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窓の向こうのガーシュウィン
窓の向こうのガーシュウィン
宮下奈都/集英社
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総合評価

71件)
3.7
8
31
18
4
1
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公がつい頭の中で繰り広げてしまう言葉の連想が唯一無二。こういう思考ごできるのは「書く」からこそなのでは。宮下さんはアイデアをちゃんと手書きする方なのかも。などと妄想。 介護問題を押し付けるでもなく、額装の世界にどっぷりというわけでもなく、ひたすら今について語ってくれるやさしい物語。

    1
    投稿日: 2025.11.21
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    静かな本。 本当、ずーっとコソコソコソコソと、 小さな声で話してる感じ。 よーーーく耳をすまさないと聞こえないくらいの、静かさ。 でも、ほんの少しその声に耳を傾けて世界観をのぞきたくて。 そーっとそーっとページを捲る。 大きい声だしたら、文字が逃げて行きそうな。 そんな臆病な本で。 逃げないように、静かに、ゆっくり丁寧にページをめくり。 なかなかこんなそーーーっとした気持ちで読む本。 久々だなぁ。 と、思ってしまった。 とっても臆病な本ですので、優しい気持ちで、お手柔らかに読んでもらいたい。 優しくしてほしい。 そんな一冊です。 #ガーシュウィン #なんだろかい? #挿絵 #優しい #まさに #なんとも言えない臆病な本 #文字が逃げ出しそうなくらい #そーっと読んだ #優しくしないと読ませてくれなさそうな #臆病な本 #宮下奈都

    1
    投稿日: 2025.09.11
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    やさしい世界 決してHappyな状況でも境遇でもないし むしろ少し哀しみを持ち合わせているけど それぞれが 自分自身を受けとめて ゆっくり じんわりと 上昇しているような。。。 希望を感じるし 望みながら読んでいて 何故か藤井風のキラリが頭の中で 流れた サマータイム。ではなく やさしい世界であってほしい 彼らが 日々 小さな幸福を 積みあげられるような 見方を変えたら 感じることを変えたら 見える風景も 拡がるんだよね 狭い枠の中では 一方通行の見方では きっと苦しさが 目立ってしまう 私は時々 とても狭いから この お話を読んで あぁ、そうか…と気づいた 目まぐるしく 急ぎ気味の日々の中で ちょっと立ち止まれる そんな1冊だった 限りなく4に近い星3 本当は 数字は あまり 関係ないのだけど。。。

    0
    投稿日: 2025.08.10
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    全体の印象としては、 若干、とてつもなくやさしい哲学書(私は読んだことないですけど)のような印象。 物事の本質をやさしい言葉で突いてくるような。やさしすぎてたまに眠たくなってしまうほど。 瀬古さんの感覚はとても変わっているらしい。それは、両親が未熟児でおうまれになったわたしを保育器に入れなかったから。 と、思っている。  とても変わっているとされているけれど、私はわかる部分が結構ありました。彼女は先天的なものなのかおうまれになった時のエピソードの印象のせいなのかわかりませんがある意味心を殺して感じないようにすることが染み付いている感じ。そこに何の不満やフラストレーションもないところ。 先生やあの人、隼人との出会いで目覚めていく、生き直ししていくのですが。そのあたりの描写がとても優しくさりげなく好きです。 あんころ。ってなんて可愛いんだろう。 ここまでくるとやっぱり瀬古さん変わってるけど変わってる瀬古さんは好きだし、額装のセンス云々抜きに好きだなと思います。

    7
    投稿日: 2025.04.20
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    深読みでしかないけど 読み終わってから改めてタイトルを見ると こういうことかなと想像が膨らむ。 後半に行くにつれ,主人公の思考回路の理由もどんどん明らかになっていき, 切ないようなやるせないような気持ちになるけど 彼女たちなりのあんころを見つけて行ってて 光が見えて嬉しい。

    0
    投稿日: 2025.02.20
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    心あたたまる、固くなっていた自分の心がやわらかくなっていくようだった。 未熟児で生まれ、両親の経済と無知で保育器に入れられなかった佐古さん。どこか足りないけど、決して歩むことを止めない佐古さん。 「あんたは、大きいな」と佐古さんに言う隼。 佐古さんが自分自身を見る目が少しずつ変わり、 やがて自分を取り巻く人達を見る目も変わる。 保育器に入れられなかった事実を、佐古さんなりに解釈したときは佐古さんの成長を感じた。私では考えられない。物語の核心すぎるので伏せとく。 宮下奈都さんの静かな物語が、お気に入り。、

    0
    投稿日: 2025.02.12
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    読み終わったとは言わないかな?途中で諦めた。 こういう作品は苦手だ?フワフワしていて、表現が回りくどくて。主人公の女の子は、本気なんだか、適応障害なんだかはっきりしない。これを素直と表現できるのだろうか⁇ このかたの作品はパスかな…

    0
    投稿日: 2025.01.22
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    小説なんだけど、詩を読んでるようにも感じた 人生で大切なことがつまっている 疲れた私にとってはかなり響いた作品だった

    0
    投稿日: 2024.11.28
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    幼い頃から、人に話を聞いていると、雑音が混じって、聞き取ることができなくなってしまう。相手の話を聞いて、応えようとすると、聞き取りができなくってしまう。そのため、人間関係を築くことがなかなかできない主人公が、ヘルパーの仕事で入った「先生」に家で出会う人々、思い出を切り取り額をつける「額装」を学んでいくことで、今までに人間関係が少しずつ変化していく過程が描かれていく。 自分にとってちょうどいいペースで人と交わり、コミュニケーションをとることで、聞いたり、話すことが不自由なくできることってやはりあるよなあと思った。小説の最初から最後まで、ゆっくりと流れる時間が感じられて、心地よい。 普段の生活で疲れてしまっている心も癒されるような小説でした。自分のペースでゆっくりと生きていきたい。

    0
    投稿日: 2024.11.10
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    明言はされてないけど、受診を促されることもあり、発達障害の特徴がうかがえる主人公。 他人の言葉が意味のあるものとして聞き取れず、自分自身の感情にも鈍い。 ヘルパーとして派遣された先で、利用者である先生、先生の息子で額装の仕事をしているあのひと、そしてその息子の隼と出会い、先生の生活を見守りながら、額装の仕事に触れ、少しずつ、膜が張ったようだった自分自身の感情に気づいていく。丁寧に掬い取ったものを更に目を凝らして見つめたような心理描写がとても良い。額装を通して、様々なものを発見し、これまで諦めてきた他者や家族との関わりにも一歩踏み出していく。大きく展開が動くわけではないけれど、じんわり伝わってくるものがある、好きなお話。

    2
    投稿日: 2024.10.28
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    理解が難しい表現が何ヶ所かあった。先生が、歯磨きの途中でいったん手を止めて、虫歯菌を油断させるという行動が面白いと思った。未熟児で生まれた人、色弱の人、その人たちにしか無い感性でしか生み出せない作品もあると感じた。

    0
    投稿日: 2024.07.29
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    以前半分くらいまで読んで、読み進められなくなってそのままにしていた本。 また最初から読み直してみた。 主人公の心情が丁寧に描かれていた。 ちょっと独特な感性で。 でも、独特じゃない人なんていないと思う。 みんなちょっとずつ違っていて、感性が近い人と遠い人がいるだけではないか。 少なからずそのことはみんなわかっていると思うのだけれど、他人の気持ちを推し量れない人、うまく伝えられない人に世間は冷たい気がする。 理解できない言動をする人も、色々なことを感じたり、考えたりしているのにね。 そんな世間から気持ちを守るために感情を無意識に押し殺してきた主人公に胸が痛んだ。 最初は読みづらいな、と思って閉じてしまった本だけど、主人公が変化して行く様子に心が暖かくなるお話だった。 時間が経ったらまた読み返してみたいと思う。

    1
    投稿日: 2024.06.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ガーシュウィンの曲を聴きながら感想を書いてみる。 まず手に取ったきっかけは、装丁。このイラストが可愛くて可愛くて、それが中にも挿し込まれていて嬉しかったな。そしてこのイラストを手掛けられた植田真さんの解説も良かった。最後に解説を読みながらもう一度絵を見て、物語を振り返っていく作業が好きだった。 内容としては、佐古さんが丁寧にひとつひとつの物事と向き合いながら生きているのが印象的だった。それは周りから見れば自由であり豊かにも見えるんだけれど、自身はそうは思っていない。卑屈でいるつもりはなくても、自然と自己否定的になっている。でも、わかる気がする。佐古さんの苦しみに共感した。 そこから先生やあの人、隼と出会って変わっていく。特に隼は佐古さんのようであり、そしてまるで私のようでもあった。見ていて痛々しく、だが愛着も湧くような、そんな存在だった。欠陥があるから、と否定的になる隼の姿を見て、佐古さんが勢いよく話しだすシーンはとても良かった。「隼はばかじゃないよ」の言葉でじんと熱くなる。 先生と紅茶を飲んだり、皆で七輪を囲んで美味しいものを食べたり、その空間がとても優しくてあたたかくて心地よい読書体験だった。

    1
    投稿日: 2024.04.09
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    2024.1.9 “色弱だから色のことはわからない。ばかだから考えられない。早産だったから半人前だ。それはそうかもしれない。だけど、誰もが偏っているじゃないか。ばかだから、早産だったから、見える景色や聞こえる音もあるんじゃないか。いつまでも聞こえないふりをして耳を塞いでいちゃつまらない。”

    1
    投稿日: 2024.01.28
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    はじめは独特な主人公が少し苦手で読み続けるか悩んだけど、友人からの勧めだったのでとにかく読んでみることに。 結果、言葉や瞬間をひとつひとつ大事にする主人公から沢山考えさせられた。人間なんとなく生きてる。今は情報が溢れすぎているし自分のこと、自分の周りのことをゆっくり吟味する暇なんてない社会になってるけど、主人公みたいに噛み締めて歩みたい。今はわからないことでも、きっとこの先、今の瞬間の意味を見出せるはずだから。

    0
    投稿日: 2024.01.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ふしあわせではないからといって、しあわせなわけではない、と思う。 認知症の話を読むのは少ししんどかった。

    0
    投稿日: 2023.11.23
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    人と関わる喜びからも悲しみからも距離をおいていた主人公が少しずつ枠をはみ出していく物語。主人公のモヤモヤした気持ちがきめ細やかに言語化されていてすごかった。一方で、あえてモヤモヤのまま残されている部分もあって面白かった。 人と関わる喜びも悲しみも、全部受け入れる覚悟を持とう。身の回りの人たちにちゃんと焦点を合わせて生かなければと思えた1冊。

    1
    投稿日: 2023.08.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    評価がわかれてる!私はすごく好き。 宮下さんの使う言葉、生み出す雰囲気、どこにでもいそうな登場人物、、、そういったものが温かく紡がれている。 先生の認知症は少しずつ、でもハッキリと進んでいて、それを認めたくない気持ちと、支えたい気持ち。佐古と隼の心理描写には、リアルなものがあると思う。 宮下さんの作品は時間の流れをゆっくり感じさせてくれる。とってもすてき。

    17
    投稿日: 2023.07.25
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    『羊と鋼の森』や『メロディ・フェア』のように仕事と向き合い先達のお仕事哲学に触れながら成長していく作品なのだけれど、読了後に抱く印象は大きく異なる。 本作は他者との距離を掴みかねている主人公が、「先生」宅の人々との交わりの中で、感情の発露を伴うやりとりの”仕方”を学んでいく、という筋がある。 額装というお仕事、つまりフレーム作りが、自分と他人の適当な距離感を測るための境界だったり、自分と他人の色彩など美的感覚が交差する場の比喩としても機能しているように感じる。

    2
    投稿日: 2023.05.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    未熟児として生まれ、そのせいで何かが足りないと思い生きてきた19歳の主人公。人が放つ声は語尾が濁るせいで意味を聞き取れず、人とうまく交流できない。そんな中、ヘルパーの仕事で訪れたある家では、言葉がちゃんと聞き取ることができる。そしてそこで出会う額装という仕事。足りないと思っていた自分の中には、測ることができない様々な感情があって、そこに少しずつ気づいていく。ちょっとしたきっかけで、今までなんとなしに眺めていた窓が、色んなものごとを切り取る枠である事に気づく。丁寧な心象の紡ぎ方が印象的な作品。

    1
    投稿日: 2022.08.14
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    最初は「こんなに共感できない主人公はいない」だった。 欠陥した人間が部品を取り戻し世界を捉え直すような物語 途中、「先生」とのやりとりや変化があったところから面白くなってきて、これでもかってぐらい心情描写が膨らんで加速していく。 この人は主人公よりサブの描き方が上手だと思う。 それと手仕事をする人の様子と仕事に対する考え方・哲学が面白い。

    0
    投稿日: 2022.07.14
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    小さな世界で大きな出来事は起きないけれども主人公は1つ1つに何故だろうと自分の答えを見つけていき、今まで何かが足りないと思っていた自分を、居場所を見つけていく。 小さな世界、繰り返される平凡な日常にあるからこそ1つの事について深く考えたり感じる事が出来少しずつ足元が固まっていく。 他の人には当たり前でも主人公には今までには自分とは関係の無い、手に入らないと思っていた事が周囲の人が彼女を受け入れてくれた事で彼女自身で考え選ぶ機会がもてるようになる。 ハッピーエンドというわけではないけれども彼女ならこの先も彼女のペースで生きていける幸せを祈りたくなるような作品でした。

    12
    投稿日: 2022.07.13
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    「羊と鋼の森」があまりにも良くって、勢いで別の作品を読んだのですが、相性が合わず、じゃあ音楽モノならばと本作を読みました。 やっぱり「羊と鋼」は特別なんですかね。話がこじんまりしているんですよね。次回作に期待します。

    0
    投稿日: 2022.06.17
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    ガーシュインの「サマータイム」が出てくる こんな歌詞だったのね 佐古が心地いい居場所を見つけ、何も否定されない人間関係の中で自分を認めるようになってくる 独特な世界観

    0
    投稿日: 2022.06.16
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    人とは違う感性の中で悩みながら生きてきた主人公が額装を通して自己や家族、周囲と関わりながら生きていく話。誰もが人とは違う感性を持っているからこそ素晴らしいんだなと感じた

    0
    投稿日: 2022.04.07
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    ななんということもない毎日が 宮下奈津さんの手に掛かると なぜこんなにも温かくじわっとくるのだろう。

    2
    投稿日: 2022.03.18
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    未熟児で生まれた20%前後に発達障害があるという。そんな“私”が出会った先生、あの人、隼たちとのかかわりによって様々なことに気づいていく物語。読後、サマータイムの歌詞が深く胸に刻まれる。私も毎日おかえりと応えてくれる声を願っている...。

    10
    投稿日: 2022.02.15
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    ふわふわしてる掴みどころのないような主人公。 でも周りの人達との関わりで次第に芯が見えてくる。 そんな話だった。

    0
    投稿日: 2022.01.30
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    額装、っていう仕事を通して、 思い出、瞬間、気持ち、に目を向ける、切り取る、っていう行為が繰り返し描かれてて素敵だなぁとおもった しあわせな景色を切り取る。 こういう、専門的な職人さんを描くのは宮下奈都さんらしい気もする 描写が丁寧で、短編とはまたちがった良さ☺️ 耳が聞こえにくいとか、未熟児とか、ばかとか、 人付き合いが難しいとか、 そういう賢さと、感じとる、っていう意味での賢さはやっぱり別だよなぁとおもう ガーシュウィンっていうのはサマータイムの歌のことだったよ

    0
    投稿日: 2022.01.23
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    とても好きな作品でした。 主人公が自分のことも周りのことも見えるまま、聞こえるまま受け取り、それ以上にもそれ以下にも膨らませない感覚が好ましかった。 独自の目線を持っており、感情を食べ物に置き換えたり、加減乗除の法則など出来事と感情を結びつける事がとても上手だなぁと感じた。 感覚が敏感だからこそ、言葉の裏は読み取れなくてもピリつく空気を感じ取ったり、言葉の音に美しさを感じ取ったり、繊細な部分で芸術的センスの持ち主なのだろう。 一つ物足りなかったのが、先生やあの人が主人公のどの部分を見て(聞いて)気に入ったのか、芸術的センスに気付いたのかを詳しく知りたかった。 出会ってすぐに気に入られていた様子だったので……。

    1
    投稿日: 2021.12.22
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    未熟児なのに保育器にも入れられずに成長が遅れてしまった為に19歳で中学生の様な女の子の佐古さんは、周囲にうまく馴染めず、欠落感を抱えたまま生きて来た。そんな佐古さんがヘルパーとして勤めることになった額装屋でその独特で不思議な感性を見出され、生き場所を見つけて行く。 どことなく小川洋子さんを思わせる、でも全く独自の静かで美しい世界。 結局なんだったんだ?と考えれば、一言で表せるような結論など無く、ただ、「好き」とか「嫌い」と言ったド直球では無くて、曲がったり、落ちたり、突然浮かび上がったり、予測不能の変化をしながら進んで行く登場人物たちの感情の動きが妙に楽しくて。 弾ける様な感動では無く、ただ胸の中に静かに沈み、降り積もって行くものが有ります。 良い話ですね。

    0
    投稿日: 2021.10.30
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    足りないもの、芽生えていくもの。失っていくもの、積み重ねていくもの。たおやかな言葉の紡ぎが印象深い。 拭えきれない挿絵の違和感は、解説に書かれた画家さんの想いと知る。 作中に出てくる『額装』ということばに引きずられ、挿絵に目が行き過ぎた感も否めず。 暫くあたためから再読したい。

    0
    投稿日: 2021.05.15
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    額装屋に通う不器用な女の子の話。 静かなお話だった。この本を読んだあと夢にレコードプレーヤーが出てきて、欲しくなった。レコード持ってないのに。

    0
    投稿日: 2021.01.15
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    主人公の性格が本当に好き。 彼女自身におごりが全くないから、冷静に物事を見ることができている。 その俯瞰してみる見方が実に見事。 起こること、出会うひとをよく分析していると思う。 「私には意味がないよ。価値もないかもしれない。だけど、私が額装を手伝うことには意味があるし、価値もあるよ」 と佐古が言うところに、彼女の成長と清々しさを感じた。

    0
    投稿日: 2020.08.06
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    とても良かったな。 博士の〜を思い出した。 この作者の作品をどんどん読んでみたいと思った。 良かった! エラ・フィッツジェラルドのサマータイム、必ず聴いてみよう。

    0
    投稿日: 2020.08.02
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    出会えて良かったと思える本。私が絵を描いているというのもあって、「額装」を中心に主人公が少しずつ変化していく描写が繊細で、少し寂しくて、それでも少しあたたかくなった。個人的にですが、先生の描写を読んでいると、自分の祖母に重ねられて、また、自分の親もそうなっていくのかなと、そんな気持ちが湧き上がってきた。同時に、今の時間ひとつひとつを大切にしようと思えた。 何度も読みたいです。

    0
    投稿日: 2020.05.09
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    いつも宮下奈都の本を読むと 悲しいような、あったかいような空気感に包まれる 別にストーリーを必要としているのではない。 ただ大切なことがあるということを教えてくれる。 未熟児として足りないままに生まれてきた。 それでもいい。 それも個性として受け止めていく 足りないからこそ、優しい気持ちを持っている 他の人のことをすべて個性として受けとめる。 なかなか現代においては そんな気持ちにならない。 どの作品を読んでも優しい気持ちになるのは作家の個性なんだろうね。

    15
    投稿日: 2020.04.08
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    いろいろなことを気づかないうちに諦めてきた主人公。 あるがままの自分を受け入れてくれる場所を見つけることが出来て、初めて幸せを感じる。 ひとは暖かく包まれて、安心出来て初めて、次の一歩を踏み出す勇気が生まれる。 今を生きること、自分の想いを伝えること…大切なことに気づき、彼女は少しずつ変わっていく。 もしかしたら自分の心の中でも、小さな気づきや変化が起こっているのかもしれない。 それを見逃さずに生きていきたい。 主人公が好きだという言葉の響きが、私も好きだ。 大きな事件は起こらないが、なにかキラキラしたものを見つけたような読後感。 自分がぐーんと大きくなったような、ちょっと得した気分だ。

    1
    投稿日: 2020.03.29
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    殊更ドラマチックな展開は無いものの、不器用なりに人の優しさに触れて変化していくさまが心地よいお話でした。特筆すべきは今まで見たことのないような表現「身震いがするほどんーんーだ」に妙な共感さえ覚えました。

    0
    投稿日: 2020.03.15
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    2019.12再読。 2年前に読んだときには、家族を亡くした年で心が死んでいたのか、手放し候補にしていたのだが、あらためて読み直すとあちこちに小さな同意と感動がある話だった。 もう少し先が知りたいくらいで終わったのが残念。

    0
    投稿日: 2019.12.28
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    優しい中にあるモヤっとした気持ち、うまく表出できない気持ちがたくさん練り込まれて、たくさん不器用な愛情込めてこねられてこんがり焼きあがったパンみたいな話。素朴だけどふわっと優しい気持ちに包まれる。 うまく言えないこと、生きてるとたくさん抱え込んじゃうけど、嫌なことから時には逃げたっていいし、いつも上手に生きられなくてもいい。って思える。

    1
    投稿日: 2019.12.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    宮下奈都の過去作をフォローしている中で読んだ1冊。 主人公は経済力も知性もない両親から生まれたせいで、未熟児なのに保育器にも入れられず小さく育った19歳の少女。父は家を出てしまい不在、母は家庭を顧みず水商売…。という説明では、不幸話が予想されるのだが、不幸話ではない。 彼女が介護ヘルパーとして訪れた家庭で、彼女の人生が好転する家族と出会う。 知性と教養溢れていただろうに、認知症が進行している「先生」、 幸せの景色を切り取る生業の額装屋「犯人」、 かつてはすさみ荒れていたが、今は先生の生き方にそっと寄り添う男子「隼」。 書かれている文章も風景もとても静か。主人公が感じる光景はとても繊細でナイーブ。大きな波風を立ててしまえば台無しになりそうな日常風景の描写の中で、主人公は少しずつ心をほどき、自分の価値を見出していく。 彼女の成長譚の美しいこと、描写が特殊なので世界に入り込むのに苦労する(大騒ぎしたり、思いっきり運動した後とかに読むとナカナカ世界に戻りづらい)が、文章に気持ちをゆだねると、こちらの心もほどけてきて、あったかくなるような眠たくなるような、ゆったりとした時間が流れ出す。 これもまた、宮下マジック。素晴らしい! ひょっこりかえって来た父が作るもやしラーメン、これが美味そうで、思わず作りたくなった。今度娘と食おうと思った。

    1
    投稿日: 2019.06.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    周囲にうまく馴染めず、欠落感を抱えたまま十九年間を過ごしてきた私は、ヘルパーとして訪れた横江先生の家で、思い出の品に額をつける“額装家”の男性と出会う。他人と交わらずひっそりと生きてきた私だったが、「しあわせな景色を切り取る」という彼の言葉に惹かれて、額装の仕事を手伝うようになりー。不器用で素直な女の子が人の温かさに触れ、心を溶かされてゆく成長ものがたり。 自分はふつうになるには何か足りないと思っていて、ずっと周りに馴染めずにいた主人公が、額装や「先生」に出会って自分の居場所を見つけるまでのおはなし。 自分の考えていることをうまく説明できなくて、場違いな言葉でごまかしたりするところはすごく頷ける。 劇的な何かは起こらないし、主人公はずっと淡々としている。そうして緩やかに変わっていく。安心して読める。

    0
    投稿日: 2019.03.26
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    宮下奈都 著「窓の向こうのガーシュウィン」、2012.5刊行、2015.5文庫化。私には今一つわかりにくい作品でした。

    0
    投稿日: 2018.10.16
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    ご本人(著者)によると売れなかった本とのことだけど(「はじめからその話をすればよかった」による。)、好きです。完全にタイトルから入った。ので、思ったのとは違った。

    0
    投稿日: 2018.09.25
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    宮下さんの本を読むと,なんだろう。切なさくなって,そのあとにホッとする。 こころを撫でられたような気持になる。

    0
    投稿日: 2018.08.15
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    人とは違った不思議な感性を持つ主人公の一人称がとても魅力的。それを様々なものに例えて語られるのだが、その多彩な道具が非常に面白く楽しめた。そのなかで成長していく姿も良い。好きな作品。

    0
    投稿日: 2018.06.14
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    「ラプソディー・イン・ブルー」が有名なガーシュインが題名にあるので、どんなお話だろうと思って手に取ってみた。主人公が口ずさむのは「サマータイム」それは悲しい曲らしい。  お父さんはお金持ち、お母さんは美人  だからさ、よしよし、泣くんじゃないよ いつもながら、その語り口から独特の優しい世界に引き込まれていく。私が過ごしている日常とは違う、ゆったりと静かに時間が流れている世界。

    0
    投稿日: 2018.01.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    生まれた時の出来事をきっかけに、劣等感を抱えながら生きる主人公が次第に心の持ちようを変え、成長していく話。 主人公の佐古さんが、感情を何か他の言葉で置き換えることがあるのだが、その表現が独特で可愛らしくて的確で面白い。 また、文体が、なんというか静謐で、読んでいて落ち着く。 宮下奈都さんの小説は「羊と鋼の森」から始まり、これで5作目。どの作品も印象に残る言葉が多く、ふとした時に救われる事も多い。本作も例外ではない。 「あなたが見たものと、俺が見えたものもたぶん違う。違って当たり前だよ、これまで見てきたものが違うんだから」 「人と同じようには見えたり聞こえたりしないかもしれないけど、私には私なりの見え方があって、聞こえ方があって、私にとってのいちばんきれいなものを探している。」 「私の目で見て、私の耳に聞こえたものを信じよう。」 他の人と違う部分があるからこそ、見え方も聞こえ方も違う。物差しも違う。だから、自分がどう感じたか、どこへ行きたいか、どうしたいかを無闇に否定する必要も勿論ない。 この本を読んだ他の人がどう感じたかはわからないけど、自分はこんな風に感じ、そして勇気付けられました。

    0
    投稿日: 2018.01.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自分には何かが足りない、といつも思っていた佐古さん。 人と巧く関わることも出来ずいつもぼんやりしていた。 でもそれは彼女なりの速度。確かに行動や理解する速さは人よりゆっくりかもしれないけれど、その分時間をかけて丁寧に真面目にしているだけ。 そんな彼女が一つの出逢いにより、自分を閉じ込めている囲いから外へ一歩踏み出す。 今まで何一つ掴めなかった彼女の手は、今度こそ力強く確実に掴んでいく。 最後に彼女が窓の向こうから見た景色が温かで安らぎのある幸せに包まれたもので良かった。 「今日はとってもあんころ」「気持ちがぷくぷくと浮かび上がる」彼女のうきうき感が伝わってくる宮下さんの表現がとても好き。 ふわふわした可愛くて優しい物語。 読んでいて何度か泣きそうになった。 植田真さんの挿し絵も物語にピッタリでとても可愛い。

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    投稿日: 2017.11.25
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    欠落感を抱えたまま生きてきた主人公。だが、ヘルパーとして訪れた家の人々と関わっていくうちに、自分の中にある様々な感情に気付いていく。次第に、自分自身を認めることができるようになっていく。「いいんだよ、本当のことを言えばいいんだ。」「違って当たり前だよ。これまで見てきたものが違うんだから。」「持ってる物差しはひとつひとつ違う。」本当は当たり前のことかもしれないけれど、世の中の様々なものに揉まれていくうちに忘れてしまうこと。周りからどう言われようと、最後まで自分だけは自分のことを信じていきたい。

    0
    投稿日: 2017.06.02
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    優しい空気感のなかで進むストーリー。 普通のカテゴリーの、ギリギリ端っこの人たちの、優しい優しい物語です。 みんな愛されているんだなぁ。 それぞれのペースでいいんだなぁ。 時にクスッと笑ってしまうエピソードがまた秀逸。 鋼と羊の森 で初めて宮下奈都さんの作品を読みましたが、穏やかな文章を書かれる方なのだと感じました。 ジェットコースターみたいな展開はないけど、満足度高いです。オススメ。

    4
    投稿日: 2017.05.28
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    この人の文章は静か。 今回も特別なことは起こらない。 でも、良かった。せこさんに合う仕事があって、よかった。先生もよかった。少しずつぼけてしまうけど。

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    投稿日: 2017.03.17
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    初めて宮下さんの作品を読んだ。 そういえば、今、FMからガーシュウィンが聞こえてくる。 未熟児として生まれ、うまくケアされなくて、「何か足りない」と言われ続ける主人公の佐古さん。 ヘルパーとして働く中で、横江先生やその息子の額装家、さらにその息子の隼とかかわりを深めていく。 この人たちに受けられているという感覚を得て、佐古さんの心がほどけていく。 これがとても素敵だ。 佐古さんは、時々、人のことばが聞こえなくなる。 言葉の響きに、耳を傾けている。 でも、普通の人がそこに読み取る意味を読み取っていないこともあるようだ。 今あるもの、こと、気持ちの一回性に気持ちが向かっているようだ。 簡単に、言葉でタグ付けして、分かった気になっている自分と、なんと違うことだろう。 世界と自分を、独特な結び付け方をしているのだ。 こういう世界があるということを、全く想像もしなかった。 すごい作品だと思う。

    0
    投稿日: 2017.02.28
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    未熟児として産まれた女の子。親の無知さ故保育器にも入れてもらえなかったことから自分には何かが足りないと言う思いにとらわれて育つ。 足りなくないのに。 ゆっくりと。時間はかかるかもしれない。でも確実に成長している。 ごめん ありがとう ただいま 願いを込めて。

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    投稿日: 2017.02.16
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    宮下奈都さんの本が良かったので少し前のこの本を借りてくる。 未熟児で生まれ保育器に入れてもらえなかった欠落感を持った女の子が変わっていく様子を温かく見守る気持ちになれる。 中身はさておき、ガーシュウィンって何なのか知らなかったのだが、ジョージ・ガーシュウィンというアメリカの作曲家でサマータイムなどが代表曲らしい。 本を読み終わった後に、本の中で何度も出てくる「夏が来て暮らしが楽、魚が跳ね綿花は高く背を伸ばす♪」という歌詞を聞きたくてサマータイム、しかも本と同じエラ・フィッツジェラルドの曲を聴いてみる。 やはり、あのサマータイムだった。夏の夕暮れを思い出すこの曲の歌詞がこれまでとは違った光景を浮かび上がらせてくれる。 Summertime and the livin' is easy Fish are jumpin' and the cotton is high 物悲しくて、どこまでも優しい子守歌が、これまでとは違って聴けるようになる。

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    投稿日: 2017.01.26
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    何かが足らない欠落感という枠に自身を閉じ込めていた佐古さん。後ろを向く理由や下を向く言い訳にしながら、自己に正直であろうとする無意識の真摯さも感じて嫌いになれない。 認めてくれる人や仕事、自分の居場所に出会って最後は枠から自由になれたんだな。 彼女も彼女を取り巻く人たちも日常の陰りを抱えている人生だけれど、それでもほんのりと胸が温もるのは誰も誰かを否定していないからなんだろう。 我が子も早産だったから、未熟児を「保育器には入れません」って選択が親にあって、それがまかり通る設定は驚きと同時に違和感があった。

    0
    投稿日: 2016.11.03
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    家族小説であり職業小説であり、青春小説でもある。 そして何より不器用な一人の女の子の、成長小説。 未熟児として産まれ、周囲にうまく馴染めず欠落感を抱えたまま生きてきた19歳の“私”は、ホームヘルパーの仕事で訪れた“先生”の家で、思い出の絵や写真に額をつける額装という仕事に出逢う。 他人と多くは関わらず生きてきた“私”だったが、額装家の“あの人”に言われた「しあわせな風景を切り取る」という言葉に惹かれ、額装の仕事を手伝うようになる。 “私”こと佐古さんは、たぶん少し風変わりで、本人が意識しないままに周りとはずれているところがあり、なかなか馴染むことが出来ない学生時代を過ごしたことが彼女に深い影を落としている。 イコール普通ならばあまり持ち得ない感覚の持ち主ということだからそれは才能でもあるのだけど、残念ながらそれを才能として受け止めてもらえないのは世の常だったりする。 そういう子は苦しいことの方が多く、才能を才能と認められなければ、往々にして自分を閉ざしてしまう。 佐古さんはそれでも基本的には前向きで素直で、生きていくため・食べていくために始めたヘルパーの仕事がきっかけで、運命の仕事と一組の家族に出逢うことになる。 佐古さんの家庭の少し複雑な事情も彼女に影響を与えているものの、自分に自信がついていくごとに家族との関係や家族に対して思うことも少しずつ変化していく。 一歩一歩のあゆみ、少しずつの成長、ひとつずつ積み重ねていく気づき。人生が劇的に変化することはなかなかないけれど、そういう小さな糧の重なりが人間にとっていかに大事かということが、静かに描かれていると思う。 宮下奈都さんの小説は初めて読んだけれど、こういう作風の作家さんの小説には、どの作品にも似たような空気があるような気がする。優しさというか、人を包み込む感じというか。 “先生”一家の面々のキャラクターもそれぞれ違った優しさがあって、他人を小さなものさしで計ったり、穿った見方をしないところは共通点なのかも。 派手ではないけれど、読む人にとってはとても大切な一冊になりそうな物語。未来に対する余韻が残るような。

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    投稿日: 2016.10.20
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    「スコーレNo4」もそうでしたが、こちらも自分に自信がない女性が成長していくお話し。 ありがとう。ごめんなさい。きちんと言えるのは大切ですね。

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    投稿日: 2016.08.28
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    未熟児として生まれ、子供の頃から周囲に馴染めずに「何かが欠落」していると自覚する19歳の左古さん。ヘルパー先で額装の仕事に出会い手伝うようになる。 完璧な人間などいない。額装の仕事が「しあわせな景色を切り取る」のであれば、人の個性も出会いや環境で作られていき、自身の考え方や行動で磨かれていくのでは。

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    投稿日: 2016.07.10
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    久々に小説。どんどん読み進めた。 こういう特に大きな事件の無いある日常の一部を丁寧に描いた作品、10年前だったら退屈で読めなかった。 今はある部分が自分に引っかかったり重なったりしてズキッとチクッとジーンと来る。 歳とったのかな。

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    投稿日: 2016.06.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・「三角定規はあんまり好きじゃないな」 あのときの黒い爪を思い出して正直な感想をいうと、 「いいよ、どんな物差しでも」 隼は笑った。 「持ってる物差しはひとつひとつ違うはずなのに、そうじゃないことになってるよな。矯正されるよな。俺、保育園の頃から、みんながお遊戯しているときにひとりで砂場で穴掘ってるガキだった。穴掘ってたかったんだよ。でも、先生に叱られると、しかなたなくお遊戯に加わるわけだ。根性なかったからな」 「根性なら私もないよ」 いや、と隼が首を振る。 「あんたは根性いらなかったんじゃないか。物差しを当てようともしなかったんだと思うよ。何かを基準で測ったりしない。そのまま受けとめるだけだ。だからたぶん、ずっと穴を掘っていられたんだ」 ・先生の寝顔を見ていたら、きゅるきゅるっと時間が巻き戻されたような錯覚が起こった。おじいさんになる前の先生。あの人と同じ年恰好の先生。黒い髪がふさふさした青年だった頃の先生。賢そうな学生時代。野球帽をかぶった小学生。おかっぱ頭の保育園児。立ち上がって歩きだした頃。おくるみに包まれて泣いている赤ん坊。その赤ん坊がどんな人生を送ってきたのかよくは知らない。いいときも、そうでないときもあって、笑ったり怒ったりしながらそれを乗り越えてきたのだろう。赤ん坊は79年をかけて先生になった。 ・「あの、どこを訪ねればいいのでしょう」 ほんとうは、聞かなくてもわかっている。この家だ。先生と、あの人と、ときどき隼がいる、この家を訪ねればいい。 「どこへでも、あなたの行きたいところを訪ねるんですよ」 なんだか謎かけみたいだ。先生は私の目をしっかりと見つめた。 「あなたは若い。絵や写真を見て、感じることはさまざまでしょう。あるいはなにも想像できないときもあるかもしれない。それは、よくもわるくも、あなたが感じ、あなたが想像するからです。訊ねていけば、相手も応えてくれるはずです。そこに誰が待っているのか、何が変わるのか、確かめてみるのはおもしろいことだと思いますよ」

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    投稿日: 2016.06.10
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    未熟児で生まれた佐古さん。 若くて(多分)無知だった両親は、生まれた赤ん坊を保育器に入れることを拒否した。 子供っぽい父親と、少しだらしのない母親。 保育器に入れてもらっていたら、もう少し人並になったのかなあ… 佐古さんは、少し、そう思わないでもない。 少し、世間に引け目を感じるというか、自分の世界、サークルは、他の人よりずっと狭くてちっぽけだ、と感じている。 保育器に入らなかった佐古さんが、ゆっくりと自分の力で成長して、人とは違った『きれいなもの』を見分ける蝶になる。 いや、自分の力だけではないかな。 偶然が導いて出会った、額装師の家の人たちとの関わりの中で。 人とは違った感覚の、佐古さんの考え方が面白い。 夏は絹か! う~ん、やられた。 もう、この先、ドラムの、あの、シンバルを横にしたやつの音が「チャンスー、チャンスー」としか聞こえないかもしれない。 困った困った。 佐古さんは、さらしてない木綿のようなイメージがあるのだけれど、このまま目の前に開けた世界の中で成長を続けたら、何かに染まってその素直さをなくしてしまわないだろうか…? ちょっと、読み終えた先を、行く末を心配したりもするのである。 挿絵を担当された植田真さんの解説も良い。 一枚一枚の挿絵を、どのような思いで制作されたか、宮下さんのお話をどういうふうに読まれたか、文章にも絵にも愛情を持って向き合っておられる。

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    投稿日: 2016.05.28
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    未熟児で生まれた女の子は、自分には何かが欠けてると思いを抱え、周囲に馴染めずに生きてきた。 ヘルパーとなった彼女が派遣された横江家との出会い。そして「額装」との出会い。 ピュアで、世間を知らない女の子が、人の心や感情に触れ、自分の心が揺れ、とけていく成長ものがたり。 感情移入がしずらく、女の子と一緒に成長できず、宮下作品ではちょっと低めの☆3つ。

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    投稿日: 2016.05.06
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    普通より「少し足りない」と感じている主人公が、ゆっくりとした時間と柔らかな空気の中で大切なものを見つめてちゃんと自分と向き合って生きていけることに気づく物語、という印象を受けた。読んでいて、自分の居場所を見つけるのはゆっくりでいいんだよ、でも自分を他人事のように扱ってはいけないよ、と優しく諭されている気がした。普通とズレていることに悩むことは誰しもあると思う。 でもそもそも「普通」を定義づけること自体がナンセンスであるように感じる。人には色々な考え方があってその分軋轢が生じるのも当たり前だし、ちゃんと気持ちを伝えれば関係が上手くいくこともある。 優しい雰囲気ではあるものの、現実的な辛さや苦味も盛り込まれていて夢の中を漂うような表現と相まって好きな作風だった。布団にくるまって、休日の朝の光を浴びながら読みたい一冊。

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    投稿日: 2016.04.26
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    最後のベージをめくって、解説という字を見た時、解説されたくないなぁと珍しく感じた。 読み進めて、 もっと文章の中に答えを期待をしているような、 もっと自分の気持ち、感想が確固たるものになることを期待しているような。 ふわっと最後のページになった。 面白くて読み進めるのが止まらなくて読んじゃうのが寂しいって気持ちにはならなかったが、読み終えられて良かった。

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    投稿日: 2016.04.24
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    ヒロインは未熟児で生まれ、両親が保育器に入れることを拒否したために、自分には何かが少し足りないと思って生きている。読み始めて、作品中に流れる穏やかで優しい空気が『博士の愛した数式』と少し似ているなと感じた。主人公はヘルパーとして「先生」の家に通うようになり、それが生活を緩やかに変えていくきっかけになる。「先生」と「あの人」「隼」との交流を通じて、足りないものに気付き、成長していく姿が自然で、ふわふわと漂っているかのような文章の中に時折はっとさせられるような言葉もあって、私にも気付かされることが多かった。

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    投稿日: 2016.04.22
  • 成長の物語

     自分に自信がもてずに育った少女が,ヘルバーの仕事をきっかけにして人とふれあいながら成長する(?)物語。 あまりにもたんたんとしてドラマチックな要素はありません。この作家さんの作品をまとめて読んでいるところですが,これはちょっと持ち味が活かせてないかなぁ。

    1
    投稿日: 2016.04.10
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    発育が悪く、人の話を一緒懸命聞いても理解できず馬鹿にされ続けて生きてきた小さな女の子は19歳になった。ヘルパーの仕事に就くが、要領が悪くてすぐにクビになってしまう。そんな中で一軒だけは彼女の個性を受け入れてくれた家があった。痴呆が始まっているが聡明で優しい元教師。額装の仕事をしている息子。女の子は額装の仕事を手伝うようになり初めて必要とされる喜びを知る。 人の言葉がよく理解できない彼女が大事に言葉を捕まえようとする姿が愛おしく思われてしんみりします。額は額の中の為でもあり、額の外の為でもある。中に飾るものは過去だけれど、外側にいる我々は今を生きているのでありました。

    1
    投稿日: 2016.03.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ゆったりと時間をかけて読んだ。それは、この物語がゆるりとしていて、心地好かったからだ。登場する皆が何か足りなくて、その足りなさが、人間関係をまろやかにしていて味わい深いものにしている気がした。 段々と老いて死に向かっている先生を見守る人々の存在は、とても大きく、また、その人々にとっても先生の存在は大きい。てを差し伸べることは簡単だが、手を貸さず、見守ることは、愛情がなくてはできないと思った。 先生は死を感じながらも幸せに生きていると感じた。 ひとつひとつの会話に大切なことが吹き込まれていて、だけど、押し付けがましくなくて、素直になれる物語でした。

    0
    投稿日: 2015.10.30
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    この作家さんは、何一つ特別なことが起こらない、ふつうの日常の中で、地に足をつけて一歩ずつ確実に生きていく姿を描くのが上手いなあと思う。今回は、そこに、少し変わった要素が加わって、ぼんやりで、曖昧で、未熟で、ぼやけている日常が、額装という仕事に出会ったことで、一歩ずつクリアになっていく。地に足をつけていく生き方、だけど厳しいわけじゃなくて、とても優しく暖かくて、読んでいて心地が良かったです。ぼんやりとしたぼやけた部分はちょこっとわかりにくくもあったけれど...。 他の作品も読んでみたい。

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    投稿日: 2015.05.27