-1審査員に抜擢された芸人が漫才を徹底解剖。M-1チャンピオンになれなかった塙だからこそ分かる歴代王者のストロングポイント、M-1必勝法、…「ヤホー漫才」誕生秘話まで、”絶対漫才感”の持ち主が存分に吠える。 ナイツは大好きな漫才師だし、お笑い番組での露出もトップクラスだ。だけどなんとM-1優勝経験がない。第1期のM-1では08~10年に連続して決勝へ進出したものの涙を飲んだ。 チャンピオンが漫才を語るというのならサマになるのだが、そうでない自分が語ると「何をえらそうに言ってるんだ」ということになる。そういう分けで本書は、塙の「負け惜しみ」「言い訳」が書かれているという位置づけだ(笑)。 しかし、「負け惜しみ」「言い訳」といいつつ、その中身はよく捉えているなと感心する。それは塙がお笑いに本気だからだろう。 歴代のM-1チャンピオンを列記してみる 第1回 中川家 第2回 ますだおかだ 第3回 フットボールアワー 第4回 アンタッチャブル 第5回 ブラックマヨネーズ 第6回 チュートリアル 第7回 サンドウィッチマン 第8回 NON STYLE 第9回 パンクブーブー 第10回 笑い飯 第11回 トレンディエンジェル 第12回 銀シャリ 第13回 とろサーモン 第14回 霜降り明星 本書には、このすべてのコンビおよびそれだけでなく、最近の話題の芸人たちについて触れられている。おそらく塙はすべての芸人について触れたいと思ったのではないか。本書でもお笑い全体をアピールしたいという熱意が伝わってくる。 全部で90問のQ&A形式。聞き手はノンフィクションライターの中村計氏。どちらかというとスポーツ系のライターだが、塙自身がスポーツ好きとあって話の喩えにもスポーツが出てくるし、M-1が本質的にスポーツの要素を兼ね備えている(塙はM-1の4分間で笑いをとらねばならないシステムを100m走に例えている)こともあり、よい形の編集となっているのではないか。 M-1は吉本が投資し、立ち上げた、どちらかというと吉本芸人のための発表会的要素をもってスタートしたとあった。そういうわけでスタートから関西芸人の得意とする「しゃべくり漫才」の色が濃く、そこへ関東芸人が道場破りのように「コント漫才」で切り込んでいくという流れが書かれていて、最近のお笑い傾向を体系的に理解できた気がした(笑)。 そういう意味では、非関西系のアンタッチャブル、サンドウィッチマン、パンクブーブーなどは関東に道を拓いた偉大なコンビなのだ。確かに関西人でも笑えるモノがある。 これを読んでバラエティ番組やお笑い番組を見ると、審査員的な見方になってしまうかもしれない(笑)

    12
    投稿日: 2019.10.13
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    m-1、お笑い大好きな身としてはマジメに語り尽くされた「お笑い本」は単純に読みものとして面白かったしカッコよさまで感じる部分があった。ただもう一回読み直したいとは思えない一種の娯楽本。

    0
    投稿日: 2019.10.10
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    テレビで塙さんが、「関東芸人がM-1で優勝できないのは言葉(標準語)の問題がある」という話をしていて、それはなんだか結構おもしろいかもしれないと思って手にとってみたら、やはり大層面白かった。言葉の勢い、圧というのはやはりあって、お笑いで一番を決定しようとすると、ど〜〜〜うしても関西弁には基本的には敵わない。関西弁は特に感情を言葉に乗せやすい言語であるということ、逆に関東の言葉はいろいろな地方の言葉で均質化され、誰もが聞き取りやすいが感情が読み取りにくい言語になってしまったということ、そんな関東の言葉でも、江戸言葉に近いべらんめえ口調を操れたアンタッチャブルの柴田さんがM-1を優勝したこと、江戸言葉では勢いよく怒りの感情を乗せることができたこと、でもそれを魂を乗せて操るには、練習だけではなく生まれ育ちの素地が必要であるということ。 たしかに、勢いや怒りの感情といったものを言葉に乗せて運ぶためには、関西弁のほうが適しているのかもしれない。そう思うと、私たちの語れることには言葉に規定される部分があって、日本語であること、書き文字であること、女性であること、そういった数々の制約について考える。しかし、持っているものから始めるしかなくて、私は自分の持ち場でどういう言葉を使えばいいのだろう。関東の芸人は、日常の延長でただ喋るだけでは漫才が成立しないから、様々なシステムや禁じ手を発明する、というくだりには心底感動してしまった。不利な立場から始めながらも、一部の本当に努力した人たちは、王道ではないながらも、それに代わる何かしらの手法を編み出しているのであった。 しかし本当に、語る言葉のことばかりを考えてしまう。内容にどうも軽い批評性を感じられるのはやはり、落語や浅草漫才の流れをご存知だからなのかもしれないが、お笑い、やはり興味深いジャンルである。

    0
    投稿日: 2019.10.08
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    基本的には、ほぼボケなしで真面目にお笑いについて語る一冊。 話し言葉は育った環境に影響される。言葉を変えることなら簡単だけど、魂と熱量を乗せた血の通った言葉でなければ観る側に伝わらないという話が興味深かった。 今年のM-1が楽しみだ〜!

    0
    投稿日: 2019.10.08
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    評論家ではなく審査員、それよりも演者の立場でけっこう辛口なことも含め批評してくれてておもしろい。言うてもギャロップはアレしかないやんとか笑い飯の最高傑作が鳥人ってことはないやろとかいろいろあるけど、まぁただの視聴者とプロの見方ってそこが違うんや、、と考えさせてくれる。

    0
    投稿日: 2019.10.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

     本と雑談ラジオの課題本、「漫才は練習しすぎない方がいい」というのが衝撃的で、理由を読むと確かにその通りだと思う。地下芸人の漫画を描いた時に、漫才を作ってみて、自分ではけっこう面白い漫才を作ったつもりでいたのだけど、やっぱり人前でライブしてこそ漫才で、実際はお客さんの存在があって、現場の空気があってこそで、漫画では表現しきれるものではないことが読んでみてよく分かった。  とても面白い本だった。

    1
    投稿日: 2019.10.01
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    文字通り、ナイツ塙がM-1を分析した一冊。 M-1はしゃべくり芸人ためのもので、もっとはっきり言うと吉本のためのもの。 そのため、関東芸人は不利だが、そこに挑戦することに意味はあるとか。 最高のネタは2005年のブラマヨ、最驚は2010年のスリムクラブだとか。 また、サンドウィッチマンはスプリンター、ナイツはステイヤーというたとえも面白かった。

    0
    投稿日: 2019.09.28
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    一冊通して塙さんの、漫才への情熱がすごい。仕事とか、趣味とかのレベルを超えて、なんかもう本気で甲子園目指す高校球児とか、インターハイ常連校の選手たちみたいな。部活っぽい熱量を感じた。でも熱さも保ちつつ、分析というか見つめる眼は冷静で。だからこそ説得力があって、あーなるほど、と納得できることも多い。 コンビの実名や出場年、ネタを挙げながら包み隠さず分析し、解説している。これを読むと、お笑いの難しさ、M-1の厳しさがビシビシ伝わってくる。褒めて認めることもあれば、苦言を呈することもある。でもその根底にはどの芸人ももっとウケてほしい、という願いもあるような気がして、塙さんの優しさも感じた。 ちょっと技術論っぽいところもあって、お笑いスクールのテキストっぽさもあった。お笑いスクール通ったことないけど。 M-1グランプリの第1期のチャンピオンの全ネタと08年の決勝戦の3組のネタを見てから読むことをオススメします。ネタを知っているとより一層、理解度が深まると思うので。

    2
    投稿日: 2019.09.22
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    M-1や漫才を現役芸人が考察した書籍はあっただろうか。上方漫才をルーツにしているしゃべくり漫才、パターンに当てはめられるコント漫才、コントと漫才の違いを知ることができる。〇〇漫才のパターンに当てはめられると強い。あとハライチのシステムって本当革命なのでは?

    0
    投稿日: 2019.09.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    漫才師のナイツ塙さんが、M-1というコンテストを通して、漫才とは、お笑いとは、と言う事を分析し、語りに語った覚悟の本。 出てくる漫才師の名前はすべて実名で、かなり赤裸々に批評してある。 現役の漫才師が、現役のほかの芸人に関して、ここまで具体的に構造の解体、分析、そして勝因敗因を結論づけている言説を観たことがないので、劇場ではとぼけて見せている塙さんの怖ろしさが見えて、すごい本だった。 お笑い、という技術についてはまだまだ手の内を明かしていない、分析を披露しきっていないと思うし、そもそもの「面白さ」というものをどういう風に捉えているか、というのも聞きたくなる感じ。

    1
    投稿日: 2019.09.01
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    インタビュー本は読みやすいけど中身がほとんどなくてスカスカという印象があります。でも、この本は読みやすいけど中身もけっこう詰まっている。関西人である私が思っているお笑い論とはちがう観点をいろいろ知れて、有意義でした。【2019年8月20日読了】

    0
    投稿日: 2019.09.01
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    「M-1グランプリ」。芸歴15年までの漫才師がその年の漫才の頂点を目指し、毎年数千組の芸人が挑む、お笑い界最大のビッグコンテスト。その激戦を勝ち抜き、決勝に進めるのはわずか10組。 著者の塙氏は、言わずと知れたナイツのメンバー。「ヤホー漫才」を引っ提げ、2008年より3年連続決勝進出の実績を持つ。また昨年初めて審査員を務めた。著者自身がネタを書き、「20分以上のネタをやらせたらナイツが日本一」と自認する一方で、自分たちのスタイルが4分間で決着する「M-1」のシステムにそもそも向いていないことを承知の上で挑んだ「M-1」。その体験を通して、M-1を制するための技術論をノンフィクションライターの中村計氏が聞き出していく。 本書はまず「M-1」漫才の徹底解剖から始まる。これまで歴代チャンピオンがいかにして栄冠に輝いたのか?必勝法があるとしたら何か?等を存分に饒舌に語る。 その分析の裏には、ナイツ自身がチャンピオンになれなかった敗因が明確に存在する。負けてはじめて知る戦い方、しゃべくり漫才のルーツである関西勢に勝つにはどうすべきか?「漫才の母国語は関西弁」に立ち向かう「関東芸人による非関西弁によるオリジナリティ豊かな漫才はあるのか?」等、あくまでもM-1を制覇するための鋭い考察に溢れた現代漫才論となっている。 【塙の説くM-1制覇のための10箇条】 ①「うねり」がないと話にならない! 客席が笑いで爆発する感じ。 M-1は、うねらせたものが制す。 ②ツカミは出だしの30秒! いきなり客をつかめるかどうか。 これがあって、うねりを呼ぶことができる。 ③コンスタントに7,8割の笑いは必要! 4分間は短い。常に笑いを取れるように配分すべし。 ④ラスト30秒を笑いのるつぼに! 笑いがドッカンドッカンきてオチとなる。 ⑤関東の漫才が制する秘訣はコント漫才! しゃべくりでは大阪には勝てない。 サンドイッチマンのようなコント漫才に徹すこと。 ⑥4分間の無駄なく使え! M-1は短距離走。寄席の漫才とは一線を画す。 一気に笑いをつかみにいくこと。 2005年チャンピオンのブラマヨネが好事例。 ⑦自虐ネタや内輪話は使うな! ハゲデブブスは要らない。ネタで勝負。 ⑧ネタにはスッと入れ! とりわけキャリアのあるコンビは自己紹介的マクラは 不要。 ⑨鮮度と斬新さのあるネタが高評価される! 経験に培われたネタよりも新しさ&インパクトに 得点が集まる傾向あり。 ⑩チャンピオンになるには2本のネタが必要! 1本目で高得点取るも2本目でコケた2009年の 笑い飯の急失速を反面教師に。 こうやって列記すると、いたって当たり前のように思うが、この10箇条をきちんと押さえつつ爆笑を誘い、自分たちの笑いのスタイルを感じてもらうには並大抵ではない。捉われる余りに自分たちの目指す漫才やスタイルを見失う危険もはらんでいる。 そこで、ネタあってのスタイルか?スタイルあってネタなのか?という2大命題がもたげてくる。例えば、ブラマヨの「ケンカ漫才」、チュートリアルの「妄想漫才」、笑い飯の「ダブルボケ漫才」に見られる独自のスタイル。著者も、現在の「ボケて訂正、ボケて訂正」の機関銃よろしく小ボケを連射するスタイルを確立するまでは試行錯誤を繰り返した。ようやく出来上がった時には、これはウケると確信したと言う。要するに、「自分がコレだと信じられるネタこそ最強」であると坦懐する。 表紙カバーには「令和の漫才バイブル」という惹句が踊る。確かに、M-1が漫才の巧拙を評価するコンテストという枠を超えて、「もっとも最新かつ先鋭のお笑い」を披露する場であり、プレゼンの場となった今、著者の掲げる10箇条を、鼻で嗤い、がしがしと踏破するぐらいじゃないと、笑いを革新的にクリエートしていけないってことなんですな。今から12月の決勝がすっごく楽しみ!

    1
    投稿日: 2019.08.30
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    分析面白かった。 アンタッチャブルを評価してるのも嬉しいし、三四郎に厳しいのも微笑ましい。 審査員としての審査基準を語ってるのは偉い。 お笑いを見ていてちょっと釈然としない文化にも切り込んでいて爽快。 「昴生も澤部も一緒にいると体調が良くなります」

    0
    投稿日: 2019.08.30
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    8/9発売「M-1」の漫才を徹底解剖する一冊! 歴代王者のストロングポイントや必勝法、そして彼の道場破り宣言とは?

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    投稿日: 2019.08.29
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    度が過ぎるくらい面白かった。 普段あんまり言語化されることのない「M-1」「漫才」「笑い」ということについて、明快に言語化されていて、目からウロコの連続だった。 さすが冒頭で「起きている間中、どうしたらウケるかその一点のみ考えていた」という塙さんだけある。 そういえば、M-1でも初参加にも関わらず審査員として一際安定して的確なコメントを言っていたことが思い出される。 あれは当然偶然ではなく、然るべくしての安定感だったということがよく分かった。 本の終わりや後書きもとても気持ちよく終わっていて、オチを大事にする芸人ならではの美しさを感じる名著だった。

    0
    投稿日: 2019.08.28
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    ふわっと観ていたM-1ですが、読んだあとまた観たくなった。 ナイツの漫才は好きですが、塙さんの活字表現力も同じくらい好きになったし、エピローグでは最後泣きそうになったくらい。 売れるって才能だけじゃなく、それ以上に努力が大事ってところは、社会人全てに言えることだなと。明日の活力になった。

    0
    投稿日: 2019.08.25
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    ちゃんとしたネタとは、他の人でも演じることのできるネタ 強い言葉でツッコむ時は、その前に二人の関係性を示す必要がある

    0
    投稿日: 2019.08.25
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    ‪ナイツ塙の漫才論。M-1審査の裏側に留まらない幅広い内容でむちゃくちゃ面白かった!テレビではキャラクター的に真面目に語るイメージが無いから尚更。南キャンやオードリーに行く前にハライチのノリボケ漫才に個別に言及しているのが新鮮。注目の若手として四千頭身の名前を挙げているのも興味深いなー‬

    0
    投稿日: 2019.08.25
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    この本の存在がなぜかすでにおもしろいんですが。この本の存在がもうボケでしょ。 徹底的にM-1のことと出場者のことが書かれているんだけど、あああれね、と全部書かれていることの映像が頭の中で流れる自分も、実は相当M-1に詳しいのでは。 4分で全てを表現する、掴みを素早く! って何気にプレゼンの勉強になるのでは。

    2
    投稿日: 2019.08.17
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    面白かったので一気に読んでしまった。昔はボギャ天やオンエアバトル、「第一期」のM-1などをよく見て、「◯◯は面白い」「◻︎◻︎はウケてたけど何が面白いのか分からない」など通ぶっていたが、面白いと称される芸人さんがなぜ面白いのかというのを分かりやすく解説してあって、すごくためになった。面白かったのはお笑いの世界も日々アウトプットというか、ネタを作り続けること、芸を磨くことが大事という、どんな仕事にも共通するような普遍の真理が当てはまるということ。「書く」ことを仕事にしているだけあって、過不足のない、ちょうどよい説明も心地よかった。

    0
    投稿日: 2019.08.16
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    「大阪は漫才界のブラジル」 「M-1は100メートル走」 「関東の日常言葉は感情を乗せにくい」 「M-1は新しいもの至上主義」 「南キャンは子守唄、オードリーはジャズ」 今や最も注目を集めるお笑いイベント「M-1」について、関東を代表する漫才師の一人であり、昨年のM-1審査員も務めたナイツ塙が語り尽くしたのが本書。 いちいち腑に落ちるし、時に眼から鱗が落ちました。 私は、M-1を第1回から欠かさずテレビで視聴しています。 視聴後は、興奮の余りブログに決勝出場者のネタの感想を書き綴るほど。 ど素人が評論家気取りで書く感想ほど「イタい」ものはありませんが、止められないんだなぁ。 生放送を見るだけでなく、折に触れてVTRも見返します。 M-1は出場者だけでなく、お笑い好きの視聴者にとってもワクワクするコンテンツですね。 ですから、こんな本を待っていました。 2時間の一気読み。 まず、M-1は吉本芸人のための大会だということを再認識しました。 特に関西芸人が幅を利かせているのは周知の通り。 第1回優勝者の中川家が「M-1はしゃべくり漫才の大会」だという先鞭をつけたのが大きかったのだとか。 たしかに、第1回の優勝者によって、その賞の性格が決まるということはありますね。 で、しゃべくり漫才だと、やはり関西芸人に有利です。 「サッカーで言えば、関西は南米、大阪はブラジルと言ってもいいでしょう。ブラジルでは子どもから大人まで、路地や公園でサッカーボールを蹴って遊んでいます。同じように、大阪では老若男女関係なく、そこかしこ日常会話を楽しんでいる」 とは言い得て妙。 では、関東芸人は関西芸人に勝てないのか。 そんなことはありません。 風穴を開けたのは、アンタッチャブルでした(2004年)。 さらに、敗者復活から劇的な勝利を収め戴冠したサンドウィッチマン(2007年)、パンクブーブー(2009年)と続きます。 3組に共通しているのは、「しゃべくり漫才」ではなく、「コント漫才」だということ。 関西弁と違って感情を乗せにくい関東の言葉でも、「コント漫才」なら十分、関西芸人と伍していけることを、この3組の優勝は示しました。 さらに、M-1は「新しいもの」を評価する傾向があります(特に松本人志はその傾向が強い)。 その意味でM-1は「お笑い界の新人賞」だということができます。 その点、スリムクラブは新しかったと塙は評価しています。 M-1は、最長でも4分という短い時間の中で、どれだけ笑いを取れるかの勝負です(この点でも、しゃべくりに秀でた関西芸人に分があります)。 にも関わらず、スリムクラブは実にゆったりと、間も大きく取ったネタを披露したのです(文字に起こすと、NON STYLEの「溺れている少年を助ける」約2000字に対し、スリムクラブの「葬式」約800字!!!!!)。 M-1でこういうネタは当時新鮮だっただけに、驚きとともに腹を抱えて笑った記憶があります。 「笑いの神様」である松本の「時間が惜しくないのか」という評は、スリムクラブにとって最大の賛辞だったでしょう。 塙は「M-1史上、最大の革命」だと言っています。 革命といえば、南海キャンディーズもそうでした。 「オカッパメガネのあやしい男と、それに負けず劣らずあやしいでっかい女」(本書より)が出てきた時の「キワモノ感」は忘れられません。 ネタを見終わって、「新しい笑いが誕生した」と衝撃を受けたのも強く記憶に残っています。 本書では、いろんな意味で物議を醸した昨年のM-1までをカバーしています。 塙は、最終決戦で和牛ではなく霜降り明星に一票を投じました。 その理由は「強さ」だったとプロローグで語っていますが、「なるほどそうだったのか」と感動しました。 M-1ファンには必読の書。 個人的には、ものを作る全ての人に参考になる本だと思いました。

    6
    投稿日: 2019.08.14
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    言い訳 関東芸人はなぜM1で勝てないのか 言い訳世間を引っ張り挙げて教育し、切り捨てるような物ではなくて、どちらかというと分析。

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    投稿日: 2019.08.11