
総合評価
(77件)| 9 | ||
| 20 | ||
| 36 | ||
| 5 | ||
| 1 |
powered by ブクログ風習や儀式が密かに残っている昭和初期の舞台設定と、人間消失というミステリ要素が綺麗に嵌まっていて面白い。「狂信性」がテーマであるとも言えそうで、論理的に事件を解き明かそうとするにも関わらず、非論理的な真相へと行き着く展開も良かった。ただ前作に比べてホラー要素は後退しているので、好みで言えば『厭魅』や『首無』に軍配が上がる。
4投稿日: 2025.11.18
powered by ブクログ評価の分かれる作品らしく、確かにあまりにダイナミックな結末を読むとさもありなん。「そんなの現実的にありかよ」ともなるし、結末の衝撃にただただ驚かされる楽しさもある。個人的にはびっくりが勝ったかな。 一作目と比べると登場人物が少ないのと、民俗学パートが簡潔で読みやすさもあるけど、その代わり現場の状況を頭の中で把握するのが難しかった、、立体図欲しい。
0投稿日: 2025.11.16
powered by ブクログ刀城言耶シリーズ長篇の中では登場人物が少なく、複雑な家系図を把握する必要もないので読みやすい作品です。更に早々に限られた人数で舞台となる島に渡ってしまうため、起こる事件や怪異も多くありません。それなより必然的にシリーズの中ではミステリ色の強い作品になっています。 また同じ理由で、ほぼ主人公の刀城言耶を中心で進むため混乱しないことに加え、彼の人柄もよくわかります。長くなるので詳しくは書きませんが、彼のある癖によって生じる笑いにつられて笑ってしまうのですが、誰も傷つかない笑いが心地いいです。 事件が起きた理由が弱いとのレビューもありますが、そういうことが有り得た時代であり、そういったことも含めた、壮大なミステリとして楽しめる作品かと思います。
0投稿日: 2025.08.13
powered by ブクログ途中までは現場のイメージが沸かず、やや苦しかった。しかし、事件発生後は言耶の本領発揮といったところ。可能性をピックアップしてつぶしていくのがやはり良い。何よりも、この設定によって動機面に正当性をもたせられるのが本当に見事だ。
0投稿日: 2025.05.29
powered by ブクログ地方の漁師町で古来より信仰される孤島の神社。十八年前そこで秘密の儀式が催行され、巫女含む男女6人が彼女の娘一人を残して不可解にも消失した。そして今、その娘によって秘儀が再び行われ、彼女もまた消失してしまった。 密室状態の拝殿からの消失、そこに残された異様な惨状を前に、読者は人智を超えた宗教的な力の作用を直感する。合理的な解釈の検討を試みる主人公を横目に、一人また一人と次々に一行が消失する様は、読者を恐怖に陥れると共に、現象の超自然性を強め、合理的解釈即ち事の真相への読者の注目度を格段に高める。不可解な言動や消失に伴う状況証拠、島を探索して得られた発見などから導き出された真相は、常人には到底想像もつかぬ様な、常軌を逸した内容であった。それは、秘儀が、その現象こそ合理的即現実的であれど、内容は極めて狂信的であったということを指し示し、読者にこれまでにない劇的なインパクトを残して、物語の幕を閉じる。 読後感の強さが甚だしく、何か壮絶な体験をした感覚さえ得られる。途中の合理的解釈を検討する部分で間延びして少々の読み辛さを感じたものの、買って後悔のない一冊であった。
0投稿日: 2025.03.24
powered by ブクログ刀城言耶シリーズの2作目。妖怪的な雰囲気は京極さん要素があるのですが、金田一の雰囲気が多めな小説。刀城言耶が色々な可能性を考えて理論を展開していく様子が面白く、それでも怪異としか思えないものもあるので、そういうのが好きな人にはおすすめです。
0投稿日: 2025.02.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
★2.5くらい。 決してつまらなかったわけではないけど前作の方が面白かった。序盤の方は正直全然そそられなくてページをめくる手がかなり遅かった… 今作はホラー感もほぼないし、クローズドサークルと言っても死体が出るわけでもなく静かにスッといなくなるから、恐ろしい殺人事件が起こってる感も感じられず… 「特殊な状況下で人間が消えるにはどんな方法があるか」をひたすら淡々と検討していく話といった印象しか受けられなかったな。 でも解説にあったように今作は〈推理〉がメインになっていてより本格ミステリ色が強いらしいからそう感じるのも当然っちゃ当然かもだけど私はもう少しホラー感ある方が良かったかなぁ… と言ってもみんなでこの方法はどうだこれはどうだと話し合ってるとこは確かに面白かった。 (ただ、今作のキーである「鳥」が私は苦手で好きじゃないので最初からお話自体にあまり興味が持ててなかった部分もあるかもしれない…それは単純に私のせい^^;)
1投稿日: 2025.02.11
powered by ブクログ詳細が不明な曰く付きの秘儀が十八年ぶりに行われると聞いた刀城言弥が立会人として参加すると、厳重に閉ざされた拝殿の中で巫女が消失する。その後同じ立会人が一人、また一人と姿を消していき…と、密室からの人間消失といった本格ミステリにはお馴染みのテーマだが、その枠組みが宗教的・秘儀的な要素に彩られて描かれる まさにと言った具合の推理の細やかさで、登場人物たちと同じ心境で推理に参加しながら読み進めていくことが出来た その直前の描写から謎解きにかけての内容はどんでん返しの数々で、驚くほかなかった 作中張り巡らされた伏線があっという間に回収されて妖しげな雰囲気も残しつつ謎が解決されていくのが楽しかった! 探偵役自身が立てた仮説を否定して、自分の思考の流れを追わせるような語りにはとても引き込まれた
1投稿日: 2025.01.19
powered by ブクログ怪異と論理的思考を組み合わせた硬めのミステリー。 民俗学的な謂れが長くてやや辟易したり、推理が格式ばりすぎて頭がついていかなかったりと読中疲れるが、次回作も読むこと間違いなしのシリーズ。
1投稿日: 2024.08.27
powered by ブクログ刀城言耶シリーズ二作目。 信仰や神事に懐疑的な人間が複数おり、密室からの人間消失というシチュエーションも相俟って、前作と比べて、ミステリ色が強めな作品。 特に中盤に差し込まれる、"人間消失講義"は完全にミステリ小説のそれでした。 ただ序盤の信仰と儀式に関する説明や、ラストのとあるシーンなど、怪奇要素もしっかり残っており、シリーズ特有のミステリとホラーの良い塩梅を楽しめました。
15投稿日: 2024.04.09
powered by ブクログ3.8。読んでいたら分かるのに分からなかっただけにやられた感というかインパクトあった。トリックも動機も。
0投稿日: 2024.04.01
powered by ブクログホラーとミステリーが高次元融合をしている、という評価を受ける「刀城言耶シリーズ」の第二長編。講談社文庫の刊行順がぐちゃぐちゃになった原因的作品なので、検索するとだいたい「読む順番」が予測変換に出るのが面白い。 読みながら思う事には、今回はホラー度が高くないぞ…で、「詳細不明の儀式が行われている密室状況からの消失」+「登場人物の限られた島ミステリー」+「毒チョコめいた意見出し合い展開」という、ザ・面白い本格推理という味わい。 だったのだが 読了後には、前作より心的ダメージのでかい私がいたのでした……。
1投稿日: 2024.03.04
powered by ブクログ前作のほうが好みだった。今回はいわゆるクローズドサークルもので、登場人物も少なめ。人が消失する原因を突き止める推理モノ。 Kindleで読んだのだが、地図がなくて島の描写を頭の中で再現するのに苦労した。(文庫には地図がある?) 後半で疑問点を列挙して次々と解きほぐされる解決編は読んでいてスッキリした。 前作にもあった「これはあくまで推測の域を出ないけど」的な推理もあったので、完全にロジカルで考える人には向かないかも。個人的にはあれこれ考える余白もあってこれはこれで好きなのだけど。 とにかく次巻のために読み勧めたのでこの後の展開が楽しみ。
0投稿日: 2024.02.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
密室トリックをあれこれ検討していく過程が、ちょっと分かりづらかった。 最後の推理ももう一段階あるのかなと思っていたら終わってしまって、うーん、という感じ。 つまらないわけではないけど、前作ほどの衝撃はなかった。
0投稿日: 2024.01.23
powered by ブクログ戦後すぐ位の田舎の方であれば、こんな狂信的な宗教家や、祟りなどへの強い怖れがあったんだろうな〜、と1作目より現実っぽさがあった。 ちょっとやるせなさみたいな感じが残った。
0投稿日: 2023.12.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
こんな怪しい儀式にも、神秘的な舞台のど真ん中にいても、恐怖に取り込まれずにあくまで現実的に事件を解明しようとする主人公がいいなと思った。これだけ不気味な要素がありながら、この妙な冷静さを持ち続ける点は読んでいて安心できる。 前作よりも怖さは控えめだったように思うけれど、その分ずっしり重たい内容だった。想像以上に本気の儀式だったことが分かり、命をかけた姉の思いを何としてでも守りたい弟、切ない。赤い旗があがってさえいれば成功だったなんて、切ない。 巫女の間だけで引き継がれてきたこの儀式、朱里にもその役目が回ってきてしまうのかな。余韻の残るラストが良かった。
0投稿日: 2023.11.24
powered by ブクログ刀城言耶シリーズ第二弾。 今回も内容はホラーとミステリーの融合作品ではありますが、密室空間における人間消失トリックがメインになっておりミステリー要素がやや強いです。 最初の段階で密室トリックを予測できてましたが、迷想探偵である刀城言耶の叙述トリック?(実際は違います)によって自分自身も迷想の渦に巻き込まれてしまいました。 結末を一言で言うならば「凶」、自分で予測していたことなのに真相を知ると余計に鳥肌が立つ作品でした。 ただ、自分が読み飛ばしたのか分かりませんが、密室空間に置かれていたある「モノ」の消失の謎が残りモヤモヤしています(笑)。
0投稿日: 2023.04.12
powered by ブクログあり得ない状況での、人体消失の謎を追う、刀城言耶シリーズ、第二弾。 今作は、ホラー要素が少なめで、ミステリ要素が多め。 人体消失の謎について、喧々諤々と議論する場面は、いかにもミステリの楽しさに溢れている。 しかし、ラストは衝撃的。この結末は、ある意味、一番、ホラーかも。
0投稿日: 2023.04.03
powered by ブクログ刀城言耶シリーズ第二作目。前作『厭魅の如き憑くもの』より恐怖描写は少なく、密室での人間消失を描く、ミステリ指向の強い作品。特に、密室からの消失を論理で分類し、分析しようとする推理と、解決編の伏線回収は圧巻。前者だけでも凄いと思ってしまう。
3投稿日: 2023.03.12
powered by ブクログ刀城言耶シリーズ第二弾は、瀬戸内海に浮かぶ鳥坏島が舞台。神事「鳥人の儀」を執り行う巫女・朱音は、この地を訪ねた刀城言耶の目の前で姿を消す。これは果たして奇跡か?トリックか?そして、18年前にも執り行われた鳥人の儀との関係は? いきなりですが、物語の肝の部分、つまり朱音が姿を消した真相ですが、これ、かなり賛否がわかれる内容かと。正直、わたしは「ありえねぇ…」と呟いてしまった人なのですが、一応筋は通っていた(だよね?)ので、これはこれとして受け入れることができました。ただ、今回は(といってもまだ3作しか読んでいません)怪異の部分が少し弱かった印象。もうすこし鳥女の化け物の恐怖を味わいたかったなぁと思ったり。
0投稿日: 2023.02.13
powered by ブクログシリーズ2作目。 一作目ほどホラー要素は強くなかったですが、前回と同じで最後の最後の終わり方がすきです。 密室のトリックは奇想天外。よくこんなことを思いついたなと。想像するだけでもおぞましいです笑
3投稿日: 2023.02.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
刀城言耶シリーズ第2弾 長編小説。 オカルト色は少なめで 推理小説ど真ん中な感じ。 離れ小島で神事が行われることとなり、そこへ刀城氏も出席することとなるのだが、そこで巫女とその補佐が行方不明となる。 18年まえにも出席者8名のうち7名がが行方不明となる事件があり、その時の残った一人が今回の神事の巫女となる。 18年前の事件の謎と今回の謎を解き明かそうとする。 そんな中また新たに2名が行方不明となる。 そして怒涛のクライマックスへと。 ただその謎の招待があまりにも突拍子すぎて、この評価とした。 なんかツッコミどこ満載の結末のような気がしてあまりにもきにいらないと言うのがこの評価の原因。
0投稿日: 2022.12.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
刀城言耶シリーズ第2弾。前作とは打って変わって孤島を舞台にしたクローズドサークル、とあらすじを読む限りそんなイメージでしたが、中盤から推理が始まったりと一筋縄ではいかない展開が続いて面白かったです。推理をしては否定してを繰り返すスタイルは好きです。途中の洞窟に入る場面は江戸川乱歩の「孤島の鬼」を思い出しました。オチは無理があるなあと思いましたが、人間関係がすっきりしている分前作よりも読みやすかったです。
0投稿日: 2022.12.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
シリーズ2作目ということだが、前回「幽女の如き」を読了し面白かったためこちらも読み始めた。 大鳥を信仰する島での人間消失ミステリーで設定は凄く面白かったが、中盤から後半の主人公の推察が長くくどい割にはそれがほとんど回収されず「この流れいる?」状態になってしまっていたのがすごく残念だった。推察に関してもリアリティーのあるものが少なく読み手としてはミステリーの醍醐味である謎の解決までの経過の楽しみは感じられなかった。 なにより登場人物の感情移入できる描写が少なかったために登場人物の作中の動きが不自然に感じられた。特に後半に青年が殺害したふたり…死にいたるまでの行動がさすがにもうちょっと…賢い方法とれるでしょ?そんなことしないでしょ?と思わずにはいられなかった。 ただ設定は本当に面白くて序盤は得体のしれない宗教の儀式に参加するどきどきはあったのでそういった物語への序盤の引き込み方はとてもよかった。 またこのシリーズの別の作品を次は読みたい。
0投稿日: 2022.10.07
powered by ブクログ★3.7くらい 1作目より禍々しさが無くて読みやすかった。最後の後味の悪さも少なくて割とあっさりしていた。怪異的謎が最後に残るのはこのシリーズの良さでもあるけどちょっとむず痒い。
0投稿日: 2022.07.01
powered by ブクログすごく好き。 文句なしです。 私の好みが凝縮されてます(*´ω`*) 刀城言耶シリーズ第二弾! 瀬戸内海に浮かぶ鳥坏島。 この島にある鵺敷神社の祭壇で、18年ぶりに「鳥人の儀」が行われる。 その神事に参加する事ができた刀城言耶。 儀式の最中に、巫女の朱音が姿を消してしまう。 拝殿は崖の上に存在し、扉は言耶が見張り、密室状態であった。 『厭魅の如き憑くもの』の時の感想と被るかもしれませんが、 ホラー 時代背景が昭和初期 宗教 不気味な言い伝え 密室状態 美しい巫女 そして、ミステリーである。 これはシリーズ全部貫かれるのかなぁ(*´﹃`*) もう外れませんよ。 幽霊のような禍々しい怖さではなく、宗教・儀式とか、人間消失といった恐さですかね。 島の名の由来であったり、神社の巫女の名前もとても綺麗。今回はモンゴル密教なども関連していて、宗教率濃い目。 ネタバレしたくないからあまり言えないのがもどかしい…! 前作とはまた違うホラーを楽しめます^_^
22投稿日: 2022.04.24
powered by ブクログシリーズ2作目。孤島で起きた儀式と、消えていく人々。この度は、警察が介入することなく、主人公が事件解き明かし、幕を下ろしました。でも、最後の最後に、これはただの事件では無かった可能性。。匂わせてくれる作者様に脱帽です。ハラハラ、ドキドキを、ありがとうございます!
1投稿日: 2022.03.24
powered by ブクログ鳥坏(とりつき)島の大鳥の間の祭壇で行われる儀式。鵺敷(ぬえじき)神社の巫女が代々行う秘儀であるのだが、18年前に行われた儀式は失敗に終わり、当時の巫女朱名(あかな)を含め立ち会った8人のうち7人が行方不明となる事態に。儀式に失敗した巫女は鳥女(とりめ)という化物になってしまうと言われている...。他の行方不明者は鳥女に襲われてしまったのか...? 唯一の生き残りは朱名の子供である朱音(あかね)、現在の巫女である。 朱音は失敗した母の汚名を雪ぐため、また鵺敷神社の信仰をより強くするために18年ぶりに儀式を行うことに。小説家であり全国の怪異譚蒐集がライフワークになっている刀城言耶(とうじょうげんや)はこの儀式の噂を聞きつけ立ち会いを許可される。他には民俗学を研究しているという学生北代瑞子(きたしろたまこ)、鵺敷神社の使用人の赤黒と呼ばれる男、そして兜離(とり)の浦の住人4名。巫女も入れて8名が島に上陸することになるのだが奇しくも18年前と同じ人数である。嫌な予感しかしないのだが果たして儀式は成功するのか...。 前半の書き込みがしっかりしていていきなり気持ちを掴まれた。推理フェーズに入った時は急にデジタルな感じになってストーリーの温度感がやや薄れた気がした。まぁ、後で理由がわかるのだが。ミスリードも多くあれかな?これかな?と頭の中でぐるぐると予想できて楽しく読めた。真相についてはにわかには信じ難い部分があって正直納得がいかない気持ちがないではないのだけど、文献にあるとのことなので矛を納める。自分で実際に見たわけではないのでそこはそうなんだと受け入れるしかない...。実際に見れないのが残念。 とにかく鳥、とり、トリ...で頭の中が鳥だらけになることと思う。その土地だけの風習、伝説、特殊な環境と、世界観に没入しやすかった。
9投稿日: 2022.02.25
powered by ブクログ鳥坏島で十八年振りに執り行われる『鳥人の儀』。 その儀式に参加した刀城言耶の目前で起きた人間消失。 これは人々が崇める大鳥様の奇跡か、鳥女の呪いか、それとも事件なのか。 驚愕の真相が待ち受ける怪奇ミステリー。 謎の一つである『鳥人の儀』の意味を知った瞬間、背筋が凍った。
1投稿日: 2022.02.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
解説にある通り、まさに 「本邦の民族風習に根ざすオカルト趣味とロジカルな謎解きの興趣を高度に融合させ」た作品。 ホラー要素は前作より抑えられており、人間消失の分類などロジカルさはかなり増している。 21個の謎を一気に解くあの真相の衝撃はハンパではなく、一瞬天を仰いでしまった。 全体的に推理の根拠が弱くは感じられるものの、伏線回収もとても巧い。 だが、18年前の事件の真相はさすがにいただけない。6歳がそれを思いついき、そして実際に七人の死体を処理したというのは無理がある。 それ以外は、個々のトリックや、“探偵が犯人にトリックを提供した”という皮肉的な事実などなど、本当に面白い。 あの鳥肌が立つラストも見事。 前作では正直邪魔に感じられた民俗学の講義が(何故か)本作では面白く感じられたこともあり、前作よりもハマった。 これもなかなかの傑作だと思うのだが、本作をも凌駕するらしい『首無〜』とやらはどんなもんなのか、今から楽しみで仕方ない。
0投稿日: 2021.12.26
powered by ブクログ多くの方が感想で書かれているように、島の地形図や建物の中がどうなっているか想像するのが難しかったけれど、何とか楽しめた(畳の下の板をはがすと岩肌、が不思議で仕方なかった…) 衝撃的な儀式だったなぁ。 ラストシーンはとても切なく、でも私はこの終わり方好きでした。 1冊目よりは読みやすかったように思う。
1投稿日: 2021.03.18
powered by ブクログ特殊な状況下で起こる人間消失。舞台設定が少し複雑で難しいので、もう少し図解があっても良かったかも。ただ謎解きに至る過程での考察などとても面白かった。読み終わったとき結末の意外性に呆気に取られてしまった。すごく面白かった。
0投稿日: 2021.01.13
powered by ブクログ鳥坏島で行われる鳥人の儀で起こる人間消失の謎。結末が予想外すぎだった…。 頭の中で拝殿とか島の様子を想像しても、いまいちピンとこなかったなぁ…。少々図解が必要かも。
5投稿日: 2020.09.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
前作も古きよき日本ミステリーの始まりの時代(横溝正史あたり)を彷彿とさせるような舞台設定だったが、本作はさらにその傾向が強まり、絶界ではないが孤島に古くから存在するという神社が舞台になる。しかもトリックは密室からの消失もの、これだけである。正直にいうと、解くべき「謎」だけ考えると、この長さはとても必要がない。ミステリーは基本的に省略しようとすると際限なく省略できてしまうような構造になっていることが多いが、本作のような構成であれば本当に1行であらすじだけは言えてしまう。曰く、「誰も出ることが出来ない拝殿から巫女が消えたのは、どうやったのでしょうか」である。 じゃあ、読んでいて退屈するのかといえば全くそんなことはない。もちろん、こういった雰囲気と延々と続けられる蘊蓄が好きであるという前提条件がつくのだが。そして、本作はまさにミステリーらしく、その長々とした蘊蓄の中に真相に至るヒントが埋め込まれているのである。また、今作も前作に引き続き、なかなか時間が発生しなくて迷子になった気分になるが、本作から手に取るという人はあまりいないだろうから、前作を読了することが出来た人であれば問題はないだろう。村内の連続殺人事件の謎を解く必要があった前作とは違い、今作はクローズドな環境での消失事件を解くという筋道がはっきりしており、途中で話に置いてけぼりになることはない。
0投稿日: 2019.06.26
powered by ブクログこのシリーズ、個人的に最新作を読んでから遡って一作目、二作目と読み始めたんだけど、一作目は詰め込みすぎ、二作目は前作を省みて逆に削ぎ落とし過ぎのように感じた。 ただシリーズモノってこうやって試行錯誤を繰り返して洗練されていくのだと思えば、全く興を削がれる事は無く、この後大御所キング先生のホラーを挟んでシリーズ中でも評価の高い『首無し…』を読もうと既に準備している。 一作目に比べてあっさり感は否めないもののそれでも巫女消失のトリックについては破壊力充分だった! 結びにもう一点、あとがきを読んで読む本を決められる方、この本についてはやめられた方が良い。 掟破りの『あとがきネタばらし』で肝心な箇所がハッキリ明記されてますよ(笑)。
0投稿日: 2019.06.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
○ 総合評価 ★★☆☆☆ 〇 サプライズ ★★☆☆☆ 〇 熱中度 ★★☆☆☆ 〇 インパクト ★★★★☆ 〇 キャラクター★★☆☆☆ 〇 読後感 ★★★★☆ 2019年の読書の指針の一つとして,久しぶりに「コテコテの「本格ミステリ」を読みたい。」というものがある。もう一つ,「シリーズモノ」の作品を追っていきたいという思いもあるので,「刀城言耶」シリーズを読むことにした。「凶鳥の如き忌むもの」はシリーズ2作目の作品。 「厭魅の如き憑くもの」を読んだときも感じたのだが,とにかく読みにくい。読み始めてから読み終わるまで非常に長い時間が掛かってしまった。読みにくい原因の一つは登場人物の名前が紛らわしいこと。登場人物はそれほど多くないのだが,この作品でも「朱慧」,「朱世」,「朱名」,「朱音」,「朱里」といった紛らわしい名前が出てくる。いずれも巫女という位置付けで読んでいて紛らわしい。 読みにくい原因は,使われている言葉が読みにくく,意味がつかみにくいという点がある。これは時代設定が現代ではなく,終戦の頃ということが原因かもしれない。「途轍(とてつ)もない」,「鵺敷(ぬえじき)神社」,「拘(かかわ)らず」,「彷徨(ほうこう)」とか。こういった漢字が,最初に出たときは読み仮名があるが,2回目からは読み仮名なし。読みにくい。こういった漢字を使って状況が描写されるので,頭でイメージしにくい。 読みにくさを我慢して読むのだが,話も冗長である。メインとなる謎は人間の消失。18年前に当時の巫女である鵺敷朱名が忽然と姿を消し,そのとき島にいた7人のうち6人が行方不明になった。そのときの生き残りである鵺敷朱名の長女である朱音が新たに儀式を行う。 儀式が行われて鵺敷朱音が消失する。そして,神社の使用人である赤黒,一番の網元の次男である間蠣辰之助,医院の末の息子である下宮欽蔵が消失する。 朱音の消失の真相は,自分が影禿鷲に食べられるというもの。密室からの消失の真相としては,なんともバカミス的な真相である。赤黒は朱音が影禿鷲に食べられるのを確認してから自害した。間蠣辰之助と下宮欽蔵は儀式を成功させるために鵺敷正声が殺害した。 密室からの人間消失。そして大勢の人間の消失の謎という魅力的な謎。しかし,謎は魅力的なのだが文章の読みにくさのせいで熱中度はそれほど高くない。真相の驚きはそこそこ。バカミスチックではあるが,確かにショッキングな真相。しかし,驚愕というほどではない。サプライズもそこそこ。読後感は,どちらかというと悪い。インパクトは抜群。鳥に食べられるというトリックで密室から消失する話というのは印象に残る。総合評価としては★2だろう。読みにくさとサプライズの低さが評価を下げる。インパクトは抜群だがそれだけという印象
0投稿日: 2019.03.24
powered by ブクログ最後がちょっと不気味とはいえ、自分が読んだ中では初めて、いわゆる物の怪が関与せず、人力のみで犯罪が完結された物語。そのせいもあってか、解説でも書かれているように、いわゆる本格ミステリ色が濃厚。でもわたし、そっち方向は望んでないのです。いかに本格ミステリとの差別化がなされるか、ってのが本シリーズの見どころと思っているので、もちろんクォリティは申し分がないのは認めるけど、シリーズ中ではちょっと低めの評価かも。
0投稿日: 2018.07.28
powered by ブクログ超絶力技だったけど、至極納得はいった。舞台も限られてて登場人物も少なかったのでそこは良かったが、島の地形図の把握が難しかった。悲しい真実。
0投稿日: 2018.06.17そうきたか!
そうきましたか!うーん、これはもしかしたら「そして誰もいなくなった」が世に出た時以来の仰天トリックではないでしょうか…。このトリックの為のこの設定。この価値観の中でしか成立しない。 人間消失の検討部分は飽きて少し飛ばしました。でもああやって全部の可能性を潰していくのも必要と思ったのでしょうね。元編集者だけあって律儀です。 ただ、この方の創る建物や部屋は、描写は丁寧だけど、いくら読んでもどんなものか頭に思い浮かべる事ができません。突飛だから?こういうのこそ図面を付けてほしいです。
0投稿日: 2018.06.01
powered by ブクログホラー要素の配分が少なめで、物語の起伏に乏しく、衝撃的な真相も淡々と綴られているせいか、印象が薄まってしまっている気がする。
0投稿日: 2017.05.31
powered by ブクログ刀城言耶シリーズ第二弾。18年前に鵺敷神社の巫女が行った儀式の直後、7人が行方不明になった。そしてまたあの儀式が繰り返されようとしている―。 第一弾のどんでん返しがすごかったせいか、期待しすぎてしまった感じ。読み終えた時に消化不良感があった。ただ今回もチベット密教とかゾロアスターとかそのへんの大好きな話題がたくさんでうれしい。京極夏彦ほどボリュームもないので、手軽に読める感じ。
0投稿日: 2017.05.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今回はちょっと読むのに疲れてしまった。 途中から薄々気づくような。ひっくり返るようなどんでん返しは無かったです。
0投稿日: 2017.04.27
powered by ブクログ『もちろん合理的精神と論理的思考が、尽く通用しない可能性も否定はできません。ですので、その場合は、また別の考えを取り入れる必要が出てくることになります。 それが、あらゆる可能性を検討するーという真理の探究に相応しい態度かと、僕には思われるのですが?』 第十章「人間消失の分類と方法」からの謎ときが面白い!それにしてもトンデモない真相だな。驚愕のトリック/ラストとはこういう作品にこそ相応しい。 生ぬるい流行ミステリーになんて使うべきではない。
0投稿日: 2017.03.18
powered by ブクログ前作ほどホラーではなく、凄く推理小説してました。密室に真正面からロジカルに挑んだ作品。ただ前作に比べると圧倒的に図が少なく、とにかくイメージしづらいです。また見取り図があってもどこに壁があってどこが柱だけなのかなどもわかりづらい。前作の多重推理を踏まえてもっと引っくり返されるかと身構えていたらあっと言う間の真相でした。あまりにもえげつない真相にぞっとします。世界観の作り込みは前作の方が細やかだったかも。地下空洞なんかはもっと使いようがあったのでは。出番が少ないながらも朱音さんの存在感はなかなかのもの。
0投稿日: 2017.03.10
powered by ブクログ今のところは、刀城言耶シリーズの中では一番好き。表紙の絵も好き。 人の名前を覚えるのが苦手なため登場人物が少なめだったのは嬉しかった。 好きな場面は、小さい頃の朱音の証言の場面と大鳥の降臨の場面です。 前回の厭魅の如きと比べると全体のホラー色は少なめかもしれないが、トリックの正体は充分ホラーだと思います。
0投稿日: 2016.07.16
powered by ブクログ貸してくれた友達の評価はあまり良くないのだけれど、シンプルに謎がまとまっていて読みやすかった。はたしてそんなにきれいに骨になるのかという疑問はあるけれど、衝撃度というか、真実が一番ホラーだった。
0投稿日: 2016.06.14
powered by ブクログ刀城言耶シリーズ、第二作。鳥坏島なる、秘島にて巫女が“鳥人の儀”を行い、密室の中からその巫女が消失する——。前作よりホラー要素は大幅に減少したものの、トリックの衝撃度は遥か上!その光景を想像することなんと悍ましいことか…。物語の余韻は悲しくも、何処か神々しい感じで何とも言えず良い。 このシリーズは雰囲気が独特でドンドン癖になってくる面白さ。次作『首無し〜』も既にストックしているから、また時間をおいて読みたいなぁ。ホント面白かった!!
0投稿日: 2016.05.24
powered by ブクログ怖くない。怪異がない。仮説だけで話が進む。田舎っぽい爺様たちで知的な検討会なんて違和感ありすぎ。残念だ…。
1投稿日: 2015.10.25
powered by ブクログ文庫版でしか読んでないのでシリーズ第2作と言われると違和感がありますね。 狂信的というのを甘くみていました。
0投稿日: 2015.09.06
powered by ブクログ前作が面白かったので手に取りました。前作、厭魅に比べてホラー要素は薄く、ミステリー色が強いです。 正直にいって途中までは前作に感じたぞっと背筋が冷たくなるような雰囲気をあまり感じず、どちらかといえば地味なミステリーのようだなあと思っていました。 しかし最後の最後、謎解きの終盤でやられました。 ぞっと背筋が凍り、おぞましさに身震いします。それと同時に「凶鳥」の意味、「鳥女」の意味、「鳥人の儀」の意味、周到に張られていた伏線に気付き、大変に興奮しました。 とても面白かったです。
0投稿日: 2015.04.13
powered by ブクログ三津田信三の刀城言耶シリーズ第二長編『凶鳥の如き忌むもの』を読了。 各地の怪異譚を探して旅をする作家・刀城言耶は、知り合いから紹介されて瀬戸内海に浮かぶ兜離(とり)の浦へとやってきた。そこの沖合いにある鳥坏島(とりつきじま)での儀式の最中、巫女が消えてしまう。 ホラーとミステリの融合しているこのシリーズは、怖いもの好きのオレにとって雰囲気がとても好きである。 しかし本作はシリーズ第一作の『厭魅の如き憑くもの』よりもホラー要素が少ない。 事件現場が密室で、部屋の中は血塗れ。そこにいたはずの巫女が消えてしまうのだが、だいぶミステリ要素が強い事件と言える。そしてところどころ、横溝正史の『本陣殺人事件』を彷彿とさせるシーンや類似点があり、影響を少なからず受けて作られたものと感じた。 やや難ありと思ったのは、事件現場の説明がとても解りづらかったこと。ごちゃごちゃしている現場なのは理解できるのだが、物の配置などの詳細が文だけでは酷く理解しづらいのである。 目次の近くに島全体の見取り図が付いているのは良いのだが、出来れば事件現場を説明しているページにも部屋の見取り図を挿入して欲しかった。それだけでもかなり評価は違ってきたのではないかと思う。 トリックらしいトリックは特にないが、地方の因習等を扱う本作ならではの真相だった(このシリーズは本当にそれが真相なのかは判らないのだが。それがまたいい)。次の作品も楽しみである。
0投稿日: 2014.12.21
powered by ブクログ文庫版の刊行順とは異なり、これが刀城言耶シリーズ第二長編となります。 本作は密室からの人間消失がメインとなっており、途中繰り広げられる人間消失講義も、あらゆる可能性を全て洗ってもなお答えが見えてこないどころか、不可能性が強調され怪異の存在がより濃くなってしまうあたりがこのシリーズらしいところです。 人間消失のトリックはなんとも豪快で、これだけのためにこの分量を読まされたのか、と思う節がないでもないですが、土壌作りや伏線の妙などを考えるとさもありなんという感じでしょうか。 シリーズ初期の作品なので『厭魅』にも似た読みづらさはありますが、この一発ネタとも呼べるトリックは読んで損はないと思います。
0投稿日: 2014.12.21
powered by ブクログ瀬戸内にある鳥坏島で行われるという、とある秘儀を取材しにきた刀城言耶。しかしその儀式は、十八年前、一人の生存者以外すべての参加者が行方不明となったという曰くのあるものだった。いったい十八年に何が起こったのか、そして今回の儀式は無事に終わるのか――。刀城言耶シリーズ。 相変わらずあふれ出る民俗学のかおり!素敵です。「鳥」や「海」に関する怪異・薀蓄も面白く読みました。 ミステリとしては、今回は「どうやって儀式中に人間が消えたのか」という謎の一本に絞られており、シリーズ他作と比べるとややボリュームの物足りない感じがあります。ただ真相が衝撃的で、民俗学の薀蓄との相乗効果もあり、インパクトの強い読後感でした。私には絶対に無理だなと思いました(笑)
0投稿日: 2014.06.19
powered by ブクログ今や本格ミステリ各種ランキングの常連である著者を代表する刀城言耶シリーズの2006年発表の第2長編となります。 本作品では瀬戸内海のとある島を舞台に謎めいた儀式の最中に起きた密室状態からの人間消失事件を取り扱っています。 前作『厭魅の如き憑くもの』に比べると謎解きがやや薄味で、どちらかと言えば一発ネタに近い感じです。 その真相は、想像するとものすごいインパクトですが 笑。
0投稿日: 2014.04.08
powered by ブクログ青年団三人の性格とそれぞれの末路がちょっとわかりやす過ぎたかな。 結末に関しては、いい意味で拍子抜けしました。 表紙のイラストも神々しく思えてくるから不思議です。 にしても、長いなあ。
0投稿日: 2014.03.26
powered by ブクログ評価の高いシリーズ他作品を既に読んでしまった私には、「人間消失」がテーマの今作はちょっぴり物足りなかったかも(・_・)自業自得… 既読作品でも感じましたが、物語が終始刀城目線で語られるのは三津田作品特有のホラー色が半減するような気がしますし、 一人目が消失した直後の「消失現象の検証と考えられる分類方法」は正直読んでいてまだるっこしさを感じます。そのトリックはもう少し検討進める余地があるんじゃないかいな(・_・)という物もあったり。 ただ、この「分類方法の検証」という布石があって、やがてトリックが明らかになった時のインパクトは凄まじいです。あー!巫女が××に興味を示してたとか、神聖な儀式の前にしてはやたら××××になってるとか、伏線は確かにありましたねー!でもそんな度肝を抜く消失トリックは絶対思いつけないわー!!(笑)と嬉しくなって、やっぱり布団の上をゴロンゴロン転がるのでした(^O^) そろそろ文庫本制覇してしまうので、ノベルス行くか…ジュンク堂さんお世話になります…← 「真っ赤な目玉を見た。こちらをじっと覗き込む、鳥女の目玉を…」--18年前に7名もの人間が行方不明になった際に行われた「鳥人の儀」が、唯一の生き残りであり事件の証言者でもある巫女によって再び執り行われることになった。 怪異譚収集の為にこの地を訪ねた刀城言耶は、儀式を見届けることを許されるが、そんな彼の目前で謎の人間消失が起きる。やがて、一人、また一人と関係者が行方不明となり…。
0投稿日: 2014.01.13
powered by ブクログ短編集を先に読んで、割と気に入ったので今作を買ったが…あまり好きになれなかった。 私の場合、トリックがどんなだとか犯罪の理由がなんだとかより、文章の雰囲気と登場人物の面白さの方で気に入る気に入らないが決まってしまうのだけれど、今作はどれを取っても魅力を感じなかった。 昔、清涼院流水のコズミック読んだ時のような気分になってしまったのも好きになれない原因かも。 もう一作別の読んでみようかな、という気持ちにはならなかった。
0投稿日: 2013.09.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
怪異譚を求めて全国を回っている作家・刀城言耶は、秘儀を取材するため瀬戸内にある鳥坏島へと渡る。 前回の儀式では、儀式を行う巫女を含め七名が行方不明となっていた。 そして今回も、巫女の朱音が密室状態の拝殿から姿を消し、他の面々も一人また一人と消失してゆく―。 禍々しくて濃厚な雰囲気の、きっちりとした世界観ができあがっているので話に入りやすくて、すらすら読めました。 民俗ホラーっぽいのですが、意外に緻密な謎解きにかなりのページを割いています。 怪異の見せ方も巧みで、怪異とミステリの絶妙なバランスが素晴らしいです。 読者にさまざまな想像を促すラストは、怪異とミステリのアンサンブルの妙を感じることができました。 読むと、日常からちょっとはみ出した気分になれる小説です。
0投稿日: 2013.08.29
powered by ブクログ読んでいる最中は面白いなと感じながら読めていた。民俗学的な事や、宗教歴史の薀蓄が大好きな私にとっては最初の徳郎さんとの会話も楽しかった。 ただ、全体を通してどうもぴんとは来ないというか… 読んでいてぞぞぞとする感覚、なにかわからないものが出てくるのではないかという雰囲気が少し足りないかなあと思うのと、刀城言耶の謎解きのどんでん返しからのどんでん返しに確かに驚きはしたのだけど、少し雑さを感じてしまったというか、そんなかんじ。 うーん、ミステリー色というか、推理に重きを置いてた作品だったので、このシリーズにしてはホラー分が足りないのかな。 でも読んでいて面白かったのは確か!
0投稿日: 2013.06.10
powered by ブクログ謎の人間消失! 刀城言耶の行くところに怪奇事件が待っている。 今回も現在の事件そして過去の事件の謎に挑む。 今までのよりチョイと強引な幕引きだったかな…
0投稿日: 2013.06.07
powered by ブクログ長編ホラーミステリー小説シリーズ第二弾になります。 第一弾のような不気味な怖さと言うより、ほぼトリックありきで話が進みますが、数々の伏線と予想外の強烈トリックに、唖然。 一部回収出来てない謎もあると感じましたが、もう一回読むと何か見えるのかも。
0投稿日: 2013.05.28
powered by ブクログ孤島で執り行われる謎に包まれた儀式の中で、巫女を含めた関係者が次々に消えていき、刀城言耶が人間消失の謎を推理する。 消失・脱出のトリックについて推理をめぐらせ、シリーズおなじみのどんでん返し推理もありつつ、思いもよらない真相へと行き着く展開に今作も夢中になりました。 巫女消失の謎については、『トリック』を暴くという考え方だったから真相を知った時の衝撃がすごかった。読んでいる間、「まさか、まさか…うわぁーなんてこった!」てなった読者は私だけじゃないはず。
0投稿日: 2013.04.14
powered by ブクログあぁ、もう本当にハマっている・・・! 中毒のように、常にこの世界に浸っていたくて 一冊読み終わったらすぐ次が読みたくて仕方ない。 全部読み終わった時が今から恐いよ。 鵺敷神社の巫女が行う鳥人の儀。 18年前の同儀式では8人中7人が行方不明になっていて 今回も一人ずつ姿が消えて行く・・・。 密室となっていた拝殿から巫女はどうやって消えたのか。 そもそも鳥人の儀とは何なのか。 あー、正声くんが良かった・・・。
0投稿日: 2013.04.06
powered by ブクログ刀城言耶シリーズ。文庫化されたのは最近だが、執筆自体は「まじもの~」に続く長編2作目。 今作はシリーズの他作品とちょっと趣が異なる感じ。ホラー的なものは薄く、推理展開もより合理的。の割りに、真相は合理的という言葉からはかけ離れたもので、意外だった。最初に展開の分類をされていたけれど、確かに言い得てるかも。私的にはこういう展開もアリだなと思った。
0投稿日: 2013.02.25
powered by ブクログ前作よりも、民俗学的薀蓄のない分、読みやすかった。 ただ、建物の描写や空間の描写が多く、分かり難かった。 真相は思いも寄らない結末。 探偵役が無駄にどんでん返しの展開を作るのは、シリーズの特徴か。
0投稿日: 2013.02.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
死体消失、密室、自然空間という三津田ワールドの3種の神器的なものがふんだんに盛り込まれている。そのトリックとか、裏側にあるこわさとかには脱帽。 でもすっきりしないなあ。。。あのまじものとか首無を読んだときのようなぞっとする感じが、なんとも、ない。 幽女に期待だなー。 でも、冒険小説的な部分もあって、内容としては充実な気がする。 なんだろう。どんでん返しが続いて、やっと結論に落ち着いたのかとほっとしたところに待ち構えているどんでん返しに、落ちていく感じが欠落しているんだろうと思う。
0投稿日: 2013.02.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
刀城言耶民俗ミステリ第二弾・・・でしたっけ?間になんか挟まってたっけな? 今回は、なんというかちょっと趣が異なる感じをうけましたね。最後の謎解きに至るまで次々に消えていく人々。つまり「遺体」というものは全然発見されることなく、そもそも「殺人」が起きているのかどうかすらわからないってのがちょっと面白かった。なんか変なところに感心しちゃいましたけどw このシリーズはホラーとして読むかミステリとして読むかでだいぶ評価が異なる作品だとは思う。特に今回は実質的な殺人がちっともでてこないのでホラー好きの人にはかなり不満が残る・・・のかもしれない。ミステリとしてはどうかと言われると・・まあ大がかりなトリックだとかあっと驚くような真相というほどでもないし。。。ポジティブにいうと、どっちもそれなりに楽しめる、という感じで。
0投稿日: 2013.01.29
powered by ブクログ説明が多いのはいつもながら、話がなかなか進まなくて途中までまどろっこしかった。 得体の知れないものが出そうな雰囲気は充分。相変わらず不安を煽る臨場感にゾクゾクする。 崇高な世界の理解は難しかったが、この真相の思いつきには驚嘆させられた。
0投稿日: 2013.01.13
powered by ブクログ今回はミステリ寄り(前作が怪奇寄りでイマイチ受けなかったので、2作目はわざとミステリ色を強めにして執筆したと、講演会でおっしゃってました)。密室からの人の消失についてのパターン分け検討の部分などとても好き。 ちょっと島の構造が判りにくくて理解しづらいところもありましたが、こういう伝承とのミックスっぷりが醸し出す雰囲気は大好物なので楽しく読めました。
1投稿日: 2012.12.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
刀城言耶シリーズ1作目の「厭魅の如き憑くもの」に引き続いて読んだ今作 前作に比べ謎解きパートが多いものの、怪異鳥女の誕生の可能性を否定できぬまま孤島で登場人物が一人、また一人と消えていってしまうストーリーにはゾッとするような薄ら寒い恐怖を感じた ミステリーとホラーの上手な融合、民俗学のテイスト、物語の時代背景は昭和前中期と、このシリーズには私の好きな小説の要素が満載で是非次回作、次次回作と読み進めていきたいと思う
0投稿日: 2012.12.20
powered by ブクログ2012/12/16読了。舞台設定を説明する冒頭と、トリックの核心部分だけ面白かった。事件部分と推理を展開する部分の盛り上がりのなさ、文章の微妙さが今までのシリーズの中でも特に際立ってた。第一作目が一番良かった。もうこのシリーズ買うのやめようか・・・解決もなんか雑だったしなぁ。
0投稿日: 2012.12.16
powered by ブクログうーん、今回はちょっと残念だったかも。 おどろおどろしい雰囲気があまり感じられず、舞台も小じんまりといった感じ。特に、お得意の謎解きの疾走感がなかったのが何より残念。 このシリーズは大好きなので、次に期待します。
0投稿日: 2012.11.29
powered by ブクログ他の作品と違い、そこまでぞぞぞっとする要素は少なかったかも。 謎も全て解明もとい、推理されて、な、何だったんだあれは!?という ぞわっとする後味もなく。妙にスッキリ。 推理に徹底した感じがあってちょっと拍子抜けやも。
0投稿日: 2012.11.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
刀城言耶シリーズは文庫で読んでいるので今回は4作目。 相変わらずの独特な雰囲気は素晴らしかったのですが、他作品と比べるとパワーダウン。 ホラーよりもミステリ寄りだからなのもあるのでしょうが、トリック、動機、どれをとってもちょっと中途半端に感じてしまいました。 キャラや役割の割に正声の影が薄かったのも一因かなぁ。 いつもの様に最後のどんでん返しが無かったのもちょっと物足りなく…。 「あれっ、終わってしまった…」という感じでした。 でもこのシリーズは大好きです。 密室は現在積読中なので来年の5月の文庫新刊が出るまでのんびり読もうと思います。
0投稿日: 2012.11.01
powered by ブクログいつもどおり、作中の時代が昭和の戦後少し経ってからなので、おどろおどろしくていい。 ただ、島の地形や建物等の描写理解しきれず、もっと挿絵があればありがたかった。 トリックは驚くようなものではなかったし、主人公の性格の設定も不要だと思うが、作中の雰囲気はよい。
0投稿日: 2012.10.30
powered by ブクログ講談社文庫から出るのは9作目ですが、刀城言耶シリーズとしては、『厭魅の如き憑くもの』に続く、2作目の長編になります。 出来れば、書かれた順番に読みたかった、という気も少ししますが、シリーズものとは言っても、各小説がそれぞれ独立した事件で、他の話とはあまり関係がないので、これを後から読んでも、全然問題ありませんでした。 18年前、とある小さな島にある、密室状態の拝殿から、儀式の最中に巫女が消失し、更に6人もの人間が一晩のうちに島から消えた、という、未解決事件が、事の発端です。 そして現在(作中での)、その儀式が復活すると聞き、刀城言耶がその島に赴くのですが、再び、拝殿から巫女が消失してしまいます。 今回、科学では説明のつかない事象が残っている・・・!という事はなく、そういう意味での恐怖はありませんでしが、消失の真相が、あー・・・という感じでした。
0投稿日: 2012.10.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2012/10/16 Amazonより届く。 2017/5/18〜5/23 刀城言耶シリーズ第2弾。孤島で行われる「鳥人の儀」で密室と化した祈祷所から巫女が姿を消してしまう。同様の事件が18年前先代巫女の身にも起こっていた。はたして言耶は2つの謎を解けるのか? キチンと複線が張られていたが、これはなかなか気付かんよなあ。なかなか、凄いトリック?であった。
0投稿日: 2012.10.16
