
総合評価
(86件)| 13 | ||
| 30 | ||
| 29 | ||
| 1 | ||
| 3 |
powered by ブクログざっと全体を知れるという意味では良かった。ただ若干著者の中立性が足りず個人の意見が入り込んでいるのが気になった。この本が悪いというわけではないが私にはあまりハマらなかったようである...
0投稿日: 2025.07.03
powered by ブクログこの本は非常に面白いです。世界の思想の最前線の各分野を分かりやすくまんべんなく説明してくれています。今を知りたい人にはお買い得です。参考のブックガイドは入手可能な原著しかない本と翻訳本が紹介され、更に勉強する時に親切に出来ていて助かります。次の本をこの本で紹介されているものから選んで2冊読みました。非常に良いです。
0投稿日: 2024.07.21
powered by ブクログ■評価 ★★✬☆☆ ■感想 ◯良くも悪くも広く浅く中立的な立場で展開されている。偏ってはいないが結論を引っ張り出すのは個人の裁量。 ◯中立的な本を読むよりもスタンスを取った本2冊読んだほうが、主張が頭に入って着やすいのかなと思った。 ◯哲学者の生い立ちや思想形成の段階をつぶさに追いかけることが、有用なものではないという立場には、共感する。 ◯地上最強の哲学入門のように、濃い、味付けされた本のほうが個人的には好きな感覚を持った。
0投稿日: 2023.12.23
powered by ブクログポストモダン以降の哲学の潮流を①メディア・技術論的転回②実在論的転回③自然主義的転回と整理した第一章はわかりやすく、面白かった。 IT、バイオ、資本主義、宗教、環境と個別テーマにおける最新の議論を中立的に紹介するという第二章以降では第一章のポストモダン以降の哲学の3潮流のそれぞれとどう繋がるのか著者の見解は示されず、バラバラ感があったのは残念。それでもブックガイド的にはそれなりに面白く、読んでみたいものもいくつかあったのはよかった。
0投稿日: 2022.12.04
powered by ブクログIT革命、BT革命、資本主義、宗教、環境問題といったテーマに対する、現代の哲学の考え方をまとめている本。 IT革命が人文主義を終わらせ、BT革命が人間主義を終わらせるなど、21世紀の大きな社会的な動きに対して哲学的な概念を適用していく流れは面白さを感じた。クローン人間や格差是正に関する倫理観・正義感には納得しやすい考え方もあった一方、実在的転回や宗教のの個人化などのテーマは難しさを感じた。
0投稿日: 2022.06.14
powered by ブクログ自分にとって難しい部分が多かったため すべての章を読んではいないが 第2章 「IT革命は人類に何をもたらすのか」と 第3章 「バイオテクノロジーは人間をどこに導くのか」は かなり興味深い内容であった 人工知能に人間の知能を超えられる未来は、そう遠くはないと感じた また、クローン人間は本当に否定されるべきことなのかもとても考えさせられた また知識が増えた際に、もう一度戻って読んでみたい
0投稿日: 2022.01.27
powered by ブクログ哲学から時代を考察する重要性を再確認。 技術の発展も大事だけど、様々な学問の知見から 多角的に考察することで、筋が見えてくるはず。 哲学といえばお堅いイメージだったけど、 この本は入りやすかった。
0投稿日: 2021.09.09
powered by ブクログ哲学の潮流が門外漢でも分かるように見通しよく整理されているのがありがたい。 その上で、IT、バイオ、資本主義、宗教、環境保護といった現代の諸問題に対する現代哲学者の代表者とその哲学、立場などが整理して紹介されている。 哲学者や用語に関する説明や、ブックガイドもあり、非常に親切。 内容は勿論、写真やイラストも分かりやすく効果的に使用されているし、フォント、紙、配置から色から全てのデザイン、帯に至るまで、過不足なく非常に効果的で素晴らしい。デザインにまで哲学を感じた。 最近の啓蒙書は図もカラーも多いし、親切で分かりやすく読みやすい本も多いとはいえ、1000円台であらゆる点でこんなに完璧な啓蒙書は滅多にないと思う。
0投稿日: 2021.08.24
powered by ブクログ哲学に対する考え方が変わるきっかけになるかも知れない、現代の哲学の潮流を知ることが出来る一冊。 哲学、経済、宗教、そして文学まで、幅広く解説してるので、飽きずに読めました。 中でも本書で取り上げてる、ミシェル・ウェルベックの「服従」は、確かに自分も読んだ時に、何気にあり得るかもと思った。 特にその状況が、もしかしたら不幸ではないかも知れないと感じてしまったから。
0投稿日: 2021.08.22
powered by ブクログいわゆる"哲学全般入門書"から始まり、その後はハイデガー、ニーチェ、フッサールなど、近代哲学に大きな影響を与えた哲学者に関する入門書を読み進んでいくうちに、21世紀となった現代ではどのような哲学者がどのような問題に対してどのような論考を行っているのかが知りたくなり本書を購入。 本書は、現代における哲学の動向を概観したうえで、現代社会に生きる多くの人々の関心事である「情報技術(IT)」「遺伝子工学(バイオテクノロジー)」「資本主義」「宗教」「環境」の5つのテーマに関して、現代の哲学者がどのように考えているのかを筆者の考察も加えながら解説する構成になっている。 テーマ毎に多くの哲学者が登場するが、脚注に補足説明されているため理解しやすく、かつ各章末にテーマを深掘りするためのブックガイドもあるため、より深く学びたい読者への気遣いも感じられる。 本書の冒頭でも述べられているように、とかく日本では哲学を"人生論"や"生き方指南"などとして捉える傾向が強いが、そうではなく、哲学者は常に歴史やその生きた時代を俯瞰して得られた知見を基に哲学を紡いできたということが改めて理解できた。 また、本書で扱われているテーマに対する多くの現代哲学者達の論考は、20世紀の「脱工業化社会」から21世紀の「脱近代化(ポストモダン)」を経て、今後社会がどのように進んでいくのかを考察するためのヒントになり得るだろう。 ただ、筆者があとがきにも記しているように、本書は各テーマや課題に対する"唯一の解"を示すことを目的とせず、多様な視点・視座を基にした見解を提示するに留めているため、現代が抱える諸問題に対する"手っ取り早い解決策"を求めている読者にとっては期待外れと感じる内容かもしれない。 しかしながら、変化の激しい現代において、単一的な主義・主張の押し付けは意味をなさないという筆者のポリシーには大いに共感できるものがある。 昨今の新型コロナウィルスを巡る様々な論争を経た現在、一度立ち止まって物事の本質やその根底に流れているものに対して"多面的に"目を向けることの重要性を、本書を読了して改めて痛感した次第である。
0投稿日: 2021.03.18
powered by ブクログ哲学の潮流をまとめた一章は大変勉強になった。ただ、この章と他の章との結びつきはイマイチわからない。とはいえ、IT、バイオ、政治経済、宗教、地球環境の各分野で、哲学者に留まらずどういった人が、どういう考えを持っているのかダイジェスト的に学べて良かった。今後、読んでみたい本も増えます。
0投稿日: 2020.12.20
powered by ブクログ現代のそれぞれの大きな変革テーマに対して、どう善く生きるか、という哲学的アプローチでの議論を概略掴める書。問いが問いだけに明快な答えがもちろんあるわけではないが、様々な議論に触れて思索のきっかけになった。 ・IT革命:スマートフォンのドキュメント性→公共的なアクセス可能、消滅せずに生き残ること、コピーを生み出せること。SNSは発信もできるが監視もされる(パノプティコン) 多数による少数の監視(シノプティコン) ・人工知能のフレーム問題。目的に対して検討範囲を規定しないと無限に検証しつづけて意思決定できない。シンギュラリティはデータの範囲に規定されるので、未知なる目的設定ができない限り、データの範囲に収まる?? ・バイオテクノロジー:ポストヒューマン。トランスヒューマニズムは後世への影響がなければカラダを鍛えることや治療と同じ? ・クローンとは一卵性双生児なので全く同じではない。生においてどのような遺伝プログラムを、受け継がせるかを最初から他者が決定することの是非。自分独自の生が出生から始まるという、出生性の欠落。 ・格差は経済ではなく、政治問題。富める者が問題ではなく、貧困の救済こそが問題。 ・通貨の本質は信用と精算 ・9.11からのテロとの戦いを十字軍と表現する愚かさ。宗教は本質的に対立する構造ではない ・神を信仰することが絶対的ではなく、信仰にあっても自分自身の指針となる、一つの選択肢となる世界へ ・科学と宗教は全く別の領域で機能している ・環境プラグマティズムは昨今のESG投資の考え方のベースとなっている?
0投稿日: 2020.09.13
powered by ブクログ知的 かかった時間150分弱? 現代的な課題と、それらについての哲学者たちの議論を概観した本。著者も書いているが、意外と類書はない…かもしれない。そして、筆者も書いているけど、網羅的に書いているので、羅列というか総花的な印象は否めない(特に資本主義、経済、環境の前半、あたり)。著者自身はものすごく本を読んでいる(研究者としては普通なのか?わからん)が、この人自身がどこまでわかっているのかな?と思う部分もあった。が、しかし、基本的には意義深い本だと思う。
0投稿日: 2020.08.20
powered by ブクログ思えば哲学というのは 言語・数学・科学・政治…などなど、 多岐に渡る分野の基なんだよなぁ…というのを改めて思い出させてくれる1冊。 哲学=人生論のイメージを持っているなら目を通しておいて損はなし。 「Withコロナ」時代の直前に書かれたものですが、今こそ読んで、この先を考えていく足掛かりにしたいところ。 現代哲学をリードする哲学者の著書のブックレビュー的側面もあって、興味の湧いた人・本からさらに深めていけそうな構成もとても良いです。 星が1つ欠けてるのは、この本だけじゃ理解は完成しないぞ!気になるところからこの先も読むべし!の意味で。
0投稿日: 2020.08.14
powered by ブクログ哲学者を一人一人紹介していくのではなくて、いくつかの現代世界のテーマ(問題、具体的現場)をどう考えていくのか、ということについて世界の哲学者たちの考え方を引き合いに出していくスタイル。抽象的にならず、具体的で、哲学の本としては取っつきやすいと思う。 環境倫理に関する章はかなり批判色が強い。一方で、今一番注目の思弁的実在論についてはさらっと概要を紹介するだけで、あまり踏み込んでいなかった。宗教の章は大変難しい。
1投稿日: 2020.07.11
powered by ブクログ17世紀哲学は認識論的転回(意識を分析する) 20世紀哲学は言語論的転回(言語を分析する) 言語論的転回は、ポストモダン思想との関係 ポストモダン→真理を信じない、その先にあるものを考える。道徳的な善悪や法的な正義に正解はなく、それぞれの文化、生活様式によって答えは変わるよ、という思想 21世紀以降の哲学は、言語哲学から心の哲学や、メディア・技術論的転回、思考から独立した存在を考える実在論的転回へと変わっていく IT革命は人類に何をもたらす? 現代社会:スーパーパノプティコン、自分の情報がどんどんデジタルで蓄積され、収集され、「監視が自動的に行われていく」 シノプティコン:多数者が少数者を監視する 今の社会は管理社会。個々人は、断片的な情報にまで分割され、絶えず記録されていく クローン人間が批判される理由の一つに、「新たに生まれる子供は、原型のコピーであり、人間の尊厳を切り崩してしまう」 これに対する反論:人間が道徳的に価値があるのは、ただゲノムがユニークな場合であるのみなのか?そうではない。 クローン批判②:どの遺伝プログラムを受け継がせるかを、最初から他人が決定している。「出生性」という、人間は出生することによって、自分独自の生命が始まるという考えが、クローン人間には無くなる。 ルネサンス以降の近代社会では、印刷術によって可能となった書物の研究である「人間主義(ヒューマニズム)」が展開されたが、現在ではIT革命とバイオテクノジー革命により、「人間主義」も終わろうとしている。 ピケティの「21世紀の資本」 世界的に格差は拡大し続けており、このまま資本主義を持続するためには、格差是正のために資本に対する累進課税が必要。→しかし、何故格差の拡大は悪なのか?どのぐらいの税率なら妥当なのか? ライシュは、「格差は経済活動ではなく政治活動である」とした。 フランクファーとは、「格差による不平等は問題ではない。大切なことは誰もが十分に持つことである。これにおいては、問題は格差ではなく貧困なのだ。」とした。 グローバリゼーションのトリレンマ: ①ハイパーグローバリゼーション ②国民国家 ③民主政治 人々はこのうちの2つまでしか選択できない。 ①、②を選べば強力な新自由主義を、 ②、③を選べば緩やかにグローバル化する国民国家を、 ③、①を選べば世界連邦を選択することになる。 リフキンは資本主義の次に、「共有型経済」が来るといった。テクノロジーにより限界費用がほぼゼロでモノを生産でき、資本主義において利益が枯渇する。 シュンペーターは、資本主義は「成功するからこそ、自らの手で崩壊を招く」といった。技術革新が進めば進むほど、進歩を自動化する傾向を持つから、それが進み続ければ自らの成功の重さに耐えかねて自壊する。 現代社会は脱世俗化(宗教への回帰)が起こっている。 ベックの2つの近代化 1、個人的で普遍的な宗教、プロテスタント 2、個人的でコスモポリタン的宗教、自分自身の神
0投稿日: 2020.06.07
powered by ブクログ現代よくわからんなーと思っていた中で手に取った一冊。近代までの思想史を知っている前提だが、多領域にわたってのトレンドをニュートラルに案内してくれた。ブックガイドもありまずまずの満足度。
0投稿日: 2020.05.15
powered by ブクログ現代の哲学の大まかな流れが理解できた。 こうして人類レベルで物事を考えると自分の無力さを感じるが、個人としてできる範囲で活かしていきたい。
0投稿日: 2020.03.08
powered by ブクログタイトル通り、何が今トピックとして論じられているのかが知れる。 結論や筆者の意見が書かれているわけでないが、 入り口として過不足なく推薦できる良著。 難しすぎるので哲学に本気で手を出すのはやめようと思ってる自分のようなライト層向けでもある
1投稿日: 2020.01.14
powered by ブクログ哲学を通して、様々な現代的課題を俯瞰するもの。 多くの人物の意見が紹介され、とても難しかった。 現代の問題を考える一助になり得ると思うが、 自分自身が内容を消化できたようには思えない。 勉強不足ですね、きっと。
0投稿日: 2019.11.04
powered by ブクログ1章の哲学を除けば、2章以降は日々僕たちが直面する問題に対する専門家の考えを知ることができる。 IT革命ではSNSやマイナンバーと監視社会、人工知能が人から仕事をうばうか、3章バイオテクノロジーではクローン、再生医療、犯罪者の取り扱い、4章資本主義では、ピケティ、自由と資本主義、グローバル化、仮想通貨と国家、5章宗教では、多文化主義の共生や世俗化、無神論のドーキンス、6章地球環境では、温暖化、人間中心主義と環境維持は対立するかという問題、など。面白かった。
0投稿日: 2019.10.13
powered by ブクログ哲学=カント?ニーチェ?プラトン?のような古典的印象しかもっていない私にとってはとても刺激的な本だった。しかし難しい。 哲学が現在解明していること、バイオテクノロジー、資本主義、宗教、環境などをテーマに現代の哲学者が考えていることが紹介される。自分がいつのまにかかなりのバイオ保守派だったりヒューマニストであったりすることに気づかされる。 書物の時代と人間の時代が終わり始めたとはいえ、私は何をしたらよいかわからなくて本を読むんだろうな。子供の人生を豊かにするために親が遺伝子を改良するのは賛成。遺伝子工学的教育。
0投稿日: 2019.09.15
powered by ブクログいつまでも「哲学=人生論」と考えているのは日本人だけ! というオビのアジテーションに「なるほどなぁ」と思い手にとった。 現代の著名な哲学者とその研究分野について、IT,バイオ、資本主義、環境などの実践的な切り口で概説する。 全体像の説明として、20世紀の哲学を言語論的転回(言語を分析するもの。分析哲学、構造主義、解釈学)として整理し、21世紀の哲学を、その先にあるポスト言語論的転回(実存論的、自然主義的、メディア技術論的)と説明するのはイメージしやすい。 結局の所、扱うテーマがプラグマティックになると、学際的にならざるを得ない。本書でも、例えば経済分野だとピケティ、アトキンソン、ライシュの名前が出てくるが、いずれも経済学者、政治学者として知られている人々だろう。経済活動、生物学、ITといった現代的な論点にアプローチ出来ない「哲学者研究者」が講義を持つことが多いことが、日本で哲学の浮世離れしたイメージが今でも根強い理由だと感じる。 ジョシュアグリーンのモラルトライブズや、ダニエル・デネット、ダマシオあたりを知れたのは良かったと思う。
0投稿日: 2019.08.19
powered by ブクログ資本主義と環境の章が興味深かった。 ロールズが「正義論」を発表して、リベラリズムがブームになった。個人の自由だけでなく、弱者救済の立場から政府の福祉政策や自由な経済活動への規制を提唱している。これに対して、ノージックは「アナーキー・国家・ユートピア」でリベラリズムを批判し、個人の自由な活動を全面的に擁護した。 ロドリックは「グローバリゼーション・パラドクス」で、ハイパーグローバリゼーション、民主主義、国民国家のうち2つしか同時に実現しないと論じ、国民国家をあきらめる世界連邦制、民主主義をあきらめるネオリベラリズム、ハイパーグローバリゼーションをあきらめる賢いグローバリゼーションの3つの選択肢を示している。 リフキンは「限界費用ゼロ社会」で、協働型コモンズによる共有型経済が生まれると考えている。 ディープ・エコロジーや環境倫理学の非人間中心主義は、経済成長に反するとして非難されている。経済と環境を対立させるのではなく統合する試みのひとつとして、生態系サービスの考え方がある。地球全体の生態系サービスの貨幣価値が16~54兆ドルと試算され、当時の世界のGDPの合計と同じか3倍にあたる。しかし、さまざまな観点のある環境の価値を一元化することには批判もある。 https://diamond.jp/articles/-/106643
0投稿日: 2019.06.22
powered by ブクログ表題には哲学者とあるので、敬遠していたのだが実際は素人向けの現代を課題を分野ごとにわけて解説した本だった。色々な考えを紹介しているが著者はどれがいいとはいっておらず、あくまで中立的立場でのわかりやすい解説であった。知らない人も多く、世界的な視点を垣間見ることができた。こうしてみるとITでは日本はおそろしく後進国なのが実感する。私見であるが、これはつまりメディアの後進性だと思えた。池上先生の本でものたりない人はこの本からスタートするといいと思う。
0投稿日: 2019.03.12
powered by ブクログ問題の答えではなく、問題の意味本質について書かれている。哲学の本は、ものの見方をちょっと変えてくれるので面白い。
0投稿日: 2019.03.01
powered by ブクログ第1章がまさに「哲学」で難しい。第2章以降はテクノロジー面なので読みやすい。 普段から興味持ってる事柄が哲学と結びついてることが分かって何だか嬉しくもあり。
0投稿日: 2019.02.02
powered by ブクログ19世紀以降の哲学体系の変遷について簡単に触れた後、IT革命、バイオテクノロジー、資本主義、宗教、環境のトピックについて、問題提起とそれらを取り巻く論や説を紹介していく。 個人的にはとてもいいなと思える本だった。 この本を読んでそれぞれの分野について深くまで考察すること、情報を得ることは厳しいが、そうしたインプットや考察をより効果的に行っていくための道筋を教えてくれる本であり、本や人物の紹介がかなり多いため、とても参考になった。
0投稿日: 2019.01.21
powered by ブクログ思想界において、近代・ポストモダン周辺で、どのような潮流が動いているのかを、その背景と共に概説してくれる。あからさまな、論点と言うか思考のカーソルの誘導が若干、鼻につくが、許容範囲。全体の約20%が環境問題に関する記述であったのが個人的にはありがたかった。
0投稿日: 2019.01.02
powered by ブクログうーん、自分の勝手ルール上、否定的な書評は書かないことにしているのだが・・・逆説的に得たものはあるということでメモ。 人工知能、バイオテクノロジー、資本主義、環境。現代のグローバルな問題について哲学がどう読み解いているか、それを知る本。タイトルだけ観れば誰でもそう思う。だが、実際には各章で引用されているのはその筋の専門家(数学者、生物学者、経済学者)が大半。かつ、考察は率直に言って浅い。 例えばAI。「フレーム問題」についての説明があるが、これは入門書が必ず触れる基本論点。哲学を持ち出して何かが前進している感じはない。ネット社会については「(ビッグデータを管理することの)影響力は計り知れないものになるはずです」(P.101)。・・・ってこれが末尾の一文かい! 濃淡こそあるが極論万事この調子。「現代こそ哲学が必要」だそうだが、本書を読む限り、その道の専門家の技術論(環境問題なら気温測定の方法の精度とか)のほうが思考の材料としてよほど有効であるという印象だけが残った。 誤解なきように言うと「自分とは何か」「なぜ生きるのか」など永遠の問いはあると思う。また、これだけ学際的な論点が広がれば、課題を考える有力な「軸」として哲学は必要とも思う。が、本書だけで判断する限り、著者がいう哲学の最新理論がさして貢献できているとは少なくとも私には思えなかった、ということだ。 思うに、多くの人は実はそれに気が付いている。だからこそ、「哲学」ではなくて「教養」がバズワード化しているのではないだろうか。
1投稿日: 2019.01.01
powered by ブクログ「AI、遺伝子工学、フィンテック、格差社会、宗教対立、環境破壊…世界の難問がこの一冊でクリアにとける」 まず、個人的な感覚ですが、哲学入門書ではないですね。たぶん。哲学を人生論的にとらえている人が読んでも身に入らないと思われます。 私も哲学を学んできたわけではないし、実在論的転回とか相互非干渉の論理とか言われても訳がわかりませんが、ひとまず章立てが直面している課題としてはとっつきやすく、まとまっているので自分の興味がある章だけを深く読んでみると、それほど苦痛にはなりませんでした。 ただ、「世界の難問がこの一冊でクリアに」はなりませんね。そこまで単純な問題ではないし。何と言うか、いかに咀嚼して、自分なりに栄養にしていくかのほうが大事だと思われます。
0投稿日: 2018.12.30
powered by ブクログオーディオブックで読了。 最新の哲学動向ってどうなってんのかな? ぐらいの軽い気持ちで読んだら、いわゆる人生論や観念的な話はほとんどなくって、人工知能、遺伝子工学、格差社会、テロの脅威、フィンテック、宗教対立、環境破壊などなど、様々なトピックスに対して様々な「思想」やそれが与えてきた影響などをダイナミックな文脈で解説してくれる本でした。嬉しい誤算。 本書の素晴らしい点は、クローン人間がなぜ問題視されるのか?なぜ貧困や格差が問題なのか?なぜ人間は地球環境を守らなければいけないのか?と、どこかでタブー視や絶対悪と僕らが思い込んでる事柄に「なぜ?」をぶつけて改めて考えるきっかけを与えてくれるところ。 人それぞれ、立場や主張はあるとして、それを表層上の理解や、思い込みの段階に止めたり、自分の見方にバイアスが掛かっていることに気づかないのは、危険なんだな・・と改めて思いました。 多面的に考えるとか、背景にあることを全部理解して深く考えるとか、そんなに簡単なことじゃなくって、やはり虚心坦懐に自分が知らない事を自覚しながら、知る努力と考える努力を続けるしかないんだなぁっと。気を付けよう。 ということで、本書は結構オススメ。
1投稿日: 2018.10.14
powered by ブクログ現代という時代について哲学者がどのように世界を捉えているかを紹介した本です。ポストモダニズム以後の哲学の潮流を概観したうえで、IT革命・バイオテクノロジー革命・資本主義・宗教・地球環境について哲学者がどのような議論を展開しているかを個別に見ていく内容です。全体的に浅く広くな印象。
0投稿日: 2018.06.02
powered by ブクログポストモダン以降を①メディア・技術論的転回、②実在論的転回、③自然主義的転回に整理した上で、 IT、BT、資本主義、宗教、環境問題について個別に扱う。各章ごとのブックガイドが秀逸。マルクス・ガブリエル歳下かぁ。。。「天才」とはいえ、かなりショック。
1投稿日: 2018.04.30
powered by ブクログタイトルの通り、哲学界で今まさに議論されている内容がたくさん書かれています。ボクの哲学/社会学はミシェル・フーコーでほぼ止まっていたので、その先の議論を概観できたのはとても良かった。ただ、議論が多岐にわたるので、ある内容について哲学する、となると本書の域を超えてしまいます。 各章の最後に「ブックガイド」がついていて、この先何を読んでいけばいいかっていうのをはっきりと示してくれるので、非常に親切かつありがたい。とりあえず、紹介されていた「なぜ世界は存在しないのか」(マルクス・ガブリエル)の邦訳がでたので買って読んでみようと。(買ってから結構経っているのに未だ積読なのは内緒だ)
0投稿日: 2018.04.30
powered by ブクログ著名な哲学家の言葉を引用しながら話が進んでいく。私たちに身近な課題を取り上げようとする気概は素晴らしいと思うが、やや間延びしてしまっている印象。期待外れ。
1投稿日: 2018.04.03
powered by ブクログ本の形式としては、 はじめからさいごまで、現代の課題を哲学分野より考察していく形をとっている。 その他 筆者の主張が全くないのが良かった。 ゆえに、全体的にスッキリしていて読みやすかった。
0投稿日: 2018.03.28
powered by ブクログ書かれているのはおそらく表面的な論点提示で、カタログ的に眺める分には有効なのでしょう。(2017年11月26日読了)
0投稿日: 2018.03.05
powered by ブクログ哲学と言うのは昔の思想を勉強すると言うだけの学問かと思っていたけど、むしろ今の時代に何を考えどう生きていくのかを考える事が大事だと理解。
0投稿日: 2018.03.04
powered by ブクログテクノロジーの進歩に人間の知性が追い付けていないことに加えて、様々な要素が絡み合った単純に善悪で切り分けることのできない複雑な問題が増えているということ。 続きはこちら https://flying-bookjunkie.blogspot.jp/2018/02/3_16.html
0投稿日: 2018.02.16
powered by ブクログ日本人はみんな哲学とは人生論と捉えているが、実はそうではない。哲学というのは自分の生きている時代を概念的に把握することであるとのこと。なるほどねえ。2045年に技術特異点が来るらしいので、それはとても楽しみ。未来はどうなっていくんだろうね。
0投稿日: 2018.02.08
powered by ブクログ哲学者の考えというよりは、今世界で注目されている諸問題についてのまとめとそれに関連する哲学者たちの著書と引用の紹介程度の内容。現在の社会問題を整理するのにはいいかも。
0投稿日: 2018.02.08
powered by ブクログ偉い人の話をつないでロジックを組まれているのでそれぞれの内容を理解していないと浅い理解に留まる。自分の教養レベルに応じて作者が伝えたいメッセージの深さが変わると思う。 自分は哲学の分野は(というより、”も”)教養レベルが高くないので、なるほどということで理解が深まることはなかった。
0投稿日: 2018.01.15
powered by ブクログ5つの大きなトピックについて哲学がどのように関わっていて今の課題と話題について述べられている。「今」に比重があるので課題はどれも具体的なもの。そういう意味でわかりやすくとっつきやすい。脳科学、経済、宗教、環境、専門化、細分化しつつある中、ごちゃごちゃした感じの倫理や哲学の世界の見通しをよくしてくれる。より正確に興味を持つのにも役立つと思う。
0投稿日: 2017.12.18
powered by ブクログ注目すべきことを総花的にさらっと紹介している。いくつか気になる考え方あったので、それらは別途掘り下げて読みたいところ。
0投稿日: 2017.11.25
powered by ブクログ実に分かりやすく最近の論点がまとまっているし、「哲学」という小さな世界に閉じこもっていては現代の諸問題は考察できないこともよく理解できる。 シリーズ化されないかなあ。すごく勉強になった。
0投稿日: 2017.10.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【文章】 少し読み辛い 【気付き】 ★★★★★ 【ハマり】 ★★★★・ 【共感度】 ★★★★・ 現代の哲学者が考えている、 IT、バイオテクノロジー、資本主義、環境問題などについて。 これまでの哲学の流れは、登場する主義や思想の概念をあまり理解できていなかったので、よく理解できなかった。 哲学は儲からない行為かもしれないが、物事を抽象的に捉え、本質を考えるという行為は、生きる上では重要だと思う。 ■ITについて パノプティコン…システム管理者がシステム利用者を監視 シノプティコン…情報発信者を閲覧者が見る そもそも、AIが発達する事によって、人の仕事が奪われるというのはそれほど悲観的な状況なのだろうか? 仕事が奪われた結果、資本を得る事が出来なくなるかもしれないが、食料やエネルギーの生産、流通までも自動化されたなら、それほど困る事にはならないのではないかとも思う。 資本主義を終わらせるのは、AIなのかもしれない。 ■バイオテクノロジーについて クローンは一卵性双生児と同じ。 自分の子供に対する遺伝子操作と、躾や習い事をさせるのは、どちらもよい素質を持った子に育てる為の行為。 ■資本主義について 通貨が実現するのは、効率的な交換の手段ではなく、抽象的な価値単位の提供、取引を記録する仕組み、譲渡性。 グローバリゼーション、国民国家、民主主義のトリレンマ。 シェアリングエコノミーは、資本主義の一部として取り込まれる。 ■環境問題について 動物の営みは自然だが、人類の営みは自然ではないというのはいまいち納得できない。人間という存在が自然に発生したのであれば、その存在の行為も自然の一部では? 環境汚染による終末論には根拠がない。 コペンハーゲン・コンセンサスによる優先的に取り組むべき政策は地球温暖化対策ではない。
0投稿日: 2017.08.18
powered by ブクログ未来について考える、哲学シリーズ3冊読了。 人類はどこへ向かうのか?より良い未来とは? 人類とテクノロジーは切っても切り離せない。テクノロジーは問題も引き起こすが、良いことをもたらすことのほうが少しだけ多い。これまでもそのようにして発展して来た。(中世の王様より、現代の我々一般市民は確実に良い生活環境を授かっている) このようにしてテクノロジーの進化を促す目に見えない流れをテクニウムと呼ぶ。 しかし、そのようにして発展して来たのは、必然なのか?それとも、我々自身の意思によってなのか?人間には自由意志はあるのか??我々は初めから決められたレールの上を走っているだけなのか? 自由意志に関する現在のコモンセンスは「自由意志はない」ということらしい。しかし、「あると思いたい」。なぜなら、自ら熟慮し、判断し、選択することが「より良い未来」を作るはずだから。そしてまだまだ劣勢ながら「自由意志はある」という勢力が増して来ているらしい。 より良い未来のためには、テクノロジーを活用しながら、生命や宗教といった多様性を容認していかねばならない。 そのためにも、もっと人間を理解しなければならない。これからの人類において、間違いなく脳科学はキーテクノロジーだろう。 なーんてことを学び、考えたのでした。
0投稿日: 2017.06.06
powered by ブクログなんちゃら派とかはよく分からないし、面白くない。 そういう意味で一章はつまらない。 二章以降は、現実世界の変化とその捉え方の基礎が書かれていて面白かった。
0投稿日: 2017.06.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今日においてあまり役に立たないと言われている哲学を上手く社会問題と結び合わせていて、その話題について関心が湧いた。イスラム系の宗教とキリスト教とのせめぎあい、原理主義者と科学者とのせめぎあいなど、世の中でとっつきにくい問題に対して別の観点から鋭くついていてはっとさせられた。
0投稿日: 2017.05.19
powered by ブクログ序章はごちゃごちゃしていたが、その他の章はテーマがあるのでわかりやすい。 何が正しくて何が正しくないのか。 正解のない中でのものの考え方を学ぶ上では、哲学に関する本は読むに値する。
1投稿日: 2017.05.16
powered by ブクログタイトル通り、いま現在哲学者が何を考えているのかを浅く 広く紹介した本であり、それ以上のものではない。この本を 読んでから、気になった分野のさらに詳しい本へと進むのが 正しい読み方か。ただ、科学哲学関係の本を読みあさった 直後だけに、その方面にまったくと言っていいほど触れて いないのは気になった。浅く、そして「やや広く」という 表現が一番当たっているのかも知れない。この本で触れ られていないことは哲学者は考えていない、なんてことは ありえないのだから。
0投稿日: 2017.05.12
powered by ブクログうむ。私には難しい本でした・・・。やっと読了。と言ってもほぼ頭には入らず。 最初の章はちんぷんかんぷんで、次の章からは章のタイトルは興味があるんだけれども、内容に全くついていけず・・・泣 現代のいろいろな課題を哲学という観点からなんか方向を見つけていけるような内容を期待していたけれども、結局は現代の哲学者たちの考えを集約したという感じ。タイトル通りっちゃタイトル通りだけれどもw なんか不完全燃焼に終わりました。私が哲学について何の知識もないまま読んだからかもしれませんが。
0投稿日: 2017.04.20
powered by ブクログ今世の中で起こっている問題を、哲学者がどう捉えているのか。タイトル通りの本。 基本的にほんのさわりしか紹介しないので、この本で議題になっている話題に少しでも触れてきた場合は、物足りない。 入門書。 ピーター・バーガーの脱世俗化の話で、先進国でも宗教に入信する人は増えてきているっていう話が面白かった。 ドーキンスの「神は妄想である」が世界中で150万部のベストセラーになった一方で、アメリカでは根強くキリスト教の天地創造論を信じる人が少なくない。 科学と宗教を対立して論じない、ということを主張したグールドの見方は面白いけど、やはりそう割り切って納得できるものでもない気がする。 人間の精神との向き合い方については、やはり宗教の教えがとても身に染みることが多々あるし、そこは科学で如何ともしがたい部分だと思う。 でも宗教が世界を説明する1つの手段である以上、やはりそこは科学と対立せざるを得ないんじゃないかなあ。 ローマ教皇が科学について論じた、みたいな本もあった気がするので、「宗教と科学」というテーマで調べてみても面白そう。 なぜ、脱魔術化の時代において再魔術化が行われたのか。 特に科学的に考えるのが当たり前とされていそうな地域でも、それが行われているのが不思議だ。 拠り所を求めているのだろうか。 まあ、実際に自分は科学のほとんどを知らないのにそれを信じている、という点でそれはもう立派な科学教信者のような気もするが。
0投稿日: 2017.04.02
powered by ブクログタイトルよりはかなりライトな内容。分野によって深い、浅いがはっきりしている。バイオテクノロジーな関するハーバーマスの問題提起は面白かった。 「遺伝内容を意図的に決することが意味するのは、クローンにとって、その誕生以前に、他の人がそれに対して定めな判断を、生涯にわたって恒常化させ続けるこのめある。」
0投稿日: 2017.04.01
powered by ブクログちょっと前に話題になってた哲学入門書を読んだ。哲学本は基本的に誰々の哲学もしくはある時代の思想的潮流を扱ったものが多い。この本はポストモダン以降の哲学をある意味、総花的に扱ったことが新しい。その中心に据えられる主題はITとBTがもたらしたパラダイムシフト。自分は次なる"大きな物語"の所在を手掛かりに読み進めたが、各人が何らかのフレームを持って読むと、何かしらの発見がある一冊といえる。 ヘーゲル『法哲学』(1821年)の序文において「ミネルバのフクロウは、迫り来る黄昏とともに飛び立つ」と書いた。p22 リオタール『ポスト・モダンの条件』「大きな物語の終焉」p36 それに代わって、リオタールがポストモダンとして提唱したのが、小さな集団の異なる「言語ゲーム」でした。他とは違う「小さな物語」を着想し、多様な方向へ分裂・差異化することが、ポストモダンの流儀となりました。 メディア・技術論的転回とは何か?p45 【メディオロジー】p48 中間者こそが力を持つ、媒介作用こそがメッセージの性質を決定づけ、関係性が存在よりも優位に立つ。(中略)私は社会的機能を伝達作用の技術的構造とのかかわりにおいて扱う学問を「メディオロジー」と呼んでいる。(Cf. 『メディオロジー宣言』)
0投稿日: 2017.03.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人工知能・管理社会・生命科学などのSF的テーマや、資本主義・環境破壊・宗教・テロなどの 現代社会・世界の問題について、哲学的な様々な視点で分かりやすく解説してくれている哲学入門書。 以下、いくつかのテーマについて感想。 1.IT革命は人類に何をもたらすのか 大型コンピュータにより市民がシステムに管理される社会というのは、古くはジョージ・オーウェル「一九八四年」、最近でも伊藤計劃「ハーモニー」やアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」などのSF小説・アニメでテーマとなってきたが、人工知能・ビッグデータ・IOTの開発により、現実がSFに近づいてきた。 政府やGoogle・FacebookなどIT企業による監視社会になってしまうとか、ロボットや人工知能に人間の仕事(知的労働も)を奪われる、等の警鐘を鳴らす科学者や作家も多い。 ただ、利便性と自由はトレードオフ関係。 Google検索、Amazonのレコメンドやオンラインショッピングは、もう生活になくてはならないものだし、Facebookでの情報交流・人との出会いも、人生を豊かにするためには手放せない。 だから、どこまで情報をさらすか、を自身で制御しながら付き合っていくしかないのだろう。 そのためにも、もっと多くの人がSF小説を読むべき。技術の行き過ぎによるディストピアのイメージを、皆が共有しておくことは大事だろうから。 2. バイオテクノロジーは「人間」をどこに導くのか 目からウロコだったのは、クローン人間が何故ダメなのかという議論。クローン人間は一卵性双生児を意図的に作るという技術であり、完全に同じコピー人間ができるわけではない。子供が欲しくても出来ない夫婦にとっては必要な技術なのではないか、という意見も一理ある。 また近年では、出生前診断で障がい児の可能性がある子を中絶するケースが増加している。これの是非判断って難しい。 こんな風に、生命科学の分野では、科学技術の発達により倫理的に許される境界が移動して、社会や法律が変わってくるということは、過去何度もあったこと(遺伝子組み換え・妊娠中絶・体外受精)。 クローン人間が制限付きで認可される時代も遠くないのかも。 もう一つ、この章で興味深いのは、脳科学の研究により非道徳的で犯罪者になる可能性の高い人間が分かるようになる、という時代が来るかもしれないのだけど、そういう人に対し隔離などの処置を取ることの是非についての議論。映画「マイノリティーリポート」やアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」では未犯罪者でも逮捕していたのだけど、それは今の倫理観では許されないだろう。 でも、脳の道徳的判断をつかさどる部分が不十分なために犯罪を起こしたことが確実な人間(いわゆるサイコパス)がいた時に、その脳の部分を薬か何かで補って道徳的な人間に変化させることは、牢屋に入れることとどちらが効果的なのだろう。また、どちらが倫理的に正しいのだろう。 そんな風に、頭の中をグラグラさせてくれて、読んだ人同士で感想を語り合いたいと感じさせてくれる本だった。 上記以外のテーマも、「資本主義」「宗教」「環境保護」のこれからについての議論で、新たな視点を教えてくれるもので面白かった。 哲学というと堅苦しいけど、特にSFネタを絡めたテーマは、自分にとってはとても興味深かった。
0投稿日: 2017.02.16
powered by ブクログ企画としてはいいと思うんだが、どうしても取り上げている哲学が著者の専門寄りになっている。分析哲学、特に確率論は、21世紀にかけて最もホットな分野だし、それこそAIのディープラーニングから生態系、量子論にと必須の知識になっている。それにまったく触れないのはわざとだと思うが、ちょっとなぁ。言語論的転換の先に哲学は確率論的転換をしたと考える学者もいるくらいなのに。 同じテーマを分析系の学者に書かしたものも読んでみたいところだ。
0投稿日: 2017.02.09
powered by ブクログ哲学の観点から見たIT革命、BT革命(バイオ・テクノロジー革命)、資本主義、宗教、地球環境。例えば、ゲノム編集やクローン人間など、激論を招きそうな論点についても多面的で、示唆に富む。
0投稿日: 2017.02.08
powered by ブクログ思ったより内容がライトだった。買って読むほどではなかったな… 監視化する社会 パノプティコンの話はおもしろい。監視する側される側の非対称性。SNSによってシノプティコン化する社会。FacebookもGoogleも世界の人とインターネットをつなげようとしている。人間とlot。 2045年には技術的特異点。 人類は地球を守らなければいけないのか?という問いで買った感はあるんだけど。それよりエイズ、tpp、マラリアの方が優先度たかいよねって。コペンハーゲンコンセンサス。 他は結論ないからよくわからんかった。
0投稿日: 2017.02.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一番面白かったのは、第3章の後半、バイオテクノロジーの章で、最後にチラッと脳科学研究の話になるところ。 絶対王政的な残虐刑から近代的な刑罰制度への転換は「人々が合理的で理性的な判断に対する一般的な能力を持っていること」が前提(フーコーが「監獄の誕生」で言及している)だが、脳科学研究が進むにつれて、器質的に困難な人が結構いることが明らかになって来て、このまま行くのムリじゃね?的な。うーん。かと言ってどうするよ?
0投稿日: 2017.02.04
powered by ブクログまさにタイトルどおりの本。現代社会の問題を哲学者がどのように議論しているかを紹介している。メディア、脳科学、IT、バイオテクノロジー、資本主義、宗教などのトピックがとりあげられていて、哲学的議論が現代社会から遠く離れたものではないことを示している。現代社会を理解するための論点をフォローするのにも便利な本。
0投稿日: 2017.02.01
powered by ブクログ現代の様々な問題を、哲学の立場から分析する本。 ということで、IT革命やバイオテクノロジー、文明の衝突や環境問題といったキャッチーな言葉(?)が並んでおります。 面白そうだと思って読んだところ、特に期待していたIT革命とバイオテクノロジー部分は「こんな問題が今あるよ!」という紹介程度にとどまっていて(引用が多いのですが、哲学者の論ばかりではなく、そのテーマ自体の解説だったり)、もう少し哲学者の考えを踏み込んで知りたかったなぁと。 逆に、第1章の最近の哲学の動向はちょっと難解で、一般人向けに解説してるのだとは思うのですが、哲学用語が解説なしに出てきてしまうとちょっと追いつけないなぁ。。 とは言え、テーマ自体は直近のトピックを網羅していると思うので、考えるキッカケになる本というのは間違いないです。あと、哲学好きなら楽しく読めるはず。
0投稿日: 2017.01.28
powered by ブクログタイトル通り。世界で活躍している哲学者ということだが、登場人物は幅広く、経済学者や歴史学者、生物学者など、幅広い意見や主張が取り上げられている。哲学というと狭いテーマを深掘りするイメージがあったが、やはり「学際」はどんどん進んでいるということを実感。いずれの切り口からも、人は自らのアイデンティティを決定するのに所属している社会や文化の影響を強く受ける。一方、社会規範や文化というものも相対的であり、日々混ざり合ったり変化するもの。やはりこちらも日々考え、混ざり合ったりしながら進んでいくしかない。
0投稿日: 2017.01.26
powered by ブクログ今哲学が熱い。自分の中で。哲学というとイコール人生論、つまり人はいかに生きるかとか、人生とは何か、人とは何かとかを考えているステレオタイプなイメージだった。思いっきり帯にそう書いてあって「あっ自分だ(笑)」と思ってしまう。内容的には今世の中で起こっている諸問題(環境問題とか資本主義の問題とか、IT/BTとか)に対して哲学者はどのようなアプローチで何を考えているのかという内容。最近多い、エビデンスに基づく議論とは異なり、裏付けがあるような内容な多様な考え方を提示している。哲学という学問領域が実に広いことに驚くとともに、自分の認識の浅はかさも自覚した。 確実に思うことは、今時代は新しいステージを模索していること。それはいつの時代もそうだったのかもしれないが、今はまさにその過渡期だとどうしても思ってします。世の中が大きく変わろうしている今、自分は何を指針に、何を考えていくべきなのだろうか。自分の軸を見直していきた。
0投稿日: 2017.01.25
powered by ブクログIT革命、バイオテクノロジー革命、科学と宗教・・・ 帯には『「世界最高の知の巨人たち」が現代のとけない課題に答えをだす』と書かれているけど、読んでみて、やっぱり答えは出ないよな、と思いました。いろんな学者さんのいろんな主張を網羅的に読めるのはよかった。
1投稿日: 2017.01.15
powered by ブクログパノプティコン、フーコー シノプティコン SNS、チューリングテスト AI、US全雇用の47%がITにより代替されるリスク、ラッダイトの誤謬、ニックボストロム「スーパーインテリジェンス 道行き、危険、戦略」”いつか私達が一般知性において人間の脳を凌駕する機械の脳をつくるならば、その時はこの新しいスーバーインテリジェンスは極めて強大になるだろう。そしてゴリラの運命が今、ゴリラ自身というよりも、私達人間にいっそう依存しているように、人間の運命も機械のスーパーインテリジェンスに依存することになるだろう” ポスト・ヒューマン、トロッコ問題 道徳ピル
0投稿日: 2017.01.15
powered by ブクログ哲学が現代の問題にどのように関係してくるかというのをわかりやすく整理して書かれている良著。著者も言うように著者の意見や今後どうすれば良いかの回答が書いてあるわけではない。どうすれば良いかは挙げられている参考文献を読んで自分で考えないといけないのでネタバレというのはないと思う。ここから個人的な感想だけど、過去に自分はどういう勉強をしてどういう職場にいたかということを思い出させてくれた。大学入学時に取り組んだハイパーグローバリゼーションから、フーコー、ニーチェ、セン、ジョンロールズ、グールド、ドーキンスに1984とビックデータにビットコイン。リスク評価と予防原則。もう10年以上アマゾンのカートに入れたまま放置しているネグリとか昨年結局読めなかったピケティは読まないといけない。読んだ上で自分はどうしたいのかが問題だけど。
0投稿日: 2017.01.02
powered by ブクログP82 フェラーリスはスマートフォンのあり方を哲学的に分析して、「ドキュメント性」という概念で表現したからです(中略)ところが、フェラーリスは、このマクルーハンの規定に異を唱え、現代はむしろ、マクルーハンの予言とは反対の方向、つまり「書くことのブームへと向かっている」と考えます(中略)こうした理解にもとづいて、フェラーリスは、現代のスマートフォンが、もはや話すためのものではなくて、「書き、読み、記録するための機会」になっている、と述べています。(中略)では、この「ドキュメント性」には、どのような特質があるのでしょうか。フェラーリスは、次の3点を挙げています。一つ目は公共的なアクセス可能性、二つ目は消滅せずに生き残ること、三つ目はコピーを生み出せることです。 P96 マシーセンは「監視」だけでなく、多数者が少数者を見るという見物の側面も同時に備えた概念として、「一緒に、同時に」を表す「syn」を使って、シノプティコンと名付けています、つまり、私たちは「監視される者」であると同時に、「見物する者」でもあるのです。 P99 つまり、個々人は、断片的な情報にまで分割され、それらがたえず記録されていくのです P212 それに対して、マーティンが通貨の本質と考えるのは、まったく別のところにあります。彼は、通貨を「実態的な裏付けのない表象的なもの」と規定し、「通貨の根底にある信用と精算のメカニズムこそが、マネーの本質である」と述べて、標準的な貨幣論との違いを次のように強調しています
0投稿日: 2017.01.01
powered by ブクログ現代も哲学は脈々と続いていて、時代とともに進化してることを知れた。情報過多な現代で哲学のように客観的に考えてくれる学問は、ひょっとしたらとても大事かもしれない。
0投稿日: 2016.12.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
私が本書でとりあつかう問題とは、「科学」と「宗教」との間にあるとされている対立である。(中略)私には、科学と宗教が、どのような共通の説明や解析の枠組みにおいてであれ、どうすれば統一されたり統合されたりするのか理解できないが、しかし同時に、なぜこのふたつのいとなみが対立しなければならないのかも理解できない。 科学は自然界の事実の特徴を記録し、それらの事実を整合的に説明する理論を発展させようと努力している。一方、宗教はといえば、人間的な目的、意味、価値(中略)という、同等に重要であり、しかしまったく別の領域で機能している。(スティーヴン・ジェイ・グールド)(p.259)
0投稿日: 2016.12.20現在へと到る歴史を問い直し、そこからどのような未来が到来するのかを展望する
哲学とは、哲学者とは、何をすること/人のか。“自分の生きている時代(「われわれは何者か」)を捉えるために、哲学者は現在へと到る歴史を問い直し、そこからどのような未来が到来するのかを展望する”ことが、今を生きる哲学者がするべきことなのだと言います。 デカルトに始まる大陸系の合理論とロックやヒュームからのイギリス経験論による近代哲学は、意識の分析に集中し、それらは「認識(知識)論的転回」と呼ばれています。19世紀末頃から20世紀初めにかけて、「言語論的転回」が引き起こされ、意識ではなく言語を分析することが哲学の主要なテーマとなりました。(ポスト)構造主義やコミュニケーション理論などがそうです。 そして、いま「言語論的転回」とポストモダンの相対主義以後の、ポスト「言語論的転回」が模索されているとのこと。それが認知科学的に心を考える「自然主義的展開」とコミュニケーションの触媒や技術から考える「メディア・技術論的展開」、思考から独立した存在を考える「実在論的転回」の3つです。 そうした基本的な哲学の流れをもとに、本書はITや生命科学、資本主義の限界、宗教の可能性、地球への責任など、いまの哲学者が、いまの問題に対してどんなことを考え、どんな未来がありえるのか。これからの私たちの道が示されます。
8投稿日: 2016.12.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
哲学の概略と現代の諸問題についての見取り図。哲学というと抽象的な話になりがちなのでいまいち頭に入っていなかった。しかし本書は大まかな流れを説明するので、イメージを掴みやすかったのと、今までの知識も整理することができた。 現代の諸問題については哲学からのアプローチだけではないが、時々ニュースで聞くことも俯瞰的な視点で考えると自分の意見も変わる可能性がある。
0投稿日: 2016.12.08
powered by ブクログ[関連リンク] 知の巨人たちが取り組んでいる問題はこれだ『いま世界の哲学者が考えていること』: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2016/11/post-cf79.html
0投稿日: 2016.12.07
powered by ブクログ人工知能、遺伝子工学、格差社会、資本主義、テロ脅威、宗教、環境破壊等々、テーマが様々あり、どれも興味深い内容ですが、特に印象に残った人工知能とバイオテクノロジーの進化について感想を述べたいと思います。 最近風邪をひいてしまい、しかも喘息を併発したので、数日間は参っていたのですが、その時に『あー、新品の鼻売ってないかなぁ~。21世紀なんだから近くのコンビニにでも売ってあってもおかしくないでしょ?』と冗談混じりに言って周りから笑いを取っていたのですが、どうやら近い将来実現するかもです。 もし実現したら、『運動で脚を怪我した!新品の脚を買ってこよう!』とかありそうだし、そうなるとスポーツの意義が根底から覆ってしまいます。最新の脚、ボディを備えた身体なら楽勝でしょうし、競う意味がなくなってしまいます。よって近未来ではスポーツは消滅する危機にあります。そもそも遺伝子操作で超人的な人間を造れるのだから、規制が無い限りは早晩無くなるでしょう。 一方、芸術面はどうかというと、現在でも問題になっている(著作権は誰のもに?)bot機能を使った小説があるし、ビッグデータの利用が日常的になればコンピューターが絵を描いたり作曲したり歌ったりは出来そうです。 人間に有って機械に無いものは感情です。機械にあるのは合理性のみで、これが人類最大の問題の一つだと思います。 人間は理性と感情の両方を持っていて、僕の考えでは理性よりも感情の方が強い(発現の度合いではなくて、優劣の問題)と思います。『夜中にケーキを食べると太るよ?』と頭では分かっていても、『でも、今食べたいんだもん!』という感情にはなかなか勝てません(笑)。店内で子供が『お菓子買ってー!』ってぎゃあぎゃあ騒がれてしまえば、親は根負けしてしまうなんて姿はよく目にします(それに挫けずに『駄々こねてもダメ!』とピシャリと叱責する親には賞賛を送りたい)。 人間における理性対感情の試合では、感情の勝ちだと思いますが、その人間が、理性しか持たない機械を相手に戦うとなれば、逆転してしまうような気がします。 まず、理性しか持っていなければ、社会的ジレンマの問題も簡単に解決できます。トロッコ問題にあるような「5人の命と1人の命」では躊躇なく5人の命を助けるだろうし、敵地攻撃の場所が身内の住む場所であっても、躊躇なく破壊できるでしょう。世界大戦時、歴史と文化のある京都は攻撃しないように……なんて事も考えないでしょう。利があれば重要文化財など関係ありません。機械ような理性一遍倒の前には、人間の感情など些末なものに過ぎません。 また、機械であるが故に、多様性を排します。答えが複数あると認めるのは人間であり機械範疇にはありません。となれば、価値観や行動規範や目的は皆同じだから、徒に機械同士が争うことはありません。 で、この超合理的思考を持つと、機械はいよいよ人間の存在価値を認めなくなるのではないか?と思えてくるのです。SF作品によくあるテーマ(人間対機械)ですが、僕は、超合理的機械が完成すると、まず人間が消滅して、その後機械もまた存在意義が無くなれば消滅するのではないかと考えます。 ちょっと怖い気がしますが、そう遠くない未来を予想します。 特に感じたのはこのあたりで、本書の前半と終盤はちょっと退屈でしたが、なかなかに有意義な内容でした。 僕の評価はA+にします。
1投稿日: 2016.12.05
powered by ブクログ「現代の哲学は何を問題にしているのか」という枠組みから丁寧に説明されていて、また各哲学者たちの主張がすっきりまとめられていて、非常に分かりやすかったです。
0投稿日: 2016.11.23
powered by ブクログ哲学というと、ソクラテスだ、ヘーゲルだ、カントだと、古典のお勉強を連想しがち。それはそれで悪くないのでしょうが、元来は社会問題全般を扱う役割を担っていたはずの哲学には、もっと現実的な、現代社会の問題へのアプローチを期待したいし、現代の哲学者といわれる人たちの体温を感じることができる取組みを紹介してもらえないものだろうか、と思ってました。 本書では、現代の哲学者たちが、AIなどのIT、バイオテクノロジー、人口問題、宗教、環境問題といった、我々にとって身近な問題をどのように捉え、それに対する考え方を提示しているかが、概略ではあるものの、非常にわかりやすく解説されています。こういう本が読みたかった。 歴史の流れの中で問題を位置付けると、こういう考え方も出てくるのか、とか、具体的事実をベースに考えると、普段、マスコミやネットで喧伝されている批評とは一味違う切り口の発想が出てくるのか等々、なるほどね、と頷く内容も多かったです。
0投稿日: 2016.11.22
powered by ブクログ今の時代の変化について、考えていることは伝わるのだが、哲学者は言葉でまとめようとし過ぎ。本質の部分が分からなくなってしまうように感じました。
0投稿日: 2016.11.14
powered by ブクログポストモダンの哲学がその勢いをずいぶんと昔に削がれた後にもまだ「哲学者」がいるのか、いるのであればそういう人たちはどういう問題意識をもっているのか、ということに興味を持って読み始めた。 ヘーゲルの有名な言葉「ミネルバの梟は黄昏とともに飛び立つ」をひいて、哲学とは「自分の生きている時代を概念的に把握する」ものだと著者は定義する。その問題意識は、かつて「哲学者」が抱いていたそれとは時代認識が違っているからこそ当然にして異なっている。そのために著者は、 ①哲学は現在、私たちに何を解明しているのか? ②IT革命は、私たちに何をもたらすのか? ③バイオテクノロジーは、私たちをどこに導くか? ④資本主義制度に、私たちはどう向き合えばいいか? ⑤宗教は、私たちの心や行動にどう影響をおよぼすか? ⑥私たちを取り巻く環境は、どうなっているか? という現代に即したテーマに関して哲学的論考を進めていく。 ①の議論では、言語から意識への自然主義的転回、ジョン・サールなどの意識の問題について考察する。自分の感覚では、本章がすべての章の中でもっとも「哲学」らしい。著者がこの章を初めに置いたのもそこに理由があるのではないだろうか。 ②のIT革命に関しては、フーコーのパノプティコンや「1984年」のビッグブラザーに言及しつつ、ジグモンド・バウマン、ダニエル・デネット、レイ・カーツワイル、などを紹介。 ③のバイオではクローンなど遺伝子技術に関連して、リチャード・ドーキンス、マイケル・ガザニカ、ピーター・シンガー、アントニオ・ダマシオ、ジョシュア・グリーン、オリバー・グッドナイフ、などの生物学者や脳科学者を紹介。この領域は今後も大きく進展していくだろうし、いわゆる哲学の領域にも浸食していくだろう。 ④の資本主義社会については、トマ・ピケティ、ロバート・ライシュ、ジョン・ロールズ、ロバート・ノージック、ハイエク、ミルトン・フリードマン、アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート、アマルティア・セン、エマニュエル・トッド、ジャック・アタリ、ダニ・ロドリック、ジェレミー・リフキン、ヨーゼフ・シュムペーター、などを幅広く紹介。道徳と倫理といったことが論じられている。 ⑤では多様化する社会と地域紛争を取り上げて、チャールズ・テイラー、サミュエル・ハンチントン、ユルゲン・ハーバーマス、ミシェル・ウェルベック、ジル・ケベル、スティーブン・グールド、マルクス・ガブリエル、などを紹介。 ⑥では環境問題として、地球温暖化、種の多様性、などスケールの大きな問題について扱い、ブライアン・ノートン、ベアード・キャリコット、ウルリッヒ・ベック、ビョルン・ロンボルグを紹介。 IT技術やバイオ技術が世界や倫理に与える影響について検討が必要であることは間違いない。経済についてもグローバリズムや格差の問題となると倫理の問題につながる。現在の「世界」を考える上では、宗教を含めた文化の多様性についての議論は避けることはできない。環境問題については冷静な議論のための理論構築が必要だ。これらの諸問題をめぐる言論をまとめるという意図ではこの本は成功していると思う。ちょうどよいくらいに専門的で知らない内容がまぶされていて面白かった。 およそ本書で紹介されている知識人の多くはおそらくは自分自身のことを「哲学者」だとは思っていないだろう。 世界の哲学者がどのようなことを考えているかを書いたと言いながら、哲学者がかつて占めていた場所の多くを別の分野の学者が占めていることが明らかにされたようにも思う。ただ、それも含めて「哲学」と呼んでもよいのではないかというのが著者の言いたいことであるのだが。その世代の問題意識によって必要とされる「哲学」は変わってくるのだから。 まずまずに知識欲が刺激されて読んでいて楽しかった。
3投稿日: 2016.11.04
powered by ブクログ西洋現代思想・哲学(特に20世紀以降)の入門書として読める。少し丁寧すぎるくらい分かりやすい。時おり筆者自身による批判も論じられている。
0投稿日: 2016.11.02
powered by ブクログ17世紀以降は、意識を研究する認識論的展開 20世紀以降は、言語論的展開 ドイツのマルクス主義→フランクフルト学派、解釈学 フランスの実存主義→現象学、構造主義→ポスト構造主義 英米の分析哲学 21世紀のポストモダン的展開 自然主義的。メディア・技術的。実在論的展開。
0投稿日: 2016.10.25
powered by ブクログ著者の岡本裕一朗氏は、一般向けの新書も上梓している西洋近現代思想の研究家。 著者は、まず序章で、フーコーの表現を引用して、“哲学”とは「たった今進行しつつあることは何なのか、われわれの身に何が起ころうとしているのか、この世界、この時代、われわれが生きているこの瞬間はいったい何であるのか、われわれは何者なのか」を問題にすることとし、“現代(今)”というこの時代は、「歴史的に大きな転換点」、「「モダン」そのものの転換点」であるが故に哲学にとって重要なのであるという。 そして、前段で、デリダやローティをはじめとした20世紀後半のスター哲学者の多くが亡くなった後、「21世紀になって、世界の哲学はどうなっているのか」を俯瞰し、後段で、「モダンの転換」に関わる5つの重要なテーマについて、哲学者の範疇に留まらない、各領域の専門家の思想を縦横に引用・紹介している。 特に後段については、いずれも単独の主題として取り上げた書籍を読んでいるような関心の高いテーマで、非常に興味深いものであった。 なお、後段の5つのテーマでは以下のようなキーワード、キーコンセプトが取り上げられている。 1.IT革命・・・人工知能(AI)、シンギュラリティ(技術的特異点)、SNSと民主化運動、スマートフォンのドキュメント性、パノプティコンとシノプティコン 2.バイオテクノロジー革命・・・ゲノム編集、ポストヒューマン、リベラルな優生学、トランスヒューマニズム(人間超越主義)、クローンと一卵性双生児、寿命革命、脳科学研究と近代的刑罰制度 3.資本主義・・・「歴史の終わり」、ピケティ現象、格差是正と貧困救済、リベラリズムとリバタリアニズム、ネオリベラリズム(新自由主義)、グローバリゼーション、仮想通貨、フィンテック、シェアリング・エコノミー、 4.脱宗教化・・・「世俗化」と「ポスト世俗化」、「文明の衝突」、多文化主義モデルと社会統合モデル、グールドのNOMA原理とドーキンスのNOMA原理批判、創造説とネオ無神論 5.環境問題・・・地球温暖化問題、人間中心主義、ディープ・エコロジー、環境倫理学、環境プラグマティズム、生態系サービス、リスク社会論 歴史の転換点に生きる我々が考えるべき根本的なテーマについて、現代の知性たちの多様な主張をヒントに、自らの考えを掘り下げることができる、有用な一冊と思う。 (2016年10月了)
2投稿日: 2016.10.16
powered by ブクログ哲学の現況と社会の諸問題とのかかわりが簡潔かつ網羅的にまとまっていて非常に参考になった。哲学は比較的とっつきづらい分野であるが、その入門書として最適だと思われる。本書では敢えて特定の主張を控えて、各学説と社会の関係性の記述に終始している、ナビではなくマップと言った感じ。(個人的には)本書を足がかりに専門書に手を伸ばすなり、思索を深めるなりするのが哲学的な姿勢ではなかろうか(と思う)。
1投稿日: 2016.10.07
powered by ブクログリアルタイムで活躍中の哲学者、生命科学者などなどの理論の概略を理解するのに便利。引用文献も豊富ですが、まだ和訳されていない書籍も多いようです。英語で読むのはちょっと敷居が高いかな・・・。この本を手がかりに新たな知のフィールドへ探検の一歩を踏み出すのも悪くないかも。扱っている領域が広いので、各分野にそれなりの知識のある人にとっては物足りない点があるかもしれません。
1投稿日: 2016.10.06
powered by ブクログ第1章は分かりやすくまとまっていて参考になりました。 それ以外はいわゆるガイダンスとして参考になるものの、哲学が指し示すものが何なのかという問いに答えるものではありませんでした。具体的には、バイオテクノロジーに対する生のあり方、資本主義社会における企業のあり方、について示唆を得たかったのですが、残念ながら解への手がかりを得ることはできませんでした。
1投稿日: 2016.10.03
powered by ブクログ哲学の現在、IT革命、宗教の章が面白かった。こういう風に全体像を一般向けに書いてくれる本はありがたい。
0投稿日: 2016.09.16
