☆3.5 7巻まで読んだ。未完結。 6巻でストーリーが一区切りついたから、てっきり完結かと思ったらまだ終わってなかった。 商売気が強く、お金が大好きで、すぐ契約書を出し慰謝料請求する伯爵令嬢が主人公。 主人公愛されもの。 がめつい主人公が結構可愛い。

婚約破棄から始まる悪役令嬢ものかな？と思いつつ、タイトルの慰謝料に惹かれて(笑)購入。 主人公ユリアスは婚約者ラモールから、他に好きな相手ができたからと、いきなり破棄を宣言されます。 できるものならやってみな。というスタンスの男前なユリアスは徹底抗戦の構えなところが面白いし、成り行きで王子殿下とも知り合い(利用しつつ)婚約破棄に向けて暗躍していきます。 妹大好きな兄のローランドも格好良いし、ユリアスのお店で働くマイガーもドMなワンコで可愛いですよ。 でも皆イケメンなのにどこか残念なところもあってそこが人間らしさとしてより魅力的なのです。 ある予言書に基づいて行動する令嬢と予言書のイラストが面白いですよ。ヒロイン(かぶれ)の令嬢ジュリーは普通にしてれば十分可愛い子なのに、お前も残念なのか…(笑) っていうか、ユリアスって名前が男性を想像させてしまい時々誰だっけ？ってなってしまうのは私だけでしょうか？

強かな令嬢だった 商売上手だし、実際商人としての気質はかなり高い。王子がへたれだけども、それもそれでよし。

「商売上手な主人公が出版した悪役令嬢物の書籍が、何やかんやの理由で予言書的な物になり、書籍のモデルにした人物がそれを参考に行動するようになった」という、なろうの悪役令嬢物としてはかなりの変化球な作品。従って異世界転生・前世の記憶・乙女ゲームの実体化等の要素はない。 このReaderStoreでは女性向けコミックにカテゴライズされているが、恋愛要素は少なく、むしろキレッキレのギャグandコメディ全開。「破滅シナリオを回避する」という展開は悪役令嬢物のテンプレだが、本作の場合は破滅しそうなのが主役少女にロックオンされた王子だったりと、他悪役令嬢物との差別化もしっかりできている。かなり笑えるので男性でも違和感なく読めるんじゃないかな。 そんな感じの内容なので、登場キャラクターはアホ・バカ・間抜け・変人といった破天荒な性格の人物ばかりであり、主人公からして王子相手に舌打ちしまくる豪胆さ。こんなキワモノ揃いのキャラクターで、しっかりと面白いストーリー・作品に仕上げているあたりに作者のセンスの良さが見える。 作画やキャラクターデザインも綺麗で、センスもテンポも構成も上手い。文句無しの☆5。