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天国でまた会おう 下
天国でまた会おう 下
ピエール ルメートル、平岡 敦/早川書房
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総合評価

70件)
3.5
7
22
25
4
1
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    このレビューはネタバレを含みます。

    この作品は、ミステリではなく、第一次世界大戦を舞台にした文学作品なのですが、 ミステリの時と同様に、あっち行ってこっち行って、こうなったかと思ったら、そうなって と、最後まで全く着地してくれないのは一緒です。 ストーリーをけん引していくのは アルベール・マイヤール エドゥアール・ペリクール アンリ・ドルネー・プラデル の3人 戦争の愚かさが、この3人を通して描かれている。 戦争に英雄なんて必要ないんじゃないの? だって、人殺しよ? 大義名分はどうあれ、殺人でしょ? そして、そのせいで、多くの人が巻き込まれ、人生を狂わされる。 この3人も、その戦争というもののせいで、運命を狂わされた。 良くも悪くも。 戦争で、功績をあげ、没落貴族の名をあげようとした プラデル。 そうして深みにはまっていく。悪の権化である。 その企みに気づいてしまった為に、プラデルに殺されそうになったアルベール。 いや。実際に、一度は死んだのだ。 たまたま居合わせてしまった為に、人生が一番大きく狂ってしまったと思われるエドゥアール。 幸運体質だった為に、命は助かり、また、アルベールを助ける事もできたが、そのせいで、大きなハンデを背負うことになってしまった。 アルベールとエドゥアールの奇妙な依存関係。 せっかく助かった二人なのに、 せっかく戦争が終わったのに、 救われない二人。 エドゥアールの為と思って行ったことで、逆に責任を感じ、二人が生きて行く為もがきつづけるアルベール。 自分の為に、頑張ってくれているのは重々理解しながらも、こうなってしまった事の責任をアルベールに転嫁し、虚構の世界に逃げ込むエドゥアール。 それでも、二人は細々と、なんとか生きていた。 上巻は、突然現れるプラデルの恐怖におびえながらも、必死で世間から隠れながら、細々と暮らす二人の生活が描かれている。 そして、下巻では、場面が転換。 プラデルが、エドゥアールの姉と結婚していた。 アルベールはそれを知るが、エドゥアールには話せない。 エドゥアールは、下宿の娘と心を通わせ、ある事を思いついてから、生き生きとしはじめる。 それは、道徳的には間違った事だが、彼は彼なりに、戦争に対して復讐をしようとしていたのだ。そして、なにより、アルベールに、今までさせてきた苦労をなくしてやりたいと思ったんだと思う。 ここからも、先が全く読めない、どう転ぶかは、終わってみるまでわからない。 アルベールの心情と共に、ハラハラしながら物語が進む。 ただ、その中で、「プラデルに復讐を!」とか思ってしまったよ。 そこは、勧善懲悪を望む。 プラデルには、自分がやったことの責任をきっちりとっていただきたい。 美味しい汁ばかりは吸わせてやりたくない。 二人が苦しんだのと同様、いや、それ以上に、プラデルにとっては、屈辱でしかないであろう結末を希望してしまうワタシは嫌なヤツなんだろうか・・・・ いや、そうみんなに思われても仕方ないような事をプラデルはしてきたと思うよ!!!!! その3人の周りで、 アルベールのおかんと元恋人、そして新しい恋人や、エドゥアールのおとんと姉さん、 下宿のおかみさんと娘、監査の役人、銀行の仲間、 などなどの生き方考え方も織り交ざり、複雑に絡みあう。 結末は なんと表現したらいいのだろう。 ある意味、勧善懲悪である。してやったりの大団円。ざまぁみろプラデル! ある意味、悲しみに浸る。エドゥアールは、最初から、そうしようと思っていたのかなと思わされる。彼の能力があれば、最初からそれを作る事は出来ただろうし、それをかぶって実家に乗り込む事もできただろうから。これは、彼なりのサプライズ。人を驚かせる事が好きだったから。 そして、彼なりの自己完結。そうすることによって、自分の苦しみから開放される。アルベールを自分から開放する。父と姉に別れを告げたのだと、私は感じた。 そして、ある意味、今後の不安と期待。 植民地に逃げたアルベール。彼はこの先、大丈夫なんだろうか? エドゥアールがいなくなり、たぶん、駅にこなかった時点で、アルベールも、エドゥアールの思いを感じ、行動を感じ、彼が死んだ事に気づいたんだと思う。 だけどきっと、ポリーヌが一緒だから、これからのアルベールは大丈夫だと信じたい。 ルメートルという人は、本当に、暗い話の中に、光を残すのがうまいと思わされた。 色んな作品の感想で繰り返し言ってる気がするけど、また言う。 戦争反対! 絶対反対!

    0
    投稿日: 2026.02.06
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    戦後、苦しい生活を送るアルベールに、エドゥアールは国を揺るがす詐欺の計画を提案する… 上下合わせてかなり良かった。救われた結末かどうかで言うと映画版の方に軍配が上がるが、原作も救われない物語というわけではない。映画も合わせて鑑賞することを強く勧めます。

    0
    投稿日: 2025.11.15
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    最新作の欲望の大地を読んでから本作に回帰してみたが、ルメートルの原点を見たような感じ。 その女アレックスとか死のドレス程はインパクトに欠けるものの、戦争小説として文学とエンタメ性を追求できる点では、読んでよかった。

    0
    投稿日: 2025.09.15
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    大規模な詐欺事件を企てる主人公達 戦後の社会のどうしようもなさや、それをおちょくるような詐欺の話なのでカタルシスはそこまでなく、ラストも呆気ない終わりだった

    0
    投稿日: 2025.08.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    コレ、映画化されてたんですね。映画の方も、まぁまぁ好評だったらしく。 ティーザー観てみましたが、めっちゃオサレでした。おフランスでした。 下巻は、アルベールとエドゥアールが仕掛ける詐欺の顛末です。 アルベールが弱気すぎて、読んでてどやしつけたくなるくらいでしたが、この小市民っぷりも愛すべきところなんでしょう。彼には、幸せな結末が訪れたので良かったです。ハラハラでしたが。エドゥアールは、奇しくも嫌って寄り付かなかった父親の車に飛び出してしまう、という悲劇で終わりました。父には彼と気づかれないままに。皮肉です。そんで、悪党のプラデルは、きっちり破滅してくれて爽快でした。 次作は、エドゥアールの姉、プラデルの妻であるマドレーヌが主人公だそうで。 本作の終わりの方で、父親の助けも借りてプラデルとは別れたマドレーヌ。夫と別れても、富豪の令嬢なので無問題なのですが。次も多分、読みます。

    0
    投稿日: 2024.09.27
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    ここから始まる厄災の 子供たち三部作。 己を利するためならば 他人の犠牲を厭わない 将校プラデル。 彼の犠牲となる一兵卒 のアルベールとエドゥ アール。 生埋めにされて下顎を 吹き飛ばされて、 身も心も息絶えた二人 が再び息を吹き返し、 と、まあシナリオは横 に置いておくとして、 搾取する者とされる者、 いつの世にもある憐れ な人間模様が、 心に掻き傷を残します。 でも物語の畳みかたは 好きです♡ この喧騒まだまだ続き ます。 なんてったって三部作 ですから。

    108
    投稿日: 2024.04.27
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    ミステリって感じじゃないな。どちらかといえばヒューマン系の感触。 読み終わってしばらく経っても余韻があるし、大筋も良く、その中でも新しい知識の発見が多々あり、滋養となる本でした。 いかにもフランス風といった風情がありそこが新鮮で良かった。

    0
    投稿日: 2024.04.09
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    戦後、称えられる戦没者、生きて行かねばならない帰還兵。 いつの戦争でも、勝者も敗者も、苦しみしか残らない。 上巻の前半は第一次大戦時の独仏前線での戦いが兵士目線で描かれていて、映画「プライベートライアン」のノルマンディ上陸場面のような迫力迫る描写で圧倒される。 特に主人公の一人アルベールが生き埋めとなるシーン、それに続くエドゥアールの負傷と脱出の様子は、息つく暇もないほどの迫力がある。 悪役ブラデルの戦後の描写でややスローダウンしたが、下巻、エドゥアールの仮面作りと大掛かりな詐欺計画が進み始めると、ブラデルの描写も結末へ期待をこめて大いに盛り上がっていく。 「絶望からくる狂気に翻弄されるエドゥアール」「弱虫でもその場しのぎに孤軍奮闘するアルベール」「絶対的な自信も次第に追い詰められるブラデル」。 『その女アレックス』などミステリーで有名な作者ではあるが、謎の解明がなくても魅力的な登場人物を次々と繰り出すことで、読者を飽きさせない。 第一次大戦での兵士の様子を描いた作品ではレマルク「西部戦線異状なし」が有名で、映画化もされているが、この物語もまた映画化された。 エンディングの後、エピローグで登場人物のその後が簡単に描かれていて、とても続編があるとは思えなかったのに『炎の色』『われらが痛みの鏡』へと続く。

    1
    投稿日: 2023.03.13
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    うーん、なんだかなあ 下巻早々にプラデルへの復讐を誓うマイヤールだが特別なにをするって訳でなく流されて堕ちて行きます 一方プラデルは数々の悪事が露呈して自滅していきます うーん、なんだかなあ(2回目) 最終盤はスピード感がぐっと上がって多少はハラハラさすがのルメートルという感じもみせましたが うーん、なんだかなあ(3回目) それにしても結局最後まで愛すべき人物はひとりも出てきませんでした こういう救いのない物語って苦手なんでね これで三部作ってどうすんの?って興味はちょっとあるけど続編の優先度は低いかなぁ

    29
    投稿日: 2023.02.15
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    アレックスのヴェルーヴェン警部シリーズとはまた違うテースト。訳者が違うのもあるかも。第一次世界大戦後のフランスの様子も分かる。何とも落ち着かない、異様な、物語でしたが、巻末にあったように、一種の「冒険小説」とも言えるかと思います。でも、ヴェルーヴェン警部シリーズと異なり、なかなかページが進みませんでした。

    1
    投稿日: 2022.10.12
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    「ピエール・ルメートル」の長篇作品『天国でまた会おう(原題:Au revoir la-haut)』を読みました。 『死のドレスを花婿に』に続き「ピエール・ルメートル」作品です。 -----story------------- 膨大な犠牲者を出して、大戦は終わった。 真面目な青年「アルベール」は、戦争で職も恋人も失ってしまう。 画才に恵まれた若き「エドゥアール」は顔に大怪我を負い、家族とのつながりを断つ。 戦死者は称揚するのに、生き延びた兵士たちには冷淡な世間。 支え合いながら生きる青年たちは、やがて国家を揺るがす前代未聞の詐欺を企てる! 第一次世界大戦後のフランスを舞台に、おそるべき犯罪の顛末を鮮やかに描き上げた一気読み必至の傑作長篇。 ゴンクール賞受賞作。 〈上〉 1918年11月、休戦が近いと噂される西部戦線。 上官プラデルの悪事に気づいた「アルベール」は、戦場に生き埋めにされてしまう! そのとき彼を助けに現われたのは、年下の青年「エドゥアール」だった。 しかし、「アルベール」を救った代償はあまりに大きかった。 何もかも失った若者たちを戦後のパリで待つものとは―? 『その女アレックス』の著者が書き上げた、サスペンスあふれる傑作長篇。 フランス最高の文学賞ゴンクール賞受賞。 〈下〉 第一次世界大戦直後のパリでのしあがる実業家「プラデル」は、戦没者追悼墓地の建設で儲けをたくわえていく。 一方、「アルベール」は生活のため身を粉にして働いていた。 そんな彼に「エドゥアール」が提案したのは、ある途方もない詐欺の計画だった。 国をゆるがす前代未聞のたくらみは、はたしてどこにたどりつくのか? 日本のミステリ・ランキング一位を独占した人気作家が放つ、スリルと興奮に満ちた群像劇。 一気読み必至の話題作。 ----------------------- これまでに読んだ「ピエール・ルメートル」作品の『その女アレックス』、『死のドレスを花婿に』のような、眼には眼を、歯には歯を… 的なミステリ作品とは異なり、第一次世界大戦後のフランスを舞台に、戦争で財産や身体の一部、職、恋人等の様々なモノを喪失した若者たちを、彼らが関わった前代未聞の犯罪を絡めて描いた文芸作品、、、 どんでん返しはなく、悪役がわかりやすい勧善懲悪のエンターテイメント作品でしたね… 映画化して欲しいような、そんな作品でした。  ■一九一八年十一月  ■一九一九年十一月  ■一九二〇年三月  ■終わりに……  ■訳者あとがき 平岡敦 舞台は第一次大戦終結直前の1918年11月2日… 主な登場人物は、兵士の「アルベール・マイヤール」と「エドゥアール・ペリクール」、そして二人の上官の「アンリ・ドルネー=プラデル中尉」の三人、、、 主人公的な存在の「アルベール」は元銀行の経理係で、平凡を絵に描いたような若者… 優柔不断で意気地なしで、びくつくとすぐズボンのなかにちびってしまいそうになり、おまけに閉所恐怖症の気まであり、恋人とベッドにいるときでさえ、毛布にすっぽりくるまれるとパニックを起こしかける程の小心な人物、、、 そんな「アルベール」に一生立ち直れないほどの恐怖を味あわせる徹底した悪役として登場するのが「プラデル中尉(のちに大尉に昇進)」… 自分の利益のため、自らの欲望を満たすためならば他人を犠牲にし、どんな汚い手を使うこともいとわないという、あまりにも憎々しい存在。 そして、もう一人そこにもうひとり「アルベール」の運命に深く関わっていくのが「エドゥアール」… 裕福な実業家の家庭に生まれ、画才に恵まれた天才肌の男で、反俗精神に溢れるという「アルベール」とは正反対の性格、、、 この三人が、戦場で数奇な運命により、生死を含めた、己の未来を変えてしまうような因縁の出来事に遭遇… そして、三人の因縁の物語は、戦後においても戦没者追悼墓地を巡るスキャンダルや慰霊碑詐欺という事件により微妙に交錯していく。 「アルベール」の考えに共感しつつ、いつの間にか感情移入して読み進めていました… 自らの出世のために、兵士を鼓舞するために、斥候に出した部下をドイツ兵に撃たれたように見せかけて銃殺し、それを知った「アルベール」を生き埋めにして殺そうとした「プラデル」、生き埋めになった「アルベール」を助けた際に砲弾の破片により負傷し顔の下部(下顎)を失った「エドゥアール」、、、 戦傷兵となった「エドゥアール」は、確執のあった父「マルセル・ペリクール」の元に帰ることは望まず、「アルベール」の協力を得て、戦死した兵と入れ替わり、別な人物として生きることを選択… 戦後、「アルベール」は、自分の命を救ってくれた「エドゥアール」の世話をするため共同生活を始めるものの、貧しいながらも実直な生活を送ろうとする「アルベール」と、取返しのつかない負傷を負い、世の全てに反逆するかのような放埒さを見せる「エドゥアール」との間には、微妙な心のずれが生じて行く。 一方、「プラデル」は戦後の混乱に乗じ、持ち前の野心と才覚で財産を増やし、「エドゥアール」の姉「マルセル・ペリクール」と結婚することで、更なる飛躍を目論むが、、、 戦没者追悼墓地に関する受託業務での不正行為が暴かれ、仲間からも裏切られ、徐々に追い詰められて行く… 同じ頃、「アルベール」と「エドゥアール」は、「エドゥアール」の発案による世間をあっと言わせる前代未聞の慰霊碑詐欺で大金を入手することに成功、国外への逃亡を計画するが、欺かれた被害者の一人である「エドゥアール」の父「マルセル」の命により「プラデル」は犯人を捜すことになり、再び、三人は接近することになる。 大きなサプライズはないですが、善には救いがあり、悪は罰せられるという結果だったので、納得感のあるエンディングでしたね、、、 「アルベール」は、「ポリーヌ」と幸せな生活を送っているのかな… でも、ずっとずっと、死ぬまで、逃亡する汽車に現れなかった「エドゥアール」のことは気になっていたでしょうね。 それにしても、「エドゥアール」と「マルセル」の運命的な父子関係… 特に「エドゥアール」の最期は切なかったですねぇ。 意外性は少ないないけど… 主人公の「アルベール」に感情移入して、恐怖を感じたり、悩んだり、悲しんだり、喜んだりすることができて、愉しめた作品でした。   以下、主な登場人物です。 「アルベール・マイヤール」  兵士 「エドゥアール・ペリクール」  兵士 「アンリ・ドルネー=プラデル」  アルベールとエドゥアールの上官。後に実業家、プラデル社の社長   「マルセル・ペリクール」  エドゥアールの姉 「マルセル・ペリクール」  富裕な実業家。マドレーヌとエドゥアールの父親 「セシル」  アルベールの恋人 「モリウー将軍」  軍の大物 「フェルディナン・モリウー」  プラデル社の出資者。モリウー将軍の孫 「レオン・ジャルダン=ボーリュー」  プラデル社の出資者。代議士の息子 「ラブルダン」  区長 「リュシアン・デュプレ」  プラデルの部下 「アントナプロス」  密売人。通称「プロス」 「ベルモン夫人」  アルベールとエドゥアールの大家 「ルイーズ・ベルモン」  ベルモン夫人の娘 「ウジェーヌ・ラリヴィエール」  戦死した兵士 「ルイ・エヴァール」  戦死した兵士   「ジュール・デプルモン」  架空の彫刻家  

    1
    投稿日: 2022.10.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    さすがもさすが!もうやっぱり最高! ピエールルメートルほんっっっと好き!登場人物全てに愛着が湧くし結構登場人物多いのにすごいわかりやすい。しかも読む手が、まぁ止まらんくなる。 手に汗握るというか、人の焦った時とか恐れているときのやばいやばいやばいっていう焦りの表現がすごすぎる。最後は,大尉も悪行がバラされて主人公二人はなるほどな…という終わり方をして、ちゃんと全員がなるほどすぎる終わり方だった。 色々深読みすることも考えたけど、ピエールルメートルにかぎってはそのままを受け取って読むのがいっちばんおもしろい!最高の時間でした。

    4
    投稿日: 2022.08.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    (上巻より) モルヒネ中毒になってしまった兵士の姉が、 上官の夫になったと判った時には、 韓国ドラマかよ、と突っ込んでしまった。 それでも、 味方を殺した上官の罪を告発する復讐を期待して読んでいたが、 そういう訳でもなく。 上官は離婚し、兵士の墓地を巡る不正が暴かれ、 貧しく亡くなったが、それは復讐とはちょっと違う。 フランス最高の文学賞ゴンクール賞を受賞したとあったが、 自分には面白くなかった。 たぶん「文学」だったからだと思う。

    0
    投稿日: 2022.06.19
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    原題 AU REVOIR LÀ-HAUT そして、明日は存在しない 何らかの結末は必然的に訪れる 前者はエドゥアールの、後者はマルセルの、彼ら父子の邂逅そのものを端的に表してる気がします。 戦争が二人を分かたなくても既に交差する余地はなかっただろうし、それでも接点があるのであればああいう終わりしかなかったかな…と。 〝感謝〟は、誰にも渡さないで済んだ親のエゴ…?でしょうか。 さよなら、天国で タイトルはMartyrs de Vingréの一人、Jean Blanchardが妻宛に最後に記した言葉より。 人の、底知れぬ悪意というものがどんなものか、 人の、逃れ得ぬ義務とはどんなに悲劇で喜劇か。 アンリとアルベールの対照的な結末が、せめてもの不文律かな…

    1
    投稿日: 2022.04.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    戦争は他国民だけでなく自国民を傷つける。そして、戦争が終わった後も傷つけ続ける。死者に対しても。主人公のアルベール、あまりにもウジウジしているので、最後は作者から見放されてしまったような。結末はなんとなく暗示されるものの、裏切られた。少し無理やり感もあった。「その女アレックス」の時も感じたが、顔の損傷の描写がすごい。

    0
    投稿日: 2021.11.08
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     惨めな生活を送るアルベールとエドゥアールは、戦死者記念墓碑詐欺を実行する。一方でプラデルは、戦死者埋葬事業で数々の契約違反を行い運に見放されつつあった。  戦争で大きく運命を変えさせられた若者二人と私利私欲のプラデル、息子の死に後悔で苛まれるマルセルがそれぞれが戦死者追悼事業に関わり、人生奪還・金儲け・息子への愛慕の気持ちが向かう結末は悲しいものだ。  本作は、2013年にフランスの文学賞''ゴンクール賞''を受賞し2017年には映画化もされました。

    0
    投稿日: 2021.07.23
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    はぐれ者二人の詐欺計画が着々と進行する最中、杜撰な仕事ぶりが露呈したブラデル社は一気に窮地へ。更には一枚岩のペリクール父娘、偏屈な監査人メルランも介入し、物語は一気に佳境を迎える。<ヴェルーベン警部シリーズ>最終作「傷だらけのカミーユ」の結末を鑑みる限り、晴れやかな幕引きは想像し難かったが、最終的に思いの外妥当な着地点に収まった印象。しかし、アルベールとエドゥアールの別離は実に切ない。主人公と敵役、復員兵の両者が戦没者を冒涜する悪事に身を染めていくのは実に皮肉的。原作に忠実と言われている映画版が気になる。

    0
    投稿日: 2021.05.15
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    主人公はパッとしない元兵士アルベール。上司プラデルの陰謀に巻き込まれ戦場で死にかけるも、エドゥアールによって助けられる。しかしそれと引き換えにエドゥアールは顔が潰れる大怪我を負ってしまう。戦争ビジネスで汚なくのし上がるプラデルと、モルヒネ中毒となるも画才で前代未聞の詐欺を働くエドゥアール。終盤の息をつかせぬ展開はさすが。シリーズものとのことで、続きが楽しみです。

    0
    投稿日: 2021.03.12
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    第一次世界大戦直後のパリでのしあがる実業家プラデルは、戦没者追悼墓地の建設で儲けをたくわえていく。一方、アルベールは生活のため身を粉にして働いていた。そんな彼にエドゥアールが提案したのは、ある途方もない詐欺の計画だった。国をゆるがす前代未聞のたくらみは、はたしてどこにたどりつくのか?日本のミステリ・ランキング一位を独占した人気作家が放つ、スリルと興奮に満ちた群像劇。一気読み必至の話題作。

    0
    投稿日: 2021.01.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「その女アレックス」を中心としたヴェルーヴェン警部シリーズとは全く趣向の違った作品でした。 後書きでは冒険小説とのワードもありましたが、それもしっくりこない。 舞台はまさに第一次世界大戦が終わろうとしているフランス。 そこで戦った兵士(アルベール)が戦場で見た光景と自身の体験。 命を救ってくれた戦友(エドゥアール)と、その際におってしまった人生を狂わせる大怪我。 その後、始まった共同生活の中で彼等が取り戻す日常は、国中を巻き込む一大詐欺事件へ... 後半に入り、少し世界観には入り込めたが、暗いイメージは今までの著者の作品と同じとは言え、期待していただけに全体を読み終えても残念な気がしてならない。 説明 内容紹介 膨大な犠牲者を出して、大戦は終わった。 真面目な青年アルベールは、戦争で職も恋人も失ってしまう。画才に恵まれた若きエドゥアールは顔に大怪我を負い、家族とのつながりを断つ。戦死者は称揚するのに、生き延びた兵士たちには冷淡な世間。支え合いながら生きる青年たちは、やがて国家を揺るがす前代未聞の詐欺を企てる! 第一次世界大戦後のフランスを舞台に、おそるべき犯罪の顛末を鮮やかに描き上げた一気読み必至の傑作長篇。ゴンクール賞受賞作。 内容(「BOOK」データベースより) 第一次世界大戦直後のパリでのしあがる実業家プラデルは、戦没者追悼墓地の建設で儲けをたくわえていく。一方、アルベールは生活のため身を粉にして働いていた。そんな彼にエドゥアールが提案したのは、ある途方もない詐欺の計画だった。国をゆるがす前代未聞のたくらみは、はたしてどこにたどりつくのか?日本のミステリ・ランキング一位を独占した人気作家が放つ、スリルと興奮に満ちた群像劇。一気読み必至の話題作。 著者について 1951年、パリ生まれの作家、脚本家。2006年にカミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズの第一作となる『悲しみのイレーヌ』でデビュー。2011年に発表したシリーズ第二作『その女アレックス』は、リーヴル・ド・ポッシュ読者大賞、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞に輝いたほか、日本では『このミステリーがすごい! 』、「ミステリが読みたい! 」、「週刊文春ミステリーベスト10」、本屋大賞(翻訳小説部門)などのランキング一位を独占し、ベストセラーとなった。2013年に発表した初の文芸作品である本書は、フランスで最も権威ある文学賞ゴンクール賞を受賞した。現在フランスで最も注目される作家である。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) ルメートル,ピエール 1951年パリ生まれの作家、脚本家。2006年にカミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズの第一作となる『悲しみのイレーヌ』でデビュー。2011年に発表したシリーズ第二作『その女アレックス』は、リーヴル・ド・ポッシュ読者大賞、英国推理作家協会(CWA)賞インターナショナル・ダガー賞に輝いたほか、日本では『このミステリーがすごい!』、「ミステリが読みたい!」、「週刊文春ミステリーベスト10」、本屋大賞(翻訳小説部門)などのランキング一位を独占し、ベストセラーとなった 平岡/敦 1955年生、早稲田大学文学部卒、中央大学大学院修士課程修了、フランス文学翻訳家、中央大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    4
    投稿日: 2021.01.01
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    同作者の作品としては意外性が弱く、陰鬱なのは変らないという感じ。 爽快感を求めたわけではないけど、あまり高い評価はできかねると思う。

    0
    投稿日: 2020.12.20
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    最後の方は一気に読んだ。絶望と希望の案配、物語の緩急や息を飲む展開だった。この作者の作品をまた読みたい。

    2
    投稿日: 2020.05.08
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    結末悪人のブラデルが罰せられた結末は納得したが エドゥアールが父親の運転する車に轢かれてしまったのは 何故なのか?作者は何を伝えたかったんだろう?

    0
    投稿日: 2020.04.29
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    2019/12/30読了。仏最高のゴングール賞受賞作と期待して入り過ぎた自己責任ではあるが、最期の結末はやや拍子抜けの感があった。ただ、あの忌まわしい第一次世界大戦後の戦勝国フランスの充満した荒廃感は感じられて良かった。

    0
    投稿日: 2019.12.30
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    ミステリではないので、どんでん返しはないが、最後の展開はドキドキした。 一部史実を混ぜてるところに、リアリティを感じたんだと思う。 面白かった。

    0
    投稿日: 2019.11.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    男性陣の展開がメインとは言え、それぞれに絡む女性陣の生き生きとした魅力ときたら!女性陣の登場がなければ、ただの戦争と復讐の物語だったでしょう。ラストの、マドレーヌのプラデルに対する冷徹さ、詐欺と分っていて瞬殺で付いていくことを決めたポリーヌが特にいい。ハッピーエンドとは言えないところもありますが、それぞれの着地が巧くて納得の収束。上下巻ですが、面白くてあっという間に読めました。

    0
    投稿日: 2019.10.10
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    カミーユ刑事シリーズの作者だったので評価をあげすぎて臨んでしまった。当時の情勢、そこで織りなされる関係者の群像劇、魅力的な詩的表現は素晴らしかった。物語の帰結は落語みたいというか、、ルメートル本人も悩んだんじゃないのかな、、この終わり方でいいの?みたいな。 小胆でお人好しのアルベールと奔放でお金持ちのエドゥアール、友達になるはずのない二人が友達になり国を相手に大博打を打つのはハラハラしつつも楽しかったです。 映像化はもう少しテンポが良く喜劇調にまとめられてた。ラストが少し違うかな。どっちが好きかといわれると難しいところ...。

    1
    投稿日: 2019.09.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    戦争をフックに、正義や金や幸せなどの価値観に大きな疑問を投げかける。 人生は金ではない。 外見でもない。 何をしたか、でもない。が、何をしたかによって人は納得できる何かを得られるのだろう。

    0
    投稿日: 2019.08.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    戦後の混沌と貧富格差と不正詐欺。読んでいて嫌になるがラストは収まるところに収まった感じ。読み始めは展開が全く見えなかったが中盤から物語の数奇で壮大で複雑な構造が見えてきてからはどう収束するのか気になって終盤は一気読みだった。一貫した主人公のお人よし?なキャラクタを愛せるかどうか。自分的には主人公の彼女(後のほう)のキャラクタが一番気に入りました。

    0
    投稿日: 2019.07.17
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    どうしても身近でない群像劇のため深入りできなかったが、時間が経つにつれ、よくよく考えると実は戦争の悲劇からくる個々の葛藤をみんなに考えて欲しい、と奥深い、著者のうまさなのかも。最後のスピード感は圧巻。何気にメルランが刺激を与えてくれる。

    1
    投稿日: 2019.03.28
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    カミーユ警部シリーズや『監禁面接』のようなミステリー・エンターテイメントを得意とするミステリー作家のルメートルが、純文学作家のルメートルに。 本当にこの小説を読み終わって、上質な古典文学を読んだような満足感を味わうことができた。 話の展開はミステリー的要素もあるが、あえてそこはほどほどにし、第一次大戦直後のフランスを舞台にしっとりとした人間模様を描き切ったところが秀逸。 今後もミステリーだけじゃなく、このような普通の人たちの内面を描いたルメートルの小説を読んでみたい。

    11
    投稿日: 2018.12.25
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    じわじわ高まっていく緊張感と、物語が結末に向かいはじめてからのスピード感は秀逸。クライム小説なんだけど、時代の描き方や、人物の描写が頭抜けているからか読み終わった後の満足感が凄い。

    4
    投稿日: 2018.12.04
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    "スリルに満ちた物語、ページをめくらずにはいられない。 父と息子の物語 生と死の物語 戦争をあざ笑うかに見える物語 主人公は気の良いどちらかといえば控えめな青年。 過去に経験のない読後の余韻を味わえる作品だった。"

    0
    投稿日: 2018.11.20
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    フランスの作家ですが、日本ではミステリー作家として有名なようです。私は初めて彼の小説を読みました。 あとがきで知ったのですが、題名は第一次世界大戦で敵前逃亡の汚名で、見せしめとして銃殺された兵士が妻に宛てた最期の手紙の中の言葉、とのことです。 著者自身が言うように、戦争で人生を踏みにじまれた若者たちへのオマージュがこの作品の基調にあります。一方で主人公のエドウアール、アルベールによる社会への反抗が結末で達成され、主要な登場人物それぞれの物語が決着を迎えるところ、活劇のクライマックスのような高揚感を感じました。 ”どんな問題にも結末は必要だ。それが、人生の定めだろう。耐え難い悲劇だろうと、馬鹿馬鹿しい喜劇だろうと、いつかは決着をつけねばならない。” という一節がとても印象に残りました。

    3
    投稿日: 2018.11.10
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    ルメートルはその女アレックス、イレーヌなど刑事モノ?を読みましたが、結構グロというか、でも内容的にはすごく面白い本だったので、その延長かな、と思ったら全然違う、雰囲気でした。重いテーマで、重厚な雰囲気。終わり方も救いがあるというか、ほっとする終わり方で、とても良かった。映画にしてもいいと思うけど、設定上、ちょっと映画にしづらいかな。。

    0
    投稿日: 2018.07.04
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    女性がみんなかっこいい。男性はみんな女々しい。笑 だからちょいちょいイライラしたけど。エドゥアールの顔の描写が、好き。

    0
    投稿日: 2018.02.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    フランスは戦勝国であるが、苦労している描写に驚いた。 (主人公二人が特殊な状況であだからかもしれないが・・・)

    0
    投稿日: 2018.02.01
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    どこかで紹介されていてそれで読んでみようと思ったのだけれど、『ルメートルの作品』だからじゃなく、『第一次大戦を扱った小説』というような括りじゃなかったかな。それで実際に手に取って「あ、これ書いたのルメートルだったか」って知ったという。でも、文春文庫の三作を読んだ後だからか、ルメートルってよりJ.アーチャーを読んでるような気分だったけど。

    0
    投稿日: 2017.07.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どうなってしまうの?と、割とドキドキしながら読みました。 これまで読んできたルメートルの作品と少し違う印象でした。 メルランの存在が効いている。実際に自分の近くにいたら嫌だけど、なくてはならない人。 最終的にアルベールがしあわせに?なってくれたのが良かったですし

    0
    投稿日: 2017.07.16
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    上巻は、微妙に冗長さを感じましたが、下巻に入ると一気に物語が進みます。戦死者の遺族を相手にした詐欺と言う、あまり心地よくないテーマですが。 やっぱり悪人には鉄槌が降りるんですね。それはそれで、スッキリとしました。悪人が跋扈するのはよくありません。でも、その不正を見破る役人が、あまりよくない描写なのは何故なんですかね? ペリクール氏をおそう最後の“偶然”は、小説としては、起こりうるべくして起きた悲劇ですね。エドゥアールも、実は、そう言う最後を望んでいた?

    0
    投稿日: 2017.07.05
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    後編までどうにか読んだが、そのまま皆幸福にならず、モヤモヤさせられた。ルメートルの作品だからと期待しすぎたかも。時代背景もしっくりこない。

    0
    投稿日: 2016.11.20
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    悲惨な戦争を潜り抜けた戦友たちが主人公となり物語を繰り広げ、そこに戦争を経て肥え太った元兵士も絡んでくる…といった図式から、オールスンの「アルファベット・ハウス」が髣髴された。 「その女アレックス」で一躍我が国では有名になったピエール・ルメートルの作で、ミステリー仕立てではないが、行く末が気になって焦れてくる巧みな筆運びはさすが。 生々しい負傷の描写などをぼかさず、直截的に書き切るあたりも、"らしい"。 作中世界がとにかく濃厚で、読者は知らないうちにそこにどっぷりと引き込まれてしまっているので、カウントしてみると僅か1年余りのスパンの物語なのだが、なんだか長大な大河作品を味わったような気にもなる。 優しさ、弱さ、狡猾、悲哀、怒り、誇り、孤独、家族、愛情、理不尽…、戦争とその後の世相という舞台をギミックにして、"人間"というものを巧く浮き彫りにしている小説だと思う。

    3
    投稿日: 2016.08.30
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    あれ?今、自分はシドニィ・シェルダンを読んでいるんだっけか?いや、違う。「その女アレックス」で一躍名を挙げたピエール・ルメートルを読んでいるはずだ。というくらい、期待したものとは違う。それでもよし、という場合もあるが。

    0
    投稿日: 2016.08.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    # 天国でまた会おう 戦争で味方を殺すことによって実績を上げ、戦後は死者を冒涜することによって利益を貪ろうとした中尉は、悪事が発覚し、孤独のうちに死亡する。 中尉の悪事を目撃した兵士アルベールは、注意によって殺されそうになるが、エドゥアールによって助けられる。 エドゥアールはアルベールを助ける際に大けがを負い、二度と人前に顔を出すことも話すこともできない姿となる。エドゥアールは恨みから、戦没者記念碑の詐欺を思いつき、国中から金を集める。国外へ逃亡するというその日に、自分の父が運転する車に飛び込んで死亡する。 アルベールはエドゥアールの詐欺に手を貸し、大金を持って恋人とともに植民地へ逃亡する。 それにしても長すぎるのではないか。 アレックスのような劇的な展開がないだけに退屈感が否めない。 文章や構成は洗練されているとはいいがたい。

    0
    投稿日: 2016.07.18
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     売れっ子のピエール・ルメートルの版権を獲得した早川書房は、その快挙に欣喜雀躍したに違いない。ハードカバーと文庫との同時出版となったのもその表れだろう。  しかし、実のところルメートルの作品は、あの怪作『その女アレックス』の登場後、即座に、過去に翻訳出版されていたにも拘わらずその時点では全く注目を集めなかったルメートルのデビュー作『死のドレスを花婿に』、そして少し後にカミーユ・ヴェルーヴェン警部のシリーズとしては第一作に当たる『悲しみのイレーヌ』も出版されるというルメートル旋風が、翻訳小説界に巻き起こることになる。  『その女アレックス』が世界に席巻するルメートルのブームの発端となったにせよ、今、読む機会を与えられた過去の作品はすべて圧倒されるストーリーテリングを感じさせられる筆力に満ちたものであることは間違いない。  そうした翻訳ブームの中で実は地味ながらも『その女アレックス』の二年後の作品として改めて瞠目されるべき作品が、実は本作なのである。早川書房としてはとても鮮度のよい作品に眼をつけたというところなのだ。しかもこの作品、フランス最高のゴングール賞受賞作。いわば日本でいえば直木賞ならぬ純文学系の頂点である芥川賞に比肩する大きな賞なのである。ピエール・ルメートルは、実は直木賞も芥川賞も行ける作家であったということである。  しかし本書に向かい合ってみて、過去作品の見せる大どんでん返しやトリック、ツイストなどのミステリー的要素はないものの、その表現手法に接してみると、いかにもルメートル世界ではあるのだ。全然違う作品なのかな、と思いきや、その語り口、題材としての目の付けどころ、登場人物が陥る異常心理、意外な宿命とその結末といった小説的面白さは、日本の芥川賞にはまず見られることのない大衆娯楽小説としての楽しさが満載なのである。  フランスのおおらかさというようなものを感じさせる受賞であり、それに応える壇上のルメートルの妙技はやはり相変わらず見ものである。ミステリーではなく、むしろ冒険小説のジャンルに切り込んだルメートルの作品は、どことなくジャプリゾの『長い日曜日』を思い起こさせる。  戦争の残酷と、戦争を食い物にする戦争犯罪者。そしてそれらをある時は真摯に、ある時はイロニック(皮肉)に料理する名シェフのような文章(包丁)と味付けの冴え。日本の純文学では考えられないフランス純文学大賞の面白さ、という切り口だけでも改めて楽しみたいエンターテインメント・クライム・スリラーであり、壮大な復讐劇としてのビルディングス・ロマンとも言える大作をご賞味あれ。

    0
    投稿日: 2016.06.06
  • ルメートルの新境地となる作品

    最後はもっとドラマチックに終わって欲しかったんだけどなぁ…、意外と穏やかなエンディングでした。 結局、戦争は戦勝国にも大きな犠牲をもたらすってことですね。 主人公よりも仕事に忠実なメルランという役人の生き様が一番心に残ったなぁ。 どんな賄賂にも屈しないあの正義感、見習いたい。 この小説、どんなジャンルにも分類しにくい内容で、ルメートルの新境地が感じられた。

    0
    投稿日: 2016.06.05
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    ルメートルの作品だがミステリーではないし(ミステリーっぽいところはあるが)、正直展開にとまどい何がいいたかったのかわかりづらいところがある。

    0
    投稿日: 2016.05.28
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    ピエール・ルメートル3作目。 前2作と比べてミステリーではなくドキュメントのような。 初めは前作より出てくるキャラクター要素が弱く読みにくくてなかなか進まなかったが(相関図がややこしい)、次第に関係が分かってくると登場人物に感情移入してしまうくらいはまる。アルベール、エドゥアール、プラデルの3人の運命はいかに。 映像作品でも観てみたい作品。

    1
    投稿日: 2016.04.09
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    第一次世界大戦で九死に一生を得た男たちの物語。 第一次世界大戦後、上流階級に入り込んだ中尉と偽名で生き延びて社会の底辺を生きる二人組の対比から、その二人組の性格の違いの対比という二重構造的な構成や、国家的行事に絡む詐欺事件をそれぞれが起こすという対比の三重構造的な展開が見事です。 ラストは追うものと追われるもののサスペンス的展開になっていてドキドキしますし、エピローグで主要人物たちのその後が説明されていてそれなりにハッピーエンドでホッともしました。 エピローグのルイーズの記述に意味深な説明があるのですが、続編?があるなら読みたいと思います。

    0
    投稿日: 2016.03.21
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    基本的に復讐譚でありつつ、どこかカラッとした明るさがあるところは、アーチャーの「100万ドルを取り返せ」を彷彿とさせる。

    0
    投稿日: 2016.03.18
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    傑作では? そりゃアレックスやイレーヌを読んだら否が応でも期待しますよね。でもいい意味で裏切られます。 青年2人が時代に翻弄される。但し片方が芸術家はだしの破天荒な人物であった為、フランスを揺るがす一大詐欺事件に発展していく。 それに絡む悪徳上司と、それぞれに絡む女達がまたいい。マドレーヌもポリーヌもルイーズもみんないい。小説なんて「美人であった。」と書けば誰でも美人になるのに、マドレーヌは敢えて不美人であった。ポリーヌは可愛らしかった、でも婚約者を戦争で失った25歳。ルイーズに到っては12歳だ。三者三様の設定が上手い。 最後にプラデルを見捨てるマドレーヌの男前な事!最後にあっさり詐欺に加担するポリーヌの潔さったら!そしてひたすら献身的なルイーズ! 三者三様の男の運命と、その男達に絡んだ女達の三者三様の運命。読ませますね〜、手に汗握りますね〜。エドゥアールは死んでしまいますが、一応ハッピーエンドでしょうか。そう、アレックスの様に、なんとなく落ち着かない、少し捻ったハッピーエンドです。 最後の最後にメルランのその後まで描かれる。 これがまたいい余韻を残してます。 この作者は凄いですよ。早く全部翻訳して欲しいです。

    2
    投稿日: 2016.02.13
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    想像を裏切る展開。暗く、エグく、悲しい展開も乾いたユーモアにする筆力。こんな小説もあるのか。訳文も良い。

    1
    投稿日: 2016.02.10
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    うーん、これでゴンクール賞?というくらい、中身の薄い本。まあ、フランス人には馴染みの深い話題が織り込まれているところが人気の元なのだろうが、無理やり話を引き伸ばして原稿料を稼いだ感があり、結末も陳腐。図書館で借りて正解、買っていたら激怒するところ。

    0
    投稿日: 2016.01.31
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    上巻、第一次世界大戦の描写の時点で面白いのだけれど、いまいちノってこなくて読み終わるのに時間がかかってしまった。下巻の中盤くらいから漸く、次へ次へと頁をめくる速度があがってきました。ミステリではないルメートル、今後も読んでみたい。最後はじーんときました。

    1
    投稿日: 2016.01.29
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    厭世的な思いで日々を送る二人の若者が画策した計画は、戦争で疲弊した人々をさらに傷つける「事件」へと発展する。様々な登場人物が見せるすべての俗なる行動が人間の持つ醜悪な部分の具体例として提示されている。

    0
    投稿日: 2016.01.17
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    ルメートル氏の作品がなぜ日本でウケるか(もちろん日本だけではないのだが…)分析してみる。それは勧善懲悪に加えて日本人の大好きな人情溢れる時代劇的要素が存分に盛り込まれているからであろう。それを証拠にハッピーエンドではないにもかかわらずアレックスもアルベールも見事な大岡裁きで救われたではないか…それがなんとも言えぬ爽やかな読後感をもたらすのである。 そして上巻で「ミステリーではない!」と言ったことも撤回。 目まぐるしい展開の結末は一見唐突であっけないものなのだが実は登場人物ひとり一人の行動すべてが緻密な伏線となっておりそれがエピローグでかっちりと繋がる様は上質なミステリーそのもの。 やはり「tres bien!」と賞賛せざるを得ない

    1
    投稿日: 2016.01.13
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    129・130/10000 「天国でまた会おう」上下 ピエール・ルメートル 平岡敦 訳 早川書房 「その女アレックス」の作者、ピエール・ルメートルの作品です。単行本と同時に文庫も発売!粋ですねぇ~✨ 今までの作品が、がっちりミステリーだったので、今回もそうなのかなと思ってたら、全く趣の違う作品です。 第一次世界大戦。ヨーロッパ戦線では、休戦の噂に、兵たちは戦意を失っていた。そんな中、下された突撃命令。混乱の中、上官プラデルの悪事に気づいた主人公アルベールは、事実の隠蔽のため、戦死を装った生き埋めにされてしまう!そんなアルベールを救ったのがエドゥアール。しかし、この出来事が、三人の運命を大きく変えていく… 大きな時代の流れの中で、のし上がろうとする者、自分を守ろうとする者、運命をせせら嘲う者、様々な思惑が絡み合って、どうしようもないところまで行ってしまう恐ろしさが、余すことなく描かれている。 中学生の頃、背伸びして読んだものの、細かいところは忘れちゃった「チボー家の人々」がなぜか痛烈に甦ってならなかった。 これは、すごい作品です。 ルメートル、すごい作家です。 可愛い顔したこのおじちゃまから、絶対目を離さないぞ❗(σ≧▽≦)σとここに誓いマス。

    1
    投稿日: 2016.01.03
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     なんというかすごい。すごいエネルギーである。  特にマドレーヌの存在が、何とも言えない。主要登場人物は男性ばかりなのに「女ってたくましい」って思わせる女性しかいない。  ただ、なんというか大きな波に翻弄されたまま結末を迎えてしまったなぁという気がしないでもない。第2次大戦という大きな波にとって人なんてゴミみたいなものだということなんだろうか。

    0
    投稿日: 2015.12.31
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    (15.12.26) 戦争末期。野心をもった上官プラデルに命を奪われそうになったマイヤール。偶然にもその命を寸前で救うも、直後に自らの顔下半分を失ったエドゥアール。 戦後も続くマイヤールとエドゥアールの悲惨な生活。 エドゥアールの父は莫大な富をもつペリクール氏。死んだと聞いて初めて息子への愛に気づく。さらに娘のマドレーヌは、プラデルの妻ともなる。 複雑に絡まる人間関係。富と名誉。欲と憎しみ。戦争の影が潜む暗い作品。ある意味では、若干の温かみが残るものの、人間の暗い部分が描き続けられている。 ただでさえ、切ないクリスマスだったっていうのに…こんな時期に読むんじゃなかったな…

    0
    投稿日: 2015.12.26
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    帯に皆川博子さん推薦とあったので手に取った。 ハヤカワ・ミステリ文庫ですが、ミステリというより文芸(ざっくり)といった印象です。 彼らがどういった因果関係を形成するのか、手は放すのかどうか、そのあたりが特に気になったので一気読み。不条理さは引きずらないが、もの悲しい…。

    0
    投稿日: 2015.12.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今までで一番良かった。。 もやもやも、しなかったし。みんな、落ち着くところに落ち着いた感じ。 全体的には暗い空気を感じるのに、読み終えた後は幸福感が広がった。不思議。 そしてタイトルの切なさが、ひしひしと… 待ち合わせしていたのに、エドゥアールが来なくて、アルベールが泣いてしまったシーンで、私もうるうる(T_T) ペリクール氏の安らかな最期も、ほっとした。 そして、最後の最後に、メルランの退職後にほっこり。報われてよかった。 エドゥアールって、本当に天使だったのかも。純粋… 美しい死に様。映画のワンシーンのように、私の頭の中に映像が流れたわ。

    2
    投稿日: 2015.12.17
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    長身ハンサムなだけのクズな上官だったブラデルの運の良さもここまで。落下の人生になり、マイヤールとエデゥアールの詐欺は国家を巻き込む事件に発展。エデゥアールの姉の強さとしたたかさ。エデゥアールの父親の愛情。ラストは切ない。この切なさは、その女、アレックスを読んだ時にも感じた切なさだ。

    0
    投稿日: 2015.12.15
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    二人が手を染めることになる詐欺、本当の被害者って誰なんだろう。政治の中枢にいる人、経済の中心にいる人……目に見えることが淡々と描かれている感じ。時折表れる情感は急にカラーになって見える。エドゥアールは最後に何を思ったんだろう。

    0
    投稿日: 2015.12.09
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    父と息子が再会できるのか、と思いきやこの結末、、。やっぱりルメートルですね。切ないけど、これでいいのかも。ラストはテンポよかった。もう少しコンパクトにしてもよかったかな。

    0
    投稿日: 2015.12.06
  • 読みごたえ

    たくさんの人が登場するわけではないですが、読みごたえがあります❗ ラストも、納得です。

    0
    投稿日: 2015.11.17
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    戦傷で結びついた二人の貧しい元兵士の若者が、 企てた国家を揺るがす詐欺事件と 兵士の上官だった男の戦時中、戦後の 犯罪行為がどう絡み合って、上官の犯罪を暴くのか、 とミステリー的読み方をしていたが、 何にでもおびえこそこそとしているが 夢見がちで子供っぽい、アルベール ギラギラした再興の欲望、自己顕示を 恵まれた外見で隠しながら、セコい小悪党が 本質に流れるプラデル。 父であることを息子の戦死後知り、 葛藤するペリクール氏、 女の強かさと母の強さを発揮する姉、 愚直な正義を芯に持つ臭い役人、 そして、自由と反逆と頽廃のエドゥアール。 全然異なる人間模様が繰り広げられ絡み合い、 一つに収まっていった。 フランスと知って読んでいるから以上に、 フランス映画的な終わり方と、私は感じた。

    1
    投稿日: 2015.11.10
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    ミステリィではなく,史実に基づいた詐欺事件を,あくまで市民の目線からフィクションとして描いただけなのだが,そこには第一次大戦後の自国の歴史を顧みると決してフィクションで片付けられない痼りのようなものを教養のあるフランス人は共有しているのだろう.だからこそ,登場人物の誰かに投影して,緩急織り交ぜた筆致と共に,物語に引きずり込まれる.一気に読了するが吉.

    0
    投稿日: 2015.11.03
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    下巻。 上巻と比べるとサスペンス度はやや下がり、一般文芸らしい内容だった。但しネタバレには気を遣うw 収まるべきところに収まった、と言ってしまえばそうだが、かなり切ないラストシーンだった。

    0
    投稿日: 2015.11.01
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    これまでの作品とは全く趣を異にしており、ミステリーですらないと言ってよいと思う。あえてジャンル分けするならば、冒険大河小説というべきだろうか。人間の持持つ純粋さと愚かさがテーマなのだろうと思う。自らの持つ純粋な部分を受け入れない愚かな人々に対して、その純粋なるもの利用して一矢報いるという、かなりストイックな内容であるけれど、テンポの良い文章で一気に読める。おどろおどろしい描写もないわけではないが、本作ではあくまで脇役になっている。

    0
    投稿日: 2015.10.24
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    エドゥアールを見舞う過酷な運命とエドゥアールに責任を感じるアルベール。二人は復讐のため、途方も無い詐欺に手を染めるが… 『その女アレックス』に比べると遥かに物足りなく、リーダビリティにも欠ける。 ピエール・ルメートルの翻訳作品は文庫化された順番に面白くなくなっている。つまり、面白い順に並べると、『その女アレックス』『死のドレスを花婿に』『悲しみのイレーヌ』、そして、この『天国でまた会おう』ということになる。

    0
    投稿日: 2015.10.19