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29歳独身は異世界で自由に生きた……かった。 (1)
29歳独身は異世界で自由に生きた……かった。 (1)
リュート、オオハマイコ、桑島黎音/KADOKAWA
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総合評価

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  • 出だしの印象が悪すぎる

    「冴えない社畜が空想ファンタジーに現実逃避していたら異世界に召喚、しかも都合良く長身イケメンで最強に」という絵に描いたような典型的なろう作品。 レベル・ステータス・アイテムボックス・スキル等があり、冒険者になってその力にドヤ顔し、開始直後に都合良くヒロインに一目惚れされる…というあたりも正に悪い意味でのTheなろう。 そんな感じのテンプレ作品なので、どうしても主人公やヒロインに感情移入しにくい。 主人公は上記の通りだし、何より酷いのがヒロイン。先述したように都合良く主人公に一目惚れする上、「主人公に酒をしこたま飲ませて泥酔させ、寝込みを襲って既成事実を作る」というろくでなし以外の言葉が見つからない人間。直接的な描写こそないものの、夜伽シーンやサービスシーンも頻繁に挿入されるため正直鬱陶しい。 2巻以降から両思いになって、主人公がヒロインを大事にする言動がやたら増えてくるが、「ハニートラップを仕掛ける股と貞操概念の緩い人間に何故ここまで惚れられるのか」としか思えず、ヒロインにもそれに惚れる主人公にも全く感情移入できない。 つまり、作中での扱いと読者が感じる印象が食い違うため、違和感を禁じ得ず、読者の物語の没入感の妨げになっている。 一応3巻で物語が大きく動き、一気にシリアス展開に移行して面白味が出てくるため、そこまで浅いストーリーではない。 作画は飛び抜けてはいないものの悪いと言うほどではなく、キャラクターデザインも良いため、漫画としての出来は決して悪いわけではい。 3巻以前にもこれいいなと思えるような展開・描写はなくはなかった。 ただ、前述したウンザリするほどのテンプレなろう要素、ろくでなしヒロインとそれを「真っ当なヒロイン」として扱っている物語の描き方、そんなヒロインに惚れる主人公への違和感。これが評価点を補って余りあるほど、本作を「悪い意味での典型的なろう作品」たらしめている。 3巻の展開は良かっただけに、それ以前の展開とキャラ作りが残念でならない。たぶん続きは読まない。 余談だけど、刃渡り15~20cm程度の片場の短剣を「ショートソード」と言うのは流石にどうかと思う。

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    投稿日: 2020.11.01