ネット小説原作の漫画。いわゆる中世ヨーロッパを舞台としたRPG（ドラクエ）的な世界観の冒険者が、意識を保ったまま敵であるはずの魔物として生まれ変わり生きていこうとするストーリー。ゲームをやっていたことを思い出して面白い。話が深いわけではない。

冒険者がいてダンジョンがあってスライムやスケルトン等のモンスターがいてという、昔のTRPGを彷彿させるかなり王道・オーソドックスな世界観。 物語は、雑に言えば「主人公は低ランクだが知識と経験豊富な冒険者、ダンジョンを探索していたら何やかんやでモンスターになってしまったので、とりあえずあれこれやって人間かそれに近い存在への進化を目指す」というもの。 こう書くとバカっぽくありきたりな典型的なろう作品に思えるが、設定・展開・主人公の心理描写・戦闘描写・演出等は非常に上手く、完成度の高い上質な作品に仕上がっている。作画の人の画力も極めて高い。 先述の通り、一昔前のTRPGのような世界観であり、若干陰鬱ながらもワクワクさせるような、独特で新鮮な雰囲気を出していて、ありきたりっぽさはない。 ステータス・スキル・レベルといった、なろう作品にありがちで毛嫌いされやすい、ゲーム的な要素がないのも個人的評価点。 あえて欠点を挙げるとすれば、描写や説明が丁寧で分かりやすいが、それ故に物語の進行がやや遅い事。まぁテンポを取るか丁寧さを取るか、ここらのバランスはままならない事だけど。 まぁそんな感じでなかなか面白い作品に仕上がっているので、試し読みして惹かれた方はどうぞ。

絵も話も「なろう系」と呼ばれる部類かもしれないが、透明感のある圧倒的な画力と主人公の過酷な状況やこれからに期待したくなる。 同じ転生系でも序盤から無双しすぎると退屈なのだがこの主人公は生前、努力でカバーしてきただけあって読みごたえがある。 ヒロインやその他のキャラクターにも魅力があり、転生系含む、あらゆる漫画を読み散らかし、貪った私でも十分すぎる程楽しめた。 気になっている方は買って損しない内容です。 ただ、内容をあと20ページ程増やしてくれたら間違いなく★5でした。

・良い点 ストーリー+1、絵+1、演出+1 ・悪い点 生前の主人公がモテすぎて不快-5千兆点 というのは冗談としても、戦闘面以外で優秀にしすぎた感はありますね… そこはかとなく俺TUEEEの片鱗を感じますが、2巻も買ってみたいと思います。